たかきび、餅きび、餅あわ及びひえ等を原料とする生分解性発泡樹脂の製造方法
【課題】微生物の作用により容易に分解されて土壌に還元され、廃棄物処理を容易にし、地球環境保全に役立つ優れた生分解性発泡樹脂の製造方法の提供。
【解決手段】本発明の生分解性発泡樹脂の製造方法は、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させる。また前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することができる。
【解決手段】本発明の生分解性発泡樹脂の製造方法は、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させる。また前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、生分解性発泡樹脂の製造方法に関し、更に詳しくは、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえ等を原料とし、これにポリイソシアネート類を添加して発泡させ、得られた発泡性樹脂は、廃棄処理後に微生物による分解性に優れ、地球環境に好ましい生分解性発泡樹脂の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、天然植物を原料として、例えば、ケナフ繊維を含む成形用樹脂を用いて加熱圧縮して成形体を得る方法が開示されている（例えば、特許文献１参照）。また紙の需要に応じて、原料としての原生林や天然林が伐採され、地球環境が著しく破壊されており問題視されている。このような中で生分解性容器として、ケナフのパルプを原料とした成型食品容器の内面に植物系を主原料とした生分解可能なフィルムを接着したものが開示されている（例えば、特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００３−５５８７１（段落０００２）
【特許文献２】特開２００８−１８７０３（特許請求の範囲請求項１及び２、段落００１２）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、前述の如く特許文献１又は２においては、植物性原料を素材としている点で好ましいが、生分解性ではあるものの、発泡樹脂ではなく、また生分解性樹脂とはいえ、土壌中の微生物の作用によって容易には分解され難いという問題があった。
そこで、本発明者は、高度の生分解性を持たせるため、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえ等の原料の粉末を用い、またこれらに発泡剤を添加して生分解性発泡樹脂を製造する際、この発泡樹脂の物性を改善し良好な発泡性を与えるために種々検討したところ、発泡剤として、ポリイソシアネート類を添加することにより、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえ等の原料の粉末の分子間にウレタン結合による架橋構造を形成し、更にポリイソシアネート類と水との反応で生じる二酸化炭素ガスの内蔵した生分解性発泡樹脂が得られることを見出し、しかもこの生分解性発泡樹脂は、使用後に廃棄したとしても、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから製造されたものであるので、これらは微生物の作用により容易に分解されて土壌に還元されると共にイソシアネートによって成形されるウレタン結合もまた生分解性を有するので、廃棄物処理を容易にすることができるばかりかその手間を省くことができるという格別顕著な効果を奏すると共に、生分解性樹脂の原料は植物であるため、植物の生育時には二酸化炭素を吸収するので、地球環境の保全に大いに役立つものである。このような知見に基づいて本発明はなされたものである。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、すべて植物性原料から得られ、更に発泡剤としてポリイソシアネートを添加してウレタン結合を含む生分解性発泡樹脂強度を得ることによって、微生物の作用により容易に分解されて土壌に還元され、廃棄物処理を容易にするばかりかその手間を省くことができ、地球環境保全に役立つ優れた生分解性発泡樹脂の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明の前記課題は、以下の各発明によって達成される。
（１）たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセラ
イドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させることを特徴とする生分解性発泡樹脂の製造方法。
（２）前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することを特徴とする請求項１に記載の生分解性発泡樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【０００５】
前記（１）に記載の生分解性発泡樹脂の製造方法において、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させることにより、良好な発泡性が得られ、またジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライド及びポリイソシアネートのウレタン結合などは、高度の生分解性であるばかりでなく、生分解性発泡樹脂の原料が、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえなどすべて植物性であり、使用後に廃棄処理した場合に微生物の作用により容易に分解されて土壌に還元され、したがって廃棄物処理が容易であり、地球環境上極めて好ましいという優れた効果を奏するものである。
【０００６】
前記（２）に記載の発明は、前記第１項に記載の生分解性発泡樹脂の製造方法において、前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することにより、分子間にウレタン結合による架橋構造が形成され、更にポリイソシアネート類と水との反応で生じる二酸化炭素ガスの内蔵した生分解性発泡樹脂が得られるという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下に、本発明について、発明の実施の形態を更に詳しく説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【０００８】
本発明の生分解性発泡樹脂の製造方法は、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させることを特徴とするものである。本発明の製造方法で得られた生分解性発泡樹脂は、軽量であり、強度、柔軟性、吸湿性、微生物による分解性に優れている。
本発明に用いられる原料としては、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえなどがあり、これらの混合物にジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて十分混合した後、ポリオール変性ポリイソシアネートを添加し撹拌加熱してウレタン化架橋反応及び発泡反応を完結させて生分解性発泡樹脂を製造するものである。本発明に用いられる原料は、すべて生分解性であり、これらは植物が空気中の二酸化炭素を吸収して行なう光合成によって生産されるものであるから、これら植物を原料とすることは、空気中の二酸化炭素の減少につながり、地球環境に貢献することになり好ましい。またポリイソシアネート類によって作られるウレタン結合は、尿素結合に近く、生分解性を有することは既に知られている。また液剤として使用されるポリエーテル、ポリエステル、モノグリセリドなども生分解性に問題はなく、したがって、この方法で製造される生分解性発泡樹脂は、土中に廃棄し埋め立てれば、微生物の作用によって略完全に分解されるものである。
【０００９】
本発明に用いられるジオールタイプである液状のポリエーテル、ポリエステル、モノグリ
セリドなどは公知であり、通常、市販されており容易に入手することができる。またジオールタイプの液状ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が好ましい。ポリエステルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチルエステルを用いるのが好ましい。たかきび、餅きび、餅あわ及びひえなどは、粉末にして用いることが好ましいが、微粉末としてもよいことはいうまでもない。
本発明の生分解性発泡樹脂の製造方法において、前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することが好ましく、少量の水の量としては、１ｇ〜１０ｇ、好ましくは２ｇから５ｇであり、更に好ましくは２ｇから４ｇである。このように少量の水を加えることにより、反応で生成した二酸化炭素ガスが気泡内に閉じ込められて二酸化炭素ガスの内蔵した生分解性発泡樹脂が得られるという優れた効果を奏するものである。本発明に係る生分解性発泡樹脂は、前述の如き原料を加熱するが、加熱温度としては１５０℃〜２３０℃であり、好ましくは１８０℃〜２００℃である。この範囲で良好な生分解性発泡樹脂が得られる。また生分解性発泡樹脂は、各種の製品を形成することができ、具体的にはシート状、板状、棒状などに成形することができるが、これに特に限定されるものではない。
【実施例】
【００１０】
以下に本発明の実施の形態として実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【００１１】
〔実施例１〕
たかきび粉１００ｇをポリプロピレングリコール５０ｇと混合した後、ポリオール変性ポリイソシアネート（ＮＣＯ含有量１３％）１００ｇを混ぜ込み、１９０℃に加熱して発泡させて固化させる。生分解性発泡樹脂を約２１０ｇを得た。
【００１２】
〔実施例２〕
もち粟粉末１００ｇと水３ｇを含む混合物にポリプロピレングリコール５３ｇを混合した後、ポリオール変性ポリイソシアネート（ＮＣＯ含有量１３％）１５０ｇを混ぜ込み、１９０℃に加熱して発泡させて固化させる。生分解性発泡樹脂を約２５０ｇを得た。
【産業上の利用可能性】
【００１３】
本発明の生分解性発泡樹脂は、軽量、強度並びに耐湿性に優れたものであるばかりでなく、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえなど、すべて天然物を使用しており、更に発泡剤として用いられるポリイソシアネート類も微生物の作用により容易に分解されて土壌に還元され、廃棄物処理を容易にするばかりかその手間を省くことができ、地球環境保全に役立つ優れた生分解性発泡樹脂が得られる。したがって、各種の技術分野、とりわけ、建築材、工業製品、農業資材等の技術分野において各種の製品に使用できるので、これらの産業上の利用可能性は極めて大きい。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、生分解性発泡樹脂の製造方法に関し、更に詳しくは、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえ等を原料とし、これにポリイソシアネート類を添加して発泡させ、得られた発泡性樹脂は、廃棄処理後に微生物による分解性に優れ、地球環境に好ましい生分解性発泡樹脂の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、天然植物を原料として、例えば、ケナフ繊維を含む成形用樹脂を用いて加熱圧縮して成形体を得る方法が開示されている（例えば、特許文献１参照）。また紙の需要に応じて、原料としての原生林や天然林が伐採され、地球環境が著しく破壊されており問題視されている。このような中で生分解性容器として、ケナフのパルプを原料とした成型食品容器の内面に植物系を主原料とした生分解可能なフィルムを接着したものが開示されている（例えば、特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００３−５５８７１（段落０００２）
【特許文献２】特開２００８−１８７０３（特許請求の範囲請求項１及び２、段落００１２）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、前述の如く特許文献１又は２においては、植物性原料を素材としている点で好ましいが、生分解性ではあるものの、発泡樹脂ではなく、また生分解性樹脂とはいえ、土壌中の微生物の作用によって容易には分解され難いという問題があった。
そこで、本発明者は、高度の生分解性を持たせるため、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえ等の原料の粉末を用い、またこれらに発泡剤を添加して生分解性発泡樹脂を製造する際、この発泡樹脂の物性を改善し良好な発泡性を与えるために種々検討したところ、発泡剤として、ポリイソシアネート類を添加することにより、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえ等の原料の粉末の分子間にウレタン結合による架橋構造を形成し、更にポリイソシアネート類と水との反応で生じる二酸化炭素ガスの内蔵した生分解性発泡樹脂が得られることを見出し、しかもこの生分解性発泡樹脂は、使用後に廃棄したとしても、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから製造されたものであるので、これらは微生物の作用により容易に分解されて土壌に還元されると共にイソシアネートによって成形されるウレタン結合もまた生分解性を有するので、廃棄物処理を容易にすることができるばかりかその手間を省くことができるという格別顕著な効果を奏すると共に、生分解性樹脂の原料は植物であるため、植物の生育時には二酸化炭素を吸収するので、地球環境の保全に大いに役立つものである。このような知見に基づいて本発明はなされたものである。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、すべて植物性原料から得られ、更に発泡剤としてポリイソシアネートを添加してウレタン結合を含む生分解性発泡樹脂強度を得ることによって、微生物の作用により容易に分解されて土壌に還元され、廃棄物処理を容易にするばかりかその手間を省くことができ、地球環境保全に役立つ優れた生分解性発泡樹脂の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明の前記課題は、以下の各発明によって達成される。
（１）たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセラ
イドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させることを特徴とする生分解性発泡樹脂の製造方法。
（２）前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することを特徴とする請求項１に記載の生分解性発泡樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【０００５】
前記（１）に記載の生分解性発泡樹脂の製造方法において、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させることにより、良好な発泡性が得られ、またジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライド及びポリイソシアネートのウレタン結合などは、高度の生分解性であるばかりでなく、生分解性発泡樹脂の原料が、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえなどすべて植物性であり、使用後に廃棄処理した場合に微生物の作用により容易に分解されて土壌に還元され、したがって廃棄物処理が容易であり、地球環境上極めて好ましいという優れた効果を奏するものである。
【０００６】
前記（２）に記載の発明は、前記第１項に記載の生分解性発泡樹脂の製造方法において、前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することにより、分子間にウレタン結合による架橋構造が形成され、更にポリイソシアネート類と水との反応で生じる二酸化炭素ガスの内蔵した生分解性発泡樹脂が得られるという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下に、本発明について、発明の実施の形態を更に詳しく説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【０００８】
本発明の生分解性発泡樹脂の製造方法は、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させることを特徴とするものである。本発明の製造方法で得られた生分解性発泡樹脂は、軽量であり、強度、柔軟性、吸湿性、微生物による分解性に優れている。
本発明に用いられる原料としては、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえなどがあり、これらの混合物にジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて十分混合した後、ポリオール変性ポリイソシアネートを添加し撹拌加熱してウレタン化架橋反応及び発泡反応を完結させて生分解性発泡樹脂を製造するものである。本発明に用いられる原料は、すべて生分解性であり、これらは植物が空気中の二酸化炭素を吸収して行なう光合成によって生産されるものであるから、これら植物を原料とすることは、空気中の二酸化炭素の減少につながり、地球環境に貢献することになり好ましい。またポリイソシアネート類によって作られるウレタン結合は、尿素結合に近く、生分解性を有することは既に知られている。また液剤として使用されるポリエーテル、ポリエステル、モノグリセリドなども生分解性に問題はなく、したがって、この方法で製造される生分解性発泡樹脂は、土中に廃棄し埋め立てれば、微生物の作用によって略完全に分解されるものである。
【０００９】
本発明に用いられるジオールタイプである液状のポリエーテル、ポリエステル、モノグリ
セリドなどは公知であり、通常、市販されており容易に入手することができる。またジオールタイプの液状ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が好ましい。ポリエステルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチルエステルを用いるのが好ましい。たかきび、餅きび、餅あわ及びひえなどは、粉末にして用いることが好ましいが、微粉末としてもよいことはいうまでもない。
本発明の生分解性発泡樹脂の製造方法において、前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することが好ましく、少量の水の量としては、１ｇ〜１０ｇ、好ましくは２ｇから５ｇであり、更に好ましくは２ｇから４ｇである。このように少量の水を加えることにより、反応で生成した二酸化炭素ガスが気泡内に閉じ込められて二酸化炭素ガスの内蔵した生分解性発泡樹脂が得られるという優れた効果を奏するものである。本発明に係る生分解性発泡樹脂は、前述の如き原料を加熱するが、加熱温度としては１５０℃〜２３０℃であり、好ましくは１８０℃〜２００℃である。この範囲で良好な生分解性発泡樹脂が得られる。また生分解性発泡樹脂は、各種の製品を形成することができ、具体的にはシート状、板状、棒状などに成形することができるが、これに特に限定されるものではない。
【実施例】
【００１０】
以下に本発明の実施の形態として実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【００１１】
〔実施例１〕
たかきび粉１００ｇをポリプロピレングリコール５０ｇと混合した後、ポリオール変性ポリイソシアネート（ＮＣＯ含有量１３％）１００ｇを混ぜ込み、１９０℃に加熱して発泡させて固化させる。生分解性発泡樹脂を約２１０ｇを得た。
【００１２】
〔実施例２〕
もち粟粉末１００ｇと水３ｇを含む混合物にポリプロピレングリコール５３ｇを混合した後、ポリオール変性ポリイソシアネート（ＮＣＯ含有量１３％）１５０ｇを混ぜ込み、１９０℃に加熱して発泡させて固化させる。生分解性発泡樹脂を約２５０ｇを得た。
【産業上の利用可能性】
【００１３】
本発明の生分解性発泡樹脂は、軽量、強度並びに耐湿性に優れたものであるばかりでなく、たかきび、餅きび、餅あわ及びひえなど、すべて天然物を使用しており、更に発泡剤として用いられるポリイソシアネート類も微生物の作用により容易に分解されて土壌に還元され、廃棄物処理を容易にするばかりかその手間を省くことができ、地球環境保全に役立つ優れた生分解性発泡樹脂が得られる。したがって、各種の技術分野、とりわけ、建築材、工業製品、農業資材等の技術分野において各種の製品に使用できるので、これらの産業上の利用可能性は極めて大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させることを特徴とする生分解性発泡樹脂の製造方法。
【請求項２】
前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することを特徴とする請求項１に記載の生分解性発泡樹脂の製造方法。
【請求項１】
たかきび、餅きび、餅あわ及びひえから選ばれた少なくとも１種以上に、ジオールタイプである液状のポリエーテル又はポリエステル、あるいは高級脂肪酸のモノグリセライドから選ばれた少なくとも１種を加えて混合し、得られた混合物にポリオール変性ポリイソシアネートを加えて撹拌加熱して発泡させることを特徴とする生分解性発泡樹脂の製造方法。
【請求項２】
前記ポリオール変性ポリイソシアネートを加えた後、少量の水を添加することを特徴とする請求項１に記載の生分解性発泡樹脂の製造方法。
【公開番号】特開２００９−２７００３６（Ｐ２００９−２７００３６Ａ）
【公開日】平成２１年１１月１９日（２００９．１１．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１２２９５９（Ｐ２００８−１２２９５９）
【出願日】平成２０年５月９日（２００８．５．９）
【出願人】（５９２０１４００１）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１１月１９日（２００９．１１．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年５月９日（２００８．５．９）
【出願人】（５９２０１４００１）
【Ｆターム（参考）】
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