説明

X線検査装置及びX線検査方法

【課題】実装済みプリント基板のように反りを有する測定対象の距離計測を行う場合においても、測定対象の全領域で高精度な寸法計測が可能なX線検査装置を提供する。
【解決手段】測定対象物103にX線を照射して該測定対象物の透過X線を撮像する平坦な受光面のX線撮像手段104と、測定対象物103を平坦な受光面のX線撮像手段104に対して平行に移動させる移動手段105と、移動手段105の移動距離と受光面のX線撮像手段104での測定対象物103上の基準領域の撮像位置の移動距離を測定する移動距離測定手段と、前記移動距離測定手段にて測定される測定対象物の移動距離と、前記基準領域の透過画像の撮像位置の移動距離より、前記測定対象物の透過画像の単位画素ごとの撮像倍率を算出する撮影倍率算出手段とを備え、算出される単位画素ごとの撮像倍率を用いて前記透過画像の移動距離の距離補正を行い、前記測定対象物上の距離を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はX線検査装置及び検査方法に係り、特に実装済みプリント基板上の部品実装状態の、高精度な検査を行うため、計測される寸法データを補正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のX線検査装置において、撮影倍率が不明な測定対象の寸法計測を行う方法として、図6に示すように、X線照射手段601とX線撮像手段602を対向して配置し、X線照射手段601から照射されるX線光603の光路上に、測定対象604と、寸法が既知である基準ブロック605を、X線撮像手段602から等しい距離に並べて配置し、測定対象604と基準ブロック605のX線透過画像を同一画面内に撮影する。次に、撮影されたX線透過画像を、画像処理手段606を用いて輪郭抽出等の画像処理を行い、次に、寸法計測手段607を用いて、画像処理された基準ブロック605の透過画像の既知の寸法範囲の画素数を計数し、基準ブロック605の既知の寸法を、計数した画素数で除算して、X線透過画像上での1画素あたりの寸法を算出し、算出された1画素あたりの寸法と、X線透過画像上の距離計測を行う2点間の画素数を積算することで寸法計測を行い、撮影されたX線透過画像及び、寸法計測結果を画像表示手段608に表示することで、撮影倍率が不明な測定対象の高精度な寸法計測を行っている。(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開昭63−173907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の構成では、図7に示すように、X線照射手段701から照射されるX線光702の光路上に配置された測定対象703が、例えば部品実装により湾曲したプリント基板のように、湾曲領域704を有する場合、寸法が既知である基準ブロック705と測定対象703を、X線撮像手段706から等しい高さに並べて配置しても、測定対象703の湾曲領域704と基準ブロック705では高さが異なるため、撮影されたX線透過画像707上の測定対象画像708の湾曲領域画像709と、基準ブロック画像710の撮影倍率に差が生じ、基準ブロック705の既知の寸法から算出された1画素あたりの寸法データを用いて、測定対象画像708の湾曲領域画像709の寸法計測を行うと、撮影倍率の差による誤差が発生し、高精度な寸法計測が行えないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、従来の課題を解決するもので、湾曲領域を有する測定対象においても、測定対象の全領域で高精度な寸法計測が可能なX線検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来の課題を解決するために、本発明のX線検査装置は、X線を測定対象物に照射するX線照射手段と、
前記X線照射手段から既知の距離を離して、前記測定対象物にX線を照射して該測定対象物の透過X線を撮像する平坦な受光面のX線撮像手段と、
前記測定対象物を前記平坦な受光面のX線撮像手段に対して平行に移動させる移動手段と、
前記移動手段の移動距離と前記受光面のX線撮像手段での前記測定対象物上の基準領域の撮像位置の移動距離を測定する移動距離測定手段と、
前記移動距離測定手段にて測定される測定対象物の移動距離と、前記基準領域の透過画像の撮像位置の移動距離より、前記測定対象物の透過画像の単位画素ごとの撮像倍率を算出する撮影倍率算出手段と、
を備え、
前記算出される単位画素ごとの撮像倍率を用いて前記透過画像の移動距離の距離補正を行い、前記測定対象物上の距離を求めることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のX線検査装置及びX線検査方法によれば、測定対象が湾曲等により測定領域ごとに異なる倍率で撮影される場合においても、それらの領域の撮影倍率を計測し、撮影されたX線透過画像の単位画素ごとの撮影倍率を算出し、単位画素ごとの撮影倍率により、計測を行う寸法データの補正を行うことで、高精度な寸法計測が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明のX線検査装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明の実施例1におけるX線検査装置の構成図を示すものである。
【0009】
図1において、本発明のX線検査装置はコーンビーム状のX線光101を照射するX線照射手段102と、測定対象103を透過して受光面に入射したX線光101をX線透過画像に変換するX線撮像手段104と、測定対象103をX線撮像手段104の受光面と平行に移動させる移動手段105と、予め測定対象103上の基準領域106の検索を行うための座標及び形状情報等の設定を行う検索領域設定手段107と、撮影されたX線透過画像から基準領域106を抽出する基準領域抽出手段108と、基準領域抽出手段108により抽出された基準領域106の座標を算出する基準領域座標算出手段109と、測定対象103を移動手段105を用いて移動させるための移動制御手段110と、移動手段105で移動された測定対象103の移動距離及びX線撮像手段での基準領域106の移動距離を算出する移動距離算出手段111と、基準領域106の移動距離より、基準領域106の撮影倍率を算出する撮影倍率算出手段112と、算出された撮影倍率を用いて、測定対象103の寸法を計測する寸法計測手段113と、寸法計測結果及びX線透過画像を表示する画像表示手段114を備える。
【0010】
そして、測定対象103を移動して撮影された複数のX線透過画像より、測定対象103上の基準領域106の撮影倍率からX線透過画像のそれぞれの単位画素の撮影倍率を算出し、算出された撮影倍率を用いてX線透過画像の寸法補正を行うことで高精度な寸法計測を行うX線検査装置である。
【0011】
なお、本実施例の移動装置105について、X線照射装置102及びX線撮像装置104を移動させることにより、測定対象103の移動と同様の効果が得られる。
【0012】
次に、図2を用いて、測定対象の撮影倍率算出方法について説明を行う。
【0013】
図2において、X線撮像手段201の受光面202から距離L2離れた位置にあるX線照射手段203の発光点204から、X線撮像手段201の方向に照射されるコーンビーム状のX線光205は、X線撮像手段201の受光面202から距離L1の位置にある測定対象206を透過した後、受光面202に入射し、X線撮像装置201においてX線透過画像207が撮像される。その際、測定対象206上の、例えばプリント基板の配線パターンのような、周辺領域とX線透過率が異なる材質で形成された領域を基準領域208とすると、基準領域208は周辺領域とX線透過率が異なるためX線透過画像207上で基準領域画像209のように画像輝度が異なる領域として画像化されるため、X線透過画像207を画像処理し基準領域画像209を抽出することで、X線透過画像207上での基準領域画像209の座標が計測される。次に、測定対象206を受光面202と平行に距離D1移動し、X線透過画像を撮影すると、移動後に撮影された基準領域画像210は移動前の基準領域画像209の位置から距離D2離れた位置で撮影されるため、受光面202から測定対象206までの距離L1と、受光面202から発光点204までの距離L2、測定対象206の移動距離D1、X線透過画像上での基準領域画像209から210への移動距離D2の関係は、数式1で表わされ、
(L2−L1):L2=D1:D2・・・(数式1)
数式1より、受光面202から測定対象206までの距離L1は、数式2で算出される。
【0014】
L1=L2(1−D1/D2)・・・(数式2)
よって、数式2より、測定対象がプリント基板のように湾曲した領域を有する場合においても、距離L2、D1及びD2を計測することで測定対象206上の基準領域208までの距離L1の算出が可能となり、基準領域208の撮影倍率Mは、数式3で表わされる。
【0015】
M=L2/(L2−L1)=D2/D1・・・(数式3)
なお、本実施例の測定対象の高さ計測方法において、レーザー光を測定対象に照射し、3角測量の原理により高さ計測を行う手法や、カメラ等の外観撮像手段を用いて撮影された複数の方向からの外観画像を用いた立体視法により高さ計測を行う手法等を用いて、測定対象の高さ計測を行い、計測された高さデータより、X線透過画像の撮影倍率を算出することが可能である。
【0016】
次に、図3を用いて、測定対象が実装済みプリント基板の場合を例に、測定対象上に設定される基準領域について説明を行う。
【0017】
図3において、プリント基板301上には抵抗やコンデンサ等のチップ部品302や、QFP(Quad Flat Package)303等のIC部品が実装されており、プリント基板301上にはこれらの部品の回路接続を行うための配線パターン304や、QFP303等のIC部品を高精度に実装するための補正マーク305が銅箔により形成されている。これらの銅箔で形成された配線パターン304及び補正マーク305は、プリント基板301の基材を構成するガラス繊維に較べ、X線透過率が1〜10%低いため、プリント基板301のX線透過画像306を撮影すると、プリント基板301上の配線パターン304及び補正マーク305は、X線透過画像306上で、配線パターン画像307及び補正マーク画像308のように、周辺領域に較べ輝度が低く撮影される。このように、X線透過画像306上に輝度分布の変化が生じる領域を基準領域とし、予めその周辺領域の座標及び形状情報等を検索領域309として設定し、撮影されたX線透過画像306上の検索領域309を検索し、その領域内の配線パターン304及び補正マーク305等の基準領域を画像処理することで、基準領域の座標の算出が可能となる。
【0018】
なお、本実施例で設定される検索領域309について、例えばQFP303のICリード310等の、銅箔以外の材料で構成される領域についても設定を行うことで、基準領域の座標の算出が可能となる。
【0019】
また、プリント基板301の検索領域309の設定は、プリント基板301の設計データや、予め寸法計測を行って取得したプリント基板301の座標及び形状情報を用いて設定を行うことが可能であり、また、寸法計測を行う際、撮影されたX線透過画像上に領域設定を行うことでも検索領域309の設定が可能である。
【0020】
次に、図4を用いてX線検査装置について、その動作を説明する。
【0021】
図4は、本発明の実施例1におけるX線検査装置のフローチャートを示すものである。
【0022】
図4において、まず、測定対象であるプリント基板上の基準領域となる配線パターンや、補正マーク等の基準領域の座標及び形状抽出を行うため、ステップ401において検索領域を設定し、設定されたプリント基板の検索領域が撮影視野に入るように、ステップ402でプリント基板を移動し、ステップ403において1枚目のX線透過画像を撮影する。次に、検索領域が撮影視野に入るように、ステップ402を用いてプリント基板をX線撮像手段の受光面と平行なXY平面上を移動させ、ステップ403において2枚目のX線透過画像の撮影を行う。次に、ステップ404において2枚目の撮影が完了を確認した後、撮影された1枚目及び2枚目のX線透過画像について、ステップ405においてエッジ抽出、及び、2値化処理等の画像処理を行い、ステップ406において配線パターンや、補正マーク等の基準領域のエッジ部、または、中心のXY座標を算出する。次に、1枚目及び2枚目のX線透過画像から算出した基準領域のXY座標より、ステップ407においてそれぞれの基準領域ごとにX線透過画像上の相対位置から移動距離D2を算出し、2枚目のX線透過画像を撮影する際のプリント基板の移動距離D1と、予め判明している、X線照射手段とX線撮像手段の受光面間距離L2を、それぞれ式3に代入することで、ステップ408において設定された各基準領域の撮影倍率が算出される。次に、ステップ409において各基準領域のXY座標データと、算出された撮影倍率を用いて、線形補間、または、2次スプライン補間、3次スプライン補間等のデータ補間処理を行い、X線透過画像全面のそれぞれの単位画素の撮影倍率を算出する。次に、ステップ410において、寸法計測を行うX線透過画像上の任意の2点間の寸法について、算出されたX線透過画像の撮影倍率データを用いて寸法補正処理を行い、次に、撮影されたX線透過画像と、ステップ410で補正処理された寸法計測結果をステップ411において表示することで、本発明におけるX線検査装置において、高精度な寸法計測が可能となる。
【0023】
次に、図5を用いて、撮影倍率が算出されたX線透過画像を用いた寸法計測の補正方法について説明を行う。
【0024】
測定対象がプリント基板のような湾曲領域を有する場合、湾曲したプリント基板はその表面の位置ごとに受光面からの距離が変化するため、撮影されたプリント基板のX線透過画像それぞれの単位画素ごとに撮影倍率が異なり、プリント基板のX線透過画像上の2点間の寸法を高精度に計測するためには、それら2点を結ぶ直線が通過する単位画素の撮影倍率を算出し寸法補正処理を行う必要がある。
そのため、図4のステップ409において算出された、X線透過画像全面の撮影倍率について、X線透過画像のXY方向のそれぞれの単位画素ごとの撮影倍率がMxyであるとすると、これらのX線透過画像の各画素の撮影倍率Mxyを、倍率補正を行うための倍率補正テーブル501とし、また、撮影されたX線透過画像画素サイズ502は、X線撮像手段の画素サイズに等しいものとすると、指定された寸法計測開始位置503:aの座標(x1,y1)と寸法計測終了位置504:bの座標(x5,y5)間の寸法を計測する場合、2点a,bを結ぶ直線と、X線透過画像画素の境界との交点を、距離計測開始位置503:aに近い順に、交点座標505:(x2,y2)、交点座標506:(x3,y3)、交点座標507:(x4,y4)としてその座標を算出し、(数式4)を用いてX線透過画像の各画素を通過する直線の寸法を算出する。
【数4】

次に、測定対象はそれぞれの単位画素ごとに撮影倍率で拡大され、X線撮像手段の受光面上に像を形成しているため、X線透過画像上で計測された2点間の寸法を撮影倍率で除算することにより、測定対象における2点間距離が求まるので、(数式5)のように、各画素を通過する直線の寸法を、直線が通過する領域の各単位画素の撮影倍率Mxyで除算する。
【数5】

そして、単位画素ごとに補正されたそれらの距離の値を加算することで、撮影倍率Mxyで補正されたa,b間の寸法が算出され、プリント基板のような湾曲領域を有する測定対象についても、撮影倍率により寸法補正することで測定誤差の小さい高精度な寸法計測が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明にかかるX線検査装置及びX線検査方法は、測定対象が湾曲等により測定領域ごとに異なる撮影倍率を有する場合においても、それらの領域の撮影倍率を計測し、撮影されたX線透過画像のそれぞれの単位画素ごとの撮影倍率を算出して、撮影倍率による寸法補正を行うことで、測定誤差の小さい高精度な寸法計測が可能であり、特に実装済みプリント基板の部品実装状態の高精度な検査を行うため、計測される寸法データを補正する方法等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1におけるX線検査装置の全体構成図
【図2】本発明の実施例1におけるX線検査装置の撮像倍率算出方法を説明するための図
【図3】本発明の実施例1におけるX線検査装置の実装済みプリント基板上の基準領域及び検索領域の設定方法を説明するための図
【図4】本発明の実施例1におけるX線検査装置の動作を説明するためのフローチャート
【図5】本発明の実施例1におけるX線検査装置の寸法補正方法を説明するための図
【図6】従来の寸法計測を行うX線検査装置の構成図
【図7】従来の寸法計測を行うX線検査装置の課題を説明するための図
【符号の説明】
【0027】
101 X線光
102 X線照射手段
103 測定対象
104 X線撮像手段
105 移動手段
106 基準領域
107 検索領域設定手段
108 基準領域抽出手段
109 基準領域座標算出手段
110 移動制御手段
111 移動距離算出手段
112 撮影倍率算出手段
113 寸法計測手段
114 画像表示手段
201 X線撮像手段
202 受光面
203 X線照射手段
204 発光点
205 X線光
206 測定対象
207 X線透過画像
208 基準領域
209、210 基準領域画像
301 プリント基板
302 チップ部品
303 QFP
304 配線パターン
305 補正マーク
306 X線透過画像
307 配線パターン画像
308 補正マーク画像
309 検索領域
310 ICリード
401 検索領域設定
402 測定対象移動
403 X線透過画像撮影
404 撮影完了
405 画像処理
406 基準領域座標算出
407 基準領域移動距離算出
408 基準領域撮影倍率算出
409 画像全面撮影倍率算出
410 寸法補正処理
411 計測結果表示
501 倍率補正テーブル
502 X線透過画像画素サイズ
503 寸法計測開始位置
504 寸法計測終了位置
505 交点座標1
506 交点座標2
507 交点座標3
601 X線照射手段
602 X線撮像手段
603 X線光
604 測定対象
605 基準ブロック
606 画像処理手段
607 寸法計測手段
608 画像表示手段
701 X線照射手段
702 X線光
703 測定対象
704 湾曲領域
705 基準ブロック
706 X線撮像手段
707 X線透過画像
708 測定対象画像
709 湾曲領域画像
710 基準ブロック画像



【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を測定対象物に照射するX線照射手段と、
前記X線照射手段から既知の距離を離して、前記測定対象物にX線を照射して該測定対象物の透過X線を撮像する平坦な受光面のX線撮像手段と、
前記測定対象物を前記平坦な受光面のX線撮像手段に対して平行に移動させる移動手段と、
前記移動手段の移動距離と前記受光面のX線撮像手段での前記測定対象物上の基準領域の撮像位置の移動距離を測定する移動距離測定手段と、
前記移動距離測定手段にて測定される測定対象物の移動距離と、前記基準領域の透過画像の撮像位置の移動距離に基づいて前記測定対象物の透過画像の単位画素ごとの撮影倍率を算出する撮影倍率算出手段と、
を備え、
前記算出される単位画素ごとの撮影倍率を用いて前記透過画像の移動距離の距離補正を行い、前記測定対象物上の距離を求めることを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
前記撮影倍率Mは、前記基準領域の移動手段による移動距離をD1、当該距離D1に対応する前記受光面上の基準領域の移動距離をD2とすると、M=D2/D1で表されることを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
【請求項3】
X線を測定対象物に照射するX線照射手段と、
前記X線照射手段から既知の距離を離して、前記測定対象物にX線を照射して該測定対象物の透過X線を撮像する平坦な受光面のX線撮像手段と、
前記前記測定対象物を前記平坦な受光面のX線撮像手段に対して平行に移動させる移動手段と、
前記移動手段の移動距離と前記受光面のX線撮像手段での前記測定対象物の基準領域の撮像位置の移動距離を測定する移動距離測定手段と、
前記移動距離測定手段において測定される測定対象物の移動距離と、前記基準領域の透過画像の撮像位置の移動距離に基づいて前記測定対象物の透過画像の単位画素ごとの撮影倍率を算出する撮影倍率算出手段と、
を備え、
前記測定対象物に前記X線照射源よりX線を照射して前記X線撮像手段にて透過画像を撮像した後、所定の距離を移動し、前記移動手段の基準領域の移動距離と当該基準領域に対する受光面の透過画像の移動距離を測定し、当該それらの移動距離と既知の前記X線照射手段と前記受光面までの距離を用いて、前記受光面上の透過画像の単位画素の撮影倍率を算出し、当該撮影倍率にて前記透過画像の移動距離を補正して前記測定対象物上の2点間の距離を測定することを特徴とするX線検査装置。
【請求項4】
前記撮影倍率算出手段は、計測される測定対象物の基準領域の撮影倍率を補間処理して透過画像全面の単位画素ごとの撮影倍率を算出することを特徴とする請求項1記載のX線検査装置。
【請求項5】
X線を測定対象物に照射して該測定対象物の透過画像を平坦な受光面のX線撮像手段にて撮像し、
前記測定対象物を前記平坦な受光面のX線撮像手段に対して平行に所定の距離を移動して前記測定対象物の透過画像を撮像し、
前記移動手段の移動距離と前記受光面のX線撮像手段での前記測定対象物上の基準領域の撮像位置の移動距離を移動距離測定手段にて測定し、
前記移動距離測定手段にて測定される測定対象物の移動距離と、前記基準領域の透過画像の撮像位置の移動距離を用いて前記測定対象物の透過画像の単位画素ごとの撮影倍率を算出し、前記算出される単位画素ごとの撮影倍率に基づいて前記透過画像の移動距離の距離補正を行い、前記測定対象物上の距離を求めることを特徴とするX線検査方法。
【請求項6】
前記撮影倍率算出手段は、計測される測定対象物の基準領域の撮影倍率を補間処理して透過画像全面の単位画素ごとの撮影倍率を算出することを特徴とする請求項5記載のX線検査方法。
【請求項7】
前記撮影倍率Mは、前記基準領域の移動手段による移動距離をD1、当該距離D1に対応する前記受光面上の基準領域の移動距離をD2とすると、M=D2/D1で表されることを特徴とする請求項5に記載のX線検査方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−258626(P2006−258626A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−76846(P2005−76846)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】