X線異物検出装置
【課題】 異物の検出が不要な領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができるX線異物検出装置を提供する。
【解決手段】 X線異物検出装置のコンピュータは、搬送される被検査体を透過したX線量に基づいて生成されたX線画像中の被検査体に対応すると想定される被検査体領域31を被検査体中の容器の影響が強いと想定される容器影響領域31a及び容器影響領域31a以外の非容器影響領域31bに分割するための分割閾値を設定し、画素の濃度分布及び分割閾値に基づいて容器影響領域31a及び非容器影響領域31bを分割し、非容器影響領域31bのみのX線画像に対して異物の有無を判断する。
【解決手段】 X線異物検出装置のコンピュータは、搬送される被検査体を透過したX線量に基づいて生成されたX線画像中の被検査体に対応すると想定される被検査体領域31を被検査体中の容器の影響が強いと想定される容器影響領域31a及び容器影響領域31a以外の非容器影響領域31bに分割するための分割閾値を設定し、画素の濃度分布及び分割閾値に基づいて容器影響領域31a及び非容器影響領域31bを分割し、非容器影響領域31bのみのX線画像に対して異物の有無を判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体を透過したX線量に基づいて生成されたX線画像を処理して被検査体に含まれる異物の有無を検出するX線異物検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、X線異物検出装置として、1次元X線検出器からの各画素情報から、マスキング処理により検査不要領域の画素情報を除外したうえで異物の有無を判定するとともに、そのマスキング処理においては、背景部分を分離したのち画像の周囲から内側に向かって画素を除外すること、および、この除外の際に1次元X線検出器の検出素子の配列方向の除外画素数を、それと直交する方向の除外画素数よりも多く設定しているものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特許第3567120号明細書(第3−4頁、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のX線異物検出装置においては、画像の周囲から内側に向かって画素を除外するときに予め設定された画素数に基づいて除外するので、被検査体が搬送されるときのX線源の光軸(X線の広がりの中心軸)に対する被検査体の通過位置によっては、マスキング処理が正しく行われないという問題があった。
【0005】
例えば、図28に示すように円柱状の容器981と、容器981内に収納された内容物982とから構成された被検査体980が図29に示すように搬送ベルト990上を搬送される場合、X線源911の光軸911A上を被検査体980の中心軸980Aが通過しないので、1次元X線検出器912からの各画素情報に基づいて被検査体980の輪郭形状が図30(a)に示す画像971として得られる。画像971において、異物の検出が不要な領域である被検査体980の容器981の側壁部分981a(図29参照。)の影は、本来、図30(b)にハッチングを付して示す領域971aに対応する。しかしながら、上述した従来のX線異物検出装置においては、画像971の周囲から内側に向かって画素を除外するときに予め設定された画素数に基づいて除外するので、側壁部分981aの影が例えば図30(c)にハッチングを付して示す領域971bとして誤って抽出される可能性があった。
【0006】
また、図28に示すような円柱状の被検査体980が4つ合わさった図31に示すような塊が図32に示すように搬送ベルト990上を搬送される場合、1次元X線検出器912からの各画素情報に基づいて被検査体980の塊の輪郭形状が図33(a)に示す画像971として得られる。画像971において、異物の検出が不要な領域である被検査体980の容器981の側壁部分981a(図31参照。)の影は、本来、図33(b)にハッチングを付して示す領域971aに対応する。しかしながら、上述した従来のX線異物検出装置においては、画像971の周囲から内側に向かって画素を除外するときに予め設定された画素数に基づいて除外するので、側壁部分981aの影が例えば図33(c)にハッチングを付して示す領域971bとして誤って抽出される可能性があった。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、異物の検出が不要な領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができるX線異物検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のX線異物検出装置は、搬送される被検査体を透過したX線量に基づいて生成されたX線画像を処理して前記被検査体に含まれる異物の有無を検出するX線異物検出装置において、前記被検査体中の容器の影響が強いと想定される容器影響領域及び前記容器影響領域以外の非容器影響領域に前記X線画像中の前記被検査体に対応すると想定される被検査体領域を分割するための分割閾値を設定する分割閾値設定手段と、画素の濃度分布及び前記分割閾値設定手段によって設定された前記分割閾値に基づいて前記容器影響領域及び前記非容器影響領域を分割する領域分割手段と、前記非容器影響領域のみの前記X線画像に対して前記異物の有無を判断する異物判断手段とを備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明のX線異物検出装置は、被検査体のX線画像のうち被検査体中の容器の影響が強いと想定される容器影響領域と、容器影響領域以外の非容器影響領域とを画素の濃度分布及び分割閾値に基づいて分割するので、異物の検出が不要な領域である容器影響領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができる。即ち、本発明のX線異物検出装置は、被検査体のX線画像から異物の検出が必要な領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができる。
【0010】
また、本発明のX線異物検出装置の前記領域分割手段は、画素の濃度分布及び前記分割閾値設定手段によって設定された前記分割閾値に基づいて前記容器影響領域の候補である容器影響候補領域を分割し、前記被検査体領域の境界に接した前記容器影響候補領域を前記容器影響領域として分割する構成を有している。
【0011】
この構成により、本発明のX線異物検出装置は、被検査体のX線画像のうち実際には異物に対応する領域が誤って容器影響領域に含まれる可能性を低減することができる。
【0012】
また、本発明のX線異物検出装置は、画像を表示する表示手段と、前記容器影響領域及び前記非容器影響領域の少なくとも一方を前記X線画像に重ねて前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備え、前記分割閾値設定手段は、利用者によって指定された前記分割閾値を設定する構成を有している。
【0013】
この構成により、本発明のX線異物検出装置は、分割閾値によって分割された容器影響領域及び非容器影響領域の少なくとも一方を利用者に見させながら利用者に分割閾値を指定させることができるので、利用者に分割閾値を容易に設定させることができる。
【0014】
また、本発明のX線異物検出装置は、画像を表示する表示手段と、前記非容器影響領域の前記X線画像における前記被検査体の搬送方向上の位置が等しい画素のうち濃度が最大の画素の濃度を前記位置毎に表したグラフを前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えた構成を有している。
【0015】
この構成により、本発明のX線異物検出装置は、非容器影響領域のX線画像に対して異物の有無を判断するための閾値を利用者に容易に設定させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、異物の検出が不要な領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができるX線異物検出装置を提供することができるものである。
【0017】
更に、本発明のX線異物検出装置は、被検査体のX線画像のうち実際には異物に対応する領域が誤って容器影響領域に含まれる可能性を低減することができる。
【0018】
更に、本発明のX線異物検出装置は、分割閾値によって分割された容器影響領域及び非容器影響領域の少なくとも一方を利用者に見させながら利用者に分割閾値を指定させることができるので、利用者に分割閾値を容易に設定させることができる。
【0019】
更に、本発明のX線異物検出装置は、非容器影響領域のX線画像に対して異物の有無を判断するための閾値を利用者に容易に設定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態に係るX線異物検出装置の構成について説明する。
【0022】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るX線異物検出装置10は、搬送ベルト90によって搬送される被検査体80にX線11aを照射するX線源11と、X線源11によって照射されたX線11aを検出する検出素子が搬送ベルト90による被検査体80の搬送方向とは直交する方向に配列されたX線検出器12と、X線検出器12の検出結果に基づいてX線画像30(図3参照。)を生成し、生成したX線画像30を処理して被検査体80に含まれる異物の有無を判断するコンピュータ13と、コンピュータ13による異物の判断結果等を表示する表示手段としてのディスプレイ14と、ディスプレイ14の画面に重ねて配置されて利用者の操作に応じた信号をコンピュータ13に入力するタッチパネル15とを備えている。
【0023】
コンピュータ13は、プログラムが記録された図示していないROM(Read Only Memory)、ROMに記録されたプログラムに基づいて動作する図示していないCPU(Central Processing Unit)、CPUの作業領域である図示していないRAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。
【0024】
本実施の形態に係る被検査体80は、容器81と、容器81内に収納された内容物82とから構成されている。なお、図2に示す容器81の形状は、図4に示すように円柱状である。
【0025】
次に、X線異物検出装置10の動作について説明する。
【0026】
まず、X線画像30中の被検査体80に対応すると想定される被検査体領域31(図5参照。)と被検査体領域31以外の被検査体外領域32とを分割するための閾値である第1分割閾値41(図6参照。)と、被検査体領域31のうち被検査体80中の容器81の影響が強いと想定される容器影響領域31a(図7参照。)と容器影響領域31a以外の非容器影響領域31b(図7参照。)とを分割するための閾値である第2分割閾値42(図6参照。)とを設定する動作について説明する。
【0027】
第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の被検査体80が搬送ベルト90によって搬送されると、X線源11によって被検査体80にX線11aが照射され、X線検出器12の検出結果がコンピュータ13に入力される。
【0028】
コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果が入力されると、図8に示す処理を開始する。なお、第1分割閾値41及び第2分割閾値42は、X線検出器12の検出結果が7ビット(128階調)の場合、図8に示す処理の開始前に初期値として例えば予め“100”に設定されている。
【0029】
即ち、コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果に基づいてX線画像30を生成し(S101)、生成したX線画像30を図3に示すようにディスプレイ14のX線画像表示領域14aに表示させる(S102)。
【0030】
次いで、コンピュータ13は、X線画像30のうち現在の第1分割閾値41以上の濃度である画素の領域を被検査体領域31とし、X線画像30のうち被検査体領域31以外の領域を被検査体外領域32として分割し(S103)、分割した被検査体領域31のうち現在の第2分割閾値42以上の濃度である画素の領域を容器影響領域31aとし、被検査体領域31のうち容器影響領域31a以外の領域を非容器影響領域31bとして分割する(S104)。
【0031】
そして、コンピュータ13は、現在の容器影響領域31a、第1分割閾値41及び第2分割閾値42を図9に示すようにディスプレイ14のX線画像表示領域14aに表示させる(S105)。即ち、コンピュータ13は、現在の容器影響領域31aをX線画像30に重ねてディスプレイ14のX線画像表示領域14aに表示させるとともに、ディスプレイ14の第1分割閾値41用の分割閾値表示領域14bに現在の第1分割閾値41を表示させ、ディスプレイ14の第2分割閾値42用の分割閾値表示領域14cに現在の第2分割閾値42を表示させる。
【0032】
次いで、コンピュータ13は、タッチパネル15のうちディスプレイ14の第1分割閾値41用の分割閾値調整領域14d、14e(図9参照。)に対応する部分が利用者によって触れられたか否かを判断する(S106)。
【0033】
そして、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14d、14eに対応する部分が所定時間内に利用者によって触れられたとS106において判断すると、第1分割閾値41を再設定して(S107)、S103の処理に戻る。即ち、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14dに対応する部分が利用者によって触れられたときには第1分割閾値41を1つ減算した値に再設定し、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14eに対応する部分が利用者によって触れられたときには第1分割閾値41を1つ加算した値に再設定して、S103の処理に戻る。
【0034】
一方、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14d、14eに対応する部分が利用者によって触れられなかったとS106において判断すると、タッチパネル15のうちディスプレイ14の第2分割閾値42用の分割閾値調整領域14f、14g(図9参照。)に対応する部分が利用者によって触れられたか否かを判断する(S108)。
【0035】
そして、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14f、14gに対応する部分が所定時間内に利用者によって触れられたとS108において判断すると、第2分割閾値42を再設定して(S109)、S104の処理に戻る。即ち、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14fに対応する部分が利用者によって触れられたときには第2分割閾値42を1つ減算した値に再設定し、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14gに対応する部分が利用者によって触れられたときには第2分割閾値42を1つ加算した値に再設定して、S104の処理に戻る。
【0036】
一方、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14f、14gに対応する部分が利用者によって触れられなかったとS108において判断すると、所定時間が経過したか否かを判断する(S110)。
【0037】
そして、コンピュータ13は、所定時間が経過していないとS110において判断するとS106の処理に戻り、所定時間が経過したとS110において判断すると図8に示す一連の処理を終了する。
【0038】
次に、被検査体80に含まれる異物の有無を検出する動作について説明する。
【0039】
異物の検出用の被検査体80が搬送ベルト90によって搬送されると、X線源11によって被検査体80にX線11aが照射され、X線検出器12の検出結果がコンピュータ13に入力される。
【0040】
コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果が入力されると、図10に示す処理を開始する。
【0041】
即ち、コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果に基づいてX線画像30を生成し(S121)、生成したX線画像30のうち図8に示す処理によって予め設定されていた第1分割閾値41以上の濃度である画素の領域を被検査体領域31とし、X線画像30のうち被検査体領域31以外の領域を被検査体外領域32として分割し(S122)、分割した被検査体領域31のうち図8に示す処理によって予め設定されていた第2分割閾値42以上の濃度である画素の領域を容器影響領域31aとし、被検査体領域31のうち容器影響領域31a以外の領域を非容器影響領域31bとして分割する(S123)。
【0042】
次いで、コンピュータ13は、S123において分割した非容器影響領域31bのX線画像30に対して画素の濃度と、所定の異物検出閾値51(図11参照。)とに基づいて異物の有無を判断し(S124)、S124における判断の結果をディスプレイ14に表示して(S125)、図10に示す一連の処理を終了する。
【0043】
コンピュータ13は、異物の検出用の新たな被検査体80が搬送ベルト90によって搬送される度に、図10に示す一連の処理を行う。
【0044】
なお、図10に示すS123において分割される容器影響領域31a及び非容器影響領域31bは、例えば被検査体80の容器81の形状が図4に示すように円柱状である場合に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の被検査体80に対して図8に示す処理によって適切な第1分割閾値41及び第2分割閾値42が設定されているとき、異物の検出用の被検査体80がX線源11及びX線検出器12の間を図2に示すように通過した場合に図7に示すようになり、異物の検出用の被検査体80がX線源11及びX線検出器12の間を図12に示すように通過した場合に図13に示すようになる。
【0045】
また、図10に示すS123において分割される容器影響領域31a及び非容器影響領域31bは、例えば被検査体80の容器81の形状が図4に示すように円柱状であって4つの被検査体80が図14に示すように一塊にされている場合に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の4つの被検査体80の塊に対して図8に示す処理によって適切な第1分割閾値41及び第2分割閾値42が設定されているとき、異物の検出用の4つの被検査体80の塊がX線源11及びX線検出器12の間を図15に示すように通過した場合に図16に示すようになる。
【0046】
また、図10に示すS123において分割される容器影響領域31a及び非容器影響領域31bは、例えば被検査体80の容器81の形状が図17に示す形状であって4つの被検査体80が図18に示すように一塊にされている場合に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の4つの被検査体80の塊に対して図8に示す処理によって適切な第1分割閾値41及び第2分割閾値42が設定されているとき、異物の検出用の4つの被検査体80の塊がX線源11及びX線検出器12の間を図19に示すように通過した場合に図20に示すようになる。なお、図17に示す被検査体80には容器81の外部に凹部81aが存在するが、4つの被検査体80の塊の製造方法によっては、4つの被検査体80が図18に示すように一塊にされたときに被検査体80同士の接触部分にある凹部81aには異物が存在する可能性が低い場合がある。コンピュータ13は、異物の検出用の4つの被検査体80の塊のうち被検査体80同士の接触部分にある凹部81aに対応するX線画像30の領域を図20に示すように容器影響領域31aとすることができるので、異物の検出用の4つの被検査体80の塊のうち被検査体80同士の接触部分にある凹部81aに対して異物の有無の検出を行わないようにすることができる。
【0047】
また、図10に示すS123において分割される容器影響領域31a及び非容器影響領域31bは、例えば被検査体80の容器81の形状が図21に示す形状である場合に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の被検査体80に対して図8に示す処理によって適切な第1分割閾値41及び第2分割閾値42が設定されているとき、異物の検出用の被検査体80がX線源11及びX線検出器12の間を図22に示すように通過した場合に図23に示すようになる。
【0048】
以上に説明したように、コンピュータ13は、図8に示すS109において容器影響領域31a及び非容器影響領域31bを分割するための第2分割閾値42を設定するようになっており、分割閾値設定手段を構成している。また、コンピュータ13は、図8に示すS104や図10に示すS123において画素の濃度分布と、第2分割閾値42とに基づいて容器影響領域31a及び非容器影響領域31bを分割するようになっており、領域分割手段を構成している。また、コンピュータ13は、図10に示すS124において非容器影響領域31bのX線画像30に対して異物の有無を判断するようになっており、異物判断手段を構成している。したがって、X線異物検出装置10は、容器影響領域31a及び非容器影響領域31bを画素の濃度分布及び第2分割閾値42に基づいて分割するので、異物の検出が不要な領域である容器影響領域31aを従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができる。即ち、X線異物検出装置10は、被検査体80のX線画像30から異物の検出が必要な非容器影響領域31bを従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができる。
【0049】
なお、コンピュータ13は、各画素と異物検出閾値51とを単純に比較することによって異物の有無を判断するようになっているが、異物の有無をより適切に判断するために、X線画像30に所定のフィルタをかけた後、フィルタをかけたX線画像30に対して所定の閾値に基づいて異物の有無を判断するようになっていても良い。
【0050】
また、コンピュータ13は、図8に示すS105において容器影響領域31aをX線画像30に重ねてディスプレイ14に表示させるようになっており、表示制御手段を構成している。また、コンピュータ13は、図8に示すS109において利用者によって指定された第2分割閾値42を設定するようになっている。したがって、X線異物検出装置10は、第2分割閾値42によって分割された容器影響領域31aを利用者に見させながら利用者に第2分割閾値42を指定させることができるので、利用者に第2分割閾値42を容易に設定させることができる。コンピュータ13は、図8に示すS105において容器影響領域31aをX線画像30に重ねてディスプレイ14に表示させるようになっているが、容器影響領域31aに代えて非容器影響領域31bをX線画像30に重ねてディスプレイ14に表示させるようになっていても良いし、容器影響領域31a及び非容器影響領域31bの両方をX線画像30に重ねてディスプレイ14に表示させるようになっていても良い。
【0051】
なお、コンピュータ13は、非容器影響領域31bのX線画像30における被検査体80の搬送方向上の位置が等しい画素のうち濃度が最大の画素の濃度を被検査体80の搬送方向上の位置毎に表したグラフ、即ち図11に示すようなグラフをディスプレイ14に表示させるようになっていれば、非容器影響領域31bのX線画像30に対して異物の有無を判断するための異物検出閾値51を利用者に容易に設定させることができる。
【0052】
また、コンピュータ13は、図8に示す処理の開始前に第1分割閾値41及び第2分割閾値42が初期値として予め“100”に設定されるようになっているが、X線検出器12の検出結果の入力後、図8に示す処理の開始前に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の少なくとも一方を自動的に設定するようになっていても良い。例えば、コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果が入力されると、第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の被検査体80の図6に示すようなX線画像30における画素の濃度分布に基づいて、最適な第1分割閾値41及び第2分割閾値42を自動的に設定した後、図8に示す処理を開始するようになっていても良い。
【0053】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るX線異物検出装置の構成は、コンピュータ13に記録されたプログラムが異なることを除いて、第1の実施の形態に係るX線異物検出装置10(図1参照。)の構成とほぼ同様であるので、X線異物検出装置10の構成と同一の符号を付して説明する。
【0054】
本実施の形態に係るX線異物検出装置の動作について説明する。
【0055】
まず、第1分割閾値41及び第2分割閾値42を設定する動作について説明する。
【0056】
コンピュータ13は、図24に示すように、図8に示すS101からS103までの処理と同様に、S141からS143までの処理を実行する。次いで、コンピュータ13は、S143において分割した被検査体領域31のうち現在の第2分割閾値42以上の濃度である画素の領域を容器影響領域31aの候補である容器影響候補領域33a(図25参照。)として分割し(S144)、分割した容器影響候補領域33aのうち被検査体領域31の境界に接した領域を図26に示すように容器影響領域31aとし、被検査体領域31のうち容器影響領域31a以外の領域を非容器影響領域31bとして分割する(S145)。そして、コンピュータ13は、図8に示すS105からS110までの処理と同様に、S146からS151までの処理を実行して、図24に示す一連の処理を終了する。
【0057】
次に、被検査体80に含まれる異物の有無を検出する動作について説明する。
【0058】
コンピュータ13は、図27に示すように、図10に示すS121及びS122の処理と同様に、S161及びS162の処理を実行する。次いで、コンピュータ13は、S162において分割した被検査体領域31のうち図24に示す処理によって予め設定されていた第2分割閾値42以上の濃度である画素の領域を容器影響領域31aの候補である容器影響候補領域33aとして分割し(S163)、分割した容器影響候補領域33aのうち被検査体領域31の境界に接した領域を容器影響領域31aとし、被検査体領域31のうち容器影響領域31a以外の領域を非容器影響領域31bとして分割する(S164)。そして、コンピュータ13は、図10に示すS124及びS125の処理と同様に、S165及びS166の処理を実行して、図27に示す一連の処理を終了する。
【0059】
以上に説明したように、本実施の形態に係るX線異物検出装置のコンピュータ13は、画素の濃度分布及び第2分割閾値42に基づいて容器影響候補領域33aを分割し、被検査体領域31の境界に接した容器影響候補領域33aを容器影響領域31aとして分割するようになっている。したがって、本実施の形態に係るX線異物検出装置は、被検査体80のX線画像30のうち実際には異物に対応する領域が誤って容器影響領域31aに含まれる可能性を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明に係るX線異物検出装置は、異物の検出が不要な領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができるという効果を有し、食品等の生産ライン上に設置されるX線異物検出装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るX線異物検出装置のブロック図
【図2】(a)図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図2(a)に示す状況における図2(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図3】図1に示すX線異物検出装置のディスプレイに表示される画像を示す図
【図4】(a)図2に示す被検査体の上面図 (b)図4(a)に示す被検査体の側面図
【図5】図1に示すX線異物検出装置によって生成されたX線画像の被検査体領域及び被検査体外領域を示す図
【図6】図1に示すX線異物検出装置によって生成されたX線画像における画素の濃度分布を示す図
【図7】図1に示すX線異物検出装置によって生成されたX線画像の被検査体領域の容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図8】利用者によって分割閾値が設定されるときの図1に示すX線異物検出装置の動作のフローチャート
【図9】利用者によって分割閾値が設定されるときに図1に示すX線異物検出装置のディスプレイに表示される画像を示す図
【図10】被検査体に含まれる異物の有無を検出するときの図1に示すX線異物検出装置の動作のフローチャート
【図11】図1に示すX線異物検出装置によって分割された非容器影響領域のX線画像における被検査体の搬送方向上の位置が等しい画素のうち濃度が最大の画素の濃度を被検査体の搬送方向における位置毎に表したグラフを示す図
【図12】(a)図2に示す被検査体が図2に示す状況とは異なる状況で搬送されたときの図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図12(a)に示す状況における図12(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図13】図12に示す状況で被検査体が搬送されたときに図1に示すX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図14】(a)図4に示す被検査体の塊の上面図 (b)図14(a)に示す塊の側面図
【図15】(a)図14に示す塊が搬送されたときの図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図15(a)に示す状況における図15(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図16】図15に示す状況で図14に示す塊が搬送されたときに図1に示すX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図17】図4に示す被検査体とは異なる被検査体の外観斜視図
【図18】(a)図17に示す被検査体の塊の上面図 (b)図18(a)に示す塊の側面図
【図19】(a)図18に示す塊が搬送されたときの図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図19(a)に示す状況における図19(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図20】図19に示す状況で図18に示す塊が搬送されたときに図1に示すX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図21】(a)図4に示す被検査体及び図17に示す被検査体とは異なる被検査体の上面図 (b)図21(a)に示す被検査体の側面図
【図22】(a)図21に示す被検査体が搬送されたときの図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図22(a)に示す状況における図22(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図23】図22に示す状況で図21に示す被検査体が搬送されたときに図1に示すX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図24】利用者によって分割閾値が設定されるときの本発明の第2の実施の形態に係るX線異物検出装置の動作のフローチャート
【図25】本発明の第2の実施の形態に係るX線異物検出装置によって分割される容器影響候補領域を示す図
【図26】本発明の第2の実施の形態に係るX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図27】被検査体に含まれる異物の有無を検出するときの本発明の第2の実施の形態に係るX線異物検出装置の動作のフローチャート
【図28】(a)従来のX線異物検出装置によって異物の有無が検出される被検査体の上面図 (b)図28(a)に示す被検査体の側面図
【図29】(a)図28に示す被検査体が搬送されたときの従来のX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図29(a)に示す状況における図29(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図30】(a)図29に示す状況で被検査体が搬送されたときにX線異物検出装置によって生成される被検査体の画像を示す図 (b)図29に示す状況で搬送された被検査体の容器の側壁部分の本来の影を示す図 (c)図29に示すX線異物検出装置によって抽出された被検査体の容器の側壁部分の影を示す図
【図31】(a)図28に示す被検査体の塊の上面図 (b)図31(a)に示す塊の側面図
【図32】(a)図31に示す塊が搬送されたときの従来のX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図32(a)に示す状況における図32(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図33】(a)図32に示す状況で被検査体が搬送されたときにX線異物検出装置によって生成される被検査体の画像を示す図 (b)図32に示す状況で搬送された被検査体の容器の側壁部分の本来の影を示す図 (c)図32に示すX線異物検出装置によって抽出された被検査体の容器の側壁部分の影を示す図
【符号の説明】
【0062】
10 X線異物検出装置
13 コンピュータ(分割閾値設定手段、領域分割手段、異物判断手段、表示制御手段)
14 ディスプレイ(表示手段)
30 X線画像
31 被検査体領域
31a 容器影響領域
31b 非容器影響領域
33a 容器影響候補領域
42 第2分割閾値(分割閾値)
80 被検査体
81 容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体を透過したX線量に基づいて生成されたX線画像を処理して被検査体に含まれる異物の有無を検出するX線異物検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、X線異物検出装置として、1次元X線検出器からの各画素情報から、マスキング処理により検査不要領域の画素情報を除外したうえで異物の有無を判定するとともに、そのマスキング処理においては、背景部分を分離したのち画像の周囲から内側に向かって画素を除外すること、および、この除外の際に1次元X線検出器の検出素子の配列方向の除外画素数を、それと直交する方向の除外画素数よりも多く設定しているものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特許第3567120号明細書(第3−4頁、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のX線異物検出装置においては、画像の周囲から内側に向かって画素を除外するときに予め設定された画素数に基づいて除外するので、被検査体が搬送されるときのX線源の光軸(X線の広がりの中心軸)に対する被検査体の通過位置によっては、マスキング処理が正しく行われないという問題があった。
【0005】
例えば、図28に示すように円柱状の容器981と、容器981内に収納された内容物982とから構成された被検査体980が図29に示すように搬送ベルト990上を搬送される場合、X線源911の光軸911A上を被検査体980の中心軸980Aが通過しないので、1次元X線検出器912からの各画素情報に基づいて被検査体980の輪郭形状が図30(a)に示す画像971として得られる。画像971において、異物の検出が不要な領域である被検査体980の容器981の側壁部分981a(図29参照。)の影は、本来、図30(b)にハッチングを付して示す領域971aに対応する。しかしながら、上述した従来のX線異物検出装置においては、画像971の周囲から内側に向かって画素を除外するときに予め設定された画素数に基づいて除外するので、側壁部分981aの影が例えば図30(c)にハッチングを付して示す領域971bとして誤って抽出される可能性があった。
【0006】
また、図28に示すような円柱状の被検査体980が4つ合わさった図31に示すような塊が図32に示すように搬送ベルト990上を搬送される場合、1次元X線検出器912からの各画素情報に基づいて被検査体980の塊の輪郭形状が図33(a)に示す画像971として得られる。画像971において、異物の検出が不要な領域である被検査体980の容器981の側壁部分981a(図31参照。)の影は、本来、図33(b)にハッチングを付して示す領域971aに対応する。しかしながら、上述した従来のX線異物検出装置においては、画像971の周囲から内側に向かって画素を除外するときに予め設定された画素数に基づいて除外するので、側壁部分981aの影が例えば図33(c)にハッチングを付して示す領域971bとして誤って抽出される可能性があった。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、異物の検出が不要な領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができるX線異物検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のX線異物検出装置は、搬送される被検査体を透過したX線量に基づいて生成されたX線画像を処理して前記被検査体に含まれる異物の有無を検出するX線異物検出装置において、前記被検査体中の容器の影響が強いと想定される容器影響領域及び前記容器影響領域以外の非容器影響領域に前記X線画像中の前記被検査体に対応すると想定される被検査体領域を分割するための分割閾値を設定する分割閾値設定手段と、画素の濃度分布及び前記分割閾値設定手段によって設定された前記分割閾値に基づいて前記容器影響領域及び前記非容器影響領域を分割する領域分割手段と、前記非容器影響領域のみの前記X線画像に対して前記異物の有無を判断する異物判断手段とを備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明のX線異物検出装置は、被検査体のX線画像のうち被検査体中の容器の影響が強いと想定される容器影響領域と、容器影響領域以外の非容器影響領域とを画素の濃度分布及び分割閾値に基づいて分割するので、異物の検出が不要な領域である容器影響領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができる。即ち、本発明のX線異物検出装置は、被検査体のX線画像から異物の検出が必要な領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができる。
【0010】
また、本発明のX線異物検出装置の前記領域分割手段は、画素の濃度分布及び前記分割閾値設定手段によって設定された前記分割閾値に基づいて前記容器影響領域の候補である容器影響候補領域を分割し、前記被検査体領域の境界に接した前記容器影響候補領域を前記容器影響領域として分割する構成を有している。
【0011】
この構成により、本発明のX線異物検出装置は、被検査体のX線画像のうち実際には異物に対応する領域が誤って容器影響領域に含まれる可能性を低減することができる。
【0012】
また、本発明のX線異物検出装置は、画像を表示する表示手段と、前記容器影響領域及び前記非容器影響領域の少なくとも一方を前記X線画像に重ねて前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備え、前記分割閾値設定手段は、利用者によって指定された前記分割閾値を設定する構成を有している。
【0013】
この構成により、本発明のX線異物検出装置は、分割閾値によって分割された容器影響領域及び非容器影響領域の少なくとも一方を利用者に見させながら利用者に分割閾値を指定させることができるので、利用者に分割閾値を容易に設定させることができる。
【0014】
また、本発明のX線異物検出装置は、画像を表示する表示手段と、前記非容器影響領域の前記X線画像における前記被検査体の搬送方向上の位置が等しい画素のうち濃度が最大の画素の濃度を前記位置毎に表したグラフを前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えた構成を有している。
【0015】
この構成により、本発明のX線異物検出装置は、非容器影響領域のX線画像に対して異物の有無を判断するための閾値を利用者に容易に設定させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、異物の検出が不要な領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができるX線異物検出装置を提供することができるものである。
【0017】
更に、本発明のX線異物検出装置は、被検査体のX線画像のうち実際には異物に対応する領域が誤って容器影響領域に含まれる可能性を低減することができる。
【0018】
更に、本発明のX線異物検出装置は、分割閾値によって分割された容器影響領域及び非容器影響領域の少なくとも一方を利用者に見させながら利用者に分割閾値を指定させることができるので、利用者に分割閾値を容易に設定させることができる。
【0019】
更に、本発明のX線異物検出装置は、非容器影響領域のX線画像に対して異物の有無を判断するための閾値を利用者に容易に設定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態に係るX線異物検出装置の構成について説明する。
【0022】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るX線異物検出装置10は、搬送ベルト90によって搬送される被検査体80にX線11aを照射するX線源11と、X線源11によって照射されたX線11aを検出する検出素子が搬送ベルト90による被検査体80の搬送方向とは直交する方向に配列されたX線検出器12と、X線検出器12の検出結果に基づいてX線画像30(図3参照。)を生成し、生成したX線画像30を処理して被検査体80に含まれる異物の有無を判断するコンピュータ13と、コンピュータ13による異物の判断結果等を表示する表示手段としてのディスプレイ14と、ディスプレイ14の画面に重ねて配置されて利用者の操作に応じた信号をコンピュータ13に入力するタッチパネル15とを備えている。
【0023】
コンピュータ13は、プログラムが記録された図示していないROM(Read Only Memory)、ROMに記録されたプログラムに基づいて動作する図示していないCPU(Central Processing Unit)、CPUの作業領域である図示していないRAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。
【0024】
本実施の形態に係る被検査体80は、容器81と、容器81内に収納された内容物82とから構成されている。なお、図2に示す容器81の形状は、図4に示すように円柱状である。
【0025】
次に、X線異物検出装置10の動作について説明する。
【0026】
まず、X線画像30中の被検査体80に対応すると想定される被検査体領域31(図5参照。)と被検査体領域31以外の被検査体外領域32とを分割するための閾値である第1分割閾値41(図6参照。)と、被検査体領域31のうち被検査体80中の容器81の影響が強いと想定される容器影響領域31a(図7参照。)と容器影響領域31a以外の非容器影響領域31b(図7参照。)とを分割するための閾値である第2分割閾値42(図6参照。)とを設定する動作について説明する。
【0027】
第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の被検査体80が搬送ベルト90によって搬送されると、X線源11によって被検査体80にX線11aが照射され、X線検出器12の検出結果がコンピュータ13に入力される。
【0028】
コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果が入力されると、図8に示す処理を開始する。なお、第1分割閾値41及び第2分割閾値42は、X線検出器12の検出結果が7ビット(128階調)の場合、図8に示す処理の開始前に初期値として例えば予め“100”に設定されている。
【0029】
即ち、コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果に基づいてX線画像30を生成し(S101)、生成したX線画像30を図3に示すようにディスプレイ14のX線画像表示領域14aに表示させる(S102)。
【0030】
次いで、コンピュータ13は、X線画像30のうち現在の第1分割閾値41以上の濃度である画素の領域を被検査体領域31とし、X線画像30のうち被検査体領域31以外の領域を被検査体外領域32として分割し(S103)、分割した被検査体領域31のうち現在の第2分割閾値42以上の濃度である画素の領域を容器影響領域31aとし、被検査体領域31のうち容器影響領域31a以外の領域を非容器影響領域31bとして分割する(S104)。
【0031】
そして、コンピュータ13は、現在の容器影響領域31a、第1分割閾値41及び第2分割閾値42を図9に示すようにディスプレイ14のX線画像表示領域14aに表示させる(S105)。即ち、コンピュータ13は、現在の容器影響領域31aをX線画像30に重ねてディスプレイ14のX線画像表示領域14aに表示させるとともに、ディスプレイ14の第1分割閾値41用の分割閾値表示領域14bに現在の第1分割閾値41を表示させ、ディスプレイ14の第2分割閾値42用の分割閾値表示領域14cに現在の第2分割閾値42を表示させる。
【0032】
次いで、コンピュータ13は、タッチパネル15のうちディスプレイ14の第1分割閾値41用の分割閾値調整領域14d、14e(図9参照。)に対応する部分が利用者によって触れられたか否かを判断する(S106)。
【0033】
そして、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14d、14eに対応する部分が所定時間内に利用者によって触れられたとS106において判断すると、第1分割閾値41を再設定して(S107)、S103の処理に戻る。即ち、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14dに対応する部分が利用者によって触れられたときには第1分割閾値41を1つ減算した値に再設定し、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14eに対応する部分が利用者によって触れられたときには第1分割閾値41を1つ加算した値に再設定して、S103の処理に戻る。
【0034】
一方、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14d、14eに対応する部分が利用者によって触れられなかったとS106において判断すると、タッチパネル15のうちディスプレイ14の第2分割閾値42用の分割閾値調整領域14f、14g(図9参照。)に対応する部分が利用者によって触れられたか否かを判断する(S108)。
【0035】
そして、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14f、14gに対応する部分が所定時間内に利用者によって触れられたとS108において判断すると、第2分割閾値42を再設定して(S109)、S104の処理に戻る。即ち、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14fに対応する部分が利用者によって触れられたときには第2分割閾値42を1つ減算した値に再設定し、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14gに対応する部分が利用者によって触れられたときには第2分割閾値42を1つ加算した値に再設定して、S104の処理に戻る。
【0036】
一方、コンピュータ13は、タッチパネル15のうち分割閾値調整領域14f、14gに対応する部分が利用者によって触れられなかったとS108において判断すると、所定時間が経過したか否かを判断する(S110)。
【0037】
そして、コンピュータ13は、所定時間が経過していないとS110において判断するとS106の処理に戻り、所定時間が経過したとS110において判断すると図8に示す一連の処理を終了する。
【0038】
次に、被検査体80に含まれる異物の有無を検出する動作について説明する。
【0039】
異物の検出用の被検査体80が搬送ベルト90によって搬送されると、X線源11によって被検査体80にX線11aが照射され、X線検出器12の検出結果がコンピュータ13に入力される。
【0040】
コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果が入力されると、図10に示す処理を開始する。
【0041】
即ち、コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果に基づいてX線画像30を生成し(S121)、生成したX線画像30のうち図8に示す処理によって予め設定されていた第1分割閾値41以上の濃度である画素の領域を被検査体領域31とし、X線画像30のうち被検査体領域31以外の領域を被検査体外領域32として分割し(S122)、分割した被検査体領域31のうち図8に示す処理によって予め設定されていた第2分割閾値42以上の濃度である画素の領域を容器影響領域31aとし、被検査体領域31のうち容器影響領域31a以外の領域を非容器影響領域31bとして分割する(S123)。
【0042】
次いで、コンピュータ13は、S123において分割した非容器影響領域31bのX線画像30に対して画素の濃度と、所定の異物検出閾値51(図11参照。)とに基づいて異物の有無を判断し(S124)、S124における判断の結果をディスプレイ14に表示して(S125)、図10に示す一連の処理を終了する。
【0043】
コンピュータ13は、異物の検出用の新たな被検査体80が搬送ベルト90によって搬送される度に、図10に示す一連の処理を行う。
【0044】
なお、図10に示すS123において分割される容器影響領域31a及び非容器影響領域31bは、例えば被検査体80の容器81の形状が図4に示すように円柱状である場合に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の被検査体80に対して図8に示す処理によって適切な第1分割閾値41及び第2分割閾値42が設定されているとき、異物の検出用の被検査体80がX線源11及びX線検出器12の間を図2に示すように通過した場合に図7に示すようになり、異物の検出用の被検査体80がX線源11及びX線検出器12の間を図12に示すように通過した場合に図13に示すようになる。
【0045】
また、図10に示すS123において分割される容器影響領域31a及び非容器影響領域31bは、例えば被検査体80の容器81の形状が図4に示すように円柱状であって4つの被検査体80が図14に示すように一塊にされている場合に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の4つの被検査体80の塊に対して図8に示す処理によって適切な第1分割閾値41及び第2分割閾値42が設定されているとき、異物の検出用の4つの被検査体80の塊がX線源11及びX線検出器12の間を図15に示すように通過した場合に図16に示すようになる。
【0046】
また、図10に示すS123において分割される容器影響領域31a及び非容器影響領域31bは、例えば被検査体80の容器81の形状が図17に示す形状であって4つの被検査体80が図18に示すように一塊にされている場合に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の4つの被検査体80の塊に対して図8に示す処理によって適切な第1分割閾値41及び第2分割閾値42が設定されているとき、異物の検出用の4つの被検査体80の塊がX線源11及びX線検出器12の間を図19に示すように通過した場合に図20に示すようになる。なお、図17に示す被検査体80には容器81の外部に凹部81aが存在するが、4つの被検査体80の塊の製造方法によっては、4つの被検査体80が図18に示すように一塊にされたときに被検査体80同士の接触部分にある凹部81aには異物が存在する可能性が低い場合がある。コンピュータ13は、異物の検出用の4つの被検査体80の塊のうち被検査体80同士の接触部分にある凹部81aに対応するX線画像30の領域を図20に示すように容器影響領域31aとすることができるので、異物の検出用の4つの被検査体80の塊のうち被検査体80同士の接触部分にある凹部81aに対して異物の有無の検出を行わないようにすることができる。
【0047】
また、図10に示すS123において分割される容器影響領域31a及び非容器影響領域31bは、例えば被検査体80の容器81の形状が図21に示す形状である場合に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の被検査体80に対して図8に示す処理によって適切な第1分割閾値41及び第2分割閾値42が設定されているとき、異物の検出用の被検査体80がX線源11及びX線検出器12の間を図22に示すように通過した場合に図23に示すようになる。
【0048】
以上に説明したように、コンピュータ13は、図8に示すS109において容器影響領域31a及び非容器影響領域31bを分割するための第2分割閾値42を設定するようになっており、分割閾値設定手段を構成している。また、コンピュータ13は、図8に示すS104や図10に示すS123において画素の濃度分布と、第2分割閾値42とに基づいて容器影響領域31a及び非容器影響領域31bを分割するようになっており、領域分割手段を構成している。また、コンピュータ13は、図10に示すS124において非容器影響領域31bのX線画像30に対して異物の有無を判断するようになっており、異物判断手段を構成している。したがって、X線異物検出装置10は、容器影響領域31a及び非容器影響領域31bを画素の濃度分布及び第2分割閾値42に基づいて分割するので、異物の検出が不要な領域である容器影響領域31aを従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができる。即ち、X線異物検出装置10は、被検査体80のX線画像30から異物の検出が必要な非容器影響領域31bを従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができる。
【0049】
なお、コンピュータ13は、各画素と異物検出閾値51とを単純に比較することによって異物の有無を判断するようになっているが、異物の有無をより適切に判断するために、X線画像30に所定のフィルタをかけた後、フィルタをかけたX線画像30に対して所定の閾値に基づいて異物の有無を判断するようになっていても良い。
【0050】
また、コンピュータ13は、図8に示すS105において容器影響領域31aをX線画像30に重ねてディスプレイ14に表示させるようになっており、表示制御手段を構成している。また、コンピュータ13は、図8に示すS109において利用者によって指定された第2分割閾値42を設定するようになっている。したがって、X線異物検出装置10は、第2分割閾値42によって分割された容器影響領域31aを利用者に見させながら利用者に第2分割閾値42を指定させることができるので、利用者に第2分割閾値42を容易に設定させることができる。コンピュータ13は、図8に示すS105において容器影響領域31aをX線画像30に重ねてディスプレイ14に表示させるようになっているが、容器影響領域31aに代えて非容器影響領域31bをX線画像30に重ねてディスプレイ14に表示させるようになっていても良いし、容器影響領域31a及び非容器影響領域31bの両方をX線画像30に重ねてディスプレイ14に表示させるようになっていても良い。
【0051】
なお、コンピュータ13は、非容器影響領域31bのX線画像30における被検査体80の搬送方向上の位置が等しい画素のうち濃度が最大の画素の濃度を被検査体80の搬送方向上の位置毎に表したグラフ、即ち図11に示すようなグラフをディスプレイ14に表示させるようになっていれば、非容器影響領域31bのX線画像30に対して異物の有無を判断するための異物検出閾値51を利用者に容易に設定させることができる。
【0052】
また、コンピュータ13は、図8に示す処理の開始前に第1分割閾値41及び第2分割閾値42が初期値として予め“100”に設定されるようになっているが、X線検出器12の検出結果の入力後、図8に示す処理の開始前に第1分割閾値41及び第2分割閾値42の少なくとも一方を自動的に設定するようになっていても良い。例えば、コンピュータ13は、X線検出器12の検出結果が入力されると、第1分割閾値41及び第2分割閾値42の設定用の被検査体80の図6に示すようなX線画像30における画素の濃度分布に基づいて、最適な第1分割閾値41及び第2分割閾値42を自動的に設定した後、図8に示す処理を開始するようになっていても良い。
【0053】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るX線異物検出装置の構成は、コンピュータ13に記録されたプログラムが異なることを除いて、第1の実施の形態に係るX線異物検出装置10(図1参照。)の構成とほぼ同様であるので、X線異物検出装置10の構成と同一の符号を付して説明する。
【0054】
本実施の形態に係るX線異物検出装置の動作について説明する。
【0055】
まず、第1分割閾値41及び第2分割閾値42を設定する動作について説明する。
【0056】
コンピュータ13は、図24に示すように、図8に示すS101からS103までの処理と同様に、S141からS143までの処理を実行する。次いで、コンピュータ13は、S143において分割した被検査体領域31のうち現在の第2分割閾値42以上の濃度である画素の領域を容器影響領域31aの候補である容器影響候補領域33a(図25参照。)として分割し(S144)、分割した容器影響候補領域33aのうち被検査体領域31の境界に接した領域を図26に示すように容器影響領域31aとし、被検査体領域31のうち容器影響領域31a以外の領域を非容器影響領域31bとして分割する(S145)。そして、コンピュータ13は、図8に示すS105からS110までの処理と同様に、S146からS151までの処理を実行して、図24に示す一連の処理を終了する。
【0057】
次に、被検査体80に含まれる異物の有無を検出する動作について説明する。
【0058】
コンピュータ13は、図27に示すように、図10に示すS121及びS122の処理と同様に、S161及びS162の処理を実行する。次いで、コンピュータ13は、S162において分割した被検査体領域31のうち図24に示す処理によって予め設定されていた第2分割閾値42以上の濃度である画素の領域を容器影響領域31aの候補である容器影響候補領域33aとして分割し(S163)、分割した容器影響候補領域33aのうち被検査体領域31の境界に接した領域を容器影響領域31aとし、被検査体領域31のうち容器影響領域31a以外の領域を非容器影響領域31bとして分割する(S164)。そして、コンピュータ13は、図10に示すS124及びS125の処理と同様に、S165及びS166の処理を実行して、図27に示す一連の処理を終了する。
【0059】
以上に説明したように、本実施の形態に係るX線異物検出装置のコンピュータ13は、画素の濃度分布及び第2分割閾値42に基づいて容器影響候補領域33aを分割し、被検査体領域31の境界に接した容器影響候補領域33aを容器影響領域31aとして分割するようになっている。したがって、本実施の形態に係るX線異物検出装置は、被検査体80のX線画像30のうち実際には異物に対応する領域が誤って容器影響領域31aに含まれる可能性を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明に係るX線異物検出装置は、異物の検出が不要な領域を従来より適切に抽出することができ、異物の検出の信頼性を従来より向上することができるという効果を有し、食品等の生産ライン上に設置されるX線異物検出装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るX線異物検出装置のブロック図
【図2】(a)図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図2(a)に示す状況における図2(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図3】図1に示すX線異物検出装置のディスプレイに表示される画像を示す図
【図4】(a)図2に示す被検査体の上面図 (b)図4(a)に示す被検査体の側面図
【図5】図1に示すX線異物検出装置によって生成されたX線画像の被検査体領域及び被検査体外領域を示す図
【図6】図1に示すX線異物検出装置によって生成されたX線画像における画素の濃度分布を示す図
【図7】図1に示すX線異物検出装置によって生成されたX線画像の被検査体領域の容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図8】利用者によって分割閾値が設定されるときの図1に示すX線異物検出装置の動作のフローチャート
【図9】利用者によって分割閾値が設定されるときに図1に示すX線異物検出装置のディスプレイに表示される画像を示す図
【図10】被検査体に含まれる異物の有無を検出するときの図1に示すX線異物検出装置の動作のフローチャート
【図11】図1に示すX線異物検出装置によって分割された非容器影響領域のX線画像における被検査体の搬送方向上の位置が等しい画素のうち濃度が最大の画素の濃度を被検査体の搬送方向における位置毎に表したグラフを示す図
【図12】(a)図2に示す被検査体が図2に示す状況とは異なる状況で搬送されたときの図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図12(a)に示す状況における図12(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図13】図12に示す状況で被検査体が搬送されたときに図1に示すX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図14】(a)図4に示す被検査体の塊の上面図 (b)図14(a)に示す塊の側面図
【図15】(a)図14に示す塊が搬送されたときの図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図15(a)に示す状況における図15(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図16】図15に示す状況で図14に示す塊が搬送されたときに図1に示すX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図17】図4に示す被検査体とは異なる被検査体の外観斜視図
【図18】(a)図17に示す被検査体の塊の上面図 (b)図18(a)に示す塊の側面図
【図19】(a)図18に示す塊が搬送されたときの図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図19(a)に示す状況における図19(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図20】図19に示す状況で図18に示す塊が搬送されたときに図1に示すX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図21】(a)図4に示す被検査体及び図17に示す被検査体とは異なる被検査体の上面図 (b)図21(a)に示す被検査体の側面図
【図22】(a)図21に示す被検査体が搬送されたときの図1に示すX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図22(a)に示す状況における図22(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図23】図22に示す状況で図21に示す被検査体が搬送されたときに図1に示すX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図24】利用者によって分割閾値が設定されるときの本発明の第2の実施の形態に係るX線異物検出装置の動作のフローチャート
【図25】本発明の第2の実施の形態に係るX線異物検出装置によって分割される容器影響候補領域を示す図
【図26】本発明の第2の実施の形態に係るX線異物検出装置によって分割される容器影響領域及び非容器影響領域を示す図
【図27】被検査体に含まれる異物の有無を検出するときの本発明の第2の実施の形態に係るX線異物検出装置の動作のフローチャート
【図28】(a)従来のX線異物検出装置によって異物の有無が検出される被検査体の上面図 (b)図28(a)に示す被検査体の側面図
【図29】(a)図28に示す被検査体が搬送されたときの従来のX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図29(a)に示す状況における図29(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図30】(a)図29に示す状況で被検査体が搬送されたときにX線異物検出装置によって生成される被検査体の画像を示す図 (b)図29に示す状況で搬送された被検査体の容器の側壁部分の本来の影を示す図 (c)図29に示すX線異物検出装置によって抽出された被検査体の容器の側壁部分の影を示す図
【図31】(a)図28に示す被検査体の塊の上面図 (b)図31(a)に示す塊の側面図
【図32】(a)図31に示す塊が搬送されたときの従来のX線異物検出装置のX線源及びX線検出器の正面図 (b)図32(a)に示す状況における図32(a)に示すX線源及びX線検出器の側面図
【図33】(a)図32に示す状況で被検査体が搬送されたときにX線異物検出装置によって生成される被検査体の画像を示す図 (b)図32に示す状況で搬送された被検査体の容器の側壁部分の本来の影を示す図 (c)図32に示すX線異物検出装置によって抽出された被検査体の容器の側壁部分の影を示す図
【符号の説明】
【0062】
10 X線異物検出装置
13 コンピュータ(分割閾値設定手段、領域分割手段、異物判断手段、表示制御手段)
14 ディスプレイ(表示手段)
30 X線画像
31 被検査体領域
31a 容器影響領域
31b 非容器影響領域
33a 容器影響候補領域
42 第2分割閾値(分割閾値)
80 被検査体
81 容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される被検査体(80)を透過したX線量に基づいて生成されたX線画像(30)を処理して前記被検査体に含まれる異物の有無を検出するX線異物検出装置(10)において、
前記被検査体中の容器(81)の影響が強いと想定される容器影響領域(31a)及び前記容器影響領域以外の非容器影響領域(31b)に前記X線画像中の前記被検査体に対応すると想定される被検査体領域(31)を分割するための分割閾値(42)を設定する分割閾値設定手段(13)と、画素の濃度分布及び前記分割閾値設定手段によって設定された前記分割閾値に基づいて前記容器影響領域及び前記非容器影響領域を分割する領域分割手段(13)と、前記非容器影響領域のみの前記X線画像に対して前記異物の有無を判断する異物判断手段(13)とを備えたことを特徴とするX線異物検出装置。
【請求項2】
前記領域分割手段(13)は、画素の濃度分布及び前記分割閾値設定手段(13)によって設定された前記分割閾値(42)に基づいて前記容器影響領域(31a)の候補である容器影響候補領域(33a)を分割し、前記被検査体領域(31)の境界に接した前記容器影響候補領域を前記容器影響領域として分割することを特徴とする請求項1に記載のX線異物検出装置(10)。
【請求項3】
画像を表示する表示手段(14)と、前記容器影響領域(31a)及び前記非容器影響領域(31b)の少なくとも一方を前記X線画像(30)に重ねて前記表示手段に表示させる表示制御手段(13)とを備え、
前記分割閾値設定手段(13)は、利用者によって指定された前記分割閾値(42)を設定することを特徴とする請求項1に記載のX線異物検出装置(10)。
【請求項4】
画像を表示する表示手段(14)と、前記非容器影響領域(31b)の前記X線画像(30)における前記被検査体(80)の搬送方向上の位置が等しい画素のうち濃度が最大の画素の濃度を前記位置毎に表したグラフを前記表示手段に表示させる表示制御手段(13)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線異物検出装置(10)。
【請求項1】
搬送される被検査体(80)を透過したX線量に基づいて生成されたX線画像(30)を処理して前記被検査体に含まれる異物の有無を検出するX線異物検出装置(10)において、
前記被検査体中の容器(81)の影響が強いと想定される容器影響領域(31a)及び前記容器影響領域以外の非容器影響領域(31b)に前記X線画像中の前記被検査体に対応すると想定される被検査体領域(31)を分割するための分割閾値(42)を設定する分割閾値設定手段(13)と、画素の濃度分布及び前記分割閾値設定手段によって設定された前記分割閾値に基づいて前記容器影響領域及び前記非容器影響領域を分割する領域分割手段(13)と、前記非容器影響領域のみの前記X線画像に対して前記異物の有無を判断する異物判断手段(13)とを備えたことを特徴とするX線異物検出装置。
【請求項2】
前記領域分割手段(13)は、画素の濃度分布及び前記分割閾値設定手段(13)によって設定された前記分割閾値(42)に基づいて前記容器影響領域(31a)の候補である容器影響候補領域(33a)を分割し、前記被検査体領域(31)の境界に接した前記容器影響候補領域を前記容器影響領域として分割することを特徴とする請求項1に記載のX線異物検出装置(10)。
【請求項3】
画像を表示する表示手段(14)と、前記容器影響領域(31a)及び前記非容器影響領域(31b)の少なくとも一方を前記X線画像(30)に重ねて前記表示手段に表示させる表示制御手段(13)とを備え、
前記分割閾値設定手段(13)は、利用者によって指定された前記分割閾値(42)を設定することを特徴とする請求項1に記載のX線異物検出装置(10)。
【請求項4】
画像を表示する表示手段(14)と、前記非容器影響領域(31b)の前記X線画像(30)における前記被検査体(80)の搬送方向上の位置が等しい画素のうち濃度が最大の画素の濃度を前記位置毎に表したグラフを前記表示手段に表示させる表示制御手段(13)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線異物検出装置(10)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2006−317258(P2006−317258A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139689(P2005−139689)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】
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