説明

どのリソースをホーム基地局に割り当てなくてはならないかを求めるための方法及びデバイス並びにコンピュータープログラム

【課題】無線セルラー通信ネットワークのリソースグループの中のどのリソースを、ホーム基地局グループの中のホーム基地局に割り当てなくてはならないかを求めるための方法を提供する。
【解決手段】方法は、リソースグループのリソースごとに、ホーム基地局グループの前記ホーム基地局による前記リソースの利用量を求めるステップと、前記求められた利用量の中で、その前記利用量が最も低いリソースを選択するステップと、前記選択されたリソースが前記ホーム基地局に隣接するホーム基地局によって使用されているか否かを検査するステップと、前記選択されたリソースが前記ホーム基地局の前記隣接するホーム基地局又は各隣接するホーム基地局によって使用されていない場合、前記選択されたリソースが前記ホーム基地局によって使用されなくてはならないと判断するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、無線セルラー通信ネットワークのリソースグループの中のどのリソースをホーム基地局に割り当てなくてはならないかを求めるための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線セルラー通信ネットワークは、広いエリアにおいて、無線サービスのカバレッジを提供する。無線セルラー通信ネットワークのカバレッジエリアを覆うために、マクロセルが用いられる。
【0003】
マクロセルは約10km2のカバレッジエリアを有する。
【0004】
各セルは、1つの基地局によって制御され、無線セルラー通信ネットワークのリソースが基地局に割り当てられる。
【0005】
基地局のセットアップ時に、その基地局は無線インタフェース、ネットワークインタフェースを構成する、すなわち、隣接基地局及びサーバーとの接続リンクを構成し、割り当てられたリソースを使用して、パイロット信号等と共に、ブロードキャストチャネルにおいて送信を開始する。
【0006】
限定的なものでなく例として、リソースは、信号を移動端末に転送しかつ/若しくは信号を移動端末から受信するのに使用される周波数帯域、基地局への移動端末のアクセスを可能にすると共に無線セルラー通信ネットワークにおける物理層セル識別子としての役割を果たす同期シーケンス、移動端末に信号を転送しかつ/若しくは移動端末から信号を受信するタイムスロット、無線セルラー通信ネットワークの基地局間のセル間干渉調整の目的で使用され、隣接する基地局間で再利用されない周波数帯域幅分割、隣接する基地局間で使用されてはならない直交チャネライゼーションコードのセット、又は競合回避若しくは衝突回避のために隣接する基地局にマッピングされなくてはならない上記リソースの任意の組み合わせである。
【0007】
基地局によって管理されるセル内に位置する移動端末は、該基地局及び周囲の基地局によって送信される信号に関する測定を行なうことができる。これは、その移動端末が位置するセルを現在管理している基地局から周囲の基地局のうちの1つによって管理される別のセルへのハンドオーバーを準備/トリガーするために行われ、又は、その移動端末をハンドリングする基地局が、負荷バランシング、干渉管理協調マルチポイント伝送(interference management coordinated multi-point transmission)、若しくは基地局とその隣接する基地局との協調を必要とする任意の他の機能を実行することができるようにするために、行われる。
【0008】
このため、隣接する基地局間の競合を回避するために、隣接する基地局は無線セルラー通信ネットワークの共通のリソースを共有するべきでない。
【0009】
隣接する基地局は、無線セルラー通信ネットワークのグローバルリソースに対する、それらに隣接する基地局のリソース割り当ての影響を最小にするために、最小量のリソースのセットをリソース利用に使用する。
【0010】
公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)又は無線セルラー通信ネットワークのカバレッジを、ピコセル及びフェムトセルで拡張することが提案されている。
【0011】
ピコセルが約数千m2のカバレッジエリアを有する一方、フェムトセルは約百m2のカバレッジエリアを有する。マクロセルの場合、1つのピコセル又はフェムトセルを管理する各基地局は、隣接する基地局及び/又は隣接するホーム基地局と共通したリソースを使用するべきでない。
【0012】
ピコセル又はフェムトセルを管理する基地局は、従来、家庭又は事務所内に設置され、これらは通常、ホーム基地局と呼ばれる。
【0013】
ホーム基地局は、無線セルラー通信ネットワークにアクセスするために、限られた数の移動端末が該ホーム基地局の資源を使用できるようにする。ピコセル又はフェムトセルを管理するホーム基地局が、これらの許可された移動端末に無線セルラー通信ネットワークにアクセスするために該ホーム基地局の資源の使用を許可するとき、それらのホーム基地局は、これらの許可された移動端末に関連付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5781536号明細書
【特許文献2】国際公開第2010/003509号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の目的は、2つの隣接する基地局間で同じリソースが使用されず、かつネットワーク内のリソース再利用が最小にされるように、ホーム基地局が最小量のリソースを割り当てることを可能にすることを意図する方法及びデバイスを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的のために、本発明は、無線セルラー通信ネットワークのリソースグループの中のどのリソースを、ホーム基地局グループの中のホーム基地局に割り当てなくてはならないかを求めるための方法であって、
前記方法は、
‐前記リソースグループのリソースごとに、前記ホーム基地局グループの前記ホーム基地局による前記リソースの利用量を求めるステップと、
‐前記求められた利用量の中で、その前記利用量が最も低いリソースを選択するステップと、
‐前記選択されたリソースが前記ホーム基地局に隣接するホーム基地局によって使用されているか否かを検査するステップと、
‐前記選択されたリソースが前記ホーム基地局に前記隣接するホーム基地局又は各隣接するホーム基地局によって使用されていない場合、前記選択されたリソースが前記ホーム基地局によって使用されなくてはならないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0017】
本発明はまた、無線セルラー通信ネットワークのリソースグループの中のどのリソースを、ホーム基地局グループの中のホーム基地局に割り当てなくてはならないかを求めるためのデバイスであって、
前記デバイスは、
‐前記リソースグループのリソースごとに、前記ホーム基地局グループの前記ホーム基地局による前記リソースの利用量を求める手段と、
‐前記求められた利用量の中で、その前記利用量が最も低いリソースを選択する手段と、
‐前記選択されたリソースが前記ホーム基地局に隣接するホーム基地局によって使用されているか否かを検査する手段と、
‐前記選択されたリソースが前記ホーム基地局に前記隣接するホーム基地局又は各隣接するホーム基地局によって使用されていない場合、前記選択されたリソースが前記ホーム基地局によって使用されなくてはならないと判断する手段と、
を含むことを特徴とする、デバイスに関する。
【0018】
このため、選択されたリソースは、隣接する基地局のリソースと競合せず、無線セルラー通信ネットワークのリソースの再利用が最小にされる。
【0019】
リソース利用量を最小にすることによって、無線セルラー通信ネットワークのためのリソースが節減され、隣接するホーム基地局から無線セルラー通信ネットワークへのハンドオーバーが発生するときにユーザー端末の平均混乱(average confusion)が最小にされる。
【0020】
特定の特徴によれば、選択されたリソースの利用量が、前記ホーム基地局によって現在使用されている前記リソースの利用量と等しい場合、該選択されたリソースは該ホーム基地局によって使用されなくてもよい。
【0021】
このため、これによってホーム基地局あたりのリソース利用量が最小にされることが保証され、無線セルラー通信ネットワークにおけるリソース再利用が最小にされる。
【0022】
特定の特徴によれば、前記方法は所定の回数反復して実行される。
【0023】
このため、本発明は、特定の最初のリソース割り当てから、再利用リソースを最小とする割り当てへの収束を保証する。
【0024】
特定の特徴によれば、前記方法は、前記ホーム基地局のうちのいずれも該ホーム基地局に隣接する1つのホーム基地局と同じリソースを使用しなくなるまで(as far as)実行される。
【0025】
このため、本発明は、無線セルラー通信ネットワークにおけるリソース利用量を最小にし、隣接するホーム基地局リソース間の競合を低減する。
【0026】
特定の特徴によれば、前記方法は、前記ホーム基地局のうちのいずれも該ホーム基地局に隣接する1つのホーム基地局と同じリソースを使用しなくなるまで(as far as)、前記リソースグループを増大するステップをさらに含む。
【0027】
このため、本発明は、本方法の実行後に無線セルラー通信ネットワークに競合及び/又は混乱が依然として存在している場合にリソースを増大することによって、割り当てられるホーム基地局に対し最小の量のリソースを使用するリソース割り当て方式を得る。
【0028】
特定の特徴によれば、前記方法は前記ホーム基地局によって実行され、前記リソースの利用量は、該ホーム基地局によって受信される前記ホーム基地局グループの他のホーム基地局の前記利用量から求められ、前記方法は、該ホーム基地局によってその前記リソースの利用量が受信されていない各他のホーム基地局に、前記ホーム基地局によって前記リソースの利用量を転送するステップをさらに含む。
【0029】
このため、無線セルラー通信ネットワークの全てのホーム基地局からリソースの利用量を累積することによって、本発明は無線セルラー通信ネットワークにおけるリソース利用量の重要な測定値を得て、隣接するホーム基地局間でリソース利用量を二重にカウントすることを回避する。
【0030】
特定の特徴によれば、前記方法は、前記ホーム基地局グループを管理するコーディネーターによって実行される。
【0031】
このため、コーディネーターはリソース利用量関連情報を維持することができ、最小のリソースを割り当てて、該コーディネーターが管理する全ホーム基地局にわたる混乱を最小にする。
【0032】
コーディネーターは、該コーディネーターが管理するホーム基地局のリソースの現在の再利用を評価し、必要な場合、利用可能なリソースの数を増大することができる。
【0033】
コーディネーターは、本発明の適用後、最初に割り当てられたリソースグループにおいて使用されていないリソースが存在する場合、利用可能なリソースを減少させることができる。
【0034】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータープログラムであって、該コンピュータープログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるとき、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータープログラムに関する。
【0035】
コンピュータプログラムに関連する特徴及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連する上記の特徴及び利点と同じであるため、ここでは繰り返さない。
【0036】
本発明の特徴は例示的な実施形態に関する以下の説明を読むことからさらに明らかになるはずであり、該説明は添付の図面を参照しながら提示される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明が実施される無線セルラー通信ネットワークを表す図である。
【図2】本発明が実施されるコーディネーターのアーキテクチャーを表す図である。
【図3】本発明が実施されるホーム基地局のアーキテクチャーを表す図である。
【図4a】本発明による、各ホーム基地局によって実行されるアルゴリズムの例を開示する図である。
【図4b】本発明による、各ホーム基地局によって実行されるアルゴリズムの例を開示する図である。
【図5a】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5b】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5c】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5d】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5e】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5f】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5g】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5h】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5i】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5j】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5k】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5l】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5m】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5n】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5o】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5p】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5q】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5r】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5s】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図5t】本発明による、ホーム基地局によって求められたベクトルがとることができる様々な値を示す図である。
【図6】本発明による、コーディネーターによって実行されるアルゴリズムの例を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明が実施される無線セルラー通信ネットワークを表している。
【0039】
無線セルラー通信ネットワークは、ホーム基地局HBS1、HBS2、HBS3、及びHBS4、並びにコーディネーター10の、図1には示していない複数のセルから構成される。
【0040】
コーディネーター10は、複数のホーム基地局HBSを管理する。コーディネーター10はアクセスゲートウェイ又は協調ゲートウェイと呼ばれる場合もある。
【0041】
明確にするために、図1には4つのホーム基地局HBS1〜HBS4しか表されないが、無線セルラー通信ネットワークは、さらに多くの数のホーム基地局HBSを含む。
【0042】
ホーム基地局HBS1からHBS4はフェムト基地局又はピコ基地局とも呼ばれる。
【0043】
明確にするために、図1には1つのコーディネーター10しか示されていないが、無線セルラー通信ネットワークはさらに多くの数のコーディネーター10を含む。
【0044】
図1において、コーディネーター10は、基地局とも、ホーム基地局HBSとも、コアネットワークデバイスとも異なるデバイスである。他の実現例では、コーディネーター10は1つのホーム基地局HBS1〜HBS4に含まれてもよいし、図1には示されない基地局に含まれてもよいし、1つのコアネットワークデバイスに含まれてもよい。
【0045】
ホーム基地局HBS1〜HBS4のうちのいくつかは互いに近接しているので、ホーム基地局のセルは互いに重なり合う。2つのホーム基地局のセルが重なり合うとき、該2つのホーム基地局は隣接していると見なされ、競合を回避するために、隣接ホーム基地局HBSは無線セルラー通信ネットワークの同じリソースを使用するべきでない。
【0046】
AR1と表記される矢印によって示されるように、ホーム基地局HBS1はホーム基地局HBS2に隣接している。
【0047】
AR3と表記される矢印によって示されるように、ホーム基地局HBS3はホーム基地局HBS2に隣接している。
【0048】
AR2と表記される矢印によって示されるように、ホーム基地局HBS4はホーム基地局HBS2に隣接している。
【0049】
したがって、ホーム基地局HBS2はホーム基地局HBS1、HBS3、及びHBS4に隣接している。
【0050】
各ホーム基地局HBSは、図1に示されていない通信ネットワークにリンクされている。通信ネットワークは、ホーム基地局HBS1〜HBS4が互いにメッセージを交換すると共にコーディネーター10へのメッセージを交換することを可能にする。又は、通信ネットワークは、隣接するホーム基地局HBSが通信ネットワークに確立された特定のリンクを通じてメッセージを交換することを可能にする。それによって、ホーム基地局HBSがコーディネーター10を介してメッセージを交換することが可能になる。
【0051】
本発明によれば、コーディネーター10又は各ホーム基地局HBSが、
リソースグループのリソースごとに、ホーム基地局グループの前記ホーム基地局による前記リソースの利用量を求め、
前記求められた利用量の中で、前記利用量が最も低いリソースを選択し、
前記選択されたリソースが前記ホーム基地局に隣接するホーム基地局によって使用されているか否かを検査し、
前記選択されたリソースが前記ホーム基地局の前記隣接するホーム基地局又は各隣接するホーム基地局によって使用されていない場合、前記選択されたリソースが前記ホーム基地局によって使用されなくてはならないと判断する。
【0052】
図2は、本発明が実施されるコーディネーターのアーキテクチャーを表す図である。
【0053】
コーディネーター10は、たとえば、バス201によって互いに接続される構成要素と、図6において開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャーを有する。
【0054】
プロセッサ200に基づく代わりに、コーディネーター10のアーキテクチャーは専用の集積回路に基づいてもよいことに留意しなくてはならない。
【0055】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203及びネットワークインターフェース206にリンクする。
【0056】
メモリ203は、変数を収容するように意図されるレジスタと、図6において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0057】
プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206の動作を制御する。
【0058】
読み出し専用メモリ202は、図6において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含み、それらの命令は、コーディネーター10が電源をオンにされると、ランダムアクセスメモリ203に転送される。
【0059】
コーディネーター10は、ネットワークインターフェース206を通じて、通信ネットワークに接続される。
【0060】
たとえば、ネットワークインターフェース206はDSL(デジタル加入者線)モデム、又はISDN(統合サービスデジタルネットワーク)インターフェース等である。
【0061】
ネットワークインターフェース206を通じて、コーディネーター10は、無線セルラー通信ネットワークのコアネットワークデバイスにメッセージを転送し、かつ/又はそのコアネットワークデバイスからメッセージを受信することができる。
【0062】
ネットワークインターフェース206は、ホーム基地局間でメッセージ及びデータを中継するためにも用いられる。
【0063】
図3は、本発明が実施されるホーム基地局のアーキテクチャーを表す図である。
【0064】
各ホーム基地局HBSi(ただし、i=1〜4)は、たとえば、バス301によって互いに接続される構成要素、並びに図4a及び4bにおいて開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ300に基づくアーキテクチャーを有する。
【0065】
プロセッサに基づく代わりに、ホーム基地局HBSiのアーキテクチャーは専用の集積回路に基づいてもよいことに留意しなくてはならない。
【0066】
バス301は、プロセッサ300を、読み出し専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、無線インターフェース305及びネットワークインターフェース306にリンクする。
【0067】
RAMメモリ303は、変数を収容するように意図されるレジスタと、図4a及び図4bにおいて開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0068】
プロセッサ300は、ネットワークインターフェース306の動作を制御し、無線インターフェース305の動作を制御する。
【0069】
読み出し専用メモリROM302は、図4a及び図4bにおいて開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含み、それらの命令は、ホーム基地局HBSiが電源をオンにされると、ランダムアクセスメモリ303に転送される。
【0070】
ホーム基地局HBSは、ネットワークインターフェース306を通じて、通信ネットワークに接続される。たとえば、ネットワークインターフェース306はDSL(デジタル加入者線)モデム、又はISDN(統合サービスデジタルネットワーク)インターフェース等である。
【0071】
ネットワークインターフェースI/F306を通じて、ホーム基地局HBSはコーディネーター10にメッセージを転送し、かつ/又はコーディネーター10からメッセージを受信することができると共に、他のホーム基地局HBSにメッセージを転送し、かつ/又は他のホーム基地局HBSからメッセージを受信することができる。
【0072】
ホーム基地局HBSはまた、無線インターフェースI/F305を通じて、他のホーム基地局HBSにメッセージを転送し、かつ/又は他のホーム基地局HBSからメッセージを受信することができる。
【0073】
図4は、本発明による、各ホーム基地局によって実行されるアルゴリズムの例を開示している。
【0074】
より正確には、本アルゴリズムは、各ホーム基地局HBSi(ただし、i=1〜4)のプロセッサ300によって実行される。
【0075】
本アルゴリズムは、定期的に、又は特定のイベント時に実行される。
【0076】
ステップS400において、プロセッサ300は、無線セルラー通信ネットワークのどの1つ又は複数のリソースが自身に割り当てられているかを示す情報を受信する。情報は、ホーム基地局HBSを管理するコーディネーター10によって転送される。
【0077】
一変形形態では、プロセッサ300は、無線セルラー通信ネットワークのどの1つ又は複数のリソースをそのホーム基地局HBSが使用するかをランダムに選択する。
【0078】
たとえば、3つのうち1つ(one over three)の異なるリソースを各ホーム基地局HBSに割り当てることができる。
【0079】
異なるリソースは、ベクトルにおける複数の係数によって表される。該ベクトルの次元は、利用可能なリソースの数に等しい。ベクトルViにおけるある係数の値「1」は、対応するリソースがホーム基地局HBSiに割り当てられていることを表し、ベクトルViにおけるある係数の値「0」は、対応するリソースがホーム基地局HBSiに割り当てられていないことを表す。ベクトルViは、ホーム基地局HBSiのリソース利用量ベクトルと呼ばれる。
【0080】
たとえば、ホーム基地局HBS1のリソース利用量ベクトルV1は(1,0,0)に等しく、ホーム基地局HBS2のリソース利用量ベクトルV2は(0,1,0)に等しく、ホーム基地局HBS3のリソース利用量ベクトルV3は(1,0,0)に等しく、ホーム基地局HBS4のリソース利用量ベクトルV4は(0,1,0)に等しい。
【0081】
この最初のリソース割り当ては、HBS2及びHBS4に割り当てられたリソースにおける競合があることを示している。
【0082】
最初のリソース割り当ては、隣接していないHBS4とHBS3との間でのリソースの再利用を示している。
【0083】
次のステップS401において、プロセッサ300は、T1と表記されるタイマーを起動する。タイマーT1の値は、ホーム基地局HBSごとに異なる。タイマーT1の値は、たとえば所定の値のセットからランダムに選択される。
【0084】
次のステップS402において、プロセッサ300は、コーディネーター10によって管理される少なくとも1つのホーム基地局HBSによって転送される少なくとも1つのリソース利用量ベクトルの、ネットワークインターフェースI/F306又は無線インターフェースI/F305を通じた受信を検出する。
【0085】
次のステップS403において、プロセッサ300はリソース利用量ベクトルの和ベクトルNRiを形成する。ただし、iはホーム基地局HBSiの指標(indicia)であり、その各係数の値は、コーディネーター10によって管理されるホーム基地局HBSjから受信される、対応するリソースの利用されている数を表す。ただし、j=1〜4、j≠iである。
【0086】
上述した例によれば、ホーム基地局HBS1のリソース利用量ベクトルの和ベクトルNR1は、ホーム基地局HBS2及びHBS4が2番目のリソースを使用する一方、ホーム基地局HBS3が1番目のリソースを使用するので、(1,2,0)に等しい。
【0087】
ホーム基地局HBS2のリソース利用量ベクトルの和ベクトルNR2は、(2,1,0)に等しく、ホーム基地局HBS3のリソース利用量ベクトルの和ベクトルNR3は、(1,2,0)に等しく、ホーム基地局HBS4のリソース利用量ベクトルの和ベクトルNR4は、(2,1,0)に等しい。
【0088】
次のステップS404において、プロセッサ300は、タイマーT1が経過しているか否かを検査する。タイマーT1が経過している場合、プロセッサ300はステップS405に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS402に戻る。
【0089】
ステップS405において、プロセッサ300は、少なくとも1つのリソース利用量ベクトルが受信されていないかどうか検査する。
【0090】
各リソース利用量ベクトルが受信されている場合、プロセッサ300はステップS408に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS406に進む。
【0091】
ステップS406において、プロセッサはプロセスを開始する。このプロセスは、受信されていない各リソース利用量ベクトルを要求することと、該リソース利用量ベクトル(複数可)をリソース利用量ベクトルの和ベクトルに加算することとを、コーディネータ10に要求することであってもよい。プロセスは、リソース利用量ベクトル(複数可)を送信すべきホーム基地局(複数可)が問題を有している可能性があるか又は電源がオフにされている可能性があることをコーディネーター10に通知することであってもよい。
【0092】
次のステップS407において、プロセッサ300は、リソース利用量ViがステップS454(後述)において事前に転送されていない場合、該プロセッサが利用量ベクトルをまだ受信していない、コーディネーター10によって管理されるホーム基地局HBSのセットからの少なくとも1つのホーム基地局HBSに対する、該プロセッサのホーム基地局HBSiのリソース利用量ベクトルViの、ネットワークインターフェース306又は無線インターフェース305を通じた転送を命令する。
【0093】
次のステップS408において、プロセッサ300は和ベクトルSUiを計算する。ただし、iはホーム基地局HBSiの指標であり、各係数の値はそのホーム基地局HBSiのリソース利用量ベクトルViとリソース利用量ベクトルの和ベクトルNRiとの和に等しい。
【0094】
上述した例によれば、ベクトルSUi(ただし、i=1〜4)は、(2,2,0)に等しい。
【0095】
上述したベクトルは図5a〜図5dに示されている。
【0096】
図5aは、ホーム基地局HBS1によって求められたベクトルV1、NR1、及びSU1を表す。図5bは、ホーム基地局HBS2によって求められたベクトルV2、NR2、及びSU2を表す。図5cは、ホーム基地局HBS3によって求められたベクトルV3、NR3、及びSU3を表す。図5dは、ホーム基地局HBS4によって求められたベクトルV4、NR4、及びSU4を表す。
【0097】
次のステップS409において、プロセッサ300、たとえばホーム基地局HBS1のプロセッサ300は、ベクトルSU1の最も低い係数値に対応するリソースを選択する。
【0098】
上述した例によれば、3番目のリソースが選択される。
【0099】
次のステップS410において、ホーム基地局HBS1のプロセッサ300は、選択されたリソースが、少なくとも1つの隣接するホーム基地局HBS(すなわち隣接ホーム基地局HBS2)によって使用されるリソースに対応するか否かをリソース利用量ベクトルV2を使用して検査する。
【0100】
選択されたリソースが、隣接ホーム基地局HBSによって使用されるリソースに対応する場合、プロセッサはステップS411に進む。そうでない場合、プロセッサ300は図4bのステップS450に進む。
【0101】
ステップS411において、プロセッサ300は、少なくとも1つのリソースがまだ選択されていないかどうかを検査する。少なくとも1つのリソースがまだ選択されていない場合、プロセッサ300はステップS412に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS401に戻る。
【0102】
ステップS412において、プロセッサ300は、次に上位のSU1の係数値に対応するリソースを選択し、ステップS410に戻る。
【0103】
図4bのステップS450において、プロセッサ300は、選択されたリソースを使用する利点があるか否かを検査する。
【0104】
対応する係数値が、ホーム基地局HBS1によって現在使用されているリソースに対応する係数の値に等しい場合、選択されたリソースを使用する利点はない。
【0105】
コーディネーター10によって管理されるホーム基地局HBS1又はHBS4にこれ以上競合が存在しない場合、選択されたリソースを使用する利点はない。そのような事例は、和ベクトルSUiの各係数が1又は0に等しい場合に発生する。
【0106】
リソースが少なくとも1つの隣接する基地局によって既に使用されている場合、該リソースを使用する利点はない。リソース利用量は、ホーム基地局と隣接する基地局との間の通信を通じて求めることができ、測定を通じて求めることができ、または、コーディネーター10によってトリガーされた情報を通じて求めることができる。
【0107】
ステップS409〜ステップS453によって構築されたループが所定の回数実行されている場合、そのリソースを使用する利点はない。
【0108】
上記以外の場合、選択されたリソースを使用する利点がある。
【0109】
選択されたリソースを使用する利点がある場合、プロセッサ300はステップS452に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS451に進む。
【0110】
ステップS451において、プロセッサ300は、コーディネーター10によって管理される別のホーム基地局HBSによって求められた新たなリソース利用量ベクトルの受信を、所定の時間期間待つ。
【0111】
リソース利用量ベクトルが受信された場合、プロセッサ300はステップS401に戻る。そうでない場合、プロセッサ300はステップS455に進み、そのリソース選択が隣接するホーム基地局HBS間の競合を少なくとも1つ発生させるということを通知するメッセージの、ネットワークインターフェースI/F305を通じた転送を命令する。
【0112】
コーディネーター10は、コーディネーター10が管理するホーム基地局HBSに割り当てられるリソースの量を増大させることができる。
【0113】
プロセッサ300は、コーディネーター10からの新たなリソースの受信のためにステップS400に戻る。
【0114】
上述した例によれば、ホーム基地局HBS1のプロセッサ300は、選択されたリソースを使用する利点があると判断する。
【0115】
ステップS452において、プロセッサ300は、コーディネーター10によって管理される別のホーム基地局HBSによって求められた新たなリソース利用量ベクトルが受信されているか否かを検査する。新たなリソース利用量ベクトルが受信されている場合、プロセッサ300はステップS401に戻る。そのような事例は、別のホーム基地局HBSが新たなリソースを使用しており、かつホーム基地局HBS1より早くホーム基地局HBSに通知する場合に発生する。そうでない場合、プロセッサ300はステップS453に進む。
【0116】
プロセッサ300は、リソース利用量ベクトルV1を値(0,0,1)に更新し、ステップS453において該リソースを使用する。
【0117】
次のステップS407において、プロセッサ300は、コーディネーター10によって管理される各ホーム基地局HBSへの、該プロセッサのホーム基地局HBSiのリソース利用量ベクトルViの、ネットワークインターフェース306を通じた転送を命令する。
【0118】
その後、プロセッサ300はステップS401に戻る。
【0119】
ステップS402において、ホーム基地局HBS4のプロセッサ300は、コーディネーター10によって管理される他の各ホーム基地局HBSによって求められたリソース利用量ベクトルの、ネットワークインターフェース306を通じた受信を検出し、各リソース利用量ベクトルの和ベクトルを変更し、ステップS407において、ホーム基地局HBS1内に格納されている和ベクトルSU1を値(1,2,1)に変更する。
【0120】
ホーム基地局HBS2のベクトルNR2は(1,1,1)に等しく、ホーム基地局HBS3のベクトルNR3は(0,2,1)に等しく、ホーム基地局HBS4のベクトルNR4は(1,1,1)に等しい。
【0121】
上述したベクトルは図5e〜図5hに示されている。
【0122】
図5eは、ホーム基地局HBS1によって求められたベクトルV1、NR1、及びSU1を表す。図5fは、ホーム基地局HBS2によって求められたベクトルV2、NR2、及びSU2を表す。図5gは、ホーム基地局HBS3によって求められたベクトルV3、NR3、及びSU3を表す。図5hは、ホーム基地局HBS4によって求められたベクトルV4、NR4、及びSU4を表す。
【0123】
プロセッサ300は、ステップS408において、1番目のリソース(すなわち、ソース利用量ベクトルV1の1番目の係数に対応するリソース)を選択し、ステップS409において、選択されたリソースが、隣接ホーム基地局HBS2によって使用されているリソースに対応するか否かを検査し、ステップS450に進む。
【0124】
ステップS450において、プロセッサ300は、選択されたリソースを使用する利点があるか否かを検査する。
【0125】
利点がないため、プロセッサ300は、コーディネーター10によって管理される別のホーム基地局HBSによって求められた新たな利用量ベクトルの受信を待つ。
【0126】
並行して、ホーム基地局HBS2のプロセッサ300は、(1,2,1)に等しい和ベクトルSU2から、ソース利用量ベクトルV2の1番目の係数及び3番目の係数を連続して選択し、それらが隣接するホーム基地局HBS3及びHBS1によって使用されているリソースと競合していると判断し、ホーム基地局HBS2によって使用されているリソースを修正しない。
【0127】
並行して、ホーム基地局HBS3のプロセッサ300は、(1,2,1)に等しい和ベクトルSU3から、ソース利用量ベクトルV3の3番目の係数を選択し、該3番目の係数を使用する利点がないと判断し、ホーム基地局HBS3が使用するリソースを修正しない。
【0128】
並行して、ホーム基地局HBS4のプロセッサ300は、(1,2,1)に等しい和ベクトルSU4から、ソース利用量ベクトルV4の1番目の係数を選択し、該1番目の係数を使用する利点があると判断し、リソース利用量ベクトルV4を値(1,0,0)に更新し、ホーム基地局HBS4が使用するリソースを修正し、ステップS454においてリソース利用量ベクトルV4を転送し、ステップS401に戻る。
【0129】
ステップS402において、ホーム基地局HBS4のプロセッサ300は、コーディネーター10によって管理される他の各ホーム基地局HBSによって求められたリソース利用量ベクトルの、ネットワークインターフェース306を通じた受信を検出し、リソース利用量ベクトルの和ベクトルNR4を修正し、ステップS407において、ホーム基地局HBS1内に格納されている和ベクトルSU4を値(2,1,1)に修正する。
【0130】
ホーム基地局HBS1のベクトルNR1は(2,1,0)に等しく、ホーム基地局HBS2のベクトルNR2は(2,0,1)に等しく、ホーム基地局HBS3のベクトルNR3は(1,1,1)に等しい。
【0131】
上述したベクトルは図5i〜図5lに示されている。
【0132】
図5iは、ホーム基地局HBS1によって求められたベクトルV1、NR1、及びSU1を表す。図5jは、ホーム基地局HBS2によって求められたベクトルV2、NR2、及びSU2を表す。図5kは、ホーム基地局HBS3によって求められたベクトルV3、NR3、及びSU3を表す。図5lは、ホーム基地局HBS4によって求められたベクトルV4、NR4、及びSU4を表す。
【0133】
並行して、ホーム基地局HBS1のプロセッサ300は、(2,1,1)に等しい和ベクトルSU1から、ホーム基地局HBS1によって使用されるリソースを、最も低い係数値に対応するリソースとして識別し、リソースを変更しない。
【0134】
並行して、ホーム基地局HBS2のプロセッサ300は、(2,1,1)に等しい和ベクトルSU2から、ソース利用量ベクトルV2の3番目の係数を選択し、該3番目の係数が隣接するホーム基地局HBSによって使用されているリソースと競合していると判断し、ホーム基地局HBS2によって使用されているリソースを修正しない。
【0135】
並行して、ホーム基地局HBS3のプロセッサ300は、(2,1,1)に等しい和ベクトルSU3から、ソース利用量ベクトルV3の3番目の係数を選択し、該3番目の係数を使用する利点があると判断し、ホーム基地局HBS3によって使用されているリソースを変更し、リソース利用量ベクトルV3を、コーディネーター10によって管理される各ホーム基地局に転送する。
【0136】
ステップS402において、ホーム基地局HBS3のプロセッサ300は、コーディネーター10によって管理される各他のホーム基地局HBSによって求められたリソース利用量ベクトルの、ネットワークインターフェース306を通じた受信を検出し、リソース利用量ベクトルの和ベクトルNR3を修正し、ステップS407において、ホーム基地局HBS1内に格納されている和ベクトルSU3を値(1,1,2)に修正する。
【0137】
ホーム基地局HBS1のリソース利用量ベクトルの和ベクトルNR1は(1,1,1)に等しく、ホーム基地局HBS2の和ベクトルNR2は(1,0,2)に等しく、ホーム基地局HBS4の和ベクトルNR4は(0,1,2)に等しい。
【0138】
上述したベクトルは、図5m〜図5pに示されている。
【0139】
図5mは、ホーム基地局HBS1によって求められたベクトルV1、NR1、及びSU1を表す。図5nは、ホーム基地局HBS2によって求められたベクトルV2、NR2、及びSU2を表す。図5oは、ホーム基地局HBS3によって求められたベクトルV3、NR3、及びSU3を表す。図5pは、ホーム基地局HBS4によって求められたベクトルV4、NR4、及びSU4を表す。
【0140】
本アルゴリズムは、たとえば、リソースが所定の回数変更されたことに起因して、隣接するホーム基地局HBS間の競合がもはや存在しなくなったとき、又はネットワーク内で再利用されるリソース量(和ベクトルの最大値として評価される)が、所定のレベル(コーディネーター10によってネットワークインターフェース306を通じてシグナリングされるか、またはコーディネーター10によって管理される他の基地局によってシグナリングされる)を下回ったときに終了する。
【0141】
図4のアルゴリズムの実行中、コーディネーター10によって管理されるホーム基地局によるリソース再利用を最小にするために、コーディネーター10は、いくつかのリソースが利用可能である場合、より多くのリソースを割り当てることができる。
【0142】
これは、たとえば、少なくとも1つのホーム基地局が、図4のアルゴリズムを所定の回数実行した後に、該ホーム基地局の和ベクトルの最大値をコーディネーター10に送信する場合に行うことができる。
【0143】
コーディネーター10は、無線セルラー通信ネットワークのコアネットワークデバイスに、又はマクロ基地局から、追加のリソースが利用可能である場合、それらを要求することができる。コーディネーター10は、より大きな次元のリソース利用量ベクトルViを各ホーム基地局に転送する。
【0144】
この手順の例が図5q〜図5tに与えられている。
【0145】
図5qは、コーディネーター10によって管理されるホーム基地局HBS〜HBS4に対し追加のリソースが1つ割り当てられるときに、ホーム基地局HBS1によって求められるベクトルV1、NR1、及びSU1を表す。
【0146】
図5rは、コーディネーター10によって管理されるホーム基地局HBS〜HBS4に対し追加のリソースが1つ割り当てられるときに、ホーム基地局HBS2によって求められるベクトルV2、NR2、及びSU2を表す。
【0147】
図5sは、コーディネーター10によって管理されるホーム基地局HBS〜HBS4に対し追加のリソースが1つ割り当てられるときに、ホーム基地局HBS3によって求められるベクトルV3、NR3、及びSU3を表す。
【0148】
図5tは、コーディネーター10によって管理されるホーム基地局HBS〜HBS4に対し追加のリソースが1つ割り当てられるときに、ホーム基地局HBS4によって求められるベクトルV4、NR4、及びSU4を表す。
【0149】
コーディネーター10のプロセッサ200は、ネットワークインターフェースI/F206を通じて、新たに割り当てられたリソースを基地局HBS1、HBS2、HBS3、及びHBS4に転送する。
【0150】
ホーム基地局HBSのプロセッサ300は、ベクトルのサイズを1だけ拡張し、リソース利用量ベクトルの新たな係数値を0にセットする。
【0151】
並行して、ホーム基地局HBS1のプロセッサ300は、(1,1,1,0)に等しいリソース利用量ベクトルの和ベクトルNR1を形成し、ホーム基地局HBS1によって使用されるリソースを、最も低い係数値に対応するリソースとして変更する。
【0152】
並行して、ホーム基地局HBS2のプロセッサ300は、(1,0,1,1)に等しいリソース利用量ベクトルの和ベクトルNR2を形成し、第2の係数を選択し、それが隣接するホーム基地局HBSによって使用されているリソースと競合していると判断し、ホーム基地局HBS2によって使用されているリソースを修正しない。
【0153】
並行して、ホーム基地局HBS3のプロセッサ300は、(1,1,0,1)に等しいリソース利用量ベクトルの和ベクトルNR3から、ホーム基地局HBS3によって現在利用されているリソースを、より利用されていないリソースとして識別し、何ら修正を実行しない。
【0154】
並行して、ホーム基地局HBS4のプロセッサ300は、(0,1,1,1)に等しいリソース利用量ベクトルの和ベクトルNR4から、ホーム基地局HBS4によって現在利用されているリソースを、より利用されていないリソースとして識別し、何ら変更を実行しない。
【0155】
ホーム基地局HBS1の和ベクトルSU1は(1,1,1,1)に等しく、ホーム基地局HBS2の和ベクトルSU2は(1,1,1,1)に等しく、ホーム基地局HBS4の和ベクトルNR4は(1,1,1,1)に等しい。
【0156】
コーディネーター10によって管理されるホーム基地局HBS間にもはや競合は発生しない。
【0157】
図6は、本発明による、コーディネーターによって実行されるアルゴリズムの例を開示している。
【0158】
より厳密には、本アルゴリズムは、コーディネーター10のプロセッサ200によって実行される。
【0159】
本アルゴリズムは、周期的に、又は特定のイベント時に実行される。
【0160】
ステップS600において、プロセッサ200は、無線セルラー通信ネットワークのどのリソースが、コーディネーター10が管理する各ホーム基地局HBSに割り当てられるかを示す情報を、たとえばランダムに決定する。
【0161】
次のステップS601において、プロセッサ200は、和ベクトルSUを計算する。この和ベクトルSUの各係数値は、ベクトルNR1〜NR4の対応する係数値の和に等しい。
【0162】
次のステップS602において、プロセッサ200は第1のホーム基地局HBSを選択する。
【0163】
次のステップS603において、プロセッサ200は、本アルゴリズムを継続する利点があるか否かを検査する。
【0164】
ステップS605〜S611によって構築されたループが所定の回数実行されている場合や、コーディネーター10が管理する隣接するホーム基地局HBS間に競合が存在しない場合には、本アルゴリズムを継続する利点はない。
【0165】
そうでない場合、本アルゴリズムを継続する利点がある。
【0166】
継続する利点がある場合、プロセッサ200はステップS605に進む。そうでない場合、プロセッサ200は本アルゴリズムを中止する。
【0167】
ステップS604において、プロセッサ200は、ベクトルSUの最も低い係数値に対応するリソースを選択する。
【0168】
次のステップS605において、プロセッサ200は、選択されたリソースが、選択されたホーム基地局HBSに隣接するホーム基地局HBSによって使用されているリソースに対応するか否かを検査する。
【0169】
選択されたリソースが、隣接ホーム基地局HBSによって使用されているリソースに対応する場合、プロセッサ200はステップS608に進む。そうでない場合、プロセッサ200はステップS606に進む。
【0170】
ステップS608において、プロセッサ200は、少なくとも1つのリソースがまだ選択されていないかどうかを検査する。少なくとも1つのリソースがまだ選択されていない場合、プロセッサ200はステップS609に進む。そうでない場合、プロセッサ200はステップS610に進む。
【0171】
ステップS609において、プロセッサ200は次に上位の係数値に対応するリソースを選択し、ステップS605に戻る。
【0172】
ステップS606において、プロセッサ200は選択されたリソースを使用する利点があるか否かを検査する。
【0173】
対応する係数値が、選択されたホーム基地局HBSによって現在使用されているリソースに対応する係数の値に等しいとき、選択されたリソースを使用する利点がない。
【0174】
そうでない場合、選択されたリソースを使用する利点がある。
【0175】
選択されたリソースを使用する利点がある場合、プロセッサはステップS607に進む。そうでない場合、プロセッサ200はステップS610に進む。
【0176】
ステップS607において、プロセッサ200は、選択されたリソースを選択されたホーム基地局HBSに割り当てる。その後、プロセッサ200はステップS601に戻る。
【0177】
ステップS610において、プロセッサ200は、少なくとも1つのホーム基地局HBSが選択されていないかどうかを検査する。
【0178】
少なくとも1つのホーム基地局HBSが選択されていない場合、プロセッサ200はステップS611に進み、別のホーム基地局HBSを選択し、ステップS603に戻る。
【0179】
各ホーム基地局HBSが選択されていた場合、プロセッサ200はステップS615に進む。
【0180】
ステップS615において、プロセッサ200は、コーディネーターが管理するホーム基地局HBSに割り当てる可能なリソースの数を1だけ増大し、ステップS600に戻る。
【0181】
ここで、本発明は、1つのリソースが1つのホーム基地局HBSに割り当てられる実施例において開示されたことに留意しなくてはならない。本発明は、複数のリソースが1つ又は複数のホーム基地局に割り当てられるときにも適用可能である。
【0182】
ここで、本発明は、ホーム基地局によって使用されるリソースが、1つのコーディネーター10によって管理されるホーム基地局間で求められる実施例を開示したことに留意しなくてはならない。本発明は、ホーム基地局によって使用されるリソースが、複数のコーディネーター10によって管理されるホーム基地局間で求められるときにも適用可能である。
【0183】
当然、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の本発明の実施形態に対して、数多くの変更を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線セルラー通信ネットワークのリソースグループの中のどのリソースを、ホーム基地局グループの中のホーム基地局に割り当てなくてはならないかを求めるための方法であって、
前記方法は、
‐前記リソースグループのリソースごとに、前記ホーム基地局グループの各前記ホーム基地局による前記リソースの利用量を求めるステップ(S601)と、
‐前記求められた利用量の中で、前記利用量が最も低いリソースを選択するステップ(S604)と、
‐前記選択されたリソースが前記ホーム基地局に隣接するホーム基地局によって使用されているか否かを検査するステップ(S605)と、
‐前記選択されたリソースが前記ホーム基地局の前記隣接するホーム基地局又は各隣接するホーム基地局によって使用されていない場合、前記選択されたリソースが前記ホーム基地局によって使用されなくてはならないと判断するステップ(S607)と、
‐前記ホーム基地局のうちのいずれも、前記ホーム基地局に隣接するホーム基地局の1つと同じリソースを使用しなくなるまで、前記リソースグループを増大するステップ(S615)と、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記選択されたリソースの利用量が、前記ホーム基地局によって現在使用されている前記リソースの利用量と等しい場合、前記選択されたリソースは前記ホーム基地局によって使用される必要がないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、所定の回数反復して実行される(S603)ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記ホーム基地局のうちのいずれも前記ホーム基地局に隣接する1つのホーム基地局と同じリソースを使用しなくなるまで実行される(S603)ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は前記ホーム基地局によって実行され、
前記リソースの利用量は、前記ホーム基地局によって受信される前記ホーム基地局グループの他のホーム基地局の前記利用量から求められる
ことを特徴とし、かつ、
前記方法は、前記ホーム基地局によってその前記リソースの利用量が受信されていない各他のホーム基地局に、前記リソースの利用量を、前記ホーム基地局によって転送するステップをさらに含む
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記ホーム基地局グループの各ホーム基地局によって実行されることを特徴とし、かつ、
各ホーム基地局は、各前記ホーム基地局が前記ホーム基地局グループの他のホーム基地局の前記利用量の受信を待つ時間期間とは異なる時間期間待つことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記ホーム基地局グループを管理するコーディネーターによって実行されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
無線セルラー通信ネットワークのリソースグループの中のどのリソースを、ホーム基地局グループの中のホーム基地局に割り当てなくてはならないかを求めるためのデバイスであって、
前記デバイスは、
‐前記リソースグループのリソースごとに、前記ホーム基地局グループの前記ホーム基地局による前記リソースの利用量を求める手段と、
‐前記求められた利用量の中で、前記利用量が最も低いリソースを選択する手段と、
‐前記選択されたリソースが前記ホーム基地局に隣接するホーム基地局によって使用されているか否かを検査する手段と、
‐前記選択されたリソースが前記ホーム基地局の前記隣接するホーム基地局又は各隣接するホーム基地局によって使用されていない場合、前記選択されたリソースが前記ホーム基地局によって使用されなくてはならないと判断する手段と、
‐前記ホーム基地局のうちのいずれも前記ホーム基地局に隣接する1つのホーム基地局と同じリソースを使用しなくなるまで、前記リソースグループを増大する手段と、
を含むことを特徴とする、デバイス。
【請求項9】
前記デバイスは前記基地局グループの各ホーム基地局に含まれることを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスは前記基地局グループを管理するコーディネーターに含まれることを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるとき、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法の各ステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図5g】
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【図5h】
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【図5i】
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【図5j】
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【図5k】
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【図5l】
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【図5m】
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【図5n】
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【図5o】
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【図5p】
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【図5q】
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【図5r】
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【図5s】
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【図5t】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−176815(P2011−176815A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−33268(P2011−33268)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】