説明

“リントナイジング(商標)”処理による低圧低温調理方法

ジャガイモ、トウガラシ、トウモロコシ、タマネギ、豆、ヤムイモ、人参、ブロッコリー、ナス及びカボチャといった生野菜を低圧低温で調理するプロセス。このプロセスは、生野菜を清浄化し、ゆすぎ、ブランチングし、余剰な水分を除去し、ブランチングによりまだ熱いうちに野菜に対する実質的な真空の適用し、及び、処理した野菜を後の使用及び/または更なる調製のためにパッケージする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願に対する参照
本出願は2003年5月21日に出願された米国仮出願番号60/472,547号及び2003年12月30日に出願された米国仮出願番号60/533、699号の利益を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は食品処理に関する。特に、澱粉、セルロース、ペクチン、及び/または自然発生した糖及び酵素を含む物質を含有する食材(例えばジャガイモ、トウモロコシ、トウガラシ(peppers)、タマネギ、人参、ブロッコリー、カボチャ及び他の野菜)を後に更に処理したり消費したりするために予備処理するプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
商業的に入手可能な予備処理された野菜は、通常、まず全体を楔形片、薄片、細長片、細片、米粒状片などの部分にカットし、これらの部分を熱い湯または蒸気でブランチングした後、空気中または水中(浸漬または流水(deluge))で冷却し、最後に冷凍することによって調製されている。冷凍された野菜片は最終的なユーザ(典型的にはレストラン)により内容物としてまたはレストラン/コミッサリー(commissary)の調理場で通常用いられる手段(例えば茹でる、蒸す、炒める、焼く、あぶるまたはソテーするなど)によって再加温/再加熱することができる。他の再加温/再加熱手段としてはオーブンや電子レンジによる加熱がある。ほとんどの従来のプロセスは、冷凍され消費者へと出荷される野菜製品を製造するべく、上記した予備処理の様々な変形(工程の付加を含む)を用いている。
【0004】
商業的に調製されたジャガイモは、通常、全体を楔形片または細長片(米国の“ポテトフライ”または英国の“ポテトチップス”)のような部分にカットし、これらの部分を熱い湯または蒸気でブランチングし、続いて高温の空気中で乾燥し、熱い油で揚げた後に冷凍することによって調製される。冷凍されたジャガイモ片は、消費者(典型的にはレストラン)により、油で揚げるまたは従来のオーブンや電子レンジで加熱することで元に戻される。多くの従来のプロセスは、消費者へと出荷するべく冷凍されるジャガイモ製品を製造するべく、上記した処理の様々な変形(処理工程が付加されたものを含む)を用いている。
【0005】
別の方法として、新鮮な野菜を清浄化し、カットし、生の状態で(ブランチングすることなく)冷却し、同様の店等に販売することもできる。この短縮されたプロセスでは、“生鮮”製品として知られるものが製造される。生鮮製品は比較的貯蔵寿命が短く、製品内の酵素作用のため品質が低下したり、腐敗原因物質の作用によって劣化したりするという欠点がある。
【0006】
野菜の場合、生産物の大部分は、即時の使用、短期の貯蔵または長期の冷凍貯蔵用に処理される。許容可能な官能的品質を有する、処理されているが冷凍されていない野菜片の長期貯蔵(>30日)が望ましいが、達成するのが困難である。これら従来のプロセスのいくつかについて以下に述べる。
【0007】
“即時使用”野菜生産物は収穫された後、使用できない植物質及び畑屑(field debris)を除去され、手で包装されてから冷却される。通常、このプロセスは野菜生産物が収穫される畑またはその近くで行われる。これらの生産物は、通常、卸業者に直接送られ、卸業者はそれらを地域の小売り、レストラン及びコミッサリーに再販する。そのような生鮮野菜は比較的貯蔵寿命が短く、多くの場合、最終的な消費者に届く前にかなりの品質低下を生じる。このことは意図された新鮮さが最終的な消費者には享受されないということを意味する。その証拠は、新鮮でない野菜に典型的なしぼんだり萎びたりした外観に見ることができる。風味は好ましいものの、生鮮野菜製品は予備処理されたものと比べて大幅に長い調理時間を要し、そのため、カットや加熱調理作業に関連して健康リスクやコストが増加する。このような生状態の生鮮野菜製品は、十分な調製及び衛生設備を必要とし、エンドユーザによって安全に消費される前に十分な調理を必要とする。生鮮野菜製品は調理に時間がかかるので、レストランのような環境で要望に応じてそれらを調製するとすると、それに要する時間のためほとんどの客に忍耐を強いることとなるだろう。
【0008】
それに対し、短期貯蔵製品は上記と似ているが、主として、熟す前の収穫、元々の製品の品質または最適化された貯蔵設備によって、予想を越えた貯蔵に耐える。特に高品質の生産物は、結露しない飽和に近い状態を通じた湿分の最適化及び大気温度によって生じる酵素作用を最小化する特に設計された高湿度、低酸素、低温の環境において長期間貯蔵される。この貯蔵方法は、野菜生産物のより長期の貯蔵を可能とするが、非常に高価でその能力も限られている。また不都合なことに、この貯蔵方法に従い相応の投資をしても、野菜製品の品質は尚時間とともに低下する。
【0009】
従来知られている長期貯蔵のための野菜生産物の処理は、余剰の植物質、畑屑や他の不要物を生産物から除去することから始まる。送られてくる生の生産物は洗って、ジャガイモ、人参、タマネギ及びサツマイモ(ヤムイモ)のような場合、皮むきする。トウガラシなどの他の生産物は芯を除去する。最終的に所望される製品に応じて、更なる処理としてスライスしたり(slicing)切断したり(sectioning)することもできる。一般にスライスは1/32インチの薄いものから、2インチを越える厚いスライスの範囲に渡り、一方、切断物は1つの野菜につき2乃至12個とすることができ、例えば細片(shreds)や粒状片(rices)の形態をとることもできる。スライスまたは切断された野菜片は通常、貯めた湯(water bath)、湯の流し掛け(water deluge)、加熱飽和空気環境、マイクロ波エネルギーまたは高温生蒸気を含む媒体内でブランチングされる。ブランチング処理の後、生産物は貯めた水や水の流し掛けによって冷却される、或いは、積み重なったブランチング済みの生産物を通過する飽和空気によって冷やされる。冷却後、通常、生産物は公知の手段で冷凍される。生産物の冷凍を実現するため、産業用装置では、普通−20乃至−40°Fの空気を、積み重なった生産物を通過するように流す。冷凍後、生産物は貯蔵のためにパッケージされる。一般に、冷凍することで生産物の貯蔵寿命を延ばすことができ、生産物はより市場向きになり、運送したり店に出したりするのが容易になる。
【0010】
ジャガイモ片の調製の場合、ほとんどの従来プロセスは少なくとも1つの油で揚げる(par frying)工程を含む。油で揚げる工程では、通常、ジャガイモ片はタンク内の高温の食用油または脂に浸漬される。別の油で加熱調理する方法として、例えば“油を掛けて揚げる”(deluge frying)方式を用いることもでき、その場合、ジャガイモ片が調理器の下を運ばれる際、ジャガイモ片上に高温のフライ用油が下向きに吹き掛けられる、または、滝のように下向きに流れ落ちるようにされる。フライ用油は、通常350°F乃至375°Fの温度を有し、ジャガイモ片を部分的に調理し、水分を追い出し、それによってジャガイモ片の固形分の割合を増加させる。ジャガイモ片からの水分の除去は、食用油の加水分解を低減しその使用可能期間を伸ばすためにも望ましい。不都合なことに、上記の油で揚げる工程はジャガイモ片から短時間に水分を除去する上では効果的だが、特に油温度が高温の場合、水分除去の手段としては比較的荒っぽく、最終的に調製されるジャガイモ製品の官能品質に悪影響を及ぼす。
【0011】
従来の生鮮野菜の調製、パッケージング及び調理方法は若干の短期貯蔵可能性をもって出荷を可能とするが、酵素の活動を停止させたり、細胞内または細胞間の安定性を最適化したりはしない。酵素活動の停止及び細胞安定性の最適化をしないため、貯蔵寿命が短くなり、製品の外観が劣化する(変色や萎れ)結果となり、そのような野菜を最終的な顧客のために調製する際のエンドユーザによる負担が増大する。更に、野菜の外観、質感、張り(turgor)及び風味が許容できないほど悪化することで、上記したような短い貯蔵寿命のため廃棄される量が増加する。
【0012】
野菜生産物を処理して冷却または冷凍状態にすることで、従来は、生鮮としては扱われない特質を製品に与えていた。特に、製品の色、質感、張り及び風味の劣化のため、それら製品は新鮮なものより望ましくないものとなっている。また冷凍製品は、冷凍によって野菜の細胞間または細胞内状態が破壊され、液体流出の増大及び風味特性の損失のため新鮮な生産物より劣ってしまう。
【0013】
ジャガイモ製品に関し、高温の湯(または蒸気)によるブランチング、揚げ及び高温空気による乾燥の従来工程は、水分除去及び他の処理目的達成を容易にするが、それらは非冷凍ジャガイモ製品の調製の役には立たず、いくつかの望ましくない結果につながり得る。第1に、過度のブランチング及び空気乾燥は塵のようなジャガイモ粒子を生成し易く、それらは仕上げの揚げ工程の際に脱落する。その結果、フライ用油が化学的に分解して濁ったり、時期尚早に煙りを発したり、悪臭を生じたり、或いは他の不都合が生じてフライ用油の寿命が短くなる。第2に、比較的高温では、着香料(flavorings)、シーズニング及び香辛料が揮発または蒸発し易く、最終的な製品から除去(cooked out)されてしまう。第3に、高温で揚げたり、糖分濃度の高いジャガイモを用いたりすると、還元糖とアミノ酸との間の反応を含むマイラード反応のためジャガイモ片が濃い茶色となり得る。これを防止するため、従来は還元糖の少ない高品質のジャガイモを用いることが必要となっている。このことは、固形分の割合が高い冷凍ジャガイモ製品では、一層必要となる。第4に、あるジャガイモの風味は、高温に熱されたフライ用油の中で風味成分が劣化及び/または揮発することによって失われてしまう。この問題は、より長い処理が必要な“低固形分(low solids)”ジャガイモ製品において尚一層重大である。最後に、ジャガイモなどの冷凍野菜の揚げ時間は非冷凍のものに比べてより長い。
【0014】
上記した結果の多くが、野菜製品の短期から長期の貯蔵が可能なように設計された従来のプロセスによって悪化する。製造者は効率向上、労力の軽減及び復元の実現を目指している。しかしながら、これらは、風味、色及び食感(質感及び張り)を犠牲にする見返りとなっている。適切に処理された、最適な品質の製品は、品質属性の特に優れた野菜生産物からのみ実現することができる。しかしながら、これらの製品は非常に高価で、しかも、収穫地から顧客の食卓へそれらを届ける輸送等の管理のため手に入りにくい。更に、生鮮野菜の品質を保存しようとすることにより、適切な運送環境及び短い運送時間を維持するべく、地域ごとに処理することが必要となり得る。これらは全て製品の価格上昇につながるが、それにも関わらず品質は尚、時間の経過とともに明らかに劣化する。
【0015】
真空処理の使用は食品加工産業ではよく知られている。特に、野菜片やある種の肉に対し着香料や風味相乗剤(property enhancers)を導入するため真空注入(vacuum infusion)が用いられている。これは、食品片をチャンバー内に入れて真空にさらし、そして様々な着香料や風味相乗剤を導入し、それらが真空によって、真空が除去されるとき処理される部分の孔に浸透するようにすることによりなされる。真空注入は、また、食材を様々な抗菌剤及び/または殺菌剤で処理するのにも用いることができる。
【0016】
米国特許第6,245,291号明細書においてGoldbergらは、筋肉(muscle meats)、加工肉、様々な果物、多孔質及び非多孔質の食材への殺生処理の適用について論じている。その中心としているところは、人に対し有毒な細菌及び胞子形成体の破壊である。特に関心があるのは、真空を用いて殺生性または非殺生性物質の移動を引き起こすことである。開示されたプロセスの主たる目的は、エンドユーザによって知覚可能な対象製品の変化の最小化である。これは、殺生物剤のような薬剤に依存しない品質属性及び貯蔵性の最適化とは大きく異なる。
【0017】
米国特許出願公開番号US2003/0017238号におけるHaamerによる実施例において、真空環境がクレームされており、そこでは、処理または殺菌されるべき食品または類似の製品がプラスチックなどの適切な柔軟な材料中にパッケージされた後、マイクロ波または高周波エネルギーによって加熱される。パッケージは加熱の際気体が逃げることができるように通気逃し弁が設けられている。加熱サイクルの最後、冷却中に通気は閉じられ真空が形成される。この真空パッケージは真空環境における長期貯蔵を主たる目的としている。
【0018】
従来のジャガイモ片の予備処理に関する問題のいくつかは本分野において対処されている。米国特許第6,514,554号において、Minelliらは油で揚げる際に真空を適用すること及び真空下において油媒体中でブランチングすることをクレームしている。これらの処理のいずれも、“新鮮”で非冷凍の野菜製品として、パッケージされ、運搬され、エンドユーザにより調製されることが可能なジャガイモ及び/または野菜片の調製には役立たない。むしろ、Minelliは、所望の特質を得るための水または油媒体を用いた容器内処理に注力している。理解されるように、これは運転コスト及び投資費用の両方において非常に高価な処理装置であるが、最も望ましい野菜の特徴を与えるものではない。
【0019】
普通の米国スタイルのポテトチップを含むジャガイモ片に関し、これらの製品は一般に、製品が濃い茶色になるのを避けるため高価な生のジャガイモの使用を必要とし、その重さに対する体積の比のため運送費が高くつく、積み替え時に欠ける、及び使用前の保管期間によって生鮮さに大きくばらつきが生じ得る。これらは望ましくない特性であり、製造者や技師はなくしたいと思っている。
【0020】
生鮮製品産業は、豆もやしを含む、清浄化されたまたは収穫されたばかりの果物及び野菜を冷却するのに真空冷却を用いている。France、ENESADのJennifer R. DeEll et al.による“Effects of Vacuum Cooling and Storage Temperature on the Quality of Bean Sprouts”なるタイトルの文献を参照されたい。そのような応用においては、製品は概ね収穫地の近くでパッケージされる。パッケージ温度は様々な冷却技法及び真空装置を用いて低下される。製品温度は、プロセスの完了時には氷点に近い温度となり得る。これは搬送用にパッケージされる新鮮な未処理製品を必要とし、その目的は出荷のための調製において畑の熱(field heat)を除去することである。
【0021】
飲食産業用の肉の真空冷却に関し、「Technical Paper No. ICR0651, M. Houska et al.」は、様々な加工肉を冷却のために真空装置で処理する方法について述べている。この開示されたシステムは、仕上げされたすぐに配給可能な肉製品についてのみ適用されている。さらに、真空下での肉の表面への添加物の注入について論じられており、そのような注入は食肉産業では広くなされている。
【0022】
Zhihang Zhang et al.は、「an experimental study on temperature and weight loss profiles of vacuum cooling of sliced cooked carrot Technical Paper No. ICR0470」において、調理されカットされた人参スライスの冷却に真空装置を用いることを開示している。この研究では、真空冷却が実際に効果的な冷却方法であることが検証されている。非常に小さな研究室スケールで実験がなされ、主として定性的な結果が得られている。
【0023】
“「Free Volatile Components of Passion Fruit Puree Obtained by Flash Vacuum-Expansion」, P. Brat et al., J. Agric. Food Chem., 48(12)”なる論文において、著者はパッションフルーツのピューレからエッセンスを抽出することについて論じている。これは、本分野で入手可能なよく知られた多重効用真空誘導蒸発装置(multi effect vacuum induced evaporators)にかなり類似している。揮発性のエッセンスはホスト媒体(一般にプロセスピューレ)から抽出された後、濃縮され、販売可能な製品として利用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
このように、商業的に処理される野菜製品産業において、以下の利点の一つまたは複数を提供する野菜または野菜片の調製方法が必要とされている:“新鮮な”状態で、即ち、色の劣化及び/または質感や張りの喪失なく野菜の配送を可能とするような長期の貯蔵寿命;エンドユーザにより所望に応じて短時間に調製可能でありながら、新鮮なものを調製したような外観を呈する野菜片(portions);弾力性を呈し、ひっつきにくく、最終的な調理または再加熱の前に形が崩れたりしにくい予めカットされた野菜製品;野菜の自然な風味の多くの保持;及び最終的な調製に要する時間及び労力の低減。これらの望ましい特性の1または複数の組み合わせによって、より美味しく、経済的で、外観が良く、要望に応じてすぐに調理したり陳列したり(即ち、サラダバー)することができ、且つ、潜在的により栄養価の高い野菜製品を提供することができよう。
【課題を解決するための手段】
【0025】
要約すると、本発明は、“新鮮な”野菜(ジャガイモを含む)、野菜及びジャガイモ片などを調製するための改善された前処理方法を含む。ここで、“新鮮(fresh)”はリントナイジング(Lintonizing、商標)法に基づいて処理された野菜及び野菜片を示すのに用いられ、これに対し“生(raw)”は、リントナイジング法の開始時の野菜の状態である。また、“野菜片(vegetable portions)”という用語は野菜全体(whole vegetables)も含み得る。本発明の野菜への適用に加え、本プロセスは果物にも適用することができ、同様の結果が得られるであろうことが予期される。リントナイジングは、Columbus, OhioのViands Concerted, LLCにライセンスされた独占プロセスに対するサービスマークである。
【0026】
一実施例では、皮むきしカットした野菜片をブランチングし、表面の余分な水分を除去し、低温低圧で調理した後、冷却してからパッケージする。別の実施例では、調製しカットした野菜をブランチングし、余分な表面の水分を除去し、低温低圧で調理し、続いて着香料、風味相乗剤及び/または保存料で処理した後、パッケージする。いずれの実施例においても、野菜片をカットした後、ブランチングする前にゆすいで、野菜の表面からカットの残留物を除去してもよい。処理した野菜の風味及び外観をよくするため、低温低圧の調理工程に続いて野菜片を焼いたり(grill)あぶったり(roast)してもよい。
【0027】
上記したプロセスにより、冷却して輸送可能で、十分に長い貯蔵寿命(通常、>30日)を有し、風味豊かで外観もよく官能品質の優れた最終製品を提供する高品質の野菜製品、即ち、野菜風味が向上し、色がきれいで、型崩れしにくい製品が提供される。また上記プロセスは、飲食業界に、短時間で再加温及び/または再加熱可能な、極めて短時間で且つ簡単に用意できる仕上げされた野菜片を提供する。本発明の別の利点は、低品質の生の生産物でも官能品質の向上が可能であり、コストを低下しつつ品質向上を図ることができるということである。ある場合には、本発明に基づき調製された十分に調理された野菜製品は生の野菜の色を示す。当業者には理解されるように、本発明によって他のプロセス上の利点及び製品特性の向上も達成される。
【0028】
添付の図面を参照しつつ以下の説明を読むことで当業者には本発明の更なる特徴が明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1を参照すると、ステップ10乃至50に示すように、本発明の実施例に基づき、生の野菜(限定するものではないが、ジャガイモ、トウモロコシ、タマネギ、トウガラシ、人参、カボチャ、ナス、サツマイモ、及びスナップえんどう豆(sugar snap peas)を含む)が運ばれ、処理前に貯蔵され、取り出され、清浄化され、不良がないか検査される。様々な生産物に対する従来の清浄化法には、トウモロコシの鞘とり(husking)/毛の除去(de-silking)、皮むき(根菜)及び水のプリューム(plume)や用水路(flume)または水の噴霧などによる洗浄が含まれる。清浄化された野菜は、ステップ60に示すように、最終的な製品として適切な大きさの複数部分または片にカットすることができる。ここで、“片(portions)”という用語はその最も広い意味で用いられ、細片(strips)や切片(segments)、及び特定の長さにカットした野菜を含み、場合によっては、概ね丸ごとの野菜も含む。カットのすぐ後、ステップ70に示すように、工程で生じた屑(debris)を除去するために、スプレーしたり水に浸漬することで野菜片をゆすいでもよい。
【0030】
ゆすいだ野菜片は、ステップ80において、処理される野菜の特性に応じて、一般に約165°F乃至沸騰したお湯への約15秒乃至70分の浸漬を含む、任意の数の手段にさらすことでブランチングされる。ブランチングは、浸漬、蒸気、流し掛け(deluge)またはマイクロ波のような多くの従来手段によって達成することができる。ジャガイモ及びサツマイモ(ヤムイモ)を除き、1乃至5分ぐらぐら沸騰したお湯が用いられるが、およそ90秒が好ましい。お湯の温度及び浸漬時間は、特に、野菜片の大きさ及びカットの形態によって変わる(上記の範囲外となることもある)。穂軸付きトウモロコシ(cob corn)の場合、高さの考慮も沸騰したお湯に浸漬する時間に影響する。一般に、ブランチング工程は野菜中に存在する酵素を不活性化し、貯蔵中に野菜が変色するのを防止する。
【0031】
ステップ80において、別の方法として、野菜片を蒸気中で、マイクロ波エネルギーを用いて、あるいは流し掛けブランチング装置(deluge blancher)によってブランチングしてもよい。ブランチング工程の時間と温度の組み合わせは、この工程の重要な要素である。ブランチング時間が短すぎる(例えば165°Fで15秒より短い)と野菜片は十分に加熱されず、その結果、酵素が不活性化されなかったり、細菌、イースト菌及び糸状菌が十分に無力化されずに残ってしまったりする。タイミングの他方の端において、ブランチング時間が長すぎると(例えば185°Fで45分)、野菜片を茹ですぎることとなり、柔らかくなりすぎ取扱いにくくなる。同様に、野菜片を高すぎる温度(例えば195°F以上)で70分以上の時間ブランチングすると、ほとんどの野菜片が柔らかくなりすぎ、変色し、最終的な消費者にとって好ましくないものとなってしまう。
【0032】
ブランチング工程の後、次の工程に行く前に、ステップ80において、野菜片から速やかに表面の余分な水分を除去する。振盪処理或いは高速ファンによるエアナイフを用いることで、野菜片に極力熱を留めつつ、余分な表面水分を速やかに除去することができる。そのような装備をブランチングプロセスに含めることもできる。
【0033】
ステップ10乃至ステップ80は野菜処理産業では公知のプロセスであり、図1において、矢印で示され、「従来の処理方法」と記載されている。これらは当業者には容易に理解されるだろう。標準的な業務用装置をこれらのプロセスにおいて容易に用いることができ、ここでは詳細な記載を省略する。
【0034】
本発明に基づくと、本プロセスは、ステップ90に示すように、水切りした野菜片を密閉した真空チャンバーに移し、そこで野菜片は、前のブランチング工程によってまだ加熱状態にあるうちに、真空に曝される。真空容器の扉は閉じてロックすることができるように設計されている。容器に野菜片が入れられロックされると、弁が開き、システムのアキュムレータに格納された真空圧によって、急速に容器を所定レベルの真空度とすることが可能となる。必要ならば、短時間(約30秒が好ましい)で目標真空度に到達するのを補助するべく真空ポンプを自動モードで運転することもできる。処理時間を減らすために目標真空ランプタイム(ramp time)は変わり得るが、目標真空になるべく早く到達することが望ましい。適用される真空は、周囲大気圧から約15インチHg乃至30インチHgへと上昇することができ、そこで70分までの範囲でばらつき得る所定の期間、約15インチHg乃至30インチHg(好ましくは約27.5インチHg)に維持される。用いられる真空源及び方法に応じて、所望の真空度に到達するのに10分以上かかることもある。真空サイクルの間、野菜片の表面及び微細構造から水分が引き出され、その一部はすぐに気化する。残りは表面に付着した液体であり、アキュムレータに溜まる水やシステムの真空ポンプからの水蒸気排出に示されるように、プロセスの後の方で除去される。約18インチHg及び21インチHgにおける真空度変化率(vacuity rate)の一時的停滞によって更に示されるように、これら2つの真空レベル付近で気化点の熱(heat of vaporization point)が達成されると考えられる。それに対し、トウモロコシはこのような現象を示さず、真空度変化率は目標真空が達成されるまで全曲線に渡って一定である。
【0035】
ステップ90で実施される容器の大気圧への減圧は逃し弁の作動により速やかになされる。本発明の一実施例では、ステップ90における真空容器は、真空サイクルの間またはその後、容器の外面を流水冷却(deluge cooled)する冷却手段を含んでもよい。更なる冷却媒体を導入することで野菜片の冷却及び安定化が更に促進されると考えられている。しかしながら、実験によれば、ステップ90において真空サイクルの終了時に液体窒素を容器に導入すると、液体窒素によりもたらされる大きな冷却速度により、野菜片の表面だけでなく処理される野菜片の微小繊維セルロース構造にも悪影響が生じることが示された。
【0036】
本発明の望ましい利点の一つは、低温低圧調理プロセスにおいて野菜片の微小繊維セルロース構造から余分な水が除去されることである。その結果、細胞壁及びセルロース繊維が強固になる。これにより野菜片の質感及び張りが最適化されるが、これは長期の冷蔵のために特に望ましい。尚、実際の真空パラメータは、処理される生産物片の物理的特性及び最終的な製品の目標仕様を含む多くのファクターによって影響されることを理解されたい。
【0037】
ステップ90の真空サイクルの後、ステップ102において、新鮮な野菜片をその表面に焼き跡または炙り跡をつける機械に通すことができる。これはステップ100の冷却の前に行うとよい。冷却には、オゾンまたは二酸化塩素または他の細菌、カビ及びイースト菌処理剤を有するミスト、空気または溜めた水への浸漬が含まれる。これらの処理剤はステップ101においてポンプを介して供給することができる。別の実施例では、ステップ110に示すような脱水プロセスの直前に野菜片に殺菌剤をスプレーする。ポンプ101はプロセス100または110のいずれかに殺菌剤を供給する。その後、野菜片は脱水装置110に送られ、そこで空気式ストリッパ(air stripper)によって供給される高速空気や他の適切な脱水装置によって表面の水が除去される。
【0038】
続いてステップ120で野菜片をパッケージするが、ここで、特定の野菜片に適したCO、N及び/または他の不活性ガスのような不活性ガスを導入した後、余分な空気は真空ポンプによってパッケージから抜くことができる。パッケージされた製品は貯蔵130のため倉庫に送ったり、ステップ140に示すように直接消費者に送ったりすることができる。
【0039】
当業者には理解されるように、野菜片の風味及び質感成分は従来プロセスの各工程において大幅に劣化し得る。これは主として野菜中に含まれる揮発性のエッセンス及び他の成分の消散及び微細繊維セルロース構造及びセルロースの取扱いに対する悪影響による。本発明の低温低圧調理プロセスでは、細胞構造内の水分除去を最大化し非常に低い温度でも細胞及びセルロース繊維を強固にするので、いくつかの異なる生産物に対する応用において、上記のようなデリケートな風味、色及び質感成分が保存される。
【0040】
まとめると、貯蔵される製品の特性を貯蔵期間に渡って高め、より簡単で安全な調製に貢献し、視覚的にも味覚的にも消費者を満足させるプロセス工程が野菜片に適用されるため、本プロセスにより多くの利点が達成される。
【0041】

例1 この第1の例は本発明の一つの応用について例示する。この例における一般的なパラメータは穂軸付きトウモロコシに適用される。
【0042】
収穫して間もない(1乃至4週間以内)丸ごとの穂軸付きトウモロコシを受け取り、鞘とり/毛の除去を行い、検査し、所定の長さにカットした後、ゆすいで表面の澱粉、糖分及びカットにより生じた残留屑を除去した。カット片を沸騰したお湯(ぐらぐら煮立った)に約90秒浸漬してブランチングし、芯の温度は約125°Fとなった。カット片をブランチング用のお湯から取り出し、揺すって余分な表面水分を除去した後、ステップ90に示したように真空容器内に直接置いた。
【0043】
カット片を、22秒で27.5インチHgに達する急速真空にさらしたが、カット片が110°Fまで冷却される間調理は継続した。真空プロセスに続いて、トウモロコシ片をオゾン処理した水を豊富に含んだ水浴に移し、カビ胞子、細菌または他の有機汚染物を破壊するべく3分間沈めたまま維持した。続いて製品のパッケージを行い、変形容易な材料中に特に設計したガスパッケージングを完成した。
【0044】
21日間の貯蔵の後、本発明のプロセスに従って調製したトウモロコシ片をパッケージから取り出し、お湯で茹でたりマイクロ波で加熱したりして調理した。得られたトウモロコシ片は非常に柔らかく、ジューシーで、甘味があり、色もよく、従来方法で調製したトウモロコシを再加熱したときに通常見られるようなトウモロコシ粒のしぼみや皺も最小限しかなかった。
【0045】
例2 この第2の例は本発明の別の応用について例示する。この例の一般的なパラメータは様々な野菜片の混合に適用される。
【0046】
収穫して間もない丸ごとのトウガラシ、玉葱、ズッキーニを受け取り、清浄化し、除芯し(トウガラシ)、皮むきし(タマネギ)、検査し、所定の部分にカットした後、除芯、皮むき及びカットにより生じた表面の残留屑を除去した。これら野菜片の混合を沸騰したお湯(ぐらぐらと煮立った)に約90秒、内部温度が約154°Fに達するまで浸漬してブランチングした。野菜片をブランチング用のお湯から取り出し、揺すって表面の余分な水分を除去した後、ステップ90において真空容器内に直接置いた。
【0047】
野菜片を、23秒で27.5″Hgに達する真空にさらしたが、カット片は106°Fまで冷却される間継続して調理された。23秒の真空プロセスの後、真空を解放し、野菜片をオゾンを豊富に含んだ水浴に移し、カビ胞子、細菌または関連する有機汚染物を処理するべく3分間沈めたまま維持した。続いて野菜製品の混合を変形容易な、ガスが充填されたパッケージ材料中に移した。
【0048】
21日間の貯蔵の後、リントナイジングプロセスを適用した野菜片をパッケージから取り出し、再加熱し、観察し、味を見た。野菜片は柔らかかったが、若干パリッとした感じがあり、ジューシーで、風味がよく、明るい色で外観も満足すべきものであった。これらの製品は、パッケージから取り出してすぐに消費することができ、グリル料理(grilling)を促進し、あるいは、肉料理の付け合わせとして用いることができる。
【0049】
例3 この第3の例は本発明の別の応用について例示する。この例の一般的なパラメータはスライスされたサツマイモ(ヤムイモ)片に適用される。
【0050】
収穫して間もない丸ごとのサツマイモを受け取り、皮むきし、清浄化し、検査し、約1/6インチの厚さの所定のスライスにカットした後、ゆすいで表面の残留屑を除去した。続いてカット片を185°Fのお湯に約10分浸してブランチングした。ヤムイモ片をブランチング用のお湯から取り出し、揺すって表面の余分な水分を除去した後、真空容器90内に直接置いた。
【0051】
そして、ヤムイモ片を約27インチHgまで徐々に変化する真空にさらし、10分間保持した。真空プロセスの後、ヤムイモ片をオゾンリッチな水の中に3分漬けて取り出し、余分な水分を振り落とした。更にヤムイモ片を深底フライ鍋に移し、約3分間、350°Fで揚げた。
【0052】
リントナイジングプロセスを適用したヤムイモ片を取り出し、前もって深底フライ鍋で揚げておいた未処理のヤムイモ片と比較した。本発明に基づいて処理したヤムイモ片は、外観、質感及び食感において、未処理のものと比べて大きく改善されていた。未処理のものは色が暗く、まだらであり、焦げた砂糖の味がした。
【0053】
例4 この第4の例は本発明の別の応用について例示する。この例の一般的なパラメータは1/4にカットされたタマネギ片に適用される。
【0054】
収穫して間もない丸ごとのタマネギを受け取り、皮むきし、清浄化し、検査し、1/4にカットした後、カットにより生じた表面の残留屑をゆすいで除去した。ブランチングした後、タマネギ片を沸騰したお湯に30秒浸してブランチングした。タマネギ片をブランチング用のお湯から取り出し、揺すって表面の余分な水分を除去した後、真空容器90内に直接置いた。
【0055】
そして、タマネギ片を約27インチHgまで徐々に変化する真空にさらし、10分間保持した。真空プロセスの後、タマネギ片をオープンフレームグリル調理器に移し、好ましい外観を呈するまでグリルした。比較のため、未処理のタマネギ片もグリルした。
【0056】
一群のタマネギ片を物理的に比較し、試食した。グリルしたが未処理のタマネギ片と比べて、処理したタマネギ片は明らかに良好な外観(明るい)、質感及び食感を示し、特に、さくさくした食感に優れていた。
【0057】
例5 この第5の例は本発明の更に別の応用について例示する。この例の一般的なパラメータは、野菜片、特にスナップえんどう豆に適用される。
【0058】
収穫して間もないスナップえんどう豆を受け取り、清浄化し、検査した。続いて、えんどう豆(pea portions)を沸騰したお湯に30秒浸してブランチングした。えんどう豆をブランチング用のお湯から取り出し、揺すって表面の余分な水分を除去した後、真空容器90内に直接置いた。
【0059】
そして、えんどう豆を約27インチHgまで徐々に変化する真空にさらし、約10分間保持した。保持期間の後、真空を除去し、処理したえんどう豆を、ブランチングしただけのえんどう豆と横に並べて比較するための検査エリアに移した。
【0060】
本発明に基づき処理したえんどう豆は、従来方法で処理したえんどう豆との横に並べた比較において、明らかに良好な外観(明るく生彩がある)、質感及び食感を呈し、特にサクサク感に優れていた。
【0061】
例6 この第6の例は本発明の別の応用について例示する。この例の一般的なパラメータは、ジャガイモ片に適用される。
【0062】
ラセット種の生のジャガイモを清浄化し、カットして、概ね米国タイプのポテトチップの大きさの薄いスライスにした。スライスにした後、これらジャガイモ片を冷たい水の中でゆすぎ、屑を除去した。ゆすいだジャガイモ片は175°F乃至180°Fのお湯の中に浸漬して約10分ブランチングした。ブランチング処理の後、ジャガイモスライスを速やかに水切りし、圧力容器に移送して、大気から約27.5インチHgへと徐々に変化する真空にさらした。所望の真空度に達したら、真空を除去し、ジャガイモ片を大気圧に戻した。真空調理工程の後、ジャガイモスライスを検査したところ、多くの望ましい特性を示した。第1に、これらのジャガイモスライスは弾力性があり欠けたりすることなく容易に扱うことができる。第2に、リントナイジング処理したジャガイモスライスは、従来手段で処理したものと比べて大幅に粘りが少なかった。更に、味の点では、処理したスライスは、心地よく、香りの高い調理されたジャガイモの風味がした。ジャガイモスライスは続いてプラスチック袋に入れ、空気を抜き、窒素と二酸化炭素の混合不活性ガスを用いて密閉した後、冷却した。
【0063】
21日後、ジャガイモスライスをプラスチックパッケージから取り出し、高温の、比較的安価な野菜油で、350°Fにおいて約90乃至120秒揚げることによって調製した。得られたポテトチップはとてもパリッとしており、一様に明るい金色を呈した。これらポテトチップは油を極僅かしか吸収していないように見え、軽く、デリケートでぱりっとした質感を有し、顕著に好適な新鮮なジャガイモの風味を有していた。揚げたジャガイモ片は周囲の低湿度雰囲気中で4日経過した後にもパリッとしていた。
【0064】
本発明の原理についていくつかの好適実施例を参照しつつ説明したが、当業者には明らかなように、そのような原理を逸脱することなく本発明の構成や詳細を変形することが可能である。
【0065】
本発明を後に通常のレストランやコミッサリーの手段で再加熱される冷却/冷凍野菜製品を調製するのに用いることができるが、オーブンで加熱する、焼く、揚げる、蒸す、茹でる、炙る等の他の方法で再加熱するよう意図された製品を製造するのに用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明の実施例に基づく、食材、特に野菜(ジャガイモを含む)の細胞間及び細胞内安定化のためのプロセスのフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後の消費または処理のため生野菜を調製する方法であって、
生野菜を清浄化する過程と、
前記野菜をゆすぐ過程と、
前記野菜を加熱された水で第1の所定の時間ブランチングする過程と、
前記ブランチングした野菜から余剰な水分を除去する過程と、
前記ブランチング過程によって前記野菜がまだ加熱されているうちに、所定レベルの真空度となるように前記ブランチングした野菜に真空を適用する過程と、
消費または更なる処理のため前記野菜から前記真空を除去する過程とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
ブランチングする前に前記野菜を少なくとも2つの部分に分割する過程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記野菜が前記所定レベルの真空度の真空内に第2の所定の時間置かれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記真空過程の後に前記野菜を、真空、大気、窒素ガス、二酸化炭素ガス及び他の不活性ガスからなるグループから選択された雰囲気の下でパッケージする過程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記野菜が、トウモロコシ、人参、タマネギ、豆、トウガラシ、ブロッコリー、カボチャ及びヤムイモからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
概ね前記真空を適用するときに前記野菜に着香料を導入する過程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記真空から取り出した後、前記野菜を焼くまたはあぶることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
後の消費または処理のため生野菜を調製する方法であって、
生のジャガイモを清浄化する過程と、
前記生のジャガイモをゆすぐ過程と、
前記生のジャガイモを加熱された水で第1の所定の時間ブランチングする過程と、
前記ブランチングしたジャガイモから余剰な水分を除去する過程と、
前記ブランチング過程によって前記ジャガイモがまだ熱いうちに、所定レベルの真空度となるように前記ブランチングした野菜に真空を適用する過程と、
消費または更なる処理のため前記野菜から前記真空を除去する過程とを有することを特徴とする方法。
【請求項9】
ブランチングする前に前記ジャガイモを少なくとも2つの部分に分割する過程を更に有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ジャガイモが、前記所定レベルの真空度の真空内に第2の所定の時間置かれることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記真空過程の後に前記ジャガイモ製品を、真空、大気、窒素ガス、二酸化炭素ガス及び他の不活性ガスからなるグループから選択された雰囲気の下でパッケージする過程を更に有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
概ね前記真空を適用するときに前記ジャガイモに調味料を導入する過程を更に有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記ゆすぎ過程が低温ゆすぎ(cold rinse)を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−528887(P2006−528887A)
【公表日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533334(P2006−533334)
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/016209
【国際公開番号】WO2004/103131
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505428891)
【氏名又は名称原語表記】LINTON, David, B.
【住所又は居所原語表記】6979 Clark State Road, Blacklick, OH 43004−9737, U.S.A.
【Fターム(参考)】