説明

アイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機

【課題】アイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機を提供する。
【解決手段】アイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機は、中性アイスクリームを製造するユニット(5)と中性アイスクリームを調味シロップとを混合するユニット(23)とを具備する。混合ユニットは、中性アイスクリームと調味シロップとをホイップし、混合するロータ(20)を備えた先端切除型コーン形状室(15)に導かれる円筒室(14)を具備する。ピストン(18)は、円筒室(14)内にスライドし、アイスクリームとシロップとを添加し、シロップ容器(31)からなる、供給手段(30)により円筒室(14)内に供給される。ホース(32)、ホースに沿って作用する蠕動ポンプ(35)とリップバルブ(47)は、機器ベース(2)内に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「アイスクリームフラッペ」または「シェイク」という用語は、ここでは、中性風味のあらゆる冷凍のあるいは部分的に凍らせた食品として使用している。以下に、中性アイスクリームとして、望ましい風味と果肉のソフトな部分と、種のような堅い部分とかそういうものを加えたもののシロップをホイップしたものがある。
知られている上述の機器としては、パイプによる混合ユニットと結合した、中性アイスクリームの製造のためのセクションを具備する。少なくとも、一つのシロップは、供給手段により、混合ユニットに送り込まれる。
さらに知られているように、それぞれのシロップのための供給手段は、容器、パイプと上述した供給手段に送り込むためのインゼクターとを具備している。
それぞれのパイプに沿って、バルブ手段を通してインゼクターにシロップを送り込むためのギヤポンプがある。
【0003】
他の周知のタイプの機器において、それぞれのシロップは、また、容器内において、前もって決められた圧力にさらされる。
このように、対応するバルブ手段が、コントロールユニットの制御下に開くように作動するソレノイドバルブから構成される場合、シロップはポンプを使用せずに混合ユニットに送り込まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、公知のシロップ供給手段には、様々な不都合がある。これらは、先ず衛生学に関係し、これは、ポンプの機械的構成要素から、例えば果物の破片、種など、シロップに含まれるあらゆる堅い粒子を除くことが難しいということに起因する。
二番目としては、ギヤポンプの操作としては、使われるシロップのタイプに応じて、一様ではない。
ソレノイドバルブは、また、衛生学の見地から、同様の不利益を受けるということが、見出される。
結局は、公知のタイプの供給手段は、装備されている機能の割には高価すぎるということがわかった。
それ故、本発明の目的は、上述した不都合から開放された、アイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機によりもたらされる、上述の不都合を克服することである。
すなわち、本発明では、ここでの一つか二つ以上の請求の範囲に記載された特徴を備える、アイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機によって、この目的を達成することである。
前記目的に従って、この発明の技術的な特徴は、ここにおいて明らかに示されており、この発明の特徴は、本発明の目的から外れることなしに好適な実施形態を図示した添付図によって、以下詳細に記載されるようにより明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1、図2と図3を参照して、参照数字1は、全体として調味シロップを加えた中性アイスクリームを具備する、アイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機を示している。
本機器1は、予め定められた量のフラッペやシェイクの調製手段4を配置し、図2と図3とにおいて示されている、垂直正面壁3として規定された正面部を有する、実質的に平行六面体形状の箱型ベース2を具備している。
【0006】
ベース2内には、既知のタイプのアイスクリーム製造ユニット5がある。
また図4に図示しているように、そのユニット5は、正面壁3に垂直な水平軸7を有し、ベース2によって、図示していない既知の方法によって支えられた、ホイップしたり冷凍するためのシリンダとしての円筒体6を具備している。
円筒体6の開口端8は、正面壁3における円形開口部9に位置している。その円形開口部9の正面壁3の外表面には、円筒体6の開口端8を閉止する蓋12としてのカップ形状の中心部として形付けられた正面壁3に接触固定した、実質的には平板プレート11を具備する、ブロックまたは扉10がある。
【0007】
蓋12の反対側に位置する、扉10の垂直軸13aを備えた実質的に円筒部13において、円筒体6の軸7と同一平面上にある軸13aと一致する円筒室14を有する、中性アイスクリームとシロップを受けるキャビティがある。
扉10の円筒室14下方には、以下にさらに詳細に示した閉止ブロック17の部分として水平壁16による底部において閉じた、先端切除型コーン形状室15(図2、図3参照)がある。
【0008】
円筒室14内側において、正面壁3に支えられたアクチュエータ手段19によってピストン18が摺動し、そのピストン18は、先端切除型コーン形状室15の入口に近接するまで、図2に示しているストロークポジションの上端と、図3において示しているストロークポジションの下端との間で作動することができる。
【0009】
混合室としての、先端切除型コーン形状室15内側において、ピストン18を通り、正面壁3に支えられたアクチュエータ手段22により軸が回転せしめられる、円筒室14と同軸のシャフト21によって作動するロータ20がある。
その円筒室14は、また、中性アイスクリームとシロップを受け入れるための室、すなわちピストン18と、全体として23として付され、扉10の一部である混合ユニットを形成するロータ20とを兼ね備えた、先端切除型コーン形状室15と称せられる。
【0010】
図2、図3、そして図4に示されているように、閉止ブロック17は、ブロック10に取り外し可能な方法で固定されており、閉止ブロック17は、フラッペまたはシェイクを調製するための外側とつながった混合室15を置くディスペンシングホールとしての貫通口24を有している。
ピストン18は、それと室間に介在された、それぞれのシート内において頂部から底部まで25,26および27として付されている、3つのOリングを有する円筒室14内で摺動する。
【0011】
二つのパイプ28,29は、リング25,26間の領域において、円筒室14内に導かれる。
これらのパイプは、プレート11を貫通し、混合ユニット23にアイスクリームを送り込むために、円筒状のホイップと冷凍のための円筒体6の内側とつながっている。
ベース2の内側において、円筒状のホイップと冷凍のための円筒体6の下方に、全体として30として付されている調味シロップを送り込む手段がある。
【0012】
図2、図3、図4に示されているように、それぞれのシロップを送り込むための手段30は、容器31と、可撓性のプラスチックホース32と、ホース32により容器31と連結したバルブ手段33とを具備している。
ホース32に沿って、ホース32の通路のための湾曲シート36とロータ37の回転時、ホース32に次から次へと作用するローラ38を有するロータ37を具備する、周知のタイプの蠕動ポンプ35からなるポンプ手段34がある。
【0013】
バルブ手段33は、ブロック17と、ブロック10の下端部と固定されている壁3との間の扉12下部に差込まれた実質的に平行六面体の箱型形状のボディ39内に収容されている。
また図5に示すように、箱型ボディ39は、壁3に垂直に横切る二つの壁41,42よりなる。それは壁43を頂部として、全体として40として示されているサポートの低い部分によって形成されている壁44を底部として構成している。
ベース2の内外方向に、45,46としてまた壁3に実質的に平行な壁が形成されている。上方の壁43と外壁46は、それぞれ扉12の下端部とブロック17とに接触している。
特に、図5に示されるように、ブロック17は、その閉じた位置において、サポート40を固定する。このことは、ブロック17を開いた位置に動かすことによって、サポート40を取り外すことが可能であり、ごく単純な方法でクリーニングのために、箱型ボディ39内に収容されるバルブ手段33を取り外すことが可能である。
【0014】
さらには、図4に示しているように、閉止ブロック17の一部である水平壁16は、扉10の実質的な円筒部13に面している表面上にあり、アイスクリームのフラッペとシェイクを製造中に生成される凝縮物を溜めるためのトレイ16aを有している。
トレイ16aの底部に形成される穴16bを通して、凝縮物はブロック17の上部内に作られる搬送溝17aに入り込み、そして正面壁3に接触するように搬送される。
【0015】
凝縮物の蒸発のために、壁3には、図1に点線で示しているように、電気加熱エレメント3aを有し、図示していない電源に接続し、壁3が前述した蒸発を許容する温度に達するようにしている。
【0016】
それぞれのシロップ(図4における実例において4つ)のための送り込み手段に関してバルブ手段33は、壁45,46に互いに平行に配置していて、壁46内のそれぞれの穴50と、箱型ボディ39の壁46内に形成したパイプ52を通過するそれぞれのコネクタ51を通して、壁3に接触する壁45内にホール49に関して差込まれたコネクタ48とそれぞれ連結したホース32の入口と出口に連結した、リップバルブ47を備えている。
【0017】
さらに正確には、リップバルブ47(周知のタイプ)は、コネクタ32と接続するための穴54を有する円筒容器53を具備している。
それぞれ円筒容器53において密封手段により差込まれ、弾性材料で構成されたバルブエレメント55があり、単一方向の出口を有する。
それ故、ホース32とコネクタ48とは、完全に機器1ベース2内に配設されることに注目されるべきである。
【0018】
結局、プレート11を具備するブロックまたは扉10は、ブロック39は、正面壁3に連結している間でも円筒体6開口端部に接触し、それらの間に差込まれるシールリング57を備える壁3に取り外し可能な方法で搭載されることに注目されるべきである。
【0019】
事実、ストロークポジションの上端部におけるピストン18により、ホイップと冷凍のためのシリンダ6において製造された中性アイスクリームは、円筒室14(図2)内に二つのパイプ28,29を通して流入する。同時に蠕動ポンプ35は対応するリップバルブ47と円筒室14の中にパイプ52を通して調味シロップを供給する。
ホース32は、蠕動ポンプ35と対応するリップバルブ47は、ベース2内の混合ユニット23に関して同じ側に位置していることに注目すべきである。
【0020】
下降ストロークの際、ピストン18の押圧作用下に、中性アイスクリームと対応するシロップは、ロータ20によりホイップされ混合処理される先端切除型コーン形状室15に流入し、ディスペンシングホール24を通して、決められた量に、消費用カップや容器56に調製される。
【0021】
本発明に従ってシロップの供給手段30の使用は、先行技術において見られる衛生学上の不利益をなくすということに注目されるべきである。
さらには、シロップの生成物に接触するポンプのギヤをなくしそのようなポンプの使用は、使用されるシロップのタイプによらない。
すなわち、ホース32、蠕動ポンプ35と対応するリップバルブ47は混合ユニット23とベース2内に対して同じ側に配置されるということが、衛生学的により重大な機器として貢献し、目に見える外部のホースを回避することができる。
【0022】
また、そのような供給手段を備えた機器は、より経済的で保守と洗浄の負担を軽減することに注目されるべきである。
先行の機器に比較して、そのような機器は、よりコンパクトで同時に保守点検清掃の際の分解作業がより容易となる。
【0023】
若しベース2が透視可能な材料で形成される少なくとも一つの窓を備えると、作業者は、機器の中を容易に明らかに点検することができる。
混合工程を直接にコントロールすることができるように、扉10、箱型ボディ39、サポート40とリップバルブ47を収容する円筒容器53とを、透明素材で形成することが可能となるということに注目すべきである。
【0024】
記載された本発明は、発明のコンセプトから外れることなしに産業上利用できるものであり、改変が可能である。さらには、本発明の全ての細部は、技術的に等価な要素として置き換えが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明におけるアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機を示す、外観斜視図である。
【図2】異なる操作状態における、図1の要部断面図である。
【図3】異なる操作状態における、図1の要部断面図である。
【図4】図1、図2と図3における要部を、部分的にカットし、他の部分を破断して示した斜視図である。
【図5】図4の要部斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 製造調製機
2 ベース
3 正面壁
4 調製手段
5 アイスクリーム製造ユニット
6 円筒体
7 水平軸
8 開口端
9 円形開口部
10 扉
11 平板プレート
12 蓋
13 円筒部
13a 垂直軸
14 円筒室
15 先端切除型コーン形状室
16 水平壁
16a トレイ
16b 穴
17 閉止ブロック
17a 搬送溝
18 ピストン
19 アクチュエータ手段
20 ロータ
21 シャフト
22 アクチュエータ手段
23 混合ユニット
24 貫通口
25,26,27 リング
28,29 パイプ
30 手段
31 容器
32 プラスチックホース
33 バルブ手段
34 ポンプ手段
35 蠕動ポンプ
36 湾曲シート
37 ロータ
38 ローラ
39 ボディ
40 サポート
41〜46 壁
47 リップバルブ
48 コネクタ
49 ホール
50 穴
51 コネクタ
52 パイプ
53 円筒容器
54 穴
55 バルブエレメント
56 容器
57 シールリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイスクームフラッペとシェイクの製造調製のための機器であって、中性アイスクリームを製造するためのユニット(5)と、
シロップ容器(31)を備える少なくとも一つの調味シロップの供給手段(30)と、
ホース(32)とバルブ手段(33)と、
アイスクリームとシロップとを混合するためのユニット(23)とを具備し、
供給手段(30)は、ホース(32)に沿う蠕動ポンプ(35)を具備することを特徴とするアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項2】
バルブ手段(33)は、リップバルブ(47)からなることを特徴とする請求項1に記載のアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項3】
混合ユニット(23)は、中性アイスクリームとシロップを受けるための室(14)と、
混合室(15)と受領室(14)から混合室(15)へ、ある量供給するピストン(18)とを具備し、
リップバルブ(47)はホース(32)と受領室(14)間に差込まれていることを特徴とする請求項2に記載のアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項4】
容器(31)と、ホース(32)と蠕動ポンプ(35)は、製造機(1)ベース(2)内に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3記載のうち、いずれか1に記載のアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項5】
アイスクリームフラッペを、製造、調製するための機器であって、
中性アイスクリームを製造するためのユニット(5)と、
シロップ容器(31)を具備する少なくとも一つの調味シロップを供給するための手段(30)と、
ホース(32)とバルブ手段(33)とを具備し、
ブロックまたは扉(10)内で製造され、アイスクリームとシロップとを混合するためのユニット(23)を具備し、
それぞれのシロップの供給手段(30)は、ホース(32)に沿って、ホース(32)とリップバルブ(47)に作用する、蠕動ポンプ(35)を具備し、
ホース(32)、蠕動ポンプ(35)とリップバルブ(47)とは、混合ユニット(23)に関して、同じ側に配置していることを特徴とするアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項6】
バルブ手段(33)は、ベース(2)の正面壁(3)と一体の箱型ボディ(39)内に含まれ、正面壁(3)のベース(2)内にそれぞれのホース(32)に接続していることを特徴とする請求項5に記載のアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項7】
箱形ボディ(39)は、正面壁(3)と扉(10)の下端部間に差込まれていることを特徴とする請求項5および6記載のうち、いずれか1つに記載のアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項8】
ブロックまたは扉(10)は、円筒ボディ(6)の入口と、利用し得るバルブ手段(33)を含む箱形ボディ(39)とを形成するように、正面壁(3)に取り外し可能な状態で搭載されていることを特徴とする請求項5ないし7記載のうち、いずれか1つに記載のアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項9】
ブロック(39)は、正面壁(3)に一体的となるように搭載されていることを特徴とする請求項5ないし8記載のうち、いずれか1つに記載のことを特徴とする請求項5および6記載のうち、いずれか1つに記載のアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項10】
扉(10)と、バルブ手段(33)と箱型ボディ(39)とは、透視可能な素材で形成されていることを特徴とする請求項5ないし9記載のうち、いずれか1つに記載のアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。
【請求項11】
正面壁(3)は、壁を加熱するための電気加熱エレメント(3a)を具備することを特徴とする請求項6ないし10記載のうち、いずれか1つに記載のことを特徴とする請求項5および6記載のうち、いずれか1つに記載のアイスクリームフラッペまたはシェイクの製造調製機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−135589(P2007−135589A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307854(P2006−307854)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(506381245)アリ ソチエタ ペル アツィオニ (11)
【Fターム(参考)】