説明

X線CT装置

【課題】装置自身により測定した患者の属性を基に、入力された撮影条件が適切であるかどうかを判断し、ヒューマンエラーによる過剰被ばくを防止することが可能となるX線CT装置を提供する。
【解決手段】測定手段、部位特定手段、算出手段、比較手段、及び報知手段を有する。測定手段は寝台に載置された被検体の属性を測定する。部位特定手段は、測定され被検体の属性を基に被検体の撮影部位を特定する。算出手段は、特定された撮影部位を基に被ばく線量を求める。比較手段は、求められた被ばく線量と検査するために入力された撮影条件に基づく被ばく線量とを比較して判断する。報知手段は、比較手段により判断された結果を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被検体を透過したX線を基に被検体の断層像を再構成するX線CT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線撮影において被ばくした組織におけるがん、遺伝性影響の発生リスクに応じて、許容される被ばく線量が撮影部位の種類により異なることがある。
【0003】
許容される被ばく線量を示す実効線量(Sv)は吸収線量とも呼ばれ、次の式で表される。
【0004】
実効線量=すべての組織について総計Σ(組織荷重計数×等価線量)
【0005】
ここで、組織荷重計数は、各組織が受ける吸収線量(Gy)を相対的に表した数値である。国際放射線防護委員会(ICRP)2007勧告による組織荷重計数は、乳房、骨髄(赤色)、結腸、肺が0.12、胃、生殖腺が0.08、甲状腺、食道、肝臓、膀胱が0.04、骨表面、皮膚、脳、唾液腺が0.01、残りの組織・臓器が0.12である。なお、これらの組織荷重計数を各等価線量に乗算し、その総和をとると、実効線量が1.00となる。組織荷重計数においては、それが大きい組織ほど、それが小さい組織に比較して、同じ等価線量であってもがん等の発生リスクが高いといえる。また、等価線量は、吸収線量に放射線荷重計数を乗算した値である。放射線荷重計数とは、放射線の種類により異なる。例えば、X線の放射線荷重計数は“1”である。
【0006】
以上のように、撮影部位(その中に含まれる組織・臓器)に応じて許容される被ばく線量が設定される。
【0007】
前述するICRP勧告を基にして、医療関連行政機関(厚生労働省など)や医療関連団体(各国の医師会など)は、撮影部位、大人・子供、性別、体格、検査手技等毎の線量基準を公式に定めている。
【0008】
各医療機関の医療専門家(放射線科医師など)は、線量基準を事前にX線CT装置に登録する。図4は撮影部位を胸部とした線量基準の一例を示す表である。図4に例示す線量基準では、撮影部位(胸部)及び被検体属性(大人・小児・乳児)毎に、入射表面線量(mGy)が定められている。
【0009】
各医療機関において、検査技師(以下、単に技師という)などのX線CT装置の使用者は、X線撮影を実施する前に、管電圧、管電流、撮影時間、撮影部位、撮影範囲、撮影手技(同一位置を複数回撮影するかなど)の撮影条件を入力するとともに、年齢、性別、体重(体格)などの被検体(患者)属性を入力する。
【0010】
しかし、技師が撮影条件を誤入力することがあり(ヒューマンエラー)、それを防止する手段が設けられている。
【0011】
従来の技術としては、技師により入力された撮影条件に基づく被ばく線量が医療被ばくとして適切でないと判断したときは、撮影条件が適切でないとの注意を促すものがある。
【0012】
この技術は、仮に、技師の知識不足や注意不足等の要因から管電圧、管電流等の撮影条件を誤って入力したとき、撮影条件が適切でないことの注意を促されることで、技師が撮影条件を訂正する機会を得ることにより、過剰被ばくを防止することが可能となる。
【0013】
また、従来の技術としては、許容される被ばく線量が、体格、性別、年齢などの被検体の属性により異なるため、X線撮影に先立ち入力されるこれらの患者情報をもとに被ばく線量が適切であるかどうかの注意を促すものもある。
【0014】
図5は撮影条件の入力から注意を促すまでの一連の処理を示すフローチャートである。図5に示すように、X線撮影に先立ち、技師により撮影条件が入力される(ステップS101)。続いて、技師により被検体の属性が入力される(ステップS102)。続いて、線量基準が読み出される(ステップS103)。次に、X線CT装置は、技師により入力された撮影条件及び被検体の属性を基に求められた被ばく線量と、線量基準とを比較して、被ばく線量が適切であるかどうかを判断する(ステップS104)。そして、たとえば被ばく線量が基準線量を超えるような過剰被ばくのとき(ステップS104:Yes)、撮影条件が適切でないとの注意を促す(ステップS105)。
【0015】
なお、撮影条件を基に被ばく線量を求める一般的な方法の一例として、撮影部位、X線管の管電圧、管電流、検出器モード、ヘリカルピッチ、及び撮影範囲を基に被ばく線量を求めるものがある。また、X線管の管電圧、コリメータのブレード位置、照射面積、管電流及びX線照射時間を基に被ばく線量を求めるものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2005−185648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、これらの従来の技術では、技師の知識不足、注意不足等の要因から、切な撮影条件が入力されないとき(ヒューマンエラー)、それによる過剰被ばくの発生を防止するための注意を促されない場合もあり、撮影条件を訂正する機会が失われ、過剰被ばくが発生する可能性があるという問題点があった。
【0018】
この実施形態は、上記の問題を解決するものであり、装置自身により測定した患者の属性を基に、入力された撮影条件が適切であるかどうかを判断し、ヒューマンエラーによる過剰被ばくを防止することが可能となるX線CT装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために、実施形態のX線CT装置は、測定手段、部位特定手段、算出手段、比較手段、及び報知手段を有する。測定手段は寝台に載置された被検体の属性を測定する。部位特定手段は、測定され被検体の属性を基に被検体の撮影部位を特定する。算出手段は、特定された撮影部位を基に被ばく線量を求める。比較手段は、求められた被ばく線量と検査するために入力された撮影条件に基づく被ばく線量とを比較して判断する。報知手段は、比較手段により判断された結果を報知する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施形態に係るX線CT装置の構成を示すブロック図である。
【図2】被検体の体重及び体径と撮影部位との対応関係を示す図である。
【図3】撮影条件の入力から注意を促すまでの一連の処理を示すフローチャートである。
【図4】撮影部位及び被検体属性と線量基準との対応関係の一例を示すテーブルである。
【図5】撮影条件の入力から注意を促すまでの一連の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
X線CT装置の実施形態について各図を参照して説明する。
【0022】
図1はX線CT装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、X線CT装置は、寝台1、X線管2、X線検出器3、データ収集手段4、及びコンソール5を有する。コンソール5は、データ処理手段6及び表示部7を有する。
【0023】
寝台1は、被検体Pを載置する天板1aと、天板1aを被検体の体軸方向に移動させることにより撮影位置調整及びヘリカルスキャンを可能とする天板駆動手段(図示省略)と、体重計8とを有している。
【0024】
X線管2とX線検出器3は、天板1aに載置された被検体Pを挟んで対向配置されて一体となって回転するように回転体(図示省略)に設けられている。高電圧発生手段2aはコンソール5からの制御情報(後述する)を受けて、高電圧をX線管2に印加する。X線管2は、管電圧及び管電流等に応じたエネルギーのX線ファンビームを被検体Pに向かって放射する。X線検出器3は、複数のX線検出素子(図示省略)が回転方向及び体軸方向の各方向に2次元配置されるX線検出素子アレイにより構成されている。
【0025】
データ収集手段4は、被検体Pを透過したX線の検出信号を読み出し、ディジタルデータに変換してデータ処理手段6に送る。
【0026】
データ処理手段6は、データ収集手段4から送られてくるディジタルデータに対し、各種の処理を施して投影データとする前処理部、投影データについて再構成処理を施して被検体Pの断層画像となる画像データを生成する再構成処理部、生成された画像データを記憶する記憶部、及び画像データに基づいて各種の画像データに変換する画像処理部を有する。
【0027】
表示部7は、画像処理部にて生成された断層画像データを読み込むとともに、モニタの表示画面(図示省略)に断層画像を表示する。
【0028】
以上のX線CT装置の構成により、X線管2から照射され、被検体Pを透過したX線を基に被検体Pの断層画像を取得することが可能となる(本スキャン)。
【0029】
本スキャンの前に、被検体Pの位置合わせ及び撮影範囲の設定等を行うためにプレスキャンが行われる。プレスキャンの一例としては、被検体Pの正面及び側面をX線透視することにより正面透視画像及び側面透視画像を取得する。取得された正面透視画像及び側面透視画像は、データ処理手段6の記憶部に記憶される。正面透視画像及び側面透視画像をスキャノ像という場合がある。
【0030】
天板1aに載置された被検体Pの体重を測定する手段の一例としては、特開2010−17457号公報に記載されている技術を用いればよい。すなわち、寝台1に設けられた体重計8により、天板1aに被検体Pが載置されている状態の荷重と、天板1aに被検体Pが載せられていない状態の荷重とを測定し、その荷重差から被検体Pの体重を求める。
【0031】
コンソール5は、体径測定手段9、部位特定手段10、撮影部位テーブル11、算出手段12、比較手段13、入力手段14、受付手段15、撮影制御手段16、及びスキャノ像撮影制御手段17を有している。
【0032】
体径測定手段9は、データ処理手段6の記憶部から読み出された正面透視画像を基に、被検体Pを正面から見たときの体径を測定する。
【0033】
部位特定手段10は、体重計8により測定された被検体Pの体重、及び、体径測定手段9により測定された被検体Pの体径を受けて、撮影部位テーブル11を参照して、撮影部位を特定する。
【0034】
図2は、被検体Pの体重を横座標、被検体Pの体径を縦座標として、被検体Pの体重及び体径と撮影部位との対応関係を示す図である。
【0035】
部位特定手段10がどのようにして撮影部位を特定するのかを図2を参照して説明する。例えば、被検体Pの体重が20[kg]、体径が11のとき、頭部相当を特定する。同様にして、被検体Pの体重が50[kg]、体径が26のとき、胸腹部相当を特定する。また、被検体Pの体重が65[kg]、体径が21のとき、頭部相当を特定する。さらに、被検体Pの体重が90[kg]、体径が36のとき、胸腹部相当を特定する。
【0036】
以上のように、被検体Pの体重及び体径が頭部相当領域と胸腹部相当領域との境界近傍にないとき、部位特定手段10は頭部相当または胸腹部相当のいずれかを特定することが可能である。しかし、例えば、被検体Pの体重が85[kg]、体径が29のときのように、被検体Pの体重及び体径が頭部相当領域と胸腹部相当領域との境界近傍にあるとき、部位特定手段10は頭部相当または胸腹部相当のいずれも特定しない。表示部7はアラームを報知する。なお、境界近傍の範囲の広狭を調節するようにしてもよい。
【0037】
算出手段12は、部位特定手段10により特定された撮影部位を基に被ばく線量を求める。このとき、例えば図4に示す撮影部位と被ばく線量とを対応させた表を参照にすればよい。
【0038】
一方、入力手段14を用いて技師により設定された撮影条件を基に前述した一般的な方法により被ばく線量が求められる。
【0039】
比較手段13は、特定された撮影部位を基に算出手段12により求められた被ばく線量と、入力手段14を用いて技師により設定された撮影条件に基づく被ばく線量とを比較し、撮影条件が適切であるかどうかの判断結果を出力する。
【0040】
受付手段15は、比較手段13により撮影条件が適切であると判断されたとき、入力手段14の操作により入力された撮影条件を撮影制御手段16に出力する。これに対し、受付手段15は、比較手段13により撮影条件が適切でないと判断されたとき、判断結果を表示部7に出力する。それにより、表示部7は、撮影条件が適切でないとの判断結果を報知する。表示部7が「報知手段」の一例に相当する。なお、撮影条件の適否に関係なく、比較手段13による判断結果を表示部7に表示するようにしてもよい。
【0041】
撮影制御手段16は、受付手段15から出力された撮影条件(入力手段14の操作により入力された撮影条件)を基に制御情報を生成し、それを高電圧発生手段2aと、回転体を所定の回転速度(r/s)で回転させる回転体駆動手段(図示省略)と、天板駆動手段(図示省略)等とに出力する。それにより、これらの制御情報に基づく本スキャンが実施可能となる。
【0042】
スキャノ像撮影制御手段17は、入力手段14の操作により入力された撮影条件を基に制御情報を生成し、それを高電圧発生手段2aと、回転体駆動手段と、天板駆動手段等とに出力する。それにより、これらの制御情報に基づくプレスキャンが実施可能となる。
【0043】
次に、被検体Pの属性を測定し、測定結果に基づく被ばく線量の適否を判断する処理について図3を参照して説明する。図3は撮影条件の入力から注意を促すまでの一連の処理を示すフローチャートである。
【0044】
(ステップS201:被検体の体重の測定)
先ず、技師は検査室に導き入れた被検体(患者)Pを寝台1の天板1aに寝かせ、X線撮影を行う適切な位置に天板1aを移動させる。
【0045】
その際に、寝台1内に組み込んだ体重計8は、天板1a上の被検体Pの体重を計測する。測定された被検体Pの体重は被検体Pの属性情報の一つして記憶部(図示省略)に記憶される。
【0046】
(ステップS202:撮影条件の入力)
続いて、技師は、コンソール5が設けられている操作室に移動し、入力手段14を操作することにより撮影条件を入力する。入力された撮影条件は記憶部(図示省略)に記憶される。
【0047】
(ステップS203:被検体の体径の測定)
技師による撮影条件の入力に続き、X線CTを実施する範囲を正確に特定するための準備として、スキャノ像が撮影される。このスキャノ像は天板上の一方向(前、横)から被検体Pの正面透視画像及び側面透視画像を撮影したものであるが、被検体Pの断層画像を得る範囲を精度よく特定するため、実際に断層画像を得るべき部位を含む範囲で撮影を行う。このとき得られるスキャノ像の画素値を基に患者と空間を識別することにより、体径測定手段9はスキャノ像内の被検体Pの体径を自動的に求める。
【0048】
(ステップS204:撮影部位の特定)
部位特定手段10は内部に有する撮影部位テーブル11を参照して、先に体重計8により測定され記憶された被検体Pの体重と、体径測定手段9により測定された被検体Pの体径から、被検体Pの撮影部位が頭部相当か、胸腹部相当かを特定する。
【0049】
(ステップS205:被ばく線量の算出)
算出手段12は、特定された撮影部位を基に被ばく線量を求める。
【0050】
被ばく線量の一例としては、前述するICRP勧告に示される実効線量を用いてもよく、また、撮影条件の各値を基に前述の一般的な方法により求めた数値であってもよく、さらに、図4に示すテーブルに基づく線量基準であってもよい。
【0051】
(ステップS206:被ばく線量の比較)
比較手段13は、ステップS202で技師により入力された撮影条件に基づく被ばく線量と、ステップS205で求められた特定された撮影部位を基に求められた被ばく線量とを比較する。
【0052】
比較手段13は被ばく線量を比較することにより、入力された撮影条件が適切であるかどうかを判断する。
【0053】
被ばく線量の比較では、たとえば、比較手段13は被ばく線量同士を比較することにより、入力された撮影条件に基づく被ばく線量が撮影部位に対し過剰であるかどうかを判断する。
【0054】
ここで、入力された撮影条件に基づく被ばく線量が過剰であるかどうかの判断の一例について説明する。入力された撮影条件に基づく被ばく線量をDi[mGy]とし、比較の基準となる被ばく線量(許容値)をDa[mGy]とした場合、Di≦Daのとき、比較手段13は入力された撮影条件を”正”と判断し、Di>Daのとき、比較手段13は入力された撮影条件を”誤”と判断する。
【0055】
(ステップS207:警告)
入力された撮影条件が適切ではないと比較手段13が判断したとき(ステップS206:Yes)、比較手段13から比較結果が受付手段15に出力され、受付手段15から比較結果が表示部7に出力される。それにより、表示部7は、その表示画面に撮影条件の誤入力(ヒューマンエラー)への注意を促す警告表示を行う。また、受付手段15から撮影制御手段16に撮影条件が出力されない。それにより、不適切な撮影条件に基づくX線撮影が行われず、過剰被ばくを防止することができる。
【0056】
技師は警告表示を見て、誤入力した撮影条件を確認し、撮影条件を再入力する(ステップS202)。再入力した撮影条件が適切でないと比較手段13が判断する(ステップS206:Yes)限り、受付手段15は、表示部7に比較結果を出力し、表示部7は警告表示を行う(ステップS207)。さらに、受付手段15は、撮影条件を撮影制御手段16に出力せず、不適切な撮影条件に基づくX線撮影が防止される。なお、技師がこの撮影条件に基づくX線撮影を行うと判断したとき、例えば、技師によるパスワードの入力等の条件を満すことによりX線撮影が許可され、受付手段15が撮影条件を撮影制御手段16に出力するようにする。
【0057】
一方、入力された撮影条件が適切であると比較手段13が判断したとき(ステップS206:No)、判断結果を受けて、受付手段15が撮影条件を撮影制御手段16に出力する。
【0058】
また、ステップS207の警告表示後に、再入力した撮影条件が適切であると比較手段13が判断したとき(ステップS206:No)、始めて、受付手段15は、撮影条件を撮影制御手段16に出力する。
【0059】
それにより、撮影制御手段16は撮影条件に基づき制御情報を生成し、その制御情報を高電圧発生手段2aと回転体駆動手段(図示省略)と天板駆動手段(図示省略)等に出力する。高電圧発生手段2aは、撮影条件に基づく高電圧をX線管2に印加し、回転体駆動手段はX線管2及びX線検出器3を被検体P回りに回転させる。天板駆動手段は、天板1aを移動させる。X線検出器3はX線管2から照射され、被検体Pを透過したX線を検出する。X線の検出信号に基づく投影データに対し再構成処理を施して被検体Pの断層画像を取得する。それにより、適切な撮影条件に基づくX線撮影が行われる。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるととともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 寝台 1a 天板 2 X線管 2a 高電圧発生手段
3 X線検出器 4 データ収集手段 5 コンソール 6 データ処理手段
7 表示部 8 体重計 9 体径測定手段
10 部位特定手段 11 撮影部位テーブル 12 算出手段
13 比較手段 14 入力手段 15 受付手段
16 撮影制御手段 17 スキャノ像撮影制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝台に載置された被検体に対しX線管から照射され、被検体を透過したX線を基に被検体の断層画像を取得するX線CT装置において、
前記寝台に載置された被検体の属性を測定する測定手段と、
前記測定され被検体の属性を基に、被検体の撮影部位を特定する部位特定手段と、
前記特定された撮影部位を基に被ばく線量を求める算出手段と、
前記求められた前記被ばく線量と検査するために入力された撮影条件に基づく被ばく線量とを比較して判断する比較手段と、
前記比較手段により判断された結果を報知する報知手段と、
を有する
ことを特徴とするX線CT装置。
【請求項2】
寝台に載置された被検体に対しX線管から照射され、被検体を透過したX線を基に被検体の断層画像を取得するX線CT装置において、
被検体を撮影するための撮影条件を入力するための入力手段と、
前記入力された前記撮影条件に基づき制御情報を生成する撮影制御手段と、
前記寝台に載置された被検体の属性を測定する測定手段と、
前記測定され被検体の属性を基に、被検体の撮影部位を特定する部位特定手段と、
前記特定された撮影部位を基に被ばく線量を求める算出手段と、
前記求められた前記被ばく線量と前記入力された撮影条件に基づく被ばく線量とを比較して、前記入力された撮影条件が適切であるかどうかを判断する比較手段と、
前記比較手段により判断された結果を報知する報知手段と、
前記入力された撮影条件が適切であるとの判断を受けて、前記入力された撮影条件を前記撮影制御手段に出力し、前記入力された撮影条件が適切でないとの判断を受けて、前記報知手段に前記判断された結果を出力する受付手段と、
を有する
ことを特徴とするX線CT装置。
【請求項3】
前記測定手段は、
前記寝台に載置された被検体の体重を測定する体重計と、
前記被検体をX線透視することにより取得された前記被検体の透視画像を基に、前記寝台に載置された被検体の体径を測定する体径測定手段と、
をさらに有し、
前記部位特定手段は、前記測定された前記体重及び前記体径を基に前記被検体の前記撮影部位を特定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
【請求項4】
前記部位特定手段は、被検体の体重及び体径と撮影部位とを対応付けて記憶した撮影部位テーブルをさらに有し、前記撮影部位テーブルを参照して前記被検体の前記撮影部位を特定する
ことを特徴とする請求項3に記載のX線CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−223397(P2012−223397A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94149(P2011−94149)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】