説明

こごみパウダーの製造方法

【課題】本発明は、山菜”こごみ”を利用した乾燥粉末食品に関し、特に製造方法を工夫することにより機能性食品原料として利用できる、こごみパウダーの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のこごみパウダーの製造方法は、食用に適さない部分や不良品を取り除く原料入荷工程と、山菜こごみの表面に付着した異物等を分離洗浄するバブリング洗浄工程と、熱水による軽い加熱処理を行うブランチング工程と、庫内温度、風量、乾燥時間を設定し、目的の水分量に達するまで乾燥を行う温風空気乾燥工程と、上臼と下臼を回転させることで物理的に細かく砕いて粉体にする石臼原理方式応用型製粉工程とを順次行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山菜”こごみ”を利用した乾燥粉末食品に関し、特に製造方法を工夫することにより機能性食品原料として利用できる、こごみパウダーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自然環境で生産された植物性の食材を加熱乾燥の長所と凍結乾燥の長所とを生かした乾燥方法によって、それらに含まれる栄養素を保ったままで乾燥、粉末化して、長期に保存でき、しかも調理せずに簡単に摂取することができる乾燥粉末食品が知られている(特許文献1を参照)。
この公知技術では、穀物の全粒乾燥粉末と、葉采類、根菜類及び果采類の中からそれぞれ1種類以上を選んだ全乾燥粉末とを少なくとも含み、それぞれの乾燥方法が熱風による乾燥、遠赤外線による乾燥又は凍結乾燥のいずれか、又はそれらの組合せを行うものである。
また、生体に不必要な活性酸素を効果的に消去し、かつ生体への障害を引き起こさない活性酸素消去材、フィルター、健康食品、飲料が知られている(特許文献2を参照)。
この公知技術は、さとうきび、とうもろこし、バナナ、ニンニク、レンコン、ほうれん草などといった活性酸素消去種と、これら活性酸素消去作用を促進するサンゴ末などといった活性酸素消去促進種とを用いて活性酸素消去材を製造するものである。
【特許文献1】特開2006−212025号公報
【特許文献2】特開2001−158742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、山菜”こごみ”を利用した乾燥粉末食品に関し、特に製造方法を工夫することにより機能性食品原料として利用できる、こごみパウダーの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のこごみパウダーの製造方法は、食用に適さない部分や不良品を取り除く原料入荷工程と、山菜こごみの表面に付着した異物等を分離洗浄するバブリング洗浄工程と、熱水による軽い加熱処理を行うブランチング工程と、庫内温度、風量、乾燥時間を設定し、目的の水分量に達するまで乾燥を行う温風空気乾燥工程と、上臼と下臼を回転させることで物理的に細かく砕いて粉体にする石臼原理方式応用型製粉工程とを順次行うものである。
本発明のこごみパウダーの製造方法は、入荷した山菜こごみは自然界に自生している野生植物であり、その品質状態を入念にチェックして、食用に適さない鱗片や不良品を取り除く原料入荷工程と、洗浄水を貯水した水槽タンクの底部に、エアーコンプレッサーから送られてくる空気を細かい泡として洗浄水中に発生させ、それによる水中内の振動により、山菜こごみの表面に付着した異物等を分離洗浄するバブリング洗浄工程と、山菜こごみの色留め、殺菌を目的にして、熱水100℃による軽い湯通しを5分行うブランチング工程と、乾燥機庫内の乾燥棚に山菜こごみを載せ、庫内温度10〜80℃、風量20〜45m/分、乾燥時間12〜16時間を設定し、目的の水分量7%以下に達するまで乾燥を行う温風空気乾燥工程と、上臼と下臼にそれぞれ細かい溝が切ってあり、これらを回転させることでカッターとして物理的に細かく砕いて100ミクロンにする石臼原理方式応用型製粉工程とを順次行うものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明のこごみパウダーの製造方法は、それらに含まれる栄養素を保ったままで乾燥、粉末化して、長期に保存でき、しかも調理せずに簡単に摂取することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、山野で自生する山菜こごみを機能性食品原料として利用できるように乾燥粉末に製造するための方法である。
そのため、山野で生産された生の山菜こごみを植物性の食材として人工的な調理方法を加えずに乾燥させた後、石臼で物理的に粉砕して100ミクロンの乾燥粉末とするものである。
一般に食用植物を乾燥させる方法には、天日干し、熱風乾燥、遠赤外線乾燥、凍結乾燥などがあるが、ここでは温風空気乾燥方式を採用している。
また、粉末化させる方法は、旧来の石臼を使用した石臼原理方式応用型製粉を採用して、100ミクロンの乾燥粉末とするものである。
使用する原材料は、山菜こごみを使用し、表1の栄養成分に示すように、山菜こごみは坑酸化能が高いほか、ビタミンE、ミネラルが豊富である。
【0007】
【表1】

【0008】
一般に、呼吸で体内に取り込まれた酸素の約3%は電子伝達系でのエネルギー代謝時に還元され、スーパーオキシドアニオン、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル及び一重項酸素などの活性酸素に変わります。これらの活性酸素はたんぱく質を変成させたり、DNAの制癌遺伝子を破壊して癌化の原因となると指摘されています。一方、人体にはスーパーオキシドディスムターゼなどの活性酸素を消去する酵素やアスコルビン酸(ビタミンC)やαートコフェノール(ビタミンE)等の抗酸化物質があり、これらの働きで体内の活性酸素は除去されます。
したがって、表1の栄養成分に示すように、山菜こごみは坑酸化能が高いほか、ビタミンE、ミネラルが豊富であるため、体内に摂取することにより体内の活性酸素は除去されます。
【0009】
以下に、本発明のこごみパウダーの製造方法の一実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明のこごみパウダーの製造方法は、順次、原料入荷→バブリング洗浄→乾燥→製粉の各製造工程からなる。
次に、各工程について詳細に説明する。
原料入荷:入荷した山菜こごみは、自然界に自生している野生植物であり、その品質状態を入念にチェックして、食用に適さない部分(鱗片)や不良品を取り除く。
【0010】
バブリング洗浄:洗浄水を貯水した水槽タンクの底部に、エアーコンプレッサーから送られてくる空気を細かい泡(バブル)として洗浄水中に発生させ、それによる水中内の振動により、山菜こごみの表面に付着した異物等を分離洗浄する。
ブランチング:山菜こごみの色留め、殺菌を目的にして、熱水100℃による軽い加熱処理(湯通し)5分を行う。
【0011】
温風空気乾燥方式:乾燥機庫内の乾燥棚に山菜こごみを載せ、庫内温度10〜80℃できれば45〜60℃、風量20〜45m/分、乾燥時間12〜16時間を設定し、目的の水分量7%以下に達するまで乾燥を行う。
石臼原理方式応用型製粉:上臼と下臼にそれぞれ放射状の細かい溝が切ってあり、これらを回転させることでカッターとして物理的に細かく砕いて100ミクロンにする。上臼と下臼の幅を調節すること及び回転スピードの調整により粉体化するときの粉粒度を調節する。
【0012】
このようにして、山菜こごみは、それらに含まれる栄養素を保ったままで乾燥、粉末化して、長期に保存でき、しかも調理せずに簡単に摂取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のこごみパウダーの製造方法の工程を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用に適さない部分や不良品を取り除く原料入荷工程と、山菜こごみの表面に付着した異物等を分離洗浄するバブリング洗浄工程と、熱水による軽い加熱処理を行うブランチング工程と、庫内温度、風量、乾燥時間を設定し、目的の水分量に達するまで乾燥を行う温風空気乾燥工程と、上臼と下臼を回転させることで物理的に細かく砕いて粉体にする石臼原理方式応用型製粉工程とを順次行うことを特徴とするこごみパウダーの製造方法。
【請求項2】
入荷した山菜こごみは自然界に自生している野生植物であり、その品質状態を入念にチェックして、食用に適さない鱗片や不良品を取り除く原料入荷工程と、洗浄水を貯水した水槽タンクの底部に、エアーコンプレッサーから送られてくる空気を細かい泡として洗浄水中に発生させ、それによる水中内の振動により、山菜こごみの表面に付着した異物等を分離洗浄するバブリング洗浄工程と、山菜こごみの色留め、殺菌を目的にして、熱水100℃による軽い湯通しを5分行うブランチング工程と、乾燥機庫内の乾燥棚に山菜こごみを載せ、庫内温度10〜80℃、風量20〜45m/分、乾燥時間12〜16時間を設定し、目的の水分量7%以下に達するまで乾燥を行う温風空気乾燥工程と、上臼と下臼にそれぞれ細かい溝が切ってあり、これらを回転させることでカッターとして物理的に細かく砕いて100ミクロンにする石臼原理方式応用型製粉工程とを順次行うことを特徴とするこごみパウダーの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−183173(P2009−183173A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24518(P2008−24518)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(508036721)有限会社 栄物産 (2)
【Fターム(参考)】