説明

X線検査装置

【課題】衛生上の問題なく、比重の小さい被検査物でも円滑に通過させながらX線が漏洩することを阻止することができるX線検査装置を提供する。
【解決手段】X線検査室10に通じる搬入側および搬出側の少なくとも一方の搬送径路に、被検査物wが滑走移動する傾斜シュート20を備え、この傾斜シュート20の上方から金属板からなるX線遮蔽体22a,22bを自由揺動可能に垂下し、X線遮蔽体22a,22bが傾斜シュート20に沿って滑走移動する被検査物wによって押し開かれるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や医薬品等の被検査物に異物(金属、石、ガラス、骨、等)が混入しているか否かを検査するX線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるX線検査装置としては、コンベアに載置されてX線検査室を搬送移動する被検査物に上方からX線を照射し、コンベア下方に配備したX線検出器で透過X線を検出するように構成し、X線検査室に通じる搬入口や搬出口には、鉛入りのゴムシートからなる暖簾(ノレン)状のX線遮蔽体を設け、X線が前記搬入口や搬出口を通じて外部に漏洩するのを阻止するようになっている。
【0003】
コンベアによって搬送される被検査物は、搬入口側のX線遮蔽体を押し開いてX線検査室内に搬入されてX線を照射された後、搬出口側のX線遮蔽体を押し開いてX線検査室外に搬出される。このX線遮蔽体として、上述の鉛入りのゴムシートを用いると、例えば生肉などのむき出し食品を被検査物として検査処理する場合に、ゴムシートが直接にその被検査物に触れることで、ゴムシートに含まれる鉛成分が被検査物に付着するといった衛生上の問題が発生するおそれがあり、このことにより検査対象が制約されることになる。
【0004】
これに対して、例えば、特許文献1に開示されているように、金属板からなるX線遮蔽体を搬送方向の前後に自由揺動可能に垂下し、搬送される被検査物によってX線遮蔽体を押し開くように構成したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−127699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、金属板からなるX線遮蔽体は、生もの食品に直接触れても衛生上の問題が発生するようなことは特にはないのであるが、その反面、X線遮蔽体そのものがゴムシートに比べて撓みにくく、かつ、重量が大きくなるために、被検査物がX線遮蔽体を押し開く際に、被検査物に作用する押し開き反力が大きくなってくる。そのため、比重の小さい被検査物や軽量の被検査物などでは、X線遮蔽体を押し開いて円滑に通過することができなくなったり、あるいは被検査物がX線遮蔽体との接触によって変形したりあるいは損傷したりするおそれが高くなるといった課題があった。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、衛生上の問題が無い金属製のX線遮蔽体を用いる一方で、比重が小さい被検査物などでも円滑に通過させつつX線が漏洩することを有効に阻止することができるX線検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0009】
(1)本発明に係るX線検査装置は、X線検査室に通じる搬入側および搬出側の少なくともいずれか一方の搬送径路に被検査物が滑走移動する傾斜シュートを配置すると共に、金属製のX線遮蔽体が前記傾斜シュートの上方から揺動可能に垂下してなり、前記X線遮蔽体は傾斜シュートに沿って滑走移動する被検査物によって押し開かれるようにしたものである。
【0010】
前記傾斜シュートは、前記被検査物を傾斜面に沿って上から下へ滑り落とすものであり、当該傾斜シュートの傾斜角度や長さは、前記被検査物の種類や搬送経路の高さなどに応じて任意に選択すればよい。
【0011】
上方から垂下されるX線遮蔽体は、板状であるのが好ましく、一枚の板状体で構成してもよいし、一枚の板状体に鉛直方向の切込み(スリット)を幅方向に沿って複数形成し、あるいは、複数の短冊状や棒状の部材を幅方向に配列して暖簾状に構成してもよい。このX線遮蔽体の数は任意であり、単数であってもよいし、複数であってもよい。
【0012】
本発明のX線検査装置によると、金属製のX線遮蔽体は、傾斜シュートに沿って滑走移動する被検査物によって押し開かれ、被検査物の通過に伴って元の垂下姿勢に自重で復帰する。この場合、垂下されているX線遮蔽体の下端が、後方上方に揺動するのに対して、被検査物は後方下方に直線移動するので、被検査物によって後方に押し動かされるX線遮蔽体の揺動角度は、被検査物を水平に移動させる場合の揺動角度に比べて小さく、その分、X線遮蔽体から被検査物に作用する押し開き反力が小さくなり、容易にX線遮蔽体を押し開くことができる。
【0013】
(2)本発明のX線検査装置の別の実施態様では、前記傾斜シュートの上方から複数の前記X線遮蔽体を、前記被検査物の搬送方向長さよりも大きい間隔をあけてそれぞれ垂下する。
【0014】
この実施態様によると、複数のX線遮蔽体は、被検査物の搬送方向長さよりも大きい間隔をあけて垂下されているので、搬送方向上流側のX線遮蔽体が被検査物の通過に伴って垂下姿勢に復帰した後に、搬送方向下流側のX線遮蔽体が被検査物で押し開かれることになり、搬送方向上流側および下流側の両方のX線遮蔽体が被検査物によって共に押し開かれていることがなく、上流側または下流側の一方のX線遮蔽体が垂下姿勢に復帰してX線を遮蔽するので、被検査物の通過時におけるX線の漏洩を確実に阻止することができる。
【0015】
(3)本発明のX線検査装置の好ましい実施態様では、搬出側の搬送径路に、前記傾斜シュートを回動可能に配置し、前記傾斜シュートを、前記被検査物を良品として搬送方向下流側へ案内する案内姿勢と、前記被検査物を不良品として搬送方向外へ排出する排出姿勢とに亘って回動させることによって、前記被検査物を良品と不良品とに振分け選別する。
【0016】
この実施態様によると、検査によって異物の混入が検知された不良品は検査後直ちに回動可能な傾斜シュートで振分けられて搬送経路外へ除去され、異物混入のない良品だけが所定の搬送径路で搬出されてゆく。この場合、傾斜シュートが不良品の振分け部材として機能し、振分けアーム、振分け用プッシャーなどの専用の振分け部材が不要となる。
【0017】
(4)本発明のX線検査装置の別の実施態様では、X線検査室の搬入側および搬出側の少なくとも一方には、X線遮蔽ケースを付設し、該X線遮蔽ケース内に、前記傾斜シュートおよび前記X線遮蔽体を設ける。
【0018】
この実施態様によると、例えば、傾斜シュートの角度や長さ、X線遮蔽体の大きさや数などが異なる各種仕様のX線遮蔽ケースをX線検査室に付設することで、各種の被検査物に好適なX線検査装置を構成することができる。
【0019】
(5)本発明のX線検査装置の別の実施態様では、前記傾斜シュートおよびX線遮蔽体を、前記搬入側あるいは前記搬出側のいずれか一方の搬送径路のみに設け、他方の搬送径路を所要長さ以上に亘ってX線遮蔽カバーで覆っている。
【0020】
所要長さは、該所要長さを越えてX線遮蔽カバーが存在しない箇所における漏洩X線の強度が許容値以下まで減衰する長さであるのが好ましい。
【0021】
この実施態様によると、被検査物がX線遮蔽体に触れる機会は搬入時、あるいは、搬出時だけですみ、他物との押圧接触を極力避けたい被検査物のX線検査に好適となる。なお、搬入側と搬出側を共に長いX線遮蔽カバーで覆った搬送径路に構成すると、X線検査装置の全長が長大となり、実用的でない。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明によれば、衛生上の問題がない金属製のX線遮蔽体を用いながら、比重の小さい被検査物などでも円滑に通過させながらX線が漏洩するのを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明に係るX線検査装置の全体斜視図である。
【図2】図2はX線検査装置の全体正面図である。
【図3】図3はX線検査装置の主要構成を示す概略縦断正面図である。
【図4】図4は搬送系の斜視図である。
【図5】図5は搬入側要部の縦断正面図である。
【図6】図6は搬出側要部の縦断正面図である。
【図7】図7は別実施例を示す縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係るX線検査装置の斜視図であり、図2は、その正面図であり、図3は、その主要な構成を示す概略縦断正面図であり、図4は、搬送系の斜視図である。
【0026】
このX線検査装置は、検査装置本体1を備えており、この検査装置本体1の一方の側面が搬入ベルトコンベア2の搬送方向の下流端に臨設されると共に、他方の側面が搬出装置3に接続されている。
【0027】
被検査物wは、搬入ベルトコンベア2によって検査装置本体1内に搬入され、検査装置本体1内部でX線照射による異物検査を受けた後、搬出装置3によって検査装置本体1外に搬出される。検査装置本体1及び搬出装置3は、それぞれジャッキボルト40,41を備えており、高さ調整することができるようになっている。
【0028】
搬出装置3には、検査済みの被検査物wを載置して水平搬送する搬出ベルトコンベア4が装備されるとともに、その搬送径路が金属板からなるX線遮蔽カバー6で覆われている。
【0029】
検査装置本体1は、搬送検査ユニット7と、その上に配備されたX線照射ユニット8と、を備えている。
【0030】
搬送検査ユニット7には、被検査物wを載置してX線照射領域を横切るように水平搬送する検査用コンベア9と、図3に示すように、搬送される被検査物wに上方からX線を照射して検査するX線検査室10とが備えられている。なお、搬送検査ユニット7は、正面のカバー7aを手前に揺動して大きく開放し、ユニット内部の清掃や点検などのメンテナンスを容易に行うことが可能となっている。
【0031】
X線照射ユニット8には、搬送検査ユニット7のX線検査室10に向けてX線を放射するX線ランプ11、および、図示しない各種制御装置が収容されている。なお、X線照射部8の正面には、図1及び図2に示すように、各種設定および表示用のタッチパネル12、電源キースイッチ13、非常停止スイッチ14、X線照射表示灯15、X線照射累積時間計16、等の計器類が備えられている。
【0032】
前記検査用コンベア9は、X線が透過可能な樹脂材などからなる幅広ベルトを3点張りして構成されており、そのベルト巻回ループ内に、ベルト上の被検査物wおよびベルトを透過してきたX線を検知するX線ラインセンサ17がコンベア幅に亘って配備されている。
【0033】
X線検査室10の搬入側には、図5の縦断正面図にも示すように、金属板を箱形に形成してなるX線遮蔽ケース18が付設されており、ケース前面に形成された開口19に搬入コンベア2の後端部が挿入されている。
【0034】
また、X線遮蔽ケース18の内部には、搬入コンベア2によって搬入されてきた被検査物wを後方下方に滑走移動させて検査用コンベア9の前端部に導くよう、ステンレス鋼板などの金属板からなる傾斜シュート20が配置されている。この傾斜シュート20の表面は、被検査物wが円滑に滑走移動するように研磨処理されている。
【0035】
傾斜シュート20による搬送径路の上方のX線遮蔽ケース18の内壁面の搬送方向の上流側および下流側の前後2箇所から、ステンレス鋼板などの薄い金属板からなる一対のX線遮蔽体22a,22bが、水平な軸支点a周りに前後に自由揺動可能に垂下されている。各X線遮蔽体22a,22bは、その下端と傾斜シュート20の傾斜面との間の隙間が可及的に小さくなるように垂下されており、前記隙間からX線が漏洩するのを抑制している。
【0036】
このようにX線検査室10の搬入口には、傾斜した傾斜シュート20及びX線遮蔽体22a,22bが臨むので、X線検査室10からのX線が傾斜シュート20およびX線遮蔽体22a,22bによって遮断されて、X線遮蔽ケース18の開口19から外部に漏洩するのを有効に阻止することができる。
【0037】
X線遮蔽体22a,22bは、図5に示すように、傾斜シュート20の傾斜面に沿って上方から下方へ滑走移動する被検査物wで押し開かれ、被検査物wの通過に伴って元の吊下げ姿勢に自重で復帰するようになっている。この場合、X線遮蔽体22a,22bの下端が後方上方に揺動するのに対して、被検査物wは後方下方に直線移動するので、被検査物wによって後方に押し動かされるX線遮蔽体22a,22bの揺動角度は、被検査物wを水平に移動させる場合の揺動角度に比べて小さく、その分、X線遮蔽体22から被検査物wに作用する押し開き反力が小さいものとなる。これによって、被検査物wが、比重の小さなものなどであっても、X線遮蔽体22a,22bを円滑に押し開いて通過することができる。
【0038】
ここで、搬送方向上流側と下流側それぞれのX線遮蔽体22a,22b間の間隔を被検査物wの搬送方向長さより大きく設定しておくと、搬送方向の上流側のX線遮蔽体22aが被検査物wの通過に伴って垂下姿勢に復帰した後に、搬送方向の下流側のX線遮蔽体22bが被検査物wで押し開かれることになり、両方のX線遮蔽体22a,22bが被検査物wによって共に押し開かれていることがなく、必ず一方のX線遮蔽体22aまたは22bが垂下した径路遮蔽姿勢にあり、被検査物wの通過時におけるX線の漏洩を効果的に阻止することができる。
【0039】
X線検査室10の搬出側には、図6の縦断正面図にも示すように、金属板で箱形に構成したX線遮蔽ケース23が付設されている。このX線遮蔽ケース23には、検査用コンベア9によって搬送されてきた検査済みの被検査物wを、下方へ滑走移動させて搬出ベルトコンベア4に導くように、ステンレス鋼板などの金属板からなる傾斜シュート24が配備されている。この傾斜シュート24の表面は、被検査物wが円滑に滑走移動するように研磨処理されている。
【0040】
また、傾斜シュート24による搬送径路の上方のX線遮蔽ケース23の内壁面からステンレス鋼板などの薄い金属板からなるX線遮蔽体26が、水平な軸支点b周りに前後に自由揺動可能に垂下されている。X線遮蔽体26は、その下端が傾斜シュート24の傾斜面に近接するように垂下されている。
【0041】
このようにX線検査室10の搬出口には、X線遮蔽体26及びX線遮蔽ケース23の内壁が臨むので、X線検査室10からのX線がX線遮蔽体26及びX線遮蔽ケース23の内壁によって遮断され、外部に漏洩するのを有効に阻止することができる。
【0042】
また、X線検査室10から搬出される検査済みの被検査物wは、傾斜シュート24を介して下方の搬出装置3の搬出ベルトコンベア4へ滑走移動させるので、X線検査室10の搬出口と搬出装置3の開口との位置を上下にずらすことができ、X線検査室10の搬出口からのX線が、搬出装置3へ入射するのを抑制することができる。
【0043】
傾斜シュート24は、検査用コンベア9の終端に臨むよう固定配備された前部シュート24aと、搬出ベルトコンベア4に望むよう固定配備された後部シュート24bと、これらの間に位置する中間シュート24cとに3分割されている。中間シュート24cは前後中間の軸支点c周りに天秤状に回動可能に支持されるとともに、図4に示すエアーシリンダ27によって駆動回動されるようになっている。
【0044】
X線遮蔽体26は、傾斜シュート24に沿って滑走移動する被検査物wによって後方に押し開かれ、被検査物wの通過によって元の垂下姿勢に自重で復帰する。この場合も、X線遮蔽体26の下端が後方上方に揺動するのに対して被検査物wは後方下方に移動するので、被検査物wとの当接によって押し動かされるX線遮蔽体26の揺動角度は小さく、X線遮蔽体26から被検査物wに作用する反力が小さいものとなる。
【0045】
中間シュート24cは、異物を含まない良品と異物を含む不良品とを振り分け選別する機能を備えており、通常は前部シュート24aと後部シュート24bとに連なる後ろ下がりの案内姿勢にあって良品を通過させて搬出ベルトコンベア4に案内し、異物の混入が検知された不良品が到来すると前方に回動されて排出姿勢となって、不良品は前方下方に落下排出されて固定配備されている案内シュート28を介して図1に示す排出口29に導かれ、装置外部に設置した容器30に回収されるようになっている。
【0046】
この実施形態によれば、X線検査室10の搬入側には、傾斜シュート20及びX線遮蔽体22を備えるX線遮蔽ケース18が付設される一方、搬出側には、傾斜シュート24及びX線遮蔽体26を備えるX線遮蔽ケース23が付設されるので、X線検査室10からのX線が、傾斜シュート20およびX線遮蔽体22,26等によって遮断されると共に、X線遮蔽体22a,22b,26は、傾斜シュート20,24に沿って滑走移動する被検査物wでそれぞれ押し開かれ、その際に、被検査物wに作用する押し開き反力が小さいものとなるので、衛生上の問題がない金属製のX線遮蔽体22a,22b,26を用いながら、比重の小さい被検査物や軽量の被検査物などでも円滑にX線遮蔽体を通過させることができる。
【0047】
更に、この実施形態によれば、搬出側の傾斜シュート24では、被検査物wの良品、不良品の選別を行うことができ、振分けアーム、振分け用プッシャーなどの専用の振分け部材を設ける必要がない。
【0048】
(実施形態2)
図7は、本発明の他の実施形態の図3に対応する概略縦断正面図である。
【0049】
この実施形態では、搬出装置3のX線遮蔽カバー6を、X線検査室10からの漏洩X線の強度が許容値以下まで減衰する距離以上に長くしたトンネル状搬送径路を備えたものに構成すると共に、検査用コンベア9と搬出ベルトコンベア4とを同レベルで水平に配置して、搬出側に上記した傾斜シュート24およびX線遮蔽体26を設けないようにしている。この場合、両コンベア9,4の間に姿勢の回動変更によって不良品を振り分ける中間コンベア31を配備しておくとよい。
【0050】
(その他の実施形態)
搬出側の搬送径路での良品と不良品の振り分け手段として、スイングアームやプッシャーなどの駆動される専用の振分け部材で不良品を排出口に導くようにしてもよい。
【0051】
X線検査装置本体1は、それ単体で被検査物wを搬送しながらX線検査を行う基本機能を備えているので、例えば、傾斜シュート20,24の角度や長さ、X線遮蔽体22a,22b,26の大きさや数などが異なる各種仕様のX線遮蔽ケース18,23を搬送検査ユニット7の外面に付設することで、各種の被検査物wに好適なX線検査装置を構成することができ、ユーザーの広汎な要望に対応することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 X線検査装置本体
6 X線遮蔽カバー
7 搬送検査ユニット
10 X線検査室
20 傾斜シュート
22a,22b X線遮蔽体
24 傾斜シュート
26 X線遮蔽体
w 被検査物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線検査室に通じる搬入側および搬出側の少なくともいずれか一方の搬送径路に被検査物が滑走移動する傾斜シュートを配置すると共に、金属製のX線遮蔽体が前記傾斜シュートの上方から揺動可能に垂下してなり、前記X線遮蔽体は傾斜シュートに沿って滑走移動する被検査物によって押し開かれるようになっている、ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
前記傾斜シュートの上方から複数の前記X線遮蔽体を、前記被検査物の搬送方向長さよりも大きい間隔をあけてそれぞれ垂下する、
請求項1に記載のX線検査装置。
【請求項3】
搬出側の搬送径路に、前記傾斜シュートを回動可能に配置し、前記傾斜シュートを、前記被検査物を良品として搬送方向下流側へ案内する案内姿勢と、前記被検査物を不良品として搬送方向外へ排出する排出姿勢とに亘って回動させることによって、前記被検査物を良品と不良品とに振分け選別する、
請求項1または2に記載のX線検査装置。
【請求項4】
X線検査室の搬入側および搬出側の少なくとも一方には、X線遮蔽ケースを付設し、該X線遮蔽ケース内に、前記傾斜シュートおよび前記X線遮蔽体を設ける、
請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項5】
前記傾斜シュートおよびX線遮蔽体を、前記搬入側あるいは前記搬出側のいずれか一方の搬送径路のみに設け、他方の搬送径路を所要長さ以上に亘ってX線遮蔽カバーで覆っている、
請求項1ないし4のいずれかに記載のX線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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