説明

X線検出器用のフラット・パネル・イメージャ、及びモジュールを配置する方法

【課題】既存のデータ・モジュール及び走査モジュールの設計に対する改変を要求せずX線検出器を小型化する。
【解決手段】X線検出器用のフラット・パネル・イメージャはデータ・モジュール及び走査モジュールを含んでおり、データ・モジュールの第一の部分がフラット・パネル・イメージャの一辺に配置され、データ・モジュールの第二の部分がデータ・モジュールの第一の部分の対辺に配置され、走査モジュールの第一の部分がフラット・パネル・イメージャの残りの辺の一つに配置され、走査モジュールの第二の部分が走査モジュールの第一の部分の対辺に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線検出器用のフラット・パネル・イメージャに関し、具体的には、X線検出器用のフラット・パネル・イメージャにおけるモジュールの配置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線検出器用のフラット・パネル・イメージャにおけるデータ・モジュール及び走査モジュールの従来技術の配置は、例えば図1のように示される。一般的には、データ・モジュール200は、可撓性の回路基板を介してフラット・パネル・イメージャ100の一辺に配置され、走査モジュール300はフラット・パネル・イメージャの隣接辺に配置される。結果として、同時に折り曲げられて検出器外被に収められるときに、データ・モジュール200及び走査モジュール300は、図1のAに示すようにフラット・パネル・イメージャの隅角において重なり合う。モジュールの重なりを回避するためにはさらに大きい空間が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、折り曲げられて検出器外被に収められるときにモジュールがフラット・パネル・イメージャの何れの隅角においても重なり合わないようにしたX線検出器用のフラット・パネル・イメージャにおける新規のモジュール配置を提供する必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、X線検出器用のフラット・パネル・イメージャ及びX線検出器用のフラット・パネル・イメージャにモジュールを配置する方法を提供することにより、関連する従来技術に存在する欠陥に対処することにあり、データ・モジュール及び走査モジュールが、同時に折り曲げられて検出器外被に収められるときにフラット・パネル・イメージャの何れの隅角でも重なり合わないようにする。この目的を果たすために、本発明は以下の技術的解決法を用いる。
【0005】
本発明の第一の実施形態の第一の観点によれば、データ・モジュール及び走査モジュールを含むX線検出器用のフラット・パネル・イメージャが開示され、データ・モジュールの第一の部分がフラット・パネル・イメージャの一辺に配置され、データ・モジュールの第二の部分がデータ・モジュールの第一の部分の対辺に配置され、また走査モジュールの第一の部分がフラット・パネル・イメージャの残りの辺の一つに配置され、走査モジュールの第二の部分が走査モジュールの第一の部分の対辺に配置される。
【0006】
一つの観点によれば、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の同じ方位末端に隣接して配設される。選択随意で、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の左端に隣接して配設される。代替的には、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の右端に隣接して配設される。
【0007】
もう一つの観点によれば、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、データ・モジュール及び走査モジュールがフラット・パネル・イメージャの各々の辺の末端から隔設されるように配設される。好ましくは、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の中間に配設される。
【0008】
さらにもう一つの観点によれば、データ・モジュール及び走査モジュールのそれぞれの部分は同数のモジュールを含んでいる。
【0009】
第二の実施形態によれば、本発明は、本発明の第一の実施形態によるフラット・パネル・イメージャを含むX線検出器を提供する。
【0010】
本発明の第三の実施形態によれば、X線検出器用のフラット・パネル・イメージャにデータ・モジュール及び走査モジュールを配置する方法が提供され、この方法は、データ・モジュールの第一の部分をフラット・パネル・イメージャの一辺に配設し、データ・モジュールの第二の部分をデータ・モジュールの第一の部分の対辺に配設するステップと、走査モジュールの第一の部分をフラット・パネル・イメージャの残りの辺の一つに配設し、走査モジュールの第二の部分を走査モジュールの第一の部分の対辺に配設するステップとを含んでいる。
【0011】
一つの観点によれば、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の同じ方位末端に隣接して配設される。選択随意で、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の左端に隣接して配設される。代替的には、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の右端に隣接して配設される。
【0012】
もう一つの観点によれば、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、データ・モジュール及び走査モジュールがフラット・パネル・イメージャの各々の辺の末端から隔設されるように配設される。好ましくは、データ・モジュール及び走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の中間に配設される。
【0013】
さらにもう一つの観点によれば、データ・モジュール及び走査モジュールのそれぞれの部分は同数のモジュールを含んでいる。
【0014】
本発明において提案されるX線検出器のフラット・パネル・イメージャ及びモジュール配置方法を用いることにより、X線検出器の大きさをより小型化することができ、また既存のデータ・モジュール及び走査モジュールの設計に対する改変が要求されない。
【0015】
以下、図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。図面では、類似の又は同様の要素は類似の参照番号によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】X線検出器の従来技術のフラット・パネル・イメージャと共に存在する重なり合ったモジュールを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるX線検出器用のフラット・パネル・イメージャを示す図である。
【図3】検出器外被に配置された本発明の一実施形態によるX線検出器用のフラット・パネル・イメージャを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2は、本発明の一実施形態によるX線検出器用のフラット・パネル・イメージャ100を示す。フラット・パネル・イメージャ100は、複数のデータ・モジュール200と複数の走査モジュール300とを含んでいる。データ・モジュール200は二つの部分に分割される。第一の部分はフラット・パネル・イメージャ100の一辺に配設され、第二の部分は第一の部分の対辺に配設される。同様に、走査モジュール300も二つの部分に分割される。第一の部分はフラット・パネル・イメージャの残りの辺の一つに配置され、第二の部分は第一の部分の対辺に配置される。
【0018】
本発明の一つの観点では、データ・モジュール200及び走査モジュール300の両モジュールのそれぞれの部分は、図2に示すように、フラット・パネル・イメージャ100の各々の辺の同じ方位末端に配置され、例えば同じ方位において各々の辺の左端に隣接して配置される。同様に、これらの部分は、同じ方位においてフラット・パネル・イメージャ100の各々の辺の右端に隣接して配設されてもよい。
【0019】
本発明のもう一つの観点によれば、データ・モジュール200及び走査モジュール300のそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の末端(左端又は右端の何れでも)から隔設されるように配設される。好ましくは、データ・モジュール200及び走査モジュール300の両モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャ100の各々の辺の中間に配設される。
【0020】
さらに好ましくは、この実施形態の一つの観点では、データ・モジュール200及び走査モジュール300のそれぞれの部分は同数のモジュールを含んでいる。例えば、データ・モジュール200の両部分が4個のデータ・モジュールを含む。同様に、図2に示すように、走査モジュール300の両部分も4個の走査モジュールを含む。
【0021】
本発明において提案されているようなX線検出器用のフラット・パネル・イメージャ100に配置されるときには、データ・モジュール200及び走査モジュール300は、図3に示すように、同時に折り曲げられて検出器外被400に収められるときにも、互いに重なり合うことがない。また、本発明において提案されているモジュール配置を用いることにより、X線検出器を小型の寸法で製造することができ、また既存のデータ・モジュール及び走査モジュールの設計に改変を加える必要がない。
【0022】
本発明のこの実施形態によるフラット・パネル・イメージャ100は、当業者にとって容易に想到される態様で様々なX線検出器に応用され得る。従って、この観点の詳細は省く。
【0023】
もう一つの実施形態によれば、本発明は、X線検出器用のフラット・パネル・イメージャにデータ・モジュール及び走査モジュールを配置する方法を提供する。この方法は、データ・モジュールの第一の部分をフラット・パネル・イメージャの一辺に配設し、データ・モジュールの第二の部分をデータ・モジュールの第一の部分の対辺に配設するステップと、走査モジュールの第一の部分をフラット・パネル・イメージャの残りの辺の一つに配設し、走査モジュールの第二の部分を走査モジュールの第一の部分の対辺に配設するステップとを含んでいる。
【0024】
好ましくは、本発明の一つの観点では、データ・モジュール及び走査モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の同じ方位末端に配置され、例えば同じ方位において各々の辺の左端又は右端に隣接して配置される。
【0025】
本発明のもう一つの観点では、データ・モジュール及び走査モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の末端(左端又は右端の何れでも)から隔設されるように配設される。好ましくは、データ・モジュール及び走査モジュールのそれぞれの部分は、フラット・パネル・イメージャの各々の辺の中間に配設される。
【0026】
さらに好ましくは、一つの観点では、データ・モジュール及び走査モジュールのそれぞれの部分は同数のモジュールを含んでいる。
【0027】
但し、以上の記載において本発明の多数の特性及び利点について述べたが、本開示は例示のみのためのものである。当業者は、本発明の原理の範囲内で様々な改変及び均等置換を施し得ること、並びにこれらの改変及び均等置換も本発明の範囲内に含まれることを理解されよう。また、本明細書及び請求項に用いられている「左」及び「右」との用語は、本発明を制限するものではなく例示のみのためのものであると看做されるべきである。さらに、上での「一実施形態」及び「もう一つの実施形態」等は、様々な実施形態を表わすものと看做され、これらの実施形態は、全体として又は部分的に一実施形態に組み入れられ得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0028】
100:フラット・パネル・イメージャ
200:データ・モジュール
300:走査モジュール
400:検出器外被

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ・モジュール及び走査モジュールを備えたX線検出器用のフラット・パネル・イメージャであって、前記データ・モジュールの第一の部分が当該フラット・パネル・イメージャの一辺に配置され、前記データ・モジュールの第二の部分が前記データ・モジュールの前記第一の部分の対辺に配置され、また前記走査モジュールの第一の部分が当該フラット・パネル・イメージャの残りの辺の一つに配置され、前記走査モジュールの第二の部分が前記走査モジュールの前記第一の部分の対辺に配置される、フラット・パネル・イメージャ。
【請求項2】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は、当該フラット・パネル・イメージャの各々の辺の同じ方位末端に隣接して配設される、請求項1に記載のX線検出器用のフラット・パネル・イメージャ。
【請求項3】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は、当該フラット・パネル・イメージャの各々の辺の左端に隣接して配設される、請求項2に記載のX線検出器用のフラット・パネル・イメージャ。
【請求項4】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は、当該フラット・パネル・イメージャの各々の辺の右端に隣接して配設される、請求項2に記載のX線検出器用のフラット・パネル・イメージャ。
【請求項5】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は、前記データ・モジュール及び前記走査モジュールが当該フラット・パネル・イメージャの各々の辺の末端から隔設されるように配設される、請求項1に記載のX線検出器用のフラット・パネル・イメージャ。
【請求項6】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールの両モジュールのそれぞれの部分は、当該フラット・パネル・イメージャの各々の辺の中間に配設される、請求項5に記載のX線検出器用のフラット・パネル・イメージャ。
【請求項7】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は同数のモジュールを含んでいる、請求項1〜6の何れか1項に記載のX線検出器用のフラット・パネル・イメージャ。
【請求項8】
請求項1〜4の何れか1項に記載のフラット・パネル・イメージャを備えたX線検出器。
【請求項9】
X線検出器用のフラット・パネル・イメージャにデータ・モジュール及び走査モジュールを配置する方法であって、
前記データ・モジュールの第一の部分を前記フラット・パネル・イメージャの一辺に配設し、前記データ・モジュールの第二の部分を前記データ・モジュールの前記第一の部分の対辺に配設するステップと、
前記走査モジュールの第一の部分を前記フラット・パネル・イメージャの残りの辺の一つに配設し、前記走査モジュールの第二の部分を前記走査モジュールの前記第一の部分の対辺に配設するステップと
を備えた方法。
【請求項10】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は、前記フラット・パネル・イメージャの各々の辺の同じ方位末端に隣接して配設される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は、前記フラット・パネル・イメージャの各々の辺の左端に隣接して配設される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は、前記フラット・パネル・イメージャの各々の辺の右端に隣接して配設される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は、前記データ・モジュール及び前記走査モジュールが前記フラット・パネル・イメージャの各々の辺の末端から隔設されるように配設される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は、前記フラット・パネル・イメージャの各々の辺の中間に配設される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記データ・モジュール及び前記走査モジュールのそれぞれの部分は同数のモジュールを含んでいる、請求項9〜14の何れか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−211898(P2012−211898A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−72649(P2012−72649)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】