説明

ばら荷を搬送するための貯蔵車両

本発明は、ばら荷を搬送するための貯蔵台車であって、コンテナ(3)内に配置され、かつ台車長手方向(5)に延在する、収容端部及び散布端部(9,7)を備えた、底面として用いられる底面コンベヤベルト(4)と、前方の台車端部(13)に位置決めされ、かつこの前方の台車端部(13)を越えて突き出す引き渡しコンベヤベルト(12)とを有している。後方の台車端部(29)に、台車長手方向に摺動可能な積み込みコンベヤベルト(17)と掘削装置(21)と運転室(20)とが設けられている。前記掘削装置(21)と前記運転室(20)とが、前記積み込みコンベヤベルト(17)の収容端部(19)に直接隣接する、前記積み込みコンベヤベルト(17)の領域内で、前記積み込みコンベヤベルト(17)上に直接配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばら荷を搬送するための貯蔵台車であって、コンテナ内に配置され、かつ台車長手方向に延在する、収容端部及び散布端部を備えた、底面として用いられる底面コンベヤベルトと、前方の台車端部に位置決めされ、かつこの前方の台車端部を越えて突き出す引き渡しコンベヤベルトとを有しており、後方の台車端部に、台車長手方向に摺動可能な積み込みコンベヤベルトと掘削装置と運転室とが設けられている形式のものに関する。
【0002】
また本発明は、貯蔵台車上に配置された積み込みコンベヤベルトを作動させるための方法に関する。
【0003】
このような形式の貯蔵台車は、WO2007/116249A3号明細書により公知である。掘削装置は運転室と共に、台車フレームに直接固定されており、この場合、積み込みコンベヤベルトは、台車フレームに対して相対的に作業位置へ摺動可能である。このような形式の構造的な解決策は、積み込みコンベヤベルトの幅及び長さを制限することによってのみ可能である。
【0004】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の貯蔵台車若しくは方法を改良して、高い作業能力の積み込みを行うことができるような貯蔵台車及び方法を提供することである。
【0005】
この課題を解決した本発明の貯蔵台車によれば、掘削装置と運転室とが、積み込みコンベヤベルトの収容端部に直接隣接する、積み込みコンベヤベルトの領域内で、積み込みコンベヤベルト上に直接配置されている。
【0006】
このような構造的な解決策によって、積み込みコンベヤベルトを、より幅広でかつ高い作業能力を有するように構成することができる。何故ならば、掘削装置は運転室と共に、積み込みコンベヤベルトの上側に配置されているからである。しかも、掘削装置も運転室も、掘削箇所の近傍に最適に位置決めすることができる。
【0007】
本発明の方法によって、高い作業能力を得るために積み込みコンベヤベルトが重い構造を有している場合でも、作業位置と引き渡し位置との切換えを簡単に行うことができる。
【0008】
本発明のその他の利点は、従属請求項及び図面に記載されている。
【0009】
以下に本発明を図示の実施例に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】積み込みコンベヤベルトを備えた貯蔵台車の側面図である。
【図2】積み込みコンベヤベルトを作業位置へもたらすための方法の実施例を示す部分的な側面図である。
【図3】積み込みコンベヤベルトを作業位置へもたらすための方法の変化実施例を示す部分的な側面図である。
【図4】積み込みコンベヤベルトを作業位置へもたらすための方法の変化実施例を示す部分的な側面図である。
【0011】
図1に示した、ばら荷2を搬送するための貯蔵台車1は、底面として用いられる底面コンベヤベルト4を備えたコンテナ3を有している。底面コンベヤベルト4は、台車長手方向5で見てコンテナ3の前端部6に位置決めされた散布端部7と、コンテナ3の後端部8に設けられた収容端部9とを有している。
【0012】
前方の台車端部13には、軸線10を中心にして旋回可能、かつ台車フレーム11を越えて突き出している引き渡しコンベヤベルト12が設けられている。この引き渡しコンベヤベルト12は、底面コンベヤベルト12の散布端部7の下に設けられた収容端部14と、この収容端部14よりも高い位置に配置された散布端部15とを有している。
【0013】
コンテナ3の上側の端部領域16内に、前方の散布端部18と後方の収容端部19とを備えた、台車長手方向5に延在する積み込みコンベヤベルト17が配置されている。積み込みコンベヤベルト17の収容端部19に直接続く領域において、運転室20及び掘削装置21が、積み込みコンベヤベルト17に接続されている。掘削装置21は、駆動装置22によって旋回可能かつ長さ変更可能な、バケットショベル24を備えたバケットアーム23として構成されている。
【0014】
引き渡し位置において、積み込みコンベヤベルト17は、台車長手方向5で見て前方の端部25が、ローラとして構成されたベルト支持部28上に載っている。後方の台車端部29に、積み込みコンベヤベルト17を載せるための支持ローラ30を有する第2のベルト支持部31が配置されている。
【0015】
台車フレーム11は、高さ調節可能な2つのレール走行機構32並びに、高さ調節可能な2つの無限軌道走行機構33によって、選択的に1つの軌道上又はバラスト若しくは地面34上を走行可能である。モータ若しくは原動機(Motor)36は、走行駆動装置35並びにその他の様々な駆動装置を作動するために用いられる。積み込みコンベヤベルト17に直接接続された運転室20は、掘削装置21の様々な駆動装置22を作動するための制御装置37を備えている。貯蔵台車1は、有利には前方の台車端部に連結された複数の貯蔵台車と共に、1つの軌道上を走行して現場まで移動する。この場合、積み込みコンベヤベルト17は、図1に示した引き渡し位置にある。この引き渡し位置においてすべての積み込みコンベヤベルト17は、台車フレーム11上若しくはコンテナ3の上端部領域に位置している。
【0016】
積み込みコンベヤベルト17を、図4に示した作業位置に引き渡すために、巻き揚げ機38が作動される。この巻き揚げ機38は、コンベヤベルト支持部若しくは支持ローラ28,30上に載っている積み上げコンベヤベルト17を、貯蔵台車1に対して相対的に、図4に示した作業位置へ長手方向で移動させる。この作業位置において、一方では掘削装置21及び運転室20が、バラスト34上に直接位置していて、他方では散布端部18が、底面コンベヤベルト4の収容端部9上に位置している。これによって、バケットショベル24によって収容されたばら荷は収容端部19上に散布され、次いで積み込みコンベヤベルト17の散布端部18を介して底面コンベヤベルト4上に散布される。積み込みコンベヤベルト17を引き渡し位置へ戻し移動させることは、巻き揚げ機38を作動させることによって行われる。
【0017】
次に、選択的な実施例としての、積み込みコンベヤベルト17を運転するための第2の方法について説明する。下降された無限軌道走行機構33によって貯蔵台車1が無軌道の現場へ走行せしめられると直ちに、積み込みコンベヤベルト1の収容端部19は、バケットショベル24を地面34に下降させることによって、台車フレーム11に対して相対的に持ち上げられる(図2参照)。この際に、積み込みコンベヤベルト17は、2つのベルト支持部28の軸線27を中心にしてやや旋回せしめられる。次いで、貯蔵台車1は、位置的に移動していないバケットショベル24から離れながら、積み込みコンベヤベルト17の散布端部18が底面コンベヤベルト4の収容端部9の上側に当接するまで、台車長手方向5で走行する(図3参照)。
【0018】
次いで、バケットショベル24は、積み込みコンベヤベルト17の収容端部19が地面34上に載るまで、積み込みコンベヤベルト17に対して相対的に上昇せしめられる(図4参照)。
【0019】
積み込みコンベヤベルト17を引き渡し位置へ摺動させるために、バケットショベル24がバラストに押し付けられることによって、収容端部19はやや持ち上げられる。次いで、貯蔵台車1は、走行駆動装置35を作動させることによって、バケットショベル24に向かって走行せしめられる。これによって、積み込みコンベヤベルト17は、台車フレーム11の上の引き渡し位置へ自動的に摺動せしめられる。この引き込み運動は、第2のベルト支持部31によって補助される。
【符号の説明】
【0020】
1 貯蔵台車、 2 ばら荷、 3 コンテナ、 4 底面コンベヤベルト、 5 台車長手方向、 6 前端部、 7 散布端部、 8 後端部、 9 収容端部、 10 軸線、 11 台車フレーム、 12 引き渡しコンベヤベルト、 13 前方の台車端部、 14 収容端部、 15 散布端部、 17 積み込みコンベヤベルト、 18 散布端部、 19 収容端部、 20 運転室、 21 掘削装置、 22 駆動装置、 23 バケットアーム、 24 バケットショベル、 25 前方の端部(積み込みコンベヤベルト17の)、 27 軸線、 28 ベルト支持部、 29 後方の台車端部、 30 支持ローラ、 31 第2のベルト支持部、 32 レール走行機構、 33 無限軌道走行機構、 34 バラスト若しくは地面、 35 走行駆動装置、 36 モータ若しくは原動機、 38 巻き揚げ機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばら荷を搬送するための貯蔵台車であって、コンテナ(3)内に配置され、かつ台車長手方向(5)に延在する、収容端部及び散布端部(9,7)を備えた、底面として用いられる底面コンベヤベルト(4)と、前方の台車端部(13)に位置決めされ、かつこの前方の台車端部(13)を越えて突き出す引き渡しコンベヤベルト(12)とを有しており、後方の台車端部(29)に、台車長手方向に摺動可能な積み込みコンベヤベルト(17)と掘削装置(21)と運転室(20)とが設けられている形式のものにおいて、
前記掘削装置(21)と前記運転室(20)とが、前記積み込みコンベヤベルト(17)の収容端部(19)に直接隣接する、前記積み込みコンベヤベルト(17)の領域内で、前記積み込みコンベヤベルト(17)上に直接配置されていることを特徴とする、ばら荷を搬送するための貯蔵車両。
【請求項2】
請求項1記載の、貯蔵台車上に配置された積み込みコンベヤベルト(17)を作動させるための方法において、
積み込みコンベヤベルト(17)の収容端部(19)を、バケットショベル(24)を地面(34)上に下降させることによって、台車フレーム(11)に対して相対的に上昇させ、次いで貯蔵台車(1)を、バケットショベル(24)から離しながら、積み込みコンベヤベルト(17)の散布端部(18)が底面コンベヤベルト(4)の収容端部(9)の上側に当接するまで走行させ、次いでバケットショベル(24)を、前記積み込みコンベヤベルト(17)の収容端部(19)が前記地面(34)上に載るまで、積み込みコンベヤベルト(17)に対して相対的に上昇させることを特徴とする、貯蔵台車(1)上に配置された積み込みコンベヤベルトを作動させるための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−522918(P2012−522918A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503880(P2012−503880)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001184
【国際公開番号】WO2010/115489
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(390014421)フランツ プラツセル バーンバウマシーネン−インズストリーゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3,Wien,Austria
【Fターム(参考)】