説明

結束バンド

【課題】脚立と足場板を結束する結束バンドにおいて、結束バンドの引締めと同時に緊張され、また緊張結束されたバンドは解除レバーで容易に解除でき、バンドが破損した時も容易に交換できるようにすること。
【解決手段】金属製の本体バックル(6)に、軸芯a(8)を軸としたロック爪(3)、ロック爪(3)を作動させる螺旋バネ(2)、ロック爪(3)を解除する解除レバー(4)と、軸芯b(9)を軸としたテコ滑車(5)と、軸芯c(10)を軸とした脱着レバー(7)を設ける。ロック爪(3)は、金属または、セラミック、樹脂製で製作され、先端には引込み方向はフリーに、逆行はロックする形状の爪が数箇所設けられ、螺旋バネ(2)の反発力により、帯状バンド(1)を瞬時にロックする機能を有する。脱着レバー(7)は軸芯c(10)を軸とし回動することにより、帯状バンド(1)を脱着できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工事現場において、足場板と脚立等を容易に結束できる、結束バンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脚立とゴムバンドを結束するのには、両端部にフックの付いたゴムバンドを巻きつけて結束されていた。
【0003】
労働安全衛生法で脚立足場を使用する場合は、脚立と足場板を結束するように定められているが、面倒であるために、守られないことによる災害が多く発生している。
【特許文献1】特開2004−132148
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴムバンドは両端に金属製のフックが付いているが、殆どの脚立にはゴムバンドのフックを掛けるフックが無いため、脚立と足場を結束するのが面倒であった。
【0005】
また、ゴムバンドの長さ調整が出来ないため、ゴムバンドを引き伸ばして、フックを引掛けるとき、長さが合わない事が多かった。また、引掛けるためにかなりの力を必要とし、強く引きすぎるとゴムバンドが切れることもよくあったが、ゴムバンドは両端の金物とゴムが一体であるためゴムが破損した場合は使い捨てである。
【0006】
従来のゴムバンドは、脚立に縛り付けて保持する事が多いため、脚立のリース会社に脚立と一緒に返却される事が多い。リース会社ではゴムバンドは産業廃棄物として処分されているが、金具性のフックが付いたゴムバンドの処分に苦慮している。
【0007】
本発明は、上記の欠点をなくして、工事現場における脚立と足場板を容易に結束する結束バンドである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本体バックル(6)に、螺旋バネ(2)で作動するロック爪(3)と、ロック爪(3)を解除する解除レバー(5)と、帯状バンド(1)を引張る時に回動するテコ滑車(6)を設ける。
【0009】
帯状バンド(1)を脱着することが出来る脱着レバー(7)を設置する。
【0010】
カップ金具(14)を設けた、上記の本体バックル(6)と、脱着レバー(7)を設けたバンド用金具(13)と、脚立固定金具(12)を支軸(11)で軸着する。
【0011】
弾力性のある帯状バンド(1)をロック爪(3)で固定する。
本発明は、上記で構成される結束バンドである。
【発明の効果】
【0012】
脚立と足場板の結束が、引締めと同時に結束が固定され、ワンタッチで結束が開放されるため、結束作業が容易にできる。
また、結束バンドの端をフックに引掛ける必要がないため、結束する場所、寸法に巾広く対応でき、バンドが破損した場合もバンドの取替えができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
金属製の本体バックル(6)に、軸芯a(8)を軸としたロック爪(3)、ロック爪(3)を作動させる螺旋バネ(2)、ロック爪(3)を解除する解除レバー(4)と、軸芯b(9)を軸としたテコ滑車(5)と、軸芯c(10)を軸とした脱着レバー(7)を設ける。
ロック爪(3)は、金属または、セラミック、樹脂製で製作され、先端には引込み方向はフリーに、逆行はロックする形状の爪が数箇所設けられ、螺旋バネ(2)の反発力により、帯状バンド(1)を瞬時にロックする機能を有する。
脱着レバー(7)は軸芯c(10)を軸とし回動することにより、帯状バンド(1)を圧着し本体バックル(6)に装着できる。
【0014】
脚立と足場板には、作業員の作業による振動や荷重が繰返し作用されるので、これらに耐えられる緊張力が必要である。衣類のバックル付ベルトは、衣類の安定を目的としているが、本発明は縛ることを最大の目的とした構成である。本体バックル(6)の一端に、テコ滑車(5)を利用して、引張ることにより、帯状バンド(1)を強く緊張することが出来る。
【0015】
また、伸縮可能なゴム製または、合成樹脂で構成された、帯状バンド(1)の弾性力により、緊張する力を保持するとともに、作業員の作業により繰返される振動で、結束が緩むこともなく結束を維持することが出来る。

【実施例1】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照にしながら説明する。
【0017】
図1は本発明の結束バンドの概略斜視図が示されている。
帯状バンド(1)の片端部を脱着レバー(7)により、本体バックル(6)に取付けて、帯状バンド(1)のもう片方の端部を、脚立と足場板を巻いた後に、本体バックル(6)に設けられたロック爪(3)とテコ滑車(5)に挿入して帯状バンド(1)を引張ることにより結束するものである。
【0018】
図2は、本発明の断面図である。
帯状バンド(1)の端を脚立と足場板を巻いた後に、本体バックル(6)に設けられたロック爪(3)とテコ滑車(5)に挿入して帯状バンド(1)を引張る。
ロック爪(3)は螺旋バネ(2)の作用により、常に帯状バンド(1)を押える方向に作用される。締付方向はフリーに、逆行はロックされる先端の爪により常に逆行がロックされる。
テコ滑車(5)は帯状バンド(1)の移動に合わせ回動して、帯状バンド(1)を引張る動作を滑らかにするとともに、緊張する力を増大される。
帯状バンド(1)の弾性と、瞬時にロックするロック爪(3)の相互作用で結束される緊張力がより増大される。
【0019】
弾力性のある帯状バンド(1)の弾力性により、緊張を保持できるとともに、作業に伴う振動にも、緊張する力が弱まることもなく持続することが出来る。
【0020】
図3はロック爪(3)の解除方法を示した断面図である。
ロック爪(3)と同じ軸芯a(8)とする解除レバー(4)を回動し、ロック爪(3)を反転して、ロック爪(3)と、帯状バンド(1)の隙間を広げることにより、緊張力を開放し、帯状バンド(1)を引き抜くことができるものである。
【0021】
帯状バンド(1)を本体バックル(6)のロック爪(3)に挿入するときも、解除レバー(4)を反転して、ロック爪(3)の隙間を広くすることにより、帯状バンド(1)が容易に挿入できる。
解除レバー(4)は、接触による誤作動を防止されるように、テコ滑車(5)に沿う位置で保持される。
【0022】
帯状バンド(1)の交換方法を図4に示す。
帯状バンド(1)が破損、変形した場合は、軸芯(10)を軸とした脱着レバー(7)を回動することにより、本体バックル(6)に圧着されていた帯状バンド(1)を開放することが出来る。
【実施例2】
【0023】
図8は、本発明の結束バンドの結束形態の例の平面見下図である。このように、たすき掛けすることにより、脚立と足場板を、より安定した結束を行うことが出来る。
【0024】
図7は、脚立と足場板を帯状バンド(1)により、たすき掛けに結束する例である。本体バックルの位置は、作業中の接触による誤動作を防ぎ、かつ、結束作業の作業性を考慮して脚立踏板(15)の鉛直部分に配置されるのが望ましい。しかし、踏板の鉛直部分に本体バックルを設けて、対角に結束すると、足場板の厚みにより帯状バンド(1)と本体バックル(6)が直線にならないで、ねじれを生じる。
図6は、本体バックル(6)を脚立踏板(15)の鉛直部分に配置し足場板を結束した立面である。
【0025】
図5は、本体バックル(6)と、帯状バンド(1)を脱着するバンド用金具(13)と、脚立踏板(15)の鉛直部分にとりつけるための、脚立固定金具(12)を支軸(11)で軸着して、それぞれが帯状バンド(1)の結束の角度に応じられるようにした断面図である。脚立固定金具(12)の軸着部は凸形に膨らみを設け、本体バックル(6)の軸着部には、カップ金具(14)を設けることにより、結束時のねじれに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の概略斜視図。
【図2】本発明の断面図。
【図3】解除方法の断面図。
【図4】帯状バンド(1)の脱着の断面図。
【図5】実施例2の断面図。
【図6】実施例2の立面図。
【図7】実施例2の使用例の平面見下げ図。
【図8】実施例2の使用概略斜視図。
【図9】従来のゴムバンドの概略図。
【符号の説明】
【0027】
1 帯状バンド
2 螺旋バネ
3 ロック爪
4 解除レバー
5 テコ滑車
6 本体バックル
7 脱着レバー
8 軸芯a
9 軸芯b
10 軸芯c
11 支軸
12 脚立固定金具
13 バンド用金具
14 カップ金具
15 脚立踏板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体バックル(6)に、螺旋バネ(2)で作動するロック爪(3)と、ロック爪(3)を解除する解除レバー(4)と、帯状バンド(1)を引張る時に回動するテコ滑車(6)を設けることを特徴とする結束バンド。
【請求項2】
帯状バンド(1)を脱着することが出来る脱着レバー(7)を設置する請求項1の結束バンド。
【請求項3】
カップ金具(14)を設けた、請求項1の本体バックル(6)と、脱着レバー(7)を設けたバンド用金具(13)と、脚立固定金具(12)を支軸(11)で軸着した請求項1および2の結束バンド。
【請求項4】
弾力性のある帯状バンド(1)をロック爪(3)で固定する請求項1および2、3の結束バンド。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−12799(P2009−12799A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174777(P2007−174777)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(307014809)
【Fターム(参考)】