説明

ばね力接続装置

【課題】少なくとも2つの締付け個所を持つ改善されたばね力接続装置及び導体接続端子を提供する。
【解決手段】互いに無関係な2つの締付け個所(5a,5b)を持つ母線片(2)を有するばね力接続装置(1)であって、電気導体を締付けるため、これらの締付け個所がそれぞれ1つのばね端部と共同作用するものが提供される。母線片が、中間部分(3)の両側に、中間部分からそれぞれ屈曲して互いに対向する2つの終端部分(4a,4b)を持ち、これらの終端部分の屈曲範囲の内角が母線片(2)の同じ上側にある。終端部分がそれぞれ導体貫通口(5a,5b)を持ち、これらの導体貫通口へ対応する締付けばね(6a,6b)が差込まれており、締付けばねの一方の締付けばね端部が、母線片に支持され、導体なしの操作されない状態において他方の締付けばね端部が、対応する導体貫通口に形成される締付け個所に載っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに無関係な2つの締付け個所を持つ母線片を有するばね力接続装置であって、電気導体を締付けるため、これらの締付け個所がそれぞれ1つのばね端部と共同作用するものに関する。母線片は、中間部分の両側に、中間部分からそれぞれ屈曲して互いに対向する2つの終端部分を持ち、これらの終端部分の屈曲範囲の内角が母線片の同じ上側にある。終端部分はそれぞれ導体貫通口を持ち、これらの導体貫通口へ対応する締付けばねが差込まれており、締付けばねの一方の締付けばね端部が、母線片に支持され、導体なしの操作されない状態において他方の締付けばね端部が、対応する導体貫通口に形成される締付け個所に載っている。
【0002】
本発明は更に絶縁物ハウジング及び絶縁物ハウジング内にあるこのようなばね力接続装置を持つ導体締付け端子例えば列端子、結合端子、電子装置モジュール端子等に関する。
【0003】
ばね力接続装置は、ばね力によりねじなしに電気導体を接触させるため、多様な形で端子に使用される。例えばこのようなばね力接続装置は、電灯を接続導線に接続するため、電灯のハウジング板に係合させる端子に使用される。
【背景技術】
【0004】
ドイツ連邦共和国特許第2004030440号明細書は、絶縁物ハウジング内に3つの平行な差込み接触子を持つ電灯接続端子を開示しており、支持板の上側及び支持板の下側に突出する接続接触子が、差込み接触子に電気接続されている。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102005001821号明細書は、装置ハウジング内に設けられる接続端子を持つ電気接続装置を示しており、接続端子には同じように締付け接触子が統合され、接続端子は操作レバーにより動作可能である。接続端子は装置ハウジングを通って突出する取付け円蓋を持ち、これに弾性的に形成される取付け舌片及び差込み接触子受入れ通路が取付けドーム内にあって、差込み接続端子の選ばれた差込み接触子を受入れる。
【0006】
米国特許出願公開第4,728,295号明細書は、2つの対向する導体導入口が絶縁物ハウジングに設けられている接続ブロックを開示しており、締付けばねを差込まれる湾曲母線片がこのハウジングに統合されている。一方の側で導体導入口に隣接して、締付けばねが操作取っ手を介して動作可能で、押込まれる導体用の釈放可能な締付け個所を形成し、対向する導体導入口に隣接して、接触ばねの可撓脚が母線片に当接して、別の締付け個所を形成している。母線片の一端は湾曲した接続接触レールに隣接し、このレールは、絶縁物ハウジングの底部分の下に突出してU字状に曲げられる接触ループを持ち、この接触ループが差込み接触子を形成している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これから出発して本発明の課題は、少なくとも2つの締付け個所を持つ改善されたばね力接続装置及びこのようなばね力接続装置を持つ導体接続端子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、最初にあげた種類のばね力接続装置において、締付け個所が中間部分に対向して設けられ、従って導体貫通口へ差込まれる導体が、中間部分と締付け個所との間にあることによって解決される。
【0009】
両側で同じ方向へ屈曲される母線片及び屈曲する終端部分へ両側で差込まれる締付けばねを持つこのようなばね力接続装置では、締付け個所が中間部分に対向して設けられているので、導体導入口へ差込まれる導体が中間部分と締付け個所との間にあり、それにより自立構造が形成され、僅かな材料使用しか必要としないという利点がある。同じ上面で横曲げが起こらず、その結果材料が節約される。この構造により、少なくとも2つの対向する締付け個所が実現されて、そのほかの接触個所を準備するために十分な自由空間を提供する。更にばね力接続装置は絶縁物ハウジングへ最適に組込み可能なので、導体ストッパ、導体の側方案内及び導体束ね、沿面放電間隙及び空気間隙を維持するための導体穴及び内部の円錐状導体案内部が与えられる。
【0010】
母線片を形成するため、良導電材料特に銅から成る金属板が、打抜き工具で加工される。この場合終端部の導体導入口を形成する際材料舌片が打抜かれ、同じ方向を向くか互いに逆に向くように曲げられて、締付け個所へ押込まれる導体端部用載置面を形成していると、特に有利である。その場合締付け個所に載る締付けばね端部が、予荷重を受けて材料舌片上に載るか、又は簡単に導体導入口の横縁上に載っている。材料舌片により、剛性導体及び可撓導体の接触可能性が与えられる。更に力の推移が最適化され、操作取っ手の組込みが、大きい構造自由度のため可能になる。
【0011】
更に少なくとも1つの導体導入口に、導体導入口から母線片の中間部分の延在方向とは逆に曲げ出されて締付けばね用ストッパを持つ支持舌片の打抜きにより、締付けばね端部用支持個所が形成されると、有利である。この少なくとも1つの支持舌片は、導体導入口の締付け個所に対向している。
【0012】
下部締付けばね範囲において中間部分に隣接して、例えばPE接触子又はコンデンサの接続を可能にする電灯接続端子のために利用可能な特別の三角形差込み接続装置が形成可能である。その際支持舌片により、締付けばねから支持舌片の方へ屈曲する接触舌片に関連して、別の締付け個所が与えられる。ばね工具を節約しかつ自動組立装置を簡単化するためにも、三角形差込み接続装置の反対側に、三角形差込み接続装置に関連することなく、同じ締付けばねを差込むことができる。その際支持舌片は、締付けばねを支持しかつ取付けるための支持体を形成し、ばね力接続装置の下部範囲で中間部分に隣接して与えられる三角形差込み接続装置に対して、その異なる負荷方向で安定的に作用する。
【0013】
このため支持舌片が、ばねから屈曲する拘束舌片が締付けばね端部で支持される閾又は湾入部を持っているのがよい。これに反し屈曲しない締付けばね端部は、閾又は導体導入口の方へ延びる支持舌片の載置範囲上に載っている。
【0014】
支持舌片は母線片の中間部分と共に1つの面にあるので、支持舌片は中間部分に対して曲げられていない。むしろ支持舌片の打抜き後、終端部分のみが上方へ離れるように曲げられ、場合によっては支持舌片の端部のみが、締付け個所を形成するため少し屈曲される。
【0015】
支持舌片が、母線片の中間部分の面から、この中間部分に隣接する母線片の終端部分とは逆方向に曲げ出され、この曲げ出される支持舌片に貫通口が打抜かれている。これにより対応する締付けばねの締付けばね端部が貫通口を通って延び、中間部分に支持されると、締付け個所が形成される。締付けばねから接触舌片が打抜かれて、支持舌片にある貫通口を通って差込み可能な導体端部の電気接触のため、中間部分に対向する貫通口の端部の方へ屈曲する。
【0016】
しかし支持舌片の端部は、締付けばねを支持するため、対応する締付けばねの締付け脚辺の方へも上方へ曲げられる。その際支持舌片の自由端は、締付け脚辺に隣接するばね弧即ち締付け脚辺の端部にすぐ隣接する範囲で、締付け脚辺に当接している。
【0017】
母線片の中間部分に、特に電灯接続端子にばね力接続装置を使用するため、接触切欠きが設けられ、この切欠きは、接触切欠きと電気接触する弾性接触ピンを受入れるため、特に接触切欠きの幅狭い縁即ち中間部分の縦方向に対して直角の横縁に設けられている。こうして締付けばねに主締付け個所で締付け可能な導体の差込み方向に対して直角に、下から接触ピン(接触プラグ)を母線片へ差込むことができる。接触切欠きの少なくとも1つの幅狭い端部に、中間部分の面から曲げ出される接触舌片が設けられて、接触切欠きへ差込まれる接触ピンに接触すると、有利である。接触舌片は、三角形差込み接続装置の導体ストッパ及び接触ピンの接触個所を形成している。接触舌片が斜めに延びていることによって、接触個所がほぼ対向している。更に接触舌片により、接触切欠きへ差込み可能な弾性PE接触子の蓄勢機能が与えられる。
【0018】
上述したばね力接続装置は、多様なやり方で電気装置特に導体接続端子に組込み可能である。
【0019】
絶縁物ハウジングが、底部分と、この底部分に差込み係合結合により係合可能なL字状断面の蓋部分との2部分から構成されていると、特に有利である。この2分割構成及びばね力接続装置が例えばまず蓋部分へ差込まれ、続いて底部分が蓋部分に載せられてこれに係合されることによって、自動組立が可能である。蓋への導体差込み方向に対して直角な取付けにより、内側導体ストッパ及び案内範囲が簡単に実現され、隔壁を持つ内側範囲が形成される。
【0020】
底部分及び蓋部分が断面をL字状に形成され、かつ底部分の底区域から横向きに蓋部分の方へ出る端面区域及び蓋部分の蓋区域から横向きに底部分の方へ出る端面区域にある導体導入口を持ち、これらの導体導入口が、蓋部分へ差込まれかつ蓋部分の端面区域の方へ蓋部分に導入される底部分の終端部分により固定されるばね力接続装置の導体導入口に合わされている。
【0021】
従って断面がL字状の底部分及び蓋部分の端面区域は、締付け個所に合わされる導体導入口を持っている。
【0022】
蓋部分の蓋区域にある少なくとも1つの導体導入口の端部に、段部によりなるべく内角が形成されて、組立てを容易にするため母線片の端部を内角に受入れる。底部分において互いに対向する側にある適当な段部に関連して、母線片を絶縁物ハウジング内に位置ぎめすることができる。
【0023】
蓋部分の蓋区域が、蓋区域に関節状に形成される操作取っ手を持ち、この操作取っ手が蓋区域を通って底部分の底区域の方へ延びる操作指片を持っている。この操作指片は、操作取っ手を底部分の底区域の方へ押下げる際締付けばねが操作されるように、少なくとも1つのばねが接続装置の締付けばねと共同作用する。
【0024】
特に操作取っ手は、互いに平行に設けられる複数のばね力接続装置の締付けばねを同時に操作するため、互いに平行に設けられる複数の操作指片を持つことができる。
【0025】
更に蓋区域から底区域の方へ少なくとも1つのばね接続装置の母線片の中間部分へ向かって延びかつ蓋部分と一体に絶縁物から形成される隔壁が設けられて、導体ストッパとしてかつ内側蓋輪郭を安定にするために役立っていると、有利である。この隔壁により、絶縁物ハウジング内にあって対向する導体導入口に隣接する導体受入れ室が互いに区切られる。
【0026】
底部分の端面区域から底区域への移行部に、導体接続端子及びばね力接続装置の構成とは原則的に無関係に、ばね力接続装置の締付けばねより下に形成される締付け個所に合わされる導体導入口が設けられている。底区域の範囲にある導体導入口へ、例えば別個のPE接続接触子又はコンデンサの接続耳のようなほぼ任意の導体又は導体に類似な部分を導入することができる。その場合底区域は、導体導入口の範囲で蓋部分の方へ高められるので、例えばPE接続接触子が導体導入口を通ってばね接続装置に電気接続可能である。PE接続接触子は、ばね力接続装置の締付け個所からまず底区域の上を導かれ、端面の範囲で曲げられて、底区域の下で高められた範囲の周りに導かれる。その場合PE接続接触子は、底区域の高められた範囲上に載り、装置ハウジング特に電灯板との結合のために突出している。その際PE接続接触子は任意に位置させることができる。特にPE接続接触子が母線片の中間部分に合わされる中心締付け個所と同一面をなしていることは必要でない。
【0027】
更に導体接続端子は、底区域から突出する少なくとも1つの締付け円蓋を持っているのがよい。この締付け円蓋へ、ばね力接続装置の中間部分にある接触切欠きと同一面をなす差込み接触子受入れ通路が形成されている。それにより接触ピンを差込み接触子受入れ通路へ差込んで、接触切欠きの所で母線片に電気接続することができ、その際接触ピンは、差込み個所の範囲で締付け円蓋により電気絶縁されている。これは、特に導体接続端子が電灯接続端子として電灯板へ組込まれ、接触ピンと電灯接続板との電気接触を回避せねばならない時に、有効である。
【0028】
更に底区域の下側にある締付け円蓋が、導体接続端子を装置ハウジング板に係止するためのばね係止突起を持っていると、有利である。それにより締付け円蓋は、接触ピン用の全面を絶縁される縦穴を提供するためのみならず、導体接続端子を装置ハウジング板に固定するためにも、利用することができる。
【0029】
ばね力接続装置の母線片の中間部分にある接触切欠きに合わされるPE接続口が、底部分の底区域に設けられて、接触切欠きにおいてばね力接続装置の母線片との電気接続のために形成される差込み接触子を持つPE接続接触子を受入れることもできる。これは、3つ又はそれ以上のばね力接続装置を互いに平行に絶縁物ハウジング内に設ける場合、例えば交流電圧供給用N及びL導体端子にように別のばね力接続装置の接触切欠きへ差込み可能な接触ピンとPE接触面とが同一面をなしている、という利点を持っている。PE接続接触子は家庭電源の保護導体に電気接続可能である。
【0030】
互いに平行に向けられる少なくとも3つのばね力接続装置が絶縁物ハウジングに収容されている。N,L及びPE(保護導体)端子を持つ230Vの交流電源に対して、例えば3つのばね力接続装置が互いに平行に絶縁物ハウジング内に設けられている。例えば互いに平行に設けられる3つのばね力接続装置を持つ導体接続端子も考えられる。
【0031】
添付図面により本発明の実施例が以下に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1はばね力接続装置1を側面図で示す。ばね力接続装置1は、例えば銅又は銅合金のような良導電性材料からなる母線片2を持っている。金属帯板から形成される母線片2は中間部分3を持ち、中間部分3から屈曲する2つの終端部分4a,4bがこの中間部分の両側に続いている。終端部分4a,4bは同じ方向を向いているので、中間部分3と終端部分4a,4bとの間の屈曲範囲の内角は母線片の同じ上側にある。
【0033】
終端部分4a,4bに、公知のように打抜きにより導体導入口5a,5bが形成され、例えばクロム−ニッケル鋼のようなばね材料から成る締付けばね6a,6bがこれらの導体導入口へ差込まれている。締付けばね6a,6bは、公知のようにばね弧を介して互いに結合される載置脚辺及び締付け脚辺を持っている。
【0034】
終端部分4a,4bの上端範囲で材料舌片7a,7bが母線片2から打抜かれ、導体導入口5a,5bから互いに向き合うように曲げ出されている。締付けばね6a,6bの締付け脚辺の端部は、曲げ出された材料舌片7a,7bと共に、導体導入口5a,5bへ押込まれる導体端部ようの締付け個所をそれぞれ形成している。その代わりに、材料舌片7a,7bを互いに離れるように向くか又は同じ方向に向くように曲げ出すこともできる。材料舌片7a,7bの向き及び形状は、締付け個所の位置に対する要求及び操作取っ手の運動のような他の構造条件に関係している。
【0035】
導体導入口5a,5bから、締付け個所又は材料舌片7a,7bに対向して、母線片2からの打抜きにより形成される支持舌片8a,8bが更に設けられ、導体導入口5a,5bから曲げ出されている。従って導体導入口5a,5bは、対応する締付け個所と対応する支持舌片8a,8b又はそれに隣接する中間部分3との間にある支持舌片8は、母線片2の左側で終端部分4aとは逆向きに下方へ曲げ出されている。この支持舌片8aにも貫通口9が形成され、締付けばね6aの当接脚辺の端部がこの貫通口へ差込まれている。締付けばね6aの当接脚辺には、締付けばね6aと一体に形成された接触舌片10が設けられ、当接脚辺から出て、支持舌片8aにあって母線片2の中間部分3に対向する貫通口の端部の方へ延びている。こうして締付けばね6aの当接脚辺の下に別の締付け個所が形成されて、例えばコンデンサ接続耳又はPE接続接触子の差込みのために使用可能である。
【0036】
母線片2の右側で支持舌片8bが接触ばね6bの当接脚辺の拘束に役立つ。接触ばね6bの当接脚辺の端部は、一方では支持舌片8b及びこれから上方へ屈曲する終端部分4bにより形成される内角に支持されている。更に支持舌片8bの端部は少し上方へ曲げられて、締付けばね6bの当接脚辺から屈曲する拘束舌片11用の載置片として役立つ。
【0037】
中間部分3の中央には、更に母線片2の中間部分3から接触舌片13を打抜いて下方へ離れるように曲げることによって、接触ピンを差込むための接触切欠き12が形成される。その場合接触舌片13は、接触切欠き12へ差込まれる接触ピン又は接触プラグの載置面を形成している。接触舌片13の左側は、左側から接触舌片10と支持舌片8aとにより形成される直接接続部へ差込まれる導体用の導体ストッパとして役立つ。
【0038】
図2は図1のばね力接続装置1を分解図で示している。明らかにわかるように、両方の締付けばね6a,6bは貫通口5a,5bを越えて延び、従って予荷重をかけられてこの貫通口5a,5bへ差込まれる。
【0039】
図3は図2の母線片2の平面図を示している。中間部分3に形成されかつ下方へ曲げ出されて付加的な導体ストッパを形成する接触舌片13を持つ接触切欠き12が、特によくわかる。
【0040】
図4は、図2の母線片2の底面図を示している。ここではばね力接続装置1の右側の支持舌片8bの可能な実施例がわかる。支持舌片8bは、その端部の中央範囲に、締付けばね6bから屈曲する拘束舌片11を受入れる湾入部を持っている。
【0041】
左側にある支持舌片8aは、同様に長方形湾入部を端部に持つ長方形貫通口9を持ち、この湾入部がその中へ延びる接触舌片10とともに締付け個所を形成している。湾入部は少し斜め即ち台形状であってもよい。
【0042】
ばね力接続装置1の左側にある支持舌片8aのこの実施例は、図5の正面図から一層明らかである。
【0043】
図6は、図1のばね力接続装置1の右側にある支持舌片8b及び終端部分4bの正面図を示している。
【0044】
図7は母線片2の打抜き見本を示している。貫通口5a,5bが母線片2から材料片の打抜きにより形成され、これらの材料片が母線片2から曲げ出されることがわかる。
【0045】
左側から右側へ、材料舌片7a、支持舌片8a、接触切欠き12から下方へ曲げ出される接触舌片13、第2の締付けばね6bのための支持舌片8b、及び右側終端部分の上端にある材料舌片7bが認められる。
【0046】
図8は、絶縁物ハウジング15内の導体接続端子14を縦断面図で示している。絶縁物ハウジング15は2つの部分から構成され、それぞれL字状の底部分16及び蓋部分17を持っている。底部分16は、底区域18と端部においてこれに対して直角に上方へ出る端面区域19から形成され、蓋部分17は、絶縁物ハウジング15を閉鎖する蓋区域20と端部においてこれに対して直角に下方へ出る端面区域21から形成されている。
【0047】
上述したばね力接続装置1が底部分16へ差込まれて、締付け個所が導入される導体端部23a,23b用の導体導入口22a,22bとほぼ一直線になる(なるべく10°以下のずれ)ようにしている。
【0048】
特に3極電灯接続端子の図示した実施例では、底区域18から、更に通電接続装置即ち両方の外側接続装置のために、接触ピン又は接触プラグ26を受入れる差込み接触子受入れ通路25と持つ締付け円蓋24が下方へ延びている。差込み接触子受入れ通路25は、母線片2の中間部分3にある接触切欠き12に合わされている。
【0049】
更にわかるように、蓋区域20は、これと一体に形成されて例えば膜ヒンジで枢着されかつ蓋区域20を通って延びる操作指片28を持つ操作取っ手27を持ち、この操作指片28が第2の締付けばね6bの締付け脚辺の端部に載って、操作取っ手27が蓋区域20の方へ押される時、この締付けばね6bを下方へ移動させる。こうして導体端部を導入又は取出すために、締付け個所5bが開かれる。別個の蓋を係止範囲に統合することも考えられる。
【0050】
更にわかるように、蓋区域20及び操作取っ手27の左側に検査口29が設けられて、母線片2の左側終端部分4aの曲げられた端部へ向けられている。
【0051】
検査口29を通して差込まれる電圧検査器により、母線片2に電圧が印加されているか否かを検査することができる。その際触れることができる表面への沿面距離及び空気間隙が保証される。
【0052】
右の導体導入口22aにより下で第1の締付けばね6aのばね弧に隣接して別の導体導入口22cが、この範囲で高められる底区域18の壁に隣接して設けられて、第1の締付けばね6aの当接脚辺より下の締付け個所に合わされている。
【0053】
導体導入口22へ、破線で示すPE接続接触子30が押込まれ、その接続耳が締付け個所へ差込まれ、この接触子30が底区域18の下で折り返され、その差込み接触子31が、下方で装置ハウジング板32との係合及び電気的接触のために設けられている。PE接続接触子30を装置ハウジング板32へはめる際、差込み接触子の鋭い刃状構成のため、電気伝導を妨げる被覆及び酸化物が除去される。締付け個所の下にあるPE接続接触子30によって、接触ピン26と中央の接触接続が阻止されない。従ってこじんまりした構造を実現できる。
【0054】
更にわかるように、蓋区域20から隔壁32が下方へ締付け円蓋24の方へ向けられている。この隔壁32の両側で導体受入れ室33a,33bが互いに仕切られる。
【0055】
更にわかるように、鼻状突起を持つ掛け金片34により、底部分16の端面にあって突起を持つ凹所内に、蓋部分17を係止することができる。従って蓋部分17と底部分16は差込み−係止結合のやり方ではめ合わされる。
【0056】
図9は、操作取っ手27を持つ蓋部分17の断面図を、製造状態(または納入状態で破線により)示す。蓋区域20にある係止突起掛け金片34及び底部分14の底区域18にある対応受入れ部へ引掛けるための端面区域の下縁にある係止突起36が、明らかに認められる。
【0057】
図10は底部分16の断面図を示し、破線で示すPE接続接触子30のほかに、例えばコンデンサ36の接続耳も底部分導体導入口22へ差込むことができる。
【0058】
更に蓋部分の端面区域の下縁にある係止突起用の係止受入れ部37も認められる。
【0059】
図11は図8の導体接続端子の正面図を示す。導体接続端子は、N導体及び保護導体(PE)のため中央を3極に構成され、左側及び右側でN導体及びL導体を接続するため、下方へ突出する締付け円蓋24a及び24bを持ち、これらの締付け円蓋38a及び38bは、導体接続端子を装置ハウジング板32へ係止するため突出するばね係止突起38a及び38bを持っている。
【0060】
これに反しPE接続接触子30は、このような締付け円蓋24なしに下方へ突出して、装置ハウジング板32に電気接触する。保護導体のために、締付け円蓋24による絶縁は必要でない。
【0061】
更にわかるように、導体接続のために2つの導体導入口22bが並んで設けられ、各導体導入口22bに固有のばね力接続装置1が対応している。こうして複数の装置を順次接続することができる。
【0062】
更に各接続極に対して、それぞれ1つの固有の操作取っ手27a,27b,27cが設けられていることがわかる。
【0063】
図12及び13は導体接続端子14の組立て経過を断面図で示している。まず締付けばね6a,6bが母線片2の対応する導体導入口5a,5bへ差込まれる。このように完成されたばね力接続装置1はそれから蓋部分17へ差込まれる。このためばね力接続装置1が母線片支持台を含む自動取扱い装置により、蓋部分17へ差込まれる。続いて図3に示すように、底部分14が蓋部分17上へはめられて、これに係止され、完成状態で示される操作突起27が破線で示す納入又は動作位置へ倒される。
【0064】
図14は母線片2の別の実施例を示し、支持舌片8bの自由端は上方へ締付けばね6bの当接脚辺の方へ曲げられ手、締付けばね6bが荷重をかけられて矢印方向に下方へ動く時、この締付けばね6bが支持舌片8bにより支持されるようにしている。場合によっては存在する拘束舌片11が、上方へ曲げられる端部により形成される凹所内にある。更に締付けばね6bの当接脚辺の自由端は、母線片2から出て当接脚辺より上にある確保舌片39により確保される。それにより支持舌片8bの自由端への締付けばね6bの当接に関連して、締付けばね6bの傾倒が防止される。
【0065】
図15は母線片2の別の実施例を示し、支持舌片8bの自由端が少し上方へ、締付けばね6bの当接脚辺とばね弧との間の移行範囲の方へ屈曲されている。これにより締付けばね6bが下方へ傾倒する傾向があるほど荷重をかけられると、締付けばね6bはばね弧に隣接した所で支持される。
【0066】
図16は母線片2にある導体導入口5の形状を示し、付加的な過負荷保護突片40により、導体導入口5へ差込まれる締付けばね6の過度の圧縮が防止される。過負荷保護突片40は、突起として導体導入口5の対向する両側縁から突出している。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】 締付けばねを差込まれたばね力接続装置の側面図を示す。
【図2】 締付けばねを差込まれた図1のばね接続装置の分解図を示す。
【図3】 図2の母線片の平面図を示す。
【図4】 図2の母線片の底面図を示す。
【図5】 図2の母線片の左側面図を示す。
【図6】 図2の母線片の右側面図を示す。
【図7】 図1のばね力接続装置の曲げられない母線片の打抜き見本を示す。
【図8】 2部分から成る絶縁物ハウジングへ差込まれるばね力接続装置を持つ導体接続端子の断面図を示す。
【図9】 ばね力接続装置を差込まれた絶縁物ハウジングの蓋部分の断面図を示す。
【図10】 図8の導体接続端子の絶縁物ハウジングの底部分の断面図を示す。
【図11】 図1の導体接続端子の絶縁物ハウジングの側面図を示す。
【図12】 図8の導体接続端子を組立てる際における蓋部分及びばね力接続装置の断面図を示す。
【図13】 組立ての際ばね力接続装置及び底部分を差込まれる蓋部分の断面図を示す。
【図14】 支持舌片の曲げられた端部により支持される接触ばねを持つ母線片の実施例の側面図を示す。
【図15】 支持舌片の端部に載る接触ばねを持つ母線片の実施例の側面図を示す。
【図16】 過負荷保護突片を持つ導体導入口の範囲における母線片の正面図を示す。
【符号の説明】
【0068】
1 ばね力接続装置
2 母線片
3 中間部分
4a,4b 終端部分
5a,5b 導体導入口
6a,6b 締付けばね
14 導体接続端子
15 絶縁物ハウジング
16 底部分
17 蓋部分
18 底区域
19,21 端面区域
20 蓋区域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに無関係な2つの締付け個所(5a,5b)を持つ母線片(2)を有するばね力接続装置(1)であって、電気導体を締付けるため、これらの締付け個所(5a,5b)がそれぞれ1つのばね端部と共同作用し、母線片(2)が、中間部分(3)の両側に、中間部分(3)からそれぞれ屈曲して互いに対向する2つの終端部分(4a,4b)を持ち、これらの終端部分(4a,4b)の屈曲範囲の内角が母線片(2)の同じ上側にあり、終端部分(4a,4b)がそれぞれ導体貫通口(5a,5b)を持ち、これらの導体貫通口へ対応する締付けばね(6a,6b)が差込まれており、締付けばね(6a,6b)の一方の締付けばね端部が、母線片(2)に支持され、導体なしの操作されない状態において他方の締付けばね端部が、対応する導体貫通口(5a,5b)に形成される締付け個所に載っているものにおいて、締付け個所が中間部分(3)に対向して設けられ、従って導体貫通口(5a,5b)へ差込まれる導体が、中間部分(3)と締付け個所(5a,5b)との間にあることを特徴とする、ばね力接続装置。
【請求項2】
締付け個所が、導体貫通口(5a,5b)から曲げ出される母線片(2)の材料舌片(7a,7b)をそれぞれ持っていることを特徴とする、請求項1に記載のばね力接続装置。
【請求項3】
導体貫通口(5a,5b)の少なくとも1つが、締付け個所に対向する導体貫通口(5a,5b)の端部に、導体貫通口(5a,5b)から曲げ出される支持舌片(8a,8b)を持っていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のばね力接続装置。
【請求項4】
締付けばね(6a,6b)の少なくとも1つが、締付けばね端部及び/又は締付けばね端部に続く当接脚辺に続くばね弧にすぐ隣接する範囲において、対応する支持舌片(8a,8b)に支持されていることを特徴とする、請求項3に記載のばね力接続装置。
【請求項5】
支持舌片(8a,8b)が閾又は湾入部を持ち、少なくとも1つの締付けばね(6a,6b)の当接脚辺が、当接脚辺から屈曲する拘束舌片(11)を持ち、この接触舌片(11)の端部が閾又は湾入部に支持され、屈曲しない締付けばね端部が、導体貫通口(5a,5b)に隣接する支持舌片(8a,8b)の載置範囲上に載っていることを特徴とする、請求項3又は4に記載のばね力接続装置。
【請求項6】
少なくとも1つの支持舌片(8a,8b)が、母線片(2)の中間部分(3)により規定される面にあることを特徴とする、請求項3〜5の1つに記載のばね力接続装置。
【請求項7】
支持舌片(8a,8b)が、母線片(2)の中間部分(3)の面から、この中間部分(3)に隣接する母線片(2)の終端部分とは逆方向に曲げ出され、かつ貫通口(9)を持ち、対応する締付けばね(6a)の締付け端部が貫通口(9)を通って延びて、中間部分(3)に支持されていることを特徴とする、請求項3〜6の1つに記載のばね力接続装置。
【請求項8】
貫通口(9)を通って延びる締付けばね端部が、締付けばね(6a)から中間部分(3)に対向する貫通口(9)の端部の方へ屈曲する接触舌片(10)を持ち、この接触舌片(10)が貫通口(9)を通って差込み可能な導体に電気接触することを特徴とする、請求項7に記載のばね力接続装置。
【請求項9】
母線片(2)の中間部分(3)にある接触切欠き(12)が、この接触切欠き(12)に電気接触する接触ピン(26)を受入れることを特徴とする、請求項1〜8の1つに記載のばね力接続装置。
【請求項10】
接触切欠き(12)が、少なくとも1つの側縁に、中間部分(3)の面から曲げ出されて導体ストッパを形成する接触舌片(13)を持っていることを特徴とする、請求項9に記載のばね力接続装置。
【請求項11】
絶縁物ハウジング(15)及びこの絶縁物ハウジング(15)内にある請求項1〜10の1つに記載のばね力接続装置(11)を持つ導体接続端子(14)において、絶縁物ハウジング(15)が、底部分(16)と、この底部分(16)に差込み係合結合により係合可能なL字状断面の蓋部分(17)との2部分から成り、導体導入口(22a,22b)が、底部分(16)の底区域(18)から横向きに蓋部分(17)の方へ出る端面区域(19)、及び蓋部分(17)の蓋区域(20)から横向きに底部分(16)の方へ出る端面区域(21)にあり、これらの導体導入口(22a,22b)が、底部分(16)へ差込まれて底部分(16)の端面区域(19)の方へ底部分(16)に導入される蓋部分(17)により固定されるばね力接続装置(1)の終端部分(4a,4b)にある導体貫通口(5a,5b)に合わされていることを特徴とする、導体接続端子。
【請求項12】
蓋部分(17)の蓋区域(20)にある少なくとも1つの導体導入口(22a,22b)の端部に、母線片(2)の端部を受入れて固定するための内角があることを特徴とする、請求項11に記載の導体接続端子。
【請求項13】
蓋部分(17)の蓋区域(20)が、蓋区域(20)に関節状に形成される操作取っ手(27)を持ち、この操作取っ手(27)が蓋区域(20)を通って底部分(16)の底区域(18)の方へ延びる操作指片(28)を持ち、締付けばね(6a,6b)を操作するため底部分(16)の底区域(18)の方へ操作取っ手(27)を押下げる際、操作指片(28)が少なくとも1つのばね力接続装置(1)の締付けばね(6a,6b)と共動作用することを特徴とする、請求項11又は12に記載の導体接続端子。
【請求項14】
蓋区域(20)から底区域(18)の方へ少なくとも1つのばね接続装置(1)の母線片(2)の中間部分(3)へ向かって延びかつ蓋部分(17)と一体に絶縁物から形成される隔壁(32)が、絶縁物ハウジング(15)内にあって対向する導体導入口(22a,22b)に隣接する導体受入れ室(22a,22b)を互いに区切っていることを特徴とする、請求項11〜13の1つに記載の導体接続端子。
【請求項15】
底部分(16)の端面区域(19)から底区域(18)への移行部に、導体接続端子及びばね力接続装置とは原則的に無関係に、ばね力接続装置(1)の締付けばね(6a)より下に形成される締付け個所に合わされる導体導入口(22c)が設けられ、底区域(18)が導体導入口(22c)の範囲で蓋部分(17)の方へ高くされ、従ってPE接続接触子(30)が導体導入口(22c)を通ってばね力接続装置(1)に電気接続可能であり、装置ハウジングに結合するため湾曲後底区域(18)より下へ突出可能に設けられることを特徴とする、請求項11〜14の1つに記載の導体接続端子。
【請求項16】
底区域(18)から突出する少なくとも1つの締付け円蓋(24)が、ばね力接続装置(1)の母線片(2)の中間部分(3)の接触切欠き(12)の方へ向くそれぞれ1つの差込み接触子受入れ通路(25)を持っていることを特徴とする、請求項11〜15の1つに記載の導体接続端子。
【請求項17】
底区域(18)の下側にある締付け円蓋(24a,24b)が、導体接続端子(14)を装置ハウジング板(32)に係止するためのばね係止突起(38a,38b)を持っていることを特徴とする、請求項11〜16の1つに記載の導体接続端子。
【請求項18】
ばね力接続装置(1)の母線片(2)の中間部分(3)にある接触切欠き(12)に合わされるPE接続口が、底部分(16)の底区域(18)において、接触耳を受け入れ、PE接続接触子(30)が、接触切欠き(12)においてばね力接続装置(1)の母線片(2)との電気接続のために形成される差込み接触子を持っていることを特徴とする、請求項11〜17の1つに記載の導体接続端子。
【請求項19】
互いに平行に向けられる少なくとも3つのばね力接続装置(1)が絶縁物ハウジング(15)に収容されていることを特徴とする、請求項1118の1つに記載の導体接続端子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−110963(P2009−110963A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298742(P2008−298742)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(591087138)ヴアーゴ・フエルヴアルトウングスゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (12)
【氏名又は名称原語表記】WAGO VERWALTUNGSGESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】