説明

X線検査装置およびX線検査方法

【課題】複数のX線を被検査体に照射するとともに、複数のX線の検出側でのタイミングの制御を容易にすること。
【解決手段】単一のマイクロ波源2と、マイクロ波源2が発生するマイクロ波を複数に分配する分配手段3と、分配手段3により分配された各マイクロ波を導入し各電子ビームを異なる速度に加速させて異なる波長の各X線を発生させ、所定速度で搬送される被検査体Pの搬送方向での異なる位置に対して各X線を照射させる各X線発生手段4と、被検査体Pを透過した各X線を検出し、当該各X線に基づく各X線画像を得る各X線検出手段5と、各X線検出手段5によって得た各X線画像を記憶するとともに、被検査体Pが搬送される所定速度に基づいて、被検査体Pの同一箇所を透過した各X線による各同断面X線画像を抽出する画像処理手段6と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体中の検査を行うためのX線検査装置およびX線検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に記載のX線検査装置(放射線検出装置)は、搬送される被検査体にX線源からX線を照射して、被検査体を透過した複数のエネルギ範囲のX線を検出するものである。このX線検査装置は、被検査体を透過する低エネルギ範囲におけるX線を検出して低エネルギ画像データを生成する低エネルギ検出器と、所定領域を挟んで低エネルギ検出器と並列に配置され、被検査体を透過する高エネルギ範囲におけるX線を検出して高エネルギ画像データを生成する高エネルギ検出器と、低エネルギ検出器で生成される低エネルギ画像データと高エネルギ検出器で生成される高エネルギ画像データとが互いに対応するように、所定領域の幅に基づいて、少なくとも高エネルギ検出器の検出タイミングを制御するタイミング制御部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−117170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の装置は、被検査体を透過した単一のX線から、低エネルギ範囲と高エネルギ範囲とを検出するもので、X線源を単一としてX線源の駆動制御を容易とし、かつ装置の製造コストを低減する利点がある。しかしながら、単一のX線から低エネルギ範囲と高エネルギ範囲とを検出するため、低エネルギ検出器と高エネルギ検出器との間に所定領域である不感帯を要する。そして、単一のX線源の照射タイミングに対し、低エネルギ検出器と高エネルギ検出器とが検出するX線は、不感帯を間においた被検査体の異なる位置のものである。このため、低エネルギ検出器で生成される低エネルギ画像データと、高エネルギ検出器で生成される高エネルギ画像データとを被検査体の同断面で互いに対応させるには、単一のX線源による別の照射タイミングのX線を検出し、これを互いに対応させなければならない。この結果、単一のX線源による別の照射タイミングと、被検査体の搬送速度と、不感帯の幅とに基づいて、各検出器の検出タイミングを制御しなければならず、複雑な制御を要する。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、複数のX線を被検査体に照射するとともに、複数のX線の検出側でのタイミングの制御を容易にすることのできるX線検査装置およびX線検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明のX線検査装置は、単一のマイクロ波源と、前記マイクロ波源が発生するマイクロ波を複数に分配する分配手段と、前記分配手段により分配された各マイクロ波を導入し各電子ビームを異なる速度に加速させて異なる波長の各X線を発生させ、所定速度で搬送される被検査体の搬送方向での異なる位置に対して前記各X線を照射させる各X線発生手段と、前記被検査体を透過した各X線を検出し、当該各X線に基づく各X線画像を得る各X線検出手段と、前記各X線検出手段によって得た前記各X線画像を記憶するとともに、前記被検査体が搬送される所定速度に基づいて、前記被検査体の同一箇所を透過した各X線による各同断面X線画像を抽出する画像処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このX線検査装置によれば、単一のマイクロ波源が発生するマイクロ波に同期して各X線発生手段で各X線を発生させ、複数のX線を被検査体に照射するため、マイクロ波源の駆動制御を容易とし、かつ装置の製造コストを低減することができる。しかも、発生される各X線は、波長の異なるものであるため、従来のように不感帯を用いて低エネルギ範囲と高エネルギ範囲とに分ける必要がない。このため、各X線の検出側である各X線検出手段では、マイクロ波源のマイクロ波発生のタイミングに合わせてX線を検出すればよいので、複雑なタイミング制御を必要としない。この結果、複数のX線を被検査体に照射するとともに、複数のX線の検出側でのタイミングの制御を容易にすることができる。
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明のX線検査方法は、単一のマイクロ波源が発生するマイクロ波を複数に分配する工程と、分配された各マイクロ波を導入して各電子ビームを異なる速度に加速させて異なる波長の各X線を発生させ、所定速度で搬送される被検査体の搬送方向での異なる位置に対して前記各X線を照射させる工程と、前記被検査体を透過した各X線を検出し、当該各X線に基づく各X線画像を得る工程と、前記各X線画像を記憶するとともに、前記被検査体が搬送される所定速度に基づいて、前記被検査体の同一箇所を透過した各同断面X線画像を抽出する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
このX線検査方法によれば、単一のマイクロ波源が発生するマイクロ波に同期して各X線を発生させ、複数のX線を被検査体に照射するため、マイクロ波源の駆動制御を容易とし、かつ装置の製造コストを低減することができる。しかも、発生される各X線は、波長の異なるものであるため、従来のように不感帯を用いて低エネルギ範囲と高エネルギ範囲とに分ける必要がない。このため、各X線の検出側では、マイクロ波源のマイクロ波発生のタイミングに合わせてX線を検出すればよいので、複雑なタイミング制御を必要としない。この結果、複数のX線を被検査体に照射するとともに、複数のX線の検出側でのタイミングの制御を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数のX線を被検査体に照射するとともに、複数のX線の検出側でのタイミングの制御を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るX線検査装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係るX線検査装置の加速器の概略図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係るX線検査方法であってX線検査装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
図1は、本実施の形態に係るX線検査装置の概略図である。X線検査装置1は、搬送手段Cによって一定方向に所定速度で搬送される被検査体Pに対してX線を透過させ、透過したX線の検出によりX線画像を取得するものである。このX線画像により、被検査体P内に異物などが含まれているか否かが検査される。
【0014】
搬送手段Cは、例えば、無端状ベルトを循環送りするベルトコンベアや、並設された複数のローラが回転駆動されるローラコンベアにより構成され、ベルトまたはローラ上に被検査体Pを載せて搬送するものである。搬送手段Cは、被検査体Pがベルトまたはローラ上にあるか否かを検出するセンサ(図示せず)を有している。
【0015】
このX線検査装置1は、マイクロ波源2と、分配手段3と、複数(本実施の形態では2つ)のX線発生手段4と、X線検出手段5と、画像処理手段6と、制御手段7とを含んで構成されている。
【0016】
マイクロ波源2は、マイクロ波(高周波であってもよい)を発生させるものである。マイクロ波源2は、5.7GHz帯(Cバンド)のマイクロ波を発生するものが好ましい。
【0017】
分配手段3は、マイクロ波源2からのマイクロ波をX線発生手段4の数に分配するものである。本実施の形態では、2つのX線発生手段4を有しているため、分配手段3は、マイクロ波源2で発生されたマイクロ波を2つに分配する態様で、導波管が二股に分かれて構成されたものである。
【0018】
X線発生手段4は、本実施の形態では2つ設けられ、前記各分配手段3によって分配された各マイクロ波を導入し電子ビームを加速させることでX線を発生させるものである。X線発生手段4は、図2の加速器の概略図に示す加速器40が適用されることが好ましい。加速器40は、電子銃41、プリバンチャ部42、セルバンチャ部43、およびサイドカップル型レギュラー部44からなる。電子銃41は、カソード41aと、カソード41aを囲むファラデーカップ41bと、ファラデーカップ41bとともにカソード41aを収容し、カソード41aに対向するビーム穴41dが形成されたアノードフランジ41cとにより構成される。プリバンチャ部42は、電子銃41のアノードフランジ41cの背面との間に扁平状の空洞42bを形成するとともに、電子銃41のビーム穴41dに連通するビーム穴42cが形成されたプリバンチャブロック42aを有する。プリバンチャブロック42aの一側には、空洞42b内に高周波を供給するコネクタ42dが設けられている。セルバンチャ部43は、2つのディスク空洞43aが電子ビームの通過方向に沿って直列配置されている。各ディスク空洞43aは、前記ビーム穴42cに連通するように相互に連通して形成されている。サイドカップル型レギュラー部44は、複数(本実施の形態では6つ)の加速空洞44aが電子ビームの通過方向に沿って直列配置されている。各加速空洞44aは、セルバンチャ部43のディスク空洞43aに連通するようにビーム穴44bを介して相互に連通して形成されている。また、カソード41aから最も離隔して設けられた加速空洞44aは、ビーム穴44bを介して加速器40の外部に開放されている。また、サイドカップル型レギュラー部44は、隣接する加速空洞44aの側壁間を連通する結合空洞部44cを有している。さらに、配置された途中の加速空洞44aは、分配手段3から連通された導波管10が連結されている。
【0019】
この加速器40は、電子銃41においてカソード41aに電圧を印加することで電子が放出されアノードフランジ41cのビーム穴41dから電子ビームを発射させる。当該電子ビームは、プリバンチャ部42のビーム穴42cを通過し、セルバンチャ部43およびサイドカップル型レギュラー部44のビーム穴44bを通過する。一方、導波管10を経てサイドカップル型レギュラー部44の途中に導入されるマイクロ波は、加速空洞44a内に電場を作り、これに電子ビームが投入されて順次加速する。電子ビームは、光とほぼ同じ速度まで高められる。各加速器40は、電子ビームの通過方向の長さを変えられており、電子ビームの加速度が異なるものである。このため、後述のごとく発生するX線は、波長が異なるものとなる。
【0020】
図1に戻ってX線発生手段4は、加速した電子ビームを電子ビーム軌道4aによってX線ターゲット4bに導く。X線ターゲット4bに導かれた電子ビームは、例えば、タングステンなどからなるX線ターゲット4bを励起してX線を発生させる。X線発生手段4は、電子ビーム軌道4aの途中にエネルギ選択磁石4cが配置され、所望のエネルギの電子ビームが選択される。そして、X線発生手段4は、発生したX線を、搬送手段Cにより搬送される被検査体Pの搬送方向での異なる位置に対して各X線を照射させる。
【0021】
なお、X線発生手段4は、分配手段3と各加速器40とを連通する各導波管10の途中に、サーキュレータ4dが設けられている。サーキュレータ4dは、加速器40に導入されるマイクロ波のうちの余剰のマイクロ波が分配手段3側であってマイクロ波源2に戻らないようにし、当該余剰のマイクロ波を吸収するものである。
【0022】
このX線発生手段4は、プリバンチャ部42の偏平化を容易に達成し、結果としてビーム加速電圧を低くし、かつ全体の小型化も可能である。
【0023】
X線検出手段5は、被検査体Pを透過したX線の量を検出し、被検査体Pを透過したX線に基づく強度分布を輝度の明暗値とするX線画像を得るものである。このX線検出手段5は、X線発生手段4の数(本実施の形態では2つ)の分設けられており、被検査体Pの搬送方向での異なる位置に対して照射されて被検査体Pを透過した異なる波長の各X線をそれぞれ検出し、各X線画像を得る。このX線検出手段5は、シリコン型のラインセンサを用いることが好ましい。
【0024】
画像処理手段6は、各X線検出手段5によって得られた各X線画像を記憶しておき、被検査体Pが搬送される所定速度に基づいて、被検査体Pの同一箇所を透過した各X線による各同断面X線画像を抽出するものである。
【0025】
制御手段7は、マイコンなどで構成され、上述したマイクロ波源2、画像処理手段6、各加速器40の電子銃41を駆動する各電子銃ドライバ8、表示手段9、および搬送手段Cに接続されている。この制御手段7は、マイクロ波源2が発生するマイクロ波の波長に応じ、各電子銃ドライバ8による電子銃41の駆動タイミングを合わせる。また、制御手段7は、搬送手段Cによる被検査体Pの搬送の有無および搬送速度を取得し、搬送速度の情報を画像処理手段6に送る。また、制御手段7は、画像処理手段6によって抽出した各同断面X線画像を取得し、各同断面X線画像によって原子量分布および密度分布を可視化(例えば、表示手段9に表示)する。
【0026】
以下、上述したX線検査装置1によるX線検査方法について説明する。図3は、本実施の形態に係るX線検査方法であってX線検査装置の動作を示すフローチャートである。
【0027】
まず、搬送手段Cに被検査体Pが搬送されている場合(ステップS1:Yes)、制御手段7は、被検査体PがX線検出手段5の位置に到達するタイミングで、X線を照射する。このX線を照射する工程では、単一のマイクロ波源2が発生するマイクロ波を、分配手段3によって複数(本実施の形態では2つ)に分配する(ステップS2)。次に、各X線発生手段4の加速器40において、分配された各マイクロ波を導入して各電子ビームを異なる速度に加速させる(ステップS3)。次に、各X線発生手段4の各X線ターゲット4bに各電子ビームを導き、当該各X線ターゲット4bを励起して各X線を発生させる(ステップS4)。これにより、搬送手段Cによって搬送される被検査体Pの搬送方向での異なる位置に対して波長のことなる各X線が照射される。
【0028】
次に、各X線検出手段5において、被検査体Pの搬送方向での異なる位置を透過した各X線を検出し、当該各X線に基づく各X線画像を得る(ステップS5)。次に、画像処理手段6において、各X線検出手段5によって得られた各X線画像を記憶しておく(ステップS6)。そして、画像処理手段6において、被検査体Pが搬送される所定速度に基づいて、被検査体Pの同一箇所を透過した各同断面X線画像を抽出する(ステップS7)。
【0029】
最後に、制御手段7は、異なる波長のX線により得た各同断面X線画像から、原子量分布および密度分布を可視化する態様で表示手段9に表示する(ステップS8)。
【0030】
このように、本実施の形態のX線検査装置1は、単一のマイクロ波源2と、マイクロ波源2が発生するマイクロ波を複数に分配する分配手段3と、分配手段3により分配された各マイクロ波を導入し各電子ビームを異なる速度に加速させて異なる波長の各X線を発生させ、所定速度で搬送される被検査体Pの搬送方向での異なる位置に対して各X線を照射させる各X線発生手段4と、被検査体Pを透過した各X線を検出し、当該各X線に基づく各X線画像を得る各X線検出手段5と、各X線検出手段5によって得た各X線画像を記憶するとともに、被検査体Pが搬送される所定速度に基づいて、被検査体Pの同一箇所を透過した各X線による各同断面X線画像を抽出する画像処理手段6と、を備える。
【0031】
このX線検査装置1によれば、単一のマイクロ波源2が発生するマイクロ波に同期して各X線発生手段4で各X線を発生させ、複数のX線を被検査体Pに照射するため、マイクロ波源2の駆動制御を容易とし、かつ装置の製造コストを低減することが可能である。しかも、発生される各X線は、波長の異なるものであるため、従来のように不感帯を用いて低エネルギ範囲と高エネルギ範囲とに分ける必要がない。このため、各X線の検出側である各X線検出手段5では、マイクロ波源2のマイクロ波発生のタイミングに合わせてX線を検出すればよいので、複雑なタイミング制御を必要としない。この結果、複数のX線を被検査体Pに照射するとともに、複数のX線の検出側でのタイミングの制御を容易にすることが可能になる。
【0032】
また、本実施の形態のX線検査方法は、単一のマイクロ波源2が発生するマイクロ波を複数に分配する工程と、分配された各マイクロ波を導入して各電子ビームを異なる速度に加速させて異なる波長の各X線を発生させ、所定速度で搬送される被検査体Pの搬送方向での異なる位置に対して各X線を照射させる工程と、被検査体Pを透過した各X線を検出し、当該各X線に基づく各X線画像を得る工程と、各X線画像を記憶するとともに、被検査体Pが搬送される所定速度に基づいて、被検査体Pの同一箇所を透過した各同断面X線画像を抽出する工程と、を含む。
【0033】
このX線検査方法によれば、単一のマイクロ波源2が発生するマイクロ波に同期して各X線を発生させ、複数のX線を被検査体Pに照射するため、マイクロ波源の駆動制御を容易とし、かつ装置の製造コストを低減することが可能である。しかも、発生される各X線は、波長の異なるものであるため、従来のように不感帯を用いて低エネルギ範囲と高エネルギ範囲とに分ける必要がない。このため、各X線の検出側では、マイクロ波源2のマイクロ波発生のタイミングに合わせてX線を検出すればよいので、複雑なタイミング制御を必要としない。この結果、複数のX線を被検査体Pに照射するとともに、複数のX線の検出側でのタイミングの制御を容易にすることが可能になる。
【符号の説明】
【0034】
1 X線検査装置
2 マイクロ波源
3 分配手段
4 X線発生手段
4a 電子ビーム軌道
4b X線ターゲット
4c エネルギ選択磁石
4d サーキュレータ
40 加速器
41 電子銃
41a カソード
41b ファラデーカップ
41c アノードフランジ
41d ビーム穴
42 プリバンチャ部
42a プリバンチャブロック
42b 空洞
42c ビーム穴
42d コネクタ
43 セルバンチャ部
43a ディスク空洞
44 サイドカップル型レギュラー部
44a 加速空洞
44b ビーム穴
44c 結合空洞部
5 X線検出手段
6 画像処理手段
7 制御手段
8 電子銃ドライバ
9 表示手段
10 導波管
C 搬送手段
P 被検査体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のマイクロ波源と、
前記マイクロ波源が発生するマイクロ波を複数に分配する分配手段と、
前記分配手段により分配された各マイクロ波を導入し各電子ビームを異なる速度に加速させて異なる波長の各X線を発生させ、所定速度で搬送される被検査体の搬送方向での異なる位置に対して前記各X線を照射させる各X線発生手段と、
前記被検査体を透過した各X線を検出し、当該各X線に基づく各X線画像を得る各X線検出手段と、
前記各X線検出手段によって得た前記各X線画像を記憶するとともに、前記被検査体が搬送される所定速度に基づいて、前記被検査体の同一箇所を透過した各X線による各同断面X線画像を抽出する画像処理手段と、
を備えることを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
単一のマイクロ波源が発生するマイクロ波を複数に分配する工程と、
分配された各マイクロ波を導入して各電子ビームを異なる速度に加速させて異なる波長の各X線を発生させ、所定速度で搬送される被検査体の搬送方向での異なる位置に対して前記各X線を照射させる工程と、
前記被検査体を透過した各X線を検出し、当該各X線に基づく各X線画像を得る工程と、
前記各X線画像を記憶するとともに、前記被検査体が搬送される所定速度に基づいて、前記被検査体の同一箇所を透過した各同断面X線画像を抽出する工程と、
を含むことを特徴とするX線検査方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate