説明

XVII型コラーゲンに関する異常分化抑制剤

【課題】XVII型コラーゲン欠損においてみられる白毛化と脱毛が、どのようなメカニズムでおこるかを解明し、脱毛治療、白髪治療、皮膚や毛髪の再生老化制御、あるいは皮膚恒常性維持等へ役立つ技術の提供を目的とする。
【解決手段】XVII型コラーゲンを含むことにより、色素幹細胞又は毛包幹細胞の異所性分化、細胞死又は消失が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、XVII型コラーゲンに関する異常分化抑制剤、又は消失抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、外界から個体を護るほかに、毛髪や皮膚の色調やパターンにより個体の識別や防御においても重要な役割を果たしている。外側から表皮、真皮、皮下脂肪組織の3層から成り、毛包が表皮から連続して皮下脂肪組織に向かって伸長する。毛包の恒常部は毛周期を通じて維持されるのに対し、一過性部は毛周期に同調してその成長と退縮を周期的に繰り返している。また、色素細胞は、皮膚において分化するとメラニン色素を産生し、周囲の角化細胞へと受け渡すことで、皮膚や毛に色素を供給しており、紫外線から皮膚を護ると同時に個体間の識別や防御等の役割を担っている。
【0003】
一方、白髪は、我々の誰もが経験する最も目立つ老化現象である。白毛を生やす毛包では色素を産生する色素細胞の数が減少していることは現象として知られていたが、そのメカニズムについてはほとんど知られていなかった。1990年、Cotsarelis等は、毛包の幹細胞がバルジ領域に局在して多く認められることから、毛包の幹細胞がバルジ領域に存在することを提唱した(非特許文献1)。本発明者は、これまでに色素幹細胞を見いだし(非特許文献2)、白髪のメカニズムとして色素幹細胞の維持が必須であることを明らかとしてきた(非特許文献3)。また、XVII型コラーゲン遺伝子欠損(COL17KO)マウスにおいて脱色素毛および脱毛が見られることを見いだしたことから(非特許文献4)、COL17KOマウスを経時的に観察したところ、加齢に伴う白毛化と脱毛を認めた。
【非特許文献1】Cotsarelis G.等、Cell 61: 1329-1337.1990
【非特許文献2】Nishimura EK et al. Nature. 416(6883):854-60, 2002
【非特許文献3】Nishimura EK et al. Science. 307(5710):720-724. 2005
【非特許文献4】Nishie W. et al. Nature Medicine 2007
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、加齢に伴う白毛化と脱毛がどのようなメカニズムで起こっているかは明らかとなっていない。これらのメカニズムの解明は、脱毛治療や皮膚や毛髪再生老化制御、白髪治療、あるいは皮膚恒常性維持を目的とした医薬品およびバイオ関連製品開発の分野で望まれている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、上記メカニズムを解明し、脱毛治療、白髪治療、皮膚や毛髪の再生老化制御、あるいは皮膚恒常性維持等へ役立つ技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に至る過程では、本発明者は、まず、XVII型コラーゲンの皮膚での発現を詳細に解析し、特異的に発現する領域を見いだした。さらに、COL17KOマウスを、色素幹細胞に着目して観察したところ、白毛化と脱毛に先立ち、色素幹細胞がバルジ領域において成熟色素細胞へと異所性分化し、それに引き続いて、色素幹細胞の消失を認めた。さらに、毛包幹細胞について調べたところ、毛包幹細胞は未分化角化細胞としてバルジ領域を構成していることに加えて、そのバルジ領域を構成する未分化角化細胞が異常な成熟分化をすることにより毛包幹細胞が消失することも観察された。以上から、XVII型コラーゲンが色素幹細胞及び毛包幹細胞の維持に必須であり、その維持不全により白毛化および脱毛を発症することが判明した。以上の結果より、XVII型コラーゲンの欠損は白毛化を来たし、その白毛化は色素幹細胞の消失に起因することが明らかとなり、XVII型コラーゲンにより色素幹細胞及び毛包幹細胞の異常分化が抑制され、その消失が抑制されることによって色素幹細胞及び毛包幹細胞が維持されることが証明され、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明によれば、XVII型コラーゲンを含む、色素幹細胞の異所性分化抑制剤が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンにより、色素幹細胞の異所性分化を抑制する。
【0008】
さらに、本発明によれば、XVII型コラーゲンを含む、色素幹細胞の消失抑制剤が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンにより、色素幹細胞の消失を抑制する。
【0009】
また、本発明によれば、XVII型コラーゲンを含む、毛包幹細胞の異常分化抑制剤が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンにより、毛包幹細胞の異常分化を抑制する。
【0010】
また、本発明によれば、XVII型コラーゲンを含む、毛包幹細胞の消失抑制剤が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンにより、毛包幹細胞の消失を抑制する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、後述の実施例に示すように、ヒトXVII型コラーゲンにより、色素幹細胞の異所性分化又は消失、若しくは毛包幹細胞の異常分化又は消失を抑制する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(発明の経緯)
本発明者は、XVII型コラーゲンの皮膚での発現を詳細に解析したところ、毛包間表皮に加えて毛包バルジ領域(毛包幹細胞に相当する細胞群)にその発現を特異的に認めた。さらに、加齢に伴い白毛化及び脱毛が起こるCOL17KOマウスを、色素幹細胞に着目して調べた。すると、白毛化と脱毛に先立ち、色素幹細胞がバルジ領域において成熟色素細胞へと異所性分化し、それに引き続いて消失することから、さらに、色素幹細胞の維持に重要となる周囲の毛包幹細胞について調べたところ、毛包幹細胞が未分化角化細胞としてバルジ領域を構成していることに加えて、そのバルジ領域を構成する未分化角化細胞が、表皮や脂腺等などの通常は抑制されている分化方向に対して異常な成熟分化を示すことにより、毛包幹細胞が消失することを認めた。つまり、毛包幹細胞において本来発現するヒトXVII型コラーゲンが欠損すると、毛包幹細胞によって維持されている色素幹細胞の消失がおこり、これに続いて毛包幹細胞も消失し始める。さらに、これにより、幹細胞が分化細胞を供給できなくなるため、白髪と脱毛が同時進行することが明らかになった。以上から、毛包幹細胞において発現するXVII型コラーゲンが、色素幹細胞及び毛包幹細胞の異常分化抑制及び維持に必須であり、その維持不全により白毛化および脱毛を発症することが判明した。また、COL17KOマウスにおいて毛包幹細胞を含む領域で特異的に発現するプロモーターを用いてヒトXVII型コラーゲンを発現させたところ、色素幹細胞および毛包幹細胞の異常分化が抑制され、形態・分布にも異常が見られず、白毛化及び脱毛は認められなかったことを確認している(データ未掲載)。以上の知見は、脱毛治療や皮膚や毛髪再生老化制御、白髪治療を目的として、あるいは皮膚恒常性維持および再生老化研究分野において、皮膚のXVII型コラーゲンを標的とした医薬品およびバイオ関連製品開発に応用できることを強く示唆する。
【0013】
以上の結果より、ヒトXVII型コラーゲンの欠損は白毛化を来たし、その白毛化は色素幹細胞の異所性分化による消失に起因することが示された。つまり、XVII型コラーゲンにより毛包幹細胞及び色素幹細胞の異常分化及び消失が抑制されることによって色素幹細胞及び毛包幹細胞を維持することが可能であることが明らかとなり、本発明を完成した。
【0014】
(概要)
本実施形態は、XVII型コラーゲンを含む、色素幹細胞の異所性分化抑制剤である。後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンは、色素幹細胞の異所性分化を抑制するという機能を有するため、それを含む異所性分化抑制剤自体も色素幹細胞の異所性分化を抑制する。
【0015】
さらに、本実施形態は、XVII型コラーゲンを含む、色素幹細胞のバルジ領域での成熟色素細胞への分化抑制剤である。後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンは、色素幹細胞のバルジ領域での成熟色素細胞への分化や引き続いておこる細胞消失を抑制して幹細胞維持を促進するという機能を有するため、それを含む異所性分化抑制剤自体も色素幹細胞の異所性分化を抑制する。その結果、バルジ領域における色素幹細胞の成熟色素細胞への異所性分化が抑制され、色素幹細胞の消失が抑制される。
【0016】
本実施形態は、XVII型コラーゲンを含む、色素幹細胞の消失抑制剤である。後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンは、色素幹細胞の消失を抑制するという機能を有するため、それを含む細胞死抑制剤自体も色素幹細胞の消失を抑制する。
【0017】
さらに、本実施形態は、XVII型コラーゲンを含む、色素幹細胞のバルジ領域での成熟色素細胞への分化に引き続いて起こる消失の抑制剤である。後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンは、色素幹細胞のバルジ領域での成熟色素細胞への分化に引き続いておこる消失を抑制して幹細胞維持を促進するという機能を有するため、それを含む細胞死抑制剤自体も色素幹細胞の消失を抑制する。その結果、バルジ領域における色素幹細胞の成熟色素細胞への分化に引き続いて起こる消失が抑制され、色素幹細胞の維持が促進される。
【0018】
また、本実施形態は、XVII型コラーゲンを含む、毛包幹細胞の異常分化抑制剤である。後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンは、毛包幹細胞の異常分化抑制及び/又は維持促進するという機能を有するため、それを含む異常分化抑制剤自体も毛包幹細胞の異常分化を抑制する。
【0019】
また、本実施形態は、XVII型コラーゲンを含む、毛包幹細胞の成熟した表皮毛包脂腺系細胞への分化抑制剤である。後述の実施例に示すように、毛包幹細胞はバルジ領域を構成しており、XVII型コラーゲンは、その毛包幹細胞が未分化角化細胞から異常な方向へ成熟分化することを抑制するという機能を有する。そのため、そのような機能を有するXVII型コラーゲンを含む異常分化抑制剤自体も、同様に毛包幹細胞の異常分化を抑制する。その結果、バルジ領域における毛包幹細胞の成熟した細胞への異常分化が抑制され、毛包幹細胞の消失が抑制される。
【0020】
また、本実施形態は、XVII型コラーゲンを含む、毛包幹細胞の消失抑制剤である。後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンは、毛包幹細胞の消失抑制及び/又は維持促進するという機能を有するため、それを含む消失抑制剤自体も毛包幹細胞の消失を抑制する。
【0021】
また、本実施形態は、XVII型コラーゲンを含む、毛包幹細胞のバルジ領域を構成する未分化角化細胞からの異常な成熟分化による毛包幹細胞消失の抑制剤である。後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲンは、毛包幹細胞のバルジ領域を構成する未分化角化細胞から表皮や脂腺等への成熟分化による消失を抑制するという機能を有するため、それを含む消失抑制剤自体も毛包幹細胞の消失を抑制する。その結果、バルジ領域における毛包幹細胞のバルジ領域を構成する未分化角化細胞からの成熟分化による消失が抑制され、毛包幹細胞の維持が促進される。
【0022】
(XVII型コラーゲン)
ここで使用される「XVII型コラーゲン」という用語は、天然配列XVII型コラーゲンを含む。ここに記載されるXVII型コラーゲンは、組換え又は合成方法により調製しても種々の供給源から単離してもよい。
【0023】
「天然配列XVII型コラーゲン」は、天然由来のXVII型コラーゲンのアミノ酸配列を有するポリペプチドである。このような天然配列XVII型コラーゲンは、組換え又は合成手段により生産することもでき、種々の供給源から単離することもできる。
【0024】
(XVII型コラーゲン変異体ポリペプチド)
「XVII型コラーゲン変異体」とは、ここに開示される全長天然配列XVII型コラーゲンと80%以上のアミノ酸配列同一性を有するXVII型コラーゲンを意味する。このようなXVII型コラーゲン変異体には、全長天然アミノ酸配列のN-又はC-末端において一又は複数(例えば、2、3・・・)のアミノ酸残基が付加、置換若しくは欠失されたXVII型コラーゲンが含まれる。通常、XVII型コラーゲン変異体は、ここに開示される全長天然アミノ酸配列、ここに開示された全長天然配列XVII型コラーゲン配列と80%以上のアミノ酸配列同一性、好ましくは90%以上のアミノ酸配列同一性、より好ましくは95%以上のアミノ酸配列同一性を有している。なお、以下に示す配列番号:1には、全長天然配列XVII型コラーゲンのアミノ酸配列が示されている。
【0025】
ここに定義される「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性が得られるように間隙を導入してもよく、保存的置換を配列同一性の一部と考えないとした、XVII型コラーゲン配列のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントの選択は、当業者によく知られた方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより可能である。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含むアラインメントを測定するために、適切なパラメータを決定することができる。
【0026】
(XVII型コラーゲン変異体ポリヌクレオチド)
「変異体ポリヌクレオチド」とは、ポリペプチドが本来持っている活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子であり、ここに開示する全長天然配列XVII型コラーゲンポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列に対して80%以上の配列同一性を有する。通常は、XVII型コラーゲン変異体ポリペプチドヌクレオチドは、ここに開示する全長天然配列XVII型コラーゲンポリペプチド配列をコードする核酸配列に対して80%以上の核酸配列同一性、好ましくは90%の核酸配列同一性、より好ましくは95%の核酸配列同一性を有している。変異体は、天然ヌクレオチド配列を含まない。なお、以下に示す配列番号:2には、ヒトXVII型コラーゲンをコードする完全長配列が含まれている。
【0027】
ここで同定されるXVII型コラーゲンコード化核酸配列に対する「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性が得られるように間隙を導入してもよく、XVII型コラーゲンポリペプチドコード化核酸配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントの選択は、当業者にはよく知られた方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより可能である。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含むアラインメントを測定するために、適切なパラメータを決定することができる。
【0028】
他の実施態様では、XVII型コラーゲン変異体ポリヌクレオチドは、XVII型コラーゲン変異体ポリペプチドをコードし、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、配列番号:1に示すポリペプチドをコードするヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする核酸分子である。XVII型コラーゲン変異体ポリペプチドは、XVII型コラーゲン変異体ポリヌクレオチドにコードされるものであってもよい。
【0029】
(幹細胞)
幹細胞とは、高い自己維持能(自己複製能)を示し、分化した子孫細胞を供給できる未分化な細胞のことをいう。例えば、色素細胞を子孫細胞として供給する色素幹細胞や、未分化角化細胞としてバルジ領域を構成し、表皮、汗腺及び皮脂腺等の皮膚付属器官へと分化する能力を有する毛包幹細胞等が挙げられる。
【0030】
(ニッチ)
ニッチとは、幹細胞にとっての生態的適所をいう。通常、組織幹細胞の局在部位をニッチと呼んでいる。ニッチ環境において、幹細胞は未分化な状態に維持される。例えば、色素幹細胞や毛包幹細胞のニッチはバルジ領域に存在する。通常、バルジ領域において色素幹細胞から増殖した子孫細胞の一部は、バルジ領域から毛母へ移動し、そこで色素細胞に分化・成熟してメラニン色素を毛に供給する。
【0031】
(色素幹細胞の異常分化)
色素幹細胞の異常分化とは、本来野生型マウスでは未分化な状態で維持されるバルジ領域(ニッチ)において、異所性に(場違いに)色素幹細胞がメラニン顆粒を持ち樹状の形態を獲得するなど成熟分化してしまうことをいう。通常、この異所性分化した細胞は維持されないで消失する。例えば、バルジ領域において色素幹細胞が未分化性を喪失し、成熟した色素細胞に分化すること等をいう。
【0032】
(毛包幹細胞の異常分化)
毛包幹細胞の異常分化とは、毛包幹細胞が自己維持することなく異常な分化方向へと分化していくことをいう。例えば、バルジ領域において毛包幹細胞が幹細胞性を維持できなくなり、毛包、表皮、脂腺などへと分化してしまうなど正常の制御を逸した分化をいう。
【0033】
(作用効果)
以下に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、加齢に伴う白毛化と脱毛のメカニズムを解明し、脱毛治療や白髪治療等へ役立つ技術の提供を目的として実験を行った。後述の実施例に示すように、色素幹細胞及び毛包幹細胞について詳細に調べたところ、加齢に伴う白毛化と脱毛に先立ち、色素幹細胞及び毛包幹細胞の消失が認められることが明らかとなり、さらに、毛包幹細胞において本来発現するヒトXVII型コラーゲンが欠損すると、毛包幹細胞によって維持されている色素幹細胞の消失がおこり、これに続いて毛包幹細胞も消失し始めることが明らかとなった。これにより、幹細胞が分化細胞を供給できなくなるため、白髪と脱毛が同時進行することが明らかとなった。
【0034】
すなわち、本実施形態の(i)配列番号:1に示すアミノ酸配列を有するXVII型コラーゲン、又は(ii)配列番号:1のアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ色素幹細胞の異所性分化を抑制する活性を有するXVII型コラーゲン変異体を含む、色素幹細胞の異所性分化抑制剤は、XVII型コラーゲンが色素幹細胞の異所性分化を抑制するという作用を有するため、後述の実施例に示すように、それを含む異所性分化抑制剤自体も色素幹細胞の異所性分化を抑制し、その結果、色素幹細胞の消失を抑制するという効果を奏する。
【0035】
さらに、本実施形態は、XVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体を含む、色素幹細胞のバルジ領域での成熟色素細胞への分化抑制剤であってもよい。この場合には、後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体が色素幹細胞のバルジ領域での成熟色素細胞への分化を抑制するという機能を有するため、それを含む異所性分化抑制剤自体も色素幹細胞の異所性分化を抑制するという効果を奏し、その結果、色素幹細胞の消失を抑制するという効果を奏する。
【0036】
また、本実施形態の(i)配列番号:1に示すアミノ酸配列を有するXVII型コラーゲン、又は(ii)配列番号:1のアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ色素幹細胞の消失を抑制する活性を有するXVII型コラーゲン変異体を含む、色素幹細胞の細胞死抑制剤は、XVII型コラーゲンが色素幹細胞の消失を抑制するという作用を有するため、後述の実施例に示すように、それを含む消失抑制剤自体も色素幹細胞の消失を抑制し、その結果、色素幹細胞の維持を促進するという効果を奏する。
【0037】
さらに、本実施形態は、XVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体を含む、色素幹細胞のバルジ領域での成熟色素細胞への分化に引き続いて起こる消失の抑制剤であってもよい。この場合には、後述の実施例に示すように、XVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体が色素幹細胞のバルジ領域での成熟色素細胞への分化に引き続いて起こる消失を抑制するという機能を有するため、それを含む細胞死抑制剤自体も色素幹細胞の細胞死を抑制するという効果を奏し、その結果、色素幹細胞の消失を抑制するという効果を奏する。
【0038】
また、本実施形態の(i)配列番号:1に示すアミノ酸配列を有するXVII型コラーゲン、又は(ii)配列番号:1のアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ毛包幹細胞の異常分化を抑制する活性を有するXVII型コラーゲン変異体を含む、毛包幹細胞の異常分化抑制剤は、XVII型コラーゲンが毛包幹細胞の異常分化を抑制し、毛包幹細胞の維持を促進するという作用を有するため、後述の実施例に示すように、それを含む異常分化抑制剤自体も毛包幹細胞の異常分化を抑制し、その結果、毛包幹細胞の消失を抑制するという効果を奏する。
【0039】
また、本実施形態は、XVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体を含む、毛包幹細胞のバルジ領域での成熟した細胞への分化抑制剤であってもよい。この場合には、後述の実施例に示すように、毛包幹細胞はバルジ領域を構成しており、XVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体は、毛包幹細胞が未分化角化細胞から異常な方向へ成熟分化することを抑制するという機能を有する。そのため、そのような機能を有するXVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体を含む異常分化抑制剤自体も、同様に毛包幹細胞の異常分化を抑制し、その結果、毛包幹細胞の消失を抑制するという効果を奏する。
【0040】
また、本実施形態の(i)配列番号:1に示すアミノ酸配列を有するXVII型コラーゲン、又は(ii)配列番号:1のアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ毛包幹細胞の異常分化を抑制する活性を有するXVII型コラーゲン変異体を含む、毛包幹細胞の消失抑制剤は、XVII型コラーゲンが毛包幹細胞の消失を抑制し、毛包幹細胞の維持を促進するという作用を有するため、後述の実施例に示すように、それを含む消失抑制剤自体も毛包幹細胞の消失を抑制し、その結果、毛包幹細胞の維持を促進するという効果を奏する。
【0041】
また、本実施形態は、XVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体を含む、毛包幹細胞のバルジ領域を構成する未分化角化細胞から表皮や脂腺等への異常な成熟分化による消失抑制剤であってもよい。この場合には、後述の実施例に示すように、毛包幹細胞はバルジ領域を構成しており、XVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体は毛包幹細胞が未分化角化細胞から異常な方向へ成熟分化することによる消失を抑制するという機能を有する。そのため、そのような機能を有するXVII型コラーゲン又はXVII型コラーゲン変異体を含む消失抑制剤自体も、同様に毛包幹細胞の消失を抑制し、その結果、毛包幹細胞の維持を促進するという効果を奏する。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
実施例1 COL17KOマウスの解析
1.試験方法
(1)実験動物
本研究で用いたDct−lacZトランスジェニックマウスは、英国MRC、Ian Jackson博士のご提供、CAG−CAT−EGFPマウスは大阪大学、宮崎純一教授のご提供、Dcttml(Cre)BeeマウスはFreedrich Beerman博士のご提供、COL17KOマウスは北海道大学医学研究科皮膚科学分野清水宏教授のご提供による。
【0044】
(2)免疫組織化学
マウスの背部皮膚を4%パラホルムアルデヒド固定、またはそのままで、OCTcompound (Sakura Finetechnical)で凍結包埋した後、8μmの切片にし、3%スキムミルクを用いて常温で30分間ブロッキングした。その後、一次抗体を適当に希釈し4℃で一晩反応させ、PBSで洗浄した後に二次抗体を反応させた。
【0045】
免疫染色に使用した一次抗体は、抗ヒトXVII型コラーゲン抗体(N18、Santa Cruz)、抗マウスXVII型コラーゲン抗体(滋賀医科大学田中俊広教授より提供して頂いた)、抗βガラクトシダーゼ抗体 (Cappel)、抗ケラチン15抗体(Covance)、抗CD34抗体(eBioscience)、抗α6インテグリン抗体(BD Pharmingen)、抗S100a6抗体(LAB VISION)である。二次抗体はAlexaFlour488、568、594(Molecular Probes)を用いた。
【0046】
(3)H.E.染色
マウスの背部皮膚をブアン固定後にパラフィン包埋した後、4μmの切片を作製し、ヘマトキシリン及びエオジンを用いて定法により染色した。
【0047】
(4)色素細胞の分離
生後6日の色素幹細胞を含む色素細胞がGFP陽性となっているCAG−CAT−EGFP; Dcttml(Cre)Beeマウスの背部皮膚を採取し、1000U/mlのディスパーゼ(SANKO JUNYAKU)/PBSの中にて4℃で一晩反応させた後、実体顕微鏡下で真皮を取り除いた。その後、0.25%トリプシンを加え、37℃で10分反応させ、ウシ胎仔血清で中和した後、フローサイトメトリー(FACS)法を用いてGFP陽性の色素細胞を分離した。
【0048】
(5)フローサイトメトリー(FACS)分析
色素細胞の分離には、上記の方法でGFP陽性細胞分画を採取した。また角化細胞については同様に酵素処理にて用意した皮膚懸濁液を上記のCD34、α6インテグリンの抗体と反応させた。FACS分析にはBay Bioscience JSANまたはBecton Dickinson FACS caliberを使用した。
【0049】
(6)RT−PCRによるマウスXVII型コラーゲンmRNA発現の解析
マウス背部皮膚およびGFP陽性の色素細胞からTRIzol(GIBCO)を用いてRNAを抽出した。3μgのRNAをTHERMOSCRIPT RT−PCR System(GIBCO)を用いて逆転写を行いcDNAを合成した。以下のプライマーを用いてマウスXVII型コラーゲンmRNA発現の解析を行った。また、内部標準としてGAPDHmRNAの発現を測定した。
・マウスXVII型コラーゲン
forward primer:5’−actcgcctcttcttcaacca(配列番号:3)
reverse primer:5’−gagcaggacgccatgttatt(配列番号:4)
・GAPDH
forward primer:5’−accacagtccatgccatcac(配列番号:5)
reverse primer:5’−tccaccaccctgttgctgta(配列番号:6)
【0050】
(結果及び考察)
COL17KOマウスは多くが生後2週間以内に死亡するが、生存する個体は、生後4週頃までは外見上は正常で、黒色の体毛に覆われていた(図1a)。しかしその後、徐々に白毛化がみられ、生後3ヵ月頃には、白毛化・脱毛がかなり目立つようになるとともに、体毛が通常よりも長くなってくる現象がみられた。生後6ヵ月頃には全身がほぼ完全に白毛化し、最終的に10ヵ月頃には全身で脱毛が起こった。
【0051】
我々は以前に色素幹細胞の維持不全が白毛化の原因となりうることを明らかにした。そこで、COL17KOマウスの白毛化の原因が、色素幹細胞の維持不全にあるのかどうかを調べるため、色素幹細胞をマーキングできるDct−LacZトランスジーンをCOL17KOマウスに導入し、COL17KOマウスの色素幹細胞の分布及び形態を観察した。その結果、XVII型コラーゲンは、バルジ領域及び表皮の基底細胞で強く発現していること及び色素幹細胞が毛包幹細胞に囲まれた状態で存在していることが明らかとなった(図1c)。また、COL17KOマウスにおける色素幹細胞の分布・形態は、出生直後において異常は認めなかったが、生後3ヵ月頃より、色素幹細胞の数が徐々に少なくなってくると同時に、メラニン顆粒をもち胞体がやや大きく複数の突起をもつ分化した形態の成熟した色素細胞がみられるようになった(図1d、e)。全身が白毛化を来す5ヵ月頃では、色素幹細胞は完全に消失した。以上の結果から、COL17KOマウスにおける白毛化の原因は色素幹細胞の維持不全によるものと結論づけられた。
【0052】
一般的にXVII型コラーゲンは、ヘミデスモソームを形成する上皮系の細胞で発現する事が知られている。色素幹細胞を含む皮膚の色素細胞においてXVII型コラーゲン発現の有無を調べるため、色素細胞でGFPを発現するマウス(CAG−CAT−EGFP; Dcttml(Cre)Beeマウス)で、GFP陽性の色素細胞のRNAを回収し、RT−PCRを用いて、マウスXVII型コラーゲンmRNAの発現を解析したところ、色素幹細胞を含む色素細胞においてXVII型コラーゲンmRNAの発現がないことを確認した(図1f)。以上の結果より、色素幹細胞ではXVII型コラーゲンの発現はなく、COL17KOマウスでみられる色素幹細胞の消失の原因として、色素幹細胞の周囲の細胞におけるXVII型コラーゲン発現の異常が原因である可能性が示唆された。
【0053】
毛包幹細胞の異常の有無を調べるため、最初にCOL17KOマウス及びコントロールの背部皮膚を各週齢で調べた。 H.E.染色組織像の所見上、生後3ヵ月頃より、表皮の肥厚と脂腺の増大がみられた(図2a)。さらに6ヵ月頃では、毛包の嚢胞化や、萎縮した毛包が多くみられた(図2b)。最終的に10ヵ月頃では、毛包など皮膚付属器はほぼ消失した(図2c)。これらの所見より、毛包の維持にはXVII型コラーゲンが必要であることが示唆された。また、これらのH.E.染色組織像の所見は表皮における幹細胞が枯渇するマウスとして報告されたc−Mycが基底細胞で活性化されたマウスや、Rac1が皮膚でノックアウトされたマウスのH.E.染色組織像の所見と非常に似ていることがわかった。そこで、COL17KOマウスでも、同様に毛包幹細胞が枯渇している可能性を考え、毛包幹細胞マーカーである抗ケラチン15抗体、抗CD34抗体、抗α6インテグリン抗体、抗S100a6抗体での染色、及びFACS分析を行い、毛包幹細胞の枯渇が確認できた(図2d−f)。
【0054】
以上の結果より、XVII型コラーゲンの欠損は白毛化を来たし、その白毛化は色素幹細胞の消失に起因することが示された。つまり、毛包幹細胞におけるXVII型コラーゲンは毛包幹細胞の維持においてのみならず、色素幹細胞の維持において必須であることが明らかになった。また、COL17KOマウスにおいて毛包幹細胞を含む領域で特異的に発現するプロモーターを用いてヒトXVII型コラーゲンを発現させたところ、色素幹細胞および毛包幹細胞の異常分化が抑制され、形態・分布にも異常が見られず、白毛化及び脱毛は認められなかったことを確認している(データ未掲載)。
【0055】
ここで、色素幹細胞や毛包幹細胞の異常分化の抑制は、白髪治療や脱毛治療のみならず、皮膚や毛髪の再生老化制御、あるいは皮膚恒常性維持等の広い分野への応用が期待できる。例えば、毛包幹細胞は、表皮、毛包、汗腺及び皮脂腺等の皮膚付属器官へと分化する能力を有しているので、毛包幹細胞の異常を抑制することは、皮膚の再生やアンチエイジング、皮膚損傷の治癒等に有用であることが考えられる。また、その他にも毛髪成長の制御等へ応用可能であると考えられる。
【0056】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】COL17KOマウスでみられる白毛および脱毛、コントロールマウスにおけるXVII型コラーゲン発現を示す図である。(a)COL17KOマウスの写真。上から生後2週・6週・2ヵ月・3ヵ月・6ヵ月・10ヵ月のマウスを示す。進行性の白毛化及び脱毛がみられた。(b)10ヵ月のコントロールの写真。 (c) 左:XVII型コラーゲンはバルジ領域及び表皮の基底細胞で強く発現している。右:色素幹細胞は毛包幹細胞に囲まれている。(d)出生後6日、3ヵ月、5ヵ月のコントロールのLacZ染色像。(e)ノックアウトマウス(KOマウス)のLacZ染色像。KOマウスではコントロールマウスに比べてLacZ陽性色素幹細胞は徐々に減少し、分化した像が目立つようになる。5ヵ月以降では陽性細胞はほぼ全て消失する。(f) RT−PCR。GFP陽性色素細胞ではXVII型コラーゲンの発現は認めない。
【図2】色素幹細胞のニッチである毛包幹細胞の消失を示す図である。(a)生後3ヵ月頃より、表皮の肥厚、脂腺の増大がみられた。(b)生後6ヵ月頃より、毛包が嚢胞化する像もみられた。(c)生後10ヵ月では、毛包など皮膚付属器は消失する。(d)α6インテグリンとCD34二重陽性の毛包幹細胞は、COL17KOマウスでは著しく減少した。 (e)コントロール組織の毛包幹細胞マーカーでの染色。(f)COL17KOマウス組織の毛包幹細胞マーカーでの染色。COL17KOマウスではケラチン15・CD34・α6インテグリン・S100a6陽性細胞を認めなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)配列番号:1に示すアミノ酸配列を有するXVII型コラーゲン、又は
(ii)配列番号:1のアミノ酸配列に対して80%以上のアミノ酸配列同一性を有し、かつ色素幹細胞の異所性分化を抑制する活性を有するXVII型コラーゲン変異体、
を含む、色素幹細胞の異所性分化抑制剤。
【請求項2】
前記色素幹細胞の異所性分化が、バルジ領域での成熟色素細胞への分化である、請求項1に記載の異所性分化抑制剤。
【請求項3】
(i)配列番号:1に示すアミノ酸配列を有するXVII型コラーゲン、又は
(ii)配列番号:1のアミノ酸配列に対して80%以上のアミノ酸配列同一性を有し、かつ色素幹細胞の消失を抑制する活性を有するXVII型コラーゲン変異体、
を含む、色素幹細胞の消失抑制剤。
【請求項4】
前記色素幹細胞の消失が、バルジ領域での成熟色素細胞への分化に引き続いて起こる消失である、請求項3に記載の消失抑制剤。
【請求項5】
(i)配列番号:1に示すアミノ酸配列を有するXVII型コラーゲン、又は
(ii)配列番号:1のアミノ酸配列に対して80%以上のアミノ酸配列同一性を有し、かつ毛包幹細胞の異常分化を抑制する活性を有するXVII型コラーゲン変異体、
を含む、毛包幹細胞の異常分化抑制剤。
【請求項6】
前記毛包幹細胞は、未分化角化細胞としてバルジ領域を構成しており、
前記毛包幹細胞の異常分化は、バルジ領域を構成する未分化角化細胞から表皮や脂腺等への異常な成熟分化である、請求項5に記載の異常分化抑制剤。
【請求項7】
(i)配列番号:1に示すアミノ酸配列を有するXVII型コラーゲン、又は
(ii)配列番号:1のアミノ酸配列に対して80%以上のアミノ酸配列同一性を有し、かつ毛包幹細胞の消失を抑制する活性を有するXVII型コラーゲン変異体、
を含む、毛包幹細胞の消失抑制剤。
【請求項8】
前記毛包幹細胞は、未分化角化細胞としてバルジ領域を構成しており、
前記毛包幹細胞の消失は、バルジ領域を構成する未分化角化細胞から表皮や脂腺等への成熟分化による消失である、請求項7に記載の消失抑制剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−35514(P2009−35514A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202319(P2007−202319)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年7月1日 日本炎症・再生医学会発行の「日本炎症・再生医学会雑誌 炎症・再生」に発表
【出願人】(504160781)国立大学法人金沢大学 (282)
【出願人】(504173471)国立大学法人 北海道大学 (971)
【Fターム(参考)】