説明

ろ材パックまたはエアフィルタ搬送用のプラスチックダンボール通函

【課題】ろ材パックあるいはエアフィルタを搬送用として、何回でも繰り返し再利用できるようにしたプラスチックダンボール通函を提供する。
【解決手段】ろ材パックあるいはエアフィルタを搬送する場合は組み立て状態とし、搬送後は、折り畳み状態で返送でき、何回でも繰り返し再利用できるように面ファスナー17を使用したプラスチックダンボール通函。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス繊維や合成繊維または天然繊維などで構成された不織布あるいは織布をフィルタ基材としたろ材をジグザグ状に折り畳んでひだ折り加工し、ひだ折り加工したろ材間に適宜材質のビード状接着剤を挟み込んで一体にしたろ材パックあるいは前記ろ材間に適宜材質のビード状接着剤あるいはセパレータを挟み込んで全周を接着剤で枠に気密に取り付けたエアフィルタを搬送する際に使用するプラスチックダンボール通函に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ろ材パックまたはエアフィルタを搬送する箱は、コストを抑えるため、単価の安い紙製ダンボール箱が使用されている。そのため、強度が弱く、搬送中に傷がついたり、凹んだりして破損してしまい再び商品を運ぶ箱としては使用することができなかった。
【0003】
さらに、商品を箱に収納する際、粘着テープを使って箱の底や蓋を閉じることから、作業に手間がかかる煩わしさがある上、箱から商品を取り出すのに粘着テープを剥がした際、テープの粘着面に当たる箱の表層部がテープと一緒に剥離してしまい、外観が悪くなってしまうといった問題があった。このため、商品を一度搬送してしまうと、ごみとして廃棄処分せざるを得なかった。
【0004】
したがって、従来の紙製ダンボール箱は環境あるいはコスト面からも好ましいものではなく、好ましいろ材パックまたはエアフィルタを搬送する箱が望まれていた。
【発明の概要】

【発明が解決しょうとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ろ材パックまたはエアフィルタの搬送用として再利用可能にしたプラスチックダンボール通函を提供しょうとしたものである。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、プラスチックダンボール通函へのろ材パックまたはエアフィルタの出し入れを円滑且つ容易に行うことができるようにしたものである。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、プラスチックダンボール通函を再利用することによって搬送コスト牽いてはろ材パックまたはエアフィルタのトータルコストの低減を図ったものである。
【0008】
本発明のもう一つの目的は、搬送中に傷がついたり、凹んだりして破損することなく、十分な強度および剛性を備えたプラスチックダンボール通函を提供しょうとしたものである。
【0009】
本発明のもう一つの目的はろ材パックまたはエアフィルタの保護を確実にして搬送できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決手段は、ろ材パックまたはエアフィルタを搬送するダンボール通函の素材をプラスチック製としたものである。
【0011】
本発明のもう一つの解決手段は、プラスチックダンボール通函の適宜箇所にマジックテープをリベットで固定したものである。
【0012】
本発明のもう一つの解決手段は、マジックテープを使用してプラスチックダンボール通函を組み立て、折り畳みできるようにしたものである。
【0013】
本発明のもう一つの解決手段は、マジックテープでろ材パックまたはエアフィルタをプラスチックダンボール通函から出し入れできるようにしたものである。
【0014】
ここで、プラスチックダンボール通函はポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂またはこれらの混合物をその原料素材としたものである。
【0015】
そして、その作用は次の通りである。すなわち、ろ材パックまたはエアフィルタを搬送する場合は組み立て状態とし、ろ材パックまたはエアフィルタの搬送後は、折り畳み状態で返送でき、何回でも繰り返し再利用でき、無駄なく、経済的に優れ、構成簡単で十分な強度および剛性を備えた堅牢性、耐久性のある搬送用プラスチックダンボール通函である。
【発明の効果】
【0016】
(1)再利用が可能なので、搬送費のコストが削減でき、結果的にろ材パックまたはエアフィルタ価格のコストダウンに貢献できる。
(2)容易にろ材パックまたはエアフィルタの出し入れを可能にしたので、ろ材パックまたはエアフィルタを傷つけることがない。
(3)ダンボール通函をプラスチック製としたので、プラスチックダンボール通函に、ろ材パックまたはエアフィルタを収納し長期間保管しても湿気または乾燥など外気からの影響を防止できる。
(4)テープ、接着剤、ファスナーなどの接続手段を使用していないので、きわめて簡単容易に組み立てることができ、しかも解体が容易であるので再利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施例のプラスチックダンボール通函の展開図
【図2】図1の展開図を組み立てたプラスチックダンボール通函に、ろ材パックを収納している状態を示す斜視図
【図3】第2実施例のプラスチックダンボール通函の展開図
【図4】図3の展開図を組み立てたプラスチックダンボール通函にエアフィルタを収納している状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るろ材パックまたはエアフィルタ搬送用のプラスチックダンボール通函について添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0019】
第1の実施形態はろ材パックまたはエアフィルタ搬送用のダンボール通函を縦置き使用した場合について添付図面を参照に説明する。
【0020】
図1にはプラスチックダンボール板Zを平面展開した状態を示している。そのプラスチックダンボール板Zはほぼ四角形状の胴板1を有し、この胴板1の折り目線R2、R3を介して側板2、側板3が連接されている。また、胴板1には折り目線R4、R5を介して外蓋板4、底板5が連接されている。
【0021】
側板2には折り目線R6、R7を介して蓋フラップ6と底フラップ7が連接されている。側板3には折り目線R8、R9を介して蓋フラップ8と底フラップ9が連接されている。また、側板3には折り目線R10を介して胴板10が連接されている。
【0022】
胴板10には折り目線R11、R12を介して内蓋板11、内底板12が連接されている。また、胴板10にはR13を介して舌片13が連接されている。
また、外蓋板4にはR14を介して蓋片14が連接されている。
【0023】
底板5の適宜位置にマジックテープ15、15がリベットで取り付けられている。また内底板12には前記マジックテープ15、15と対応する位置にマジックテープ16、16がリベットで取り付けられている。
【0024】
蓋片14の適宜位置にはマジックテープ17、17がリベットで取り付けられている。また、胴板10には前記マジックテープ17、17と対応する位置にマジックテープ18、18がリベットで取り付けられている。
【0025】
底フラップ7と底フラップ9は底板5の略1/2の長さにそれぞれ形成されている。さらに、蓋フラップ6と蓋フラップ8は外蓋板4の略1/2の長さに形成されている。
【0026】
つぎに、展開状態のプラスチックダンボール板Zからプラスチックダンボール通函Wを組み立てる手順について説明する。
【0027】
まず、平面展開したプラスチックダンボール板Zの胴板1の折り目線R2、R3に沿って側板2,3を略直角に折り曲げる。次に側板3の折り目線R10に沿って胴板10を略直角に折り曲げる。さらに胴板10の折り目線R13に沿って舌片13を略直角に折り曲げ、舌片13を側板2の内面に重ね合わせて、舌片13と側板2とをプラスチック製リベットで一体にする。これによってダンボール通函Wの胴体部を形成する
【0028】
次に底フラップ7、9を略直角に折り曲げたのち、その上に内底板12を載せ、さらにその上に底板5を重ね合わせて、内底板12のマジックテープ16、16に底板5のマジックテープ15、15を貼り合わせる。これによってプラスチックダンボール通函Wの底部を形成する
【0029】
最後に、蓋フラップ6、8を略直角に折り曲げたのち、その上に内蓋板11を載せ、さらに外蓋板4を略直角に折り曲げ重ね合わせ、蓋片14のマジックテープ17、17を胴板10のマジックテープ18、18の上に重ね合わせて、プラスチックダンボール通函Wの組み立てを終了する。
【0030】
次に、ガラス繊維や合成繊維または天然繊維などで構成された不織布あるいは織布をフィルタ基材19としたろ材をジグザグ状に折り畳んでひだ折り加工し、ひだ折り加工したろ材間に適宜材質のビード状接着剤20を挟み込んで一体にしたろ材パックHあるいは前記ろ材間に適宜材質のビード状接着剤20あるいはセパレータを挟み込んで全周を接着剤で枠に気密に取り付けたエアフィルタKをプラスチックの袋に包んだ状態でプラスチックダンボール通函Wに納める手順について説明する。
【0031】
まず、プラスチックダンボール通函Wの胴板10のマジックテープ18、18から蓋片14のマジックテープ17、17を取り外し、外蓋板4、内蓋板11および蓋フラップ6、8を持ち上げることによりプラスチックダンボール通函Wの開口部を形成する。
【0032】
次に、プラスチックダンボール通函Wの開口部よりろ材パックHをダンボール通函W内に挿入し、再び蓋片14のマジックテープ17、17を胴板10のマジックテープ18、18の上に重ね合わせ、プラスチックダンボール通函Wへのろ材パックHの収納を完了する。
【実施例2】
【0033】
第2の実施形態はろ材パックまたはエアフィルタ搬送用のプラスチックダンボール通函Wを横置きにして使用する場合について添付図面に基づいて説明する。
【0034】
図3にはプラスチックダンボール板Vを平面展開した状態を示している。そのプラスチックダンボール板Vはほぼその中央部に四角形状の底板21を有し、この底板21の折り目線L2、L3を介して右側板22、左側板23が連接されている。また底板21の折り目線L4、L5を介して前側板24、後側板25が連接されている。
【0035】
また、前側板24の折り目線L6を介して蓋板26が、さらに後側板25の折り目線L7を介して蓋板27がそれぞれ連接されている。それぞれの蓋板26、27は底板21の略1/2の長さにそれぞれ形成されている。
【0036】
右側板22の折り目線L8を介して内蓋板28が、さらに左側板23の折り目線L9を介して内蓋板29が連接されている。それぞれの内蓋板28、29は底板21の略1/2の長さにそれぞれ形成されている。
【0037】
右側板22の折り目線L10、11を介して内フラップ30、内フラップ31が、左側板23の折り目線L12、13を介して内フラップ32、内フラップ33が連接されている。
【0038】
そして、内フラップ30、32は前側板24の略1/2の長さにそれぞれ形成されている。また、内フラップ31、33は後側板25の略1/2の長さにそれぞれ形成されている。
【0039】
内蓋板28の適宜位置にマジックテープ34、34が、内蓋板29の適宜位置にマジックテープ35、35がそれぞれリベットで取り付けられている。また蓋板26には前記マジックテープ34、35の片方に対応する位置にマジックテープ36、36、蓋板27には前記マジックテープ34、35の他方に対応する位置にマジックテープ37、37がリベットで取り付けられている。
【0040】
前側板24の適宜位置にマジックテープ38、38が、後側板25の適宜位置にマジックテープ39、39がそれぞれリベットで取り付けられている。また内フラップ30、32には前記マジックテープ38、38と対応する位置にマジックテープ40、42が、内フラップ31、33には前記マジックテープ39、39と対応する位置にマジックテープ41、43がリベットで取り付けられている。
【0041】
つぎに、展開状態のプラスチックダンボール板Vからプラスチックダンボール通函Wを組み立てる手順について説明する。
【0042】
まず、平面展開したプラスチックダンボール板Vの底板21の折り目線L2、L3を介して右側板22、左側板23を略直角に折り曲げ、さらに内フラップ30、31、32、33をそれぞれの折り目線L10、L11、L12、L13を介して略直角に折り曲げる。
【0043】
次に、折り目線L4、L5を介して前側板24、後側板25を略直角に折り曲げ、前側板24のマジックテープ38、38を内フラップ30、32のマジックテープ40、42に、後側板25のマジックテープ39、39を内フラップ31、33のマジックテープ41、43にそれぞれ重ね合わせ、プラスチックダンボール通函Wの胴体部を形成する
【0044】
最後に、内蓋板28、29を略直角に折り曲げたのち、その上に蓋板26、27を重ね、蓋板26のマジックテープ36、36の片方を内蓋板28のマジックテープ34、34の片方に、蓋板26のマジックテープ36、36の他方を内蓋板29のマジックテープ35、35の他方に、また蓋板27のマジックテープ37、37の片方を内蓋板28のマジックテープ34、34の片方に蓋板27のマジックテープ37、37の他方を内蓋板29のマジックテープ35、35の他方にそれぞれ重ね合わせプラスチックダンボール通函Wの組み立てを終了する。
【0045】
次に、ろ材パックHあるいはエアフィルタKをプラスチックの袋に包んだ状態でプラスチックダンボール通函Wに納める手順について説明する。
【0046】
プラスチックダンボール通函Wの内蓋板28、29のマジックテープ34、35から蓋板26.27のマジックテープ36、37を取り外し、内蓋板28、29および蓋板26.27を上へ持ち上げることによりプラスチックダンボール通函Wの開口部を形成する。
【0047】
これにより、プラスチックダンボール通函Wの開口部よりエアフィルタKを挿入し、再び蓋板26.27のマジックテープ36、37を内蓋板28、29のマジックテープ34、35の上に重ね合わせることにより、プラスチックダンボール通函WへのエアフィルタKの収納を終了する。
【0048】
なお、上記実施例では1実施例を述べただけで、これに限定されることなく種々変更しても何ら本発明の要旨を変更するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明はろ材パックあるいはエアフィルタを搬送する時に使用するプラスチックダンボール通函を何回でも繰り返し再利用でき、無駄なく、経済的に優れた実用上甚だ大なるものである。
【符号の説明】
【0050】
1,10・・・胴板 2・・・側板 3・・・側板
4・・・外蓋板 5・・・底板 6,8・・・蓋フラップ
7,9・・・底フラップ 11・・・内蓋板 12・・・、内底板
13・・・舌片 14・・・蓋片 15〜18・・・マジックテープ
R1〜R14・・・折り目線 19・・・フィルタ基材
20・・・ビード状接着剤 21・・・底板 22・・・右側板
23・・・左側板 24・・・前側板 25・・・後側板
26,27・・・蓋板 28,29・・・内蓋板
30〜33・・・内フラップ 34〜43・・・マジックテープ
L2〜L13・・・折り目線 V、Z・・・プラスチックダンボール板
W・・・プラスチックダンボール通函
H・・・ろ材パック K・・・エアフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス繊維や合成繊維または天然繊維などで構成された不織布あるいは織布をフィルタ基材としたろ材をジグザグ状に折り畳んでひだ折り加工し、ひだ折り加工したろ材間に適宜材質のビード状接着剤を挟み込んで一体にしたろ材パックあるいは前記ろ材間に適宜材質のビード状接着剤あるいはセパレータを挟み込んで全周を接着剤で枠に気密に取り付けたエアフィルタを搬送するに際して、何回でも繰り返し再利用できるようにしたことを特徴とするろ材パックまたはエアフィルタ搬送用のプラスチックダンボール通函。
【請求項2】
マジックテープを使用して組み立て、折り畳みできるようにしたことを特徴とする請求項1のろ材パックまたはエアフィルタ搬送用のプラスチックダンボール通函。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−41084(P2012−41084A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196146(P2010−196146)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(000193047)進和テック株式会社 (36)
【出願人】(390040888)日本エアー・フィルター株式会社 (45)
【Fターム(参考)】