あおり旋回機能付き手動ステージ及びあおり旋回ステージ
【課題】直進機能を有する手動ステージに回転機能及び屈析機能を結合させたあおり旋回機能付き手動ステージ及び精密機器を回転及び屈析させるあおり旋回ステージを提供する。
【解決手段】手動ステージ200のベース板206を支持する支持板5と、球状の球体8とを有する屈析部2と、球体8を側方から屈析自在に保持する球体保持部9と、球体8と共に回転する回転板とを有する回転部3と、球体8を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛21が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部11と、土台に固定されるベース部15とを有する台座部4と、を備える。
【解決手段】手動ステージ200のベース板206を支持する支持板5と、球状の球体8とを有する屈析部2と、球体8を側方から屈析自在に保持する球体保持部9と、球体8と共に回転する回転板とを有する回転部3と、球体8を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛21が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部11と、土台に固定されるベース部15とを有する台座部4と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あおり旋回機能付き手動ステージ、及びあおり旋回ステージに係り、特に、精密機器が取付けられる摺動部品と、締結具により土台に固定されるベース板が接続される固定部品とが摺動機構を介して連結され、ハンドル操作により摺動部品を摺動させ、取付けられた精密機器の位置調整を行うあおり旋回機能付き手動ステージ、及び精密機器が取付けられ、その精密機器をあおり旋回させ、締結具により土台に固定されるあおり旋回ステージに関する。
【0002】
CCDカメラやセンサなどの電機・電子機器、レンズや顕微鏡等の光学機器、LEDなどの照明機器といった精密機器は、取付けに際し、位置決めやピント合わせのために位置調整しなければならない。また、取付け後において、さらにその位置を微調整する場合も発生する。
【0003】
これらの精密機器は、一般的に「ステージ」と称される機械要素上に設置されて位置調整される。手動ステージとは、これらのステージのうち、ハンドル操作により部品を手動で摺動させるステージをいう。この手動ステージは、機器が取付けられる摺動部品と、土台に接続される固定部品とが摺動機構を介して連結され、ハンドル操作により摺動部品を固定部品に対して手動で摺動させるのが一般的である。この手動ステージには、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれる。また、それぞれのステージには、使用目的に応じて多様な形式があり、例えば、アリ溝式ステージの場合には、1方向に摺動するX軸アリ溝式ステージ、略直交する2方向に摺動するXY軸アリ溝式ステージ、上下方向に摺動するZ軸アリ溝ステージなどの直進機能を有するステージ、及び回転して摺動する回転ステージがある。
【0004】
図21に、従来の一般的なX軸アリ溝式ステージを示す。X軸アリ溝式ステージ100は、台形状に窪んだアリ溝102を有する固定部品105に対し、台形状に突出したアリ101を有する摺動部品104が移動可能に嵌合される。この固定部品105は、締結具(図示せず)が挿入される土台締結用孔106を有するベース板108を介して土台(図示せず)に固定される。また、摺動部品104は、精密機器取付け用孔107に挿入される締付具(図示せず)を介して精密機器(図示せず)に接続される。摺動部品104は、ハンドル109を回転させることにより図中の矢印の方向に移動する。これは、X軸アリ溝式ステージ100の内部に、ラック及びピニオンギア(図示せず)、或いは送りねじ(図示せず)などの駆動機構が組み込まれていることによる。これらの駆動機構により、ハンドル109の回転が、摺動部品104の水平方向への移動に変換される。
【0005】
図22に、従来の一般的なXY軸アリ溝式ステージを示す。このXY軸アリ溝式ステージ200は、図中の左右方向である矢印の方向に摺動する上部ユニット202と,上部ユニット202と略直交する方向に摺動する下部ユニット203とが、連結具201及び接着剤により接着面206で接合されている。なお、図22では、上部ユニット202の摺動ユニット204を図の左側にスライドさせた状態を示す。上部ユニット202の固定ユニット205には、連結具201用の接続用孔207aが設けられ、下部ユニット203の摺動ユニット204には、連結具201用の接続用孔207bが設けられている。また、略直交する2つのハンドル209a及び209bによりXY方向に摺動させる。そして、下部ユニット203には土台(図示せず)に固定される土台締結用孔210を有するベース板208が設けられる。
【0006】
図23に、従来の回転ステージを示す。図23(a)は、回転ステージ300の側面図を示し、図23(b)は平面図を示し、図23(c)は底面図を示す。回転ステージ300は、精密機器取付け用307が設けられ、回転基準線302が印字された摺動部品304、土台締結用孔313が設けられて環状目盛301が印字された固定部品305、ハンドル309、及び摺動固定ネジ314から構成される。そして、図23(b)に示す矢印の方向にハンドル309を回転させると固定部品305に対して摺動部品304が回転して摺動する。また、摺動固定ネジ314を締め付けると固定部品305に対して摺動部品304が固定される。
【0007】
一方、特許文献1には、XY軸アリ溝式ステージである汎用アリ溝摺動ユニットが開示されている。ここでは、複数のアリ溝摺動ユニットを、締結具により着脱自在である連結部品により組み合わせることで、精密機器を平面状の2軸方向に位置調整でき、また、複数のアリ溝摺動ユニットが着脱自在であることで、例えば、ハンドルの方向などを容易に変更できるアリ溝摺動ユニットが記載されている。
【0008】
また、特許文献2には、XY軸アリ溝式ステージである複合アリ溝摺動ユニットが開示されている。ここでは、更に複数のアリ溝摺動ユニットを、連結部品を用いずに連結させる技術が記載されている。また、複数のアリ溝摺動ユニットのそれぞれのハンドルの回転軸を共有させ、2つのハンドル操作を1箇所で行うことができるアリ溝摺動ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3923997号
【特許文献2】特開2008−8446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した手動ステージは、精密機器に対していずれもX軸、XY軸、或いはZ軸に直進させる機能を有するステージが一般的である。しかし、手動ステージの使用状況によっては、例えば、X軸アリ溝式ステージ、XY軸ステージ、或いはZ軸アリ溝式ステージについて、それらのユニットをX軸及びY軸それぞれに対して略直交するZ軸回りの略360°の任意の位置に回転させて固定させる機能、X軸又はY軸それぞれの軸回りの略180°の任意の位置に屈析させて固定させる機能、又はこれらの回転と屈析を組み合わせた位置に固定させる機能が必要となる場合がある。
【0011】
また、特殊なステージとして回転して摺動する回転ステージがあるが、精密機器に対してX軸又はY軸それぞれの軸回りの略180°の任意の位置に屈析させて固定させる機能、又は回転と屈析を組み合わせた位置に固定させる機能が必要となる場合がある。
【0012】
手動ステージを使用するユーザは、手動ステージにこれらの機能がないため、別途治具を製作して従来の手動ステージに取付けるが、高い精度が要求される手動ステージが、ユーザにより付加された機能により維持できなくなるという問題があった。
【0013】
本願の目的は、かかる課題を解決し、直進機能を有する手動ステージに回転機能及び屈析機能を結合させたあおり旋回機能付き手動ステージ及び精密機器を回転及び屈析させるあおり旋回ステージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係るあおり旋回機能付き手動ステージは、精密機器が取付けられる摺動部品と、締結具により土台に固定されるベース板が接続される固定部品とが摺動機構を介して連結され、ハンドル操作により摺動部品を摺動させ、取付けられた精密機器の位置調整を行う手動ステージにおいて、手動ステージのベース板を支持する支持板と、球状の球体とを有する屈析部と、球体を側方から屈析自在に保持する球体保持部と、球体と共に回転する回転板とを有する回転部と、球体を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部と、締結具により土台に固定されるベース部とを有する台座部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
上記構成により、あおり旋回機能付き手動ステージは、回転部の回転板と、回転板を回転自在に支持する台座部の回転板受け部とにより、手動ステージに回転機能を結合させることができる。また、屈析部の球体と、球体を屈析自在に支持する回転部の球体保持部及び球体を下方から支持する台座部の球体支持部により、手動ステージに屈析機能を結合させることができる。そして、屈析部に回転部及び台座部を連結させることで、手動ステージに回転機能及び屈析機能を共に結合させることができる。
【0016】
また、あおり旋回機能付き手動ステージは、屈析部が、手動ステージのベース板と締結具を介して着脱自在に接続されることが好ましい。これにより、手動ステージの種類やサイズにかかわらず、直進機能のみを有する手動ステージに回転機能及び屈析機能を結合させことができる。そして回転及び屈析する球体の位置を任意の位置に固定することができる。
【0017】
また、あおり旋回機能付き手動ステージは、台座部が、球体の位置を固定する締付け機能を有し、球体支持部は、締付け機能により締め付けられると球体を上方に押し上げるように球体に対して斜めの角度で接する球体接触面を有し、球体保持部は、上方に押し上げられた球体を押え付ける球体押え部を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の位置が固定されることが好ましい。これにより、手動ステージを回転及び屈析させる際の球体の動きを所望の位置で固定することができる。
【0018】
また、あおり旋回機能付き手動ステージは,台座部が、球体に対して予圧を加え、球体の動きの程度を調整する与圧調整機能を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の動きの程度が調整されることが好ましい。これにより、手動ステージを回転及び屈析させる際の球体の動きの程度を調節することができる。
【0019】
さらに、あおり旋回機能付き手動ステージは,回転板には、環状の目盛と対向する位置に回転基準線が印字され、回転板受け部に取付けられた環状の目盛は取付けネジを外すことで回転自在となることが好ましい。これにより、取付けネジを外すことで環状の目盛の位置が自在となり、目盛のゼロ位置を任意に設定できる。また、基準線により環状の目盛を読み込むことで手動ステージの回転位置を測ることができる。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明に係るあおり旋回ステージは、精密機器が取付けられる支持板と、球状の球体とを有する屈析部と、球体を側方から屈析自在に保持する球体保持部と、球体と共に回転する回転板とを有する回転部と、球体を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部と、締結具により土台に固定されるベース部とを有する台座部と、を備える。
【0021】
上記構成により、あおり旋回ステージは、回転部の回転板と、回転板を回転自在に支持する台座部の回転板受け部とにより、回転機能を有する。また、屈析部の球体と、球体を屈析自在に支持する回転部の球体保持部及び球体を下方から支持する台座部の球体支持部により、屈析機能を有する。そして、屈析部に回転部及び台座部を連結させることで、回転機能及び屈析機能を共に結合させることができる。
【0022】
また、あおり旋回ステージは、屈析部が、精密機器と締結具を介して着脱自在に接続されることが好ましい。これにより、精密機器に回転機能及び屈析機能を提供することができる。そして回転及び屈析する球体の位置を任意の位置に固定することができる。
【0023】
また、あおり旋回ステージは、台座部が、球体の位置を固定する締付け機能を有し、球体支持部は、締付け機能により締め付けられると球体を上方に押し上げるように球体に対して斜めの角度で接する球体接触面を有し、球体保持部は、上方に押し上げられた球体を押え付ける球体押え部を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の位置が固定されることが好ましい。これにより、精密機器を回転及び屈析させる際の球体の動きを所望の位置で固定することができる。
【0024】
また、あおり旋回ステージは,台座部が、球体に対して予圧を加え、球体の動きの程度を調整する与圧調整機能を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の動きの程度が調整されることが好ましい。これにより、精密機器を回転及び屈析させる際の球体の動きの程度を調節することができる。
【0025】
さらに、あおり旋回ステージは,回転板には、環状の目盛と対向する位置に回転基準線が印字され、回転板受け部に取付けられた環状の目盛は取付けネジを外すことで回転自在となることが好ましい。これにより、取付けネジを外すことで環状の目盛の位置が自在となり、目盛のゼロ位置を任意に設定できる。また、基準線により環状の目盛を読み込むことで精密機器の回転位置を測ることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係るあおり旋回機能付き手動ステージによれば、直進機能を有する手動ステージに回転機能及び屈析機能を結合させたあおり旋回機能付き手動ステージ、及び精密機器を回転及び屈析させるあおり旋回ステージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るあおり旋回機能付き手動ステージの1つの実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図2】図1のあおり旋回機能付き手動ステージを略直交方向から見た側面図である。
【図3】図1のあおり旋回機能についての断面図である。
【図4】あおり旋回機能付き手動ステージの回転機能を示す平面図である。
【図5】あおり旋回機能付き手動ステージの屈析機能を示す側面図である。
【図6】あおり旋回機能付き手動ステージの屈析及び回転を組み合わせた機能を示す側面図である。
【図7】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージの平面図及び側面図である。
【図8】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージ(ハンドル延長タイプ)の平面図及び側面図である。
【図9】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きXY軸ステージの平面図及び側面図である。
【図10】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きZ軸ステージの平面図及び側面図である。
【図11】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージの平面図及び側面図である。
【図12】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きZ軸ステージの平面図及び側面図である。
【図13】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージの平面図及び側面図である。
【図14】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きXステージ(アリ溝送りネジタイプ)の平面図及び側面図である。
【図15】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージ(アリ溝スリム送りネジタイプ)の平面図及び側面図である。
【図16】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージ(アリ溝送りネジタイプ)の平面図及び側面図である。
【図17】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージの平面図及び側面図である。
【図18】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸粗微動ステージの平面図及び側面図である。
【図19】本発明に係るあおり旋回ステージの1つの実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図20】図19のあおり旋回ステージを略直交方向から見た側面図である。
【図21】従来の一般的なX軸アリ溝式ステージを示す斜視図である。
【図22】従来の一般的なXY軸アリ溝式ステージの側面図である。
【図23】従来の一般的な回転ステージの側面図、平面図、及び底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(あおり旋回機能付き手動ステージ)
以下に、図面を用いて本発明に係るあおり旋回機能付き手動ステージの実施形態につき、詳細に説明する。本実施形態では、1つの例としてXY軸アリ溝式ステージ200にあおり旋回機能を付加したあおり旋回機能付き手動ステージ1について説明するが、XY軸アリ溝式ステージ200に限らずX軸アリ溝式ステージ100やZ軸アリ溝式ステージなどについてもあおり旋回機能付きとすることができる。また、その他の機構の手動ステージである、送りネジ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージなどもあおり旋回機能付き手動ステージ1とすることができる。
【0029】
図1に、あおり旋回機能付き手動ステージ1の側面図を示す。また、図2に、あおり旋回機能付き手動ステージ1を図1のX方向から見た側面図を示す。さらに、図3に、あおり旋回機能付き手動ステージ1のあおり旋回機能の部分を断面で示す。あおり旋回機能付き手動ステージ1は、屈析部2、回転部3、及び台座部4から構成される。そして、XY軸アリ溝式ステージ200と屈析部2とが連結され、さらに屈析部2は、回転部3及び台座部4と連結されて一体化した製品となる。
【0030】
屈析部2は、支持板5、連結棒7、及び球体8から構成される。支持板5は、従来の手動ステージの1つの例であるXY軸アリ溝式ステージ200のベース板208に接続する。すなわち、支持板5にはベース板208の土台締結用孔210に対向する位置に連結用孔6が設けられ、締結具(図示せず)によりXY軸アリ溝式ステージ200を屈析部2に連結する。また、支持板5は、円筒状の連結棒7を介して球形の球体8に連結される。このように、屈析部2は、XY軸アリ溝式ステージ200のベース板208と着脱自在に接続される。従って、あおり旋回機能付き手動ステージ1は、手動ステージの種類やサイズにかかわらず、X軸、XY軸、Z軸などの直進機能を有する手動ステージに回転機能及び屈析機能を結合させことができる。
【0031】
回転部3は、球体8を側方から屈析自在に保持する球体保持部9と、球体8と共に回転する回転板10とを有する。図3に示すように、球体8と球体保持部9とは、球体接触部24により接触する。この球体接触部24は、XY軸アリ溝式ステージ200が屈析する場合には、球体8が球体保持部9に対して滑動するように球体9の曲面に合わせた曲面を有する。また、この球体接触部24は、XY軸アリ溝式ステージ200が回転する場合には、球体8が球体保持部9と共に回転するように球体8を保持する。さらに、球体接触部24は、球体8の側面上の中心点(Q)を通る水平線(Y)よりも上方であり球体8の曲面に沿った形状の部分を有する。これにより、後述するように、球体保持部9は球体接触部24により、球体8の位置を固定する際、又は球体8の動きの程度を調節する際に、球体8が上方に浮き上がるのを阻止する機能を有する。
【0032】
台座部4は、球体8を下方から支持する球体支持部12と、環状目盛21が取付けられ、回転板10を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部11と、締結具(図示せず)により土台(図示せず)に固定されるベース部15とを有する。図3に示すように、球体支持部12は、下方で連結された一対の板からなり、球体8に対してそれぞれ内側に傾斜して低くなる球体接触面23を有する。これにより、球体支持部12は球体接触面23により、後述するように、球体8の位置を固定する際、又は球体8の動きの程度を調節する際に、球体8を上方に浮き上がらせようとする機能を有する。また、ベース部15は、球体支持部用固定孔26を有し、締結具(図示せず)により球体支持部12をベース部15に固定する。
【0033】
このように、球体8は、下方から球体支持部12に支持され、側方から球体保持部9に保持される。球体支持部12及び球体保持部9に対して球体8が滑動することにより、XY軸アリ溝式ステージ200は、角度180°のあおりが可能になる。また、回転板10が回転板受け部11に対して滑動することによりXY軸アリ溝式ステージ200は、角度360°の回転が可能になる。
【0034】
図4に、あおり旋回機能付き手動ステージ1の回転機能を示す。図4は、あおり旋回機能付き手動ステージ1を上部から見た図である。図4に示すように、球体8の平面上の中心点(P)回りにAの方向に任意の角度で回転し、最大で360°回転する。ここで、あおり旋回機能付き手動ステージ1の「回転する」とは、XY軸アリ溝式ステージ200などの手動ステージが、球体8の平面上の中心点(P)回りに「旋回する」ことをいう。
【0035】
図1及び図2に示すように、回転板受け部11に固定されて取付けられた環状目盛21には、360°の目盛が印字される。また、図1に示すように、回転部3の回転板10には、環状目盛21に対応した位置に回転基準線25が印字される。従って、回転部3が回転するとこの回転基準線25により回転角度を読取ることができ、この回転基準線25に基づいて手動ステージの回転位置を測ることができる。また、環状目盛21は、回転板受け部11にネジ(図示せず)により取付けられているが、このネジを外すことにより回転自在となり、環状目盛21の位置を自在に設定できる。
【0036】
図5に、あおり旋回機能付き手動ステージ1の屈析機能を示す。図5は、あおり旋回機能付き手動ステージ1を側面から見た図である。図5に示すように、球体8の側面上の中心点(Q)回りにBの方向に任意の角度で屈析し、最大で180°屈析する。ここで、あおり旋回機能付き手動ステージ1の「屈析する」とは、XY軸アリ溝式ステージ200などの手動ステージが、球体8の側面上の中心点(Q)回りに「あおる」ことをいう。
【0037】
球体保持部9は、図2に示すようなU字型の連結棒収納部20を有する。この連結棒収納部20は、球体保持部9の対向する位置に2箇所設けられる。そして、XY軸アリ溝式ステージ200が屈析する場合、屈析部2の連結棒7は連結棒収納部20に納まるように屈析することで、球体保持部9と干渉することなく180°の屈析が可能となる。
【0038】
図6に、あおり旋回機能付き手動ステージ1の屈析及び回転を組み合わせた機能を示す。図6は、あおり旋回機能付き手動ステージ1を側面から見た図である。図6に示すように、球体8の側面上の中心点(Q)回りにBの方向に180°の角度に屈析した上で、さらに、球体8の平面上の中心点(P)回りに回転する。この場合、XY軸アリ溝式ステージ200は、任意の角度に屈析した上で、さらに、球体8の平面上の中心点(P)回りに任意の角度で回転することが可能である。
【0039】
球体8の位置を固定する機構について説明する。図1及び図3に示すように、台座部4は、球体8を締め付けることでその位置に固定する締付け機能である締付けレバー14を備える。上述したように、球体支持部12は、球体8に対して内側が低くなるような斜めの角度で接する球体接触面23を有する。このため、球体支持部12の一方が締付けレバー14により締め付けられると球体8を上方に押し上げる力が発生する。また、球体保持部9は、上方に押し上げられようとする球体8を押え付ける球体押え部24を有する。従って、球体8は、この球体接触面23及び球体押え部24により移動が拘束され、これにより球体8の位置が固定する。この球体8を固定する機構は、締付けレバー14を締め付けることで球体8の移動を拘束する機構であればこの機構に限らない。また、締付け機構は、締付けレバー14で締め付ける機構だけではなく、例えば図23の摺動固定ネジ314により締め付ける機構であっても良い。
【0040】
次に、球体8の動きの程度を調節する機構について説明する。図2に破線で示すように、台座部4は球体8に対して予圧を加え、球体8の動きの程度を調整する与圧調整ネジ17を有する。図3に示すように、与圧調整ネジ17は、締付けレバー14とは逆方向に球体支持部12の他方にねじ込んで、球体8を上方に押し上げる微妙な力を発生させる。与圧調整ネジ17により球体8の動きの程度を調節する機構は、球体8の位置を固定する機構と同様に、球体支持部12の球体接触面23、及び球体保持部9の球体押え部24により球体8の移動を拘束する機構である。この球体8の動きの程度を調節する機構は、与圧調整ネジ17をねじ込むことで球体8の動きの程度を調節する機構であればこの機構に限らない。
【0041】
与圧調整ネジ17は、締付けレバー14により締め付けて球体8を固定するのとは異なり、球体8を回転及び屈析する際の球体8と球体支持部12及び球体保持部9との滑りの程度を調整する。すなわち、与圧調整ネジ17を締め付けすぎると、球体8の回転の際に球体8と回転板10とが連動して回転し易くなるが、球体8の屈析の際に球体8の動作が重くなってしまう。一方、与圧調整ネジ17が緩すぎると、球体8の屈析の際に球体8の動作が滑らかになるが、球体8の回転の際に球体8と回転板10とが完全に連動せずに滑りが生じる虞がある。従って、与圧調整ネジ17は、あおり旋回機能付き手動ステージ1に取付けられる精密機器などの重量などに合わせ、適切な球体8の拘束度を測りながら設定する必要がある。
【0042】
図7〜図18には、本発明の対象となるあおり旋回機能付きアリ溝式手動ステージ1の一部を例示する。これらの図は、平面図及び側面図などにより記載されるが、各図面の表示は省略する。これらの例に限らず、あおり旋回機能付きアリ溝式手動ステージ1は、従来の全てのアリ溝式手動ステージである、例えば、X軸アリ溝式ステージ、XY軸アリ溝式ステージ、Z軸アリ溝式ステージなどに適用される。
【0043】
(あおり旋回ステージ)
以下に、図面を用いて本発明に係るあおり旋回ステージの実施形態につき、詳細に説明する。図19に、あおり旋回ステージ50の側面図を示す。また、図20に、あおり旋回ステージ50を図19のY方向から見た側面図を示す。さらに、図3には、あおり旋回ステージ50が断面で示されている。あおり旋回ステージ50は、屈析部2、回転部3、及び台座部4から構成される。そして、精密機器(図示せず)が屈析部2の支持板5に連結用孔6により連結され、さらに屈析部2は、回転部3及び台座部4と連結されて一体化した製品となる。これらの構成要素は、上述したあおり旋回機能付き手動ステージ1と同様であるため、その説明を省略する。
【0044】
このように、あおり旋回ステージ50は、X軸、XY軸、Z軸といった方向への直進機能が不要であり、回転機能、屈析機能、及び回転と屈析を組み合わせた機能が要求される精密機器の場合に使用される。
【符号の説明】
【0045】
1 あおり旋回機能付き手動ステージ、2 屈析部、3 回転部、4 台座部、5 支持板、6 連結用孔、7 連結棒、8 球体、9 球体保持部、10 回転板、11 回転板受け部、12 球体支持部、13,106,210,313 土台締結用孔、14 締付けレバー、15 ベース部、17 与圧調整ネジ、20 連結棒収納部、21,301 環状目盛、23 球体接触面、24 球体押え部、25,302 回転基準線、26 球体支持部用固定孔、50 あおり旋回ステージ100 X軸アリ溝ステージ、107,307 精密機器取付け用孔、108,208 ベース板、109,209a,209b,309 ハンドル、200 XY軸アリ溝ステージ、201a,201b 連結具、202 上部ユニット、203 下部ユニット、204 摺動ユニット、205 固定ユニット、206 接着面、207a,207b 接続用孔、300 回転ステージ、314 摺動固定ネジ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、あおり旋回機能付き手動ステージ、及びあおり旋回ステージに係り、特に、精密機器が取付けられる摺動部品と、締結具により土台に固定されるベース板が接続される固定部品とが摺動機構を介して連結され、ハンドル操作により摺動部品を摺動させ、取付けられた精密機器の位置調整を行うあおり旋回機能付き手動ステージ、及び精密機器が取付けられ、その精密機器をあおり旋回させ、締結具により土台に固定されるあおり旋回ステージに関する。
【0002】
CCDカメラやセンサなどの電機・電子機器、レンズや顕微鏡等の光学機器、LEDなどの照明機器といった精密機器は、取付けに際し、位置決めやピント合わせのために位置調整しなければならない。また、取付け後において、さらにその位置を微調整する場合も発生する。
【0003】
これらの精密機器は、一般的に「ステージ」と称される機械要素上に設置されて位置調整される。手動ステージとは、これらのステージのうち、ハンドル操作により部品を手動で摺動させるステージをいう。この手動ステージは、機器が取付けられる摺動部品と、土台に接続される固定部品とが摺動機構を介して連結され、ハンドル操作により摺動部品を固定部品に対して手動で摺動させるのが一般的である。この手動ステージには、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれる。また、それぞれのステージには、使用目的に応じて多様な形式があり、例えば、アリ溝式ステージの場合には、1方向に摺動するX軸アリ溝式ステージ、略直交する2方向に摺動するXY軸アリ溝式ステージ、上下方向に摺動するZ軸アリ溝ステージなどの直進機能を有するステージ、及び回転して摺動する回転ステージがある。
【0004】
図21に、従来の一般的なX軸アリ溝式ステージを示す。X軸アリ溝式ステージ100は、台形状に窪んだアリ溝102を有する固定部品105に対し、台形状に突出したアリ101を有する摺動部品104が移動可能に嵌合される。この固定部品105は、締結具(図示せず)が挿入される土台締結用孔106を有するベース板108を介して土台(図示せず)に固定される。また、摺動部品104は、精密機器取付け用孔107に挿入される締付具(図示せず)を介して精密機器(図示せず)に接続される。摺動部品104は、ハンドル109を回転させることにより図中の矢印の方向に移動する。これは、X軸アリ溝式ステージ100の内部に、ラック及びピニオンギア(図示せず)、或いは送りねじ(図示せず)などの駆動機構が組み込まれていることによる。これらの駆動機構により、ハンドル109の回転が、摺動部品104の水平方向への移動に変換される。
【0005】
図22に、従来の一般的なXY軸アリ溝式ステージを示す。このXY軸アリ溝式ステージ200は、図中の左右方向である矢印の方向に摺動する上部ユニット202と,上部ユニット202と略直交する方向に摺動する下部ユニット203とが、連結具201及び接着剤により接着面206で接合されている。なお、図22では、上部ユニット202の摺動ユニット204を図の左側にスライドさせた状態を示す。上部ユニット202の固定ユニット205には、連結具201用の接続用孔207aが設けられ、下部ユニット203の摺動ユニット204には、連結具201用の接続用孔207bが設けられている。また、略直交する2つのハンドル209a及び209bによりXY方向に摺動させる。そして、下部ユニット203には土台(図示せず)に固定される土台締結用孔210を有するベース板208が設けられる。
【0006】
図23に、従来の回転ステージを示す。図23(a)は、回転ステージ300の側面図を示し、図23(b)は平面図を示し、図23(c)は底面図を示す。回転ステージ300は、精密機器取付け用307が設けられ、回転基準線302が印字された摺動部品304、土台締結用孔313が設けられて環状目盛301が印字された固定部品305、ハンドル309、及び摺動固定ネジ314から構成される。そして、図23(b)に示す矢印の方向にハンドル309を回転させると固定部品305に対して摺動部品304が回転して摺動する。また、摺動固定ネジ314を締め付けると固定部品305に対して摺動部品304が固定される。
【0007】
一方、特許文献1には、XY軸アリ溝式ステージである汎用アリ溝摺動ユニットが開示されている。ここでは、複数のアリ溝摺動ユニットを、締結具により着脱自在である連結部品により組み合わせることで、精密機器を平面状の2軸方向に位置調整でき、また、複数のアリ溝摺動ユニットが着脱自在であることで、例えば、ハンドルの方向などを容易に変更できるアリ溝摺動ユニットが記載されている。
【0008】
また、特許文献2には、XY軸アリ溝式ステージである複合アリ溝摺動ユニットが開示されている。ここでは、更に複数のアリ溝摺動ユニットを、連結部品を用いずに連結させる技術が記載されている。また、複数のアリ溝摺動ユニットのそれぞれのハンドルの回転軸を共有させ、2つのハンドル操作を1箇所で行うことができるアリ溝摺動ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3923997号
【特許文献2】特開2008−8446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した手動ステージは、精密機器に対していずれもX軸、XY軸、或いはZ軸に直進させる機能を有するステージが一般的である。しかし、手動ステージの使用状況によっては、例えば、X軸アリ溝式ステージ、XY軸ステージ、或いはZ軸アリ溝式ステージについて、それらのユニットをX軸及びY軸それぞれに対して略直交するZ軸回りの略360°の任意の位置に回転させて固定させる機能、X軸又はY軸それぞれの軸回りの略180°の任意の位置に屈析させて固定させる機能、又はこれらの回転と屈析を組み合わせた位置に固定させる機能が必要となる場合がある。
【0011】
また、特殊なステージとして回転して摺動する回転ステージがあるが、精密機器に対してX軸又はY軸それぞれの軸回りの略180°の任意の位置に屈析させて固定させる機能、又は回転と屈析を組み合わせた位置に固定させる機能が必要となる場合がある。
【0012】
手動ステージを使用するユーザは、手動ステージにこれらの機能がないため、別途治具を製作して従来の手動ステージに取付けるが、高い精度が要求される手動ステージが、ユーザにより付加された機能により維持できなくなるという問題があった。
【0013】
本願の目的は、かかる課題を解決し、直進機能を有する手動ステージに回転機能及び屈析機能を結合させたあおり旋回機能付き手動ステージ及び精密機器を回転及び屈析させるあおり旋回ステージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係るあおり旋回機能付き手動ステージは、精密機器が取付けられる摺動部品と、締結具により土台に固定されるベース板が接続される固定部品とが摺動機構を介して連結され、ハンドル操作により摺動部品を摺動させ、取付けられた精密機器の位置調整を行う手動ステージにおいて、手動ステージのベース板を支持する支持板と、球状の球体とを有する屈析部と、球体を側方から屈析自在に保持する球体保持部と、球体と共に回転する回転板とを有する回転部と、球体を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部と、締結具により土台に固定されるベース部とを有する台座部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
上記構成により、あおり旋回機能付き手動ステージは、回転部の回転板と、回転板を回転自在に支持する台座部の回転板受け部とにより、手動ステージに回転機能を結合させることができる。また、屈析部の球体と、球体を屈析自在に支持する回転部の球体保持部及び球体を下方から支持する台座部の球体支持部により、手動ステージに屈析機能を結合させることができる。そして、屈析部に回転部及び台座部を連結させることで、手動ステージに回転機能及び屈析機能を共に結合させることができる。
【0016】
また、あおり旋回機能付き手動ステージは、屈析部が、手動ステージのベース板と締結具を介して着脱自在に接続されることが好ましい。これにより、手動ステージの種類やサイズにかかわらず、直進機能のみを有する手動ステージに回転機能及び屈析機能を結合させことができる。そして回転及び屈析する球体の位置を任意の位置に固定することができる。
【0017】
また、あおり旋回機能付き手動ステージは、台座部が、球体の位置を固定する締付け機能を有し、球体支持部は、締付け機能により締め付けられると球体を上方に押し上げるように球体に対して斜めの角度で接する球体接触面を有し、球体保持部は、上方に押し上げられた球体を押え付ける球体押え部を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の位置が固定されることが好ましい。これにより、手動ステージを回転及び屈析させる際の球体の動きを所望の位置で固定することができる。
【0018】
また、あおり旋回機能付き手動ステージは,台座部が、球体に対して予圧を加え、球体の動きの程度を調整する与圧調整機能を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の動きの程度が調整されることが好ましい。これにより、手動ステージを回転及び屈析させる際の球体の動きの程度を調節することができる。
【0019】
さらに、あおり旋回機能付き手動ステージは,回転板には、環状の目盛と対向する位置に回転基準線が印字され、回転板受け部に取付けられた環状の目盛は取付けネジを外すことで回転自在となることが好ましい。これにより、取付けネジを外すことで環状の目盛の位置が自在となり、目盛のゼロ位置を任意に設定できる。また、基準線により環状の目盛を読み込むことで手動ステージの回転位置を測ることができる。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明に係るあおり旋回ステージは、精密機器が取付けられる支持板と、球状の球体とを有する屈析部と、球体を側方から屈析自在に保持する球体保持部と、球体と共に回転する回転板とを有する回転部と、球体を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部と、締結具により土台に固定されるベース部とを有する台座部と、を備える。
【0021】
上記構成により、あおり旋回ステージは、回転部の回転板と、回転板を回転自在に支持する台座部の回転板受け部とにより、回転機能を有する。また、屈析部の球体と、球体を屈析自在に支持する回転部の球体保持部及び球体を下方から支持する台座部の球体支持部により、屈析機能を有する。そして、屈析部に回転部及び台座部を連結させることで、回転機能及び屈析機能を共に結合させることができる。
【0022】
また、あおり旋回ステージは、屈析部が、精密機器と締結具を介して着脱自在に接続されることが好ましい。これにより、精密機器に回転機能及び屈析機能を提供することができる。そして回転及び屈析する球体の位置を任意の位置に固定することができる。
【0023】
また、あおり旋回ステージは、台座部が、球体の位置を固定する締付け機能を有し、球体支持部は、締付け機能により締め付けられると球体を上方に押し上げるように球体に対して斜めの角度で接する球体接触面を有し、球体保持部は、上方に押し上げられた球体を押え付ける球体押え部を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の位置が固定されることが好ましい。これにより、精密機器を回転及び屈析させる際の球体の動きを所望の位置で固定することができる。
【0024】
また、あおり旋回ステージは,台座部が、球体に対して予圧を加え、球体の動きの程度を調整する与圧調整機能を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の動きの程度が調整されることが好ましい。これにより、精密機器を回転及び屈析させる際の球体の動きの程度を調節することができる。
【0025】
さらに、あおり旋回ステージは,回転板には、環状の目盛と対向する位置に回転基準線が印字され、回転板受け部に取付けられた環状の目盛は取付けネジを外すことで回転自在となることが好ましい。これにより、取付けネジを外すことで環状の目盛の位置が自在となり、目盛のゼロ位置を任意に設定できる。また、基準線により環状の目盛を読み込むことで精密機器の回転位置を測ることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係るあおり旋回機能付き手動ステージによれば、直進機能を有する手動ステージに回転機能及び屈析機能を結合させたあおり旋回機能付き手動ステージ、及び精密機器を回転及び屈析させるあおり旋回ステージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るあおり旋回機能付き手動ステージの1つの実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図2】図1のあおり旋回機能付き手動ステージを略直交方向から見た側面図である。
【図3】図1のあおり旋回機能についての断面図である。
【図4】あおり旋回機能付き手動ステージの回転機能を示す平面図である。
【図5】あおり旋回機能付き手動ステージの屈析機能を示す側面図である。
【図6】あおり旋回機能付き手動ステージの屈析及び回転を組み合わせた機能を示す側面図である。
【図7】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージの平面図及び側面図である。
【図8】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージ(ハンドル延長タイプ)の平面図及び側面図である。
【図9】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きXY軸ステージの平面図及び側面図である。
【図10】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きZ軸ステージの平面図及び側面図である。
【図11】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージの平面図及び側面図である。
【図12】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きZ軸ステージの平面図及び側面図である。
【図13】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージの平面図及び側面図である。
【図14】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きXステージ(アリ溝送りネジタイプ)の平面図及び側面図である。
【図15】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージ(アリ溝スリム送りネジタイプ)の平面図及び側面図である。
【図16】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージ(アリ溝送りネジタイプ)の平面図及び側面図である。
【図17】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸ステージの平面図及び側面図である。
【図18】本発明の対象となる、あおり旋回機能付きX軸粗微動ステージの平面図及び側面図である。
【図19】本発明に係るあおり旋回ステージの1つの実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図20】図19のあおり旋回ステージを略直交方向から見た側面図である。
【図21】従来の一般的なX軸アリ溝式ステージを示す斜視図である。
【図22】従来の一般的なXY軸アリ溝式ステージの側面図である。
【図23】従来の一般的な回転ステージの側面図、平面図、及び底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(あおり旋回機能付き手動ステージ)
以下に、図面を用いて本発明に係るあおり旋回機能付き手動ステージの実施形態につき、詳細に説明する。本実施形態では、1つの例としてXY軸アリ溝式ステージ200にあおり旋回機能を付加したあおり旋回機能付き手動ステージ1について説明するが、XY軸アリ溝式ステージ200に限らずX軸アリ溝式ステージ100やZ軸アリ溝式ステージなどについてもあおり旋回機能付きとすることができる。また、その他の機構の手動ステージである、送りネジ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージなどもあおり旋回機能付き手動ステージ1とすることができる。
【0029】
図1に、あおり旋回機能付き手動ステージ1の側面図を示す。また、図2に、あおり旋回機能付き手動ステージ1を図1のX方向から見た側面図を示す。さらに、図3に、あおり旋回機能付き手動ステージ1のあおり旋回機能の部分を断面で示す。あおり旋回機能付き手動ステージ1は、屈析部2、回転部3、及び台座部4から構成される。そして、XY軸アリ溝式ステージ200と屈析部2とが連結され、さらに屈析部2は、回転部3及び台座部4と連結されて一体化した製品となる。
【0030】
屈析部2は、支持板5、連結棒7、及び球体8から構成される。支持板5は、従来の手動ステージの1つの例であるXY軸アリ溝式ステージ200のベース板208に接続する。すなわち、支持板5にはベース板208の土台締結用孔210に対向する位置に連結用孔6が設けられ、締結具(図示せず)によりXY軸アリ溝式ステージ200を屈析部2に連結する。また、支持板5は、円筒状の連結棒7を介して球形の球体8に連結される。このように、屈析部2は、XY軸アリ溝式ステージ200のベース板208と着脱自在に接続される。従って、あおり旋回機能付き手動ステージ1は、手動ステージの種類やサイズにかかわらず、X軸、XY軸、Z軸などの直進機能を有する手動ステージに回転機能及び屈析機能を結合させことができる。
【0031】
回転部3は、球体8を側方から屈析自在に保持する球体保持部9と、球体8と共に回転する回転板10とを有する。図3に示すように、球体8と球体保持部9とは、球体接触部24により接触する。この球体接触部24は、XY軸アリ溝式ステージ200が屈析する場合には、球体8が球体保持部9に対して滑動するように球体9の曲面に合わせた曲面を有する。また、この球体接触部24は、XY軸アリ溝式ステージ200が回転する場合には、球体8が球体保持部9と共に回転するように球体8を保持する。さらに、球体接触部24は、球体8の側面上の中心点(Q)を通る水平線(Y)よりも上方であり球体8の曲面に沿った形状の部分を有する。これにより、後述するように、球体保持部9は球体接触部24により、球体8の位置を固定する際、又は球体8の動きの程度を調節する際に、球体8が上方に浮き上がるのを阻止する機能を有する。
【0032】
台座部4は、球体8を下方から支持する球体支持部12と、環状目盛21が取付けられ、回転板10を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部11と、締結具(図示せず)により土台(図示せず)に固定されるベース部15とを有する。図3に示すように、球体支持部12は、下方で連結された一対の板からなり、球体8に対してそれぞれ内側に傾斜して低くなる球体接触面23を有する。これにより、球体支持部12は球体接触面23により、後述するように、球体8の位置を固定する際、又は球体8の動きの程度を調節する際に、球体8を上方に浮き上がらせようとする機能を有する。また、ベース部15は、球体支持部用固定孔26を有し、締結具(図示せず)により球体支持部12をベース部15に固定する。
【0033】
このように、球体8は、下方から球体支持部12に支持され、側方から球体保持部9に保持される。球体支持部12及び球体保持部9に対して球体8が滑動することにより、XY軸アリ溝式ステージ200は、角度180°のあおりが可能になる。また、回転板10が回転板受け部11に対して滑動することによりXY軸アリ溝式ステージ200は、角度360°の回転が可能になる。
【0034】
図4に、あおり旋回機能付き手動ステージ1の回転機能を示す。図4は、あおり旋回機能付き手動ステージ1を上部から見た図である。図4に示すように、球体8の平面上の中心点(P)回りにAの方向に任意の角度で回転し、最大で360°回転する。ここで、あおり旋回機能付き手動ステージ1の「回転する」とは、XY軸アリ溝式ステージ200などの手動ステージが、球体8の平面上の中心点(P)回りに「旋回する」ことをいう。
【0035】
図1及び図2に示すように、回転板受け部11に固定されて取付けられた環状目盛21には、360°の目盛が印字される。また、図1に示すように、回転部3の回転板10には、環状目盛21に対応した位置に回転基準線25が印字される。従って、回転部3が回転するとこの回転基準線25により回転角度を読取ることができ、この回転基準線25に基づいて手動ステージの回転位置を測ることができる。また、環状目盛21は、回転板受け部11にネジ(図示せず)により取付けられているが、このネジを外すことにより回転自在となり、環状目盛21の位置を自在に設定できる。
【0036】
図5に、あおり旋回機能付き手動ステージ1の屈析機能を示す。図5は、あおり旋回機能付き手動ステージ1を側面から見た図である。図5に示すように、球体8の側面上の中心点(Q)回りにBの方向に任意の角度で屈析し、最大で180°屈析する。ここで、あおり旋回機能付き手動ステージ1の「屈析する」とは、XY軸アリ溝式ステージ200などの手動ステージが、球体8の側面上の中心点(Q)回りに「あおる」ことをいう。
【0037】
球体保持部9は、図2に示すようなU字型の連結棒収納部20を有する。この連結棒収納部20は、球体保持部9の対向する位置に2箇所設けられる。そして、XY軸アリ溝式ステージ200が屈析する場合、屈析部2の連結棒7は連結棒収納部20に納まるように屈析することで、球体保持部9と干渉することなく180°の屈析が可能となる。
【0038】
図6に、あおり旋回機能付き手動ステージ1の屈析及び回転を組み合わせた機能を示す。図6は、あおり旋回機能付き手動ステージ1を側面から見た図である。図6に示すように、球体8の側面上の中心点(Q)回りにBの方向に180°の角度に屈析した上で、さらに、球体8の平面上の中心点(P)回りに回転する。この場合、XY軸アリ溝式ステージ200は、任意の角度に屈析した上で、さらに、球体8の平面上の中心点(P)回りに任意の角度で回転することが可能である。
【0039】
球体8の位置を固定する機構について説明する。図1及び図3に示すように、台座部4は、球体8を締め付けることでその位置に固定する締付け機能である締付けレバー14を備える。上述したように、球体支持部12は、球体8に対して内側が低くなるような斜めの角度で接する球体接触面23を有する。このため、球体支持部12の一方が締付けレバー14により締め付けられると球体8を上方に押し上げる力が発生する。また、球体保持部9は、上方に押し上げられようとする球体8を押え付ける球体押え部24を有する。従って、球体8は、この球体接触面23及び球体押え部24により移動が拘束され、これにより球体8の位置が固定する。この球体8を固定する機構は、締付けレバー14を締め付けることで球体8の移動を拘束する機構であればこの機構に限らない。また、締付け機構は、締付けレバー14で締め付ける機構だけではなく、例えば図23の摺動固定ネジ314により締め付ける機構であっても良い。
【0040】
次に、球体8の動きの程度を調節する機構について説明する。図2に破線で示すように、台座部4は球体8に対して予圧を加え、球体8の動きの程度を調整する与圧調整ネジ17を有する。図3に示すように、与圧調整ネジ17は、締付けレバー14とは逆方向に球体支持部12の他方にねじ込んで、球体8を上方に押し上げる微妙な力を発生させる。与圧調整ネジ17により球体8の動きの程度を調節する機構は、球体8の位置を固定する機構と同様に、球体支持部12の球体接触面23、及び球体保持部9の球体押え部24により球体8の移動を拘束する機構である。この球体8の動きの程度を調節する機構は、与圧調整ネジ17をねじ込むことで球体8の動きの程度を調節する機構であればこの機構に限らない。
【0041】
与圧調整ネジ17は、締付けレバー14により締め付けて球体8を固定するのとは異なり、球体8を回転及び屈析する際の球体8と球体支持部12及び球体保持部9との滑りの程度を調整する。すなわち、与圧調整ネジ17を締め付けすぎると、球体8の回転の際に球体8と回転板10とが連動して回転し易くなるが、球体8の屈析の際に球体8の動作が重くなってしまう。一方、与圧調整ネジ17が緩すぎると、球体8の屈析の際に球体8の動作が滑らかになるが、球体8の回転の際に球体8と回転板10とが完全に連動せずに滑りが生じる虞がある。従って、与圧調整ネジ17は、あおり旋回機能付き手動ステージ1に取付けられる精密機器などの重量などに合わせ、適切な球体8の拘束度を測りながら設定する必要がある。
【0042】
図7〜図18には、本発明の対象となるあおり旋回機能付きアリ溝式手動ステージ1の一部を例示する。これらの図は、平面図及び側面図などにより記載されるが、各図面の表示は省略する。これらの例に限らず、あおり旋回機能付きアリ溝式手動ステージ1は、従来の全てのアリ溝式手動ステージである、例えば、X軸アリ溝式ステージ、XY軸アリ溝式ステージ、Z軸アリ溝式ステージなどに適用される。
【0043】
(あおり旋回ステージ)
以下に、図面を用いて本発明に係るあおり旋回ステージの実施形態につき、詳細に説明する。図19に、あおり旋回ステージ50の側面図を示す。また、図20に、あおり旋回ステージ50を図19のY方向から見た側面図を示す。さらに、図3には、あおり旋回ステージ50が断面で示されている。あおり旋回ステージ50は、屈析部2、回転部3、及び台座部4から構成される。そして、精密機器(図示せず)が屈析部2の支持板5に連結用孔6により連結され、さらに屈析部2は、回転部3及び台座部4と連結されて一体化した製品となる。これらの構成要素は、上述したあおり旋回機能付き手動ステージ1と同様であるため、その説明を省略する。
【0044】
このように、あおり旋回ステージ50は、X軸、XY軸、Z軸といった方向への直進機能が不要であり、回転機能、屈析機能、及び回転と屈析を組み合わせた機能が要求される精密機器の場合に使用される。
【符号の説明】
【0045】
1 あおり旋回機能付き手動ステージ、2 屈析部、3 回転部、4 台座部、5 支持板、6 連結用孔、7 連結棒、8 球体、9 球体保持部、10 回転板、11 回転板受け部、12 球体支持部、13,106,210,313 土台締結用孔、14 締付けレバー、15 ベース部、17 与圧調整ネジ、20 連結棒収納部、21,301 環状目盛、23 球体接触面、24 球体押え部、25,302 回転基準線、26 球体支持部用固定孔、50 あおり旋回ステージ100 X軸アリ溝ステージ、107,307 精密機器取付け用孔、108,208 ベース板、109,209a,209b,309 ハンドル、200 XY軸アリ溝ステージ、201a,201b 連結具、202 上部ユニット、203 下部ユニット、204 摺動ユニット、205 固定ユニット、206 接着面、207a,207b 接続用孔、300 回転ステージ、314 摺動固定ネジ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精密機器が取付けられる摺動部品と、締結具により土台に固定されるベース板が接続される固定部品とが摺動機構を介して連結され、ハンドル操作により摺動部品を摺動させ、取付けられた精密機器の位置調整を行う手動ステージにおいて、
手動ステージのベース板を支持する支持板と、球状の球体とを有する屈析部と、
球体を側方から屈析自在に保持する球体保持部と、球体と共に回転する回転板とを有する回転部と、
球体を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部と、締結具により土台に固定されるベース部とを有する台座部と、
を備えることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項2】
請求項1に記載のあおり旋回機能付き手動ステージであって、屈析部は、手動ステージのベース板と締結具を介して着脱自在に接続されることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のあおり旋回機能付き手動ステージであって、台座部は、球体の位置を固定する締付け機能を有し、球体支持部は、締付け機能により締め付けられると球体を上方に押し上げるように球体に対して斜めの角度で接する球体接触面を有し、球体保持部は、上方に押し上げられた球体を押え付ける球体押え部を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の位置が固定されることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項4】
請求項3に記載のあおり旋回機能付き手動ステージであって、台座部は、球体に対して予圧を加え、球体の動きの程度を調整する与圧調整機能を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の動きの程度が調整されることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1に記載のあおり旋回機能付き手動ステージであって、回転板には、環状の目盛と対向する位置に回転基準線が印字され、回転板受け部に取付けられた環状の目盛は取付けネジを外すことで回転自在となることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項6】
精密機器が取付けられる支持板と、球状の球体とを有する屈析部と、
球体を側方から屈析自在に保持する球体保持部と、球体と共に回転する回転板とを有する回転部と、
球体を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部と、締結具により土台に固定されるベース部とを有する台座部と、
を備えることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【請求項7】
請求項6に記載のあおり旋回ステージであって、屈析部は、取付けられる精密機器と締結具を介して着脱自在に接続されることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のあおり旋回ステージであって、台座部は、球体の位置を固定する締付け機能を有し、球体支持部は、締付け機能により締め付けられると球体を上方に押し上げるように球体に対して斜めの角度で接する球体接触面を有し、球体保持部は、上方に押し上げられた球体を押え付ける球体押え部を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の位置が固定されることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【請求項9】
請求項8に記載のあおり旋回ステージであって、台座部は、球体に対して予圧を加え、球体の動きの程度を調整する与圧調整機能を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の動きの程度が調整されることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1に記載のあおり旋回ステージであって、回転板には、環状の目盛と対向する位置に回転基準線が印字され、回転板受け部に取付けられた環状の目盛は取付けネジを外すことで回転自在となることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【請求項1】
精密機器が取付けられる摺動部品と、締結具により土台に固定されるベース板が接続される固定部品とが摺動機構を介して連結され、ハンドル操作により摺動部品を摺動させ、取付けられた精密機器の位置調整を行う手動ステージにおいて、
手動ステージのベース板を支持する支持板と、球状の球体とを有する屈析部と、
球体を側方から屈析自在に保持する球体保持部と、球体と共に回転する回転板とを有する回転部と、
球体を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部と、締結具により土台に固定されるベース部とを有する台座部と、
を備えることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項2】
請求項1に記載のあおり旋回機能付き手動ステージであって、屈析部は、手動ステージのベース板と締結具を介して着脱自在に接続されることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のあおり旋回機能付き手動ステージであって、台座部は、球体の位置を固定する締付け機能を有し、球体支持部は、締付け機能により締め付けられると球体を上方に押し上げるように球体に対して斜めの角度で接する球体接触面を有し、球体保持部は、上方に押し上げられた球体を押え付ける球体押え部を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の位置が固定されることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項4】
請求項3に記載のあおり旋回機能付き手動ステージであって、台座部は、球体に対して予圧を加え、球体の動きの程度を調整する与圧調整機能を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の動きの程度が調整されることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1に記載のあおり旋回機能付き手動ステージであって、回転板には、環状の目盛と対向する位置に回転基準線が印字され、回転板受け部に取付けられた環状の目盛は取付けネジを外すことで回転自在となることを特徴とするあおり旋回機能付き手動ステージ。
【請求項6】
精密機器が取付けられる支持板と、球状の球体とを有する屈析部と、
球体を側方から屈析自在に保持する球体保持部と、球体と共に回転する回転板とを有する回転部と、
球体を下方から支持する球体支持部と、環状の目盛が取付けられて回転板を回転自在に支持する円筒状の回転板受け部と、締結具により土台に固定されるベース部とを有する台座部と、
を備えることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【請求項7】
請求項6に記載のあおり旋回ステージであって、屈析部は、取付けられる精密機器と締結具を介して着脱自在に接続されることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のあおり旋回ステージであって、台座部は、球体の位置を固定する締付け機能を有し、球体支持部は、締付け機能により締め付けられると球体を上方に押し上げるように球体に対して斜めの角度で接する球体接触面を有し、球体保持部は、上方に押し上げられた球体を押え付ける球体押え部を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の位置が固定されることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【請求項9】
請求項8に記載のあおり旋回ステージであって、台座部は、球体に対して予圧を加え、球体の動きの程度を調整する与圧調整機能を有し、球体接触部及び球体押え部により球体の動きの程度が調整されることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1に記載のあおり旋回ステージであって、回転板には、環状の目盛と対向する位置に回転基準線が印字され、回転板受け部に取付けられた環状の目盛は取付けネジを外すことで回転自在となることを特徴とするあおり旋回ステージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−271098(P2010−271098A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121566(P2009−121566)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【特許番号】特許第4500879号(P4500879)
【特許公報発行日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(506177268)株式会社ミラック光学 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【特許番号】特許第4500879号(P4500879)
【特許公報発行日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(506177268)株式会社ミラック光学 (14)
【Fターム(参考)】
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