説明

ぶれ補正装置、撮像装置、ぶれ補正方法及び撮像方法

【課題】 使い勝手の向上を図った上で高品質の画像を撮影可能とする。
【解決手段】 被写体を撮影する撮影部を回動可能に保持する保持部と、撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記保持部のぶれ量とを検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて光軸の地表に対する傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行う補正部とを設けた。
これにより、ぶれ補正装置を傾けた状態で使用したときに、高画質の画像を撮影することができると共に撮影に際する使用態様が広く、使い勝手の向上を図った上で高品質の画像を撮影することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術はぶれ補正装置、撮像装置、ぶれ補正方法及び撮像方法についての技術分野に関する。詳しくは、光軸の地表に対する傾斜角度とぶれ量を検出する検出部を設けて地表に対して光軸が傾斜された状態においてぶれ補正を行い使い勝手の向上を図った上で高品質の画像を撮影可能とする技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置には、撮影時における像のぶれを補正するぶれ補正装置が設けられているものがある。
【0003】
このようなぶれ補正装置には、撮影部として機能するカメラ本体を直交する2方向へそれぞれ回動可能とし、センサーによってぶれを検出し、センサーの検出結果に基づいてカメラ本体を上記した2方向へ回動してぶれ補正を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭61−192178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、撮像装置を用いた撮影は、周囲の環境や状況に応じて様々な態様で行われる。
【0006】
例えば、被写体側に遮蔽物や障害物が存在する場合には、遮蔽物や障害物を避けて撮影を行うために、腕を伸ばして上方側から撮像装置を斜め下方に向けた状態で遮蔽物や障害物の先に存在する被写体を撮影しようとするような使用態様がある。このような使用態様は、例えば、運動会や学芸会等の学校行事等において、前方に人混みが存在し、その後方から撮影を行うような場合に生じる。
【0007】
また、撮像装置を斜め下方に向けたり斜め上方に向けたりした状態で下方や上方に存在する被写体を撮影しようとするような使用態様もある。このような使用態様は、例えば、動物や植物等の地表近くに存在する被写体や天体等の天空に存在する被写体の撮影を行うような場合に生じる。
【0008】
上記のような使用態様における撮影は、撮像装置を一定の角度傾けた状態で一定時間同じ角度で保持して行う場合も少なくない。
【0009】
ところが、特許文献1に記載された撮像装置にあっては、地表に対して任意の角度傾けた状態でぶれ補正を行うような構成にされてはおらず、撮像装置を傾けた状態で使用する場合に、高画質の画像を撮影することができないおそれがある。特に、撮影時間が長くなると、手ぶれが生じ易くなるため画質の低下を生じる可能性が高くなってしまう。
【0010】
また、撮像装置を傾けた状態でぶれ補正が行われないと、撮像装置の撮影に際する使用態様が狭められてしまい、撮像装置の使い勝手が低下すると言う不具合もある。
【0011】
そこで、本技術ぶれ補正装置及び撮像装置は、上記した問題点を克服し、使い勝手の向上を図った上で高品質の画像を撮影可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1に、ぶれ補正装置は、上記した課題を解決するために、被写体を撮影する撮影部を回動可能に保持する保持部と、前記撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記保持部のぶれ量とを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行う補正部とを備えたぶれ補正装置。
【0013】
従って、ぶれ補正装置にあっては、検出部によって検出された光軸の傾斜角度が一定に保持されるようにぶれ補正が行われる。
【0014】
第2に、上記したぶれ補正装置においては、前記保持部は前記撮影部を回動させる回動機構と前記回動機構を支持するベース部とを有し、前記回動機構として、前記撮影部を第1の支軸を支点として第1の方向へ回動させる第1の回動部と、前記撮影部を前記第1の支軸に直交する第2の支軸を支点として第2の方向へ回動させる第2の回動部とを設けることが望ましい。
【0015】
回動機構として、撮影部を第1の支軸を支点として回動させる第1の回動部と、撮影部を第1の支軸に直交する第2の支軸を支点として回動させる第2の回動部とを設けることにより、ぶれ補正時に撮影部が2方向へ回動可能とされる。
【0016】
第3に、上記したぶれ補正装置においては、前記検出部として前記傾斜角度及び前記ぶれ量を検出する加速度センサーを用いることが望ましい。
【0017】
検出部として傾斜角度及びぶれ量を検出する加速度センサーを用いることにより、加速度センサーによって撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と保持部のぶれ量とが検出される。
【0018】
第4に、上記したぶれ補正装置においては、前記検出部として前記ぶれ量を検出する加速度センサー及び角速度センサーを用いることが望ましい。
【0019】
検出部としてぶれ量を検出する加速度センサー及び角速度センサーを用いることにより、加速度センサー及び角速度センサーによって保持部のぶれ量が検出される。
【0020】
第5に、上記したぶれ補正装置においては、前記補正部として駆動モーターと前記駆動モーターの出力軸の回転位置を検出するポテンショメーターとを設けることが望ましい。
【0021】
補正部として駆動モーターと駆動モーターの出力軸の回転位置を検出するポテンショメーターとを設けることにより、駆動モーターが動作されたときにポテンショメーターの出力軸の回転位置の検出結果に基づいてぶれ補正が行われる。
【0022】
第6に、上記したぶれ補正装置においては、前記保持部として持ち手として機能するグリップを設け、前記グリップに前記検出部を配置することが望ましい。
【0023】
保持部として持ち手として機能するグリップを設け、グリップに検出部を配置することにより、検出部がグリップと一体になって傾く。
【0024】
第7に、上記したぶれ補正装置においては、電源の入力及び停止を行う電源スイッチを設け、前記電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、前記第1の回動部と前記第2の回動部がそれぞれ回動範囲における中央に保持されるようにすることが望ましい。
【0025】
電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、第1の回動部と第2の回動部がそれぞれ回動範囲における中央に保持されるようにすることにより、ぶれ補正時の第1の回動部と第2の回動部の回動動作がそれぞれ回動範囲における反対側においてほぼ同じ範囲で行われる。
【0026】
第8に、上記したぶれ補正装置においては、前記保持部として持ち手として機能するグリップを設け、電源の入力及び停止を行う電源スイッチを設け、前記電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、前記撮影部の光軸が前記グリップに対して一定の角度で保持されるようにすることが望ましい。
【0027】
電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、撮影部の光軸がグリップに対して一定の角度で保持されるようにすることにより、ぶれ補正の動作の開始時に、常に、撮影部のグリップに対する角度が同じにされる。
【0028】
第9に、上記したぶれ補正装置においては、ぶれ補正の制御を開始するためのスタートスイッチを設け、前記スタートスイッチに対する操作によってぶれ補正の制御が開始されると共に撮影部での被写体の撮影が開始されるようにすることが望ましい。
【0029】
ぶれ補正の制御を開始するためのスタートスイッチを設け、スタートスイッチに対する操作によってぶれ補正の制御が開始されると共に撮影部での被写体の撮影が開始されるようにすることにより、スタートスイッチが操作されたときにぶれ補正の制御と撮影部による被写体の撮影が同時に開始される。
【0030】
撮像装置は、上記した課題を解決するために、撮影される画像のぶれを補正するぶれ補正装置と内部に前記ぶれ補正装置が配置された筐体とを備え、前記ぶれ補正装置は、被写体を撮影する撮影部と、前記撮影部を回動可能に保持する保持部と、前記撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記保持部のぶれ量とを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行う補正部とを備えたものである。
【0031】
従って、撮像装置にあっては、検出部によって検出された光軸の傾斜角度が一定に保持されるようにぶれ補正が行われる。
【0032】
ぶれ補正方法は、上記した課題を解決するために、被写体を撮影する撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記撮影部を回動可能に保持する保持部のぶれ量とを検出部によって検出し、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を補正部によって行うものである。
【0033】
従って、ぶれ補正方法にあっては、検出部によって検出された光軸の傾斜角度が一定に保持されるようにぶれ補正が行われる。
【0034】
撮像方法は、上記した課題を解決するために、被写体を撮影する撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記撮影部を回動可能に保持する保持部のぶれ量とを筐体の内部に配置されたぶれ補正装置の検出部によって検出し、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を前記ぶれ補正装置の補正部によって行うものである。
【0035】
従って、撮像方法にあっては、検出部によって検出された光軸の傾斜角度が一定に保持されるようにぶれ補正が行われ撮影が行われる。
【発明の効果】
【0036】
本技術ぶれ補正装置は、被写体を撮影する撮影部を回動可能に保持する保持部と、前記撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記保持部のぶれ量とを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行う補正部とを備えている。
【0037】
従って、ぶれ補正装置を傾けた状態で使用したときに、高画質の画像を撮影することができると共に撮影に際する使用態様が広く、使い勝手の向上を図った上で高品質の画像を撮影することができる。
【0038】
請求項2に記載した技術にあっては、前記保持部は前記撮影部を回動させる回動機構と前記回動機構を支持するベース部とを有し、前記回動機構として、前記撮影部を第1の支軸を支点として第1の方向へ回動させる第1の回動部と、前記撮影部を前記第1の支軸に直交する第2の支軸を支点として第2の方向へ回動させる第2の回動部とを設けている。
【0039】
従って、ぶれ補正の精度の向上を図ることができる。
【0040】
請求項3に記載した技術にあっては、前記検出部として前記傾斜角度及び前記ぶれ量を検出する加速度センサーを用いている。
【0041】
従って、機構の簡素化によるぶれ補正装置の製造コストの低減を図ることができる。
【0042】
請求項4に記載した技術にあっては、前記検出部として前記ぶれ量を検出する加速度センサー及び角速度センサーを用いている。
【0043】
従って、ぶれを検出する際の検出精度の向上を図ることができる。
【0044】
請求項5に記載した技術にあっては、前記補正部として駆動モーターと前記駆動モーターの出力軸の回転位置を検出するポテンショメーターとを設けている。
【0045】
従って、機構の簡素化を図った上でぶれ補正の精度の向上を図ることができる。
【0046】
請求項6に記載した技術にあっては、前記保持部として持ち手として機能するグリップを設け、前記グリップに前記検出部を配置している。
【0047】
従って、検出誤差の発生を低減することができる。
【0048】
請求項7に記載した技術にあっては、電源の入力及び停止を行う電源スイッチを設け、前記電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、前記第1の回動部と前記第2の回動部がそれぞれ回動範囲における中央に保持されるようにしている。
【0049】
従って、ぶれ補正時の第1の回動部と第2の回動部の回動動作がそれぞれ回動範囲における反対側においてほぼ同じ範囲で行われるため、広い制御範囲でぶれ補正が行われ制御動作の適正化を図ることができる。
【0050】
請求項8に記載した技術にあっては、前記保持部として持ち手として機能するグリップを設け、電源の入力及び停止を行う電源スイッチを設け、前記電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、前記撮影部の光軸が前記グリップに対して一定の角度で保持されるようにしている。
【0051】
従って、ぶれ補正の動作の開始時に、常に、撮影部のグリップに対する角度が同じにされており、制御の開始位置が一定であるため、ぶれ補正の制御が容易であると共にぶれ補正の動作の信頼性が高くぶれ補正時における撮影部の位置精度の向上を図ることができる。
【0052】
請求項9に記載した技術にあっては、ぶれ補正の制御を開始するためのスタートスイッチを設け、前記スタートスイッチに対する操作によってぶれ補正の制御が開始されると共に撮影部での被写体の撮影が開始されるようにしている。
【0053】
従って、スタートスイッチが操作されたときにぶれ補正の制御が開始されると共に撮影部による被写体の撮影が開始され、操作性の向上を図ることができる。
【0054】
本技術撮像装置は、撮影される画像のぶれを補正するぶれ補正装置と内部に前記ぶれ補正装置が配置された筐体とを備え、前記ぶれ補正装置は、被写体を撮影する撮影部と、前記撮影部を回動可能に保持する保持部と、前記撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記保持部のぶれ量とを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行う補正部とを備えている。
【0055】
従って、撮像装置を傾けた状態で使用したときに、高画質の画像を撮影することができると共に撮影に際する使用態様が広く、使い勝手の向上を図った上で高品質の画像を撮影することができる。
【0056】
本技術ぶれ補正方法は、被写体を撮影する撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記撮影部を回動可能に保持する保持部のぶれ量とを検出部によって検出し、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を補正部によって行うようにしている。
【0057】
従って、ぶれ補正装置を傾けた状態で使用したときに、高画質の画像を撮影することができると共に撮影に際する使用態様が広く、使い勝手の向上を図った上で高品質の画像を撮影することができる。
【0058】
本技術撮像方法は、被写体を撮影する撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記撮影部を回動可能に保持する保持部のぶれ量とを筐体の内部に配置されたぶれ補正装置の検出部によって検出し、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を前記ぶれ補正装置の補正部によって行うようにしている。
【0059】
従って、撮像装置を傾けた状態で使用したときに、高画質の画像を撮影することができると共に撮影に際する使用態様が広く、使い勝手の向上を図った上で高品質の画像を撮影することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下に、本技術ぶれ補正装置及び撮像装置を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0061】
以下に示した最良の形態は、本技術撮像装置をビデオカメラに適用し、本技術ぶれ補正装置をこのビデオカメラに組み込まれるぶれ補正装置に適用したものである。
【0062】
尚、本技術撮像装置及びぶれ補正装置の適用範囲はそれぞれビデオカメラ及びビデオカメラに組み込まれるぶれ補正装置に限られることはない。本技術撮像装置及びぶれ補正装置は、例えば、スチルカメラ、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の各種の機器に組み込まれた撮像装置又はこれらの撮像装置に組み込まれるぶれ補正装置に広く適用することができる。
【0063】
以下の説明にあっては、ビデオカメラの撮影時において撮影者から見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、被写体側が前方となり、撮影者側が後方となる。
【0064】
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0065】
また、以下に示すレンズは、単一のレンズによって構成されているもの及び複数のレンズによりレンズ群として構成されているものの両者を含む意味である。
【0066】
[ぶれ補正装置の構成]
先ず、ぶれ補正装置の構成について説明する(図1乃至図4参照)。
【0067】
ぶれ補正装置1はグリップ2と第1の回動部3と第2の回動部4と撮影部5を有している。グリップ2と第1の回動部3と第2の回動部4は撮影部5を回動可能に保持する保持部として機能する。また、第1の回動部3と第2の回動部4は撮影部5を回動させる回動機構として機能し、グリップ2は回動機構を支持するベース部として機能する。
【0068】
グリップ2は撮影者によって把持される縦長の形状に形成された持ち手6と持ち手6の上側に設けられた支持ベース7とから成る。
【0069】
持ち手6には電源スイッチ8とスタートスイッチ9が配置されている。電源スイッチ8は電源の入力及び停止を行うためのスイッチであり、スタートスイッチ9は電源スイッチ8が入力されたときのぶれ補正装置1の姿勢を記憶すると共に後述するぶれ補正の制御を開始及び終了するためのスイッチである。
【0070】
グリップ2の内部には加速度センサー10及び角速度センサー11が配置されている。加速度センサー10及び角速度センサー11は所定の事項を検出する検出部として機能する。加速度センサー10は撮影部5における光軸P(図4参照)の地表100に対する傾斜角度を検出する傾斜角検出センサーとして機能し、角速度センサー11は手ぶれによるグリップ2のぶれ量を検出するぶれ検出センサーとして機能する。また、加速度センサー10はぶれ検出センサーとしても機能する。
【0071】
尚、ぶれ検出センサーとして機能する加速度センサー10及び角速度センサー11を可動部である第1の回動部3や第2の回動部4に配置することも可能であるが、この場合にはぶれ検出センサーが可動部に伴って動いてしまいぶれ量の検出誤差が発生するおそれがある。
【0072】
従って、上記したように、ぶれ量の検出対象であるグリップ2の内部にぶれ検出センサーとして機能する加速度センサー10及び角速度センサー11を配置することにより、検出誤差の発生を防止することができると共に検出誤差の発生を低減することができる。
【0073】
ぶれ補正装置1にあっては、角速度センサー11を設けずに傾斜角度センサー及びぶれ検出センサーとして加速度センサー10のみを用いることも可能である。
【0074】
このように傾斜角度センサー及びぶれ検出センサーとして加速度センサー10のみを用いることにより、機構の簡素化によるぶれ補正装置1の製造コストの低減を図ることができる。また、角速度センサー11を設けない分、ぶれ補正装置1の小型化を図ることも可能である。
【0075】
但し、加速度センサー10はぶれ補正装置1が動いたときの重力加速度を検出しており、特に、動きの速度が速い場合には検出精度が低下するおそれがあるが、角速度センサー11は単位時間当たりの角速度を検出しており、動きの速度が速い場合においても高い検出精度を得ることが可能である。
【0076】
従って、加速度センサー10に加えて角速度センサー11を設けることにより、ぶれ量を検出する際の検出精度の向上を図ることができる。
【0077】
支持ベース7は上下方向を向く底板部12と底板部12の左右両側縁からそれぞれ上方へ突出された支持板部13、13とから成り、支持板部13、13にはそれぞれ支持孔13a、13aが形成されている。
【0078】
第1の回動部3は支持ベース7に、例えば、左右方向に延びる軸(第1の支軸)を支点として回動自在に支持されている。第1の回動部3の回動方向は光軸Pが上下に傾く方向であるピッチング方向とされる。
【0079】
第1の回動部3はフレーム14を有している。
【0080】
フレーム14は左右方向を向く連結面部16と連結面部16の前後両側縁からそれぞれ側方へ突出された支持面部17、17とから成り、連結面部16には挿通孔16aが形成され、支持面部17、17にはそれぞれ支持孔17a、17aが形成されている。支持面部17、17はそれぞれ上端が連結面部16の上端より上方に位置するように上下方向における長さが連結面部16の上下方向における長さより長くされている。
【0081】
フレーム14には第1の駆動モーター15が取り付けられている。
【0082】
第1の駆動モーター15には出力軸15aが突出された方向と反対方向へ突出された被支持軸15bが設けられている。第1の駆動モーター15の内部にはポテンショメーター18が配置されている。ポテンショメーター18は第1の駆動モーター15の出力軸15aの回転位置を検出する機能を有している。第1の駆動モーター15とポテンショメーター18は撮像装置1に手ぶれが生じたときに第1の回動部3を回動させてぶれ補正を行う補正部として機能する。
【0083】
第1の駆動モーター15は出力軸15aが挿通孔16aを挿通された状態で連結面部16に固定されている。第1の駆動モーター15は挿通孔16aを挿通された出力軸15aにスペーサー19が固定された状態で出力軸15aと被支持軸15bがそれぞれ支持孔13a、13aに内面側から挿入されて支持ベース7に支持される。スペーサー19は支持ベース7の一方の支持板部13とフレーム14の連結面部16との間に配置され、一方の支持板部13と連結面部16の間隔を一定に保持すると共に第1の駆動モーター15のフレーム14からの脱落を防止する機能を有している。
【0084】
第1の回動部3は第1の駆動モーター15の出力軸15aと被支持軸15bがそれぞれ支持孔13a、13aに挿入されて支持ベース7に支持されることにより、出力軸15aと被支持軸15bを結ぶ左右方向に延びる軸(第1の支軸)を支点としてグリップ2にピッチング方向へ回動自在に支持されている。
【0085】
第2の回動部4は第1の回動部3のフレーム14に、例えば、前後方向に延びる軸(第2の支軸)を支点として回動自在に支持されている。第2の回動部4の回動方向は光軸Pの軸回り方向であるローリング方向とされる。
【0086】
第2の回動部4は被支持板20を有している。
【0087】
被支持板20は上下方向を向く結合板部22と結合板部22の前後両側縁からそれぞれ下方へ突出された連結板部23、23とから成り、連結板部23、23にはそれぞれ連結孔23a、23aが形成されている。
【0088】
被支持板20には第2の駆動モーター21が取り付けられている。
【0089】
第2の駆動モーター21には出力軸21aが突出された方向と反対方向へ突出された被支持軸21bが設けられている。第2の駆動モーター21の内部にはポテンショメーター24が配置されている。ポテンショメーター24は第2の駆動モーター21の出力軸21aの回転位置を検出する機能を有している。第2の駆動モーター21とポテンショメーター24は撮像装置1に手ぶれが生じたときに第2の回動部4を回動させてぶれ補正を行う補正部として機能する。
【0090】
第2の駆動モーター21は出力軸21aが一方の支持面部17の支持孔17aを挿通された状態で被支持板20に固定されている。第2の駆動モーター21は支持孔17aを挿通されてスペーサー25が固定された出力軸21aが一方の連結板部23の連結孔23aに内面側から挿入されて固定される。スペーサー25は一方の支持面部17と一方の連結板部23との間に配置され、一方の支持面部17と一方の連結板部23との間隔を一定に保持すると共に第2の駆動モーター21の被支持板20からの脱落を防止する機能を有している。
【0091】
第2の駆動モーター21は他方の連結面部23の連結孔23aを内面側から挿通されスペーサー26が取り付けられた被支持軸21bが他方の支持面部17の支持孔17aに内面側から挿入されて支持ベース7に支持される。スペーサー26は他方の支持面部17と他方の連結板部23との間に配置され、他方の支持面部17と他方の連結板部23との間隔を一定に保持する機能を有している。
【0092】
第2の回動部4は第2の駆動モーター21の出力軸21aと被支持軸21bがそれぞれ支持孔17a、17aに内面側から挿入されて支持ベース7に支持されることにより、出力軸21aと被支持軸21bを結ぶ前後方向に延びる軸(第2の支軸)を支点として第1の回動部3を介してグリップ2にローリング方向へ回動自在に支持されている。
【0093】
被支持板部20は結合板部22が取付ネジ27によって撮影部5の下面に結合される。
【0094】
撮影部5は本体部28と鏡筒部29を有し、鏡筒部29の内部に撮像レンズ30が配置されている。
【0095】
尚、上記には、第1の回動部3が第2の回動部4の下方に位置され第1の回動部3がグリップ2に支持され第2の回動部4が撮影部5に結合された状態で第1の回動部3に支持された例を示した。しかしながら、逆に、図5に示すように、ピッチング方向へ回動する第1の回動部3が第2の回動部4の上方に位置されローリング方向へ回動する第2の回動部4がグリップ2に支持され第1の回動部3が撮影部5に結合された状態で第2の回動部4に支持されるように構成することも可能である。
【0096】
[ぶれ補正装置の回路構成等の例]
以下に、撮像装置1の回路構成等の例を示す(図6参照)。
【0097】
第1の駆動モーター15には出力軸15aを回転させるためのドライブ回路31が設けられていると共にポテンショメーター18が内蔵されている、ポテンショメーター18は、上記したように、出力軸15aの回転位置を検出する機能を有している。
【0098】
第2の駆動モーター21には出力軸21aを回転させるためのドライブ回路32が設けられていると共にポテンショメーター24が内蔵されている、ポテンショメーター24は、上記したように、出力軸21aの回転位置を検出する機能を有している。
【0099】
尚、ドライブ回路31、32は、例えば、グリップ2に内蔵されていてもよい。
【0100】
ドライブ回路31、32及びポテンショメーター18、24はそれぞれ制御回路33によって動作が制御される。制御回路33は、例えば、グリップ2の持ち手6の内部に配置されており、演算装置や揮発性又は不揮発性の記憶装置等によって構成されるマイクロプロセッサーである。
【0101】
グリップ2の内部に配置された加速度センサー10及び角速度センサー11は制御回路33によって動作が制御される。加速度センサー10は3軸対応のセンサーである。角速度センサー11は3軸対応のセンサーであることが望ましいが、2軸対応のセンサーであってもよい。
【0102】
加速度センサー10は、上記したように、撮影部5における光軸Pの地表100に対する傾斜角度を検出する傾斜角検出センサーとして機能する。角速度センサー11は、上記したように、手ぶれによるグリップ2のぶれ量を検出するぶれ検出センサーとして機能する。また、加速度センサー10はぶれ検出センサーとしても機能する。
【0103】
[ぶれ補正装置の動作]
以下に、ぶれ補正装置1に手ぶれが生じたときの動作について説明する(図7乃至図12参照)。尚、以下の動作の手順については、図7のフローチャート図を参照して説明する。
【0104】
(S1)ぶれ補正装置1を用いた撮影が開始されるときには電源スイッチ8が操作されてONになり電源が入力される。
【0105】
(S2)電源が入力されると、ピッチング方向及びローリング方向の両方向において撮影部5の光軸Pがグリップ2の軸方向Lに対して垂直になるように制御され、撮影部5がグリップ2に対して一定の状態に保持(ロック)される(図8及び図9参照)。この制御はポテンショメーター18、24によってそれぞれ第1の駆動モーター15の出力軸15aの回転位置と第2の駆動モーター21の出力軸21aの回転位置とが検出され、ポテンショメーター18、24の検出結果に応じてそれぞれ第1の駆動モーター15と第2の駆動モーター21が動作されることにより行われる。
【0106】
光軸Pがグリップ2の軸方向Lに対して垂直にされたときの第1の回動部3と第2の回動部4の各回動位置は、それぞれ中立位置とされる。中立位置はそれぞれ第1の回動部3と第2の回動部4の回動範囲における中央の位置である。
【0107】
(S3)スタートスイッチ9が操作されたか否かが検出される。スタートスイッチ9が操作されていないことが検出されると(S2)に移行し、撮影部5の光軸Pがグリップ2の軸方向Lに対して垂直になる状態が保持される。スタートスイッチ9が操作されたことが検出されると(S4)に移行する。
【0108】
(S4)スタートスイッチ9が操作されてONになると、光軸Pのピッチング方向における地表100に対する傾斜角度θ(図8参照)が検出される。傾斜角度θは制御回路33の記憶装置(又は記憶媒体)に記憶される。傾斜角度θは地表面100に平行な面Hに対する光軸Pの角度である。ぶれ補正装置1にあっては、上記したように、電源スイッチ8が操作されたときに光軸Pがグリップ2の軸方向Lに対して垂直になるように制御される。従って、グリップ2の地表100に対する傾斜角度が検出されることにより地表100に対する光軸Pの傾斜角度θが検出され、ぶれ補正装置1にあっては、加速度センサー10によって検出されたグリップ2の地表100に対する傾斜角度が地表100に対する光軸Pの傾斜角度θに置き換えられることにより傾斜角度θが検出される。
【0109】
(S5)加速度センサー9及び角速度センサー10によって光軸Pの傾斜角度θと手ぶれによるグリップ2のぶれ量とが検出される。グリップ2に角速度センサー10が設けられず加速度センサー9のみが設けられている場合には、加速度センサー9のみによって手ぶれによるグリップ2のぶれ量が検出される。手ぶれによるぶれ量の検出結果は制御回路33に随時送出され、送出された検出結果と、その際のグリップ2の地表100に対する傾き角度と記憶装置に記憶された光軸Pの地表100に対する傾斜角度θとの差分に基づいて制御回路33からぶれ量とグリップ2の傾きをキャンセルするための指令信号がそれぞれドライブ回路31とドライブ回路32に送出される。指令信号は第1の駆動モーター15の出力軸15aと第2の駆動モーター21の出力軸21aとをぶれの方向と反対方向へ検出されたぶれ量と、スタートスイッチ9が操作された際のグリップ2の地表に対する傾き角度と現在のグリップ2の地表に対する傾き角度との差分の量とを合わせた量だけ回転させるための信号である。
【0110】
(S6)制御回路33から送出された指令信号に基づいてドライブ回路31とドライブ回路32からそれぞれ第1の駆動モーター15と第2の駆動モーター21に駆動電圧が供給され、それぞれ第1の回動部3と第2の回動部4が回動されてぶれ補正が行われる。従って、第1の回動部3と第2の回動部4の回動動作により光軸Pの角度が補正されぶれに対する補正も行われる。
【0111】
例えば、図10に示すように、スタートスイッチ9を操作してONにした(S3)後に操作者によってグリップ2の傾きがLからL1に変更されると、第1の回動部3の回動動作により軸方向Lと軸方向L1の間の角度α1分だけ撮影部5が後方に傾けられ、光軸Pの傾斜角度θが保持される。このとき同時に、検出されたぶれ量を打ち消すように第1の回動部3が回動される。
【0112】
また、図11に示すように、スタートスイッチ9を操作してONにした(S3)後に操作者によってグリップ2の傾きがLからL2に変更されると、第1の回動部3の回動動作により軸方向Lと軸方向L1の間の角度β1分だけ撮影部5が前方に傾けられ、光軸Pの傾斜角度θが保持される。このとき同時に、検出されたぶれ量を打ち消すように第1の回動部3が回動される。
【0113】
一方、例えば、図12に示すように、スタートスイッチ9を操作してONにした(S3)後に操作者によってグリップ2の傾きがLからL3に変更されると、第2の回動部4の回動動作により軸方向Lと軸方向L3の間の角度γ1分だけ撮影部5が側方における逆方向に傾けられ、光軸Pの傾斜角度θが保持される。このとき同時に、検出されたぶれ量を打ち消すように第2の回動部4が回動される。
【0114】
上記の例に限らず、前方、後方、側方以外の方向にグリップ2が傾く場合も想定され、その場合には、それぞれの方向を合成した方向の角度の逆の方向へ回動部の回動動作が行われ、光軸Pの傾斜角度θが保持される。このとき同時に、検出されたぶれ量を打ち消すように第1の回動部3及び第2の回動部4が回動される。
【0115】
このときポテンショメーター18によって第1の駆動モーター15の出力軸15aの回転位置が検出され、ポテンショメーター24によって第2の駆動モーター21の出力軸21aの回転位置が検出され、それぞれの検出結果が制御回路33にフィードバックされる。
【0116】
(S7)スタートスイッチ9が操作されたか否かが検出される。スタートスイッチ9が操作されずONであることが検出されると(S5)に移行し、(S5)と(S6)の動作がスタートスイッチ9がOFFになったことが検出されるまで繰り返される。スタートスイッチ9が操作されてOFFになったことが検出されると(S8)に移行する。
【0117】
(S8)スタートスイッチ9がOFFになったことが検出されると、ピッチング方向及びローリング方向の両方向において撮影部5の光軸Pがグリップ2の軸方向Lに対して垂直になるように制御される(図8及び図9参照)。この制御は(S2)の動作と同様に、ポテンショメーター18、24の検出結果に応じてそれぞれ第1の駆動モーター15と第2の駆動モーター21が動作されることにより行われる。従って、第1の回動部3と第2の回動部4が中立位置に戻る。
【0118】
(S9)電源スイッチ8が操作されたか否かが検出される。電源スイッチ8が操作されずONであることが検出されると(S8)に移行し、(S8)の状態が保持され電源スイッチ8がOFFになったことが検出されるまで(S8)の状態が保持される。電源スイッチ8が操作されてOFFになったことが検出されると動作が終了する。
【0119】
上記したように、ぶれ補正装置1にあっては、(S2)において、電源スイッチ8が操作されて電源が入力されたときに、第1の回動部3と第2の回動部4が回動範囲における中央である中立位置に保持されるように制御される。
【0120】
従って、ぶれ補正時の第1の回動部3と第2の回動部4の回動動作がそれぞれ回動範囲における反対側においてほぼ同じ範囲で行われるため、広い制御範囲でぶれ補正が行われ制御動作の適正化を図ることができる。
【0121】
また、(S2)において、電源スイッチ8が操作されて電源が入力されたときに、撮影部5の光軸Pがグリップ2に対して一定の角度で保持されるように制御される。
【0122】
従って、ぶれ補正の動作の開始時に、常に、撮影部5のグリップ2に対する角度が同じにされており、制御の開始位置が一定であるため、ぶれ補正の制御が容易であると共にぶれ補正の動作の信頼性が高くぶれ補正時における撮影部5の位置精度の向上を図ることができる。
【0123】
さらに、補正部が第1の駆動モーター15と第2の駆動モーター21とポテンショメーター18とポテンショメーター24によって構成されているため、機構の簡素化を図った上でぶれ補正の精度の向上を図ることができる。
【0124】
尚、ぶれ補正装置1には被写体の撮影を開始又は終了する図示しない撮影スイッチ(録画スイッチ)が設けられているが、この撮影スイッチをスタートスイッチ9と別に設けてもよく、また、スタートスイッチ9を撮影スイッチとして設けることが可能である。
【0125】
ぶれ補正の制御を開始するためのスタートスイッチ9を撮影スイッチとしても設けることにより、スタートスイッチ9が操作されたときにぶれ補正の制御が開始されると共に撮影部5による被写体の撮影が開始され、操作性の向上を図ることができる。
【0126】
また、スタートスイッチ9を撮影スイッチとしても設けることにより、撮影部5による撮影時に、常に、ぶれ補正動作が行われ、撮影した画像の画質の向上を図ることができる。
【0127】
[撮像装置]
次に、ぶれ補正装置が組み込まれた撮像装置の構成について説明する(図13及び図14参照)。
【0128】
撮像装置50は箱状に形成された筐体51と筐体51の内部に組み込まれたぶれ補正装置52とを備え、ぶれ補正装置52はベースブラケット53と第1の回動部54と第2の回動部55と撮影部56を有している。ベースブラケット53と第1の回動部54と第2の回動部55は撮影部56を回動可能に保持する保持部として機能する。また、第1の回動部54と第2の回動部55は撮影部56を回動させる回動機構として機能し、ベースブラケット53は回動機構を支持するベース部として機能する。
【0129】
筐体51には電源スイッチ57とスタートスイッチ58が配置されている。電源スイッチ57は撮像装置50に電源の入力及び停止を行うためのスイッチであり、スタートスイッチ58は電源スイッチ57が入力されたときのぶれ補正装置52の姿勢(撮像装置50の姿勢)を記憶すると共に後述するぶれ補正の制御を開始及び終了するためのスイッチである。
【0130】
ベースブラケット53は筐体51に対して固定され、前後に貫通された矩形の枠状に形成されている。
【0131】
ベースブラケット53には加速度センサー59及び角速度センサー60が配置されている。加速度センサー59及び角速度センサー60は所定の事項を検出する検出部として機能する。加速度センサー59は撮影部56における光軸P(図14参照)の地表100に対する傾斜角度を検出する傾斜角検出センサーとして機能し、角速度センサー60は手ぶれによるベースブラケット53のぶれ量を検出するぶれ検出センサーとして機能する。また、加速度センサー59はぶれ検出センサーとしても機能する。
【0132】
尚、ぶれ検出センサーとして機能する加速度センサー59及び角速度センサー60を可動部である第1の回動部54や第2の回動部55に配置することも可能であるが、この場合にはぶれ検出センサーが可動部に伴って動いてしまいぶれ量の検出誤差が発生するおそれがある。
【0133】
従って、上記したように、ぶれ量の検出対象であるベースブラケット53にぶれ検出センサーとして機能する加速度センサー59及び角速度センサー60を配置することにより、検出誤差の発生を防止することができる。
【0134】
撮像装置50にあっては、角速度センサー60を設けずに傾斜角度センサー及びぶれ検出センサーとして加速度センサー59のみを用いることも可能である。
【0135】
このように傾斜角度センサー及びぶれ検出センサーとして加速度センサー59のみを用いることにより、機構の簡素化による撮像装置50の製造コストの低減を図ることができる。また、角速度センサー60を設けない分、撮像装置50の小型化を図ることも可能である。
【0136】
但し、加速度センサー59は撮像装置50が動いたときの重力加速度を検出しており、特に、動きの速度が速い場合には検出精度が低下するおそれがあるが、角速度センサー60は単位時間当たりの角速度を検出しており、動きの速度が速い場合においても高い検出精度を得ることが可能である。
【0137】
従って、加速度センサー59に加えて角速度センサー60を設けることにより、ぶれ量を検出する際の検出精度の向上を図ることができる。
【0138】
第1の回動部54はベースブラケット53に、例えば、左右方向に延びる軸(第1の支軸)を支点として回動自在に支持されている。第1の回動部54の回動方向は光軸Pが上下に傾く方向であるピッチング方向とされる。
【0139】
第1の回動部54は内側ブラケット61を有している。
【0140】
内側ブラケット61は前後に貫通された矩形の枠状に形成されている。内側ブラケット61の左右両側部における外面にはそれぞれモーター軸固定部61aと回動支持部61bが設けられている。
【0141】
内側ブラケット61には第1の駆動モーター62が取り付けられている。
【0142】
第1の駆動モーター62は出力軸62aがモーター軸固定部61aに固定されている。第1の駆動モーター62の内部にはポテンショメーター63が配置されている。ポテンショメーター63は第1の駆動モーター62の出力軸62aの回転位置を検出する機能を有している。第1の駆動モーター62とポテンショメーター63は撮像装置50に手ぶれが生じたときに第1の回動部54を回動させてぶれ補正を行う補正部として機能する。
【0143】
第1の回動部54は第1の駆動モーター62の出力軸62aと回動支持部61bを結ぶ左右方向に延びる軸(第1の支軸)を支点としてベースブラケット53にピッチング方向へ回動自在に支持されている。
【0144】
第2の回動部55は第1の回動部54の内側ブラケット61に、例えば、上下方向に延びる軸(第2の支軸)を支点として回動自在に支持されている。第2の回動部55の回動方向は光軸Pが左右に傾く方向であるヨーイング方向とされる。
【0145】
第2の回動部55はホルダー64を有している。
【0146】
ホルダー64は前後に延びる略角筒状に形成されている。ホルダー64の上下両側部における外面にはそれぞれモーター軸固定部64aと回動支持部64bが設けられている。
【0147】
ホルダー64には第2の駆動モーター65が取り付けられている。
【0148】
第2の駆動モーター65は出力軸65aがモーター軸固定部64aに固定されている。第2の駆動モーター65の内部にはポテンショメーター66が配置されている。ポテンショメーター66は第2の駆動モーター65の出力軸65aの回転位置を検出する機能を有している。第2の駆動モーター65とポテンショメーター66は撮像装置50に手ぶれが生じたときに第2の回動部55を回動させてぶれ補正を行う補正部として機能する。
【0149】
第2の回動部55は第2の駆動モーター65の出力軸65aと回動支持部64bを結ぶ上下方向に延びる軸(第2の支軸)を支点として第1の回動部54の内側ブラケット61にヨーイング方向へ回動自在に支持されている。
【0150】
撮影部56は撮像レンズ67を有し、第2の回動部55のホルダー64に保持されている。従って、撮影部56は第2の回動部55と一体になってヨーイング方向へ回動される。
【0151】
尚、上記には、第2の回動部55が第1の回動部54の内側に位置され第1の回動部54がベースブラケット53に支持され第2の回動部55に撮影部56が保持された例を示した。しかしながら、逆に、第1の回動部54が第2の回動部55の内側に位置され第2の回動部55がベースブラケット53に支持され第1の回動部54に撮影部56が保持されるように構成することも可能である。
【0152】
[撮像装置の回路構成等の例]
以下に、撮像装置50の回路構成等の例を示す(図15参照)。
【0153】
第1の駆動モーター62には出力軸62aを回転させるためのドライブ回路68が設けられていると共にポテンショメーター63が内蔵されている、ポテンショメーター63は、上記したように、出力軸62aの回転位置を検出する機能を有している。
【0154】
第2の駆動モーター65には出力軸65aを回転させるためのドライブ回路69が設けられていると共にポテンショメーター66が内蔵されている、ポテンショメーター66は、上記したように、出力軸65aの回転位置を検出する機能を有している。
【0155】
ドライブ回路68、69及びポテンショメーター63、66はそれぞれ制御回路70によって動作が制御される。制御回路70は演算装置や揮発性又は不揮発性の記憶装置等によって構成されるマイクロプロセッサーである。
【0156】
ベースブラケット53に配置された加速度センサー59及び角速度センサー60は制御回路70によって動作が制御される。加速度センサー59は3軸対応のセンサーである。角速度センサー60は3軸対応のセンサーであることが望ましいが、2軸対応のセンサーであってもよい。
【0157】
加速度センサー59は、上記したように、撮影部56における光軸Pの地表100に対する傾斜角度を検出する傾斜角検出センサーとして機能する。角速度センサー60は、上記したように、手ぶれによるベースブラケット53のぶれ量を検出するぶれ検出センサーとして機能する。また、加速度センサー59はぶれ検出センサーとしても機能する。
【0158】
[撮像装置の動作]
以下に、撮像装置50に手ぶれが生じたときの動作について説明する(図16乃至図20参照)。尚、以下の動作の手順については、図16のフローチャート図を参照して説明する。
【0159】
(S11)撮像装置50を用いた撮影が開始されるときには電源スイッチ57が操作されてONになり電源が入力される。
【0160】
(S12)電源が入力されると、ピッチング方向及びヨーイング方向の両方向において撮影部56の光軸Pがベースブラケット53の軸方向M、即ち、前後方向に一致するように制御され、撮影部56がベースブラケット53に対して一定の状態に保持(ロック)される(図17参照)。この制御はポテンショメーター63、66によってそれぞれ第1の駆動モーター62の出力軸62aの回転位置と第2の駆動モーター65の出力軸65aの回転位置とが検出され、ポテンショメーター63、66の検出結果に応じてそれぞれ第1の駆動モーター62と第2の駆動モーター65が動作されることにより行われる。
【0161】
光軸Pがベースブラケット53の軸方向Mに一致されたときの第1の回動部54と第2の回動部55の各回動位置は、それぞれ中立位置とされる。中立位置はそれぞれ第1の回動部54と第2の回動部55の回動範囲における中央の位置である。
【0162】
(S13)スタートスイッチ58が操作されたか否かが検出される。スタートスイッチ58が操作されていないことが検出されると(S12)に移行し、撮影部56の光軸Pがベースブラケット53の軸方向Mに一致された状態が保持される。スタートスイッチ58が操作されたことが検出されると(S14)に移行する。
【0163】
(S14)スタートスイッチ58が操作されてONになると、光軸Pのピッチング方向における地表100に対する傾斜角度θが検出される。傾斜角度θは制御回路70の記憶装置(又は記憶媒体)に記憶される。撮像装置50にあっては、上記したように、電源スイッチ57が操作されたときに光軸Pがベースブラケット53の軸方向Mに一致されるように制御される。従って、ベースブラケット53の地表100に対する傾斜角度が検出されることにより地表100に対する光軸Pの傾斜角度θが検出され、撮像装置50にあっては、加速度センサー59によって検出されたベースブラケット53の地表100に対する傾斜角度が地表100に対する光軸Pの傾斜角度θに置き換えられることにより傾斜角度θが検出される。
【0164】
(S15)加速度センサー59及び角速度センサー60によって光軸Pの傾斜角度θと手ぶれによるベースブラケット53のぶれ量とが検出される。ベースブラケット53に角速度センサー60が設けられず加速度センサー59のみが設けられている場合には、加速度センサー59のみによって手ぶれによるベースブラケット53のぶれ量が検出される。手ぶれによるぶれ量の検出結果は制御回路70に随時送出され、送出された検出結果と、その際のベースブラケット53の地表100に対する傾き角度と記憶装置に記憶された光軸Pの地表100に対する傾斜角度θとの差分に基づいて制御回路70からぶれ量とベースブラケット53の傾きをキャンセルするための指令信号がそれぞれドライブ回路68とドライブ回路69に送出される。指令信号は第1の駆動モーター62の出力軸62aと第2の駆動モーター65の出力軸65aとをぶれの方向と反対方向へ検出されたぶれ量と、スタートスイッチ58が操作された際のベースブラケット53の地表に対する傾き角度と現在のベースブラケット53の地表に対する傾き角度との差分の量とを合わせた量だけ回転させるための信号である。
【0165】
(S16)制御回路70から送出された指令信号に基づいてドライブ回路68とドライブ回路69からそれぞれ第1の駆動モーター62と第2の駆動モーター65に駆動電圧が付与され、それぞれ第1の回動部3と第2の回動部4が回動されてぶれ補正が行われる。従って、第1の回動部54と第2の回動部55の回動動作により光軸Pの角度が補正されぶれに対する補正も行われる。
【0166】
例えば、図18に示すように、スタートスイッチ58を操作してONにした(S13)後に操作者によってベースブラケット53の傾きがMからM1に変更されると、第1の回動部54の回動動作により軸方向Mと軸方向M1の間の角度α2分だけ撮影部56が後方に傾けられ、光軸Pの傾斜角度θが保持される。このとき同時に、検出されたぶれ量を打ち消すように第1の回動部54が回動される。
【0167】
また、図19に示すように、スタートスイッチ58を操作してONにした(S13)後に操作者によってベースブラケット53の傾きがMからM2に変更されると、第1の回動部54の回動動作により軸方向Mと軸方向M2の間の角度β2分だけ撮影部56が前方に傾けられ、光軸Pの傾斜角度θが保持される。このとき同時に、検出されたぶれ量を打ち消すように第1の回動部54が回動される。
【0168】
一方、例えば、図20に示すように、スタートスイッチ58を操作してONにした(S13)後に操作者によってベースブラケット53の傾きがLからL3に変更されると、第2の回動部55の回動動作により軸方向Mと軸方向M3の間の角度γ2分だけ撮影部56が側方における逆方向に傾けられ、光軸Pの傾斜角度θが保持される。このとき同時に、検出されたぶれ量を打ち消すように第2の回動部55が回動される。
【0169】
上記の例に限らず、前方、後方、側方以外の方向にベースブラケット53が傾く場合も想定され、その場合には、それぞれの方向を合成した方向の角度の逆の方向へ回動部の回動動作が行われ、光軸Pの傾斜角度θが保持される。このとき同時に、検出されたぶれ量を打ち消すように第1の回動部54及び第2の回動部55が回動される。
【0170】
このときポテンショメーター63によって第1の駆動モーター62の出力軸62aの回転位置が検出され、ポテンショメーター66によって第2の駆動モーター65の出力軸65aの回転位置が検出され、それぞれの検出結果が制御回路70にフィードバックされる。
【0171】
(S17)スタートスイッチ58が操作されたか否かが検出される。スタートスイッチ58が操作されずONであることが検出されると(S15)に移行し、(S15)と(S16)の動作がスタートスイッチ58がOFFになったことが検出されるまで繰り返される。スタートスイッチ58が操作されてOFFになったことが検出されると(S18)に移行する。
【0172】
(S18)スタートスイッチ58がOFFになったことが検出されると、ピッチング方向及びヨーイング方向の両方向において撮影部56の光軸Pがベースブラケット53の軸方向Mに一致するように制御される(図17参照)。この制御は(S12)の動作と同様に、ポテンショメーター63、66の検出結果に応じてそれぞれ第1の駆動モーター62と第2の駆動モーター65が動作されることにより行われる。従って、第1の回動部54と第2の回動部55が中立位置に戻る。
【0173】
(S19)電源スイッチ57が操作されたか否かが検出される。電源スイッチ57が操作されずONであることが検出されると(S18)に移行し、(S18)の状態が保持され電源スイッチ57がOFFになったことが検出されるまで(S18)の状態が保持される。電源スイッチ57が操作されてOFFになったことが検出されると動作が終了する。
【0174】
上記したように、撮像装置50にあっては、(S12)において、電源スイッチ57が操作されて電源が入力されたときに、第1の回動部54と第2の回動部55が回動範囲における中央である中立位置に保持されるように制御される。
【0175】
従って、ぶれ補正時の第1の回動部54と第2の回動部55の回動動作がそれぞれ回動範囲における反対側においてほぼ同じ範囲で行われるため、広い制御範囲でぶれ補正が行われ制御動作の適正化を図ることができる。
【0176】
また、(S12)において、電源スイッチ57が操作されて電源が入力されたときに、撮影部56の光軸Pがベースブラケット53に対して一定の傾斜角度θで保持されるように制御される。
【0177】
従って、ぶれ補正の動作の開始時に、常に、撮影部56のベースブラケット53に対する角度が同じにされており、制御の開始位置が一定であるため、ぶれ補正の制御が容易であると共にぶれ補正の動作の信頼性が高くぶれ補正時における撮影部56の位置精度の向上を図ることができる。
【0178】
さらに、補正部が第1の駆動モーター62と第2の駆動モーター65とポテンショメーター63とポテンショメーター66によって構成されているため、機構の簡素化を図った上でぶれ補正の精度の向上を図ることができる。
【0179】
尚、撮像装置50には被写体の撮影を開始又は終了する図示しない撮影スイッチ(録画スイッチ)が設けられているが、この撮影スイッチをスタートスイッチ58と別に設けてもよく、また、スタートスイッチ58を撮影スイッチとしても設けることが可能である。
【0180】
ぶれ補正の制御を開始するためのスタートスイッチ58を撮影スイッチとしても設けることにより、スタートスイッチ58が操作されたときにぶれ補正の制御が開始されると共に撮影部56による被写体の撮影が開始され、操作性の向上を図ることができる。
【0181】
また、スタートスイッチ58を撮影スイッチとしても設けることにより、撮影部56による撮影時に、常に、ぶれ補正動作が行われ、撮影した画像の画質の向上を図ることができる。
【0182】
[まとめ]
以上に記載した通り、ぶれ補正装置1及び撮像装置50にあっては、光軸Pの地表100に対する傾斜角度θとぶれ量を検出し、これらの検出結果に基づいて撮影部5、56を回動させてぶれ補正を行い光軸Pの傾斜角度θを一定にすると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行っている。
【0183】
従って、ぶれ補正装置1又は撮像装置50を傾けた状態で使用したときに、高画質の画像を撮影することができると共に撮影に際する使用態様が広く、使い勝手の向上を図った上で高品質の画像を撮影することができる。
【0184】
また、回動機構として互いに直交する方向へ撮影部5、56を回動させる第1の回動部3、54と第2の回動部4、55を設けているため、ぶれ補正の精度の向上を図ることができる。
【0185】
尚、上記には、ぶれ補正装置1及び撮像装置50において、撮影部5、56を互いに直交する2方向へ回動させる例を示したが、例えば、撮影部5、56を1方向へ回動させてぶれ補正を行う構成にすることも可能である。
【0186】
[その他]
上記には、ぶれ検出センサーによって手ぶれによるベース部(グリップ2又はベースブラケット53)のぶれ量を検出する例を示したが、例えば、ぶれ補正装置1又は撮像装置50の全体や撮影部5、56がぶれ検出センサーによって検出されるようにしてもよい。
【0187】
また、上記したぶれ補正装置1においては、撮影部5をピッチング方向とローリング方向へ回動可能な構成にしたが、回動方向はこれに限られることはなく、撮影部5をピッチング方向とローリング方向とヨーイング方向のうちの何れか2方向へ回動可能に構成することができる。
【0188】
さらに、上記した撮像装置50においては、撮影部56をピッチング方向とヨーイング方向へ回動可能な構成にしたが、回動方向はこれに限られることはなく、撮影部56をピッチング方向とローリング方向とヨーイング方向のうちの何れか2方向へ回動可能に構成することができる。
【0189】
さらにまた、上記には、補正部として第1の駆動モーター15、62、第2の駆動モーター21、65を設けた例を示したが、補正部は駆動モーターに限られることはなく、補正部として、例えば、圧電素子等の他の駆動手段を用いることも可能である。
【0190】
[本技術]
本技術は、以下のような構成とすることができる。
【0191】
(1)被写体を撮影する撮影部を回動可能に保持する保持部と、前記撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記保持部のぶれ量とを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行う補正部とを備えたぶれ補正装置。
【0192】
(2)前記保持部は前記撮影部を回動させる回動機構と前記回動機構を支持するベース部とを有し、前記回動機構として、前記撮影部を第1の支軸を支点として第1の方向へ回動させる第1の回動部と、前記撮影部を前記第1の支軸に直交する第2の支軸を支点として第2の方向へ回動させる第2の回動部とを設けた前記(1)に記載のぶれ補正装置。
【0193】
(3)前記検出部として前記傾斜角度及び前記ぶれ量を検出する加速度センサーを用いた前記(1)又は前記(2)に記載のぶれ補正装置。
【0194】
(4)前記検出部として前記ぶれ量を検出する加速度センサー及び角速度センサーを用いた前記(1)から前記(3)の何れかに記載のぶれ補正装置。
【0195】
(5)前記補正部として駆動モーターと前記駆動モーターの出力軸の回転位置を検出するポテンショメーターとを設けた前記(1)から前記(4)の何れかに記載のぶれ補正装置。
【0196】
(6)前記保持部として持ち手として機能するグリップを設け、前記グリップに前記検出部を配置した前記(1)から前記(5)の何れかに記載のぶれ補正装置。
【0197】
(7)電源の入力及び停止を行う電源スイッチを設け、前記電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、前記第1の回動部と前記第2の回動部がそれぞれ回動範囲における中央に保持されるようにした前記(2)から前記(6)の何れかに記載のぶれ補正装置。
【0198】
(8)前記保持部として持ち手として機能するグリップを設け、電源の入力及び停止を行う電源スイッチを設け、前記電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、前記撮影部の光軸が前記グリップに対して一定の角度で保持されるようにした前記(1)から前記(7)の何れかに記載のぶれ補正装置。
【0199】
(9)ぶれ補正の制御を開始するためのスタートスイッチを設け、前記スタートスイッチに対する操作によってぶれ補正の制御が開始されると共に撮影部での被写体の撮影が開始されるようにした前記(1)から前記(8)の何れかに記載のぶれ補正装置。
【0200】
(10)撮影される画像のぶれを補正するぶれ補正装置と内部に前記ぶれ補正装置が配置された筐体とを備え、前記ぶれ補正装置は、被写体を撮影する撮影部と、前記撮影部を回動可能に保持する保持部と、前記撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記保持部のぶれ量とを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行う補正部とを備えた撮像装置。
【0201】
(11)被写体を撮影する撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記撮影部を回動可能に保持する保持部のぶれ量とを検出部によって検出し、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を補正部によって行うぶれ補正方法。
【0202】
(12)被写体を撮影する撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記撮影部を回動可能に保持する保持部のぶれ量とを筐体の内部に配置されたぶれ補正装置の検出部によって検出し、前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を前記ぶれ補正装置の補正部によって行う撮像方法。
【0203】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本技術を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】図2乃至図12と共に本技術ぶれ補正装置の実施の形態を示すものであり、本図は、斜視図である。
【図2】分解斜視図である。
【図3】正面図である。
【図4】側面図である。
【図5】第1の回動部と第2の回動部の位置が変更された例を示す斜視図である。
【図6】回路構成等を示すブロック図である。
【図7】図8乃至図12と共にぶれ補正装置の動作を説明するためのものであり、本図は、フローチャート図である。
【図8】電源スイッチが操作されたときに光軸がグリップの軸方向に垂直にされた状態を示す側面図である。
【図9】電源スイッチが操作されたときに光軸がグリップの軸方向に垂直にされた状態を示す正面図である。
【図10】グリップが前方に傾いたときにぶれ補正が行われた状態を示す側面図である。
【図11】グリップが後方に傾いたときにぶれ補正が行われた状態を示す側面図である。
【図12】グリップが側方に傾いたときにぶれ補正が行われた状態を示す側面図である。
【図13】図14乃至図20と共に本技術撮像装置の実施の形態を示すものであり、本図は、概略正面図である。
【図14】概略側面図である。
【図15】回路構成等を示すブロック図である。
【図16】図17乃至図20と共に撮像装置の動作を説明するためのものであり、本図は、フローチャート図である。
【図17】電源スイッチが操作されたときに光軸がベースブラケットの軸方向に垂直にされた状態を示す概略側面図である。
【図18】ベースブラケットが前方に傾いたときにぶれ補正が行われた状態を示す概略側面図である。
【図19】ベースブラケットが後方に傾いたときにぶれ補正が行われた状態を示す概略側面図である。
【図20】ベースブラケットが側方に傾いたときにぶれ補正が行われた状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0205】
1…ぶれ補正装置、2…グリップ(ベース部)、3…第1の回動部、4…第2の回動部、5…撮影部、8…電源スイッチ、9…スタートスイッチ、10…加速度センサー、11…角速度センサー、15…第1の駆動モーター、15a…出力軸、18…ポテンショメーター、21…第2の駆動モーター、21a…出力軸、24…ポテンショメーター、50…撮像装置、51…筐体、52…ぶれ補正装置、53…ベースブラケット(ベース部)、54…第1の回動部、55…第2の回動部、56…撮影部、57…電源スイッチ、58…スタートスイッチ、59…加速度センサー、60…角速度センサー、62…第1の駆動モーター、62a…出力軸、63…ポテンショメーター、65…第2の駆動モーター、65a…出力軸、66…ポテンショメーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影部を回動可能に保持する保持部と、
前記撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記保持部のぶれ量とを検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行う補正部とを備えた
ぶれ補正装置。
【請求項2】
前記保持部は前記撮影部を回動させる回動機構と前記回動機構を支持するベース部とを有し、
前記回動機構として、前記撮影部を第1の支軸を支点として第1の方向へ回動させる第1の回動部と、前記撮影部を前記第1の支軸に直交する第2の支軸を支点として第2の方向へ回動させる第2の回動部とを設けた
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項3】
前記検出部として前記傾斜角度及び前記ぶれ量を検出する加速度センサーを用いた
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項4】
前記検出部として前記ぶれ量を検出する加速度センサー及び角速度センサーを用いた
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項5】
前記補正部として駆動モーターと前記駆動モーターの出力軸の回転位置を検出するポテンショメーターとを設けた
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項6】
前記保持部として持ち手として機能するグリップを設け、
前記グリップに前記検出部を配置した
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項7】
電源の入力及び停止を行う電源スイッチを設け、
前記電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、前記第1の回動部と前記第2の回動部がそれぞれ回動範囲における中央に保持されるようにした
請求項2に記載のぶれ補正装置。
【請求項8】
前記保持部として持ち手として機能するグリップを設け、
電源の入力及び停止を行う電源スイッチを設け、
前記電源スイッチが操作されて電源が入力されたときに、前記撮影部の光軸が前記グリップに対して一定の角度で保持されるようにした
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項9】
ぶれ補正の制御を開始するためのスタートスイッチを設け、
前記スタートスイッチに対する操作によってぶれ補正の制御が開始されると共に撮影部での被写体の撮影が開始されるようにした
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項10】
撮影される画像のぶれを補正するぶれ補正装置と内部に前記ぶれ補正装置が配置された筐体とを備え、
前記ぶれ補正装置は、
被写体を撮影する撮影部と、
前記撮影部を回動可能に保持する保持部と、
前記撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記保持部のぶれ量とを検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を行う補正部とを備えた
撮像装置。
【請求項11】
被写体を撮影する撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記撮影部を回動可能に保持する保持部のぶれ量とを検出部によって検出し、
前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を補正部によって行う
ぶれ補正方法。
【請求項12】
被写体を撮影する撮影部における光軸の地表に対する傾斜角度と前記撮影部を回動可能に保持する保持部のぶれ量とを筐体の内部に配置されたぶれ補正装置の検出部によって検出し、
前記検出部の検出結果に基づいて前記光軸の前記地表に対する前記傾斜角度を一定に保持すると共にぶれ量を低減させるぶれ補正を前記ぶれ補正装置の補正部によって行う
撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−26681(P2013−26681A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157046(P2011−157046)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】