説明

X線検査装置

【課題】小型化を実現することができ、検体の内部に生じた異常の位置だけでなく異常の程度も容易に把握することができるX線検査装置の提供。
【解決手段】X線をハンドレール2に照射するX線発生器1と、X線発生器1に対向して配置され、ハンドレール2を透過したX線を受光するX線受光器6と、X線受光器6に受光されたX線の量を画像として検出するCCDカメラ5及びビデオキャプチャー8と、CCDカメラ5及びビデオキャプチャー8で得られた画像を分析してハンドレール2の異常の有無を検出するパソコン9と、X線発生器1とハンドレール2との間に配置され、X線発生器1から発生したX線の一部を遮蔽する遮蔽体とを備え、遮蔽体は、円筒状に形成され、ハンドレール2に当接して回動するローラ7a,7bから成り、ローラ7a,7bはX線発生器1から発生したX線を透過させるスリット10a,10bを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体にX線を照射することにより、検体を透過したX線の量を分析して検体の内部に生じた異常の有無を検査するX線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、検体の内部に生じた異常の有無を非破壊で検査する装置として、搬送装置、例えばコンベアによって移動する被検査容器、すなわち検体にX線を照射するX線源、すなわちX線発生器と、このX線発生器と対向配置され、検体の透過X線を検出して透過X線データを出力する複数チャンネルの検出素子を配列してなるX線検出器、すなわちX線受光器と、透過X線データからX線像を生成する画像処理部、すなわち画像処理器と、X線像を表示する表示部とを備えたX線異物検査装置において、コンベアの移動速度に基づき検体の位置を計算する手段を備えたX線異物検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、コンベアの移動速度に基づき検体の位置を計算する手段は、操作者がX線発生条件や検体の寸法等の各種パラメータを入力する操作部と、コンベアの進行方向においてX線発生器の前方に配置され、搬送される検体を検出する位置センサと、操作部に入力された各種パラメータや位置センサ等の検出信号に基づき、画像処理器のX線像の生成条件等をそれぞれ制御する統括制御部とを有している。そして、この統括制御部が、コンベアの単位搬送距離と位置センサの検出信号を読み込み、操作部から入力された位置センサからX線発生器に到達するまでの距離及び検体の寸法を通過する時間を算出することにより、正確な検体の認識信号を出力している。これにより、コンベアの移動速度に変動が生じても適正な異物の判定が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−177298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたX線異物検査装置は、上述したようにコンベアの移動速度に変動が生じても適切に対応することができるが、統括制御部が操作部から入力された位置センサからX線発生器に到達するまでの距離を算出するために、コンベアの進行方向においてX線発生器の前方に位置センサを設置する必要があるので、統括制御部及び位置センサによって装置が大型になり、設置作業に多大な負担が生じている。
【0006】
また、上述のX線異物検査装置を使用することによって検体の内部に生じた異常の有無を検査することはできるが、検体の内部に生じた異常の程度、例えば検体の内部における欠損の長さを識別することができない問題がある。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、小型化を実現することができ、検体の内部に生じた異常の位置だけでなく異常の程度も容易に把握することができるX線検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明のX線検査装置は、X線を検体に照射するX線発生器と、このX線発生器に対向して配置され、前記検体を透過したX線を受光するX線受光器と、このX線受光器に受光されたX線の量を画像として検出する画像取得器と、この画像取得器で得られた前記画像を分析して前記検体の異常の有無を検出する画像処理器とを備えたX線検査装置において、前記X線発生器と前記検体との間に配置され、前記X線発生器から発生したX線の一部を遮蔽する遮蔽体を備え、この遮蔽体は、円筒状に形成され、前記検体に当接して回動するローラから成り、このローラは前記X線発生器から発生したX線を透過させるスリットを有することを特徴としている。
【0009】
このように構成した本発明は、X線発生器とX線受光器との間に配置された検体にX線発生器がX線を照射すると、X線は検体を透過してX線受光器に受光される。そして、画像取得器は、X線受光器に受光されたX線の量を画像として検出し、検出した画像を画像処理器に送信する。画像処理器は画像取得器で得られた画像を分析して検体の内部に生じた異常の有無を評価する。ここで、X線が照射された検体のうち異常が生じている部分のX線の受光量は、X線が照射された検体のうち異常が生じていない部分のX線の受光量と異なるので、画像処理器による画像の分析においてX線が照射された検体のうち異常が生じている部分と異常が生じていない部分とを判別することができる。従って、X線発生器及びX線受光器を検体に対して相対的に移動させることにより、検体全体における内部の異常の有無を検査することができる。
【0010】
本発明のX線検査装置は、円筒状に形成された遮蔽体のローラがX線発生器と検体との間に配置されているので、X線発生器から発生したX線の一部が遮蔽体のローラによって遮蔽される。また、ローラはX線発生器から発生したX線を透過させるスリットを有しているので、X線発生器、ローラのスリット、及びX線受光器が一直線上に並んだ場合に、X線発生器から発生したX線はローラのスリットを通過し、さらに検体を透過してX線受光器に受光される。これにより、画像処理器による画像の分析において、X線が照射された検体のうち異常が生じている部分の画像、X線が照射された検体のうち異常が生じていない部分の画像、及びスリット画像が区別される。
【0011】
そして、円筒状に形成された遮蔽体のローラは検体に当接し、検体に沿って回動するので、画像処理器による画像の分析において、画像処理器はX線が照射された検体のうち異常が生じている部分の画像を検出すると共に、スリット画像を周期的に検出する。そのため、検出したスリット画像の周期を基準とすることにより、検体の内部に生じた異常の位置及び異常の程度を容易に把握することができる。また、本発明のX線検査装置は、上述したようにX線発生器と検体との間に遮蔽体のローラを設置するだけで良いので、装置を小型化することができる。
【0012】
また、本発明に係るX線検査装置は、前記発明において、前記X線受光器は、前記検体を透過したX線を受けて蛍光する蛍光体と、この蛍光体によって蛍光された光を反射する反射体とを備え、前記画像取得器は前記反射体に反射された光の量を検出するカメラから成ることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係るX線検査装置は、前記発明において、前記検体は乗客コンベアに備えられるハンドレールから成ることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のX線検査装置は、X線発生器と検体との間に配置され、X線発生器から発生したX線の一部を遮蔽する遮蔽体を備え、この遮蔽体は、円筒状に形成され、検体に当接して回動するローラから成り、このローラはX線発生器から発生したX線を透過させるスリットを有しており、X線発生器及びX線受光器を検体に対して相対的に移動させることによって、検体を透過したX線の量を画像取得器で画像として検出し、この画像を画像処理器で分析して検体の内部に生じた異常の有無を検査する。これにより、画像処理器による画像の分析において、スリット画像を周期的に検出すると共に、X線が照射された検体のうち異常が生じている部分と異常が生じていない部分を判別することができる。従って、検出したスリット画像の周期を基準とすることにより、検体の内部に生じた異常の位置及び異常の程度を容易に把握でき、従来に比べて装置の性能を向上させることができる。また、本発明のX線検査装置は、上述したようにX線発生器と検体との間に遮蔽体のローラを設置するだけで良いので、装置の小型化を実現させることができ、設置作業における作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るX線検査装置の一実施形態の構成を示す図である。
【図2】図1に示すローラを拡大して示す図であり、図1の矢視A方向から見た図である。
【図3】図1に示すパソコンの表示部に表示される抗張体の状態を示す図であり、(a)図はX線発生器、ローラのスリット、及び受光紙が一直線上に並列したときの図、(b)図はローラの位相が(a)図のローラの位相よりもθ(0<θ<π)異なるときの図である。
【図4】図1に示すパソコンの画面に表示される抗張体の状態を示す図であり、(a)図はローラの位相が図3(a)図のローラの位相よりもθ(θ=π)異なるときの図であり、(b)図はローラの位相が図3(a)図のローラの位相よりもθ(π<θ<2π)異なるときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るX線検査装置を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0017】
本発明に係るX線検査装置の一実施形態は、検体として、例えば図1に示すように乗客コンベアに備えられるハンドレール2の内部に生じた異常の有無の検査に適用される。本実施形態は、X線をハンドレール2に照射するX線発生器1と、このX線発生器1に対向して配置され、ハンドレール2を透過したX線を受光するX線受光器6とを備えている。また、本実施形態は、このX線受光器6に受光されたX線の量を画像として検出する画像取得器と、この画像取得器で得られた画像を分析してハンドレール2の異常の有無を検出する画像処理器、例えばパソコン9とを備えている。
【0018】
X線受光器6は、ハンドレール2を透過したX線を受けて蛍光する蛍光体、例えば蛍光紙3と、この蛍光紙3によって蛍光された光を反射する反射体、例えば鏡4とを内部に格納している。また、画像取得器は、鏡4に反射された光の量を検出するカメラ、例えばCCDカメラ5と、このCCDカメラ5で取得した画像をデジタル化してデータをパソコン9へ送信するビデオキャプチャー8とを有している。なお、CCDカメラ5は、蛍光紙3及び鏡4と同様にX線受光器6の内部に格納されている。
【0019】
本実施形態は、X線発生器1とハンドレール2との間に配置され、X線発生器1から発生したX線の一部を遮蔽する遮蔽体を備えている。この遮蔽体は、図1、図2に示すように円筒状に形成され、ハンドレール2に当接して回動するローラ7aから成り、このローラ7aはX線発生器1から発生したX線を透過させるスリット10aを有している。また、本実施形態はローラ7aと同様のローラ7bを備えている。すなわち、本実施形態は、X線発生器1とハンドレール2との間に配置され、X線発生器1から発生したX線の一部を遮蔽する遮蔽体を備え、この遮蔽体は、図1、図2に示すように円筒状に形成され、ハンドレール2に当接して回動するローラ7bから成り、このローラ7bはX線発生器1から発生したX線を透過させるスリット10bを有している。さらに、ハンドレール2は、内部に後述する18本の抗張体を有しており、ローラ7a,7bは、この抗張体の位置に合わせて18本のスリット10a,10bをそれぞれ有している。
【0020】
そして、ローラ7a,7bは、一定の間隔Bを保って配置されており、X線発生器1のX線の発生源に設置されている。具体的には、間隔Bは、ローラ7a,7bの間をX線発生器1から照射したX線が通過し、さらにX線がローラ7a,7bの外側に照射されることを制限するように設定されている。また、ローラ7a,7bの向きは、図2に示すように各スリット10a,10bの位置が同期してローラ7a,7bが回動するように設定されており、ローラ7a,7bの双方の位相が常に揃っている。なお、パソコン9には、ビデオキャプチャー8から送信される画像データを画像として表示する図示しない表示部が設けられている。
【0021】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0022】
本実施形態は、ハンドレール2の内部に生じた異常の有無を検査するとき、X線発生器1及びX線受光器6をハンドレール2の伸長方向へ移動させて行う。そこで、X線発生器1からX線が照射されると、X線がローラ7a,7bの間を通過してハンドレール2を透過する。このとき、X線の一部がローラ7a,7bに遮蔽される。ここで、X線発生器1及びX線受光器6をハンドレール2に対して移動させることによってローラ7a,7bがハンドレール2に沿って回動するので、X線発生器1、ローラ7a,7bの各スリット10a,10b、及び蛍光紙3が一直線上にそれぞれ並んだときに、X線がローラ7a,7bの各スリット10a,10bを通過する。
【0023】
ハンドレール2を透過したX線がX線受光器6の受光紙3に当たると、受光紙3がX線の受光量に応じて蛍光する。そして、受光紙3によって蛍光された光を鏡4でCCDカメラ5へ反射する。CCDカメラ5が鏡4に反射された光の量を検出すると、ビデオキャプチャー8がCCDカメラ5で取得した画像をデジタル化してデータをパソコン9へ送信する。パソコン9が画像データを受信すると、後述するように図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)の順にパソコン9の表示部に画像が表示される。
【0024】
次に、本実施形態に備えられるパソコンによる画像の分析について、図3、図4に基づいて説明する。
【0025】
図3は図1に示すパソコンの表示部に表示される抗張体の状態を示す図であり、(a)図はX線発生器、ローラのスリット、及び受光紙が一直線上に並列したときの図、(b)図はローラの位相が(a)図のローラの位相よりもθ(0<θ<π)異なるときの図、図4は図1に示すパソコンの画面に表示される抗張体の状態を示す図であり、(a)図はローラの位相が図3(a)図のローラの位相よりもθ(θ=π)異なるときの図であり、(b)図はローラの位相が図3(a)図のローラの位相よりもθ(π<θ<2π)異なるときの図である。
【0026】
本実施形態では、ローラ7a,7bがハンドレール2に沿って半回転する毎にX線発生器1、ローラ7a,7bの各スリット10a,10b、及び蛍光紙3が一直線上にそれぞれ並ぶ。ここで、X線発生器1、ローラ7a,7bの各スリット10a,10b、及び蛍光紙3が一直線上にそれぞれ並んだときのローラ7a,7bの位相をθとすると、各ローラ7a,7bがハンドレール2に沿って回動するので、図3、図4に示すようにパソコン9の表示部には、4つの状態の画像が繰り返して表示される。
【0027】
具体的には、θ=0のとき、すなわちX線発生器1、ローラ7a,7bの各スリット10a,10b、及び蛍光紙3が一直線上にそれぞれ並んだときに、図3(a)に示すようにX線がハンドレール2の内部の抗張体を透過したことを示す抗張体画像11、及びX線がローラ7a,7bのスリット10a,10bの双方を通過したことを示すスリット画像12a,12bが表示される。次に、0<θ<πのとき、図3(b)に示すように抗張体を透過したことを示す抗張体画像11、及びローラ7aのスリット10aを通過したことをスリット画像13が表示される。
【0028】
次に、θ=πのとき、すなわちX線発生器1、ローラ7a,7bの各スリット10a,10b、及び蛍光紙3が一直線上にそれぞれ並んだときに、図4(a)に示すようにX線がハンドレール2の内部の抗張体を透過したことを示す抗張体画像11、及びX線がローラ7a,7bのスリット10a,10bの双方を通過したことを示すスリット画像14a,14bが表示される。このとき、抗張体に異常、例えば抗張体が欠損している場合には、X線が抗張体を透過しないので、蛍光紙3によって蛍光される光の量が大きくなる。そのため、抗張体が欠損していることを示す欠損画像15が表示される。次に、π<θ<2πのとき、図4(b)に示すように抗張体を透過したことを示す抗張体画像11、及びローラ7bのスリット10bを通過したことを示すスリット画像16が表示される。このとき、θ=πのときと同様に抗張体が欠損している場合には、抗張体が欠損していることを示す欠損画像17が表示される。
【0029】
このように構成した本実施形態は、X線発生器1によって照射されたX線がハンドレール2の内部を透過し、透過したX線をX線受光器6の蛍光紙3が受光する。そして、蛍光紙3が受光するX線の受光量に応じてパソコン9に表示される画像が異なる。本実施形態は、X線が照射されたハンドレール2の抗張体のうち欠損が生じている部分の受光量は、X線が照射されたハンドレール2の抗張体のうち欠損が生じていない部分の受光量と異なるので、図4に示すようにパソコン9による画像の分析においてX線が照射されたハンドレール2の抗張体のうち欠損が生じている部分と欠損が生じていない部分とを判別することができる。従って、X線発生器1及びX線受光器6をハンドレール2に対して相対的に移動させることにより、ハンドレール2全体における内部の抗張体に生じた欠損の有無を検査することができる。
【0030】
そして、本実施形態は、円筒状に形成された遮蔽体のローラ7a,7bがX線発生器1とハンドレール2との間に配置されているので、X線発生器1から発生したX線の一部が遮蔽体のローラ7a,7bによって遮蔽される。また、ローラ7a,7bはX線発生器1から発生したX線を透過させるスリット10a,10bを有しているので、X線発生器1、ローラ7a,7bのスリット10a,10b、及びX線受光器6が一直線上にそれぞれ並んだ場合、すなわち位相θ=0,πのときに、X線発生器1から発生したX線はローラ7a,7bのスリット10a,10bをそれぞれ通過し、さらにハンドレール2を透過してX線受光器6の蛍光紙3に受光される。これにより、パソコン9による画像の分析において、図3、図4に示すようにハンドレール2の抗張体のうち異常が生じていないことを示す抗張体画像11、ハンドレール2のうち異常が生じていることを示す欠損画像15,17、及びスリット画像12a,12b,13,14a,14b,16が区別されて表示される。
【0031】
さらに、円筒状に形成された遮蔽体のローラ7a,7bはハンドレール2に当接し、ハンドレール2に沿って回動するので、パソコン9による画像の分析において、パソコン9は、図4に示すようにハンドレール2の抗張体のうち欠損が生じていることを示す欠損画像15,17を検出すると共に、図3、図4に示すようにスリット画像12a,12b,13,14a,14b,16を周期的に検出する。そのため、検出したスリット画像12a,12b,13,14a,14b,16の周期を基準とすることにより、ハンドレール2の抗張体の内部に生じた欠損の位置及び欠損の程度を容易に把握することができる。すなわち、ハンドレール2の検査を端から行った場合、図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)の画像において欠損画像15,17及びスリット画像18の数を計測することによってハンドレール2の端から抗張体の欠損の位置を特定することができる。また、図4に示すようにパソコン9の表示部に欠損画像15,17が表示された場合に、スリット画像14a,14b,16の各間隔と欠損の長さを比較することにより、欠損の程度を容易に識別することができる。これにより、装置の性能を向上させることができる。また、本実施形態は、上述したようにX線発生器1とハンドレール2との間に遮蔽体のローラ7a,7bを設置するだけで良いので、装置の小型化を実現させることができ、設置作業における作業者の負担を軽減することができる。
【0032】
なお、本実施形態は、ハンドレール2の内部の抗張体に生じた異常として抗張体に欠損が生じている場合について説明したが、各抗張体が重なり合う等の異常に対しても同様に検査することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 X線発生器
2 ハンドレール(検体)
3 蛍光紙(蛍光体)
4 鏡(反射体)
5 CCDカメラ(画像取得器)
6 X線受光器
7a,7b ローラ(遮蔽体)
8 ビデオキャプチャー(画像取得器)
9 パソコン(画像処理器)
10a,10b スリット
11 抗張体画像
12a,12b,13,14a,14b,16 スリット画像
15,17 欠損画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を検体に照射するX線発生器と、このX線発生器に対向して配置され、前記検体を透過したX線を受光するX線受光器と、このX線受光器に受光されたX線の量を画像として検出する画像取得器と、この画像取得器で得られた前記画像を分析して前記検体の異常の有無を検出する画像処理器とを備えたX線検査装置において、
前記X線発生器と前記検体との間に配置され、前記X線発生器から発生したX線の一部を遮蔽する遮蔽体を備え、この遮蔽体は、円筒状に形成され、前記検体に当接して回動するローラから成り、このローラは前記X線発生器から発生したX線を透過させるスリットを有することを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線検査装置において、
前記X線受光器は、前記検体を透過したX線を受けて蛍光する蛍光体と、この蛍光体によって蛍光された光を反射する反射体とを備え、前記画像取得器は前記反射体に反射された光の量を検出するカメラから成ることを特徴とするX線検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のX線検査装置において、
前記検体は乗客コンベアに備えられるハンドレールから成ることを特徴とするX線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−202995(P2011−202995A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68387(P2010−68387)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】