説明

insituで形成された二酸化白金を還元することによって得られる白金触媒

本発明は、触媒、特に、ガス拡散電極又は触媒で覆われた膜構造中の組込みに適した白金黒又は炭素支持された白金電気触媒(前記触媒は、炭素支持体上にin-situで形成された二酸化白金の化学的還元によって得られる)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、触媒、特に、ガス拡散電極又は触媒でコーティングされた膜構造中への組込みに適した白金黒又は炭素支持された白金電極触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
白金(黒又は炭素支持された)は、例えば、燃料電池、電気分解及びセンサ用途においてガス拡散電極及び触媒でコーティングされた膜構造における組込みのためのよく知られた触媒である。従来技術において、炭素支持された白金は、例えば、US3,992,512及びUS4,059,541に記載されるように、白金亜硫酸錯体から出発する、白金コロイドゾルから一般に生産される。この方法は、必要に応じて炭素の存在下における、過酸化水素(H)を用いたHPt(SOOH種の酸化を必要とし、長い反応時間に亘る複雑なpH制御を必要とする。結果として、平坦でないかなり大きな粒度が、比較的高白金ロードについて特に、結果として生じ得る。
【0003】
代替ルートは、必要に応じて炭素の存在下におけるS2−イオンを用いたクロロ白金酸(HPtCl)の還元から成る;このようにして、Ptコロイド粒子が形成され炭素粒子表面上に吸収されるが、この吸着は、簡単ではなく、高白金ローディングは特に得ることが困難である。また、コロイド白金の形成は相当遅いため、大きな粒度及び不均等なサイズ分布が非常に生じ易い。
【0004】
炭素支持された白金が炭酸ナトリウム含有アルカリ溶液へのクロロ白金酸の添加によって調製されるUS4,392,927において開示される方法によって、状況は実質的に改善されない。非化学量論的水酸化物の形成及び溶液全体の反応の不均一性は、不十分な平均粒度及びその分布を結果生じる。これらの従来技術の方法は、共通したかなり低い反応速度を有し、一貫した粒度に成長する十分な時間を有する析出核中心(precipitation nuclei centers)の形成はほとんど伴わない。電極触媒は、主に表面現象であると知られるため、大きな粒度は、より低い触媒活性/ユニット触媒重量を結果生じ、換言すれば、高価なプラチナ金属の利用率(utilisation factor)は、比較的低い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の範囲
第一側面のもとに、広い範囲のローディングに亘った小さく且つ均一な粒度によって特徴付けられる炭素支持された白金触媒を提供することが本発明の目的である。
【0006】
他の側面のもとに、小さく且つ均一な粒度によって特徴付けられる白金黒触媒を提供することが本発明の目的である。
【0007】
他の側面のもとに、導電性ウェブ(electrically conducting web)上に、小さく且つ均一な粒度によって特徴付けられる炭素支持された白金触媒を組み込む電気化学的用途における使用のためのガス拡散電極を提供することが本発明の目的である。
【0008】
他の側面のもとに、小さく且つ均一な粒度によって特徴付けられる白金黒触媒を組み込む電気化学的用途における使用のためのガス拡散電極を提供することが本発明の目的である。
【0009】
他の側面のもとに、イオン交換膜上に、小さく且つ均一な粒度によって特徴付けられる炭素支持された白金触媒を組み込む電気化学的用途における使用のための触媒でコーティングされた膜を提供することが本発明の目的である。
【0010】
他の側面のもとに、イオン交換膜上に、小さく且つ均一な粒度によって特徴付けられる白金黒触媒を取り込む電気化学的用途における使用のための触媒でコーティングされた膜を提供することが本発明の目的である。
【0011】
他の側面のもとに、広い範囲のローディングに亘る小さく且つ均一な粒度によって特徴付けられる炭素支持された白金触媒の形成のための方法を提供することが本発明の目的である。
【0012】
更に他の側面のもとで、小さく且つ均一な粒度によって特徴付けられる白金黒触媒の形成のための方法を提供することが本発明の目的である。
【0013】
これら及び他の目的は、以下に説明され、より詳細に添付の特許請求の範囲において描写される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明
第一の側面のもとに、本発明は、必要に応じて炭素支持体上の二酸化白金のin situ析出及び引き続くその還元によって得られる白金黒又は炭素支持された白金触媒からなる;好ましい実施形態において、二酸化白金は、必要に応じて炭素支持体上に吸着した、ジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネート、HPt(OH)(白金酸とも知られる)から析出される。本発明は、PtOコロイドの形成が熱活性化を必要とするという事実から利益を得る;従って、熱制御が非常によく確立されたコロイド析出の開始をマークし得るため、多くの析出核中心が溶液の至る所で同時に形成される。結果生じるPtO粒子は非常に小さく、炭素担持された触媒の場合、それらは非常の急速に支持体上に吸着し、制御されない粒度の成長へと導く凝集現象を回避する。出発前駆体としての白金酸の好ましい使用は、濃縮酸におけるその高い溶解度とは反対の希釈酸におけるこれらの種の不溶性という更なる利益を得、このようにして、pH制御も、単独又は熱制御の併せて、PtOの析出を引き起こすために使用され得る。好ましい実施形態において、高活性面積(high active area)カーボンブラックが炭素支持体として使用される;“高活性領域”は、ここにおいて50m/g以上の表面積を意味する。幾つかの商業的に入手可能なカーボンブラック種は、この要求を満たすと知られる(例えば、Vulcan XC−72及びBlack Pearl 2000(Cabot Corp.から)及びAkzo Nobelによって市場に出されるKetjen Black)。例えば、アセチレンブラック又はグラファイト粒子などの他のタイプの導電性炭素粒子も有利に使用され得る。
【0015】
PtO中間体からの白金触媒の析出における更なる利点は、活性Pt種への後者の容易な還元にある;これは、例えば、ホルムアルデヒド、蟻酸、シュウ酸、ホウ水素化ナトリウム、次亜燐酸塩などの最も一般的還元剤によって容易に得られ得る。特に好ましい実施形態において、還元は高温における流動水素ガス下で実施され得るため、汚染物質種の使用が完全に回避される。
【0016】
第二の側面のもとで、本発明は、例えば、炭素織物(carbon woven)又は不織布又はカーボン紙などの導電性ウェブ中に上記に開示される触媒を組み込むことによって得られるガス拡散電極からなる。
【0017】
他の側面のもとで、本発明は、イオン交換膜上に上記に開示される触媒を組み込むことによって得られる触媒でコーティングされた膜からなる。
【0018】
更なる別の側面のもとで、本発明は、必要に応じて水溶液中に分散した炭素支持体上に、in situで形成された二酸化白金を還元することを含む、白金黒又は炭素支持された白金触媒の製造のための方法からなる。好ましい実施形態において、必要に応じて炭素支持体上に予め吸着したジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネート前駆体を変換(convert)することによって、二酸化白金のin situ形成は得られる;このような変換は、好ましくは、pH及び/又は温度のバリエーションによって実施され、例えば、2〜5の間に含まれるpHに達するまでの、例えば、苛性ソーダ又はアンモニア等のアルカリの酸性出発溶液への制御された添加、及び/又は温度を室温から30〜100℃に含まれる最終温度、好ましくは70℃に上昇することによる。高活性面積カーボンブラックが、炭素支持体として好ましくは使用され;好ましい実施形態において前駆体の吸着前に、カーボンブラック支持体は、濃硝酸中でスラリー化され、結果生じるスラリーは、白金酸を容易に溶解するために使用され得る。他の好ましい非錯化強酸(non-complexingstrong acid)が硝酸の代わりに使用され得、例えば、HClO、HSO、CFCOOH、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸である。それ程好ましくない実施形態において、HCl及びHBrなどの錯化強酸も使用され得る。しかし、非ハライド及び非硫黄含有酸は好ましく、結果生じるプロダクトは、汚染物質が無く、低い温度で還元され得る。
【0019】
調製の後、結果生じる触媒は、120℃〜500℃、より好ましくは200〜350℃に含まれる温度において、制御された雰囲気、必要に応じて、還元雰囲気(例えば、水素下)又は不活性雰囲気(例えば、アルゴン若しくは窒素下)において、熱処理され得る。
【0020】
以下に開示される実施例は、本発明の好ましい実施形態の幾つかをより明確にする目的を有し、それを限定すると解釈されるのではない。
【実施例】
【0021】
実施例1
Vulcan触媒上の30%Ptは、以下のように調製された:700gのCabot CorpからのVulcan XC−72は、25Lの脱イオン水中に懸濁され、15分間Silverson(登録商標)分散剤によってスラリー化された。このようにして得られた均質なスラリーは、0.87Lの69%w/o硝酸を添加することによって酸性化され、30分間撹拌された。
【0022】
次いで、4.13Lの4M 硝酸溶液が、3.07Lの脱イオン水と1.06Lの69%w/oHNOを混合することによって調製された。
【0023】
300gの白金を含有する溶液を作成するために、468.75gのHPt(OH)(ジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネート、白金酸又はPTAとも呼ばれる)は、4M HNO中に溶解された。PTA溶液は次いで5分間で該スラリーに添加された。該スラリーは、室温で30分間撹拌され、次いで2時間かけて70℃まで加熱され、70℃で1時間維持された。該スラリーは、次いで約5のpHに達するまで、濃アンモニア(約2.4Lの30%NH)を用いて中和された。プラチナ化合物を金属に還元するために、約300mlの蟻酸が1時間かけて該スラリーに添加された。該スラリーが更に1時間撹拌された後、スターラーは除去された。該スラリーは、冷却させられ、終夜沈降され、上清液は二日目にデカントされた。該スラリーは、最終的に濾過され、15Lの脱イオン水で6回洗浄された。該触媒ケークは、2%以下の水分含有量に達するまで120℃で乾燥された。該材料は最終的にボールミルされた。
【0024】
実施例2
該スラリーの温度を70℃に上げ、それを1時間保持した後に、該スラリーを終夜落ち着かせるためにヒーターと撹拌器(stirred)が除去されたという違いを伴って、実施例1の方法が繰り返された。中和又は蟻酸還元工程は、実施されなかった。該スラリーは次いで実施例1に記載されるように、濾過され、洗浄され、乾燥された。最終工程において、該触媒は1時間200℃においてHガスで還元された。
【0025】
実施例3
蟻酸の代わりに、該スラリーが180mlのホルムアルデヒドを添加することによって化学的に還元されたというだけの違いをもって、実施例1の方法が繰り返された。
【0026】
実施例4
該スラリーを中和するためにアンモニアを添加する代わりに、このような工程が1時間かけて約2.2Lの約15M NaOHを添加することによって実施されたというだけの違いをもって、実施例1の方法が繰り返された。最終pHが約5.0に制御された。
【0027】
実施例5
実施例1の方法が繰り返され、得られた触媒粉末が1時間アルゴンストリーム下で350℃まで加熱された。
【0028】
実施例6
Vulcan XC−72上に60%Ptを調製するために、実施例1の方法が採用された。200gのVulcan XC−72が7.5Lの脱イオン水に添加され、15分間Silverson(登録商標)分散剤を用いてスラリー化された。該スラリーは後に0.87Lの69%w/o硝酸を添加することによって酸性化され、30分間撹拌された。468.75gのPTAが、実施例1のように調製された4.13Lの4M HNO中に溶解された。PTA溶液は、該スラリーに添加された。該スラリーが室温で30分間撹拌された後、17.5Lの脱イオン水が該スラリーを希釈するために添加された。加熱、中和、蟻酸添加、濾過、洗浄、乾燥及びボールミリングを含む続く工程は、実施例1に記載される通りであった。
【0029】
実施例7
白金黒触媒は、以下のように調製された:468.75gのPTA(300gのPtに相当する)は、1.93Lの69%w/o HNOと3.0Lの脱イオン水を混合することによって調製された希HNO溶液中に溶解された。25.07Lの脱イオン水は、撹拌下1時間かけてこの溶液に添加された。この混合液は、30分間室温で撹拌させられ、次いで2時間かけて70℃に加熱され、1時間70℃で維持された。オレンジ色の懸濁液が得られ、これは次いで濃アンモニア(約2.4Lの30%NH)を用いて、pH約5.0に達するまで中和された。プラチナ化合物を還元するために、300mlの蟻酸が次いで1時間かけて懸濁液に添加された。懸濁液の色がオレンジからブラックに変化し、該懸濁液は容易に沈降された。上清液がデカントされた後、沈殿物は濾過され、6アリコートに分けられた全量15Lの脱イオン水で洗浄された。触媒ケークは次いで120℃において乾燥され、得られた材料は最終的にボールミルされた。
【0030】
実施例8
炭素支持体がBlack Pearl 2000であり、触媒がさらに200℃でHガスを用いて処理されたことを除いて、30%Pt触媒を調製するために実施例1の方法が繰り返された。
【0031】
実施例9
Shawiniganアセチレンブラック(SAB)触媒上の40%Ptは、以下のように調製された:48.0gのSABは1480mlの脱イオン水に添加され、Silverson(登録商標)分散剤を用いて10分間スラリー化された。該スラリーは後に0.80Lの69%w/o硝酸を添加することによって酸性化され、30分間撹拌された。50.0gのPTAは実施例1のように調製された440mlの4M HNO中に溶解され;PTA溶液は次いで該スラリーに添加された。室温での30分間の撹拌後、1000mlの脱イオン水が該スラリーを希釈するために添加された。該スラリーは更に30分間室温で撹拌され、次いで2時間かけて70℃に加熱され、1時間70℃に維持された。該スラリーは次いで濃アンモニアを用いて約pH5.0に達するまで中和された。
【0032】
プラチナ化合物を金属に還元するために、32mlの蟻酸が1時間かけて該スラリーに添加された。スラリーは次いでさらに1時間撹拌され、冷却され、濾過され、6アリコートに分けられた900mlの脱イオン水で洗浄された。触媒ケークは次いで水分含有量が2%未満に達するまで120℃で乾燥された。得られた材料が最終的にボールミルされた。
【0033】
実施例10
炭素支持体がKetjen Black 600であり、触媒が200℃でHガスを用いて更に処理されたことを除いて、実施例9の方法が40%炭素支持されたPt触媒を調製するために繰り返された。
【0034】
実施例11
回転円盤電極(RDE)が前のサンプル及び従来技術の二つの触媒の酸素還元に対する
触媒活性を評価するために使用された。従来技術の触媒は、米国特許3,992,512において開示される方法に従って白金亜硫酸(HPt(SOOH)から調製されたVulcan XC−72上の各々30%及び60%Ptであった。
【0035】
30%Pt炭素支持された触媒について、手順は以下の通りである:希釈インキは、50mlのアセトンと25mgの触媒を混合することによって調製される。全量20μlのこのインキは、4コートにおいて、グラッシーカーボン回転電極(直径4mm)の先端上に塗布される。電極上の総Ptローディングは3μgである。一度インキが乾燥したら、0.26mg/mlのNafion(登録商標)の更なる層が、5重量%のNafion懸濁液(Solution Technology, USAから)5μlを適用し、乾燥まで蒸発することによって堆積される。
【0036】
40%Pt炭素支持された触媒について、31.3mgのサンプルがインキを作成するために使用される;電極上の総Ptローディングは5μgである。
【0037】
60%Pt炭素支持された触媒について、41.7mgのサンプルがインキを作成するために使用される;電極上の総Ptローディングはまた5μgである。
【0038】
白金黒触媒について、インキを作製するために50mgが使用され、Ptローディングは20μgである。触媒によって完全に覆われた表面が要求されるため、全ての触媒についてPtローディングは異なる;活性に関する比較は、同一パーセントローディングを有する触媒間でのみなされるべきである。上記の調製の後、電極は連続的なバブリングによって60℃においてOで飽和した0.5M HSO溶液中に配置される。白金対電極とHg−HgSOリファレンス電極は、RDEと共にGamry PC4/750 mA Potentiostat/Galvanostatに接続される。電位スキャンは3600RPMローテーション下で適用され、関連する電流−電位曲線が記録され、溶解した酸素の還元に対応する電流プラトーを示す。プラトーの高さの半分における電位(RDE半波電位、E1/2)が、触媒上の酸素還元反応についての分析インジケータとして使用される。よりポジティブな電位は、酸素還元のためのより大きな機能(facility)を示す。
【0039】
表1は、実施例1〜10の異なる触媒(EX1〜EX10)、及び白金亜硫酸(HPt(SOOH)から調製されたVulcan XC−72上の前記30%及び60%Ptからなるコントロールサンプル(各々C30及びC60と示される)についてのRDE半波電位データを報告する;同表は、異なるサンプルのXRD結晶サイズも報告する。本発明に従って調製された全ての30%Ptサンプルについて、半波電位は対応するコントロールサンプルC30よりも高い;EX5を除くこれらのサンプル全てについて、XRDサイズも、コントロールサンプルについてより小さい。EX5サンプルのより大きなサイズは、350℃における熱後処理に起因するようである。これらのデータは、本発明に従ったサンプルが支持体上により均一な分布を有することを示す。優れた活性も、塩素及び硫黄含有リガンドなどの毒作用(poisoning)リガンドが無いことに付随する。
【0040】
60%Pt/Cサンプルについて、同様の結果が見られる。
【0041】
実施例9及び10は、新規な発明が異なる炭素基板に適用され得、優れた性能を結果生じることを最終的に示す。
【0042】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素支持体上のin situで形成された二酸化白金の化学的還元によって得られる炭素支持された白金触媒。
【請求項2】
前記炭素支持体が、50m/g以上の活性面積を有するカーボンブラックである、請求項1記載の触媒。
【請求項3】
前記炭素支持体に対する白金の重量割合が5〜60%に含まれる、請求項1又は2記載の触媒。
【請求項4】
前記in situで形成された二酸化白金が、前記炭素支持体上に吸着したジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネート(dihydrogen hexahydroxyplatinate)の変換によって得られる、請求項1記載の触媒。
【請求項5】
ジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネートの変換によって得られる二酸化白金の化学的還元によって得られる白金黒触媒。
【請求項6】
前記変換がpH及び/又は温度のバリエーションによって得られる、請求項4又は5の1項に記載の触媒。
【請求項7】
前記化学的還元が、水素ガス、ホルムアルデヒド、蟻酸、蓚酸、ホウ水素化ナトリウム、次亜燐酸塩からなる群から選択される還元剤を用いて実施される、請求項4又は5の1項に記載の触媒。
【請求項8】
更に、120〜500℃の制御された雰囲気中でさらなる熱処理に供される、前記請求項のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項9】
前記制御された雰囲気が還元雰囲気(必要に応じて、水素雰囲気)又は非活性雰囲気(必要に応じて、アルゴン若しくは窒素雰囲気)である、請求項8記載の触媒。
【請求項10】
導電性ウェブ(web)、必要に応じて、炭素織物又は不織布又はカーボン紙、及びその中に組み込まれた請求項1〜9のいずれか1項の触媒を含むガス拡散電極。
【請求項11】
イオン交換膜及びその中に組み込まれた請求項1〜9のいずれか1項に記載の触媒を含む触媒でコーティングされた膜。
【請求項12】
水溶液中で炭素支持体上のin situで形成された二酸化白金を化学的に還元することを含む炭素支持された白金触媒の製造方法。
【請求項13】
二酸化白金の前記in situ形成が、前記炭素支持体上に予め吸着されたジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネート前駆体を変換することによって得られる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記ジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネート前駆体の変換がpH及び/又は温度のバリエーションによって得られる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記pHのバリエーションが、アルカリ、必要に応じて、苛性ソーダ、又はアンモニアの添加によって得られる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記アルカリ又はアンモニアの添加が2〜5に含まれるpHまでで実施される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記温度のバリエーションが、前記水溶液を室温から30〜100℃の最終温度にすることからなる、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記炭素支持体が、50m/g以上の活性面積を有するカーボンブラックである請求項12記載の方法。
【請求項19】
前記ジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネート前駆体の吸着の前に、前記カーボンブラックが、HNO、HClO、HSO、CFCOOH、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、HCl、HBrから成る群から選択される強酸においてスラリー化される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
ジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネート前駆体を変換することによって得られる二酸化白金を化学的に還元することを含む白金黒触媒の製造のための方法。
【請求項21】
前記ジヒドロゲンヘキサヒドロキシプラチネート前駆体の変換が、pH及び/又は温度のバリエーションによって得られる、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記pHのバリエーションが、アルカリ、必要に応じて、苛性ソーダ又はアンモニアの添加によって得られる、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記アルカリ又はアンモニアの添加が、2〜5に含まれるpHまでで実施される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記温度のバリエーションが前記水溶液を室温から30〜100℃最終温度にすることからなる、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記化学的還元が、水素ガス、ホルムアルデヒド、蟻酸、蓚酸、ホウ水素化ナトリウム、次亜燐酸塩から成る群から選択される還元剤を用いて実施される、請求項12〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
120〜500℃に制御された雰囲気中の熱処理を更に含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記制御された雰囲気が、還元雰囲気(必要に応じて、水素雰囲気)又は不活性雰囲気(必要に応じて、アルゴン若しくは窒素雰囲気)である、請求項26記載の方法。

【公表番号】特表2007−532288(P2007−532288A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506731(P2007−506731)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003679
【国際公開番号】WO2005/097314
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(505118475)ペミアス ゲーエムベーハー (24)
【Fターム(参考)】