説明

びん内残液検出装置

【課題】 本発明の課題は、簡易な方法且つ漏れなくびん内残液を検出することができるびん内残液検出装置を提供することである。
【解決手段】 本発明のびん内残液検出装置1は、回収したビールびん2を洗浄するびん洗浄部3と、洗浄が終了したビールびん2の口部2aを下にしてビールびん2内の水切りを行なう水切り部5とを備え、水切り部5はビールびん2内の残液を検知する液検知センサ21を備え、液検知センサ21がビールびん2内の液体を検知するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、びん内の残液を検出するびん内残液検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回収したびんを洗浄部で洗浄した後、びんを逆さにして搬送しつつ、びん内の洗浄液を水切りする技術が開示されている。
【0003】
一方、洗浄終了後のびんは、目視や監視カメラセンサ等によって異物やびん内残液の有無を検知することが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−262155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来技術は、びん内に異物が混入していた場合、もしくは大冠でびん口が塞がれていた場合、逆さになったびんの口部に異物が詰まってびん内に洗浄液の残液が残り、残液が垂れて、周囲の洗浄されたびんを汚してしまうという問題がある。
【0006】
また、上記場所の後工程に、目視や監視カメラによって異物及びびん内残液の有無を検知する方法が存在するが、この工程で異物及びびん内残液の有無が検知された場合には、既に被害が拡大している可能性があり、できるだけ早い段階で異物及びびん内残液の有無を検知することが望まれる。
【0007】
本発明は、簡易な方法且つ漏れなくびん内残液を検出することができるびん内残液検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、回収した空びんを洗浄するびん洗浄部と、洗浄が終了したびんの口部を下にしてびん内の水切りを行なう水切り部とを備え、水切り部はびん内の残液を検知する液検知センサを備え、液検知センサがびん内の液体を検知することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、水切り部の下流側には、びんを反転させた後、口部を上にして次工程にびんを搬送する正立搬送部を備えており、正立搬送部は水切り部の下に位置していることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載の発明において、液検知センサはびんの首部を挟んだ対向位置に設けていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載の発明において、びんは色つきびんであり、液検知センサは光センサであることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載の発明において、びん内残液検出装置は警報部を備え、液検知センサがびん内の残液を検知した場合には、警報部から警報音を発することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載の発明において、びん内残液検出装置はびんの搬送部を備え、液検知センサがびん内の残液を検知した場合には、搬送部の駆動を停止してびんの搬送を止めることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載された発明は、請求項4に記載の発明において、液検知センサは波長を近赤外線領域及び赤外線領域としてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、回収した空きびんはびん洗浄部において洗浄され、水切り部でびんが逆さにされてびん内の洗浄液が排出される。びんが逆さになって搬送されるので、びん内に異物があった場合には、逆さになったびんの口部に異物が詰まってびん内に残液が残る。従って、液検知センサがびん内の残液を検知しているので、びん内の異物が例えばビニールやビー玉等の透明材であっても、簡単且つ漏れなくびん内の残液を検出することができる。
【0016】
請求項2に記載された発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られると共に、水切り部の下に正立搬送部を設けてあるので、搬送装置の小型化を図ることができる。
【0017】
しかし、水切り部を搬送されるびん内に異物がある場合は、水切り部の下の正立搬送部を搬送するびんに残液が適下して汚れるおそれがあるが、液検知センサにより残液が残ったびんを検知することで、残液が残ったびんを取り除いて洗浄後のびんが汚れるのを防止したり、汚れたびんを特定して除去したりできる。
【0018】
請求項3に記載された発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、液検知センサを逆さにしたびんの首部を挟んだ位置に設けることで、少量の残液でも容易に検知できる。
【0019】
請求項4に記載された発明によれば、請求項3に記載された発明と同様の効果が得られると共に、液検知センサとして光センサを用いたので、色付きびんのようにびん内が見え難い場合でも、光の透過を利用することにより残液を容易に検知できる。
【0020】
請求項5に記載された発明によれば、請求項4に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、液検知センサがびん内の残液を検知すると警報音を発するので、警報音で異常をいち早く知ることができ、対応がしやすい。
【0021】
請求項6に記載された発明によれば、請求項5に記載された発明と同様の効果が得られるとともに、液検知センサがびん内の残液を検知するとびんの搬送を停止するので、残液の残ったびんを取り除いたり、正立搬送部内の汚れたびんを特定して除去することができる。
【0022】
請求項7に記載された発明によれば、請求項4に記載された発明と同様の効果が得られるとともに、液検知センサの波長を近赤外線領域及び赤外線領域としてあることで、びん内残液のみを検知でき、びん表面に付いた水滴を残液と誤検知することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係るびん内残液検出装置の液検知センサがびん内を検知している状態を示す図であり、びん内に異物がある状態を示す概略図、図2は本発明の実施形態に係るびん内残液検出装置の液検知センサがびん内を検知している状態を示す図であり、びん内に異物がない状態を示す概略図、図3は本発明の実施形態に係るびん内残液検出装置の水切り部の一部を搬送方向から見た正面図、図4は本実施の形態に係るびん内残液検出装置の制御ブロック図、図5は本実施の形態に係るびん内残液検出装置の全体を示す概略図である。
【0024】
図5に示すように、本実施の形態に係るびん内残液検出装置1は、回収したビールびん(びん)2を洗浄するびん洗浄部3と、洗浄が終了したビールびん2の水切りを行なう水切り部5とを備え、水切り部5で水切りが終了したビールびん2を次工程の空びん検査機7に搬送するようになっている。
【0025】
びん洗浄部3は所定の液面高さまでカセイソーダ等のアルカリ洗浄液を収納した洗浄タンク11と、洗浄タンク11内でビールびん2を把持しつつ搬送する搬送部13とを備えており、搬送部13に沿って搬送されるビールびん2が洗浄液内へ出入りを繰り返すことで、ビールびん2内の洗浄及びビールびん2の表面に付着したラベル糟の除去を行なっている。
【0026】
搬送部13にはビールびん2を保持するホルダ15が設けられており、ホルダ15は搬送方向に対して垂直に複数設けられている。尚、びん洗浄部3には濾過装置19が設けられており、洗浄タンク11内のビールびん2のラベル糟と洗浄液とが混在した未処理液を濾過装置19で濾過することで、濾過液を再び洗浄タンク11内に戻すようになっている。
【0027】
水切り部5では洗浄の終えたビールびん2内の洗浄液の水切りを行なっており、ビールびん2は口部2aを下にした状態で搬送されるようになっている。水切り部5のびんの搬送方向下流側の位置には液検知センサ21が設けられており、液検知センサ21がビールびん2内の液体を検知するようになっている。
【0028】
液検知センサ21は光透過型の光センサであり、ビールびん2の首部2bを挟んだ対向位置に発光部21aと受光部21bとを設けている。尚、液検知センサ21は複数設けられたホルダ15ごとに設けられている。尚、光センサの波長は近赤外線領域及び赤外線領域の波長であり、約0.7μm〜100μmとしている。波長が大きすぎると、光が水分に吸収されやすく、びん表面に付いた水滴に反応して誤検知が多くなるからであり、波長が小さすぎると光が水分に吸収されにくく、ビールびん2内の残液を検出しにくくなるからである。
【0029】
水切り部5の下流側には、ビールびん2を反転させた後、口部2aを上にして次工程の空きびん検査機7にビールびん2を搬送する正立搬送部23が設けられており、正立搬送部23は水切り部5の下に位置している。
【0030】
次に本実施の形態に係るびん内残液検出装置の制御ブロック図について説明する。びん内残液検出装置1は、ビールびん2が所定の位置に到達したときに信号を発するびん検知センサ25と、ビールびん2内の残液を検知する液検知センサ21と、液検知センサ21からの信号に基づいて搬送部13の駆動を停止させる制御部27とを備えている。また、びん内残液検出装置1は警報部29を備えており、液検知センサ21からの信号に基づいて警報部29から警報音を発するようになっている。
【0031】
次に、上記した構成に基づき、本実施の形態の作用を説明する。回収したビールびん2はびん洗浄部3において洗浄され、ビールびん2内の洗浄及びビールびん2の表面に付着したラベル糟の除去が行われる。洗浄の終えたビールびん2は水切り部5に搬送され、水切り部5においてびんが逆さにされて、ビールびん2内の洗浄液が排出される。水切りの終えたビールびん2は、水切り部5の下の正立搬送部23に搬送され次工程の空びん検査機7に搬送される。
【0032】
水切り部5ではビールびん2内に異物があるか否か検知する。水切り部5ではビールびん2が逆さになって搬送されるので、ビールびん2内に異物があった場合には、口部2aに異物が詰まってビールびん2内に残液が残る。この残液を液検知センサ21が検知して、ビールびん2内の異物の有無を検出する。液検知センサ21がビールびん2内の異物を検出した場合は、液検知センサ21からの信号に基づいて、警報音を発すると共に搬送部13の駆動を停止させる。
【0033】
このように、液検知センサ21がビールびん2内の残液を検知して、ビールびん2内の異物の有無を検出しているので、異物が例えばビニールやビー玉等の透明材であっても、簡単且つ漏れなく異物の有無を検出することができる。
【0034】
水切り部5の下に正立搬送部23を設けてあるので、装置の小型化を図ることができる。水切り部5を搬送されるビールびん2内に異物がある場合は、水切り部5の下の正立搬送部23を搬送するビールびん2に残液が適下して汚れるおそれがあるが、液検知センサ21により残液が残ったビールびん2を検知することで、洗浄後の他のビールびん2を汚すのを防止したり、汚したビールびん2を特定して除去したりできる。
【0035】
液検知センサ21を逆さにしたビールびん2の首部2bを挟んだ位置に設けることで、少量の残液でも容易に検知できる。
【0036】
液検知センサ21として光センサを用いたので、ビールびん2のような色付きびんのようにびん内が見え難い場合でも、光の透過を利用することにより残液を容易に検知できる。
【0037】
液検知センサ21がビールびん2内の残液を検知すると警報音を発するので、警報音で異常をいち早く知ることができ、対応がしやすい。
【0038】
液検知センサ21がビールびん2内の残液を検知するとビールびん2の搬送を停止するので、残液の残ったビールびん2を取り除いたり、正立搬送部23内の汚れたビールびん2を特定して除去したりすることができる。
【0039】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0040】
びんはビールびん2に限定されず、発泡酒、清酒、ワイン、焼酎、清涼飲料水のびんであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係るびん内残液検出装置の液検知センサがびん内の液体を検知している状態を示す図であり、びん内に異物がある状態を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係るびん内残液検出装置の液検知センサがびん内の液体を検知している状態を示す図であり、びん内に異物がない状態を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係るびん内残液検出装置の水切り部の一部を搬送方向から見た正面図である。
【図4】本実施の形態に係るびん内残液検出装置の制御ブロック図である。
【図5】本実施の形態に係るびん内残液検出装置の全体を示す概略図である。
【符号の説明】
【0042】
1 びん内残液検出装置
2 ビールびん(びん)
3 びん洗浄部
5 水切り部
13 搬送部
21 液検知センサ
23 正立搬送部
29 警報部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収した空びんを洗浄するびん洗浄部と、洗浄が終了したびんの口部を下にしてびん内の水切りを行なう水切り部とを備え、水切り部はびん内の残液を検知する液検知センサを備え、液検知センサがびん内の液体を検知することを特徴とするびん内残液検出装置。
【請求項2】
水切り部の下流側には、びんを反転させた後、口部を上にして次工程にびんを搬送する正立搬送部を備えており、正立搬送部は水切り部の下に位置していることを特徴とする請求項1に記載のびん内残液検出装置。
【請求項3】
液検知センサはびんの首部を挟んだ対向位置に設けていることを特徴とする請求項2に記載のびん内残液検出装置。
【請求項4】
びんは色つきびんであり、液検知センサは光センサであることを特徴とする請求項3に記載のびん内残液検出装置。
【請求項5】
びん内残液検出装置は警報部を備え、液検知センサがびん内の残液を検知した場合には、警報部から警報音を発することを特徴とする請求項4に記載のびん内残液検出装置。
【請求項6】
びん内残液検出装置はびんの搬送部を備え、液検知センサがびん内の残液を検知した場合には、搬送部の駆動を停止してびんの搬送を止めることを特徴とする請求項5に記載のびん内残液検出装置。
【請求項7】
液検知センサは波長を近赤外線領域及び赤外線領域としてあることを特徴とする請求項4に記載のびん内残液検出装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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