説明

うま味フレーバーを有するピリジン誘導体



式中、
がH、メチルまたはエチルであり;
がH、OH、フッ素、C−C直鎖または分枝アルキル、C−Cアルコキシ、ここでアルコキシ中、アルキル基は、直鎖または分枝であるか、またはC−Cシクロアルキル部分であり;
がH、メトキシ、メチルまたはエチルであり;
またはRおよびRは一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成し;
はOHまたはメトキシであり;
およびRは独立して、Hまたはメチルであり;
、R、R、R、RおよびRは、
(i)RおよびR一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成する場合には、R、R、RはHであり、RはOHである;および
(ii)RがOHであり、R−RがHである場合には、RまたはRの少なくとも1つがメチルである
となる、式Iの化合物(その塩を含む)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化合物およびそれらのフレーバー付与における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
うま味は、アジア料理に一般的に関連する、フレーバー感覚(sensation)である。さらに、改善された旨味は、低塩製品をより味の良いものとすることに役に立つ。うま味フレーバーは、伝統的には、食料品へのグルタミン酸ナトリウム(Monosodium Glutamate,MSG)の添加により達成されてきた。しかしながら、食料品におけるMSGの存在は、広く受け入れられず、MSGを用いずに旨味を達成することへの興味が存在する。
【発明の概要】
【0003】
特定の化合物が、経口で摂取することが意図される組成物に、望ましい旨味感覚を与えることが見出された。
【0004】
したがって、式Iの化合物(その塩を含む)が提供される。
【化1】

【0005】
式中、
は、H、メチルおよびエチルから選択され;
は、H、OH、フッ素、C〜C直鎖または分枝アルキル、C〜Cアルコキシ、ここでアルコキシ中、アルキル基は、直鎖または分岐であるか、またはC〜Cシクロアルキル部分を含むか、もしくはC〜Cシクロアルキル部分からなる、から選択され;
は、H、メトキシ、メチルおよびエチルから選択され;
または、RおよびRは一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成し;
は、OHおよびメトキシから選択され;
およびRは独立して、Hおよびメチルから選択され;
【0006】
、R、R、R、RおよびRは、
(i)RおよびR一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成する場合には、R、R、RはHであり、RはOHである;および
(ii)RがOHであり、R〜RがHである場合には、R、Rの少なくとも1つがメチルである、
となるように選択される。
【0007】
特定の態様において、Rは、Hおよびメトキシから選択される。
特定の態様において、Rは、H、OH、フッ素、メチル、C〜Cアルコキシ、ここで、アルコキシ中のアルキル基は、直鎖または分岐であるか、またはC〜Cシクロアルキル部を含むか、もしくはC〜Cシクロアルキル部からなる、から選択される。
【0008】
さらなる特定の態様において、Rはメチル、メトキシおよびイソブチルオキシから選択され、RはHであり、RはOHであり、RおよびRはHである。
さらなる特定の態様において、式Iの化合物(その塩を含む)は、
【0009】
1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;
【化2】

【0010】
1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;
【化3】

【0011】
1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;および
【化4】

【0012】
1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【化5】

からなる群から選択される。
【0013】
他の特定の態様は、(これらに限定されないが)
【化6】

を含む。
【0014】
該化合物は、当該技術分野に周知の方法によって作ることができる。
好適な方法の非限定例は以下を含む:
【0015】
1. 芳香族アルデヒドの、置換アセトフェノンとのクライゼン−シュミット縮合。この縮合のために用いる塩基は、メタノール中のナトリウム・メトキシドである。反応を有機溶媒(特に、THF)において行った。得られた中間体を、水素および炭素上の10%パラジウムを触媒として用い、メタノール中で水素化した。
【0016】
2. 置換フェノールの、2−ピリジニル−プロピオン酸誘導体とのフリーデル・クラフツ アシル化。
3. ジオキサン溶媒における、2−ヒドロキシアセトフェノンの、ピリジン−2−イルメタノールおよび触媒としてRuCl(MeSO)との1ステップ反応。
【0017】
4. 2−ヒドロキシアセトフェノンの、イソニコチンアルデヒドとの、RuCl(PPhを触媒として用いた、ジオキサン溶媒中での1ステップ反応。
これらの方法の全てが、全ての化合物に対して上手く行くわけではないが、所定の化合物に対する、特定の方法の選択は、当該技術分野における技能において周知である。
【0018】
上述の化合物は、個々に、または、他のかかる化合物、もしくは他のうま味フレーバー付与剤、もしくは両方との組み合わせにおいて用いることができる。他のうま味フレーバー付与剤は、これらに限定されないが、MSG、GMP(グアノシン一リン酸)およびIMP(イノシン一リン酸)を含む。したがって、消費可能な組成物にうま味フレーバーを加える方法であって、組成物に少なくとも1種の式Iの化合物を添加を含む、方法も提供する。
【0019】
「消費可能な組成物」とは、最終的に吐き出すか、飲み込むために、口に投与されるあらゆる組成物を意味する。組成物はあらゆる物理的形状、固体、液体またはガスであり得る。非限定例は、全ての食品、食品添加物、栄養補給食品、医薬品、および(これらに限定されないが)チューインガム、オーラルケア用品、およびオーラル衛生用品を含む、口に置かれるあらゆる製品を含み、これらに限定されないが、穀物製品、米製品、タピオカ製品、サゴ製品、ベーカリー製品、ビスケット製品、ペストリー製品、パン製品、菓子製品、デザート製品、ガム、チューインガム、フレーバーまたはフレーバーコートされた食品/飲料用容器、イースト製品、ベーキングパウダー、塩およびスパイス製品、スナック食品、食欲をそそる風味のある(savoury)製品、マスタード製品、ビネガー製品、ソース(調味料)、スープ、シーズニング、インスタント食品、グレービー、ナッツ&ナッツ製品、
【0020】
タバコ製品、シガー、シガレット、加工食品、野菜製品、肉および肉製品、卵製品、ミルクおよび乳製品、ヨーグルト、チーズ製品、バターおよびバター代用製品、ミルク代用製品、大豆製品、食用油および油脂製品、薬剤、飲み物、炭酸飲料、ビール、ワイン、スピリッツなどのアルコール飲料、ソフトドリンク(限定されず、飲料用パウダー、ミルクベース飲料用パウダー、無糖飲料用パウダー、飲料用シロップ、飲料用濃縮物、コーヒーおよび茶を含む、還元すること(reconstitution)を要する形状を含む)などのノンアルコール飲料、食物抽出物、植物抽出物、肉抽出物、調味料、ゼラチン、薬用および非薬用ガム、タブレット、トローチ剤、ドロップ、乳剤、エリキシル剤、シロップおよび飲料を作るための他の製剤、ならびにこれらの組み合わせを含む。
【0021】
したがって、製品ベースおよび上述の少なくとも1つの化合物を含む、うま味フレーバーが付与された消費可能な組成物が提供される。「製品ベース」とは、特定の消費可能な組成物に必要とされる、一般的に当該技術分野で認識される全ての成分の組み合わせを意味する。
【0022】
上述の化合物が用いられる濃度は、望まれる味、他の成分の本質および望まれる最終的な使用に依存して、当然に異なる。典型的には、濃度は、0.01〜100ppmの間で変化するが、典型的に有益な濃度を示しているだけであることが強調され、この範囲外で処方することも可能である状況が存在し得る。より特別な範囲は0.1〜50ppmおよび0.2〜10ppmである。
【0023】
上述の化合物が用いられ得る形状も異なり得る。粉末、液体、固体、分散体または乳化体に加えて、スプレードライまたはカプセル化した形状において用いることもできる。
【0024】
うま味フレーバーが付与された消費可能な組成物は、かかる組成物の製造において、標準的な成分を、当該技術分野で認識される分量において含有することもできる。非限定例は、甘味料、乳化剤、イースト抽出物、植物タンパク質加水分解物、短鎖ペプチド、アミノ酸、発酵製品、酵素消化物、メイラード反応製品および植物の抽出物などの食品添加物を含む。
【0025】
対象の化合物の少なくとも1つに加えて、うま味フレーバーは、当業者に周知のフレーバー付与材料を含有してもよく、これは、FEMA GRASリストおよびEUポジティブリストの材料を含む。フレーバー材料は一般的にはそれ自体のアロマを提供し、製品の全体的なうま味プロファイルの向上に役立つことができる。しかしながら、いくらかのフレーバー材料は、上述の化合物と共に用いた場合に、味の影響も有し、旨味感覚を向上または増強するか、全体的なプロファイルを向上させる。
【0026】
さらに、フレーバー材料の承認リストの他の材料は、旨味またはうま味様特性を提供するか、全体的な旨味を増強し得る。対象の化合物と共に用いられ得る、FEMA GRASからのいくらかの例は、N1−(2−メトキシ−4−メチルベンジル)−N2−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)オキサルアミド(FEMA # 4231)、N−(ヘプタン−4−イル)ベンゾ[D][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミド(FEMA # 4232)、N1−(2,4−ジメトキシベンジル)−N2−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)オキサルアミド(FEMA # 4233)、N1−(2−メトキシ−4−メチルベンジル)−N2−(2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)オキサルアミド(FEMA # 4234)、N−グルコニルエタノールアミン(FEMA # 4254)、N−グルコニルエタノールアミンリン酸(FEMA # 4255)、N−ラクトイルエタノールアミン(FEMA # 4256)、N−ラクトイルエタノールアミンリン酸(FEMA # 4257)、N−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルシクロプロピルカルボキサミド(FEMA #4 267)およびガンマアミノ酪酸などの品目を含む。
【0027】
特定の態様を説明する、一連の非限定例が以下に続く。
【0028】
例1:
1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンの合成
【化7】

【0029】
THF(50ml)および7mlの25重量%NaOMe中のピコリンアルデヒド(1.52g、14.1mmol)の撹拌した溶液に、5mlTHF中の1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)エタノン(2.33g、14.1mmol)を、室温で滴加した。溶液を室温で5時間継続して撹拌し、そして反応フラスコに水を添加した。1NのHClを用いて水層をpH=7に酸性化し、EtOAcで3度抽出した。有機層を組み合わせ、乾燥させた(NaSO)。溶媒を真空で除去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフにかけ(15% EtOAc/Hex)、1.17gの黄色い生成物(32%)を得た。
【0030】
【化8】

【0031】
250mlの丸底フラスコにおいて、(E)−1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパ−2−エン−1−オン(1.17g、4.62mmol)および0.18gの10%Pd/Cを、湿った(wet)EtOAc中で混合した。大気圧において、水素化を行い、そして触媒を濾過した。粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィ(20%EtOAc/ヘキサン)により精製し0.58g(47.7%)の最終化合物を得た。
【0032】
【化9】

【0033】
例2:
1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンの合成
【化10】

【0034】
レゾルシノール(2.2g、20mmol)、3−ピリジン−2−イル−プロピオン酸硫酸塩(5g、20mmol)および50mlの三ふっ化ほう素ジエチルエーテラート(BFEtO)の混合物を、90℃で5時間、N下で撹拌した(TLCによって観察)。反応混合物を10%水性NaOAc溶液に注ぎ、30分放置し、溶液をpH=7に1MHClで中和し、EtOAcで抽出した(3X50ml)。組み合わされたEtOAc層を、水、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒の蒸発後に得られた残留物を、シリカゲルカラムで、ヘキサン−EtOAc混合物(1:1)を溶離液として用いてクロマトグラフにかけ、生成物の混合物を得た。これを熱いMTBE/Hexにおいて再結晶化し、>97%純度を有する最終生成物(24%)を得た。
【0035】
【化11】

【0036】
例3:
1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例1に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化12】

【0037】
例4:
1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例1に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化13】

【0038】
例5:
1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−(5−メチルピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例1に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化14】

【0039】
例6:
1−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン.
標題の化合物を、例1に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化15】

【0040】
例7:
1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例1に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化16】

【0041】
例8:
1−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例1に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化17】

【0042】
例9:
1−(5−エチル−2−ヒドロキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例1に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化18】

【0043】
例10:
1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−(3−メチルピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例1に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化19】

【0044】
例11
1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例2に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化20】

【0045】
例12:
1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【化21】

【0046】
ステップ1: 100mLアセトン中に1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタノン(3.2g、21.03mmol)およびKCOを室温で撹拌した溶液に、1−ヨード−2−メチルプロパン(3.6ml、21.03mmol)を滴加した。混合物を8時間環流し、そして反応物を一晩54℃に維持した。反応物を室温まで冷却し、1NのHClでpH=7に急冷した。水層をEtOAcで3度抽出し、有機層を組み合わせ、水、塩水で洗浄し、乾燥した(NaSO)。溶媒を真空で除去し、残留物をシリカゲル5%EtOAc/Hexでクロマトグラフにかけ、1.1g(25%)の生成物を得た。
【0047】
【化22】

【0048】
ステップ2: テトラヒドロフラン(50ml)中にピコリンアルデヒド(0.6ml、5.28mmol)およびNaOMeを撹拌した溶液に、5mlTHF中の1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)エタノンを室温で添加した。混合物を室温で5時間撹拌し、1NのHClをpH=7になるまで添加した。水層をEtOAcで3度抽出した。有機層を組み合わせ、水、塩水で洗浄し、乾燥した(NaSO)。溶媒を真空で除去し、残留物をシリカゲル(Hex中25%EtOAc)でクロマトグラフにかけ、0.8g(51%)の黄色い固体を得た。
【0049】
【化23】

【0050】
ステップ3: 200mLの丸底フラスコにおいて、(E)−1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパ−2−エン−1−オン(1.08g、3.63mmol)および80mgの10%Pd/Cを、湿ったEtOAc(50ml)中で混合した。大気圧室温において、出発材料がなくなるまで、水素化を行った。触媒を濾過し、粗物をシリカゲルでのクロマトグラフィ(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、0.92gの最終化合物(82%)をオフホワイトの固体として得た。
【0051】
【化24】

【0052】
例13:
1−(4−シクロプロピルメトキシ)−2−ヒドロキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例11に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化25】

【0053】
例14:
1−(4−(シクロペンチルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
標題の化合物を、例11に記載と同一の手段を用いて合成した。
【化26】

【0054】
例15:
1−(4−ヒドロキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【化27】

【0055】
ステップ1
1−(4−ヒドロキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エタノン(1.8g、9.99mmol)をTHF(40ml)に溶解し、無色の溶液を得た。ナトリウムメタノラート30%(5g、27.8mmol)を添加した。反応混合物は暗い緑色に着色された。15分の室温での撹拌の後、10mlTHFに溶解した1.1g(10mmol)のピコリンアルデヒドを10分の間に滴加した。添加は22℃で開始し、わずかに発熱した。室温での撹拌をさらに3時間継続した。混合物をジエチルエーテルで希釈し、強く撹拌しながら、pHを濃縮塩酸でpH5に調節した。
【0056】
色は、濃い緑からオレンジ/赤に変化した。5分後、形成した固体を濾過した。固体を100mLのメタノールと混合し、残りの固体(主にNaCl)を再度濾過した。濾液を蒸発させ、残留物をジエチルエーテルおよびメタノールの混合物に取り込んだ。固体を濾過および乾燥、1.7gのオレンジ色の粉末を得た。少量の不純物を除去するために、オレンジ色の生成物をクロロホルムと共に10分間撹拌し、濾過および乾燥し、1.5g(47%)の(E)−1−(4−ヒドロキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパ−2−エン−1−オンを得た。
【化28】

【0057】
1−(4−ヒドロキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)エタノンを、トリヒドロキシアセトフェノンのジヨードメタンとの反応により調製した。
【0058】
ステップ2
(E)−1−(4−ヒドロキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパ−2−エン−1−オン(0.5g、1.857mmol)をメタノール(50ml)に添加し、黄色の溶液を得た。パラジウム炭素(0.05g)を添加した。変換が完了するまで撹拌しながら、生成物を水素化した(TLCにより確認)。反応混合物を濾過し、蒸発させ、固体残留物をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、0.3g(57%)の標記の化合物を得た。
【0059】
【化29】

【0060】
例16
1−(2−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【化30】

【0061】
1−(2−メトキシフェニル)エタノン(3g、19.98mmol)、ピリジン−2−イルメタノール(2.180g、19.98mmol)および水酸化カリウム(1.121g、19.98mmol)をジオキサン(50ml)に添加し、黄色の懸濁液を得た。RuCl2(Me2SO)4(0.2g)を添加した。反応混合物を80℃で1時間加熱した。
【0062】
触媒およびKOHを除去するために、反応混合物をシリカゲルを通して濾過した。濾液を蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィで精製した。
溶離液:酢酸エチル:ヘプタン=3:1。0.2g(4%)の標記の化合物を得た。
【0063】
【化31】

【0064】
例17
化合物の試験
上記例において調製された様々な化合物を試験した。
【0065】
2種類の溶液を調製した:
A:0.3%NaClの溶液、
B:0.3%NaClおよび2ppmの表1の化合物の溶液。
30〜60歳の20人の女性で構成される、熟練した官能パネルにより、サンプルを試験した。
【0066】
【表1】

【0067】
例18
MSGでの比較試験
2種類の溶液を調製した:
A: 0.3%NaClおよび0.03%MSGの溶液、
B: 0.3%NaCl、0.03%MSGおよび5ppmの1−(4−ヒドロキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンの溶液。
【0068】
30〜60歳の20人の女性で構成される、熟練した官能パネルにより、サンプルを試験した。
溶液A: 塩味、うま味。
溶液B: 塩味、うま味、よりブイヨン様、より複雑、より少ない甘味。
【0069】
例19
トマトスープ処方
トマトスープミックスを、9.4gの塩化ナトリウム、1gのMSG、0.08gのリボヌクレオチド(例えば、酵母)、32gのトマトパウダー(例えば、Spreda)、25.1gのグルコース、21gの澱粉(UltrasperseTM 5例えば、National Starch)、5gパーム脂質のパウダー、3gの酵母パウダー、1gのオニオンパウダー、0.15gのにんじんパウダー、0.05gの挽いた白胡椒、0.3gのセロリ抽出物パウダー、0.05gの挽いた月桂樹の葉のパウダー、および1.85gのスクロースから調製した。よく混合した成分25gを250gの沸騰水に加え、完全に溶解するまでかき混ぜ、参照スープを得た。
【0070】
参照スープを1.5ppmの1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを含む同一のスープのバッチと比較した。フレーバリストの小グループ(男性2名、女性2名)がスープを試し、参照スープと比較して、試験スープがよりうま味があり、明確に延々と続く効果を有し、より塩味があり、より複雑であることで一致した。
【0071】
例20
ポテトチップ
プレーンなポテトチップを調製した。
一部を1.2%塩化ナトリウムでフレーバー付与した(サンプルA)、
一部を1.2%塩化ナトリウムおよび0.3%MSGでフレーバー付与した(サンプルB)、
一部を1.2%塩化ナトリウムおよび2ppmの1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンでフレーバー付与した(サンプルC)。
【0072】
30〜60歳の20人の女性で構成される、熟練した官能パネルにより、サンプルを試験した。
パネルは他の2つのサンプルよりも、サンプルCを好んだ。
サンプルAは、塩味と評価され、サンプルBは塩味およびうま味と評価され、サンプルCは塩味、強いうま味、長続きする、食欲をそそる風味のある、ブイヨンと評価された。
【0073】
例21
トマトケチャップ
トマトケチャップを、19%のトマトペースト(28〜30%乾燥重量)、8%酢(15%)、3%塩の化ナトリウム、20%の砂糖および50%の水から調製した。
バッチの半分に2ppmの1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを加えた。
【0074】
フレーバリストの小グループ(男性2名、女性2名)がケチャップを試し、当該物質を含まないケチャップと比較して、試験ケチャップが、明らかに、より多いうま味、より多い塩味を呈し、心地よいセイボリーノート(savoury note)を有していることで一致した。
【0075】
例22〜24
以下の組成物を作成し、試験した。ベンチトップテストパネル(10名のパネリスト − フレーバリスト、応用エキスパートから構成される)を用い、パネリストは、サンプル間の官能特質の違い(うま味)を記録することを求められた。全てのサンプルは、ブラインドで試験され、うま味についてランクづけられた。
【0076】
例22
市販のオーガニックチキンブロス(Swanson’s Certified Organic Chicken Broth − MSG添加なし、約0.4%の砂糖を含む)
【0077】
対照
【表2】

【0078】
参照
【表3】

【0079】
成分1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表4】

【0080】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける0.001%の1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが2位、対照が5位に終わった。
【0081】
成分1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表5】

【0082】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける0.002%の1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが3位、対照が5位に終わった。
【0083】
成分1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表6】

【0084】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける0.002%の1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが4位、対照が5位に終わった。
【0085】
例23
モデルチキンブロス−MSG添加なし、砂糖添加なし
モデルチキンブロスパウダーを、11.9gの鶏油、23.81gの塩、14.29gの砂糖、0.95gのオニオンパウダー、49.01gのチキンパウダー、0.04gのターメリックパウダーから調製した。モデルチキンブロスを調製するために、2.0gのパウダーを98.0gの熱湯と混合した。
【0086】
対照
【表7】

【0087】
参照
【表8】

【0088】
成分1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表9】

【0089】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける0.0005%の1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが3位、対照が5位に終わった。
【0090】
成分1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表10】

【0091】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける0.001%の−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが4位、対照が5位に終わった。
【0092】
成分1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表11】

【0093】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが2位、対照が5位に終わった。
【0094】
例24
モデルチキンブロス − MSG添加なし、0.3%の砂糖添加
モデルチキンブロスパウダーを、1.9gの鶏油、23.81gの塩、14.29gの砂糖、0.95gのオニオンパウダー、49.01gのチキンパウダー、0.04gのターメリックパウダーから調製した。モデルチキンブロスを調製するため、2.0gのパウダーを98.0gの熱湯と混合した。
【0095】
対照
【表12】

【0096】
参照
【表13】

【0097】
成分1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表14】

【0098】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける0.001%の1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが5位、対照が6位に終わった。
【0099】
成分: 1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表15】

【0100】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける0.002%の化合物1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが4位、対照が6位に終わった。
【0101】
成分1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表16】

【0102】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける0.002%の1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが3位、対照が6位に終わった。
【0103】
成分1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
【表17】

【0104】
官能的知見:パネリストは、このベースにおける0.002% of 1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンを好んだ。6つの異なるサンプルのブラインドランキングにおいて、MSGがうま味が最も高く、1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンが2位、対照が6位に終わった。(このレベルのこのベースにおいて。)うま味について評価される場合、1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オンは良好に機能した。
【0105】
ある特定の態様において、式Iの化合物(その塩を含む)が提供される。
【化32】

【0106】
式中
はH、メチルまたはエチルを含み;
はH、OH、フッ素、C〜C直鎖または分枝アルキル、C〜Cアルコキシ、ここでアルコキシ中、アルキル基は、直鎖または分枝であるか、C〜Cシクロアルキル部分である、を含み;
はH、メトキシ、メチルまたはエチルを含み;
またはRおよびRは一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成し;
はOHまたはメトキシを含み;および
およびRは独立して、Hまたはメチルを含み;
【0107】
、R、R、R、RおよびRは、
(i)RおよびR一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成する場合には、R、R、RはHであり、RはOHである;および
(ii)RがOHであり、R−RがHである場合には、RまたはRの少なくとも1つがメチルである
となる。
【0108】
特定の態様において、Rは、Hおよびメトキシから選択される。
特定の態様において、Rは、H、OH、フッ素、メチル、C〜Cアルコキシ、ここで、アルキル基は、直鎖または分枝であるか、C〜Cシクロアルキル部分である、を含む。
【0109】
他の特定の態様において、Rは、C〜Cシクロアルキル部分からなる。
他の特定の態様において、RはHまたはメチルを含み、Rはメチル、メトキシまたはイソブチルオキシを含み、Rは、Hであり、RはOHであり、RおよびRはHである。
【0110】
これらの化合物は、上述の通り、望ましい旨味感覚を、経口で摂取されることが意図される組成物に与える。
【0111】
上記の説明および先行の例を介して、態様を詳細に説明したが、これらの例は、例示のみの目的であって、開示の範囲から、当業者によって変形および改変ができると理解される。上記の態様は、選択肢であるだけでなく、組み合わせることもできると理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

式中
はH、メチルまたはエチルを含み;
はH、OH、フッ素、C〜C直鎖または分枝アルキル、C〜Cアルコキシ、ここでアルコキシ中、アルキル基は、直鎖または分枝であるか、C〜Cシクロアルキル部分である、を含み;
はH、メトキシ、メチルまたはエチルを含み;
またはRおよびRは一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成し;
はOHまたはメトキシを含み;および
およびRは独立して、Hまたはメチルを含み;
、R、R、R、RおよびRは、
(i)RおよびR一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成する場合には、R、R、RはHであり、RはOHである;および
(ii)RがOHであり、R−RがHである場合には、RまたはRの少なくとも1つがメチルである
となる、式Iの化合物(またはその塩)。
【請求項2】
が、Hおよびメトキシから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、H、OH、フッ素、メチル、C〜Cアルコキシ、ここでアルコキシ中、アルキル基は、直鎖または分枝であるか、C〜Cシクロアルキル部分である、を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、C〜Cシクロアルキル部分からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
がHまたはメチルを含み、Rがメチル、メトキシまたはイソブチルオキシを含み、RがHであり、RがOHであり、RおよびRがHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;
1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;
1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;
1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;
からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物、またはそれらの混合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を、消費可能な組成物に添加することを含む、消費可能な組成物にうま味フレーバーを付与する方法。
【請求項8】
製品ベースおよび少なくとも1種の請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を含む、うま味フレーバーを有する消費可能な組成物。
【請求項9】
化合物が、約0.01〜約100ppm、任意に約0.1〜約50ppmおよびさらに任意に約0.2〜約10ppmの濃度で存在する、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項10】
【化2】

式中、
は、H、メチルおよびエチルから選択され;
は、H、OH、フッ素、C〜C直鎖または分枝アルキル、C〜Cアルコキシ、ここでアルコキシ中、アルキル基は直鎖または分岐であるか、またはC〜Cシクロアルキル部を含む、もしくはC〜Cシクロアルキル部からなる、から選択される;
は、H、メトキシ、メチルおよびエチルから選択される;
または、RおよびRは一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成し;
は、OHおよびメトキシから選択され;
およびRは独立して、Hおよびメチルから選択され;
、R、R、R、RおよびRは、
(i)RおよびR一緒に、これらが結合するフェニル炭素原子との間の架橋部−O−CH−O−を形成する場合には、R、R、RはHであり、RはOHである;および
(ii)RがOHであり、R−RがHである場合には、R、Rの少なくとも1つがメチルである
となるように選択される、式Iの化合物(またはその塩)。
【請求項11】
が、Hおよびメトキシから選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
が、H、OH、フッ素、メチル、C〜Cアルコキシ、ここで、アルキル基は直鎖または分岐であるか、またはC〜Cシクロアルキル部分を含む、もしくはからなる、から選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
がHおよびメチルであり、Rがメチル、メトキシおよびイソブトルオキシから選択され、RがHであり、RがOHであり、RおよびRがHである、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
1−(2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;
1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;
1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン;および
1−(2−ヒドロキシ−4−イソブトキシフェニル)−3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−オン
からなる群から選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
請求項10に記載の少なくとも1種の化合物を、消費可能な組成物に添加することを含む、消費可能な組成物にうま味フレーバーを付与する方法。
【請求項16】
製品ベースおよび少なくとも1種の請求項10に記載の少なくとも1種の化合物を含む、うま味フレーバーを有する消費可能な組成物。
【請求項17】
化合物が、約0.01〜約100ppm、任意に約0.1〜約50ppmおよびさらに任意に約0.2〜約10ppmの濃度で存在する、請求項16に記載の消費可能な組成物。

【公表番号】特表2012−532848(P2012−532848A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519014(P2012−519014)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059916
【国際公開番号】WO2011/004016
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】