WLAN用のトレーニングシーケンスの指標
【解決手段】 多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブル(100)を生成する方法であって、プリアンブルの第1のフィールド(VHT−SIG1)を生成する。第1のフィールドは、複数の受信機に対して複数の指標を提供する。複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群(VHT−LTF1・・・N)を示している。複数のトレーニングシーケンスを前記プリアンブルの第2のフィールドに含める。プリアンブルの第1のフィールドが、プリアンブルの第2のフィールドが送信される前に送信されるようにプリアンブルをフォーマッティングする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、概して通信ネットワークに関し、具体的には多入力多出力(MIMO)通信システムで送信する物理層プリアンブル形式に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願]
本願は、以下の米国仮特許出願による恩恵を主張する。
米国仮特許出願第61/254,608号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2009年10月23日
米国仮特許出願第61/255,038号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2009年10月26日
米国仮特許出願第61/259,584号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2009年11月9日
米国仮特許出願第61/260,729号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2009年11月12日
米国仮特許出願第61/294,729号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2010年1月13日
米国仮特許出願第61/307,780号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2010年2月24日
米国仮特許出願第61/321,390号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2010年4月6日
上述した特許出願は全て、開示の内容が参照により全て本願に組み込まれる。
【0003】
本願はさらに、米国特許出願第12/910,608号、発明の名称:「WLAN用のストリーム数の指標」、出願日:2010年10月22日)に関する。当該特許出願の内容は全て、参照により本願に組み込まれる。
【0004】
本明細書に記載する背景技術の説明は、本開示がどのような文脈で為されたかの概要を説明する目的で記載するものである。本願の発明者として名前を挙げているものの研究内容は、この背景技術のセクションに記載されている限りにおいて、出願時に先行技術と認められない部分と同様に、本開示に対する先行技術として明示的にも暗示的にも認めるものではない。
【0005】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)は、過去10年間の間に急速に発展が進んだ。米国電子電気学会(IEEE)802.11a、802.11b、802.11gおよび802.11n規格等のWLAN規格の開発によって、単一ユーザピークデータスループットが改善された。例えば、IEEE802.11b規格では、11メガビット毎秒(Mbps)という単一ユーザピークスループットを仕様で定めており、IEEE802.11a規格および802.11g規格では、54Mbpsという単一ユーザピークスループットを仕様で定めており、IEEE802.11n規格は、600Mbpsという単一ユーザピークスループットを仕様で定めている。新しい規格、IEEE802.11acに関する研究が始まっている。この規格では、さらなるスループットの改善が約束されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によると、多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法であって、複数の受信機に対して複数の指標を提供するプリアンブルの第1のフィールドを生成する段階を備える。複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示している。当該方法はさらに、複数のトレーニングシーケンスをプリアンブルの第2のフィールドに含める段階を備える。当該方法はさらに、プリアンブルの第1のフィールドが、プリアンブルの第2のフィールドが送信される前に送信されるようにプリアンブルをフォーマッティングする段階を備える。
【0007】
別の実施形態によると、MIMO通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する物理層(PHY)部を備える装置である。プリアンブルの第1のフィールドは、複数の受信機に対して複数の指標を提供する。複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示す。プリアンブルは、複数のトレーニングシーケンスを含む第2のフィールドを持つ。PHY部はさらに、プリアンブルの第2のフィールドの送信より前に、プリアンブルの第1のフィールドを送信させる。
【0008】
さらに別の実施形態によると、多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して第1の受信機を用いてデータユニットのプリアンブルを受信する方法であって、プリアンブルの第1のフィールドを受信する段階を備える。プリアンブルの第1のフィールドは、複数の指標を提供する。複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスのトレーニングシーケンス群を示す。第1の受信機は、複数の受信機のうち一の受信機である。当該方法はさらに、複数の指標のうち第1の受信機に対応する一の指標に基づき、複数のトレーニングシーケンスを含む第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断する段階を備える。当該方法はさらに、プリアンブルの第1のフィールドを受信した後にプリアンブルの第2のフィールドを受信する段階を備える。プリアンブルの第2のフィールドは、複数のトレーニングシーケンスを含む。当該方法はさらに、第1のトレーニングシーケンス群を用いて、MIMO通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う段階を備える。
【0009】
さらに別の実施形態によると、MIMO通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルの第1のフィールドを受信する物理層(PHY)部を備える装置である。プリアンブルの第1のフィールドは、複数の指標を提供する。複数の受信機のうち第1の受信機は、当該装置を含む。複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスのトレーニングシーケンス群を示す。PHY部はさらに、複数の指標のうち第1の受信機に対応する一の指標に基づき、複数のトレーニングシーケンスを含む第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断する。PHY部はさらに、プリアンブルの第1のフィールドを受信した後に、プリアンブルの第2のフィールドを受信する。プリアンブルの第2のフィールドは、複数のトレーニングシーケンスを含む。PHY部はさらに、第1のトレーニングシーケンス群を用いて、MIMO通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)の一例を示すブロック図である。
【0011】
【図2】別の実施形態に係るデータユニット形式の一例を示す図である。
【0012】
【図3A】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図3B】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0013】
【図4】さらに別の実施形態に係る、グループ定義フィールドの一例を示す図である。
【0014】
【図5】さらに別の実施形態に係るサウンディングタイミング図の一例である。
【0015】
【図6】さらに別の実施形態に係る、空間ストリーム数サブフィールドを示す図である。
【0016】
【図7A】別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図7B】別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0017】
【図8】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての別の例を示す図である。
【0018】
【図9A】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての例を示す図である。
【図9B】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての例を示す図である。
【0019】
【図10A】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図10B】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図10C】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0020】
【図11A】さらに別の実施形態に係るデータユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図11B】さらに別の実施形態に係るデータユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0021】
【図12】さらに別の実施形態に係る、データユニット形式の別の例を示す図である。
【0022】
【図13A】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図13B】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0023】
【図14A】実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当てのさらに別の例を示す図である。
【図14B】実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当てのさらに別の例を示す図である。
【0024】
【図15】実施形態に係る、データユニット形式のさらに別の例を示す図である。
【0025】
【図16】実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての別の例を示す図である。
【0026】
【図17】実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当てのさらに別の例を示す図である。
【0027】
【図18】実施形態に係る、通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0028】
【図19】実施形態に係る、通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルを受信する方法の一例を示すフローチャートである。
【0029】
【図20】実施形態に係る、MIMO通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法の一例を示すフローチャートである。
【0030】
【図21】実施形態に係る、MIMO通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルを受信する方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、実施形態に係るワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)10の一例を示すブロック図である。WLAN10は、アクセスポイント(AP)と複数のクライアント局との間におけるダウンリンク(DL)マルチユーザ(MU)多入力多出力(MIMO)通信をサポートしている。また、WLAN10は、APと各クライアント局との間におけるDLシングルユーザ(SU)通信をサポートしている。AP14は、ネットワークインターフェース16に結合されているホストプロセッサ15を有する。ネットワークインターフェース16は、媒体アクセス制御(MAC)部18および物理層(PHY)部20を含む。PHY部20は、複数の送受信機21を含み、複数の送受信機21は、複数のアンテナ24に結合されている。図1では3つの送受信機21および3つのアンテナ24を図示しているが、AP14が含む送受信機21およびアンテナ24の数は、他の実施形態では異なるとしてもよい(例えば、1個、2個、4個、5個等)。一実施形態によると、MAC部18およびPHY部20は、第1の通信プロトコル(例えば、IEEE802.11ac規格、現在標準化に向けて協議中)に応じて動作するように構成されている。別の実施形態によると、MAC部18およびPHY部20は、第2の通信プロトコル(例えば、IEEE802.11n規格、IEEE802.11a規格、IEEE802.11g規格等)に応じて動作するように構成されている。本明細書では、第1の通信プロトコルを超高スループット(VHT)プロトコルと呼び、第2の通信プロトコルをレガシープロトコルと呼ぶ。
【0032】
WLAN10は、複数のクライアント局25を備える。図1に図示しているクライアント局25は4個であるが、WLAN10は、場合および実施形態に応じて、クライアント局25の数が異なる(例えば、1個、2個、3個、5個、6個等)。クライアント局25のうち少なくとも1つ(例えば、クライアント局25−1)は、少なくともVHTプロトコルに応じて動作するように構成されている。一部の実施形態によると、WLAN10はさらに、VHTプロトコルに応じて動作するようには構成されていないが、レガシープロトコルに応じて動作するように構成されているクライアント局40を備える。本明細書では、このようなクライアント局40を「レガシークライアント局」と呼ぶ。一部の実施形態によると、WLAN10は、複数のレガシークライアント局を備える。他の実施形態によると、WLAN10にはレガシークライアント局がない。
【0033】
クライアント局25−1は、ネットワークインターフェース27に結合されているホストプロセッサ26を有する。ネットワークインターフェース27は、MAC部28およびPHY部29を含む。PHY部29は、複数の送受信機30を含み、送受信機30は、複数のアンテナ34に結合されている。図1には3個の送受信機30および3個のアンテナ34を図示しているが、クライアント局25−1が有する送受信機30およびアンテナ34の数は、他の実施形態では、異なる(例えば、1個、2個、4個、5個等)。
【0034】
ある実施形態によると、クライアント局25−2、25−3および25−4のうち1以上のクライアント局は、構造がクライアント局25−1と同一または同様である。このような実施形態によると、クライアント局25−1と同一または同様の構造を持つクライアント局25は、同数または異数の送受信機およびアンテナを有する。ある実施形態によると、例えば、クライアント局25−2が有する送受信機およびアンテナはそれぞれ2個のみである。
【0035】
さまざまな実施形態によると、AP14のPHY部20は、VHTプロトコルに準拠しており、以下に説明する形式を持つデータユニットを生成する。送受信機21は、生成されたデータユニットをアンテナ24を介して送信する。同様に、送受信機21は、VHTプロトコルに準拠しているデータユニットをアンテナ24を介して受信する。AP14のPHY部20は、VHTプロトコルに準拠しており、且つ、以下に説明する形式を持つ受信データユニットを処理する。
【0036】
さまざまな実施形態によると、クライアント局25−1のPHY部29は、VHTプロトコルに準拠しており、以下に説明する形式を持つデータユニットを生成する。送受信機30は、生成されたデータユニットをアンテナ34を介して送信する。同様に、送受信機30は、VHTプロトコルに準拠しているデータユニットをアンテナ34を介して受信する。さまざまな実施形態によると、クライアント局25−1のPHY部29は、VHTプロトコルに準拠しており、且つ、以下に説明する形式を持つ受信データユニットを処理する。
【0037】
図2は、ある実施形態に係る、AP14が直交周波数分割多重(OFDM)変調を用いてクライアント局25−1に送信するデータユニット100を示す図である。データユニット100は、VHTプロトコルに準拠しており、80MHz帯域を占有する。他の実施形態によると、データユニット100と同様のデータユニットは、20MHz、40MHz、120MHz、160MHzまたは任意の適切な帯域幅等、さまざまな帯域幅を占有する。データユニット100は、レガシープロトコルには準拠しているがVHTプロトコルには準拠していないクライアント局(例えば、レガシークライアント局40)をWLAN10が含むモードである「混合モード」の場合に適切なデータユニットである。データユニット100は、他の状況下でも利用可能である。
【0038】
データユニット100のプリアンブルは、4つのレガシーショートトレーニングフィールド(L−STF)105、4つのレガシーロングトレーニングフィールド(L−LTF)110、4つのレガシー信号フィールド(L−SIG)115、4つの第1の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG1)120、超高スループットショートトレーニングフィールド(VHT−STF)125、N個の超高スループットロングトレーニングフィールド(VHT−LTF)130、および、第2の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG2)135を含む。尚、Nは整数である。データユニット100はさらに、超高スループットデータ部分(VHT−DATA)140を含む。L−STF105、L−LTF110、L−SIG115によって、レガシー部分が形成される。VHT−STF125、VHT−LTF130、VHT−SIG2 135およびVHT−DATA140によって、超高スループット(VHT)部分が形成される。
【0039】
一実施形態によると、各L−STF105、各L−LTF110、各L−SIG115および各VHT−SIG1 120は、20MHz帯域を占有する。本開示によると、一例として挙げているデータユニット100を初めとした、80MHzの連続した帯域幅を持つデータユニットは、例えば、フレーム形式の実施形態を説明する目的で記載しているが、これらのフレーム形式の実施形態および他の実施形態は、他の適切な帯域幅(複数の不連続の帯域幅も含む)にも適用できる。例えば、データユニット100のプリアンブルはL−STF105、L−LTF110、L−SIG115、およびVHT−SIG1 120をそれぞれ4つずつ含むが、OFDMデータユニットが80MHz以外、例えば、20MHz、40MHz、120MHz、160MHz等の累積帯域幅を占有する他の実施形態では、それに応じた適切な数のL−STF105、L−LTF110、L−SIG115、およびVHT−SIG1 120を利用する。例えば、一部の実施形態によると、20MHzの累積帯域幅を占有するOFDMデータユニットは、L−STF105、L−LTF110、L−SIG115、およびVHT−SIG1 120をそれぞれ1つずつ含み、40MHzの帯域幅を占有するOFDMデータユニットは、フィールド105、フィールド110、フィールド115、およびフィールド120をそれぞれ2つずつ含み、120MHzの帯域幅を占有するOFDMデータユニットは、フィールド105、フィールド110、フィールド115、およびフィールド120をそれぞれ6つずつ含み、160MHzの帯域幅を占有するOFDMデータユニットは、フィールド105、フィールド110、フィールド115、およびフィールド120をそれぞれ8つずつ含む。
【0040】
データユニット100の例では、VHT−STF125、VHT−LTF130、VHT−SIG2 135およびVHT−DATA140のそれぞれが、データユニット100の80MHzの累積帯域幅を全帯域幅にわたって占有している。同様に、一部の実施形態によると、第1のVHTプロトコルに準拠しており、20MHz、40MHz、120MHzまたは160MHz等の累積帯域幅を占有するOFDMデータユニットの場合、VHT−STF125、VHT−LTF130、VHT−SIG2 135およびVHT−DATA140のそれぞれは、データユニットの累積帯域幅の全帯域幅を占有する。
【0041】
一部の実施形態によると、データユニット100の80MHzの帯域は一続きの帯域ではなく、周波数方向に分離している2つ以上の狭い帯域、例えば、2つの40MHz帯域を含む。同様に、累積帯域幅が異なる他のOFDMデータユニットの場合、例えば、160MHzの累積帯域幅の場合、一部の実施形態によると、帯域は周波数方向に不連続である。このように、一部の実施形態によると、例えば、L−STF105、L−LTF110、L−SIG115およびVHT−SIG1 120は、周波数方向に分離している2以上の帯域を占有しており、隣接する帯域は、少なくとも1MHz、少なくとも5MHz、少なくとも10MHz、少なくとも20MHzにわたって、周波数方向に分離している。
【0042】
ある実施形態によると、各L−STF105および各L−LTF110の形式は、IEEE802.11a規格および/またはIEEE802.11n規格等のレガシープロトコルに仕様が定められている形式である。ある実施形態によると、各L−SIG115の形式は、少なくとも大部分がレガシープロトコル(例えば、IEEE802.11a規格および/またはIEEE802.11n規格)に仕様が定められている形式である。L−SIG115の長さサブフィールドおよびレートサブフィールドは、データユニット100のうちレガシー部分の後に来る残余部分に対応する期間Tを示すように設定されている。このような構成とすることによって、VHTプロトコルに応じて構成されていないクライアント局が、例えば、搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)方式を採用するべく、データユニット100の終端を判断することができるようになる。例えば、IEEE802.11a規格に応じて構成されているレガシークライアント局は、IEEE802.11a規格で定められている受信機ステートマシンに応じて、VHT−SIG1 120のデータエラーを検出する。この場合、レガシークライアント局は、期間Tが終了するまで待機してから、クリアチャネルアセスメント(CCA)を実行する。別の例によると、IEEE802.11n規格に応じて構成されているレガシークライアント局は、VHT−SIG1 120および/またはVHT−SIG2 135を受信することに応じて、巡回冗長検査(CRC)エラー等のエラーを検出する。この場合、レガシークライアント局は、データユニット100のエネルギーが消滅するまで待機してから、CCAアイドルモードに切り替わる。
【0043】
データユニット100では、レガシー部分の周波数ドメインシンボルは、80MHz帯域を構成する4つの20MHzサブ帯域で繰り返し配置されている。20MHzの帯域幅を持つIEEE802.11a規格および/またはIEEE802.11n規格に準拠して構成されているレガシークライアント局は、複数の20MHzサブ帯域のうちいずれかにおいてレガシーIEEE802.11a規格のプリアンブルを認識する。一部の実施形態によると、複数の異なる20MHzサブ帯域信号の変調は、回転角度を異ならせる。一例を挙げると、ある実施形態では、第1のサブ帯域は回転角度が0度であり、第2のサブ帯域は回転角度が90度であり、第3のサブ帯域は回転角度が180度であり、第4のサブ帯域は回転角度が270度である。別の例では、他の適切な回転角度とする。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、第1のサブ帯域の回転角度が45度であり、第2のサブ帯域の回転角度が90度であり、第3のサブ帯域の回転角度が−45度であり、第4のサブ帯域の回転角度が−90度である。
【0044】
一部の実施形態によると、複数の異なる20MHzサブ帯域信号におけるVHT−SIG1 120の変調は、回転角度を異ならせる。一例を挙げると、ある実施形態では、第1のサブ帯域は回転角度が0度であり、第2のサブ帯域は回転角度が90度であり、第3のサブ帯域は回転角度が180度であり、第4のサブ帯域は回転角度が270度である。別の例では、他の適切な回転角度とする。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、第1のサブ帯域の回転角度が45度であり、第2のサブ帯域の回転角度が90度であり、第3のサブ帯域の回転角度が−45度であり、第4のサブ帯域の回転角度が−90度である。ある実施形態によると、レガシー部分(ある場合)で利用される回転と同じ回転を、VHT−SIG1 120にも利用する。少なくとも一部の例では、VHT−SIG1 120はまとめて、一の第1の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG1)120と呼ぶ。
【0045】
図2に示すように、VHT−SIG2 135が、1以上のVHT−LTF130の後に含められており、1以上のVHT−LTF130のうちいずれか1つと同一の方法で空間マッピングされている。例えば、ある実施形態によると、VHT−SIG2 135は、ベクトルQP1によって空間マッピングされている。尚、Qは、空間ストリームを、または、空間−時間エンコーディング方式が利用される場合は空間−時間ストリームを送信アンテナにマッピングするアンテナマップまたは空間マッピングマトリクスであり、P1は、空間ストリームマッピングマトリクスPの第1の列である。空間ストリームマッピングマトリクスPは、Pの各要素が+1または−1であるアダマールマトリクスである。別の実施形態によると、Pの各要素は、複素数である(例えば、離散フーリエ変換マトリクスをPとして用いる)。別の実施形態によると、Pの一部の要素は、+1または−1以外の整数である。ある実施形態によると、P1は第1の空間ストリームに対応する。
【0046】
一般的には、各VHT−LTFが生成されると、マトリクスPの別の列を用いて、空間ストリームに値をマッピングする。例えば、ある実施形態によると、マトリクスPの1番目の列、つまりP1を、信号VHT−LTF1 130−1に適用して、マトリクスPの2番目の列、つまりP2を信号VHT−LTF2に適用して、・・・、とする。このため、ある実施形態によると、クライアント局25は、VHT−LTF1に基づくチャネル推定を利用してVHT−SIG2 135をデコードする。別の実施形態によると、VHT−SIG2は、ベクトルQPNによって空間マッピングされているので、クライアント局25は、VHT−LTFN 130−Nに基づくチャネル推定を利用して、VHT−SIG2 135をデコードする。データユニット100の他の適切な実施形態は、VHT−SIG2 135の適切な位置も含め、米国特許出願第12/758,603号、発明の名称:「WLAN用の物理層フレーム形式」、出願日:2010年4月12日に記載されている。当該出願の内容は全て、参照により全て組み込まれる。
【0047】
VHT−SIG2 135を1以上のVHT−LTF130の後に配置し、VHT−SIG2 135を上記のように空間マッピングすることによって、PHY部20、送受信機21およびアンテナ24は、ビームステアリングによってユーザ毎にVHT−SIG2 135を異ならせる送信方式である空間分割多重アクセス(SDMA)ダウンリンク送信を実行するとしてよい。一方、L−STF105、L−LTF110、L−SIG115およびVHT−SIG1 120は、ステアリングされずにそのままであり(または、「全方向性」または「擬似全方向性」となる。「ステアリングされない」および「全方向性」といった表現は、本明細書で用いられる場合、「擬似全方向性」という表現も含むものと解釈されたい)、各クライアント局25に共通のPHY情報を含む。一方で、VHT−SIG2 135は、各クライアント25に対応させて複数の異なるデータを含む。これらのデータは、アンテナ24を介して複数の異なる空間チャネルで同時に送信され、クライアント局25毎に異なるコンテンツ(または、「ユーザ固有コンテンツ」)を搬送する。したがって、図2に図示しているVHT−SIG2 135は、一部の実施形態によると、複数の異なる空間ストリームを介して複数の異なるクライアントに送信されている複数の異なる情報を表している。説明を簡単にするべく、VHT−SIG2 135、および、本明細書で開示するさまざまなデータユニットのうち他のステアリング対象部分は、このように図示および/または説明することもあるとしてよい。しかし、例えば、上述したように、一部の実施形態によると、VHT−SIG2 135および他のステアリング対象部分は、複数の異なる空間ストリームで複数の異なるクライアントに送信されている異なる情報を含み得るものと理解されたい。
【0048】
ある実施形態によると、VHT−SIG1 120は、2つのOFDMシンボルを含む。ある実施形態によると、VHT−SIG2 135は、1つのOFDMシンボルを含む。
【0049】
データユニット100のプリアンブルによって、各クライアント局25は、AP14から当該クライアント局25への信号チャネルの少なくとも一部分を推定することができるようになる。そして、この推定結果に基づいて、各クライアント局25は、チャネルを均一化して、AP14からクライアント局25(例えば、クライアント局25−1)へと送信されたデータ(例えば、VHT−DATA140に含まれるデータ)をデコードする。例えば、ある実施形態によると、クライアント局25−1は、AP14からクライアント局25−1へのチャネル次元数を決定して、VHT−LTF130のうち1以上を用いて各チャネル次元を推定する。データユニット100は、AP14から各クライアント局25に送信される空間ストリーム数を、または、空間−時間エンコーディング方式が利用される場合は空間−時間ストリーム数を示し、クライアント局25−1はさらに、AP14から送信される空間ストリームまたは空間−時間ストリームのうちどれがクライアントステーション25−1に対する情報を含むのか決定するとしてよい。ある実施形態によると、クライアント局25−1が当該クライアント局に対応するチャネル次元数を推定できるように、AP14は、対応する数のVHT−LTF130をクライアント局25−1に送信する。
【0050】
ある実施形態によると、チャネル推定のために特定のクライアント局25に割り当てられている1以上のVHT−LTF130は、他のクライアント局25に対してはチャネル推定のために割り当てられていない。ある実施形態によると、PHY部20は少なくとも、対応する信号チャネルを推定するように全てのクライアント局25を共にトレーニングするために十分な数のVHT−LTF130を生成する。ある実施形態によると、データユニット100は、AP14から各クライアント局25に送信される空間ストリーム数、または、空間−時間エンコーディング方式を用いる場合には空間−時間ストリーム数を示す。ある実施形態によると、VHT−LTF130が分解可能である場合、各クライアント局25は、全てのVHT−LTF130を受信して、VHT−LTF130を受信する前に、空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標を用いて、VHT−LTF130のうちどのVHT−LTF130をチャネル推定に用いるかを決定する。例えば、一部の実施形態によると、特定のクライアント局25に対応する空間ストリーム数/空間−時間ストリーム数の1以上の指標は、VHT−SIG2 135に含める。これに加えて、または、これに代えて、データユニット100は、ある実施形態によると、対応する空間ストリーム数/空間−時間ストリーム数の適切な指標をVHT−SIG1 120に含める。このような指標の例としてさまざまなものを以下で詳細に説明する。
【0051】
ある実施形態によると、各クライアント局25は、複数のVHT−LTF130のうちチャネル推定に必要なものはどれかを事前に決定することによって、チャネル推定に不要な他のVHT−LTF130をメモリにバッファリングすることを回避する。また、ある実施形態によると、このように事前に決定することによって、クライアント局25は、VHT−LTF130を受信すると略同時にチャネル推定を開始することができる。例えば、クライアント局25は、チャネル推定の開始が遅延して、当該クライアント局25用の空間ストリーム/空間−時間ストリームに対応するVHT−LTF130の受信より後になると、VHT−DATA140に含まれるデータを正確にデコードするためには、チャネル推定を高速に行って、時間内にチャネル用の等化器(equalizer)を決定しなければならない。一部の実施形態によると、このような高速チャネル推定は、PHY部29に望ましくない処理負荷がかかることになる場合がある。
【0052】
VHT−LTF130が分解可能な一部の実施形態によると、各クライアント局25は、他のクライアント25に空間ストリーム/空間−時間ストリームが送信されることに起因する干渉を軽減または「白色化」することを試みる。このため、ある実施形態によると、データユニット100によれば、各クライアント局25は、AP14から当該クライアント局25への空間ストリーム数/空間−時間ストリーム数だけでなく、AP14から他の各クライアント25への空間ストリーム数/空間−時間ストリーム数も決定することができる。さらに、データユニット100によれば、各クライアント局25は、VHT−LTF130のうち他の各クライアント局25がチャネル推定用に利用する必要があるVHT−LTF130はどれかを決定することができる。各クライアント局25はこうして、他のクライアント局25に関するチャネルトレーニング情報に基づき、他のクライアント局25のそれぞれに送信された空間ストリーム/空間−時間ストリームに起因して受信した干渉を軽減する。これらの実施形態によると、データユニット100は、他のVHT−LTF130を干渉の軽減または白色化に用いるとしても、各クライアント局25がチャネル推定に用いるVHT−LTF130がどれかを事前に決定できるようになるという点において有利である。
【0053】
図3Aおよび図3Bは、ある実施形態に応じた、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135のそれぞれに対するビット割り当ての一例を示す図である。図3Aおよび図3Bに示すビット割り当ての例は、ある実施形態においてAP14がダウンリンクマルチユーザMIMO(DL−MUMIMO)通信をサポートしている場合に利用される。図3Aに示すように、VHT−SIG1 120は複数のサブフィールド142を含む。複数のサブフィールド142は、期間サブフィールド142−1、帯域幅サブフィールド142−2、ショートガードインターバル(SGI)サブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、空間−時間ブロックコーディング(STBC)サブフィールド142−5、マルチユーザ(MU)/シングルユーザ(SU)サブフィールド142−6、グループIDサブフィールド142−7、分解可能LTFサブフィールド142−8、空間ストリーム数(Nss)サブフィールド142−9、および、将来開発されるMU機能を実装するためのMU用保留サブフィールド142−10等を含む。VHT−SIG1 120はさらに、まとめて追加サブフィールド142−11と呼ばれる追加サブフィールドを1以上含む。さまざまな実施形態において、追加サブフィールド142−11は、例えば、巡回冗長検査(CRC)サブフィールド、テイルビットを含むサブフィールド、将来開発される機能を実装するために保留されているサブフィールド等のうち1以上を含む。
【0054】
ある実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6は、1ビットを含む。当該ビットは、論理値「1」に設定されると、AP14がMUモードで動作していることを意味する。別の実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6の1ビットは、論理値「0」に設定されると、AP14がMUモードで動作していることを示す。さらに後述するが、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、データユニット100の宛先であるMUグループを示す。一部の他の実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6を削除して、グループIDサブフィールド142−7のビット列のうち1つでは、データユニット100がSUデータユニットである旨を示す目的で保留しておく。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7の各ビットは、論理値「1」に設定されると、SUモードを意味する。別の一例に過ぎないが、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7の各ビットは、論理値「0」に設定されると、SUモードを意味する。さらに別の実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7のビット列の一例は、グループIDサブフィールド142−7のビット列の一例をデータユニット100がSUデータユニットである旨を示すために用いることに加えて、または、これに代えて、データユニット100がブロードキャストフレームである旨を示すために用いられる。さらに別の実施形態によると、データユニット100がブロードキャストフレームである旨を示すために用いられるグループIDサブフィールド142−7のビット列は、データユニット100がSUデータユニットである場合に用いられるビット列と同じである。ある実施形態によると、データユニット100がSUデータユニットである場合に用いられるグループIDサブフィールド142−7のビット列は、データユニット100がMUデータユニットであるがクライアント局25のうち1以上はMUグループに割り当てられていない場合にも用いられる。
【0055】
MUモードでは、STBCサブフィールド142−5およびNssサブフィールド142−9は、各クライアント局25の空間−時間ストリーム数の指標を供給する。
【0056】
本明細書の教示内容および開示内容を参照することで当業者であれば想到するであろうが、一のクライアント局25に対応する空間−時間ストリーム数は、STBCを用いない場合にアンテナ24を介して当該クライアント局25に送信される空間ストリーム数である。したがって、本開示内容では、STBCを用いて符号化されない空間ストリームは、説明の便宜上、空間−時間ストリームと呼ぶことがある。クライアント局25に送信される空間ストリームがSTBCを用いて符号化される場合、クライアント局25に対応する空間−時間ストリーム数は、クライアント局25に対応する空間ストリーム数、および、利用されている特定の空間−時間ブロック符号、例えば、アラマチ(Alamouti)符号等によって決まる。例えば、アラモチ符号で一の空間ストリームを符号化すると、2つの空間−時間ストリームが生成される。
【0057】
ある実施形態によると、STBC設定は、クライアント局25毎に同じであるので、STBCサブフィールド142−5がSTBCが利用されているか否かを示すために必要なビットは1ビットのみである。図3Aに示すように、STBCサブフィールド142−5は1ビットを含み、当該1ビットは、例えば、STBCが利用されている場合には「1」に設定され、STBCが利用されていない場合には「0」に設定される。またはこの逆である。ある実施形態によると、対応する空間ストリーム数は、クライアント局25毎に異なる。各クライアント局25は、サウンディングフレーム等の管理フレームまたは制御フレームを用いてクライアント局25に割り当てられている一意的なインデックス値を用いて対応する空間ストリーム数を決定する。
【0058】
例えば、AP14は、最初に各クライアント局25にサウンディングフレームを送信することによって、データユニット100の送信前に、各クライアント局25に一意的なインデックス値を割り当てる。サウンディングフレームは、1以上のグループ定義フィールドを含む。図4は、グループ定義フィールド160の一例を示す図である。グループ定義フィールド160は、グループ識別子(グループID)サブフィールド162および1以上のアソシエーション識別子(AID)サブフィールド164を含む。AIDサブフィールド164は、グループIDサブフィールド162が特定しているグループ(つまり、MUグループ)に割り当てられているMU−MIMOユーザと同数のサブフィールドを含む。例えば、図4に示すように、AIDサブフィールド164は、第1のAID(AID1)サブフィールド164−1、第2のAID(AID2)サブフィールド164−2、第3のAID(AID3)サブフィールド164−3、および、第4のAID(AID4)サブフィールド164−4を含む。一実施形態によると、グループ定義フィールド160は、PHY部20によって生成される。別の実施形態によると、AIDサブフィールド164のうち少なくとも1つ、および/または、当該サブフィールドに含まれている情報は、少なくとも部分的にMAC部18によって生成される。
【0059】
各AIDサブフィールド164は、グループIDサブフィールド162が特定するMUグループにAP14が割り当てているクライアント局25のうち1つのAIDを含む。各クライアント局25は、グループ定義フィールド160全体を受信し、AIDサブフィールド164のうちいずれか1つで自身のAIDを検出した後、グループIDサブフィールド162で特定されているMUグループのメンバーであると判断する。各クライアント局25はさらに、AIDサブフィールド164における他のクライアント局25のAIDと相対的に自身のAIDがどのように配置されているかに基づいて、他のクライアント局25の指標と相対的に、Nssサブフィールド142−9で自身の空間ストリーム数の指標が送信される順序を決定する。ある実施形態によると、グループ定義フィールド160が特定のクライアント局25のAIDを含んでいない場合、このクライアント局25は、自身はグループIDサブフィールド162が特定するMUグループのメンバーではないと判断して、例えば、所属するMUグループを判断するまで、同じサウンディングフレーム内または別のサウンディングフレーム内で後続のグループ定義フィールドを監視する。
【0060】
例えば、クライアント局25−2は、第1のAIDサブフィールド164−1を検出して、第1のAIDサブフィールド164−1のAIDはクライアント局25−2のAIDと一致しないと判断する。クライアント局25−2はこの後、第2のAIDサブフィールド164−2を検出して、第2のAIDサブフィールド164−2のAIDがクライアント局25−2のAIDに一致すると判断する。クライアント局25−2はこのため、グループIDサブフィールド162が特定するMUグループの一員であると判断し、自身の一意的なインデックス値は「2」、つまり、自身の空間ストリーム数の指標は、Nssサブフィールド142−9内の受信順序で2番目の指標であると判断する。他のAIDサブフィールド164−1、164−3および164−4のAIDの検出結果に基づき、第2のクライアント局25−2はさらに、他のクライアント局25−1、25−3および25−4に割り当てられる一意的なインデックス値を決定する。言うまでもなく、一部の実施形態によると、グループ定義フィールド160の一例では、クライアント局25−2等の特定のクライアント局のAIDは、AIDサブフィールド164のうち任意の他の適切なAIDサブフィールド164に含まれている(例えば、サブフィールド164−1、サブフィールド164−3等)。
【0061】
AP14は、各クライアント局25にグループ定義フィールド160を含むサウンディングフレームを送信する。ある実施形態によると、サウンディングフレームはさらに、対応付けられているユーザインデックス値のクライアント局25のそれぞれから確認応答を要求するため、および、チャネル測定フィードバックを要求するために用いられる。AP14は、応答フィードバックフレームを処理することによって、クライアント局25の空間マッピングQマトリクスを決定する。PHY部20は、Qマトリクスを用いてVHT−SIG2 135を生成する。VHT−SIG2 135は、送受信機21およびアンテナ24によって、複数の異なる空間チャネルを介して同時に複数の異なるクライアント局25に送信される。VHT−SIG2 135等の信号フィールドのビームステアリングのさまざまな実施例は、米国特許出願第12/750,636号(発明の名称:「無線通信用のサウンディングプロトコルおよびステアリングプロトコル」、出願日:2010年3月30日)に記載されている。当該出願の内容は全て、参照により本願に組み込まれる。VHT−SIG2 135等の信号フィールドのビームステアリングのさまざまな実施例のうちサウンディングフレームの利用を含むものは、米国特許出願第12/175,526号(発明の名称:「複数のクライアント局に対する独立データの同時ダウンリンク送信を行うアクセスポイント」、出願日:2008年7月18日)にも記載されている。当該出願の内容は全て、参照により本願に組み込まれる。
【0062】
図5は、ある実施形態に係る、AP14から各クライアント局25に送信されるサウンディングフレーム170を示すタイミング図の一例である。例えば、AP14は、複数のクライアント局25にサウンディングフレーム170をブロードキャストする。これに代えて、AP14は、複数のサウンディングフレームを複数のクライアント局25に送信する。尚、各サウンディングフレームは、クライアント局25のいずれか1つに送信される。しかし、説明の便宜上、本明細書の開示内容では、サウンディングフレーム170が各クライアント局25(例えば、クライアント局25−1および25−2)に送信されているとする。
【0063】
ある実施形態によると、サウンディングフレーム170は、グループ定義フィールド160を含むペイロード部分を含む。別の実施形態によると、サウンディングフレーム170からはペイロード部分を省略し、グループ定義フィールド160はPHYプリアンブル部分に含められる。ある実施形態によると、クライアント局25−1がサウンディングフレーム170を受信して、サウンディングフレーム170に含まれている対応付けられているユーザインデックス値を受信して記録したことに応じて、クライアント局25−1のPHY部29は、第1のタイムスロットにおいてAP14に対して送信するべくフィードバックフレーム172を生成する。同様に、クライアント局25−2がサウンディングフレーム170を受信して、サウンディングフレームに含まれている対応付けられているユーザインデックス値を受信して記録したことに応じて、クライアント局25−2のPHY部29は、第2のタイムスロットにおいてAP14に対して送信するべくフィードバックフレーム174を生成する。他のクライアント局25についても同様である。フィードバックフレーム172および174はそれぞれ、対応するクライアント局25が対応付けられているユーザインデックス値を受信して記録した旨を示す適切な確認応答を含む。したがって、AP14は、フィードバックフレーム172および174を受信すると、クライアントステーション25−1およびクライアントステーション25−2のそれぞれが割り当てられたユーザインデックス値を正しく記録したことを確認する。AP14はさらに、上述したように、フィードバックフレーム172および174を利用して空間マッピングQマトリクスを決定する。
【0064】
他の実施形態では、グループ識別子および対応付けられている一意的なインデックス値を各クライアント局25に割り当てるべく、サウンディングフレームの他の適切な実施方法、サウンディングフレーム以外の管理フレーム等を利用する。例えば、ある実施形態によると、グループ定義フィールド160は、サウンディングフレーム以外の管理フレームで送信される。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、AP14は、サウンディングフレーム以外の管理フレームを利用して、「スタンドアロン」なMACまたはAIDのやり取り、例えば、クライアント局25のMACアドレスまたはAIDと、グループIDおよびユーザインデックス値との対応付けを、チャネル測定フィードバックを要求することなく実行する。一実施形態によると、MAC部18は、サウンディングフレーム以外の管理フレームおよび/または当該管理フレームに含まれている情報の少なくとも一部分を生成する。別の実施形態によると、PHY部20は、サウンディングフレーム以外の管理フレームを生成する。例えば、ある実施形態によると、管理フレームのペイロード部分は、クライアント局25−1のMACアドレスまたはAIDを、グループIDおよび第1のインデックス値、例えば、番号「1」と対応付ける。ある実施形態によると、データ部分はさらに、クライアント局25−2のMACアドレスまたはAIDを、同じグループIDおよび第2のインデックス値に対応付けて、クライアント局25−3のMACアドレスまたはAIDを、同じグループIDおよび第3のインデックス値に対応付けて、クライアント局25−4のMACアドレスまたはAIDを、同じグループIDおよび第4のインデックス値に対応付ける。
【0065】
サウンディングフレーム以外の管理フレームを用いるさらに別の実施形態によると、サウンディングフレーム以外の管理フレームは、複数のグループIDおよびグループID毎に対応付けられている一意的なインデックス値を一のクライアント局25に割り当てるユニキャストフレームである。さらに別の実施形態によると、サウンディングフレーム以外の管理フレームは、一のMUグループ全体に送信されるマルチキャストフレームである。マルチキャストフレームは、複数のグループIDおよびグループID毎に対応付けられている一意的なインデックス値を、当該マルチキャストフレームの送信先であるMUグループに含まれる1以上のクライアント局25に割り当てる。
【0066】
ある実施形態によると、クライアント局25に割り当てられる一意的なインデックス値は、AP14がサウンディングフレーム等の管理フレームを送信する度に、リフレッシュされる。別の実施形態によると、クライアント局25に割り当てられる一意的なインデックス値がリフレッシュされる頻度がより低くなる。例えば、他の実施形態によると、一意的なインデックス値は、AP14によるサウンディングフレーム等の管理フレームの送信の2回毎、3回毎等にリフレッシュする。ある実施形態によると、一意的なインデックス値をリフレッシュする頻度は、AP14とクライアント局25との間での信号チャネルの特性の変化の程度および/またはレートに応じて決まる。
【0067】
一のクライアント局25は、特定のMUグループのメンバーであることと、この特定のMUグループ内での自身の一意的なインデックス値とを決定すると、グループIDサブフィールド142−7を受信に応じて、グループIDサブフィールド142−7が、グループIDサブフィールド162またはクライアント局25が所属する任意の他のMUグループのIDに一致するか否かを判断する。例えば、一部の実施形態によると、クライアント局25は、複数のグループ定義フィールド160、または、他の適切な管理フレームあるいは制御フレームを利用して複数のMUグループに割り当てられている。クライアント局25は、グループIDサブフィールド142−7が、グループIDサブフィールド162またはクライアント局25が所属する任意の他のMUグループのグループIDに一致すると判断すると、VHT−SIG1 120全体を処理する。クライアント局25はこのため、自身に対応する空間−時間ストリーム数を決定する。ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7がグループIDサブフィールド162またはクライアント局25が所属する任意の他のMUグループのグループIDに一致しない場合、クライアント局25は、データユニット100の宛先であるMUグループのメンバーではないと判断して、データユニット100の残り部分を破棄する。クライアント局25は、データユニット100の残り部分を破棄することによって、例えば、データユニット100の残り部分の受信および/または復号を行わず、電力を節約する。
【0068】
ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7のビット列の1つは、データユニット100がSUデータユニットである旨を示すために保留しておく。このため、一部の実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7が、先立つMU送信に関連するグループIDサブフィールド162に一致しないがグループID142−7は保留されているビット列に一致する場合、クライアント局25は、データユニット100がSUデータユニットであると判断する。
【0069】
それぞれの一意的なインデックス値に対応する空間ストリーム数を指定して、(STBCサブフィールド142−5と組み合わせて)対応する空間−時間ストリーム数を指定するために、Nssサブフィールド142−9自体が複数のサブフィールドを含む。Nssサブフィールドの複数のサブフィールドはそれぞれ、クライアント局25のうちいずれか1つについての情報を含む。図6は、Nssサブフィールド142−9を示す図であり、ある実施形態によると、Nssサブフィールド142−9は、4個のサブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dから構成される。ある実施形態によると、Nssサブフィールドのサブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dには、Nss1、Nss2、Nss3およびNss4という名称が与えられており、それぞれが対応するクライアントに割り当てられている空間ストリーム数の指標を含む。図3Aの例によると、ある実施形態において、図6に示すように、Nssサブフィールド142−9は、合計で8ビットを持ち、サブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dのそれぞれに2ビットが割り当てられている。各クライアント局25はそれぞれ、Nssサブフィールド142−9全体を受信するが、サブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dのそれぞれのビット数を事前に把握しておき、(上述したように、グループ定義プロセスにおいて、または、グループIDおよび一意的なインデックス値を割り当てる他のプロセスにおいて)、当該クライアント局25に割り当てられている一意的なインデックス値を利用することによって、142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dのうちどのサブフィールドが当該クライアント局25に対応するかを判断する。クライアント局25が干渉緩和処理を実行する実施形態では、クライアント局25はさらに、他のクライアント局25に割り当てられている一意的なインデックス値の情報と共にSTBCサブフィールド142−5を用いて、他のクライアント局25の空間−時間ストリーム数を決定する。
【0070】
ある実施形態によると、Nssサブフィールド142−9のサブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dのそれぞれに2ビットが割り当てられている場合、Nssサブフィールド142−9は、WLAN10のクライアント局25−1、25−2、25−3および25−4のそれぞれに割り当てられている空間ストリームが0個、1個、2個、または、3個のいずれであるかを示す。これに代えて、他の実施形態では、Nssサブフィールド142−9が指定する空間ストリーム数の範囲は他の適切な範囲である。例えば、ある実施形態によると、VHT−SIG2 135は、各クライアント局25についてビット列を用いて各クライアント局25の変調符号化方式(MCS)を示す。尚、このようなビット列の1つでは、対応するクライアント局25にデータが送信されていない旨を示す。この場合、ある実施形態によると、Nssサブフィールド142−9の各サブフィールドの2ビットは、クライアント局25−1、25−2、25−3および25−4のそれぞれに割り当てられている空間ストリーム数が1個、2個、3個または4個のいずれであるかを示す。VHT−SIG1 120の一部の他の実施例では、Nssサブフィールド142−9に割り当てるビット数を変更する。また、一部の実施形態によると、Nssサブフィールド142−9で空間ストリーム数を指定するクライアント局25は、5以上または3以下とする。Nssサブフィールド142−9がいずれかのクライアント局25に割り当てられている空間−時間ストリームがゼロであることを示す場合、対応するクライアント局25は、上述したように、データユニット100の残り部分を破棄して、電力を節約する。
【0071】
図3Bに示すVHT−SIG2 135に対するビット割り当ての例は、図3Aに示すビット割り当ての例と組み合わせて実現されるか、および/または、VHT−SIG1 120に対する任意の他の適切なビット割り当てと組み合わせて実現する。VHT−SIG2 135は、複数のサブフィールド152を含む。ある実施形態によると、複数のサブフィールド152は、MCSサブフィールド152−1、コーディング種類サブフィールド152−2、保留サブフィールド152−3(例えば、将来開発される機能を実現するためのサブフィールド)、CRCサブフィールド152−4、および、テイルビットを含むサブフィールド152−5を含む。MCSサブフィールド152−1は、各クライアント局25に対応する空間−時間ストリームを生成および送信する際にAP14が利用する変調符号化方式(MCS)を特定する。AP14は、複数の異なる空間チャネルを介してVHT−SIG2 135を送信することによって、且つ、任意でビームステアリングを利用することによって、MCSサブフィールド152−1およびその他のサブフィールド152を利用して各クライアント局25についてのユーザ固有情報を送信する。
【0072】
したがって、データユニット100によって、各クライアント局25についてのMCSの指標をVHT−SIG2 135に含めることが出来る一方、STBCサブフィールド142−5およびNssサブフィールド142−9を利用してVHT−SIG1 120で各クライアント局25についての空間−時間ストリーム数の全ての指標を供給するという利点がある。各クライアント局25は、VHT−LTF130を受信する前に、STBCサブフィールド142−5およびNssサブフィールド142−9を処理する。このため、ある実施形態によると、各クライアント局25は、バッファリングすることなく、受信したVHT−LTF130のうち、クライアント局25が自身の空間−時間ストリームについて等化器を決定する必要があるもののみを処理できる。他の実施形態によると、クライアント局25は、例えば、干渉軽減処理のために、他の局に対応するVHT−LTF130を処理する。
【0073】
クライアント局25はそれぞれ、AP14が割り当てた一意的なインデックス値に基づいて、処理すべき空間−時間ストリームはどれか、および、処理すべきVHT−LTF130はどれかを判断する。ある実施形態によると、クライアント局25は、処理すべき空間−時間ストリームはどれか、および、処理すべきVHT−LTF130はどれかを判断するために、一意的なインデックス値と組み合わせて空間マッピングQマトリクスの情報を利用する。
【0074】
別の実施形態によると、Nssサブフィールド142−9は、ルックアップテーブル(LUT)に含まれるエントリを特定するインデックス値を特定している。LUTは、複数のエントリを含み、各エントリは、1以上のクライアント局25についての空間ストリーム数を指定している。このため、LUTでは、さまざまなクライアント局25に割り当てられている空間ストリーム数の適切な組み合わせを特定している。ある実施形態によると、図3Aに示す例では、Nssサブフィールド142−9は、8ビットを持つので、LUTに含まれる256個のエントリに対応するさまざまな256個のインデックス値のうちいずれかを特定する。言うまでも無く、他の実施形態では他の適切な指標を利用して、空間−時間ストリーム数を示す。
【0075】
図7Aおよび図7Bは、ある実施形態に係るVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135に対するビット割り当ての一例を示す図である。図7Aおよび図7Bに示すビット割り当ては、VHT−SIG1 120からSTBCサブフィールド142−5が削除されて、VHT−SIG2 135にSTBCサブフィールド152−6が含められた点を除き、図3Aおよび図3Bに示すビット割り当てと同様である。また、Nssサブフィールド142−9に代えて、Nstsサブフィールド142−12が設けられている。Nstsサブフィールド142−12は、各クライアント局25の空間−時間ストリーム数を示す。別の実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12は、さまざまな空間−時間ストリームの組み合わせを含むLUTに対するインデックスを指定している。図7Aに示す実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12は、9ビットを持つ。
【0076】
Nstsサブフィールド142−12を用いて空間−時間ストリーム数を指定することによって、特定のクライアント局25について空間−時間ストリーム数を決定する際にSTBCサブフィールド142−5は必要なくなる。PHY部20は複数の異なるクライアント局25に対して同時に送信する複数の異なるVHT−SIG2 135データを生成する。また、VHT−SIG2 135はSTBCサブフィールド152−6を含むので、VHT−SIG2 135によってユーザ毎にSTBC設定を制御することが可能になる。このため、ある実施形態によると、STBCは、クライアント局25の一部に対応する空間ストリームについて利用されるが、他のクライアント局25に対応する空間ストリームについては利用されない。
【0077】
ある実施形態によると、各クライアント局25は、当該クライアント局25に対応する空間ストリーム数ではなく空間−時間ストリーム数に基づいて空間−時間ストリームについての等化器を決定する。ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12が、例えば、2つの空間−時間ストリームがクライアント局25に対応している旨を示す場合、STBCが利用されておらず空間ストリーム数が2であろうが、STBCが利用されており空間ストリーム数が1であろうが関係なく、決定される等化器は同じである。ある実施形態によると、後続のSTBCサブフィールド152−6がSTBCが利用されている旨を示す場合、クライアント局25は、例えば、複数のOFDMシンボルを複数の対にまとめて(例えば、各空間−時間ストリームから1つのOFDMシンボルを選択)、等化の少なくとも一部分の実行後にSTBC復号を実行する。
【0078】
一部の実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12を利用することによって、VHT−SIG1 120が持つビットうち空間−時間ストリーム数の指定以外の目的に利用可能なビットを増やすことができる。例えば、ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12は、8ビット以下で実現される。このような実施形態では、VHT−SIG1 120からSTBCサブフィールド142−5を省略することによって、例えば、図3Aに示すビット割り当てと比較して、クライアント局25について空間−時間ストリーム数を示すために用いられるVHT−SIG1 120の合計ビット数が少なくなる。他の実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12または同様のサブフィールドは、STBCサブフィールド142−5または同様のサブフィールドと共に、VHT−SIG1 120に含まれている。データユニット100の他の実施形態、および、後述する実施形態等の他のデータユニットの適切な代替例でも、Nstsサブフィールド142−12を含む。
【0079】
図8は、別の実施形態に係る、例えば、L−SIG115がデータユニット100のうちレガシー部分の後の期間Tを示す場合に用いられるVHT−SIG1 120に対するビット割り当てのさらに別の例を示す図である。ある実施形態によると、L−SIG115のレートサブフィールドは、6Mbpsに設定されており、長さサブフィールドは、レートサブフィールドおよび長さサブフィールドで期間Tを示すように設定されている。ある実施形態によると、VHT−SIG1 120はこのため、期間サブフィールド142−1無しで実現されるので、VHT−SIG1 120の12ビットを他の目的で利用することができるようになる。例えば、図8に示すように、STBCサブフィールド142−5は、それぞれSTBC1、STBC2、STBC3およびSTBC4と図示する複数のサブフィールド142−5−a、142−5−b、142−5−cおよび142−5−dとして実現される。ある実施形態によると、STBCサブフィールド142−5のサブフィールド142−5−a、142−5−b、142−5−cおよび142−5−dはそれぞれ、クライアント局25−1、25−2、25−3および25−4のうちいずれか1つに対応する。ある実施形態によると、STBCサブフィールド142−5のサブフィールド142−5−a、142−5−b、142−5−cおよび142−5−dはそれぞれ、1ビットを持ち、当該ビットは、対応するクライアント局25の空間−時間ストリームが、例えば、アラマチ符号を用いて符号化されているか否か、または、対応するクライアント局25に対する空間ストリームにはSTBCが利用されていないか否かを示す。このため、図8に示すビット割り当ての例は、VHT−SIG1 120においてユーザ固有のSTBC設定を示すために用いられるので、STBC設定を全てのクライアント局25について同じにする必要はない。ある実施形態によると、図8に示す例での余剰ビットは、前述した実施形態のVHT−SIG1 120と比較すると、MU保留サブフィールド142−10に含められる。当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することで、余剰ビットの適切な用途について追加例および/または代替例に想到するであろう。
【0080】
他のさまざまな実施形態によると、AP14はさらに、シングルユーザ(SU)モードでも動作する。SUモードでは、AP14はダウンリンクシングルユーザ無線通信をサポートする。一部の実施形態によると、データユニット100は、SUモードでもクライアント局25に情報を送信するために用いられる。SUモードでは、VHT−SIG1 120は、MUモードのさまざまな実施形態に関連付けて上述したサブフィールド142のうち一部のサブフィールドを削除して実現する。一部の実施形態によると、VHT−SIG2 135は、SUモードではサブフィールド152のうち一部を削除して実行するか、または、全て削除する。
【0081】
図9Aおよび図9Bは、SUモードの場合のVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135に対するビット割り当ての一例を示す図である。ある実施形態によると、図9Aに示すように、VHT−SIG1 120は、期間サブフィールド142−1、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、MU/SUサブフィールド142−6、MCSサブフィールド152−1、STBCサブフィールド142−13、コーディング種類サブフィールド152−2、非サウンディングサブフィールド142−14、AIDサブフィールド142−15、および、追加サブフィールド142−11(CRCサブフィールド、および、テイルビットを含むサブフィールド等)を含む。ある実施形態によると、AP14は、データユニット100がSUモードで送信されている旨を、MU/SUサブフィールド142−6のビットを論理値「0」に設定することによって示す。
【0082】
別の実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6が削除され、VHT−SIG1 120は、MUモードおよびSUモードのいずれでもグループIDサブフィールド142−7を含む。このため、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、保留ビット列に設定されると、データユニット100がSUデータユニットである旨を示す。
【0083】
ある実施形態によると、SUモードの場合、VHT−SIG1 120は、グループIDサブフィールド142−7、分解可能LTFサブフィールド142−8、および、Nssサブフィールド142−9を削除して実現する。つまり、データユニット100は、SU通信をサポートする場合にはMUグループを特定しないので、VHT−SIG1 120において、MCSサブフィールド152−1を用いて一のクライアント局25に対する空間−時間ストリーム数を示すのに十分なビットが自由になる。このため、Nssサブフィールド142−9が不要となる。
【0084】
具体的には、ある実施形態によると、MCSサブフィールド152−1は、SU通信に関連するクライアント局25についての空間ストリーム数を指定するように実現される。この指定情報をSTBCサブフィールド142−13が示すSTBC設定と共に利用することによって、AP14からクライアント25に送信される空間−時間ストリーム数の全情報が得られる。SUモードでもこの情報をVHT−SIG1 120で提供することによって、1以上の実施形態によれば、クライアント局25は、VHT−LTF130の受信と略同時にAP14とクライアント局25との間の信号チャネルの推定を開始することができる。一部の実施形態によると、クライアント局25は、グループIDサブフィールド142−7に基づき、または、任意のその他の適切なデータユニット100の構造の実施形態、例えば、MU/SUサブフィールド142−6等に基づき、AP14がSUモードで通信していると判断する。クライアント局25は、VHT−LTF130の全てまたは一部を用いて信号チャネル推定を実行する。ある実施形態によると、例えば、VHT−LTF130の一部が繰り返しになっているとしてよい。このため、クライアント局25は、VHT−LTF130の一部のみを用いて信号チャネル推定を実行するとしてよい。
【0085】
さらに別の実施形態によると、Nssサブフィールド142−9は削除されないので、VHT−SIG1 120が空間ストリーム数、MCSおよびSTBC設定の指標をそれぞれ別のサブフィールドに含む。例えば、AIDサブフィールド142−15、または、任意のその他の適切なサブフィールドの1以上のビットは、図9Aに示すビット割り当て例から削除して、Nssサブフィールド142−9に十分なビット数を割り当てる。さらに別の実施形態によると、本明細書で説明している他のさまざまなビット割り当て例と同様に、Nssサブフィールド142−9に代えてNstsサブフィールド142−12を設ける。
【0086】
AP14は、STBCサブフィールド142−13を利用するので、SUモードではSTBCを実施するに当たって選択肢が多くなるとしてよい。例えば、図9Aにおいて、VHT−SIG1 120は、他の実施形態では未使用となっていたビットを利用するので十分なビットを持つ。つまり、STBCサブフィールド142−13は、STBCサブフィールド142−5の1ビットに代えて、2ビットを含む。ある実施形態によると、2ビットで特定できるSTBC設定は最高で4通りとなるので、AP14は、STBCの利用は全く無し、アラモチ符号、および、2つの高次符号の中から選択することが可能となる。
【0087】
ある実施形態によると、VHT−SIG1 120はさらに、他の実施形態では未使用のビットを含み十分なビットを持つ。これらのビットでは、MUモードではVHT−SIG1 120またはVHT−SIG2 135のいずれにも含まれていないPHY情報を含む。例えば、図9Aのビット割り当てでは、非サウンディングサブフィールド142−14に1ビットを用いて、AIDサブフィールド142−15に3ビットを用いる。例えば、非サウンディングサブフィールド142−14は、データユニット100がサウンディングパケットであるか否かを示す。一部の実施形態によると、AIDサブフィールド142−15は、データユニット100の送信先であるクライアント局のMAC IDまたはAIDの下位3ビットを含む。したがって、クライアント局25のPHY部29は、AIDサブフィールド142−15がクライアント局25のAIDの下位3ビットに一致しない場合、PHY部29が決定すると、データユニット100の期間にわたって受信および復号を停止する。このような構成とすることによって、クライアント局25のPHY部29は、データユニット100の受信から早い段階で、このSU送信は当該クライアント局25を宛先としたものではないと判断し、例えば、受信および復号を停止することによって電力を節約する。
【0088】
VHT−SIG2 135は、保留サブフィールド152−3、CRCサブフィールド152−4、および、テイルビットを含むサブフィールド152−5を含む。これに代えて、ある実施形態では、保留サブフィールド152−3が任意の追加機能を実現する必要が無い場合には、単にVHT−SIG2 135をデータユニット100から削除する。
【0089】
図10Aから図10Cは、さらに別の実施形態に応じたMUモードで利用されるVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135に対するビット割り当ての例を示す図である。図10Aに示すように、VHT−SIG1 120は、帯域幅サブフィールド142−2、保留サブフィールド142−16、STBCサブフィールド142−5、グループIDサブフィールド142−7、Nstsサブフィールド142−12、別の保留サブフィールド142−17、SGIサブフィールド142−3、コーディングサブフィールド152−2、さらに別の保留サブフィールド142−18、および、追加サブフィールド142−11を含む。VHT−SIG1 120は、例えば、期間サブフィールド142−1を含まない。ある実施形態によると、データユニット100のうちレガシー部分の後の期間Tは、図8に関連付けて説明したように、L−SIG115に含まれるレートサブフィールドおよび長さサブフィールドによって指定される。
【0090】
帯域幅サブフィールド142−2は、2ビットを持ち、データユニット100の帯域幅として可能な4つのうち1つを指定する。ある実施形態によると、例えば、帯域幅サブフィールド142−2は、データユニット100の帯域幅が20MHz、40MHz、80MHz、または、160MHz(一続きであるか、または、2つの80MHz帯域)であることを示す。ある実施形態によると、保留サブフィールド142−16は、論理値「1」に設定されている1ビットを持つ。保留サブフィールド142−16は、例えば、帯域幅142−2を拡張できるように保留されている。ある実施形態によると、STBCサブフィールド142−5は、上述したように、STBCを用いてデータユニット100を符号化したか否かを示す1ビットを含む。ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、6ビットで実現されており、以下でさらに説明するが、データユニット100が、例えば、SUデータユニットであることを示すために用いられる。
【0091】
ある実施形態によると、保留サブフィールド142−17は2ビット、保留サブフィールド142−18は6ビットを持ち、これらは全て、論理値「1」に設定される。ある実施形態によると、SGIサブフィールド142−3は、2ビットを持ち、このうち1ビットは、データユニット100のガードインターバルがロングガードインターバルまたはショートガードインターバルのいずれであるかを示すために用いられ、一方の1ビットは、ショートGIパケットの長さの不明さを軽減するために用いられる。ある実施形態によると、コーディングサブフィールド152−2は、2ビットを持ち、このうち少なくとも1ビットは、データユニット100について用いられているコーディング種類、例えば、バイナリ畳み込み符号(BCC)または低密度パリティ検査(LDPC)符号を指定するために用いられる。
【0092】
ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12は、12ビットで実現され、図10Cに示すように、最高で4つのクライアント局25についての最高で4つの空間−時間ストリーム数の指標を示すべくサブフィールド142−12−a、142−12−b、142−12−cおよび142−12−dを含む。Nstsサブフィールド142−12のサブフィールド142−12−a、142−12−b、142−12−cおよび142−12−dはそれぞれ、例えば、3ビットを含む。ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12のサブフィールド142−12−a、142−12−b、142−12−cおよび142−12−dのそれぞれの3ビットが表現する5個の可能な組み合わせを用いて、対応するクライアント局25の空間−時間ストリーム数が0、1、2、3または4である旨を示す。言うまでもなく、他の実施形態ではNstsサブフィールド142−12のサブフィールド142−12−a、142−12−b、142−12−cおよび142−12−dで利用可能な組み合わせの数を変更して、例えば、6つ、7つ、8つ、4つの組み合わせを利用する。
【0093】
図10Bに示すように、VHT−SIG2 135は、長さサブフィールド152−7、MCSサブフィールド152−1、および、テイルビットを含むサブフィールド152−5を含む。ある実施形態によると、長さサブフィールド152−7は、物理層サービスデータユニット(PSDU)で利用可能なデータの長さを4オクテットを1単位として特定する。
【0094】
図11Aおよび図11Bは、さらに別の実施形態に係る、SUモードで利用するVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135のビット割り当て例を示す図である。図11Aに示すように、VHT−SIG1 120は、帯域幅サブフィールド142−2、保留サブフィールド142−16、STBCサブフィールド142−5、グループIDサブフィールド142−7、Nstsサブフィールド142−12、AIDサブフィールド142−15、保留サブフィールド142−17、SGIサブフィールド142−3、コーディングサブフィールド152−2、MCSサブフィールド152−1、ビームフォーミングサブフィールド142−19、保留サブフィールド142−18、および、追加サブフィールド142−11を含む。図11Bに示すように、VHT−SIG2 135は、長さサブフィールド152−7、保留サブフィールド152−3、および、テイルビットを含むサブフィールド152−5を含む。
【0095】
このように、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135のビット割り当ては、図10Aおよび図10Bに示すMUモードでのビット割り当てと同様である。幾つかある相違点のうち特に有益なものは、特にVHT−SIG1 120で、利用可能なビット数が増えたことを活かして得られたものである。
【0096】
例えば、ある実施形態によると、VHT−SIG1 120のNstsサブフィールド142−12が含むビットは、図10Aの例では12ビットが割り当てられていたのに比べ、3ビットのみである。図11AにおいてNstsサブフィールド142−12のサイズを小さくすることによって自由になった9ビットは、AIDサブフィールド142−15に割り当てられる。一部の実施形態によると、図9Aを参照しつつ説明したように、AIDサブフィールド142−15は、SUモードでデータユニット100の送信先であるクライアント局のMAC IDまたはAIDのビットを含む。例えば、図11Aのビット割り当てでは、AIDサブフィールド142−15は、データユニット100の送信先であるクライアント局のAIDの下位9ビットを含む。このため、ある実施形態によると、クライアント局25のPHY部29は、AIDサブフィールド142−15が当該クライアント局25のAIDの下位9ビットと一致しないとPHY部29が判断すると(つまり、データユニット100が当該クライアント局25宛てのものではないとPHY部29が判断すると)、データユニット100の期間にわたって受信および復号を停止させることによって電力を節約する。
【0097】
ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12の3ビットは、データユニット100を受信するクライアント局、例えば、クライアント局25についての空間−時間ストリーム数として可能な8つの選択肢のうち1つを示すために用いられる。例えば、Nstsサブフィールド142−12の3ビットは、クライアント局25にデータを送信する際に利用する空間−時間ストリーム数が1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つまたは8つのうちいずれであるかを示す。
【0098】
上述したように、図10Aから図10Cを参照しつつ説明したようなMUモード送信とは異なり、図11Aの例ではVHT−SIG1 120はさらに、MCSサブフィールド152−1を含む。また、ある実施形態によると、SUモードでは、ビームフォーミングサブフィールド142−19が、データユニット100にビームフォーミングステアリングマトリクスが適用されているか否かを示す1ビットを持つ。
【0099】
ある実施形態によると、VHT−SIG1 120は、MUモードおよびSUモードの両方においてグループIDサブフィールド142−7を含み、グループIDサブフィールド142−7は、例えば、グループIDサブフィールド142−7の各ビットがすべて論理値「1」に設定されるビット列等の保留ビット列に設定されると、データユニット100がSUデータユニットである旨を示す。ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7はさらに、データユニット100がブロードキャストフレームである場合、且つ、データユニット100がMUデータユニットであるがクライアント局25のうち1以上はMUグループに割り当てられていない場合、当該保留ビット列に設定される。
【0100】
さらに上述したように、VHT−SIG2 135は、図11Bに示す例では保留サブフィールド152−3を含む。具体的には、少なくとも一部のSUモードの実施形態では、MCSサブフィールド152−1がVHT−SIG2 135ではなくVHT−SIG1 120に含まれているので、保留サブフィールド152−3にビットが割り当てられている。
【0101】
図12は、別の実施形態に係る、直交周波数分割多重(OFDM)変調を利用してAP14がクライアント局25に送信するデータユニット200を示す図である。ある実施形態によると、クライアント局25のうち1以上もまた、データユニット200の形式に応じてフォーマッティングされたデータユニットをAP14に送信する。ある実施形態によると、データユニット200は、VHTプロトコルに準拠しており、80MHz帯域を占有する。他の実施形態によると、データユニット200は、データユニット100を参照しつつ説明したように、占有する帯域幅が異なる。データユニット200はデータユニット100と同様であるが、データユニット200のプリアンブルは、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135の両方を含む代わりに、4つの超高スループット信号フィールド(VHT−SIG)202を含む。
【0102】
データユニット200では、上述したVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135の両方の内容を、以下に説明するようにVHT−SIG202に含める。少なくとも一部の例では、VHT−SIG202はまとめて、一の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG)202と呼ぶ。ある実施形態によると、VHT−SIG202は、3つのOFDMシンボルを含む。ある実施形態によると、VHT−SIG202を一のまとまった超高スループット信号フィールドとして提供することによって、上述したようにVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135を別々にする場合に比べて、使用するビット数が少なくなるので、他のPHY情報を伝達するために利用可能なビット数が多くなる。具体的には、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135は共に、終端に、例えば、VHT−SIG1 120の追加サブフィールド142−11のうち1以上に、ならびに、VHT−SIG2 135のCRCサブフィールド152−4およびテイルビットを含むサブフィールド152−5の一方または両方に保護ビット群を必要とする。一のVHT−SIG202であれば、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135のそれぞれと同様に保護ビット群は1つであるので、VHT−SIG2 135内の保護ビットとして利用され得る他のビットが利用可能になる。
【0103】
図13Aおよび図13Bは、ある実施形態に係る、VHT−SIG202のビット割り当ての一例を示す図である。図13Aに示すように、MUモードの場合、VHT−SIG202は、期間サブフィールド142−1、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、MU/SUサブフィールド142−6、複数のMUサブフィールド204、および、CRCサブフィールドおよびテイルビットを含むサブフィールド等の追加サブフィールド142−11を含む。図13Bに示すように、複数のMUサブフィールド204は、グループIDサブフィールド142−7、分解可能LTFサブフィールド142−8、複数のMU−MCSサブフィールド204−1、STBCサブフィールド204−2、コーディング種類サブフィールド204−3、および、MU保留サブフィールド142−10を含む。
【0104】
複数のMU−MCSサブフィールド204−1は、MU−MCS1、MU−MCS2、MU−MCS3およびMU−MCS4と呼ばれるサブフィールド204−1−a、204−1−b、204−1−cおよび204−1−dを含む。ある実施形態によると、MU−MCSサブフィールド204−1のサブフィールド204−1−a、204−1−b、204−1−cおよび204−1−dはそれぞれ、クライアント局25−1、25−2、25−3および25−4のいずれか1つに対応している。ある実施形態によると、MU−MCSサブフィールド204−1のサブフィールド204−1−a、204−1−b、204−1−cおよび204−1−dはそれぞれ、5ビットを持ち、対応するクライアント局25に対して用いられている変調符号化方式を示す。ある実施形態によると、5ビットが表現する32通りのビット列のうち1つのビット列は、対応するクライアント局25にデータが送信されていない旨を示すために用いられる。このため、ある実施形態によると、31通りの異なるMCSのうち任意のものを各クライアント局25について利用する。別の実施形態によると、利用可能なMCSは31通りも存在せず、各MU−MCSサブフィールド204−1に割り当てられるビット数を減らす。
【0105】
ある実施形態によると、MU−MCSサブフィールド204−1は、対応するクライアント局25についての変調符号化方式の指標と共に、それぞれが対応するクライアント局25の空間ストリーム数を示すように実現する。STBCサブフィールド204−2は、VHT−SIG202においてユーザ固有のSTBC設定の指標を供給する。例えば、STBCサブフィールド204−2は、4ビットを含み、各ビットを用いて、対応する一のクライアント局25に対応する空間ストリームについてSTBCが用いられているか否かを示す。したがって、ある実施形態によると、VHT−SIG202で利用可能な追加ビットによって、MCSおよびSTBC設定の両方をユーザ毎に制御することができるようになる。ある実施形態によると、コーディング種類サブフィールド204−3は、STBCサブフィールド204−2と同様に構成されており、コーディング種類をユーザ毎に制御することを可能とする。
【0106】
上述したさまざまな実施形態と同様に、複数のMU−MCSサブフィールド204−1、および、STBCサブフィールド204−2内のビットは、AP14によってクライアント局25に割り当てられる一意的なインデックス値に応じて順序を決定する。このため、複数のMU−MCSサブフィールド204−1をSTBCサブフィールド204−2と共に用いて、AP14から各クライアント局25に送信される空間−時間ストリーム数の全情報を提供する。
【0107】
図14Aおよび図14Bは、ある実施形態に係る、SUモードの場合のVHT−SIG202のビット割り当ての一例を示す図である。図14Aに示すように、ある実施形態によると、VHT−SIG202は、期間サブフィールド142−1、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、MU/SUサブフィールド142−6、複数のSUサブフィールド206、および、CRCサブフィールドおよびテイルビットを含むサブフィールド等の追加サブフィールド142−11を含む。図14Bに示すように、複数のSUサブフィールド206は、MCSサブフィールド152−1、STBCサブフィールド142−13、コーディング種類サブフィールド152−2、非サウンディングサブフィールド142−14、AIDサブフィールド142−15およびSU保留サブフィールド206−1を含む。
【0108】
ある実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6は、MUモードおよびSUモードのいずれにおいても削除されており、VHT−SIG202は、MUモードおよびSUモードのいずれにおいてもグループIDサブフィールド142−7を含む。このため、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、保留ビット列に設定されると、データユニット200がSUデータユニットである旨を示す。
【0109】
MCSサブフィールド152−1、STBCサブフィールド142−13、コーディング種類サブフィールド152−2、非サウンディングサブフィールド142−14、および、AIDサブフィールド142−15は、例えば、図9Aを参照しつつ上述したのと同様に実現される。SU保留サブフィールド206−1は、今後開発されるSU機能を実現するために割り当てられたビットを含む。ある実施形態によると、AIDサブフィールド142−15は、クライアント局間の区別を改善するべく4ビット以上を含むことによって、一のクライアント局25のPHY部29による、AIDサブフィールド142−15が当該クライアント局25に(例えば、当該クライアント局25のAIDに)対応していないという判断の信頼性を高め、これに応じて、データユニット200の期間にわたってシャットダウンする。SU保留サブフィールド206−1が含むビット数は、AIDサブフィールド142−15が含むビット数が4以上の場合には、24未満になるとしてよい。
【0110】
少なくとも一部の実施形態および/または状況において、データユニット200、特に、統一された一のVHT−SIG202を利用することによって1以上の利点が得られる。上述したように、少なくとも一部の実施形態ではビット数を節約することができるので、MUモードの場合にはより多くのユーザ固有情報等の情報をVHT−SIG202で伝達することができるようになる。場合によっては、ビットが節約されることによって、例えば、Nssサブフィールド142−9またはNstsサブフィールド142−12に関連付けられているLUTを実現する必要が無くなることがある。この結果、一部の実施形態では、LUT検索に起因する処理遅延および複雑性が軽減される。一部の実施形態によると、データユニットが有する信号フィールドを複数(例えば、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135)ではなく、1つとすることによって、データユニットの変調および復号が簡略化されるので、各クライアント局25のPHY部29の構成もまた簡略化される。また、一部の実施形態によると、VHT−SIG202によって、SUモードおよびMUモードのどちらの場合でも一のプリアンブル構造を利用することができる一方、上述した一部の実施形態では、MUモードの場合にはVHT−SIG2 135を利用するが、SUモードの場合には削除する。ある実施形態によると、MUモードの場合、VHT−SIG202によって、各クライアント局25は、より高度な干渉軽減(または、「白色化」)処理を実行できるようになる。これは、各クライアント局25が全方向性のVHT−SIG202を介して超高スループット信号フィールド情報を全て受信しているために、各クライアント局25の干渉のコンステレーションに関する情報が多くなっているためである。一方、一部の実施形態によると、VHT−SIG2 135は、上述したようにクライアント局25毎にビームステアリングされている。この結果、一部の実施形態によると、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135を組み合わせた場合よりも、VHT−SIG202の復号結果の信頼性が高くなる。一部の実施形態によると、VHT−SIG202によってさらに、MUモードおよびSUモードのいずれの場合においても保留ビットを増やすことができるので、まだ開発されていないが実現が期待されている高度な機能を取り込みやすくなる。
【0111】
図15は、別の実施形態に係る、直交周波数分割多重(OFDM)変調を利用してAP14がクライアント局25に送信するさらに別のデータユニット300を示す図である。クライアント局25のうち1以上もまた、データユニット300の形式に応じてフォーマッティングされたデータユニットをAP14に送信する。ある実施形態によると、データユニット300は、VHTプロトコルに準拠しており、80MHz帯域を占有する。他の実施形態によると、データユニット300は、データユニット100を参照しつつ説明したように、占有する帯域幅が異なる。データユニット300はデータユニット200と同様であるが、データユニット300のプリアンブルは、VHT−SIG202の代わりに、4つの超高スループット信号フィールド(VHT−SIG)302を含む。少なくとも一部の例では、VHT−SIG302はまとめて、一の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG)302と呼ぶ。VHT−SIG302の形式は、以下で説明するように、VHT−SIG202の形式とは異なる。
【0112】
ある実施形態によると、VHT−SIG302は、図12のVHT−SIG202が3つのOFDMシンボルを含むことに比べ、含むOFDMシンボルは2つのみである。L−SIG115を用いて、L−SIG115のレートサブフィールドおよび長さサブフィールドを適切に設定することによって、データユニット300のうちレガシー部分の後の期間Tを示す。これは、図8を参照しつつ上述したのと同様の方法である。この結果、期間サブフィールド142−1の12ビットはVHT−SIG302には含められず、VHT−SIG302の送信について利用されるOFDMシンボルが2つのみとなるように、VHT−SIG302の残りのサブフィールドにビットが割り当てられる。
【0113】
図16は、MUモードの場合のVHT−SIG302に対するビット割り当ての例を示す図である。VHT−SIG302は、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、STBCサブフィールド142−5、非サウンディングサブフィールド142−14、コーディング種類サブフィールド152−2、グループIDサブフィールド142−7、複数のMU−MCSサブフィールド204−1、MU保留サブフィールド142−10、および、複数の追加サブフィールド142−11を含む。
【0114】
ある実施形態によると、図13Aおよび図13Bに示すビット割り当ての例と同様に、複数のMU−MCSサブフィールド204−1はそれぞれが、対応するクライアント局25についての変調符号化方式の指標と共に、対応するクライアント局25の空間ストリーム数を示すように実現されている。ある実施形態によると、STBCサブフィールド142−5は、全てのクライアント局25に共通のSTBC設定を示す。このため、MU−MCSサブフィールド204−1は、STBCサブフィールド142−5と共に利用されることによって、プリアンブルの超高スループット信号コンテンツを全て送信するために利用するOFDMシンボルを2つのみとしつつも、AP14から各クライアント局25に送信される空間−時間ストリーム数の全情報を提供する。
【0115】
図17は、SUモードの場合のVHT−SIG302に対するビット割り当ての例を示す図である。VHT−SIG302は、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、STBCサブフィールド142−5、非サウンディングサブフィールド142−14、コーディング種類サブフィールド152−2、グループIDサブフィールド142−7、SU−MCSサブフィールド304−1、AIDサブフィールド142−15、SU保留サブフィールド206−1、および、追加サブフィールド142−11を含む。
【0116】
したがって、データユニット300のプリアンブルの形式は、SUモードおよびMUモードで略同じであり、クライアント局25のPHY部29の構成を大幅に簡略化することができる。例えば、グループIDサブフィールド142−7は、SUモードおよびMUモードのいずれの場合でも含まれる。ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、特定の保留ビット列、例えば、各ビットが全て論理値「0」に設定されたビット列に設定されると、SUモードを指定し、MUモードは、グループIDサブフィールド142−7が保留ビット列とは異なることによって、例えば、グループIDサブフィールド142−7の1以上のビットが論理値「1」に設定されることによって、指定される。別の実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6は、MUモードおよびSUモードのいずれの場合も含まれており、グループIDサブフィールド142−7は、SUモードの場合には削除される。
【0117】
ある実施形態によると、SU−MCSサブフィールド304−1は、SUモードにおけるデータユニット300の送信先であるクライアント局について、変調符号化方式の指標と共に空間ストリーム数を示すように構成されている。SU−MCSサブフィールド304−1は、STBCサブフィールド142−5と共に用いることで、AP14から送信先のクライアント局に送信される空間−時間ストリーム数を指定する。
【0118】
図9Aおよび図9Bを参照しつつ説明したように、ある実施形態によると、クライアント局25がSU送信の対象であるクライアント局でないとPHY部29が判断すると、AIDサブフィールド142−15によって、クライアント局25のPHY部29を早期にシャットダウンすることが可能となる。
【0119】
データユニット100、200および300のそれぞれに関連付けて説明したプリアンブルと同一または同様のプリアンブルは、アップリンク(UL)MIMO送信にも利用可能である。データユニット100を用いてMUモードで動作する場合、AP14は、アップリンク開始指標(USI)フレームをクライアント局25に送信する。USIフレームは、各クライアント局25がビームステアリング対象の超高スループット信号フィールド(例えば、VHT−SIG2 135)に含めるMCS、STBC設定、コーディング種類等のユーザ固有情報を除き、各クライアント局25に対するPHY情報を全て指定する。ある実施形態によると、クライアント局25は、VHT−SIG2 135または同様のビームステアリング対象の信号フィールドには含まれないUL−MIMO送信では、PHY情報を制御しない。代わりに、ある実施形態では、全てのクライアント局25に共通の信号フィールド(例えば、VHT−SIG1 120)に含まれている情報は、AP14によって制御される必要がある。これは、AP14が、他のクライアント局25の状況を判断するのにより適切であるためである。例えば、AP14は、全てのクライアント局25にわたる干渉レベル、各クライアント局25によるUL送信の受信信号強度、各クライアント局25の送信電力等を把握しているとしてよい。したがって、超高スループット信号フィールド情報は全て全方向に送信されるデータユニット200および300のようなデータユニットでは、例えば、VHT−SIG202またはVHT−SIG302に含まれる、MCS、STBC設定等の情報をAP14が制御する。
【0120】
図18は、ある実施形態に係る、通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法400の一例を示すフローチャートである。方法400は、説明の便宜上、WLAN10およびデータユニット100、200および300のさまざまな実施形態を参照しつつ説明する。しかし、方法400は、一部の実施形態によると、WLAN10以外のネットワークでも利用されるものであり、および/または、データユニット100、200および300以外のデータユニットのプリアンブルを生成するために利用されるものであると理解されたい。また、ある実施形態によると、PHY部20は、方法400を実行するように構成されている。しかし、他の実施形態では、他の装置が方法400を実行するように構成されているものと理解されたい。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、MAC部18は、方法400の少なくとも一部分を実行するように構成されている。また、一部の実施形態によると、PHY部20が方法400以外の方法を実行するように構成されることも理解されたい。
【0121】
ブロック402において、第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数の指標をプリアンブルの第1のフィールドに含める。第1のストリーム数の指標は、第1の受信機、例えば、クライアント局25−1に対するデータユニットの送信に対応する。一実施形態によると、プリアンブルの第1のフィールドは、VHT−SIG1 120である。別の実施形態によると、第1のフィールドは、VHT−SIG202である。さらに別の実施形態によると、第1のフィールドは、VHT−SIG302である。
【0122】
ブロック404において、プリアンブルの第2のフィールドに1以上のトレーニングシーケンスを含める。第1のストリーム数の指標は、第2のフィールドに含まれた1以上のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群、例えば、第1のVHT−LTF130群は第1の受信機に対応する旨を示す。
【0123】
ブロック406において、プリアンブルの第1のフィールドの送信がプリアンブルの第2のフィールドの送信より先になるように、プリアンブルをフォーマッティングする。したがって、ある実施形態によると、クライアント局25−1は、VHT−LTF130を受信する前に、第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数の指標、つまり、第1のVHT−LTF130群がクライアント局25−1に対応する旨を示す指標を受信する。
【0124】
当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することによって、方法400の適切な変形例に想到するであろう。例えば、一部の実施形態によると、図18に示す1以上の特徴が実行されず、および/または、図18に図示していない1以上の特徴を追加で実行する。別の例を挙げると、図18に示す順序は、方法400を実行する順序を示すものではなく、および/または、各ブロックが他のブロックの開始前に完了している旨を示すものでもない。
【0125】
図19は、ある実施形態に係る、第1の受信機を用いて通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルを受信する方法500の一例を示すフローチャートである。方法500は、説明の便宜上、WLAN10およびデータユニット100、200および300のさまざまな実施形態を参照しつつ説明する。しかし、方法500は、一部の実施形態によると、WLAN10以外のネットワークでも利用されるものであり、および/または、データユニット100、200および300以外のデータユニットのプリアンブルを受信するために利用されるものであると理解されたい。また、ある実施形態によると、PHY部29は、方法500を実行するように構成されている。しかし、他の実施形態では、他の装置が方法500を実行するように構成されているものと理解されたい。また、一部の実施形態によると、PHY部29が方法500以外の方法を実行するように構成されることも理解されたい。
【0126】
ブロック502において、プリアンブルの第1のフィールドを受信する。第1のフィールドは、第1の受信機、例えば、クライアント局25−1に対応するデータユニットの第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数の指標を含む。
【0127】
ブロック504において、プリアンブルの第2のフィールドに含まれている1以上のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応していると判断する。したがって、ある実施形態によると、クライアント局25−1は、プリアンブルの第2のフィールドを受信した時点で、VHT−LTF130のうちどれがクライアント局25−1に対応しているかを既に把握している。さまざまな実施形態によると、ブロック504での判断は、さまざまな適切な方法のうち任意の方法、例えば、上記で例示した方法のうちいずれか1つにしたがって行う。
【0128】
ブロック506において、プリアンブルの第2のフィールドの1以上のトレーニングシーケンスを受信する。
【0129】
ブロック508において、1以上のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群を用いて、通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う。ある実施形態によると、ブロック508の少なくとも一部分は、ブロック506を実行している間に実行される。したがって、ある実施形態によると、方法500によれば、1以上のトレーニングシーケンスを受信する前に1以上のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断することによって、通信チャネルの推定を早期に行うことが可能となる。
【0130】
当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することによって、方法500の適切な変形例に想到するであろう。例えば、一部の実施形態によると、図19に示す1以上の特徴が実行されず、および/または、図19に図示していない1以上の特徴を追加で実行する。別の例を挙げると、図19に示す順序は、方法500を実行する順序を示すものではなく、および/または、各ブロックが他のブロックの開始前に完了している旨を示すものでもない。
【0131】
図20は、ある実施形態に係る、マルチユーザMIMO(MU−MIMO)通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法600の一例を示すフローチャートである。方法600は、説明の便宜上、WLAN10およびデータユニット100、200および300のさまざまな実施形態を参照しつつ説明する。しかし、方法600は、一部の実施形態によると、WLAN10以外のネットワークでも利用されるものであり、および/または、データユニット100、200および300以外のデータユニットのプリアンブルを生成するために利用されるものであると理解されたい。また、ある実施形態によると、PHY部20は、方法600を実行するように構成されている。しかし、他の実施形態では、他の装置が方法600を実行するように構成されているものと理解されたい。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、MAC部18は、方法600の少なくとも一部分を実行するように構成されている。また、一部の実施形態によると、PHY部20が方法600以外の方法を実行するように構成されることも理解されたい。
【0132】
ブロック602において、プリアンブルの第1のフィールドを生成する。プリアンブルの第1のフィールドは、複数の受信機に対する複数の指標を提供する。ある実施形態によると、各指標は、複数の受信機のうちいずれか1つに対応しており、各指標は、対応する受信機へのデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスから成るトレーニングシーケンス群を示す指標である。例えば、ある実施形態によると、プリアンブルの第1のフィールドは、クライアント局25−1に対する指標を提供し、当該指標は、クライアント局25−1へのデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群を示す。ある実施形態によると、プリアンブルの第1のフィールドはさらに、クライアント局25−2に対する指標を提供する。当該指標は、クライアント局25−2に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスから成る第2のトレーニングシーケンス群を示す指標である。一部の実施形態によると、これに加えて/これに代えて、プリアンブルの第1のフィールドは、クライアント局25−3、25−4等に対するトレーニングシーケンス群の指標を提供する。
【0133】
さまざまな実施形態によると、複数の受信機に対して提供された複数の指標のうち少なくとも1つは、受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数の指標、受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間−時間ストリーム数の指標、受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングフィールド数の指標、または、例えば、VHT−LTF130内のトレーニングシーケンス群の位置を示す任意の適切な指標を含む。ある実施形態によると、複数の受信機のうち1つの受信機に提供される指標のうち少なくとも1つは、複数の受信機のうち別の1つの受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である。このため、ある実施形態によると、例えば、複数の受信機のうち第2の受信機は、複数の受信機のうち第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の指標を、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標として(つまり、第2の受信機に対応する指標に加えて)利用する。より具体的に説明すると、ある実施形態では、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標は、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の指標である。また、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標は、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である。
【0134】
一部の実施形態によると、一意的なインデックス値を用いて、トレーニングシーケンス群の指標が受信機に対して提供される順番を示す。例えば、ある実施形態によると、一意的なインデックス値はそれぞれ、複数の受信機のうちいずれか1つに対応する。例えば、クライアント局25−1に対応する一意的なインデックス値は、プリアンブルの第1のフィールドのうちクライアント局25−1に対応するサブフィールドの位置または順序を、プリアンブルの第1のフィールドの他のサブフィールドと相対的に示す。ある実施形態によると、クライアント局25−1に対応するサブフィールドは、クライアント局25−1に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標を含むか、または、クライアント局25−1に対応するトレーニングシーケンス群の別の適切な指標を含む。他の一意的なインデックス値は、クライアント局25−2、クライアント局25−3等の他の受信機についても同様に用いられるとしてよい。このため、ある実施形態によると、一意的なインデックス値は、VHT−LTF130内のトレーニングシーケンス群の位置を示すために用いられる。
【0135】
ブロック604において、プリアンブルの第2のフィールドに複数のトレーニングシーケンスを含める。
【0136】
ブロック606において、プリアンブルの第1のフィールドの送信がプリアンブルの第2のフィールドの送信より前になるように、プリアンブルをフォーマッティングする。したがって、ある実施形態によると、複数の受信機はそれぞれ、VHT−LTF130を受信する前に当該受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の指標を受信する。
【0137】
当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することによって、方法600の適切な変形例に想到するであろう。例えば、一部の実施形態によると、図20に示す1以上の特徴が実行されず、および/または、図20に図示していない1以上の特徴を追加で実行する。別の例を挙げると、図20に示す順序は、方法600を実行する順序を示すものではなく、および/または、各ブロックが他のブロックの開始前に完了している旨を示すものでもない。
【0138】
図21は、ある実施形態に係る、第1の受信機、例えば、クライアント局25−1のPHY部29を用いてマルチユーザMIMO(MU−MIMO)通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルを受信する方法700の一例を示すフローチャートである。方法700は、説明の便宜上、WLAN10およびデータユニット100、200および300のさまざまな実施形態を参照しつつ説明する。しかし、方法700は、一部の実施形態によると、WLAN10以外のネットワークでも利用されるものであり、および/または、データユニット100、200および300以外のデータユニットのプリアンブルを受信するために利用されるものであると理解されたい。また、ある実施形態によると、PHY部29は、方法700を実行するように構成されている。しかし、他の実施形態では、他の装置が方法700を実行するように構成されているものと理解されたい。また、一部の実施形態によると、PHY部29が方法700以外の方法を実行するように構成されることも理解されたい。
【0139】
ブロック702において、プリアンブルの第1のフィールドを受信する。第1のフィールドは、複数の受信機に対して複数の指標を提供する。ある実施形態によると、複数の受信機は、第1の受信機、例えば、クライアント局25−1を含む。ある実施形態によると、各指標は複数の受信機のうちいずれか1つに対応し、各指標は、対応する受信機へのデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスから成るトレーニングシーケンス群を示す。ある実施形態によると、例えば、プリアンブルの第1のフィールドは、クライアント局25−1に対して、クライアント局25−1へのデータユニットの送信に対応する第1のトレーニングシーケンス群の指標を提供する。ある実施形態によると、プリアンブルの第1のフィールドはさらに、クライアント局25−2に対して、クライアント局25−2へのデータユニットの送信に対応する第2のトレーニングシーケンス群の指標を提供し、および/または、一部の実施形態によると、クライアント局25−3、25−4等に対してトレーニングシーケンス群の指標を提供する。
【0140】
方法600に関連して説明したように、さまざまな実施形態によると、第1の受信機に対応する指標は、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数の指標、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間−時間ストリーム数の指標、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングフィールド数の指標、または、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する、例えば、VHT−LTF130内のトレーニングシーケンス群の位置を示す任意の適切な指標を含む。ある実施形態によると、複数の受信機のうちの第2の受信機に対応する、複数の指標のうちの第2の指標は、第1の受信機に対応する指標に加えて、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である。例えば、ある実施形態によると、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標は、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の指標である。また、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標は、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である。
【0141】
また、一部の実施形態によると、一意的なインデックス値を用いて、トレーニングシーケンス群の指標が受信機に対して提供される順番を示す。例えば、ある実施形態によると、一意的なインデックス値はそれぞれ、複数の受信機のうちいずれか1つに対応する。例えば、クライアント局25−1に対応する一意的なインデックス値は、プリアンブルの第1のフィールドのうちクライアント局25−1に対応するサブフィールドの位置または順序を、プリアンブルの第1のフィールドの他のサブフィールドと相対的に示す。ある実施形態によると、クライアント局25−1に対応するサブフィールドは、クライアント局25−1に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標を含むか、または、クライアント局25−1に対応するトレーニングシーケンス群の別の適切な指標を含む。他の一意的なインデックス値は、クライアント局25−2、クライアント局25−3等の他の受信機についても同様に用いられるとしてよい。このため、ある実施形態によると、上述したように、クライアント局25−1は、一意的なインデックス値を受信して、一意的なインデックス値に基づいてクライアント局25−1に対応するVHT−LTF130内のトレーニングシーケンス群の位置を決定する。
【0142】
ブロック704において、ブロック702において受信した第1の受信機に対する指標に基づき、第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断する。さまざまな実施形態によると、ブロック704における判断は、さまざまな適切な方法のうち任意の方法、例えば、上記で例示した方法のうちいずれか1つにしたがって行う。一部の実施形態によると、複数の受信機のうち第2の受信機に対応する複数の指標のうち第2の指標が、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である場合、ブロック704における判断はさらに、複数の指標のうち第2の指標に基づいても行われる。
【0143】
ブロック706において、プリアンブルの第2のフィールドを受信する。プリアンブルの第2のフィールドは、複数のトレーニングシーケンスを含む。このため、ある実施形態によると、ブロック704の結果に基づき、クライアント局25−1は既に、VHT−LTF130のうち少なくとも一部を受信した時点において、VHT−LTF130のうちどれがクライアント局25−1に対応するのか把握している。
【0144】
ブロック708において、第1のトレーニングシーケンス群を用いて、AP14等の送信機と、クライアント局25−1等の第1の受信機との間の通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う。ある実施形態によると、ブロック708の少なくとも一部分は、ブロック706を実行している間に実行される。したがって、ある実施形態によると、方法700によれば、複数のトレーニングシーケンスの少なくとも一部を受信する前に第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断することによって、通信チャネルの推定を早期に行うことが可能となる。
【0145】
当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することによって、方法700の適切な変形例に想到するであろう。例えば、一部の実施形態によると、図21に示す1以上の特徴が実行されず、および/または、図21に図示していない1以上の特徴を追加で実行する。別の例を挙げると、図21に示す順序は、方法700を実行する順序を示すものではなく、および/または、各ブロックが他のブロックの開始前に完了している旨を示すものでもない。
【0146】
上述したさまざまなブロック、処理および方法のうち少なくとも一部は、ハードウェア、ファームウェア命令を実行するプロセッサ、ソフトウェア命令を実行するプロセッサ、または、これらの任意の組み合わせを利用して実現されるとしてよい。ソフトウェア命令またはファームウェア命令を実行するプロセッサを用いて実現される場合、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、磁気ディスク、光ディスク、または、その他の格納媒体等の任意のコンピュータ可読メモリ、RAMまたはROMまたはフラッシュメモリ、プロセッサ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ等に格納されるとしてよい。同様に、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、任意の公知または所望の配信方法によって、ユーザまたはシステムに配信されるとしてよい。例えば、コンピュータ可読ディスクまたは他の輸送可能なコンピュータ格納機構に格納して配信するか、または、通信媒体を介して配信されるとしてよい。通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータを、搬送波またはその他の輸送機構等の変調データ信号で具現化したものである。「変調データ信号」という用語は、特性のうち1以上を信号に情報を符号化するように設定または変更された信号を意味する。通信媒体は、一例として挙げると、これらに限定されないが、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、および、音波、無線周波数、赤外線等の無線媒体を含む。このように、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、電話線、DSLライン、ケーブルテレビライン、光ファイバライン、無線通信チャネル、インターネット等の通信チャネルを介してユーザまたはシステムに配信されるとしてよい。(上記の通信チャネルの例は、輸送可能な格納媒体によってソフトウェアを提供することと同じ、または、置き換え可能であると見なされる)。ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、プロセッサによって実行されると、当該プロセッサにさまざまな処理を実行させる機械可読命令を含むとしてよい。
【0147】
ハードウェアで実現される場合、ハードウェアは、ディスクリート素子、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等のうち1以上を備えるとしてよい。
【0148】
具体例を挙げて本発明を説明してきたが、上記の内容は例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。開示した実施形態については、本発明の範囲から逸脱することなく、変更、追加、および/または、削除され得るものである。
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、概して通信ネットワークに関し、具体的には多入力多出力(MIMO)通信システムで送信する物理層プリアンブル形式に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願]
本願は、以下の米国仮特許出願による恩恵を主張する。
米国仮特許出願第61/254,608号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2009年10月23日
米国仮特許出願第61/255,038号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2009年10月26日
米国仮特許出願第61/259,584号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2009年11月9日
米国仮特許出願第61/260,729号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2009年11月12日
米国仮特許出願第61/294,729号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2010年1月13日
米国仮特許出願第61/307,780号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2010年2月24日
米国仮特許出願第61/321,390号、発明の名称「11ac用のストリーム数指標」、出願日:2010年4月6日
上述した特許出願は全て、開示の内容が参照により全て本願に組み込まれる。
【0003】
本願はさらに、米国特許出願第12/910,608号、発明の名称:「WLAN用のストリーム数の指標」、出願日:2010年10月22日)に関する。当該特許出願の内容は全て、参照により本願に組み込まれる。
【0004】
本明細書に記載する背景技術の説明は、本開示がどのような文脈で為されたかの概要を説明する目的で記載するものである。本願の発明者として名前を挙げているものの研究内容は、この背景技術のセクションに記載されている限りにおいて、出願時に先行技術と認められない部分と同様に、本開示に対する先行技術として明示的にも暗示的にも認めるものではない。
【0005】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)は、過去10年間の間に急速に発展が進んだ。米国電子電気学会(IEEE)802.11a、802.11b、802.11gおよび802.11n規格等のWLAN規格の開発によって、単一ユーザピークデータスループットが改善された。例えば、IEEE802.11b規格では、11メガビット毎秒(Mbps)という単一ユーザピークスループットを仕様で定めており、IEEE802.11a規格および802.11g規格では、54Mbpsという単一ユーザピークスループットを仕様で定めており、IEEE802.11n規格は、600Mbpsという単一ユーザピークスループットを仕様で定めている。新しい規格、IEEE802.11acに関する研究が始まっている。この規格では、さらなるスループットの改善が約束されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によると、多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法であって、複数の受信機に対して複数の指標を提供するプリアンブルの第1のフィールドを生成する段階を備える。複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示している。当該方法はさらに、複数のトレーニングシーケンスをプリアンブルの第2のフィールドに含める段階を備える。当該方法はさらに、プリアンブルの第1のフィールドが、プリアンブルの第2のフィールドが送信される前に送信されるようにプリアンブルをフォーマッティングする段階を備える。
【0007】
別の実施形態によると、MIMO通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する物理層(PHY)部を備える装置である。プリアンブルの第1のフィールドは、複数の受信機に対して複数の指標を提供する。複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示す。プリアンブルは、複数のトレーニングシーケンスを含む第2のフィールドを持つ。PHY部はさらに、プリアンブルの第2のフィールドの送信より前に、プリアンブルの第1のフィールドを送信させる。
【0008】
さらに別の実施形態によると、多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して第1の受信機を用いてデータユニットのプリアンブルを受信する方法であって、プリアンブルの第1のフィールドを受信する段階を備える。プリアンブルの第1のフィールドは、複数の指標を提供する。複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスのトレーニングシーケンス群を示す。第1の受信機は、複数の受信機のうち一の受信機である。当該方法はさらに、複数の指標のうち第1の受信機に対応する一の指標に基づき、複数のトレーニングシーケンスを含む第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断する段階を備える。当該方法はさらに、プリアンブルの第1のフィールドを受信した後にプリアンブルの第2のフィールドを受信する段階を備える。プリアンブルの第2のフィールドは、複数のトレーニングシーケンスを含む。当該方法はさらに、第1のトレーニングシーケンス群を用いて、MIMO通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う段階を備える。
【0009】
さらに別の実施形態によると、MIMO通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルの第1のフィールドを受信する物理層(PHY)部を備える装置である。プリアンブルの第1のフィールドは、複数の指標を提供する。複数の受信機のうち第1の受信機は、当該装置を含む。複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスのトレーニングシーケンス群を示す。PHY部はさらに、複数の指標のうち第1の受信機に対応する一の指標に基づき、複数のトレーニングシーケンスを含む第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断する。PHY部はさらに、プリアンブルの第1のフィールドを受信した後に、プリアンブルの第2のフィールドを受信する。プリアンブルの第2のフィールドは、複数のトレーニングシーケンスを含む。PHY部はさらに、第1のトレーニングシーケンス群を用いて、MIMO通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)の一例を示すブロック図である。
【0011】
【図2】別の実施形態に係るデータユニット形式の一例を示す図である。
【0012】
【図3A】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図3B】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0013】
【図4】さらに別の実施形態に係る、グループ定義フィールドの一例を示す図である。
【0014】
【図5】さらに別の実施形態に係るサウンディングタイミング図の一例である。
【0015】
【図6】さらに別の実施形態に係る、空間ストリーム数サブフィールドを示す図である。
【0016】
【図7A】別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図7B】別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0017】
【図8】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての別の例を示す図である。
【0018】
【図9A】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての例を示す図である。
【図9B】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての例を示す図である。
【0019】
【図10A】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図10B】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図10C】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0020】
【図11A】さらに別の実施形態に係るデータユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図11B】さらに別の実施形態に係るデータユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0021】
【図12】さらに別の実施形態に係る、データユニット形式の別の例を示す図である。
【0022】
【図13A】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【図13B】さらに別の実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての一例を示す図である。
【0023】
【図14A】実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当てのさらに別の例を示す図である。
【図14B】実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当てのさらに別の例を示す図である。
【0024】
【図15】実施形態に係る、データユニット形式のさらに別の例を示す図である。
【0025】
【図16】実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当ての別の例を示す図である。
【0026】
【図17】実施形態に係る、データユニットに対するビット割り当てのさらに別の例を示す図である。
【0027】
【図18】実施形態に係る、通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0028】
【図19】実施形態に係る、通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルを受信する方法の一例を示すフローチャートである。
【0029】
【図20】実施形態に係る、MIMO通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法の一例を示すフローチャートである。
【0030】
【図21】実施形態に係る、MIMO通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルを受信する方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、実施形態に係るワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)10の一例を示すブロック図である。WLAN10は、アクセスポイント(AP)と複数のクライアント局との間におけるダウンリンク(DL)マルチユーザ(MU)多入力多出力(MIMO)通信をサポートしている。また、WLAN10は、APと各クライアント局との間におけるDLシングルユーザ(SU)通信をサポートしている。AP14は、ネットワークインターフェース16に結合されているホストプロセッサ15を有する。ネットワークインターフェース16は、媒体アクセス制御(MAC)部18および物理層(PHY)部20を含む。PHY部20は、複数の送受信機21を含み、複数の送受信機21は、複数のアンテナ24に結合されている。図1では3つの送受信機21および3つのアンテナ24を図示しているが、AP14が含む送受信機21およびアンテナ24の数は、他の実施形態では異なるとしてもよい(例えば、1個、2個、4個、5個等)。一実施形態によると、MAC部18およびPHY部20は、第1の通信プロトコル(例えば、IEEE802.11ac規格、現在標準化に向けて協議中)に応じて動作するように構成されている。別の実施形態によると、MAC部18およびPHY部20は、第2の通信プロトコル(例えば、IEEE802.11n規格、IEEE802.11a規格、IEEE802.11g規格等)に応じて動作するように構成されている。本明細書では、第1の通信プロトコルを超高スループット(VHT)プロトコルと呼び、第2の通信プロトコルをレガシープロトコルと呼ぶ。
【0032】
WLAN10は、複数のクライアント局25を備える。図1に図示しているクライアント局25は4個であるが、WLAN10は、場合および実施形態に応じて、クライアント局25の数が異なる(例えば、1個、2個、3個、5個、6個等)。クライアント局25のうち少なくとも1つ(例えば、クライアント局25−1)は、少なくともVHTプロトコルに応じて動作するように構成されている。一部の実施形態によると、WLAN10はさらに、VHTプロトコルに応じて動作するようには構成されていないが、レガシープロトコルに応じて動作するように構成されているクライアント局40を備える。本明細書では、このようなクライアント局40を「レガシークライアント局」と呼ぶ。一部の実施形態によると、WLAN10は、複数のレガシークライアント局を備える。他の実施形態によると、WLAN10にはレガシークライアント局がない。
【0033】
クライアント局25−1は、ネットワークインターフェース27に結合されているホストプロセッサ26を有する。ネットワークインターフェース27は、MAC部28およびPHY部29を含む。PHY部29は、複数の送受信機30を含み、送受信機30は、複数のアンテナ34に結合されている。図1には3個の送受信機30および3個のアンテナ34を図示しているが、クライアント局25−1が有する送受信機30およびアンテナ34の数は、他の実施形態では、異なる(例えば、1個、2個、4個、5個等)。
【0034】
ある実施形態によると、クライアント局25−2、25−3および25−4のうち1以上のクライアント局は、構造がクライアント局25−1と同一または同様である。このような実施形態によると、クライアント局25−1と同一または同様の構造を持つクライアント局25は、同数または異数の送受信機およびアンテナを有する。ある実施形態によると、例えば、クライアント局25−2が有する送受信機およびアンテナはそれぞれ2個のみである。
【0035】
さまざまな実施形態によると、AP14のPHY部20は、VHTプロトコルに準拠しており、以下に説明する形式を持つデータユニットを生成する。送受信機21は、生成されたデータユニットをアンテナ24を介して送信する。同様に、送受信機21は、VHTプロトコルに準拠しているデータユニットをアンテナ24を介して受信する。AP14のPHY部20は、VHTプロトコルに準拠しており、且つ、以下に説明する形式を持つ受信データユニットを処理する。
【0036】
さまざまな実施形態によると、クライアント局25−1のPHY部29は、VHTプロトコルに準拠しており、以下に説明する形式を持つデータユニットを生成する。送受信機30は、生成されたデータユニットをアンテナ34を介して送信する。同様に、送受信機30は、VHTプロトコルに準拠しているデータユニットをアンテナ34を介して受信する。さまざまな実施形態によると、クライアント局25−1のPHY部29は、VHTプロトコルに準拠しており、且つ、以下に説明する形式を持つ受信データユニットを処理する。
【0037】
図2は、ある実施形態に係る、AP14が直交周波数分割多重(OFDM)変調を用いてクライアント局25−1に送信するデータユニット100を示す図である。データユニット100は、VHTプロトコルに準拠しており、80MHz帯域を占有する。他の実施形態によると、データユニット100と同様のデータユニットは、20MHz、40MHz、120MHz、160MHzまたは任意の適切な帯域幅等、さまざまな帯域幅を占有する。データユニット100は、レガシープロトコルには準拠しているがVHTプロトコルには準拠していないクライアント局(例えば、レガシークライアント局40)をWLAN10が含むモードである「混合モード」の場合に適切なデータユニットである。データユニット100は、他の状況下でも利用可能である。
【0038】
データユニット100のプリアンブルは、4つのレガシーショートトレーニングフィールド(L−STF)105、4つのレガシーロングトレーニングフィールド(L−LTF)110、4つのレガシー信号フィールド(L−SIG)115、4つの第1の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG1)120、超高スループットショートトレーニングフィールド(VHT−STF)125、N個の超高スループットロングトレーニングフィールド(VHT−LTF)130、および、第2の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG2)135を含む。尚、Nは整数である。データユニット100はさらに、超高スループットデータ部分(VHT−DATA)140を含む。L−STF105、L−LTF110、L−SIG115によって、レガシー部分が形成される。VHT−STF125、VHT−LTF130、VHT−SIG2 135およびVHT−DATA140によって、超高スループット(VHT)部分が形成される。
【0039】
一実施形態によると、各L−STF105、各L−LTF110、各L−SIG115および各VHT−SIG1 120は、20MHz帯域を占有する。本開示によると、一例として挙げているデータユニット100を初めとした、80MHzの連続した帯域幅を持つデータユニットは、例えば、フレーム形式の実施形態を説明する目的で記載しているが、これらのフレーム形式の実施形態および他の実施形態は、他の適切な帯域幅(複数の不連続の帯域幅も含む)にも適用できる。例えば、データユニット100のプリアンブルはL−STF105、L−LTF110、L−SIG115、およびVHT−SIG1 120をそれぞれ4つずつ含むが、OFDMデータユニットが80MHz以外、例えば、20MHz、40MHz、120MHz、160MHz等の累積帯域幅を占有する他の実施形態では、それに応じた適切な数のL−STF105、L−LTF110、L−SIG115、およびVHT−SIG1 120を利用する。例えば、一部の実施形態によると、20MHzの累積帯域幅を占有するOFDMデータユニットは、L−STF105、L−LTF110、L−SIG115、およびVHT−SIG1 120をそれぞれ1つずつ含み、40MHzの帯域幅を占有するOFDMデータユニットは、フィールド105、フィールド110、フィールド115、およびフィールド120をそれぞれ2つずつ含み、120MHzの帯域幅を占有するOFDMデータユニットは、フィールド105、フィールド110、フィールド115、およびフィールド120をそれぞれ6つずつ含み、160MHzの帯域幅を占有するOFDMデータユニットは、フィールド105、フィールド110、フィールド115、およびフィールド120をそれぞれ8つずつ含む。
【0040】
データユニット100の例では、VHT−STF125、VHT−LTF130、VHT−SIG2 135およびVHT−DATA140のそれぞれが、データユニット100の80MHzの累積帯域幅を全帯域幅にわたって占有している。同様に、一部の実施形態によると、第1のVHTプロトコルに準拠しており、20MHz、40MHz、120MHzまたは160MHz等の累積帯域幅を占有するOFDMデータユニットの場合、VHT−STF125、VHT−LTF130、VHT−SIG2 135およびVHT−DATA140のそれぞれは、データユニットの累積帯域幅の全帯域幅を占有する。
【0041】
一部の実施形態によると、データユニット100の80MHzの帯域は一続きの帯域ではなく、周波数方向に分離している2つ以上の狭い帯域、例えば、2つの40MHz帯域を含む。同様に、累積帯域幅が異なる他のOFDMデータユニットの場合、例えば、160MHzの累積帯域幅の場合、一部の実施形態によると、帯域は周波数方向に不連続である。このように、一部の実施形態によると、例えば、L−STF105、L−LTF110、L−SIG115およびVHT−SIG1 120は、周波数方向に分離している2以上の帯域を占有しており、隣接する帯域は、少なくとも1MHz、少なくとも5MHz、少なくとも10MHz、少なくとも20MHzにわたって、周波数方向に分離している。
【0042】
ある実施形態によると、各L−STF105および各L−LTF110の形式は、IEEE802.11a規格および/またはIEEE802.11n規格等のレガシープロトコルに仕様が定められている形式である。ある実施形態によると、各L−SIG115の形式は、少なくとも大部分がレガシープロトコル(例えば、IEEE802.11a規格および/またはIEEE802.11n規格)に仕様が定められている形式である。L−SIG115の長さサブフィールドおよびレートサブフィールドは、データユニット100のうちレガシー部分の後に来る残余部分に対応する期間Tを示すように設定されている。このような構成とすることによって、VHTプロトコルに応じて構成されていないクライアント局が、例えば、搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)方式を採用するべく、データユニット100の終端を判断することができるようになる。例えば、IEEE802.11a規格に応じて構成されているレガシークライアント局は、IEEE802.11a規格で定められている受信機ステートマシンに応じて、VHT−SIG1 120のデータエラーを検出する。この場合、レガシークライアント局は、期間Tが終了するまで待機してから、クリアチャネルアセスメント(CCA)を実行する。別の例によると、IEEE802.11n規格に応じて構成されているレガシークライアント局は、VHT−SIG1 120および/またはVHT−SIG2 135を受信することに応じて、巡回冗長検査(CRC)エラー等のエラーを検出する。この場合、レガシークライアント局は、データユニット100のエネルギーが消滅するまで待機してから、CCAアイドルモードに切り替わる。
【0043】
データユニット100では、レガシー部分の周波数ドメインシンボルは、80MHz帯域を構成する4つの20MHzサブ帯域で繰り返し配置されている。20MHzの帯域幅を持つIEEE802.11a規格および/またはIEEE802.11n規格に準拠して構成されているレガシークライアント局は、複数の20MHzサブ帯域のうちいずれかにおいてレガシーIEEE802.11a規格のプリアンブルを認識する。一部の実施形態によると、複数の異なる20MHzサブ帯域信号の変調は、回転角度を異ならせる。一例を挙げると、ある実施形態では、第1のサブ帯域は回転角度が0度であり、第2のサブ帯域は回転角度が90度であり、第3のサブ帯域は回転角度が180度であり、第4のサブ帯域は回転角度が270度である。別の例では、他の適切な回転角度とする。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、第1のサブ帯域の回転角度が45度であり、第2のサブ帯域の回転角度が90度であり、第3のサブ帯域の回転角度が−45度であり、第4のサブ帯域の回転角度が−90度である。
【0044】
一部の実施形態によると、複数の異なる20MHzサブ帯域信号におけるVHT−SIG1 120の変調は、回転角度を異ならせる。一例を挙げると、ある実施形態では、第1のサブ帯域は回転角度が0度であり、第2のサブ帯域は回転角度が90度であり、第3のサブ帯域は回転角度が180度であり、第4のサブ帯域は回転角度が270度である。別の例では、他の適切な回転角度とする。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、第1のサブ帯域の回転角度が45度であり、第2のサブ帯域の回転角度が90度であり、第3のサブ帯域の回転角度が−45度であり、第4のサブ帯域の回転角度が−90度である。ある実施形態によると、レガシー部分(ある場合)で利用される回転と同じ回転を、VHT−SIG1 120にも利用する。少なくとも一部の例では、VHT−SIG1 120はまとめて、一の第1の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG1)120と呼ぶ。
【0045】
図2に示すように、VHT−SIG2 135が、1以上のVHT−LTF130の後に含められており、1以上のVHT−LTF130のうちいずれか1つと同一の方法で空間マッピングされている。例えば、ある実施形態によると、VHT−SIG2 135は、ベクトルQP1によって空間マッピングされている。尚、Qは、空間ストリームを、または、空間−時間エンコーディング方式が利用される場合は空間−時間ストリームを送信アンテナにマッピングするアンテナマップまたは空間マッピングマトリクスであり、P1は、空間ストリームマッピングマトリクスPの第1の列である。空間ストリームマッピングマトリクスPは、Pの各要素が+1または−1であるアダマールマトリクスである。別の実施形態によると、Pの各要素は、複素数である(例えば、離散フーリエ変換マトリクスをPとして用いる)。別の実施形態によると、Pの一部の要素は、+1または−1以外の整数である。ある実施形態によると、P1は第1の空間ストリームに対応する。
【0046】
一般的には、各VHT−LTFが生成されると、マトリクスPの別の列を用いて、空間ストリームに値をマッピングする。例えば、ある実施形態によると、マトリクスPの1番目の列、つまりP1を、信号VHT−LTF1 130−1に適用して、マトリクスPの2番目の列、つまりP2を信号VHT−LTF2に適用して、・・・、とする。このため、ある実施形態によると、クライアント局25は、VHT−LTF1に基づくチャネル推定を利用してVHT−SIG2 135をデコードする。別の実施形態によると、VHT−SIG2は、ベクトルQPNによって空間マッピングされているので、クライアント局25は、VHT−LTFN 130−Nに基づくチャネル推定を利用して、VHT−SIG2 135をデコードする。データユニット100の他の適切な実施形態は、VHT−SIG2 135の適切な位置も含め、米国特許出願第12/758,603号、発明の名称:「WLAN用の物理層フレーム形式」、出願日:2010年4月12日に記載されている。当該出願の内容は全て、参照により全て組み込まれる。
【0047】
VHT−SIG2 135を1以上のVHT−LTF130の後に配置し、VHT−SIG2 135を上記のように空間マッピングすることによって、PHY部20、送受信機21およびアンテナ24は、ビームステアリングによってユーザ毎にVHT−SIG2 135を異ならせる送信方式である空間分割多重アクセス(SDMA)ダウンリンク送信を実行するとしてよい。一方、L−STF105、L−LTF110、L−SIG115およびVHT−SIG1 120は、ステアリングされずにそのままであり(または、「全方向性」または「擬似全方向性」となる。「ステアリングされない」および「全方向性」といった表現は、本明細書で用いられる場合、「擬似全方向性」という表現も含むものと解釈されたい)、各クライアント局25に共通のPHY情報を含む。一方で、VHT−SIG2 135は、各クライアント25に対応させて複数の異なるデータを含む。これらのデータは、アンテナ24を介して複数の異なる空間チャネルで同時に送信され、クライアント局25毎に異なるコンテンツ(または、「ユーザ固有コンテンツ」)を搬送する。したがって、図2に図示しているVHT−SIG2 135は、一部の実施形態によると、複数の異なる空間ストリームを介して複数の異なるクライアントに送信されている複数の異なる情報を表している。説明を簡単にするべく、VHT−SIG2 135、および、本明細書で開示するさまざまなデータユニットのうち他のステアリング対象部分は、このように図示および/または説明することもあるとしてよい。しかし、例えば、上述したように、一部の実施形態によると、VHT−SIG2 135および他のステアリング対象部分は、複数の異なる空間ストリームで複数の異なるクライアントに送信されている異なる情報を含み得るものと理解されたい。
【0048】
ある実施形態によると、VHT−SIG1 120は、2つのOFDMシンボルを含む。ある実施形態によると、VHT−SIG2 135は、1つのOFDMシンボルを含む。
【0049】
データユニット100のプリアンブルによって、各クライアント局25は、AP14から当該クライアント局25への信号チャネルの少なくとも一部分を推定することができるようになる。そして、この推定結果に基づいて、各クライアント局25は、チャネルを均一化して、AP14からクライアント局25(例えば、クライアント局25−1)へと送信されたデータ(例えば、VHT−DATA140に含まれるデータ)をデコードする。例えば、ある実施形態によると、クライアント局25−1は、AP14からクライアント局25−1へのチャネル次元数を決定して、VHT−LTF130のうち1以上を用いて各チャネル次元を推定する。データユニット100は、AP14から各クライアント局25に送信される空間ストリーム数を、または、空間−時間エンコーディング方式が利用される場合は空間−時間ストリーム数を示し、クライアント局25−1はさらに、AP14から送信される空間ストリームまたは空間−時間ストリームのうちどれがクライアントステーション25−1に対する情報を含むのか決定するとしてよい。ある実施形態によると、クライアント局25−1が当該クライアント局に対応するチャネル次元数を推定できるように、AP14は、対応する数のVHT−LTF130をクライアント局25−1に送信する。
【0050】
ある実施形態によると、チャネル推定のために特定のクライアント局25に割り当てられている1以上のVHT−LTF130は、他のクライアント局25に対してはチャネル推定のために割り当てられていない。ある実施形態によると、PHY部20は少なくとも、対応する信号チャネルを推定するように全てのクライアント局25を共にトレーニングするために十分な数のVHT−LTF130を生成する。ある実施形態によると、データユニット100は、AP14から各クライアント局25に送信される空間ストリーム数、または、空間−時間エンコーディング方式を用いる場合には空間−時間ストリーム数を示す。ある実施形態によると、VHT−LTF130が分解可能である場合、各クライアント局25は、全てのVHT−LTF130を受信して、VHT−LTF130を受信する前に、空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標を用いて、VHT−LTF130のうちどのVHT−LTF130をチャネル推定に用いるかを決定する。例えば、一部の実施形態によると、特定のクライアント局25に対応する空間ストリーム数/空間−時間ストリーム数の1以上の指標は、VHT−SIG2 135に含める。これに加えて、または、これに代えて、データユニット100は、ある実施形態によると、対応する空間ストリーム数/空間−時間ストリーム数の適切な指標をVHT−SIG1 120に含める。このような指標の例としてさまざまなものを以下で詳細に説明する。
【0051】
ある実施形態によると、各クライアント局25は、複数のVHT−LTF130のうちチャネル推定に必要なものはどれかを事前に決定することによって、チャネル推定に不要な他のVHT−LTF130をメモリにバッファリングすることを回避する。また、ある実施形態によると、このように事前に決定することによって、クライアント局25は、VHT−LTF130を受信すると略同時にチャネル推定を開始することができる。例えば、クライアント局25は、チャネル推定の開始が遅延して、当該クライアント局25用の空間ストリーム/空間−時間ストリームに対応するVHT−LTF130の受信より後になると、VHT−DATA140に含まれるデータを正確にデコードするためには、チャネル推定を高速に行って、時間内にチャネル用の等化器(equalizer)を決定しなければならない。一部の実施形態によると、このような高速チャネル推定は、PHY部29に望ましくない処理負荷がかかることになる場合がある。
【0052】
VHT−LTF130が分解可能な一部の実施形態によると、各クライアント局25は、他のクライアント25に空間ストリーム/空間−時間ストリームが送信されることに起因する干渉を軽減または「白色化」することを試みる。このため、ある実施形態によると、データユニット100によれば、各クライアント局25は、AP14から当該クライアント局25への空間ストリーム数/空間−時間ストリーム数だけでなく、AP14から他の各クライアント25への空間ストリーム数/空間−時間ストリーム数も決定することができる。さらに、データユニット100によれば、各クライアント局25は、VHT−LTF130のうち他の各クライアント局25がチャネル推定用に利用する必要があるVHT−LTF130はどれかを決定することができる。各クライアント局25はこうして、他のクライアント局25に関するチャネルトレーニング情報に基づき、他のクライアント局25のそれぞれに送信された空間ストリーム/空間−時間ストリームに起因して受信した干渉を軽減する。これらの実施形態によると、データユニット100は、他のVHT−LTF130を干渉の軽減または白色化に用いるとしても、各クライアント局25がチャネル推定に用いるVHT−LTF130がどれかを事前に決定できるようになるという点において有利である。
【0053】
図3Aおよび図3Bは、ある実施形態に応じた、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135のそれぞれに対するビット割り当ての一例を示す図である。図3Aおよび図3Bに示すビット割り当ての例は、ある実施形態においてAP14がダウンリンクマルチユーザMIMO(DL−MUMIMO)通信をサポートしている場合に利用される。図3Aに示すように、VHT−SIG1 120は複数のサブフィールド142を含む。複数のサブフィールド142は、期間サブフィールド142−1、帯域幅サブフィールド142−2、ショートガードインターバル(SGI)サブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、空間−時間ブロックコーディング(STBC)サブフィールド142−5、マルチユーザ(MU)/シングルユーザ(SU)サブフィールド142−6、グループIDサブフィールド142−7、分解可能LTFサブフィールド142−8、空間ストリーム数(Nss)サブフィールド142−9、および、将来開発されるMU機能を実装するためのMU用保留サブフィールド142−10等を含む。VHT−SIG1 120はさらに、まとめて追加サブフィールド142−11と呼ばれる追加サブフィールドを1以上含む。さまざまな実施形態において、追加サブフィールド142−11は、例えば、巡回冗長検査(CRC)サブフィールド、テイルビットを含むサブフィールド、将来開発される機能を実装するために保留されているサブフィールド等のうち1以上を含む。
【0054】
ある実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6は、1ビットを含む。当該ビットは、論理値「1」に設定されると、AP14がMUモードで動作していることを意味する。別の実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6の1ビットは、論理値「0」に設定されると、AP14がMUモードで動作していることを示す。さらに後述するが、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、データユニット100の宛先であるMUグループを示す。一部の他の実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6を削除して、グループIDサブフィールド142−7のビット列のうち1つでは、データユニット100がSUデータユニットである旨を示す目的で保留しておく。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7の各ビットは、論理値「1」に設定されると、SUモードを意味する。別の一例に過ぎないが、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7の各ビットは、論理値「0」に設定されると、SUモードを意味する。さらに別の実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7のビット列の一例は、グループIDサブフィールド142−7のビット列の一例をデータユニット100がSUデータユニットである旨を示すために用いることに加えて、または、これに代えて、データユニット100がブロードキャストフレームである旨を示すために用いられる。さらに別の実施形態によると、データユニット100がブロードキャストフレームである旨を示すために用いられるグループIDサブフィールド142−7のビット列は、データユニット100がSUデータユニットである場合に用いられるビット列と同じである。ある実施形態によると、データユニット100がSUデータユニットである場合に用いられるグループIDサブフィールド142−7のビット列は、データユニット100がMUデータユニットであるがクライアント局25のうち1以上はMUグループに割り当てられていない場合にも用いられる。
【0055】
MUモードでは、STBCサブフィールド142−5およびNssサブフィールド142−9は、各クライアント局25の空間−時間ストリーム数の指標を供給する。
【0056】
本明細書の教示内容および開示内容を参照することで当業者であれば想到するであろうが、一のクライアント局25に対応する空間−時間ストリーム数は、STBCを用いない場合にアンテナ24を介して当該クライアント局25に送信される空間ストリーム数である。したがって、本開示内容では、STBCを用いて符号化されない空間ストリームは、説明の便宜上、空間−時間ストリームと呼ぶことがある。クライアント局25に送信される空間ストリームがSTBCを用いて符号化される場合、クライアント局25に対応する空間−時間ストリーム数は、クライアント局25に対応する空間ストリーム数、および、利用されている特定の空間−時間ブロック符号、例えば、アラマチ(Alamouti)符号等によって決まる。例えば、アラモチ符号で一の空間ストリームを符号化すると、2つの空間−時間ストリームが生成される。
【0057】
ある実施形態によると、STBC設定は、クライアント局25毎に同じであるので、STBCサブフィールド142−5がSTBCが利用されているか否かを示すために必要なビットは1ビットのみである。図3Aに示すように、STBCサブフィールド142−5は1ビットを含み、当該1ビットは、例えば、STBCが利用されている場合には「1」に設定され、STBCが利用されていない場合には「0」に設定される。またはこの逆である。ある実施形態によると、対応する空間ストリーム数は、クライアント局25毎に異なる。各クライアント局25は、サウンディングフレーム等の管理フレームまたは制御フレームを用いてクライアント局25に割り当てられている一意的なインデックス値を用いて対応する空間ストリーム数を決定する。
【0058】
例えば、AP14は、最初に各クライアント局25にサウンディングフレームを送信することによって、データユニット100の送信前に、各クライアント局25に一意的なインデックス値を割り当てる。サウンディングフレームは、1以上のグループ定義フィールドを含む。図4は、グループ定義フィールド160の一例を示す図である。グループ定義フィールド160は、グループ識別子(グループID)サブフィールド162および1以上のアソシエーション識別子(AID)サブフィールド164を含む。AIDサブフィールド164は、グループIDサブフィールド162が特定しているグループ(つまり、MUグループ)に割り当てられているMU−MIMOユーザと同数のサブフィールドを含む。例えば、図4に示すように、AIDサブフィールド164は、第1のAID(AID1)サブフィールド164−1、第2のAID(AID2)サブフィールド164−2、第3のAID(AID3)サブフィールド164−3、および、第4のAID(AID4)サブフィールド164−4を含む。一実施形態によると、グループ定義フィールド160は、PHY部20によって生成される。別の実施形態によると、AIDサブフィールド164のうち少なくとも1つ、および/または、当該サブフィールドに含まれている情報は、少なくとも部分的にMAC部18によって生成される。
【0059】
各AIDサブフィールド164は、グループIDサブフィールド162が特定するMUグループにAP14が割り当てているクライアント局25のうち1つのAIDを含む。各クライアント局25は、グループ定義フィールド160全体を受信し、AIDサブフィールド164のうちいずれか1つで自身のAIDを検出した後、グループIDサブフィールド162で特定されているMUグループのメンバーであると判断する。各クライアント局25はさらに、AIDサブフィールド164における他のクライアント局25のAIDと相対的に自身のAIDがどのように配置されているかに基づいて、他のクライアント局25の指標と相対的に、Nssサブフィールド142−9で自身の空間ストリーム数の指標が送信される順序を決定する。ある実施形態によると、グループ定義フィールド160が特定のクライアント局25のAIDを含んでいない場合、このクライアント局25は、自身はグループIDサブフィールド162が特定するMUグループのメンバーではないと判断して、例えば、所属するMUグループを判断するまで、同じサウンディングフレーム内または別のサウンディングフレーム内で後続のグループ定義フィールドを監視する。
【0060】
例えば、クライアント局25−2は、第1のAIDサブフィールド164−1を検出して、第1のAIDサブフィールド164−1のAIDはクライアント局25−2のAIDと一致しないと判断する。クライアント局25−2はこの後、第2のAIDサブフィールド164−2を検出して、第2のAIDサブフィールド164−2のAIDがクライアント局25−2のAIDに一致すると判断する。クライアント局25−2はこのため、グループIDサブフィールド162が特定するMUグループの一員であると判断し、自身の一意的なインデックス値は「2」、つまり、自身の空間ストリーム数の指標は、Nssサブフィールド142−9内の受信順序で2番目の指標であると判断する。他のAIDサブフィールド164−1、164−3および164−4のAIDの検出結果に基づき、第2のクライアント局25−2はさらに、他のクライアント局25−1、25−3および25−4に割り当てられる一意的なインデックス値を決定する。言うまでもなく、一部の実施形態によると、グループ定義フィールド160の一例では、クライアント局25−2等の特定のクライアント局のAIDは、AIDサブフィールド164のうち任意の他の適切なAIDサブフィールド164に含まれている(例えば、サブフィールド164−1、サブフィールド164−3等)。
【0061】
AP14は、各クライアント局25にグループ定義フィールド160を含むサウンディングフレームを送信する。ある実施形態によると、サウンディングフレームはさらに、対応付けられているユーザインデックス値のクライアント局25のそれぞれから確認応答を要求するため、および、チャネル測定フィードバックを要求するために用いられる。AP14は、応答フィードバックフレームを処理することによって、クライアント局25の空間マッピングQマトリクスを決定する。PHY部20は、Qマトリクスを用いてVHT−SIG2 135を生成する。VHT−SIG2 135は、送受信機21およびアンテナ24によって、複数の異なる空間チャネルを介して同時に複数の異なるクライアント局25に送信される。VHT−SIG2 135等の信号フィールドのビームステアリングのさまざまな実施例は、米国特許出願第12/750,636号(発明の名称:「無線通信用のサウンディングプロトコルおよびステアリングプロトコル」、出願日:2010年3月30日)に記載されている。当該出願の内容は全て、参照により本願に組み込まれる。VHT−SIG2 135等の信号フィールドのビームステアリングのさまざまな実施例のうちサウンディングフレームの利用を含むものは、米国特許出願第12/175,526号(発明の名称:「複数のクライアント局に対する独立データの同時ダウンリンク送信を行うアクセスポイント」、出願日:2008年7月18日)にも記載されている。当該出願の内容は全て、参照により本願に組み込まれる。
【0062】
図5は、ある実施形態に係る、AP14から各クライアント局25に送信されるサウンディングフレーム170を示すタイミング図の一例である。例えば、AP14は、複数のクライアント局25にサウンディングフレーム170をブロードキャストする。これに代えて、AP14は、複数のサウンディングフレームを複数のクライアント局25に送信する。尚、各サウンディングフレームは、クライアント局25のいずれか1つに送信される。しかし、説明の便宜上、本明細書の開示内容では、サウンディングフレーム170が各クライアント局25(例えば、クライアント局25−1および25−2)に送信されているとする。
【0063】
ある実施形態によると、サウンディングフレーム170は、グループ定義フィールド160を含むペイロード部分を含む。別の実施形態によると、サウンディングフレーム170からはペイロード部分を省略し、グループ定義フィールド160はPHYプリアンブル部分に含められる。ある実施形態によると、クライアント局25−1がサウンディングフレーム170を受信して、サウンディングフレーム170に含まれている対応付けられているユーザインデックス値を受信して記録したことに応じて、クライアント局25−1のPHY部29は、第1のタイムスロットにおいてAP14に対して送信するべくフィードバックフレーム172を生成する。同様に、クライアント局25−2がサウンディングフレーム170を受信して、サウンディングフレームに含まれている対応付けられているユーザインデックス値を受信して記録したことに応じて、クライアント局25−2のPHY部29は、第2のタイムスロットにおいてAP14に対して送信するべくフィードバックフレーム174を生成する。他のクライアント局25についても同様である。フィードバックフレーム172および174はそれぞれ、対応するクライアント局25が対応付けられているユーザインデックス値を受信して記録した旨を示す適切な確認応答を含む。したがって、AP14は、フィードバックフレーム172および174を受信すると、クライアントステーション25−1およびクライアントステーション25−2のそれぞれが割り当てられたユーザインデックス値を正しく記録したことを確認する。AP14はさらに、上述したように、フィードバックフレーム172および174を利用して空間マッピングQマトリクスを決定する。
【0064】
他の実施形態では、グループ識別子および対応付けられている一意的なインデックス値を各クライアント局25に割り当てるべく、サウンディングフレームの他の適切な実施方法、サウンディングフレーム以外の管理フレーム等を利用する。例えば、ある実施形態によると、グループ定義フィールド160は、サウンディングフレーム以外の管理フレームで送信される。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、AP14は、サウンディングフレーム以外の管理フレームを利用して、「スタンドアロン」なMACまたはAIDのやり取り、例えば、クライアント局25のMACアドレスまたはAIDと、グループIDおよびユーザインデックス値との対応付けを、チャネル測定フィードバックを要求することなく実行する。一実施形態によると、MAC部18は、サウンディングフレーム以外の管理フレームおよび/または当該管理フレームに含まれている情報の少なくとも一部分を生成する。別の実施形態によると、PHY部20は、サウンディングフレーム以外の管理フレームを生成する。例えば、ある実施形態によると、管理フレームのペイロード部分は、クライアント局25−1のMACアドレスまたはAIDを、グループIDおよび第1のインデックス値、例えば、番号「1」と対応付ける。ある実施形態によると、データ部分はさらに、クライアント局25−2のMACアドレスまたはAIDを、同じグループIDおよび第2のインデックス値に対応付けて、クライアント局25−3のMACアドレスまたはAIDを、同じグループIDおよび第3のインデックス値に対応付けて、クライアント局25−4のMACアドレスまたはAIDを、同じグループIDおよび第4のインデックス値に対応付ける。
【0065】
サウンディングフレーム以外の管理フレームを用いるさらに別の実施形態によると、サウンディングフレーム以外の管理フレームは、複数のグループIDおよびグループID毎に対応付けられている一意的なインデックス値を一のクライアント局25に割り当てるユニキャストフレームである。さらに別の実施形態によると、サウンディングフレーム以外の管理フレームは、一のMUグループ全体に送信されるマルチキャストフレームである。マルチキャストフレームは、複数のグループIDおよびグループID毎に対応付けられている一意的なインデックス値を、当該マルチキャストフレームの送信先であるMUグループに含まれる1以上のクライアント局25に割り当てる。
【0066】
ある実施形態によると、クライアント局25に割り当てられる一意的なインデックス値は、AP14がサウンディングフレーム等の管理フレームを送信する度に、リフレッシュされる。別の実施形態によると、クライアント局25に割り当てられる一意的なインデックス値がリフレッシュされる頻度がより低くなる。例えば、他の実施形態によると、一意的なインデックス値は、AP14によるサウンディングフレーム等の管理フレームの送信の2回毎、3回毎等にリフレッシュする。ある実施形態によると、一意的なインデックス値をリフレッシュする頻度は、AP14とクライアント局25との間での信号チャネルの特性の変化の程度および/またはレートに応じて決まる。
【0067】
一のクライアント局25は、特定のMUグループのメンバーであることと、この特定のMUグループ内での自身の一意的なインデックス値とを決定すると、グループIDサブフィールド142−7を受信に応じて、グループIDサブフィールド142−7が、グループIDサブフィールド162またはクライアント局25が所属する任意の他のMUグループのIDに一致するか否かを判断する。例えば、一部の実施形態によると、クライアント局25は、複数のグループ定義フィールド160、または、他の適切な管理フレームあるいは制御フレームを利用して複数のMUグループに割り当てられている。クライアント局25は、グループIDサブフィールド142−7が、グループIDサブフィールド162またはクライアント局25が所属する任意の他のMUグループのグループIDに一致すると判断すると、VHT−SIG1 120全体を処理する。クライアント局25はこのため、自身に対応する空間−時間ストリーム数を決定する。ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7がグループIDサブフィールド162またはクライアント局25が所属する任意の他のMUグループのグループIDに一致しない場合、クライアント局25は、データユニット100の宛先であるMUグループのメンバーではないと判断して、データユニット100の残り部分を破棄する。クライアント局25は、データユニット100の残り部分を破棄することによって、例えば、データユニット100の残り部分の受信および/または復号を行わず、電力を節約する。
【0068】
ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7のビット列の1つは、データユニット100がSUデータユニットである旨を示すために保留しておく。このため、一部の実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7が、先立つMU送信に関連するグループIDサブフィールド162に一致しないがグループID142−7は保留されているビット列に一致する場合、クライアント局25は、データユニット100がSUデータユニットであると判断する。
【0069】
それぞれの一意的なインデックス値に対応する空間ストリーム数を指定して、(STBCサブフィールド142−5と組み合わせて)対応する空間−時間ストリーム数を指定するために、Nssサブフィールド142−9自体が複数のサブフィールドを含む。Nssサブフィールドの複数のサブフィールドはそれぞれ、クライアント局25のうちいずれか1つについての情報を含む。図6は、Nssサブフィールド142−9を示す図であり、ある実施形態によると、Nssサブフィールド142−9は、4個のサブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dから構成される。ある実施形態によると、Nssサブフィールドのサブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dには、Nss1、Nss2、Nss3およびNss4という名称が与えられており、それぞれが対応するクライアントに割り当てられている空間ストリーム数の指標を含む。図3Aの例によると、ある実施形態において、図6に示すように、Nssサブフィールド142−9は、合計で8ビットを持ち、サブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dのそれぞれに2ビットが割り当てられている。各クライアント局25はそれぞれ、Nssサブフィールド142−9全体を受信するが、サブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dのそれぞれのビット数を事前に把握しておき、(上述したように、グループ定義プロセスにおいて、または、グループIDおよび一意的なインデックス値を割り当てる他のプロセスにおいて)、当該クライアント局25に割り当てられている一意的なインデックス値を利用することによって、142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dのうちどのサブフィールドが当該クライアント局25に対応するかを判断する。クライアント局25が干渉緩和処理を実行する実施形態では、クライアント局25はさらに、他のクライアント局25に割り当てられている一意的なインデックス値の情報と共にSTBCサブフィールド142−5を用いて、他のクライアント局25の空間−時間ストリーム数を決定する。
【0070】
ある実施形態によると、Nssサブフィールド142−9のサブフィールド142−9−a、142−9−b、142−9−cおよび142−9−dのそれぞれに2ビットが割り当てられている場合、Nssサブフィールド142−9は、WLAN10のクライアント局25−1、25−2、25−3および25−4のそれぞれに割り当てられている空間ストリームが0個、1個、2個、または、3個のいずれであるかを示す。これに代えて、他の実施形態では、Nssサブフィールド142−9が指定する空間ストリーム数の範囲は他の適切な範囲である。例えば、ある実施形態によると、VHT−SIG2 135は、各クライアント局25についてビット列を用いて各クライアント局25の変調符号化方式(MCS)を示す。尚、このようなビット列の1つでは、対応するクライアント局25にデータが送信されていない旨を示す。この場合、ある実施形態によると、Nssサブフィールド142−9の各サブフィールドの2ビットは、クライアント局25−1、25−2、25−3および25−4のそれぞれに割り当てられている空間ストリーム数が1個、2個、3個または4個のいずれであるかを示す。VHT−SIG1 120の一部の他の実施例では、Nssサブフィールド142−9に割り当てるビット数を変更する。また、一部の実施形態によると、Nssサブフィールド142−9で空間ストリーム数を指定するクライアント局25は、5以上または3以下とする。Nssサブフィールド142−9がいずれかのクライアント局25に割り当てられている空間−時間ストリームがゼロであることを示す場合、対応するクライアント局25は、上述したように、データユニット100の残り部分を破棄して、電力を節約する。
【0071】
図3Bに示すVHT−SIG2 135に対するビット割り当ての例は、図3Aに示すビット割り当ての例と組み合わせて実現されるか、および/または、VHT−SIG1 120に対する任意の他の適切なビット割り当てと組み合わせて実現する。VHT−SIG2 135は、複数のサブフィールド152を含む。ある実施形態によると、複数のサブフィールド152は、MCSサブフィールド152−1、コーディング種類サブフィールド152−2、保留サブフィールド152−3(例えば、将来開発される機能を実現するためのサブフィールド)、CRCサブフィールド152−4、および、テイルビットを含むサブフィールド152−5を含む。MCSサブフィールド152−1は、各クライアント局25に対応する空間−時間ストリームを生成および送信する際にAP14が利用する変調符号化方式(MCS)を特定する。AP14は、複数の異なる空間チャネルを介してVHT−SIG2 135を送信することによって、且つ、任意でビームステアリングを利用することによって、MCSサブフィールド152−1およびその他のサブフィールド152を利用して各クライアント局25についてのユーザ固有情報を送信する。
【0072】
したがって、データユニット100によって、各クライアント局25についてのMCSの指標をVHT−SIG2 135に含めることが出来る一方、STBCサブフィールド142−5およびNssサブフィールド142−9を利用してVHT−SIG1 120で各クライアント局25についての空間−時間ストリーム数の全ての指標を供給するという利点がある。各クライアント局25は、VHT−LTF130を受信する前に、STBCサブフィールド142−5およびNssサブフィールド142−9を処理する。このため、ある実施形態によると、各クライアント局25は、バッファリングすることなく、受信したVHT−LTF130のうち、クライアント局25が自身の空間−時間ストリームについて等化器を決定する必要があるもののみを処理できる。他の実施形態によると、クライアント局25は、例えば、干渉軽減処理のために、他の局に対応するVHT−LTF130を処理する。
【0073】
クライアント局25はそれぞれ、AP14が割り当てた一意的なインデックス値に基づいて、処理すべき空間−時間ストリームはどれか、および、処理すべきVHT−LTF130はどれかを判断する。ある実施形態によると、クライアント局25は、処理すべき空間−時間ストリームはどれか、および、処理すべきVHT−LTF130はどれかを判断するために、一意的なインデックス値と組み合わせて空間マッピングQマトリクスの情報を利用する。
【0074】
別の実施形態によると、Nssサブフィールド142−9は、ルックアップテーブル(LUT)に含まれるエントリを特定するインデックス値を特定している。LUTは、複数のエントリを含み、各エントリは、1以上のクライアント局25についての空間ストリーム数を指定している。このため、LUTでは、さまざまなクライアント局25に割り当てられている空間ストリーム数の適切な組み合わせを特定している。ある実施形態によると、図3Aに示す例では、Nssサブフィールド142−9は、8ビットを持つので、LUTに含まれる256個のエントリに対応するさまざまな256個のインデックス値のうちいずれかを特定する。言うまでも無く、他の実施形態では他の適切な指標を利用して、空間−時間ストリーム数を示す。
【0075】
図7Aおよび図7Bは、ある実施形態に係るVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135に対するビット割り当ての一例を示す図である。図7Aおよび図7Bに示すビット割り当ては、VHT−SIG1 120からSTBCサブフィールド142−5が削除されて、VHT−SIG2 135にSTBCサブフィールド152−6が含められた点を除き、図3Aおよび図3Bに示すビット割り当てと同様である。また、Nssサブフィールド142−9に代えて、Nstsサブフィールド142−12が設けられている。Nstsサブフィールド142−12は、各クライアント局25の空間−時間ストリーム数を示す。別の実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12は、さまざまな空間−時間ストリームの組み合わせを含むLUTに対するインデックスを指定している。図7Aに示す実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12は、9ビットを持つ。
【0076】
Nstsサブフィールド142−12を用いて空間−時間ストリーム数を指定することによって、特定のクライアント局25について空間−時間ストリーム数を決定する際にSTBCサブフィールド142−5は必要なくなる。PHY部20は複数の異なるクライアント局25に対して同時に送信する複数の異なるVHT−SIG2 135データを生成する。また、VHT−SIG2 135はSTBCサブフィールド152−6を含むので、VHT−SIG2 135によってユーザ毎にSTBC設定を制御することが可能になる。このため、ある実施形態によると、STBCは、クライアント局25の一部に対応する空間ストリームについて利用されるが、他のクライアント局25に対応する空間ストリームについては利用されない。
【0077】
ある実施形態によると、各クライアント局25は、当該クライアント局25に対応する空間ストリーム数ではなく空間−時間ストリーム数に基づいて空間−時間ストリームについての等化器を決定する。ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12が、例えば、2つの空間−時間ストリームがクライアント局25に対応している旨を示す場合、STBCが利用されておらず空間ストリーム数が2であろうが、STBCが利用されており空間ストリーム数が1であろうが関係なく、決定される等化器は同じである。ある実施形態によると、後続のSTBCサブフィールド152−6がSTBCが利用されている旨を示す場合、クライアント局25は、例えば、複数のOFDMシンボルを複数の対にまとめて(例えば、各空間−時間ストリームから1つのOFDMシンボルを選択)、等化の少なくとも一部分の実行後にSTBC復号を実行する。
【0078】
一部の実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12を利用することによって、VHT−SIG1 120が持つビットうち空間−時間ストリーム数の指定以外の目的に利用可能なビットを増やすことができる。例えば、ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12は、8ビット以下で実現される。このような実施形態では、VHT−SIG1 120からSTBCサブフィールド142−5を省略することによって、例えば、図3Aに示すビット割り当てと比較して、クライアント局25について空間−時間ストリーム数を示すために用いられるVHT−SIG1 120の合計ビット数が少なくなる。他の実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12または同様のサブフィールドは、STBCサブフィールド142−5または同様のサブフィールドと共に、VHT−SIG1 120に含まれている。データユニット100の他の実施形態、および、後述する実施形態等の他のデータユニットの適切な代替例でも、Nstsサブフィールド142−12を含む。
【0079】
図8は、別の実施形態に係る、例えば、L−SIG115がデータユニット100のうちレガシー部分の後の期間Tを示す場合に用いられるVHT−SIG1 120に対するビット割り当てのさらに別の例を示す図である。ある実施形態によると、L−SIG115のレートサブフィールドは、6Mbpsに設定されており、長さサブフィールドは、レートサブフィールドおよび長さサブフィールドで期間Tを示すように設定されている。ある実施形態によると、VHT−SIG1 120はこのため、期間サブフィールド142−1無しで実現されるので、VHT−SIG1 120の12ビットを他の目的で利用することができるようになる。例えば、図8に示すように、STBCサブフィールド142−5は、それぞれSTBC1、STBC2、STBC3およびSTBC4と図示する複数のサブフィールド142−5−a、142−5−b、142−5−cおよび142−5−dとして実現される。ある実施形態によると、STBCサブフィールド142−5のサブフィールド142−5−a、142−5−b、142−5−cおよび142−5−dはそれぞれ、クライアント局25−1、25−2、25−3および25−4のうちいずれか1つに対応する。ある実施形態によると、STBCサブフィールド142−5のサブフィールド142−5−a、142−5−b、142−5−cおよび142−5−dはそれぞれ、1ビットを持ち、当該ビットは、対応するクライアント局25の空間−時間ストリームが、例えば、アラマチ符号を用いて符号化されているか否か、または、対応するクライアント局25に対する空間ストリームにはSTBCが利用されていないか否かを示す。このため、図8に示すビット割り当ての例は、VHT−SIG1 120においてユーザ固有のSTBC設定を示すために用いられるので、STBC設定を全てのクライアント局25について同じにする必要はない。ある実施形態によると、図8に示す例での余剰ビットは、前述した実施形態のVHT−SIG1 120と比較すると、MU保留サブフィールド142−10に含められる。当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することで、余剰ビットの適切な用途について追加例および/または代替例に想到するであろう。
【0080】
他のさまざまな実施形態によると、AP14はさらに、シングルユーザ(SU)モードでも動作する。SUモードでは、AP14はダウンリンクシングルユーザ無線通信をサポートする。一部の実施形態によると、データユニット100は、SUモードでもクライアント局25に情報を送信するために用いられる。SUモードでは、VHT−SIG1 120は、MUモードのさまざまな実施形態に関連付けて上述したサブフィールド142のうち一部のサブフィールドを削除して実現する。一部の実施形態によると、VHT−SIG2 135は、SUモードではサブフィールド152のうち一部を削除して実行するか、または、全て削除する。
【0081】
図9Aおよび図9Bは、SUモードの場合のVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135に対するビット割り当ての一例を示す図である。ある実施形態によると、図9Aに示すように、VHT−SIG1 120は、期間サブフィールド142−1、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、MU/SUサブフィールド142−6、MCSサブフィールド152−1、STBCサブフィールド142−13、コーディング種類サブフィールド152−2、非サウンディングサブフィールド142−14、AIDサブフィールド142−15、および、追加サブフィールド142−11(CRCサブフィールド、および、テイルビットを含むサブフィールド等)を含む。ある実施形態によると、AP14は、データユニット100がSUモードで送信されている旨を、MU/SUサブフィールド142−6のビットを論理値「0」に設定することによって示す。
【0082】
別の実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6が削除され、VHT−SIG1 120は、MUモードおよびSUモードのいずれでもグループIDサブフィールド142−7を含む。このため、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、保留ビット列に設定されると、データユニット100がSUデータユニットである旨を示す。
【0083】
ある実施形態によると、SUモードの場合、VHT−SIG1 120は、グループIDサブフィールド142−7、分解可能LTFサブフィールド142−8、および、Nssサブフィールド142−9を削除して実現する。つまり、データユニット100は、SU通信をサポートする場合にはMUグループを特定しないので、VHT−SIG1 120において、MCSサブフィールド152−1を用いて一のクライアント局25に対する空間−時間ストリーム数を示すのに十分なビットが自由になる。このため、Nssサブフィールド142−9が不要となる。
【0084】
具体的には、ある実施形態によると、MCSサブフィールド152−1は、SU通信に関連するクライアント局25についての空間ストリーム数を指定するように実現される。この指定情報をSTBCサブフィールド142−13が示すSTBC設定と共に利用することによって、AP14からクライアント25に送信される空間−時間ストリーム数の全情報が得られる。SUモードでもこの情報をVHT−SIG1 120で提供することによって、1以上の実施形態によれば、クライアント局25は、VHT−LTF130の受信と略同時にAP14とクライアント局25との間の信号チャネルの推定を開始することができる。一部の実施形態によると、クライアント局25は、グループIDサブフィールド142−7に基づき、または、任意のその他の適切なデータユニット100の構造の実施形態、例えば、MU/SUサブフィールド142−6等に基づき、AP14がSUモードで通信していると判断する。クライアント局25は、VHT−LTF130の全てまたは一部を用いて信号チャネル推定を実行する。ある実施形態によると、例えば、VHT−LTF130の一部が繰り返しになっているとしてよい。このため、クライアント局25は、VHT−LTF130の一部のみを用いて信号チャネル推定を実行するとしてよい。
【0085】
さらに別の実施形態によると、Nssサブフィールド142−9は削除されないので、VHT−SIG1 120が空間ストリーム数、MCSおよびSTBC設定の指標をそれぞれ別のサブフィールドに含む。例えば、AIDサブフィールド142−15、または、任意のその他の適切なサブフィールドの1以上のビットは、図9Aに示すビット割り当て例から削除して、Nssサブフィールド142−9に十分なビット数を割り当てる。さらに別の実施形態によると、本明細書で説明している他のさまざまなビット割り当て例と同様に、Nssサブフィールド142−9に代えてNstsサブフィールド142−12を設ける。
【0086】
AP14は、STBCサブフィールド142−13を利用するので、SUモードではSTBCを実施するに当たって選択肢が多くなるとしてよい。例えば、図9Aにおいて、VHT−SIG1 120は、他の実施形態では未使用となっていたビットを利用するので十分なビットを持つ。つまり、STBCサブフィールド142−13は、STBCサブフィールド142−5の1ビットに代えて、2ビットを含む。ある実施形態によると、2ビットで特定できるSTBC設定は最高で4通りとなるので、AP14は、STBCの利用は全く無し、アラモチ符号、および、2つの高次符号の中から選択することが可能となる。
【0087】
ある実施形態によると、VHT−SIG1 120はさらに、他の実施形態では未使用のビットを含み十分なビットを持つ。これらのビットでは、MUモードではVHT−SIG1 120またはVHT−SIG2 135のいずれにも含まれていないPHY情報を含む。例えば、図9Aのビット割り当てでは、非サウンディングサブフィールド142−14に1ビットを用いて、AIDサブフィールド142−15に3ビットを用いる。例えば、非サウンディングサブフィールド142−14は、データユニット100がサウンディングパケットであるか否かを示す。一部の実施形態によると、AIDサブフィールド142−15は、データユニット100の送信先であるクライアント局のMAC IDまたはAIDの下位3ビットを含む。したがって、クライアント局25のPHY部29は、AIDサブフィールド142−15がクライアント局25のAIDの下位3ビットに一致しない場合、PHY部29が決定すると、データユニット100の期間にわたって受信および復号を停止する。このような構成とすることによって、クライアント局25のPHY部29は、データユニット100の受信から早い段階で、このSU送信は当該クライアント局25を宛先としたものではないと判断し、例えば、受信および復号を停止することによって電力を節約する。
【0088】
VHT−SIG2 135は、保留サブフィールド152−3、CRCサブフィールド152−4、および、テイルビットを含むサブフィールド152−5を含む。これに代えて、ある実施形態では、保留サブフィールド152−3が任意の追加機能を実現する必要が無い場合には、単にVHT−SIG2 135をデータユニット100から削除する。
【0089】
図10Aから図10Cは、さらに別の実施形態に応じたMUモードで利用されるVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135に対するビット割り当ての例を示す図である。図10Aに示すように、VHT−SIG1 120は、帯域幅サブフィールド142−2、保留サブフィールド142−16、STBCサブフィールド142−5、グループIDサブフィールド142−7、Nstsサブフィールド142−12、別の保留サブフィールド142−17、SGIサブフィールド142−3、コーディングサブフィールド152−2、さらに別の保留サブフィールド142−18、および、追加サブフィールド142−11を含む。VHT−SIG1 120は、例えば、期間サブフィールド142−1を含まない。ある実施形態によると、データユニット100のうちレガシー部分の後の期間Tは、図8に関連付けて説明したように、L−SIG115に含まれるレートサブフィールドおよび長さサブフィールドによって指定される。
【0090】
帯域幅サブフィールド142−2は、2ビットを持ち、データユニット100の帯域幅として可能な4つのうち1つを指定する。ある実施形態によると、例えば、帯域幅サブフィールド142−2は、データユニット100の帯域幅が20MHz、40MHz、80MHz、または、160MHz(一続きであるか、または、2つの80MHz帯域)であることを示す。ある実施形態によると、保留サブフィールド142−16は、論理値「1」に設定されている1ビットを持つ。保留サブフィールド142−16は、例えば、帯域幅142−2を拡張できるように保留されている。ある実施形態によると、STBCサブフィールド142−5は、上述したように、STBCを用いてデータユニット100を符号化したか否かを示す1ビットを含む。ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、6ビットで実現されており、以下でさらに説明するが、データユニット100が、例えば、SUデータユニットであることを示すために用いられる。
【0091】
ある実施形態によると、保留サブフィールド142−17は2ビット、保留サブフィールド142−18は6ビットを持ち、これらは全て、論理値「1」に設定される。ある実施形態によると、SGIサブフィールド142−3は、2ビットを持ち、このうち1ビットは、データユニット100のガードインターバルがロングガードインターバルまたはショートガードインターバルのいずれであるかを示すために用いられ、一方の1ビットは、ショートGIパケットの長さの不明さを軽減するために用いられる。ある実施形態によると、コーディングサブフィールド152−2は、2ビットを持ち、このうち少なくとも1ビットは、データユニット100について用いられているコーディング種類、例えば、バイナリ畳み込み符号(BCC)または低密度パリティ検査(LDPC)符号を指定するために用いられる。
【0092】
ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12は、12ビットで実現され、図10Cに示すように、最高で4つのクライアント局25についての最高で4つの空間−時間ストリーム数の指標を示すべくサブフィールド142−12−a、142−12−b、142−12−cおよび142−12−dを含む。Nstsサブフィールド142−12のサブフィールド142−12−a、142−12−b、142−12−cおよび142−12−dはそれぞれ、例えば、3ビットを含む。ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12のサブフィールド142−12−a、142−12−b、142−12−cおよび142−12−dのそれぞれの3ビットが表現する5個の可能な組み合わせを用いて、対応するクライアント局25の空間−時間ストリーム数が0、1、2、3または4である旨を示す。言うまでもなく、他の実施形態ではNstsサブフィールド142−12のサブフィールド142−12−a、142−12−b、142−12−cおよび142−12−dで利用可能な組み合わせの数を変更して、例えば、6つ、7つ、8つ、4つの組み合わせを利用する。
【0093】
図10Bに示すように、VHT−SIG2 135は、長さサブフィールド152−7、MCSサブフィールド152−1、および、テイルビットを含むサブフィールド152−5を含む。ある実施形態によると、長さサブフィールド152−7は、物理層サービスデータユニット(PSDU)で利用可能なデータの長さを4オクテットを1単位として特定する。
【0094】
図11Aおよび図11Bは、さらに別の実施形態に係る、SUモードで利用するVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135のビット割り当て例を示す図である。図11Aに示すように、VHT−SIG1 120は、帯域幅サブフィールド142−2、保留サブフィールド142−16、STBCサブフィールド142−5、グループIDサブフィールド142−7、Nstsサブフィールド142−12、AIDサブフィールド142−15、保留サブフィールド142−17、SGIサブフィールド142−3、コーディングサブフィールド152−2、MCSサブフィールド152−1、ビームフォーミングサブフィールド142−19、保留サブフィールド142−18、および、追加サブフィールド142−11を含む。図11Bに示すように、VHT−SIG2 135は、長さサブフィールド152−7、保留サブフィールド152−3、および、テイルビットを含むサブフィールド152−5を含む。
【0095】
このように、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135のビット割り当ては、図10Aおよび図10Bに示すMUモードでのビット割り当てと同様である。幾つかある相違点のうち特に有益なものは、特にVHT−SIG1 120で、利用可能なビット数が増えたことを活かして得られたものである。
【0096】
例えば、ある実施形態によると、VHT−SIG1 120のNstsサブフィールド142−12が含むビットは、図10Aの例では12ビットが割り当てられていたのに比べ、3ビットのみである。図11AにおいてNstsサブフィールド142−12のサイズを小さくすることによって自由になった9ビットは、AIDサブフィールド142−15に割り当てられる。一部の実施形態によると、図9Aを参照しつつ説明したように、AIDサブフィールド142−15は、SUモードでデータユニット100の送信先であるクライアント局のMAC IDまたはAIDのビットを含む。例えば、図11Aのビット割り当てでは、AIDサブフィールド142−15は、データユニット100の送信先であるクライアント局のAIDの下位9ビットを含む。このため、ある実施形態によると、クライアント局25のPHY部29は、AIDサブフィールド142−15が当該クライアント局25のAIDの下位9ビットと一致しないとPHY部29が判断すると(つまり、データユニット100が当該クライアント局25宛てのものではないとPHY部29が判断すると)、データユニット100の期間にわたって受信および復号を停止させることによって電力を節約する。
【0097】
ある実施形態によると、Nstsサブフィールド142−12の3ビットは、データユニット100を受信するクライアント局、例えば、クライアント局25についての空間−時間ストリーム数として可能な8つの選択肢のうち1つを示すために用いられる。例えば、Nstsサブフィールド142−12の3ビットは、クライアント局25にデータを送信する際に利用する空間−時間ストリーム数が1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つまたは8つのうちいずれであるかを示す。
【0098】
上述したように、図10Aから図10Cを参照しつつ説明したようなMUモード送信とは異なり、図11Aの例ではVHT−SIG1 120はさらに、MCSサブフィールド152−1を含む。また、ある実施形態によると、SUモードでは、ビームフォーミングサブフィールド142−19が、データユニット100にビームフォーミングステアリングマトリクスが適用されているか否かを示す1ビットを持つ。
【0099】
ある実施形態によると、VHT−SIG1 120は、MUモードおよびSUモードの両方においてグループIDサブフィールド142−7を含み、グループIDサブフィールド142−7は、例えば、グループIDサブフィールド142−7の各ビットがすべて論理値「1」に設定されるビット列等の保留ビット列に設定されると、データユニット100がSUデータユニットである旨を示す。ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7はさらに、データユニット100がブロードキャストフレームである場合、且つ、データユニット100がMUデータユニットであるがクライアント局25のうち1以上はMUグループに割り当てられていない場合、当該保留ビット列に設定される。
【0100】
さらに上述したように、VHT−SIG2 135は、図11Bに示す例では保留サブフィールド152−3を含む。具体的には、少なくとも一部のSUモードの実施形態では、MCSサブフィールド152−1がVHT−SIG2 135ではなくVHT−SIG1 120に含まれているので、保留サブフィールド152−3にビットが割り当てられている。
【0101】
図12は、別の実施形態に係る、直交周波数分割多重(OFDM)変調を利用してAP14がクライアント局25に送信するデータユニット200を示す図である。ある実施形態によると、クライアント局25のうち1以上もまた、データユニット200の形式に応じてフォーマッティングされたデータユニットをAP14に送信する。ある実施形態によると、データユニット200は、VHTプロトコルに準拠しており、80MHz帯域を占有する。他の実施形態によると、データユニット200は、データユニット100を参照しつつ説明したように、占有する帯域幅が異なる。データユニット200はデータユニット100と同様であるが、データユニット200のプリアンブルは、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135の両方を含む代わりに、4つの超高スループット信号フィールド(VHT−SIG)202を含む。
【0102】
データユニット200では、上述したVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135の両方の内容を、以下に説明するようにVHT−SIG202に含める。少なくとも一部の例では、VHT−SIG202はまとめて、一の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG)202と呼ぶ。ある実施形態によると、VHT−SIG202は、3つのOFDMシンボルを含む。ある実施形態によると、VHT−SIG202を一のまとまった超高スループット信号フィールドとして提供することによって、上述したようにVHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135を別々にする場合に比べて、使用するビット数が少なくなるので、他のPHY情報を伝達するために利用可能なビット数が多くなる。具体的には、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135は共に、終端に、例えば、VHT−SIG1 120の追加サブフィールド142−11のうち1以上に、ならびに、VHT−SIG2 135のCRCサブフィールド152−4およびテイルビットを含むサブフィールド152−5の一方または両方に保護ビット群を必要とする。一のVHT−SIG202であれば、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135のそれぞれと同様に保護ビット群は1つであるので、VHT−SIG2 135内の保護ビットとして利用され得る他のビットが利用可能になる。
【0103】
図13Aおよび図13Bは、ある実施形態に係る、VHT−SIG202のビット割り当ての一例を示す図である。図13Aに示すように、MUモードの場合、VHT−SIG202は、期間サブフィールド142−1、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、MU/SUサブフィールド142−6、複数のMUサブフィールド204、および、CRCサブフィールドおよびテイルビットを含むサブフィールド等の追加サブフィールド142−11を含む。図13Bに示すように、複数のMUサブフィールド204は、グループIDサブフィールド142−7、分解可能LTFサブフィールド142−8、複数のMU−MCSサブフィールド204−1、STBCサブフィールド204−2、コーディング種類サブフィールド204−3、および、MU保留サブフィールド142−10を含む。
【0104】
複数のMU−MCSサブフィールド204−1は、MU−MCS1、MU−MCS2、MU−MCS3およびMU−MCS4と呼ばれるサブフィールド204−1−a、204−1−b、204−1−cおよび204−1−dを含む。ある実施形態によると、MU−MCSサブフィールド204−1のサブフィールド204−1−a、204−1−b、204−1−cおよび204−1−dはそれぞれ、クライアント局25−1、25−2、25−3および25−4のいずれか1つに対応している。ある実施形態によると、MU−MCSサブフィールド204−1のサブフィールド204−1−a、204−1−b、204−1−cおよび204−1−dはそれぞれ、5ビットを持ち、対応するクライアント局25に対して用いられている変調符号化方式を示す。ある実施形態によると、5ビットが表現する32通りのビット列のうち1つのビット列は、対応するクライアント局25にデータが送信されていない旨を示すために用いられる。このため、ある実施形態によると、31通りの異なるMCSのうち任意のものを各クライアント局25について利用する。別の実施形態によると、利用可能なMCSは31通りも存在せず、各MU−MCSサブフィールド204−1に割り当てられるビット数を減らす。
【0105】
ある実施形態によると、MU−MCSサブフィールド204−1は、対応するクライアント局25についての変調符号化方式の指標と共に、それぞれが対応するクライアント局25の空間ストリーム数を示すように実現する。STBCサブフィールド204−2は、VHT−SIG202においてユーザ固有のSTBC設定の指標を供給する。例えば、STBCサブフィールド204−2は、4ビットを含み、各ビットを用いて、対応する一のクライアント局25に対応する空間ストリームについてSTBCが用いられているか否かを示す。したがって、ある実施形態によると、VHT−SIG202で利用可能な追加ビットによって、MCSおよびSTBC設定の両方をユーザ毎に制御することができるようになる。ある実施形態によると、コーディング種類サブフィールド204−3は、STBCサブフィールド204−2と同様に構成されており、コーディング種類をユーザ毎に制御することを可能とする。
【0106】
上述したさまざまな実施形態と同様に、複数のMU−MCSサブフィールド204−1、および、STBCサブフィールド204−2内のビットは、AP14によってクライアント局25に割り当てられる一意的なインデックス値に応じて順序を決定する。このため、複数のMU−MCSサブフィールド204−1をSTBCサブフィールド204−2と共に用いて、AP14から各クライアント局25に送信される空間−時間ストリーム数の全情報を提供する。
【0107】
図14Aおよび図14Bは、ある実施形態に係る、SUモードの場合のVHT−SIG202のビット割り当ての一例を示す図である。図14Aに示すように、ある実施形態によると、VHT−SIG202は、期間サブフィールド142−1、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、MU/SUサブフィールド142−6、複数のSUサブフィールド206、および、CRCサブフィールドおよびテイルビットを含むサブフィールド等の追加サブフィールド142−11を含む。図14Bに示すように、複数のSUサブフィールド206は、MCSサブフィールド152−1、STBCサブフィールド142−13、コーディング種類サブフィールド152−2、非サウンディングサブフィールド142−14、AIDサブフィールド142−15およびSU保留サブフィールド206−1を含む。
【0108】
ある実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6は、MUモードおよびSUモードのいずれにおいても削除されており、VHT−SIG202は、MUモードおよびSUモードのいずれにおいてもグループIDサブフィールド142−7を含む。このため、ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、保留ビット列に設定されると、データユニット200がSUデータユニットである旨を示す。
【0109】
MCSサブフィールド152−1、STBCサブフィールド142−13、コーディング種類サブフィールド152−2、非サウンディングサブフィールド142−14、および、AIDサブフィールド142−15は、例えば、図9Aを参照しつつ上述したのと同様に実現される。SU保留サブフィールド206−1は、今後開発されるSU機能を実現するために割り当てられたビットを含む。ある実施形態によると、AIDサブフィールド142−15は、クライアント局間の区別を改善するべく4ビット以上を含むことによって、一のクライアント局25のPHY部29による、AIDサブフィールド142−15が当該クライアント局25に(例えば、当該クライアント局25のAIDに)対応していないという判断の信頼性を高め、これに応じて、データユニット200の期間にわたってシャットダウンする。SU保留サブフィールド206−1が含むビット数は、AIDサブフィールド142−15が含むビット数が4以上の場合には、24未満になるとしてよい。
【0110】
少なくとも一部の実施形態および/または状況において、データユニット200、特に、統一された一のVHT−SIG202を利用することによって1以上の利点が得られる。上述したように、少なくとも一部の実施形態ではビット数を節約することができるので、MUモードの場合にはより多くのユーザ固有情報等の情報をVHT−SIG202で伝達することができるようになる。場合によっては、ビットが節約されることによって、例えば、Nssサブフィールド142−9またはNstsサブフィールド142−12に関連付けられているLUTを実現する必要が無くなることがある。この結果、一部の実施形態では、LUT検索に起因する処理遅延および複雑性が軽減される。一部の実施形態によると、データユニットが有する信号フィールドを複数(例えば、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135)ではなく、1つとすることによって、データユニットの変調および復号が簡略化されるので、各クライアント局25のPHY部29の構成もまた簡略化される。また、一部の実施形態によると、VHT−SIG202によって、SUモードおよびMUモードのどちらの場合でも一のプリアンブル構造を利用することができる一方、上述した一部の実施形態では、MUモードの場合にはVHT−SIG2 135を利用するが、SUモードの場合には削除する。ある実施形態によると、MUモードの場合、VHT−SIG202によって、各クライアント局25は、より高度な干渉軽減(または、「白色化」)処理を実行できるようになる。これは、各クライアント局25が全方向性のVHT−SIG202を介して超高スループット信号フィールド情報を全て受信しているために、各クライアント局25の干渉のコンステレーションに関する情報が多くなっているためである。一方、一部の実施形態によると、VHT−SIG2 135は、上述したようにクライアント局25毎にビームステアリングされている。この結果、一部の実施形態によると、VHT−SIG1 120およびVHT−SIG2 135を組み合わせた場合よりも、VHT−SIG202の復号結果の信頼性が高くなる。一部の実施形態によると、VHT−SIG202によってさらに、MUモードおよびSUモードのいずれの場合においても保留ビットを増やすことができるので、まだ開発されていないが実現が期待されている高度な機能を取り込みやすくなる。
【0111】
図15は、別の実施形態に係る、直交周波数分割多重(OFDM)変調を利用してAP14がクライアント局25に送信するさらに別のデータユニット300を示す図である。クライアント局25のうち1以上もまた、データユニット300の形式に応じてフォーマッティングされたデータユニットをAP14に送信する。ある実施形態によると、データユニット300は、VHTプロトコルに準拠しており、80MHz帯域を占有する。他の実施形態によると、データユニット300は、データユニット100を参照しつつ説明したように、占有する帯域幅が異なる。データユニット300はデータユニット200と同様であるが、データユニット300のプリアンブルは、VHT−SIG202の代わりに、4つの超高スループット信号フィールド(VHT−SIG)302を含む。少なくとも一部の例では、VHT−SIG302はまとめて、一の超高スループット信号フィールド(VHT−SIG)302と呼ぶ。VHT−SIG302の形式は、以下で説明するように、VHT−SIG202の形式とは異なる。
【0112】
ある実施形態によると、VHT−SIG302は、図12のVHT−SIG202が3つのOFDMシンボルを含むことに比べ、含むOFDMシンボルは2つのみである。L−SIG115を用いて、L−SIG115のレートサブフィールドおよび長さサブフィールドを適切に設定することによって、データユニット300のうちレガシー部分の後の期間Tを示す。これは、図8を参照しつつ上述したのと同様の方法である。この結果、期間サブフィールド142−1の12ビットはVHT−SIG302には含められず、VHT−SIG302の送信について利用されるOFDMシンボルが2つのみとなるように、VHT−SIG302の残りのサブフィールドにビットが割り当てられる。
【0113】
図16は、MUモードの場合のVHT−SIG302に対するビット割り当ての例を示す図である。VHT−SIG302は、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、STBCサブフィールド142−5、非サウンディングサブフィールド142−14、コーディング種類サブフィールド152−2、グループIDサブフィールド142−7、複数のMU−MCSサブフィールド204−1、MU保留サブフィールド142−10、および、複数の追加サブフィールド142−11を含む。
【0114】
ある実施形態によると、図13Aおよび図13Bに示すビット割り当ての例と同様に、複数のMU−MCSサブフィールド204−1はそれぞれが、対応するクライアント局25についての変調符号化方式の指標と共に、対応するクライアント局25の空間ストリーム数を示すように実現されている。ある実施形態によると、STBCサブフィールド142−5は、全てのクライアント局25に共通のSTBC設定を示す。このため、MU−MCSサブフィールド204−1は、STBCサブフィールド142−5と共に利用されることによって、プリアンブルの超高スループット信号コンテンツを全て送信するために利用するOFDMシンボルを2つのみとしつつも、AP14から各クライアント局25に送信される空間−時間ストリーム数の全情報を提供する。
【0115】
図17は、SUモードの場合のVHT−SIG302に対するビット割り当ての例を示す図である。VHT−SIG302は、帯域幅サブフィールド142−2、SGIサブフィールド142−3、平滑化サブフィールド142−4、STBCサブフィールド142−5、非サウンディングサブフィールド142−14、コーディング種類サブフィールド152−2、グループIDサブフィールド142−7、SU−MCSサブフィールド304−1、AIDサブフィールド142−15、SU保留サブフィールド206−1、および、追加サブフィールド142−11を含む。
【0116】
したがって、データユニット300のプリアンブルの形式は、SUモードおよびMUモードで略同じであり、クライアント局25のPHY部29の構成を大幅に簡略化することができる。例えば、グループIDサブフィールド142−7は、SUモードおよびMUモードのいずれの場合でも含まれる。ある実施形態によると、グループIDサブフィールド142−7は、特定の保留ビット列、例えば、各ビットが全て論理値「0」に設定されたビット列に設定されると、SUモードを指定し、MUモードは、グループIDサブフィールド142−7が保留ビット列とは異なることによって、例えば、グループIDサブフィールド142−7の1以上のビットが論理値「1」に設定されることによって、指定される。別の実施形態によると、MU/SUサブフィールド142−6は、MUモードおよびSUモードのいずれの場合も含まれており、グループIDサブフィールド142−7は、SUモードの場合には削除される。
【0117】
ある実施形態によると、SU−MCSサブフィールド304−1は、SUモードにおけるデータユニット300の送信先であるクライアント局について、変調符号化方式の指標と共に空間ストリーム数を示すように構成されている。SU−MCSサブフィールド304−1は、STBCサブフィールド142−5と共に用いることで、AP14から送信先のクライアント局に送信される空間−時間ストリーム数を指定する。
【0118】
図9Aおよび図9Bを参照しつつ説明したように、ある実施形態によると、クライアント局25がSU送信の対象であるクライアント局でないとPHY部29が判断すると、AIDサブフィールド142−15によって、クライアント局25のPHY部29を早期にシャットダウンすることが可能となる。
【0119】
データユニット100、200および300のそれぞれに関連付けて説明したプリアンブルと同一または同様のプリアンブルは、アップリンク(UL)MIMO送信にも利用可能である。データユニット100を用いてMUモードで動作する場合、AP14は、アップリンク開始指標(USI)フレームをクライアント局25に送信する。USIフレームは、各クライアント局25がビームステアリング対象の超高スループット信号フィールド(例えば、VHT−SIG2 135)に含めるMCS、STBC設定、コーディング種類等のユーザ固有情報を除き、各クライアント局25に対するPHY情報を全て指定する。ある実施形態によると、クライアント局25は、VHT−SIG2 135または同様のビームステアリング対象の信号フィールドには含まれないUL−MIMO送信では、PHY情報を制御しない。代わりに、ある実施形態では、全てのクライアント局25に共通の信号フィールド(例えば、VHT−SIG1 120)に含まれている情報は、AP14によって制御される必要がある。これは、AP14が、他のクライアント局25の状況を判断するのにより適切であるためである。例えば、AP14は、全てのクライアント局25にわたる干渉レベル、各クライアント局25によるUL送信の受信信号強度、各クライアント局25の送信電力等を把握しているとしてよい。したがって、超高スループット信号フィールド情報は全て全方向に送信されるデータユニット200および300のようなデータユニットでは、例えば、VHT−SIG202またはVHT−SIG302に含まれる、MCS、STBC設定等の情報をAP14が制御する。
【0120】
図18は、ある実施形態に係る、通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法400の一例を示すフローチャートである。方法400は、説明の便宜上、WLAN10およびデータユニット100、200および300のさまざまな実施形態を参照しつつ説明する。しかし、方法400は、一部の実施形態によると、WLAN10以外のネットワークでも利用されるものであり、および/または、データユニット100、200および300以外のデータユニットのプリアンブルを生成するために利用されるものであると理解されたい。また、ある実施形態によると、PHY部20は、方法400を実行するように構成されている。しかし、他の実施形態では、他の装置が方法400を実行するように構成されているものと理解されたい。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、MAC部18は、方法400の少なくとも一部分を実行するように構成されている。また、一部の実施形態によると、PHY部20が方法400以外の方法を実行するように構成されることも理解されたい。
【0121】
ブロック402において、第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数の指標をプリアンブルの第1のフィールドに含める。第1のストリーム数の指標は、第1の受信機、例えば、クライアント局25−1に対するデータユニットの送信に対応する。一実施形態によると、プリアンブルの第1のフィールドは、VHT−SIG1 120である。別の実施形態によると、第1のフィールドは、VHT−SIG202である。さらに別の実施形態によると、第1のフィールドは、VHT−SIG302である。
【0122】
ブロック404において、プリアンブルの第2のフィールドに1以上のトレーニングシーケンスを含める。第1のストリーム数の指標は、第2のフィールドに含まれた1以上のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群、例えば、第1のVHT−LTF130群は第1の受信機に対応する旨を示す。
【0123】
ブロック406において、プリアンブルの第1のフィールドの送信がプリアンブルの第2のフィールドの送信より先になるように、プリアンブルをフォーマッティングする。したがって、ある実施形態によると、クライアント局25−1は、VHT−LTF130を受信する前に、第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数の指標、つまり、第1のVHT−LTF130群がクライアント局25−1に対応する旨を示す指標を受信する。
【0124】
当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することによって、方法400の適切な変形例に想到するであろう。例えば、一部の実施形態によると、図18に示す1以上の特徴が実行されず、および/または、図18に図示していない1以上の特徴を追加で実行する。別の例を挙げると、図18に示す順序は、方法400を実行する順序を示すものではなく、および/または、各ブロックが他のブロックの開始前に完了している旨を示すものでもない。
【0125】
図19は、ある実施形態に係る、第1の受信機を用いて通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルを受信する方法500の一例を示すフローチャートである。方法500は、説明の便宜上、WLAN10およびデータユニット100、200および300のさまざまな実施形態を参照しつつ説明する。しかし、方法500は、一部の実施形態によると、WLAN10以外のネットワークでも利用されるものであり、および/または、データユニット100、200および300以外のデータユニットのプリアンブルを受信するために利用されるものであると理解されたい。また、ある実施形態によると、PHY部29は、方法500を実行するように構成されている。しかし、他の実施形態では、他の装置が方法500を実行するように構成されているものと理解されたい。また、一部の実施形態によると、PHY部29が方法500以外の方法を実行するように構成されることも理解されたい。
【0126】
ブロック502において、プリアンブルの第1のフィールドを受信する。第1のフィールドは、第1の受信機、例えば、クライアント局25−1に対応するデータユニットの第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数の指標を含む。
【0127】
ブロック504において、プリアンブルの第2のフィールドに含まれている1以上のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応していると判断する。したがって、ある実施形態によると、クライアント局25−1は、プリアンブルの第2のフィールドを受信した時点で、VHT−LTF130のうちどれがクライアント局25−1に対応しているかを既に把握している。さまざまな実施形態によると、ブロック504での判断は、さまざまな適切な方法のうち任意の方法、例えば、上記で例示した方法のうちいずれか1つにしたがって行う。
【0128】
ブロック506において、プリアンブルの第2のフィールドの1以上のトレーニングシーケンスを受信する。
【0129】
ブロック508において、1以上のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群を用いて、通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う。ある実施形態によると、ブロック508の少なくとも一部分は、ブロック506を実行している間に実行される。したがって、ある実施形態によると、方法500によれば、1以上のトレーニングシーケンスを受信する前に1以上のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断することによって、通信チャネルの推定を早期に行うことが可能となる。
【0130】
当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することによって、方法500の適切な変形例に想到するであろう。例えば、一部の実施形態によると、図19に示す1以上の特徴が実行されず、および/または、図19に図示していない1以上の特徴を追加で実行する。別の例を挙げると、図19に示す順序は、方法500を実行する順序を示すものではなく、および/または、各ブロックが他のブロックの開始前に完了している旨を示すものでもない。
【0131】
図20は、ある実施形態に係る、マルチユーザMIMO(MU−MIMO)通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法600の一例を示すフローチャートである。方法600は、説明の便宜上、WLAN10およびデータユニット100、200および300のさまざまな実施形態を参照しつつ説明する。しかし、方法600は、一部の実施形態によると、WLAN10以外のネットワークでも利用されるものであり、および/または、データユニット100、200および300以外のデータユニットのプリアンブルを生成するために利用されるものであると理解されたい。また、ある実施形態によると、PHY部20は、方法600を実行するように構成されている。しかし、他の実施形態では、他の装置が方法600を実行するように構成されているものと理解されたい。一例に過ぎないが、ある実施形態によると、MAC部18は、方法600の少なくとも一部分を実行するように構成されている。また、一部の実施形態によると、PHY部20が方法600以外の方法を実行するように構成されることも理解されたい。
【0132】
ブロック602において、プリアンブルの第1のフィールドを生成する。プリアンブルの第1のフィールドは、複数の受信機に対する複数の指標を提供する。ある実施形態によると、各指標は、複数の受信機のうちいずれか1つに対応しており、各指標は、対応する受信機へのデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスから成るトレーニングシーケンス群を示す指標である。例えば、ある実施形態によると、プリアンブルの第1のフィールドは、クライアント局25−1に対する指標を提供し、当該指標は、クライアント局25−1へのデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスから成る第1のトレーニングシーケンス群を示す。ある実施形態によると、プリアンブルの第1のフィールドはさらに、クライアント局25−2に対する指標を提供する。当該指標は、クライアント局25−2に対するデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスから成る第2のトレーニングシーケンス群を示す指標である。一部の実施形態によると、これに加えて/これに代えて、プリアンブルの第1のフィールドは、クライアント局25−3、25−4等に対するトレーニングシーケンス群の指標を提供する。
【0133】
さまざまな実施形態によると、複数の受信機に対して提供された複数の指標のうち少なくとも1つは、受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数の指標、受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間−時間ストリーム数の指標、受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングフィールド数の指標、または、例えば、VHT−LTF130内のトレーニングシーケンス群の位置を示す任意の適切な指標を含む。ある実施形態によると、複数の受信機のうち1つの受信機に提供される指標のうち少なくとも1つは、複数の受信機のうち別の1つの受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である。このため、ある実施形態によると、例えば、複数の受信機のうち第2の受信機は、複数の受信機のうち第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の指標を、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標として(つまり、第2の受信機に対応する指標に加えて)利用する。より具体的に説明すると、ある実施形態では、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標は、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の指標である。また、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標は、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である。
【0134】
一部の実施形態によると、一意的なインデックス値を用いて、トレーニングシーケンス群の指標が受信機に対して提供される順番を示す。例えば、ある実施形態によると、一意的なインデックス値はそれぞれ、複数の受信機のうちいずれか1つに対応する。例えば、クライアント局25−1に対応する一意的なインデックス値は、プリアンブルの第1のフィールドのうちクライアント局25−1に対応するサブフィールドの位置または順序を、プリアンブルの第1のフィールドの他のサブフィールドと相対的に示す。ある実施形態によると、クライアント局25−1に対応するサブフィールドは、クライアント局25−1に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標を含むか、または、クライアント局25−1に対応するトレーニングシーケンス群の別の適切な指標を含む。他の一意的なインデックス値は、クライアント局25−2、クライアント局25−3等の他の受信機についても同様に用いられるとしてよい。このため、ある実施形態によると、一意的なインデックス値は、VHT−LTF130内のトレーニングシーケンス群の位置を示すために用いられる。
【0135】
ブロック604において、プリアンブルの第2のフィールドに複数のトレーニングシーケンスを含める。
【0136】
ブロック606において、プリアンブルの第1のフィールドの送信がプリアンブルの第2のフィールドの送信より前になるように、プリアンブルをフォーマッティングする。したがって、ある実施形態によると、複数の受信機はそれぞれ、VHT−LTF130を受信する前に当該受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の指標を受信する。
【0137】
当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することによって、方法600の適切な変形例に想到するであろう。例えば、一部の実施形態によると、図20に示す1以上の特徴が実行されず、および/または、図20に図示していない1以上の特徴を追加で実行する。別の例を挙げると、図20に示す順序は、方法600を実行する順序を示すものではなく、および/または、各ブロックが他のブロックの開始前に完了している旨を示すものでもない。
【0138】
図21は、ある実施形態に係る、第1の受信機、例えば、クライアント局25−1のPHY部29を用いてマルチユーザMIMO(MU−MIMO)通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルを受信する方法700の一例を示すフローチャートである。方法700は、説明の便宜上、WLAN10およびデータユニット100、200および300のさまざまな実施形態を参照しつつ説明する。しかし、方法700は、一部の実施形態によると、WLAN10以外のネットワークでも利用されるものであり、および/または、データユニット100、200および300以外のデータユニットのプリアンブルを受信するために利用されるものであると理解されたい。また、ある実施形態によると、PHY部29は、方法700を実行するように構成されている。しかし、他の実施形態では、他の装置が方法700を実行するように構成されているものと理解されたい。また、一部の実施形態によると、PHY部29が方法700以外の方法を実行するように構成されることも理解されたい。
【0139】
ブロック702において、プリアンブルの第1のフィールドを受信する。第1のフィールドは、複数の受信機に対して複数の指標を提供する。ある実施形態によると、複数の受信機は、第1の受信機、例えば、クライアント局25−1を含む。ある実施形態によると、各指標は複数の受信機のうちいずれか1つに対応し、各指標は、対応する受信機へのデータユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスから成るトレーニングシーケンス群を示す。ある実施形態によると、例えば、プリアンブルの第1のフィールドは、クライアント局25−1に対して、クライアント局25−1へのデータユニットの送信に対応する第1のトレーニングシーケンス群の指標を提供する。ある実施形態によると、プリアンブルの第1のフィールドはさらに、クライアント局25−2に対して、クライアント局25−2へのデータユニットの送信に対応する第2のトレーニングシーケンス群の指標を提供し、および/または、一部の実施形態によると、クライアント局25−3、25−4等に対してトレーニングシーケンス群の指標を提供する。
【0140】
方法600に関連して説明したように、さまざまな実施形態によると、第1の受信機に対応する指標は、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数の指標、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間−時間ストリーム数の指標、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングフィールド数の指標、または、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する、例えば、VHT−LTF130内のトレーニングシーケンス群の位置を示す任意の適切な指標を含む。ある実施形態によると、複数の受信機のうちの第2の受信機に対応する、複数の指標のうちの第2の指標は、第1の受信機に対応する指標に加えて、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である。例えば、ある実施形態によると、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標は、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の指標である。また、第2の受信機に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標は、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である。
【0141】
また、一部の実施形態によると、一意的なインデックス値を用いて、トレーニングシーケンス群の指標が受信機に対して提供される順番を示す。例えば、ある実施形態によると、一意的なインデックス値はそれぞれ、複数の受信機のうちいずれか1つに対応する。例えば、クライアント局25−1に対応する一意的なインデックス値は、プリアンブルの第1のフィールドのうちクライアント局25−1に対応するサブフィールドの位置または順序を、プリアンブルの第1のフィールドの他のサブフィールドと相対的に示す。ある実施形態によると、クライアント局25−1に対応するサブフィールドは、クライアント局25−1に対するデータユニットの送信に対応する空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数の指標を含むか、または、クライアント局25−1に対応するトレーニングシーケンス群の別の適切な指標を含む。他の一意的なインデックス値は、クライアント局25−2、クライアント局25−3等の他の受信機についても同様に用いられるとしてよい。このため、ある実施形態によると、上述したように、クライアント局25−1は、一意的なインデックス値を受信して、一意的なインデックス値に基づいてクライアント局25−1に対応するVHT−LTF130内のトレーニングシーケンス群の位置を決定する。
【0142】
ブロック704において、ブロック702において受信した第1の受信機に対する指標に基づき、第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断する。さまざまな実施形態によると、ブロック704における判断は、さまざまな適切な方法のうち任意の方法、例えば、上記で例示した方法のうちいずれか1つにしたがって行う。一部の実施形態によると、複数の受信機のうち第2の受信機に対応する複数の指標のうち第2の指標が、第1の受信機に対するデータユニットの送信に対応するトレーニングシーケンス群の別の指標である場合、ブロック704における判断はさらに、複数の指標のうち第2の指標に基づいても行われる。
【0143】
ブロック706において、プリアンブルの第2のフィールドを受信する。プリアンブルの第2のフィールドは、複数のトレーニングシーケンスを含む。このため、ある実施形態によると、ブロック704の結果に基づき、クライアント局25−1は既に、VHT−LTF130のうち少なくとも一部を受信した時点において、VHT−LTF130のうちどれがクライアント局25−1に対応するのか把握している。
【0144】
ブロック708において、第1のトレーニングシーケンス群を用いて、AP14等の送信機と、クライアント局25−1等の第1の受信機との間の通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う。ある実施形態によると、ブロック708の少なくとも一部分は、ブロック706を実行している間に実行される。したがって、ある実施形態によると、方法700によれば、複数のトレーニングシーケンスの少なくとも一部を受信する前に第1のトレーニングシーケンス群が第1の受信機に対応すると判断することによって、通信チャネルの推定を早期に行うことが可能となる。
【0145】
当業者であれば、本明細書の教示内容および開示内容を参照することによって、方法700の適切な変形例に想到するであろう。例えば、一部の実施形態によると、図21に示す1以上の特徴が実行されず、および/または、図21に図示していない1以上の特徴を追加で実行する。別の例を挙げると、図21に示す順序は、方法700を実行する順序を示すものではなく、および/または、各ブロックが他のブロックの開始前に完了している旨を示すものでもない。
【0146】
上述したさまざまなブロック、処理および方法のうち少なくとも一部は、ハードウェア、ファームウェア命令を実行するプロセッサ、ソフトウェア命令を実行するプロセッサ、または、これらの任意の組み合わせを利用して実現されるとしてよい。ソフトウェア命令またはファームウェア命令を実行するプロセッサを用いて実現される場合、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、磁気ディスク、光ディスク、または、その他の格納媒体等の任意のコンピュータ可読メモリ、RAMまたはROMまたはフラッシュメモリ、プロセッサ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ等に格納されるとしてよい。同様に、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、任意の公知または所望の配信方法によって、ユーザまたはシステムに配信されるとしてよい。例えば、コンピュータ可読ディスクまたは他の輸送可能なコンピュータ格納機構に格納して配信するか、または、通信媒体を介して配信されるとしてよい。通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータを、搬送波またはその他の輸送機構等の変調データ信号で具現化したものである。「変調データ信号」という用語は、特性のうち1以上を信号に情報を符号化するように設定または変更された信号を意味する。通信媒体は、一例として挙げると、これらに限定されないが、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、および、音波、無線周波数、赤外線等の無線媒体を含む。このように、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、電話線、DSLライン、ケーブルテレビライン、光ファイバライン、無線通信チャネル、インターネット等の通信チャネルを介してユーザまたはシステムに配信されるとしてよい。(上記の通信チャネルの例は、輸送可能な格納媒体によってソフトウェアを提供することと同じ、または、置き換え可能であると見なされる)。ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、プロセッサによって実行されると、当該プロセッサにさまざまな処理を実行させる機械可読命令を含むとしてよい。
【0147】
ハードウェアで実現される場合、ハードウェアは、ディスクリート素子、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等のうち1以上を備えるとしてよい。
【0148】
具体例を挙げて本発明を説明してきたが、上記の内容は例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。開示した実施形態については、本発明の範囲から逸脱することなく、変更、追加、および/または、削除され得るものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法であって、
複数の受信機のうち対応する一の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示している複数の指標を前記複数の受信機に対して提供する前記プリアンブルの第1のフィールドを生成する段階と、
前記複数のトレーニングシーケンスを前記プリアンブルの第2のフィールドに含める段階と、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドが、前記プリアンブルの前記第2のフィールドが送信される前に送信されるように前記プリアンブルをフォーマッティングする段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記複数の指標のうち第1の指標は、前記複数の受信機のうち第1の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数を示す請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の受信機のうち第1の受信機に対応する前記複数の指標のうち第1の指標は、前記複数の受信機のうち第2の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する前記複数のトレーニングシーケンスを含む前記トレーニングシーケンス群の前記第2の受信機に対する別の指標である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを送信する前に、前記複数の受信機に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドが複数の前記トレーニングシーケンス群の前記複数の指標を前記複数の受信機に提供する順序を通知する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の受信機に対応するグループ識別子を前記プリアンブルの第3のフィールドに含める段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する物理層(PHY)部を備え、
前記プリアンブルの第1のフィールドは、複数の受信機に対して複数の指標を提供し、前記複数の指標はそれぞれ、前記複数の受信機のうち対応する一の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示し、
前記プリアンブルは、前記複数のトレーニングシーケンスを含む第2のフィールドを持ち、
前記PHY部はさらに、前記プリアンブルの前記第2のフィールドの送信より前に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドを送信させる装置。
【請求項7】
前記複数の指標のうち第1の指標は、前記複数の受信機のうち第1の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数を示す請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の受信機のうち第1の受信機に対応する前記複数の指標のうち第1の指標は、前記複数の受信機のうち第2の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する前記トレーニングシーケンス群の前記第2の受信機に対する別の指標である請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記PHY部はさらに、前記プリアンブルの前記第1のフィールドを送信する前に、前記複数の受信機に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドが複数の前記トレーニングシーケンス群の前記複数の指標を前記複数の受信機に提供する順序を通知する請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記PHY部はさらに、前記複数の受信機に対応するグループ識別子を前記プリアンブルの第3のフィールドに含める請求項6に記載の装置。
【請求項11】
多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して複数の受信機のうち一の受信機である第1の受信機を用いてデータユニットのプリアンブルを受信する方法であって、
前記複数の受信機のうち対応する一の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示す複数の指標を提供する前記プリアンブルの第1のフィールドを受信する段階と、
前記複数の指標のうち前記第1の受信機に対応する一の指標に基づき、前記複数のトレーニングシーケンスを含む第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する段階と、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを受信した後に前記複数のトレーニングシーケンスを含む、前記プリアンブルの第2のフィールドを受信する段階と、
前記第1のトレーニングシーケンス群を用いて、前記MIMO通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う段階と
を備える方法。
【請求項12】
前記第1の受信機に対応する前記指標は、前記第1の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する第1の空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数を示す請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応するという判断はさらに、前記複数の受信機のうち第2の受信機に対応する前記複数の指標のうち第2の指標に基づいて行われる請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを受信する前に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドが前記複数の受信機に対して複数の前記トレーニングシーケンス群の前記複数の指標を提供する順序の指標を受信する段階と、
前記順序の前記指標にさらに基づいて、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する段階と
をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の受信機に対応するグループ識別子を含む、前記プリアンブルの第3のフィールドを受信する段階と、
前記グループ識別子にさらに基づいて、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する段階と
をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項16】
多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルの第1のフィールドを受信する物理層(PHY)部を備える装置であって、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドは、複数の指標を提供し、前記複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスのトレーニングシーケンス群を示し、
前記複数の受信機のうち第1の受信機は、前記装置を含み、
前記PHY部は、
前記複数の指標のうち前記第1の受信機に対応する一の指標に基づき、前記複数のトレーニングシーケンスを含む第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断し、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを受信した後に、前記複数のトレーニングシーケンスを含む、前記プリアンブルの第2のフィールドを受信し、
前記第1のトレーニングシーケンス群を用いて、前記MIMO通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う装置。
【請求項17】
前記第1の受信機に対応する前記指標は、前記第1の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数を示す請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記PHY部はさらに、前記複数の受信機のうち第2の受信機に対応する前記複数の指標のうち第2の指標にさらに基づいて、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記PHY部はさらに、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを受信する前に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドが前記複数の受信機に複数の前記トレーニングシーケンス群の前記複数の指標を提供する順序の指標を受信し、
前記順序の前記指標にさらに基づき、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記PHY部はさらに、
前記複数の受信機に対応するグループ識別子を含む、前記プリアンブルの第3のフィールドを受信し、
前記グループ識別子にさらに基づいて、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する請求項16に記載の装置。
【請求項1】
多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する方法であって、
複数の受信機のうち対応する一の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示している複数の指標を前記複数の受信機に対して提供する前記プリアンブルの第1のフィールドを生成する段階と、
前記複数のトレーニングシーケンスを前記プリアンブルの第2のフィールドに含める段階と、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドが、前記プリアンブルの前記第2のフィールドが送信される前に送信されるように前記プリアンブルをフォーマッティングする段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記複数の指標のうち第1の指標は、前記複数の受信機のうち第1の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数を示す請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の受信機のうち第1の受信機に対応する前記複数の指標のうち第1の指標は、前記複数の受信機のうち第2の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する前記複数のトレーニングシーケンスを含む前記トレーニングシーケンス群の前記第2の受信機に対する別の指標である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを送信する前に、前記複数の受信機に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドが複数の前記トレーニングシーケンス群の前記複数の指標を前記複数の受信機に提供する順序を通知する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の受信機に対応するグループ識別子を前記プリアンブルの第3のフィールドに含める段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して送信するべくデータユニットのプリアンブルを生成する物理層(PHY)部を備え、
前記プリアンブルの第1のフィールドは、複数の受信機に対して複数の指標を提供し、前記複数の指標はそれぞれ、前記複数の受信機のうち対応する一の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示し、
前記プリアンブルは、前記複数のトレーニングシーケンスを含む第2のフィールドを持ち、
前記PHY部はさらに、前記プリアンブルの前記第2のフィールドの送信より前に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドを送信させる装置。
【請求項7】
前記複数の指標のうち第1の指標は、前記複数の受信機のうち第1の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数を示す請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の受信機のうち第1の受信機に対応する前記複数の指標のうち第1の指標は、前記複数の受信機のうち第2の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する前記トレーニングシーケンス群の前記第2の受信機に対する別の指標である請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記PHY部はさらに、前記プリアンブルの前記第1のフィールドを送信する前に、前記複数の受信機に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドが複数の前記トレーニングシーケンス群の前記複数の指標を前記複数の受信機に提供する順序を通知する請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記PHY部はさらに、前記複数の受信機に対応するグループ識別子を前記プリアンブルの第3のフィールドに含める請求項6に記載の装置。
【請求項11】
多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介して複数の受信機のうち一の受信機である第1の受信機を用いてデータユニットのプリアンブルを受信する方法であって、
前記複数の受信機のうち対応する一の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスを含むトレーニングシーケンス群を示す複数の指標を提供する前記プリアンブルの第1のフィールドを受信する段階と、
前記複数の指標のうち前記第1の受信機に対応する一の指標に基づき、前記複数のトレーニングシーケンスを含む第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する段階と、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを受信した後に前記複数のトレーニングシーケンスを含む、前記プリアンブルの第2のフィールドを受信する段階と、
前記第1のトレーニングシーケンス群を用いて、前記MIMO通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う段階と
を備える方法。
【請求項12】
前記第1の受信機に対応する前記指標は、前記第1の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する第1の空間ストリーム数または空間−時間ストリーム数を示す請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応するという判断はさらに、前記複数の受信機のうち第2の受信機に対応する前記複数の指標のうち第2の指標に基づいて行われる請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを受信する前に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドが前記複数の受信機に対して複数の前記トレーニングシーケンス群の前記複数の指標を提供する順序の指標を受信する段階と、
前記順序の前記指標にさらに基づいて、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する段階と
をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の受信機に対応するグループ識別子を含む、前記プリアンブルの第3のフィールドを受信する段階と、
前記グループ識別子にさらに基づいて、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する段階と
をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項16】
多入力多出力(MIMO)通信チャネルを介してデータユニットのプリアンブルの第1のフィールドを受信する物理層(PHY)部を備える装置であって、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドは、複数の指標を提供し、前記複数の指標はそれぞれ、複数の受信機のうち対応する一の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する複数のトレーニングシーケンスのトレーニングシーケンス群を示し、
前記複数の受信機のうち第1の受信機は、前記装置を含み、
前記PHY部は、
前記複数の指標のうち前記第1の受信機に対応する一の指標に基づき、前記複数のトレーニングシーケンスを含む第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断し、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを受信した後に、前記複数のトレーニングシーケンスを含む、前記プリアンブルの第2のフィールドを受信し、
前記第1のトレーニングシーケンス群を用いて、前記MIMO通信チャネルの少なくとも一部分の推定を行う装置。
【請求項17】
前記第1の受信機に対応する前記指標は、前記第1の受信機に対する前記データユニットの送信に対応する第1の空間ストリーム数または第1の空間−時間ストリーム数を示す請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記PHY部はさらに、前記複数の受信機のうち第2の受信機に対応する前記複数の指標のうち第2の指標にさらに基づいて、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記PHY部はさらに、
前記プリアンブルの前記第1のフィールドを受信する前に、前記プリアンブルの前記第1のフィールドが前記複数の受信機に複数の前記トレーニングシーケンス群の前記複数の指標を提供する順序の指標を受信し、
前記順序の前記指標にさらに基づき、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記PHY部はさらに、
前記複数の受信機に対応するグループ識別子を含む、前記プリアンブルの第3のフィールドを受信し、
前記グループ識別子にさらに基づいて、前記第1のトレーニングシーケンス群が前記第1の受信機に対応すると判断する請求項16に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2013−509106(P2013−509106A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535432(P2012−535432)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/053849
【国際公開番号】WO2011/050324
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/053849
【国際公開番号】WO2011/050324
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】
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