説明

X線CT装置

【課題】X線CT装置において、被検体の構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を十分に分離させること。
【解決手段】X線CT装置のX線発生器21は、X線を発生するX線管31と、第1の管電圧と第2の管電圧とをX線管31に印加するために、2つの電圧を出力可能な高電圧電源32aと、2つの電圧の出力を切り替えることで、X線管31に印加する管電圧を第1の管電圧又は第2の管電圧に切り替えるHVSW33a,33bと、スキャン中にHVSW33a,33bによる切り替えのタイミングを制御するコントローラ26と、切り替えのタイミングに応じて、スキャンによって得られるデータが、第1の管電圧によってX線管31から照射されるX線に基づくものであるか、又は、第2の管電圧よってX線管31から照射されるX線に基づくものであるかを判断し、その判断に応じたデータ収集を行なうDAS24と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用X線CT(computed tomography)装置に関するもので、特に、エネルギー分布の異なるX線を切り替えながら行なうデュアルエナジースキャンに使用されるX線CT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
診断用のX線CT装置では、スキャン中に低い管電圧(例えば、80[kV])と高い管電圧(例えば、140[kV])を高速に切り替えるデュアルエナジースキャンを実行し、異なったエネルギー分布をもつX線ビームによるデュアルエナジー画像を取得することができる。X線CT装置を用いて、デュアルエナジースキャンによって得られたデュアルエナジー画像を解析することによって、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を分離しようという試みがある。X線の高電圧電源の出力電圧を切り替える方法としては、管電圧を設定する手段を2つ設け、データ収集装置(DAS:data acquisition system)とタイミングを合わせて低い管電圧と高い管電圧の設定信号を切り替えることで、高電圧電源の出力電圧を変化させる。
【0003】
図13は、従来のX線CT装置におけるX線発生器の構成を示すブロック図である。 図13は、従来のX線CT装置のX線発生器101、コントローラ102、及びDAS103を示す。X線発生器101は、X線管111、管電圧設定器ユニット112(低い管電圧に対応する管電圧設定器112a、及び高い管電圧に対応する管電圧設定器112b)、スイッチ113、及び高電圧電源114を備える。X線管111は、内部が高真空に保持されたインサートバルブ121を有する。X線管111は、インサートバルブ121内に、陽極122と、陰極123とを封入する。X線管111は、二極真空管(又は、図示しないグリッドを備えた三極真空管)を形成する。
【0004】
管電圧設定器112aは、低い管電圧を設定する一方、管電圧設定器112bは、高い管電圧を設定する。管電圧設定器112a,112bの出力は、管電圧設定器112a又は112bを選択可能なスイッチ113を介して高電圧電源114に接続される。高電圧電源114のプラス側出力は、X線管111の陽極122に電気的に接続されると共に、接地される。また、高電圧電源114のマイナス側出力は、X線管111の陰極123に電気的に接続される。
【0005】
コントローラ102は、スイッチ113の切換えを制御してデュアルエナジースキャンを実行させ、管電圧設定器112aによる低い管電圧を高電圧電源114から出力させるか、管電圧設定器112bによる高い管電圧を高電圧電源114から出力させるかを選択する。コントローラ102からの制御信号により、スイッチ113は、選択された管電圧設定信号を高電圧電源114に与える。
【0006】
コントローラ102からの制御信号はDAS103にも送られる。DAS103は、デュアルエナジースキャンによって収集したデータが、低い管電圧のX線照射によるものか、また、高い管電圧のX線照射によるものかを認識する。よって、従来のX線CT装置では、異なったエネルギーにより被検体を透過したX線を検出したデータから、被検体の構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像をある程度分離することができる。
【0007】
また、低い管電圧及び高い管電圧によって得られる各X線画像の濃度を一定にするために、高い管電圧のX線照射時には低い管電圧のX線照射時と比べて管電流を小さくし設定して、各X線照射において照射されるX線の線量を等しくする技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−115272号公報
【特許文献2】特開2007−165081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来技術によるデュアルエナジースキャンでは、管電圧に従って高電圧電源の出力電圧を変化させるため、低い管電圧と高い管電圧との切り替えに時間がかかり、かつ、その変化も連続的なものとなるため、1ビュー毎の管電圧の切り替えではその波形が三角波のようになってしまう。よって、X線ビームのエネルギー分布もそれに応じて連続的に変化するため、デュアルエナジー画像からの目的とする組織の分離が不完全なものになる。
【0010】
本発明は、上述のような事情を考慮してなされたもので、被検体の構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を十分に分離することができるX線CT装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るX線CT装置は、上述した課題を解決するために、X線を発生するX線管と、第1の管電圧と第2の管電圧とを前記X線管に印加するために、2つの電圧を出力可能な電圧出力手段と、スキャン中に前記2つの電圧の出力を切り替えることで、前記X線管に印加する管電圧を前記第1の管電圧又は前記第2の管電圧に交互に切り替える切換手段と、前記切換手段による切り替えのタイミングを制御するタイミング制御手段と、前記タイミングに応じて、前記スキャンによって得られるデータが、前記第1の管電圧によって前記X線管から発生されるX線に基づくものであるか、又は、前記第2の管電圧によって前記X線管から発生されるX線に基づくものであるかを判断し、その判断に応じたデータ収集を行なうデータ収集手段と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るX線CT装置によると、被検体の構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を十分に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態のX線CT装置を示すハードウェア構成図。
【図2】本実施形態のX線CT装置におけるX線発生器の第1の構成例を示すブロック図。
【図3】図2に示すX線発生器の回路例を示す図。
【図4】図3に示すX線発生器の回路の変形例を示す図。
【図5】本実施形態のX線CT装置におけるX線発生器の第2の構成例を示すブロック図。
【図6】本実施形態のX線CT装置におけるX線発生器の第3の構成例を示すブロック図。
【図7】図2,図5,図6に示すHVSWの第1の回路例を示す図。
【図8】図2,図5,図6に示すHVSWの第2の回路例を示す図。
【図9】図2,図5,図6に示すHVSWの第3の回路例を示す図。
【図10】図2,図5,図6に示すHVSWの第4の回路例を示す図。
【図11】図2,図5,図6に示すHVSWの第5の回路例を示す図。
【図12】図11に示す回路例に備える圧電トランスと、その周辺部の構造例を示す図。
【図13】従来のX線CT装置におけるX線発生器の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るX線CT装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0015】
本実施形態のX線CT装置には、X線管とX線検出器とが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転(ROTATE/ROTATE)タイプと、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(STATIONARY/ROTATE)タイプ等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本発明を適用可能である。ここでは、現在、主流を占めている回転/回転タイプとして説明する。
【0016】
また、入射X線を電荷に変換するメカニズムは、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とが主流である。
【0017】
加えて、近年では、X線管とX線検出器との複数のペアを回転リングに搭載したいわゆる多管球型のX線CT装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本実施形態のX線CT装置では、従来からの一管球型のX線CT装置であっても、多管球型のX線CT装置であってもいずれにも適用可能である。ここでは、一管球型のX線CT装置として説明する。
【0018】
図1は、本実施形態のX線CT装置を示すハードウェア構成図である。
図1は、本実施形態のX線CT装置1を示す。X線CT装置1は、大きくは、スキャナ装置11及び画像処理装置12から構成される。X線CT装置1のスキャナ装置11は、通常は検査室に設置され、被検体(人体)Oの撮影部位に関するX線の透過データを生成するために構成される。一方、画像処理装置12は、通常は検査室に隣接する制御室に設置され、透過データを基に投影データを生成して再構成画像の生成・表示を行なうために構成される。
【0019】
X線CT装置1のスキャナ装置11は、X線発生器21、X線検出器22、絞り23、DAS(data acquisition system)24、回転部25、コントローラ26、絞り駆動装置27、回転駆動装置28、天板29、及び天板駆動装置(寝台装置)30を設ける。
【0020】
X線発生器21は、大きくは、X線管31、高電圧電源ユニット32、及びHVSW(high voltage switch)ユニット33(図2に図示)によって構成される。X線管31は、高電圧電源ユニット32から供給された管電圧に応じてX線をX線検出器22に向かって照射する。X線管31から照射されるX線によって、ファンビームX線やコーンビームX線が形成される。高電圧電源ユニット32は、コントローラ26による制御によって、X線の照射に必要な電力をX線管31に供給する。なお、X線発生器21についての具体的な構成については後述する。
【0021】
X線検出器22は、チャンネル方向に複数行、スライス方向(列方向)に1列のX線検出素子を有する1次元アレイ型のX線検出器である。又は、X線検出器22は、マトリクス状、すなわち、チャンネル方向に複数行、スライス方向に複数列のX線検出素子を有する2次元アレイ型のX線検出器22(マルチスライス型検出器ともいう。)である。X線検出器22は、X線発生器21のX線管31から照射され、被検体Oを透過したX線を検出する。
【0022】
絞り23は、絞り駆動装置27によって、X線管31から照射されるX線のスライス方向の照射範囲を調整する。すなわち、絞り駆動装置27によって絞り23の開口を調整することによって、スライス方向のX線照射範囲を変更できる。
【0023】
DAS24は、X線検出器22の各X線検出素子が検出する透過データの信号を増幅してデジタル信号に変換する。DAS24の出力データは、画像処理装置12に供給される。
【0024】
回転部25は、スキャナ装置11の架台(図示しない)に収容され、X線発生器21のX線管31、X線検出器22、絞り23及びDAS24を一体として保持する。回転部25は、X線管31とX線検出器22とを対向させた状態で、X線管31、X線検出器22、絞り23及びDAS24を一体として被検体Oの周りに回転できるように構成されている。
【0025】
コントローラ26は、CPU(central processing unit)、及びメモリによって構成される。コントローラ26は、画像処理装置12から入力された制御信号に基づいて、X線発生器21、DAS24、絞り駆動装置27、回転駆動装置28、及び天板駆動装置30等の制御を行なって、エネルギー分布の異なるX線を切り替えながら行なうデュアルエナジースキャン等のスキャンを実行させる。
【0026】
絞り駆動装置27は、コントローラ26による制御によって、絞り23におけるX線のスライス方向の照射範囲を調整する。
【0027】
回転駆動装置28は、コントローラ26による制御によって、回転部25がその位置関係を維持した状態で空洞部の周りを回転するように回転部25を回転させる。
【0028】
天板29は、被検体Oを載置可能である。
【0029】
天板駆動装置30は、コントローラ26による制御によって、天板29をz軸方向に沿って移動させる。回転部25の中央部分は開口を有し、その開口部の天板29に載置された被検体Oが挿入される。なお、回転部25の回転中心軸と平行な方向をz軸方向、そのz軸方向に直交する平面をx軸方向、y軸方向で定義する。
【0030】
X線CT装置1の画像処理装置12は、コンピュータをベースとして構成されており、病院基幹のLAN(local area network)等のネットワークNと相互通信可能である。画像処理装置12は、図示しないが、CPU、メモリ、HDD(hard disc drive)、入力装置、及び表示装置等の基本的なハードウェアから構成される。
【0031】
画像処理装置12は、スキャナ装置11のDAS24から入力された生データに対して対数変換処理や、感度補正等の補正処理(前処理)を行なって投影データを生成する。また、画像処理装置12は、前処理された投影データに対して散乱線の除去処理を行なう。画像処理装置12は、X線照射範囲内の投影データの値に基づいて散乱線の除去を行なうものであり、散乱線補正を行なう対象の投影データ又はその隣接投影データの値の大きさから推定された散乱線を、対象となる投影データから減じて散乱線補正を行なう。画像処理装置12は、補正された投影データを基に再構成画像を生成する。
【0032】
図2は、本実施形態のX線CT装置1におけるX線発生器21の第1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、X線発生器21のX線管31は、内部が高真空に保持されたX線管外囲器(インサートバルブ)41を有する。インサートバルブ41の素材としては、金属、ガラス、及びセラミック等が挙げられる。X線管31は、インサートバルブ41内に、陽極(アノード)42、及び陰極(カソード)43を封入する。すなわち、X線管31は、二極真空管を形成する。なお、X線管31は、三極真空管を形成してもよい。
【0033】
陰極43に真空中で電流を流すと、陰極43は加熱され、熱電子を放出させる。このとき、陰極43を基準にして陽極42側に正電圧を与えると、陰極43から放出された熱電子は正電荷に引かれ陽極42に向かって飛ぶ。その結果、陰極43から陽極42に向けて電子の流れが生じる。すなわち、陽極42から陰極43に向かって電流が流れることになる。
【0034】
高電圧電源ユニット32は、1つの高電圧電源32aを備える。図2では、高電圧電源32aから、デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧と、高い管電圧とをそれぞれ取り出せる。デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧をVLとし、高い管電圧をVHとすると、高電圧電源32aは、電圧VL,VHをそれぞれ出力可能である。例えば、デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧を80[kV]とし、高い管電圧を140[kV]とすると、高電圧電源32aによって−80[kV]及び−140[kV]がそれぞれ出力される。
【0035】
HVSWユニット33は、2つのHVSW33a,33bを備える。HVSWユニット33の構成、動作については後述する。
【0036】
高電圧電源32aの−80[kV]の出力端子に電気的に接続されるHVSW33aの出力と、−140[kV]の出力端子に電気的に接続されるHVSW33bの出力とが電気的に接続され、この接続点が低い管電圧の出力端子となり、X線管31の陰極43に接続される。高電圧電源32aの他の出力端子は、X線管31の陽極42に電気的に接続されると共に、接地される。図2に示すX線発生器21では、X線管31の陰極43には、高電圧電源32a及びHVSW33a,33bによって、管電圧80[kV]及び140[kV]がそれぞれ印加される。
【0037】
図2に示すX線発生器21に対するコントローラ26の制御信号(切替信号)は、DAS24にも送られる。よって、DAS24は、デュアルエナジースキャンによって収集したデータが、低い管電圧によってX線管31から照射されたX線に基づくものか、また、高い管電圧によってX線管31から照射されたX線に基づくものかを判断可能である。したがって、画像処理装置12では、異なったエネルギーにより被検体Oを透過したX線を検出したデータから、被検体Oの構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像をある程度分離することができる。
【0038】
図3は、図2に示すX線発生器21の回路例を示す図である。
図3に示すように、高電圧電源32aは、高周波交流電圧を発生するインバータ回路(INV)51a,51bと、交流電圧を昇圧する高圧トランス(T)52a,52bと、高圧トランス52aから出力された高周波交流電圧を直流に変換する倍電圧整流回路53a1乃至53a4と、高圧トランス52bから出力された高周波交流電圧を直流に変換する倍電圧整流回路53b1乃至53b3とから構成される。
【0039】
図示しない直流電源からインバータ回路51a,51bに、例えば約500[V]の直流電圧が入力されると、入力された約500[V]の直流電圧は、インバータ回路51a,51bでそれぞれ高周波の交流電圧に変換される。そして、交流電圧は、高圧トランス52a,52bでそれぞれ昇圧される。高圧トランス52a,52bの二次巻線には、一つの巻線当たり約10[kV]の電圧が発生する。高圧トランス52a,52bの二次巻線の交流電圧は、2つのダイオードと2つのコンデンサからなる倍電圧整流回路53a1乃至53a4,53b1乃至53b3により直流電圧に変換され、それぞれが−20[kV]の電圧を出力する。インバータ回路51aに接続された高圧トランス52aには、4つの二次巻線があり、それぞれに倍電圧整流回路53a1乃至53a4が接続されている。また、倍電圧整流回路53a1乃至53a4は直列に接続されているので、倍電圧整流回路53a1乃至53a4で−80[kV]の直流電圧を発生させる。一方、インバータ回路51bの出力電圧を昇圧する高圧トランス52bは、3つの二次巻線があり、それぞれに倍電圧整流回路53b1乃至53b3が接続されている。また、倍電圧整流回路53b1乃至53b3は直列に接続されているので、倍電圧整流回路53b1乃至53b3で−60[kV]の直流電圧を発生させる。
【0040】
インバータ回路51a,51bは同時に動作させるので、機能的には、1つのインバータと考えてもよい。また、高圧トランス52a,52bは、一体化し、1つの一次巻線と、7つの二次巻線を有してもよい。
【0041】
インバータ回路51a側の回路で発生させた−80[kV]の直流電圧と、インバータ回路51b側の回路で発生させた−60[kV]の直流電圧とを基に、倍電圧整流回路53a1乃至53a4,53b1乃至53b3の出力を直列に接続することで、−140[kV]の直流電圧を得ることができる。このように、インバータ回路51a,51bと、高圧トランス52a,52bと、倍電圧整流回路53a1乃至53a4,53b1乃至53b3からなる高電圧電源32からは、−80[kV]と−140[kV]の直流電圧を取り出すことができる。
【0042】
さらに、高電圧電源32aの−80[kV]の出力端子には、HVSW33aが接続され、また、−140[kV]の出力端子には、HVSW33bがそれぞれ接続されている。HVSW33aの他端の端子は、高圧コネクタ61を介してX線管31の陰極43に接続される。また、高電圧電源32aの0[V]の端子は、低圧コネクタ62を介してX線管31の陽極42に接続されると共に、接地される。高圧コネクタ61と低圧コネクタ62の間には、ブリーダ抵抗群63が接続され、ブリーダ抵抗群63は、X線管31に印加される高電圧を分圧し、管電圧信号を取り出す。
【0043】
次に、図3を用いてHVSW33a,33bの構造と動作について説明する。
HVSW33a,33bは、図7乃至図11に図示するIGBT(insulated gate bipolar transistor)、及びIGBT駆動回路等で構成される半導体スイッチが多数直列に接続された構造を有する。そして、多数のIGBTは同時にオン又はオフ動作をするように制御される。この制御によって、−80[kV]又は−140[kV]の高電圧をスイッチングすることができる。X線管31に140[kV]を印加する場合、HVSW33aには、逆方向の電圧が印加されるため逆阻止特性が要求される。通常のIGBTを使用した場合は、逆阻止特性を得るためにダイオードを直列に接続する。逆阻止特性を備えるIGBTを使用する場合は、逆阻止特性を得るためのダイオードは不要である。なお、HVSW33aのスイッチング素子として、IGBTの替わりにMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)を使用することも可能であるが、その場合は、逆阻止特性を得るために必ずダイオードを接続する。
【0044】
HVSW33bは、HVSW33aと同様な構成をしているが、HVSW33aよりも高い電圧をスイッチングする関係上、より多くの素子を直列に接続し、同時にオン、オフ動作をするように制御される。HVSW33bには、逆電圧が印加されることはなく、逆阻止特性は必要ないので、通常のIGBTを使用した場合でもダイオードを直列に入れる必要はない。なお、HVSW33aのスイッチング素子として、IGBTの替わりにMOSFETを使用してもよく、その場合、逆阻止特性を得るためのダイオードは必要ない。
【0045】
なお、インバータ回路51aとインバータ回路51bとを別々に動作させれば、後述する図6に示すX線発生器21と同等の構成となる。
【0046】
図4は、図3に示すX線発生器21の回路の変形例を示す図である。
図4に示すように、高電圧電源32aは、高周波交流電圧を発生するインバータ回路51と、交流電圧を昇圧する高圧トランス52と、高圧トランス52から出力された高周波交流電圧を昇圧しながら直流に変換するコッククロフト・ウォルトン回路54aと、コッククロフト・ウォルトン回路54aに縦続接続されたコッククロフト・ウォルトン回路54bとから構成される。
【0047】
図示しない直流電源からインバータ回路51に入力された約500[V]の直流電圧は、インバータ回路51で高周波の交流電圧に変換され、高圧トランス52で昇圧される。高圧トランス52の二次巻線には、約10[kV]の電圧が発生する。コッククロフト・ウォルトン回路54aは、8個のコンデンサと8個のダイオードで構成され、入力された電圧を8倍に昇圧し、第1の出力端子Taから−80[kV]の高電圧を出力する。コッククロフト・ウォルトン回路54bは、6個のコンデンサと6個のダイオードで構成され、高圧トランス52cの二次巻線電圧を6倍に昇圧し、−60[kV]の電圧を発生する。したがって、コッククロフト・ウォルトン回路54aの出力電圧と合わせ、第2の出力端子Tbからは、−140[kV]の高電圧が出力される。
【0048】
図5は、本実施形態のX線CT装置1におけるX線発生器21の第2の構成例を示すブロック図である。
図5に示すX線発生器21は、図2に示すものと同様に、X線管31、高電圧電源ユニット32、及び2つのHVSW33a,33bを備える。
【0049】
高電圧電源ユニット32は、2つの高電圧電源32b,32cを備える。デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧をVLとし、高い管電圧をVHとすると、高電圧電源32bは、電圧VLを出力可能であり、高電圧電源32cは、電圧VHを出力可能である。例えば、デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧を80[kV]とし、高い管電圧を140[kV]とすると、高電圧電源32bによって−80[kV]が出力され、高電圧電源32b,32cによって−140[kV]が出力される。
【0050】
高電圧電源32bのマイナス側の出力端子に電気的に接続されるHVSW33aの出力と、高電圧電源32cのマイナス側の出力端子に電気的に接続されるHVSW33bの出力とが電気的に接続され、この接続点が出力端子となり、X線管31の陰極43に接続される。高電圧電源32bのプラス側の出力端子は、X線管31の陽極42に電気的に接続されると共に、接地される。高電圧電源32cのプラス側の出力端子は、接地される。図5に示すX線発生器21では、X線管31の陰極43には、高電圧電源32b,32c、及びHVSW33a,33bによって、80[kV]及び140[kV]がそれぞれ印加される。
【0051】
図6は、本実施形態のX線CT装置1におけるX線発生器21の第3の構成例を示すブロック図である。
図6に示すX線発生器21は、図2,図5に示すものと同様に、X線管31、高電圧電源ユニット32、及び2つのHVSW33a,33bを備える。
【0052】
高電圧電源ユニット32は、2つの高電圧電源32b,32dを備える。デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧をVLとし、高い管電圧をVHとすると、高電圧電源32bは、電圧VLを出力可能であり、高電圧電源32dは、電圧VH−VLを出力可能である。例えば、デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧を80[kV]とし、高い管電圧を140[kV]とすると、高電圧電源32bによって−80[kV]が出力され、高電圧電源32b,32dによって−140[kV]が出力される。
【0053】
高電圧電源32bのマイナス側の出力端子及び高電圧電源32dのプラス側の出力端子に電気的に接続されるHVSW33aの出力と、高電圧電源32dのマイナス側の出力端子に電気的に接続されるHVSW33bの出力とが電気的に接続され、この接続点が出力端子となり、X線管31の陰極43に接続される。高電圧電源32bのプラス側の出力端子は、X線管31の陽極42に電気的に接続されると共に、接地される。図6に示すX線発生器21では、X線管31の陰極43には、高電圧電源32b,32d、及びHVSW33a,33bによって、80[kV]及び140[kV]がそれぞれ印加される。
【0054】
図7は、図2,図5,図6に示すHVSW33a,33bの第1の回路例を示す図である。なお、図7では、HVSW33a,33bを構成する多数の半導体スイッチの1つを取り出して説明する。
【0055】
図7に示すように、1つの半導体スイッチは、1つのIGBT71と、IGBT71の駆動回路としてのIGBT駆動回路72とからなる。IGBT駆動回路72は、IGBT駆動部、及びIGBT駆動用電源部によって構成される。前者のIGBT駆動部は、発光ダイオード(LED:light emitting diode)81a、光ファイバ82、フォトダイオード(PD)83、トランジスタ(TR)84、抵抗(R)85、及びドライバIC86を備える。後者のIGBT駆動用電源部は、発光ダイオード81b、光ファイバ82b、太陽電池(SB)87、及びコンデンサ(C)88を備える。
【0056】
IGBT71を駆動する準備として、IGBT駆動回路72のIGBT駆動部の発光ダイオード81bに電流を流し、発光ダイオード81bを発光させる。発光ダイオード81bから出た光は、光ファイバ82bを通って、太陽電池87に到達する。太陽電池87は、光を受けると起電力を発生し、コンデンサ88を充電する。コンデンサ88の電圧は、IGBT駆動部に供給される。
【0057】
コントローラ26による制御の下、図7に示すIGBT駆動回路72を用いてIGBT71をオン状態にする場合、IGBT駆動回路72のIGBT駆動部の発光ダイオード81aに電流を流し、発光ダイオード81aを発光させる。発光ダイオード81aから出た光は、光ファイバ82aを通って、フォトダイオード83に到達する。フォトダイオード83は光を受けると、その陰極から陽極に電流を流す。フォトダイオード83の陽極から流れ出た電流は、トランジスタ84のベースに流れ、トランジスタ84はオフ状態からオン状態に変化する。その結果、トランジスタ84のコレクタ電圧は、“H”から“L”に変化するとトランジスタ84のコレクタは、ドライバIC86の入力に接続されているので、ドライバIC86の入力も“H”から“L”に変化する。その結果、ドライバIC86の出力は“L”から“H”に変わり、IGBT71がオン状態となる。
【0058】
一方、コントローラ26による制御の下、図7に示すIGBT駆動回路72を用いてIGBT71をオフ状態にする場合、IGBT駆動回路72のIGBT駆動部の発光ダイオード81aの電流を遮断する。それによって、発光ダイオード81aの発光が停止するので、トランジスタ84はオフ状態となり、ドライバIC86の入力は“H”、ドライバIC86の出力は“L”に変化する。これによって、IGBT71がオフ状態となる。
【0059】
図8は、図2,図5,図6に示すHVSW33a,33bの第2の回路例を示す図である。なお、図8では、HVSW33a,33bを構成する多数の半導体スイッチの1つを取り出して説明する。
【0060】
図8に示すように、1つの半導体スイッチは、1つのIGBT71と、IGBT71の駆動回路としてのIGBT駆動回路73とからなる。IGBT駆動回路73は、発光ダイオード81、光ファイバ82、抵抗85、太陽電池87、及びコンデンサ88からなる。
【0061】
コントローラ26による制御の下、図8に示すIGBT駆動回路73を用いてIGBT71をオン状態にする場合、IGBT駆動回路73の発光ダイオード81に電流を流し、発光ダイオード81を発光させる。発光ダイオード81から出た光は、光ファイバ82を通って、太陽電池87に到達する。太陽電池87は、光を受けると起電力を発生し、コンデンサ88を充電する。コンデンサ88の電圧は、IGBT71のゲートに供給され、IGBT71はオン状態になる。
【0062】
一方、コントローラ26による制御の下、図8に示すIGBT駆動回路73を用いてIGBT71をオフ状態にする場合、IGBT駆動回路73の発光ダイオード81の電流を遮断し、発光ダイオード81の発光を停止させる。これによって、太陽電池87の起電力はなくなり、コンデンサ88の電荷は、抵抗85を通して放電する。その結果、IGBT71のゲート電圧は0[V]まで低下しIGBT71はオフ状態になる。
【0063】
なお、図8に示す回路は、図7に示す回路に対して回路が簡単で小型にできる利点があるが、図7に示す回路ほどIGBT71を高速にスイッチングできない。
【0064】
図9は、図2,図5,図6に示すHVSW33a,33bの第3の回路例を示す図である。なお、図9では、HVSW33a,33bを構成する多数の半導体スイッチの1つを取り出して説明する。
【0065】
図9に示すように、1つの半導体スイッチは、1つのIGBT71と、IGBT71の駆動回路としてのIGBT駆動回路74とからなる。IGBT駆動回路74は、抵抗85a,85b、及びパルストランス(PT)89からなる。
【0066】
コントローラ26による制御の下、図9に示すIGBT駆動回路74を用いてIGBT71をオン状態にする場合、IGBT駆動回路74のパルストランス89の一次巻線にプラス向きの電圧を印加する。それに応じて、パルストランス89の二次巻線にプラス向きの電圧が発生し、抵抗85bを介してIGBT71のゲートにプラス電圧が加わり、IGBT71はオン状態となる。
【0067】
一方、コントローラ26による制御の下、図9に示すIGBT駆動回路74を用いてIGBT71をオフ状態にする場合、IGBT駆動回路74のパルストランス89の一次巻線にマイナス向きの電圧を印加する。それに応じて、パルストランス89の二次巻線にマイナス向きの電圧が発生し、抵抗85bを介してIGBT71のゲートにマイナス電圧が加わり、IGBT71はオフ状態となる。抵抗85aは、パルストランス89の一次巻線に電圧が加わらない場合、IGBT71のゲート電圧を0[V]に保つ機能を有する。
【0068】
図10は、図2,図5,図6に示すHVSW33a,33bの第4の回路例を示す図である。なお、図10では、HVSW33a,33bを構成する多数の半導体スイッチの1つを取り出して説明する。
【0069】
図10に示すように、1つの半導体スイッチは、1つのIGBT71と、IGBT71の駆動回路としてのIGBT駆動回路75とからなる。IGBT駆動回路75は、抵抗85、コンデンサ88、パルストランス89、及びダイオードブリッジ(D)90からなる。
【0070】
コントローラ26による制御の下、図10に示すIGBT駆動回路75を用いてIGBT71をオン状態にする場合、IGBT駆動回路75のパルストランス89の一次巻線に交流電圧を印加する。それに応じて、パルストランス89の二次巻線には、交流電圧が誘導され、ダイオードブリッジ90によって直流電圧に整流させる。コンデンサ88によって平滑された直流電圧は、IGBT71のゲートに印加され、IGBT71はオン状態となる。
【0071】
一方、コントローラ26による制御の下、図10に示すIGBT駆動回路75を用いてIGBT71をオフ状態にする場合、IGBT駆動回路75のパルストランス89の一次巻線への交流電圧の印加を停止する。それに応じて、パルストランス89の二次電圧は0[V]となり、コンデンサ88に蓄えられた電荷は、抵抗85によって0[V]まで放電され、IGBT71はオフ状態となる。
【0072】
なお、図10に示す回路は、図9に示す回路に対して、パルストランス89の磁気特性上の制約を受けないため、IGBT71のオン時間、オフ時間、及びその比率に対する自由度が高いという利点がある。
【0073】
図11は、図2,図5,図6に示すHVSW33a,33bの第5の回路例を示す図である。なお、図11では、HVSW33a,33bを構成する多数の半導体スイッチの1つを取り出して説明する。
【0074】
図11に示すように、1つの半導体スイッチは、1つのIGBT71と、IGBT71の駆動回路としてのIGBT駆動回路76からなる。IGBT駆動回路76は、抵抗85、コンデンサ88、ダイオードブリッジ90、及び圧電トランス91からなる。
【0075】
コントローラ26による制御の下、図11に示すIGBT駆動回路76を用いてIGBT71をオン状態にする場合、IGBT駆動回路76の圧電トランスの一次端子に交流電圧を印加する。それに応じて、圧電の二次端子には、交流電圧が誘導され、ダイオードブリッジ90によって直流電圧に整流させる。コンデンサ88によって、平滑された直流電圧は、IGBT71のゲートに印加され、IGBT71はオン状態となる。
【0076】
一方、コントローラ26による制御の下、図11に示すIGBT駆動回路76を用いてIGBT71をオフ状態にする場合、IGBT駆動回路76の圧電トランス91の一次端子への交流電圧の印加を停止する。それに応じて、圧電トランス91の二次端子は0[V]となり、コンデンサ88に蓄えられた電荷は、抵抗85によって0[V]まで放電され、IGBT71はオフ状態となる。
【0077】
なお、図11に示す回路は、図9及び図10に示す回路に対し、パルストランス89を使わない分、非常に小型にできる特徴がある。図9及び図10に示す回路では、パルストランス89で高圧部と低圧部の絶縁をする関係上、パルストランス89のコアの開口を大きくしなければならず、小型化が困難である。図9及び図10に示すパルストランス89のコア形状を棒状にすれば、C−C型やC−I型コアのように閉じた磁気回路を有するパルストランス89に対して小型化が可能であるが、高電圧が印加されるパルストランスの二次巻線をコアから絶縁する必要性から、パルストランス89の小型化には限界がある。
【0078】
図11に示す回路のように、圧電トランス91を使用する場合は、IGBT71を駆動する信号や電力を伝達する圧電トランス91そのものが、高耐圧の絶縁材料であるため、大幅な小型化を実現できる。
【0079】
図12は、図11に示す回路例に備える圧電トランス91と、その周辺部の構造例を示す図である。
【0080】
図12に示すように、図11に示す回路例に備える圧電トランス91は、圧電素子(セラミック)91aの両端に電極を形成した構造をとる。圧電トランス91の低圧側配線を介して圧電素子91aに交流電圧が印加されると、圧電素子91aは振動を起こし、その振動が伝達することで、高圧側の電極に交流電圧を誘起する。圧電素子91aの周りは、弾力性のあるシリコンゴム91bで覆われており、圧電素子91aの振動を阻害しないようにする。圧電素子91aを覆うシリコンゴム91bと、IGBT駆動回路76の高圧部及びIGBT71とは、絶縁のためエポキシ樹脂91cで封止される。
【0081】
本実施形態のX線CT装置1によると、X線発生器21に、2つの電圧を出力可能な高電圧電源ユニット32と、2つのHVSW33a,33bとを備えることで、X線管31で発生するX線のエネルギーを高速に切り替えることができるので、被検体Oの構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を十分に分離することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 X線CT装置
11 スキャナ装置
12 画像処理装置
21 X線発生器
24 DAS
31 X線管
32 高電圧電源ユニット
32a,32b,32c,32d 高電圧電源
33 HVSWユニット
33a,33b HVSW
41 インサートバルブ
42 陽極
43 陰極
51 51a,51b インバータ回路
52 52a,52b 高圧トランス
53a1乃至53a4,53b1乃至53b3 倍電圧整流回路
54a,54b コッククロフト・ウォルトン回路
61 高圧コネクタ
62 低圧コネクタ
71 IGBT
72,72,73,74,75,76 IGBT駆動回路
81,81a,81b 発光ダイオード
82,82a,82b 光ファイバ
83 フォトダイオード
84 トランジスタ
85 抵抗
86 ドライバIC
87 太陽電池
88 コンデンサ
89 パルストランス
90 ダイオードブリッジ
91 圧電トランス
91a 圧電素子
91b シリコンゴム
91c エポキシ樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生するX線管と、
第1の管電圧と第2の管電圧とを前記X線管に印加するために、2つの電圧を出力可能な電圧出力手段と、
スキャン中に前記2つの電圧の出力を切り替えることで、前記X線管に印加する管電圧を前記第1の管電圧又は前記第2の管電圧に交互に切り替える切換手段と、
前記切換手段による切り替えのタイミングを制御するタイミング制御手段と、
前記タイミングに応じて、前記スキャンによって得られるデータが、前記第1の管電圧によって前記X線管から発生されるX線に基づくものであるか、又は、前記第2の管電圧によって前記X線管から発生されるX線に基づくものであるかを判断し、その判断に応じたデータ収集を行なうデータ収集手段と、
を有することを特徴とするX線CT装置。
【請求項2】
前記電圧出力手段は、1つの高電圧電源によって構成され、前記高電圧電源は、高圧トランスの二次巻線を複数設け、各二次巻線に整流回路を付加する構成とすることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
【請求項3】
前記電圧出力手段は、1つの高電圧電源によって構成され、前記高電圧電源は、コックコロフト・ウォルトン回路による昇圧途中の端子と、最終段の端子とを用いる構成とすることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
【請求項4】
前記電圧出力手段は、前記第1の管電圧と前記第2の管電圧とをそれぞれ出力可能な2つの高電圧電源によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
【請求項5】
前記電圧出力手段は、前記第1の管電圧を出力可能な第1高電圧電源と、前記第1の管電圧及び前記第2の管電圧の差分電圧を出力可能な第2高電圧電源とによって構成され、前記第1高電圧電源と前記第2高電圧電源とを直列接続することによって、前記X線管に前記第2の管電圧を印加する構成とすることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
【請求項6】
前記切替手段は、複数の半導体スイッチを直列接続し、半導体素子の駆動信号と半導体素子の駆動回路電源を光ファイバで伝送する構成とすることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項7】
前記切替手段は、複数の半導体スイッチを直列接続し、半導体素子の駆動信号を光ファイバで伝送し、かつ、受光した光を太陽電池で電圧に変換することで前記半導体素子を駆動する構成とすることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項8】
前記切替手段は、複数の半導体スイッチを直列接続し、半導体素子の駆動信号をパルストランスで伝送し、前記パルストランスの出力により前記半導体素子を駆動する構成とすることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項9】
前記切替手段は、複数の半導体スイッチを直列接続し、半導体素子の駆動信号をパルストランスで伝送し、前記パルストランスの変調信号を使用して、前記半導体素子の駆動電力と制御タイミングを伝送する構成とすることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項10】
前記切替手段は、複数の半導体スイッチを直列接続し、半導体素子の駆動信号と駆動電力を圧電トランスで伝送する構成とすることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項11】
前記圧電トランスの圧電素子を弾力性のある材料で覆い、高圧部分をエポキシ樹脂で固める場合に前記圧電素子の振動を妨げないように構成することを特徴とする請求項10に記載のX線CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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