説明

ろ過材、及びそれを含む水ろ過システム

ろ過材は、a)70〜130マイクロメートルのD50及び25〜50マイクロメートルのD10を有する活性炭粒子を55〜80重量%と、b)20〜40マイクロメートルの範囲であるD50及び2〜20マイクロメートルの範囲であるD10を有する第1の触媒活性炭粒子を5〜20重量%と、c)少なくとも活性炭粒子と触媒活性炭粒子とを結合して多孔質単一体にする、10〜30重量%の熱可塑性結合剤と、を含み、構成成分a)〜c)の重量%は、構成成分a)〜c)の総重量に基づく。このろ過材を含む水ろ過システムもまた、開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、水ろ過用フィルター及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
水の不純物を除去する従来の方法は、活性炭フィルターの使用を含むものである。1つの一般的なタイプの活性炭フィルターは、「炭素ブロックフィルター」として知られている。炭素ブロックフィルターは、熱可塑性結合剤によって合体された活性炭粒子を有し、通常、成形又は押し出し成形されて、形状のあるブロック(例えば、中空円筒又は円盤)を形成する。
【0003】
塩素の代わりにクロラミンを都市用水処理の消毒剤として使用することは、米国及び他の諸国において、より一般的になってきている。概して、クロラミンは水の味を悪くするので、一部の用途(例えば、飲用水)ではそれを除去することが望ましい。
【0004】
活性炭を用いてクロラミンを除去することは、塩素の除去よりもはるかに難しい。クロラミンの除去が困難であるために、活性炭製造業者(例えば、MeadWestvaco及びCalgon Carbon)は、従来の活性炭に比べてクロラミン除去の触媒活性が強化された「触媒活性炭」として当該技術分野で既知の炭素を開発した。そのような炭素を用いてさえも、都市用水に見出される他のほとんどの化学的汚染物質よりはるかに多くの接触時間がクロラミン除去には要求される。
【0005】
結果として、現況技術のクロラミン除去用フィルターは、概して大きく、多くの場合、クロラミンのみを除去するために設計されている。そのようなフィルターは、商用水ろ過としての用途、例えば食品サービス用途を有するが、フィルターが比較的小さい物理的サイズを有して複数の汚染物質を除去することが望ましい住宅用途としては不適である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本開示はろ過材を提供し、このろ過材は構成成分として、
a)D50が70〜130マイクロメートルの範囲であり、D10が25〜50マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、55〜80重量%の活性炭粒子と、
b)D50が20〜40マイクロメートルの範囲であり、D10が2〜20マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、5〜20重量%の第1の触媒活性炭粒子と、
c)10〜30重量%の熱可塑性結合剤と、を含み、この熱可塑性結合剤が、少なくとも活性炭粒子と触媒活性炭粒子とを結合して多孔質単一体にするものであり、
構成成分a)〜c)の重量%は、構成成分a)〜c)の総重量に基づく。
【0007】
別の態様において、本開示は水ろ過システムを提供し、このシステムは、
出口ポートに流体接続された入り口ポートを有するハウジングと、
入り口ポートを通ってハウジングに進入する水がろ過材を通過してから出口ポートに到達するようにハウジング内に位置づけられたろ過材と、を備え、このろ過材が、構成成分として、
a)D50が70〜130マイクロメートルの範囲であり、D10が25〜50マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、55〜80重量%の活性炭粒子と、
b)D50が20〜40マイクロメートルの範囲であり、D10が2〜20マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、5〜20重量%の第1の触媒活性炭粒子と、
c)10〜30重量%の熱可塑性結合剤と、を含み、この熱可塑性結合剤が、少なくとも活性炭粒子と触媒活性炭粒子とを結合して多孔質単一体にするものであり、
構成成分a)〜c)の重量%は、構成成分a)〜c)の総重量に基づく。
【0008】
いくつかの実施形態では、ハウジングは頭部と本体部とを備え、頭部は入り口ポートと出口ポートとを備え、頭部と本体部は水漏れのないシールを形成するように互いに機械的に係合可能である。これらの実施形態のいくつかでは、頭部と本体部とは、頭部と本体部とを相対的にねじり合わせることを含む動作によって機械的に係合可能である。
【0009】
いくつかの実施形態では、ろ過材は、少なくとも1つの鉛除去媒体を最高20重量%までの量で更に含む。これらの実施形態のいくつかでは、この少なくとも1つの鉛除去媒体は、陽イオン交換樹脂を含む。いくつかの実施形態では、ろ過材は、D50が130〜140マイクロメートルの範囲であり、D10が70〜80マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する第2の触媒活性炭粒子を最高20重量%まで更に含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性結合剤は、熱可塑性ポリオレフィンを含む。いくつかの実施形態では、多孔質単一体は、それ自体に、ろ過材の長手方向軸に実質的に沿って形成された導管を有する。
【0010】
有利なことに、本開示によるろ過材は、クロラミンを他の水汚染物質(例えば、VOC、トリハロメタン、鉛、シストスポリジウム(cystosporidium)等)と同時に除去する比較的高い能力を有する。更に、本開示によるろ過材は、コンパクトなサイズに作製されても、かなりの流量を同時に達成する一方で、これまでのろ過材に比べてクロラミン、VOC、及び所望により鉛、及び他の汚染物質を水から除去する比較的高い能力を達成することができる。
【0011】
特に言及しない限り、又は明らかな誤りでない限り、本開示の態様の参照においては、前述の実施形態の任意の組み合わせを本開示の実用に使用できるものと想定される。
【0012】
本明細書で使用するとき、
「触媒活性炭」とは、水ろ過技術においてその通常の意味を有し、水中での触媒によるクロラミン分解が活性炭よりも実質的に効果的であるようなやり方で調製された(化学的に含浸されていない)活性炭を指す。
【0013】
「活性炭」とは、触媒活性炭を除く、それ以外の活性炭を指す。
【0014】
「D10」とは、粒子分布中の粒子のわずか10体積%がそれより小さい粒径を指す。
【0015】
「D50」とは、粒子分布中の粒子の50体積%がそれより小さい粒径を指す(また、一般に当該技術分野において、平均又は中間粒径と呼ばれる)。
【0016】
「D90」とは、粒子分布中の粒子の90体積%がそれより小さい粒径を指す。
【0017】
「多孔質単一体」とは、その内部全体に延在する連続的な孔の網状組織を有する単体を指す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】本開示による中空円筒形ろ過材を備える代表的な炭素ブロックフィルターカートリッジの分解斜視図。
【図1B】本開示によるシンブル形のろ過材を備える代表的な炭素ブロックフィルターカートリッジの分解斜視図。
【図2】本開示によるろ過材を備える代表的な水ろ過システムの側断面図。
【図3】本開示によるろ過材を備える代表的な水ろ過システムの側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示によるろ過材は、a)D50が70〜130マイクロメートルの範囲であり、D10が25〜50マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、55〜80重量%の活性炭粒子と、b)D50が20〜40マイクロメートルの範囲であり、D10が2〜20マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、5〜20重量%の第1の触媒活性炭粒子と、c)10〜30重量%の熱可塑性結合剤と、を含み、この熱可塑性結合剤が、少なくとも活性炭粒子と触媒活性炭粒子とを結合して多孔質単一体にするものであり、構成成分a)〜c)の重量%は、構成成分a)〜c)の総重量に基づく。ろ過材は任意の形を有することができるが、典型的には、特定のろ過システムでの使用のためのサイズ及び形である。例えば、図1A〜1Cに図示するように、本開示によるろ過材は、中空円筒(例えば、図1Aのろ過材101を参照)、シンブル(例えば、図1Bのろ過材102を参照)、又は円盤(例えば、図2の円盤形のろ過材203を参照)の形にすることができる。所望により、ろ過材の1つ以上の端に、対応する端キャップをかぶせることができる。
【0020】
例えば、図1Aは、ろ過材101(中空円筒形をしている)を有する代表的なフィルターカートリッジ181を示す。ろ過材101は、閉じたキャップ120及びキャップ122に接着シールされる。キャップ122は、対応するハウジング(図示せず)にて取り付け具と係合するように適応される、Oリング140で嵌められた出口ポート管145(典型的に、例えば天然ゴム、シリコーン、又はフルオロエラストマーのような弾性材で作製される)を有する。所望によるメッシュ110は、例えば取り扱い中のろ過材101の保護を助ける。所望によるメッシュ110は、例えば、プラスチックネット、スクリム、布地、又は金属スクリーンである場合がある。
【0021】
図1Bは、シンブル形のろ過材102を有する別の代表的なフィルターカートリッジ182を示す。ろ過材102は、図1Aのように、キャップ122に接着シールされる。キャップ122は、対応するハウジング(図示せず)にて取り付け具と係合するように適応される、Oリング140で嵌められた出口ポート管145を有する。所望によるメッシュ110は、ろ過材101の保護を助ける。
【0022】
図2は、円盤形のろ過材203を有する代表的な水ろ過システム200を示す。円盤形のろ過材203は、入り口ポート245を有する入り口ポートキャップ261と、出口ポート247を有する出口ポートキャップ262との間に接着シールされる。
【0023】
活性炭は、概して、例えば堅果殻、竹、骨、ヤシ殻、木材、又は炭のような炭素質の原料から生産される。活性炭は、炭化と活性化/酸化との組み合わせによって生産され得る。炭化の間、生の石炭材料は600〜900℃の範囲の温度で無空気環境(例えば、窒素又はアルゴン雰囲気中で)熱分解される。活性化/酸化では、生の石炭材料又は炭化材を、250℃を超える温度(通常は600〜1200℃)で酸化雰囲気(例えば、二酸化炭素、酸素、又は蒸気)に曝露する。場合によっては、酸(例えばリン酸)若しくは塩基(例えば水酸化カリウム)又は金属塩(例えば塩化亜鉛)のような化学品に含浸した後、450〜900℃の範囲の温度で炭化する。
【0024】
活性炭は、概して、吸着によって材料を結合する。いったん調製された活性炭は、任意の好適な手法(例えば、破砕及び/又はミリング)により所望の粒径分布に粉砕することができ、典型的には、得られた粉末をその後に分類(例えば空気式分類又はふるい分けによって)して、平均粒径を有する粒径分布(すなわち、D50が70〜130マイクロメートルの範囲であり、D10が25〜50マイクロメートルの範囲である)を得ることができる。活性炭粉末の市販元は数多く、例えば、Calgon Carbon Corp.(Pittsburgh,PA)、MeadWestvaco Corp.(Glen Allen,VA)、Kuraray Co.,Ltd.(Okayama,Japan)が挙げられる(例えば、実施例の表1に記載されている)。
【0025】
活性炭粉末の配合物及び混合物が使用される場合もある。そのような場合は、全体としての組み合わせが所望の範囲内の粒径分布を有する限り、それぞれが異なる粒径分布を有していてもよい。
【0026】
本開示によるろ過材は、構成成分a)〜c)の総重量に基づき、D50が20〜40マイクロメートルの範囲であり、D10が2〜20マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する活性炭粒子を55〜80重量%含む。例えば、活性炭粒子は、構成成分a)〜c)の総重量に基づき、55、60、又は65重量%から最高70、75、又は80重量%までもの量で存在することができる。
【0027】
触媒活性炭は、典型的に、活性炭の作製のためのチャーリングプロセスと同様のプロセスによって生産されるが、プロセスのどこかの時点で窒素含有材料(例えば、アンモニア、尿素など)を含む。その結果得られた触媒活性炭は、水中での触媒作用によりクロラミンを効果的に分解する。触媒活性炭は、例えば、米国特許第6,342,129号(Vaughnら)及び同第5,338,458号(Carrubba)に記載されている手順により調製することができる。この方法により作製されたと考えられる(believed to be made)触媒活性炭(瀝青系)は、商品名「Centaur」としてCalgon Carbon Corp.から市販されている。また、触媒活性炭は、例えば、転じて米国特許第4,624,937号(Chou)として参照されるようになる米国特許第6,706,194 B2号(Bakerら)に記載されている方法によっても調製できる。この方法において、アンモニアのような窒素源は、活性化/酸化工程中に酸化ガスに含まれる。このタイプの触媒活性炭の市販ソースとしては、例えば、商品名「Nuchar AquaGuard」としてMeadWestvaco Corp.が市販する触媒活性炭が含まれると考えられる。
【0028】
市販されている活性炭粒子及び/又は触媒活性炭粒子の平均粒径分布が所望の粒径分布でない場合は、例えば破砕及び/若しくはミリング並びに/又は空気式分類及び/若しくはふるい分けのような周知の手法を用いて、触媒活性炭粒子(例えば、顆粒又は粉末)の粉砕及び/又は分類を実行することができる。
【0029】
本開示によるろ過材は、構成成分a)〜c)の総重量に基づき、D50が20〜40マイクロメートルの範囲であり、D10が2〜20マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する活性炭粒子を5〜20重量%含む。例えば、活性炭粒子は、構成成分a)〜c)の総重量に基づき、5又は10重量%から最高15又は20重量%までの量で存在することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1の触媒活性炭と同じか、又は異なる化学組成物を有する場合があるが、より大きい粒径範囲を有する第2の触媒活性炭もまた、本開示によるろ過材に含まれる場合がある。例えば、D50が130〜140マイクロメートルの範囲であり、D10が70〜80マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する第2の触媒活性炭粒子を、構成成分a)〜c)の総重量に基づいて最高20重量%まで(例えば、0.1から5、10、15、又は多くは20重量%までの範囲)の量でろ過材に含めることができる。
【0031】
本開示によるろ過材は、活性炭粒子と触媒活性炭粒子とを結合して多孔質単一体(例えば炭素ブロックフィルターとして)にする熱可塑性結合剤を構成成分a)〜c)の総重量に基づいて10〜30重量%含む。概して、飲用水用途では、熱可塑性結合剤は直接に食品と接触するものとして承認された材料であるべきだが、他の用途では、これは考慮されなくてもよい。熱可塑性ポリマーの配合物及び混合物を、熱可塑性結合剤として使用することができる。好適な熱可塑性ポリマーの例としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリアミド、ポリエステル、セルロースエステル、セルロースエーテル、エチレンビニルアセテート共重合体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。多孔質単一体の作製を促進するために、熱可塑性結合剤は、典型的に顆粒、又は、より典型的には粉末形態で用いられる。いくつかの実施形態では、結合剤は、高密度ポリエチレン、特にTicona(Florence,KY)から入手可能なGURタイプのものを含む。
【0032】
所望により、本開示によるろ過材は、更に、1つ以上の鉛除去媒体を含むことができる。有用な鉛除去媒体としては、例えば、活性アルミナ及び陽イオン交換樹脂が挙げられる。例えば、活性アルミナビードを使用することができる。また、有用なものとして、ATS(チタンケイ酸塩)のような鉛除去媒体、例えば、ATS粉末という商品名でBASF Corp.(Parsippany,NJ)が市販するようなものが挙げられる。鉛除去媒体の組み合わせもまた、使用することができる。任意の鉛除去媒体が存在する場合、その量は、意図される用途のために典型的に調整される(例えば、鉛及び他の汚染物質の相対的な量に応じて)。
【0033】
本開示によるろ過材は、構成成分a)〜c)及び任意の所望の構成成分を混合し、混合物を金型に入れ、典型的には、混合物を圧縮すること(例えば、超音波振動又は衝撃充填によって)、及び熱可塑性結合剤が十分に柔らかくなり、冷却の際に構成成分が融合して多孔質単一体になる温度に加熱することによって、典型的には、形成される。「衝撃充填」という用語は、金型に力が適用されて金型内の粒子の少なくとも一部の動きを誘導する、不連続の実質的に垂直な移動を生じ、粒子に金型内でコンパクトな配向をとらせることを意味する。これは、型が固定されている台を槌で打つ、及び空気圧シリンダから台へ衝撃を与える等の間接法、並びに一連の衝撃運動(jarring motion)により型を移動させる任意の好適な直接法を含む。衝撃充填には、金型に適用される一連の不連続の変位(すなわち、衝撃)が含まれる場合がある。衝撃充填は、変位の間に移動しない又は少ししか移動しない期間が存在する振動とは異なる。変位の間の時間は、典型的には少なくとも0.5(いくつかの実施形態では、少なくとも1、2、3、5、又は更には少なくとも10)秒である。
【0034】
典型的には、本開示によるろ過材は、炭素ブロックフィルターとして効果的に作用できる(例えば、フィルターカートリッジとしての使用のために適応される)ような形及び寸法を有するが、これは要件ではない。本開示によるろ過材は、更に、例えば、ケイソウ土、抗菌材、シリカ、ゼオライト、アルミナ、イオン交換体、ヒ素除去媒体、電荷修正された粒子、チタンケイ酸塩、チタン酸化物、金属酸化物及び/又は水酸化物、並びにこれらの組み合わせを含む汚染物質の除去に使用される追加的な材料を含むことができる。
【0035】
有利なことに、本開示によるろ過材は、当該技術分野のほぼ同等のサイズ及び形のフィルターより高い単位体積当たりの能力(すなわち、より長いフィルターカートリッジ寿命)を有するように調製することができる。
【0036】
本開示によるろ過材は、概して、典型的な都市用水供給圧での水が1.9、2.8、3.8、5.7、7.6、11.4、15.1、又は更には18.9リットル/分(0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、又は更には5ガロン/分)の実質流量で流れるように動作可能に作製されるが、これは要件ではない(例えば、運転水圧がより低い又はより高い場合がある)。
【0037】
典型的には、ろ過材にわたる圧力低下は、ろ過材を通る流量と逆相関する。圧力低下は、典型的には、例えば、ろ過材のサイズ及び有孔率に依存する。より高い圧力低下は、単位体積当たりの汚染物質を除去するろ過能力がより高いこと(すなわち、コンパクトフィルター)と典型的に関連付けられるが、ろ過材の物理的損傷により低減したフィルター寿命ともまた、典型的に関連付けられる。したがって、典型的には、意図される用途に応じて性能のバランスがとられる。例えば、冷蔵庫フィルターは、典型的には、約170kPa(25ポンド/平方インチ(psi))の最大圧力低下及び少なくとも約1.9リットル/分(0.5ガロン/分)の流量を有するように設計され、一方、食品サービスフィルターは、典型的には、約100kPa(15psi)の最大圧力低下及び少なくとも約19リットル/分(5ガロン/分)の流量を有するように設計され、エントリーポイントフィルター(point of entry filter)は、典型的には、約34kPa(5psi)の最大圧力低下及び少なくとも約38リットル/分(10ガロン/分)の流量を有するように設計される。本開示によるろ過材は、例えば意図される用途に応じて、任意の所望の圧力低下及び/又は流量を有するように作製することができる。
【0038】
本開示によるろ過材は、例えば水ろ過システムに有用である。図3は、代表的な水ろ過システム300を示す。水ろ過システム300は、出口ポート350に流体接続された入り口ポート340を有するハウジング330を備える。本開示によるろ過材102は、入り口ポート340を通ってハウジング330に入る任意の水(図示せず)がろ過材310を通過して導管380に入ってから出口ポート350に到達してそこから出るように、キャップ122でシールされ、ハウジング330内に位置づけられる。Oリング140は、キャップ122の出口ポート350と出口ポート管145との間に水漏れのないシールを形成する。
【0039】
図示したように、ハウジング330は、頭部390及び本体部392を備える。頭部390は、入り口ポート340及び出口ポート350を含む。頭部390及び本体部392は、水漏れのないシールを形成するために互いに機械的に係合可能(ねじ山394として図示されている)である。そのような実施形態では、頭部及び本体部は、頭部と本体部とを相対的にねじり合わせること(例えば、差し込み装着又はねじ山)を含む動作によって機械的に係合可能である場合がある。
【0040】
所望により、本開示の水ろ過システムを、1つ以上の追加的な水調整要素と組み合わせて使用することができる。しかし、実際の使用場所での都市飲用水用途(例えば、水道水フィルター)で、クロラミンが汚染物質である場合は、本開示による水ろ過システムは、典型的には、汚染物質除去に十分に効果的であるので、下流の追加的な水調整要素は必要ない。
【0041】
本発明の目的及び利点を以下の非限定的な実施例により更に例示するが、これらの実施例の中で挙げた特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定するように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0042】
特に記載しない限り、実施例及び本明細書の残りの部分の全ての部、百分率、比率等は、重量による。表1(下記)には、実施例で使用した材料の略語が記載されている。
【0043】
【表1】

【0044】
実施例1
処方1は、CC1を10部、AC1を50部、LRMを10部、PE1を15部、PE2を5部、及びCC2を10部、含有していた。
【0045】
処方1を用いて、以下のように、住宅クロラミン用途のブロックを作製した。合計体積が約11.4リットル(3ガロン)の量の処方1を容器に充填し、約600rpmで動作された塗料混合パドルを装着したドリルプレスを用いて混合した。得られた混合物を充填台の上で金型(上下プレート及び心棒を有するアルミニウムパイプ)に入れた。金型は、外径(OD)6.1cm(2.4インチ)、内径(ID)1.9cm(0.75インチ)の中空円筒ブロックを生産するように設計されたものである。金型の充填は、インパルス(3秒毎に約1回の縦変位)を適用しながら混合物を金型に入れることによって行われた。次いで、金型を、約180℃の熱対流炉にて約2時間、加熱した。金型を室温に冷まし、得られた炭素ブロックを金型から取り出し、24cm(9.6インチ)の長さに切断した。次いで、得られた炭素ブロックを水フィルターにするために、端キャップ(一方のキャップはシールを形成し、もう一方の端キャップは突出する中央管を有するシールを形成する)を炭素ブロックに接着し、端キャップされたこれらのブロックを、中央管と係合して水漏れのないシールを形成するコネクターを有するフィルターカートリッジハウジングに挿入した。
【0046】
上記で作製された端キャップ付き炭素ブロックを、NSF規格53「Drinking Water Treatment Units−Health Effects」(2002,National Sanitation Foundation,Ann Arbor,MI)、揮発性有機化合物(VOC)低減プロトコル(6.3.3項)にしたがい、300ppbのクロロホルムをチャレンジとして用いて試験した。2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作された炭素ブロックは、単位体積当たりのVOC能力として35.1リットル/cm(152ガロン/インチ)に相当する約3410リットル(900ガロン)のVOC能力を呈した。VOC能力は、流出液のクロロホルム濃度が15ppbに達するポイントに到達するまでに処理されるガロン数として定義される。
【0047】
端キャップ付き炭素ブロックは、NSF規格53(2002)の鉛低減プロトコル(6.3.2項)にしたがい、pH8.5及び150ppbの鉛チャレンジで試験した。2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作された炭素ブロックは、54.6リットル/cm(236ガロン/インチ)を超す単位体積当たりの鉛能力に相当する5300リットル(1400ガロン)を超す鉛能力を呈した。鉛能力は、流出液の鉛濃度が10ppbに達するポイントに到達するまでに処理されるガロン数として定義される。
【0048】
上記で作製された端キャップ付き炭素ブロックを、NSF規格42「Drinking Water Treatment Units−Aesthetic Effects」(2002,National Sanitation Foundation,Ann Arbor,MI)、クロラミン低減プロトコル(6.12.6.6項)にしたがい、3ppmのクロラミンをチャレンジとして用いて試験した。2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作された端キャップ付き炭素ブロックは、単位体積当たりのクロラミン能力として59.7リットル/cm(258ガロン/インチ)に相当する5680リットル(1530ガロン)のクロラミン能力を呈した。
【0049】
上記で作製された端キャップ付き炭素ブロックを、NSF規格53のクリプトスポリジウム除去プロトコル(6.5項)にしたがい、試験した。試験した炭素ブロックは、99.95%を超す低減を示し、プロトコルに合格した。
【0050】
比較例A
処方2は、CC2を20部、AC1を30部、AC2を20部、LRMを10部、PE1を15部、及びPE2を5部、含有していた。
【0051】
処方2を用いて、実施例1の手順にしたがい、炭素ブロックを作製し、端キャップした。
【0052】
上記で作製された端キャップ付き炭素プロックを、NSF規格53(2002)のVOC低減プロトコル(6.3.3項)にしたがい、300ppbのクロロホルムをチャレンジとして用いて試験した。2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作された炭素ブロックは、単位体積当たりのVOC能力として35.1リットル/cm(152ガロン/インチ)に相当する約3410リットル(900ガロン)のVOC能力を呈した。
【0053】
上記で作製された端キャップ付き炭素ブロックを、NSF規格53(2002)の鉛低減プロトコル(6.3.2項)にしたがい、pH8.5及び150ppbの鉛チャレンジで試験した。2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作された炭素ブロックは、54.6リットル/cm(236ガロン/インチ)を超す単位体積当たりの鉛能力に相当する5300リットル(1400ガロン)を超す鉛能力を呈した。
【0054】
上記で作製した端キャップ付き炭素ブロックを、NSF規格42(2002)のクロラミン低減プロトコル(6.12.6.6項)にしたがい、3ppmのクロラミンをチャレンジとして用いて試験した。2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作された炭素ブロックは、単位体積当たりのクロラミン能力として23.3リットル/cm(101ガロン/インチ)に相当する2260リットル(598ガロン)のクロラミン能力を呈した。
【0055】
比較例B
処方3は、CC2を60部、CC1を10部、LRMを10部、及びPE1を20部、含有していた。
【0056】
処方3を用いて、実施例1の手順にしたがい、炭素ブロックを作製し、端キャップした。上記で作製した炭素ブロック(長さ24cm(9.6インチ))を、NSF規格53(2002)VOC低減プロトコルにしたがい、300ppbのクロロホルムをチャレンジとして用いて試験した。
【0057】
上記で作製した端キャップ付き炭素ブロックは、2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作したところ、単位体積当たりのVOC能力として3.90リットル/cm(16.9ガロン/インチ)未満に相当する378.5リットル(100ガロン)未満のVOC能力を呈した。
【0058】
実施例2
処方3は、CC1を13部、AC1を60部、LRMを5部、CC2を7部、PE1を11部、及びPE2を4部、含有していた。
【0059】
上記の処方を実施例1の手順にしたがって混合し、混合物を充填台の上で金型(上下プレート及び心棒を有するアルミニウムパイプ)に入れた。この中空円筒形の金型は、冷蔵庫フィルターとして好適な3.8cm(1.5インチ)OD×1.9cm(0.75インチ)ID×20cm(8インチ)のブロックのために設計されたものである。金型の充填は、インパルス(3秒毎に約1回の縦変位)を適用しながら混合物を金型に入れることによって行われた。次いで、金型を、約180℃の熱対流炉にて約1時間、加熱した。次いで、金型を、約180℃の熱対流炉にて約2時間、加熱した。型を室温に冷却し、得られた炭素ブロックを型から取り出した。次いで、得られた炭素ブロック(3.8cm(1.5インチ)OD×20cm(8インチ))を水フィルターにするために、炭素ブロックに端キャップを接着し、端キャップされたブロックをフィルターカートリッジハウジングに挿入した。
【0060】
端キャップ付き炭素ブロックを、実施例1のようにNSF規格42(2002)及び53(2002)にしたがって試験した。クロラミン、鉛、及びVOCの能力は、それぞれ、1140リットル(300ガロン)を超すものであり、単位体積当たりのクロラミン、鉛、及びVOC能力として6.54リットル/cm(28.3ガロン/インチ)を超すものに相当する。
【0061】
比較例C
冷蔵庫フィルター用の市販の交換カートリッジ(Kenmore Ultimate II T1KB1(T1RFKB1)として入手可能)を入手した。各フィルターは(炭素ブロックフィルター)、3.8cm(1.5インチ)OD×20cm(8インチ)の寸法を有するものであった。
【0062】
実施例1のようにNSF規格42(2002)及び53(2002)にしたがい、フィルターを個別に試験した。クロラミン能力は<190リットル(<50ガロン)、VOC能力は530リットル(140ガロン)であり、単位体積当たりのクロラミン及びVOC能力として1.09リットル/cm(4.71ガロン/インチ)未満及び3.05リットル/cm(13.2ガロン/インチ)未満に相当する。
【0063】
実施例3
処方4は、CC2を60部、CC1を10部、PE1を25部、及びPEを5部、含有していた。
【0064】
処方5は、CC2を70部、PE1を25部、及びPM2を5部、含有していた。
【0065】
処方4及び5を別々に混合し、実施例1の手順にしたがって、中空円筒形ブロック(7.6cm(3.0インチ)OD×1.9cm(0.75インチ)ID×長さ13cm(5インチ))を生産するために設計された金型を用いて成形した。次いで、得られた炭素ブロックを水フィルターにするために、炭素ブロックに端キャップを接着し、端キャップされたブロックをフィルターカートリッジハウジングに挿入した。
【0066】
端キャップ付き炭素ブロックを、実施例1のようにNSF規格42(2002)及び53(2002)にしたがって、ただし水の流れを連続にして、試験した。NSF規格42及び53により、10分オン/10分オフの負荷サイクルを使用した。試験は、加速試験として連続的に行われた。
【0067】
表2(下記)には、2回の反復運転での平均クロラミン能力及び圧力低下が記載されている。
【0068】
【表2】

【0069】
実施例4
処方6は、CC1を13部、AC1を60部、LRMを7部、SICを3部、PE1を12部、及びPE2を5部、含有していた。
【0070】
処方6を実施例1の手順にしたがって混合し、中空円筒形ブロック(7.6cm(3.0インチ)OD×1.9cm(0.75インチ)ID×長さ20cm(7.8インチ))を生産するために設計された金型を用いて成形した。次いで、得られた炭素ブロックを水フィルターにするために、炭素ブロックに端キャップを接着し、端キャップされたブロックをフィルターカートリッジハウジングに挿入した。
【0071】
上記で作製した端キャップ付き炭素プロックを、NSF規格53(2002)VOC低減プロトコル(6.3.3項)にしたがい、300ppbのクロロホルムをチャレンジとして用いて試験した。2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作された炭素ブロックは、単位体積当たりのVOC能力として約5.37リットル/cm(23.2ガロン/インチ)に相当する約4500リットル(1200ガロン)のVOC能力を呈した。
【0072】
上記で作製した端キャップ付き炭素ブロックを、NSF規格53(2002)の鉛低減プロトコル(6.3.2項)にしたがい、pH8.5及び150ppbの鉛チャレンジで試験した。2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作された炭素ブロックは、5.37リットル/cm(23.2ガロン/インチ)を超す単位体積当たりの鉛能力に相当する4500リットル(1200ガロン)を超す鉛能力を呈した。
【0073】
上記で作製した端キャップ付き炭素ブロックを、NSF規格42(2002)のクロラミン低減プロトコル(6.12.6.6項)にしたがい、3ppmのクロラミンチャレンジを用いて試験した。2.8リットル/分(0.75ガロン/分)の流量で動作された炭素ブロックは、単位体積当たりのクロラミン能力として9.84リットル/cm(42.6ガロン/インチ)を超すものに相当する8300リットル(2200ガロン)のクロラミン能力を呈した。
【0074】
上述の特許及び特許公開のすべての開示内容は、参考としてその全体が本明細書に組み込まれる。
【0075】
当業者には、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な修正及び改変を行うことができ、本発明が、本明細書に記述されている説明のための実施形態に不当に制限されないことが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ過材であって、構成成分として、
a)D50が70〜130マイクロメートルの範囲であり、D10が25〜50マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、55〜80重量%の活性炭粒子と、
b)D50が20〜40マイクロメートルの範囲であり、D10が2〜20マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、5〜20重量%の第1の触媒活性炭粒子と、
c)10〜30重量%の熱可塑性結合剤と、を含み、該熱可塑性結合剤が、少なくとも前記活性炭粒子と前記触媒活性炭粒子とを結合して多孔質単一体にするものであり、
構成成分a)〜c)の重量%が、構成成分a)〜c)の総重量に基づくものである、ろ過材。
【請求項2】
少なくとも1つの鉛除去媒体を最高20重量%までの量で更に含む、請求項1に記載のろ過材。
【請求項3】
前記少なくとも1つの鉛除去媒体が、陽イオン交換樹脂を含む、請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載のろ過材。
【請求項4】
50が130〜140マイクロメートルの範囲であり、D10が70〜80マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する第2の触媒活性炭粒子を最高20重量%まで更に含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のろ過材。
【請求項5】
前記熱可塑性結合剤が、熱可塑性ポリオレフィンを含む、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のろ過材。
【請求項6】
前記多孔質単一体が中空円筒、シンブル、又は円盤の形に作られている、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のろ過材。
【請求項7】
水ろ過システムであって、
出口ポートに流体接続された入り口ポートを有するハウジングと、
前記入り口ポートを通って前記ハウジングに進入する水がろ過材を通過してから前記出口ポートに到達するように前記ハウジング内に位置づけられたろ過材と、を備え、該ろ過材が、構成成分として、
a)D50が70〜130マイクロメートルの範囲であり、D10が25〜50マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、55〜80重量%の活性炭粒子と、
b)D50が20〜40マイクロメートルの範囲であり、D10が2〜20マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する、5〜20重量%の第1の触媒活性炭粒子と、
c)10〜30重量%の熱可塑性結合剤と、を含み、該熱可塑性結合剤が、少なくとも前記活性炭粒子と前記触媒活性炭粒子とを結合して多孔質単一体にするものであり、
構成成分a)〜c)の重量%が、構成成分a)〜c)の総重量に基づくものである、水ろ過システム。
【請求項8】
前記ハウジングが頭部と本体部とを備え、前記頭部が前記入り口ポートと前記出口ポートとを備え、前記頭部と前記本体部が水漏れのないシールを形成するように互いに機械的に係合可能である、請求項7に記載の水ろ過システム。
【請求項9】
前記頭部と前記本体部が、前記頭部と前記本体部とを相対的にねじり合わせることを含む動作によって機械的に係合可能である、請求項7又は請求項8に記載の水ろ過システム。
【請求項10】
前記ろ過材が、少なくとも1つの鉛除去媒体を最高20重量%までの量で更に含む、請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の水ろ過システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの鉛除去媒体が、陽イオン交換樹脂を含む、請求項7〜請求項10のいずれか一項に記載の水ろ過システム。
【請求項12】
前記ろ過材が、D50が130〜140マイクロメートルの範囲であり、D10が70〜80マイクロメートルの範囲である粒径分布を有する第2の触媒活性炭粒子を最高20重量%まで更に含む、請求項7〜請求項11のいずれか一項に記載の水ろ過システム。
【請求項13】
前記熱可塑性結合剤が、熱可塑性ポリオレフィンを含む、請求項7〜請求項12のいずれか一項に記載の水ろ過システム。
【請求項14】
前記多孔質単一体が、前記出口ポートと流体連通する導管を有する、請求項7〜請求項13のいずれか一項に記載の水ろ過システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−521775(P2011−521775A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509531(P2011−509531)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/041325
【国際公開番号】WO2009/140033
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】