説明

X,Y高速駆動ミラーユニット。

【課題】
従来のレーザー光線反射鏡はポリゴンミラー、ガルバノメータ、静電駆動ミラー等があり、近年ではディスクリート、コイル、磁石、ジンバルを用いた駆動ミラーと、発展して来たが、駆動力、生産性(歩留り)、耐久性、振動特性に問題があった。
これは、ピポット/スクリューを一括してゴム系ポッテングをしてしまった為の影響であり同時に駆動力が弱いのもヨークを採用しない為であった。
【解決手段】その方策としてヨークを確実に4個取り付ける構造と、ピボット、ゴム板、ピボットスクリュウを別々に設けスクリュウネジを回す構造にした事により、駆動力の向上と、振動特性の向上が計られた。と共に回転角を制御する事により耐久性、生産性が向上した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入射レーザ光線を高速で反射しX,Y面内の任意の方向に送光する事が出来る小型軽量なアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザ光線反射鏡はポリゴンミラー、ガルバノメータ等で行われ、近年はMEMS技術が発達しシリコン基板のエッチングによりX,Yジンバルを用いた静電駆動型駆動ミラーも出現している。
さらには、デスクリートなコイル、磁石、ジンバルを用いた駆動ミラー(特許文献参照)等も実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】▲1▼特願2004−056769「光検出装置及びこれを用いた光検出システム」独立行政法人 情報通信研究機構
【特許文献2】▲2▼特願2004−277027「空間光通信装置」独立行政法人 情報通信研究機構
【参考文献1】
独立行政法人 情報通信研究機構 整理番号06−04
「空間光通信送受信用モジュール追尾制御に関するノウハウ」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、既存の駆動ミラーには、周波数特性は良いが、駆動電力が大きい割には駆動制動力が弱い。過大電力を入れると機構的に損傷する。
製造段階で性能が決定してしまう為、完成してから性能を検証しても修理が出来ない構造である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、この発明は、これらの欠点を解決しようとする物で、駆動制動力を強く、性能の修正や、損傷が無い構造を実現する事を目的としている。
【0006】
上記目的を達成する為に、磁気回路の強化、支持部のアジャスト化、回転モーメントのバランス化、回転範囲の制限化を行なった物である。
【発明を実施する為の形態】
【0007】
磁気回路の強化には、磁石とヨークを組み合わせた磁気回路を4個作成し、X方向、Y方向駆動別に2個づつ設け、コイル電流による起動力を高める構造とした。
【0008】
従来の支持部はピポットと支持部をシリコンゴムでポッテングした状態で駆動している。この状態ではシリコンゴムの量、硬さ、形状により振動特性が異なってくる。これを解決する為にシリコンゴムとピボット、スクリュウネジにより挟み込み、そのネジを回す事により振動特性を変更できる構造を取る。
【0009】
反射面と非反射面とを完全点対称とする事により、地球重力の影響を除き設置方向に無関係な構造とした。
【0010】
従来の構造は、反射板が回転しようとした時、反射板にストッパーが無い為コイルがぶつかるまで回転しコイル損傷、ポッテング損傷し正常な動作が得られなくなっているが、本提案の回転体制限をつける事で良好な動作状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、X,Y高速駆動ミラーユニットのX断面図である。
【図2】図2は、X,Y高速駆動ミラーユニットのX通電図である。
【図3】図3は、X,Y高速駆動ミラーユニットのY断面図である。
【図4】図4は、X,Y高速駆動ミラーユニットのY通電図である。
【図5】図5は、X,Y高速駆動ミラーユニットのX、Y断面図である。
【図6】図6は、X,Y高速駆動ミラーユニットのゴム板の取付時の参考寸法図である。
【符号の説明】
1・・・・・反射板(5×5m/m)□
2・・・・・ゴム板ストッパー
3・・・・・ゴム押板
4・・・・・Xコイル
5・・・・・Xコイルヨーク(2個)
6・・・・・Xコイル用磁石(2個)
7・・・・・コイル受け基板併用ピボット板
8・・・・・ピボットスクリュウネジ
9・・・・・X、Yジンバル併用通電電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム板ストッパーをゴム押板により押し付ける構造をとる事により簡単に位置調整が行え、微調整にも耐えうる構造。
【請求項2】
ヨークを4個取り付ける事により駆動力の向上が計られる構造。
【請求項3】
ピボット、ゴム板、ピボットスクリュウを別々に設け、スクリュウネジを回す事により振動特性の向上が計られる構造。
【請求項4】
回転角を制御する事により、耐久性、生産性が計れる構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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