説明

アイデア整理支援装置およびアイデア整理支援プログラム

【課題】アイデアの技術的な位置付けをユーザに容易に把握させるとともに、社会のニーズにマッチした有用なテーマを自動的に選定することを可能とするアイデア整理支援装置を提供する。
【解決手段】特許文献を取得する特許文献取得部140と、特許文献取得部140によって取得された特許文献から抽出Fターム群106を抽出するFターム抽出部150と、抽出Fターム群106を含む木構造からテーマの候補とするFターム群を抽出するテーマ選定部200と、抽出Fターム群106を含む木構造を表示する際、抽出Fターム群106のFタームを強調して表示し、テーマ選定部200によって抽出されたFターム群を特定する情報を合わせて表示するFターム表示制御部160とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、技術的なアイデアを整理する技術に関し、特に、技術項目によって分類された技術文献を解析し、アイデア整理を支援するアイデア整理支援装置およびアイデア整理支援プログラムに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
企業の知的財産部等の部門における主な仕事のひとつとして、開発部などからアイデアを発掘して特許出願を行うことがある。その際、知的財産部のメンバー(以下では「知財部員」と記載する場合がある)は、開発部のメンバー(以下では「開発者」と記載する場合がある)と議論することにより、アイデアを洗練してゆく。この過程では、知財部員および開発者は、例えば特許文献1に開示されるような発想支援ツールを使用することがある。また、知財部員および開発者は、検討対象のアイデアと公開された特許文献とを比較検討するため、例えばNRIサイバーパテント株式会社が提供するサイバーパテントデスク(登録商標)(非特許文献1参照)等の特許検索ツールを使用して特許文献を検索することもある。
【0003】
一方で、一般に、技術開発や商品開発のテーマは、技術や市場の動向を睨みながら人間の勘と経験に基づいて選定されており、後追いで特許出願も行われる。従って、既に他社が特許網を構築しているテーマについて技術開発等を進めてしまい、無駄な投資となってしまう事例も多い。そこで、このような無駄を回避し、特許戦略と連動した技術開発を行なうために、まずパテントマップを作成し、他社の特許網が存在しない、あるいは、他社が手薄な分野について、重点的に技術開発が行われることがある。
【0004】
ここで、一般的なパテントマップ作成方法は、IPCを用いてパテントマップを作成するものに過ぎず、選定したテーマが特許権を取得できる見込みがあるかどうか全く不透明であるため、特許戦略と連動した技術開発を支援するものとは到底いえない。そこで、特許権を取得できる見込みが高く、かつ、社会のニーズにもマッチした開発テーマを自動的に選定できるコンピュータシステムを実現するものとして、特許文献2に開示されるようなテーマ選定装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−63312号公報
【特許文献2】特開2008−242753号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】NRIサイバーパテント株式会社、NRI CYBER PATENT、[online]、[平成21年2月28日(土)検索]、インターネット<URL:http://www.patent.ne.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
知財部員と開発者とが議論をする際、検討対象のアイデアの技術的な位置付けが把握されていないと、知財部員と開発者との間での認識の位相合わせが困難となりうる。これは有効な議論を行う際の支障となりうる。また位置付けが把握されていないと、系統立てた議論も難しい。
【0008】
一方で、議論を行い、アイデアの展開や技術開発の方向性を決定する際に、特許権を取得できる見込みが高く、社会のニーズにもマッチするような方向に道筋を示すことができれば、知財部員と開発者との間でより有効な議論を行うことが可能である。
【0009】
そこで本発明の目的は、アイデアの技術的な位置付けをユーザに容易に把握させるとともに、社会のニーズにマッチした有用なテーマを自動的に選定することを可能とするアイデア整理支援装置およびアイデア整理支援プログラムを提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0011】
本発明の代表的な実施の形態によるアイデア整理支援装置は、技術文献を取得する文献取得部と、前記文献取得部によって取得された技術文献から第1の技術項目を抽出する項目抽出部と、前記第1の技術項目を含む木構造からテーマの候補とする第2の技術項目を抽出するテーマ選定部と、前記第1の技術項目を含む木構造を表示する際、前記第1の技術項目を強調して表示し、前記第2の技術項目を特定する情報を合わせて表示する項目表示部とを有することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の代表的な実施の形態による別の態様のアイデア整理支援装置は、技術文献を取得する文献取得部と、前記文献取得部によって取得された技術文献から第1の技術項目を抽出する項目抽出部と、前記第1の技術項目を含む木構造に含まれる他の全ての第3の技術項目について、前記第1の技術項目および前記第3の技術項目が付与された技術文献の数をそれぞれ取得する文献数導出部と、前記第1の技術項目を含む木構造を表示する際、前記第1の技術項目を強調して表示し、前記第3の技術項目のそれぞれについて、前記文献数導出部によって取得された技術文献の数の情報を合わせて表示する項目表示部とを有することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明は、コンピュータを上記のようなアイデア整理支援装置として機能させるプログラムにも適用できる。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0015】
本発明の代表的な実施の形態によれば、アイデアの技術的な位置付けをユーザに容易に把握させることができるとともに、社会のニーズにマッチした有用なテーマを自動的に選定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態であるアイデア整理支援装置の構成例の概要を示した図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるテーマ選定部の構成例の概要を示した図である。
【図3】本発明の一実施の形態における電子文書の具体的な内容の例を示した図である。
【図4】本発明の一実施の形態における検索条件のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【図5】本発明の一実施の形態における特許文献リストのデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【図6】本発明の一実施の形態における文献情報テーブルのデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【図7】本発明の一実施の形態における解析結果画面の例を示した図である。
【図8】本発明の一実施の形態における解析結果画面の別の例を示した図である。
【図9】本発明の一実施の形態における解析結果画面の別の例を示した図である。
【図10】本発明の一実施の形態における自動選択設定画面の例を示した図である。
【図11】本発明の一実施の形態における関連技術表示画面の例を示した図である。
【図12】本発明の一実施の形態における査定率テーブルのデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【図13】本発明の一実施の形態におけるFターム総覧情報のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【図14】本発明の一実施の形態における既存Fターム情報のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【図15】本発明の一実施の形態における不存在Fターム情報のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【図16】本発明の一実施の形態におけるニーズ・Fターム関連情報のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【図17】本発明の一実施の形態におけるテーマ情報のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【図18】本発明の一実施の形態におけるニーズ・Fターム関連情報の作成処理の例について概要を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施の形態におけるテーマ情報205の作成処理の例について概要を示すフローチャートである。
【図20】本発明の一実施の形態における不存在Fターム情報の中から優先順位の高いFターム群を取り出す処理の例について詳細を示した図である。
【図21】本発明の一実施の形態における不存在Fターム情報の中から優先順位の高いFターム群を取り出す処理の別の例について詳細を示した図である。
【図22】本発明の一実施の形態における一連の処理の例について概要を示すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施の形態における強調表示テーブルのデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
まず、本明細書で使用する用語について説明する。「木構造」とは、グラフ理論における「木」の構造である。「部分木」とは、木構造の一部であり、それ自身も完全な木構造となっている部分である。木構造は、「ノード」とノード間を結ぶ「エッジ」とで表される。「根ノード」とは、木構造の頂点にあるノードである。「特許文献」とは、例えば公開特許公報や特許公報に掲載された文献である。
【0019】
知財部員が開発者と特許出願を検討する際、本発明の一実施の形態であるアイデア整理支援装置は、検討中のアイデアを含む電子的な資料、例えばテキストデータや音声データ、から、そのアイデアに対応する検索条件を生成する。アイデア整理支援装置はその検索条件で特許文献を検索し、検索の結果得られた特許文献からテーマコードおよびそのテーマコードから派生するひとつ以上のFターム(以下では「Fターム群」と記載する場合がある)を抽出する。このテーマコードおよびFターム群は検討中のアイデアの技術的な概念に対応する。
【0020】
アイデア整理支援装置は、抽出されたテーマコードを根ノードとするFタームをその木構造の深さごとに展開して表示する。この際、上で抽出されたFターム群に対応する表示に、他のFタームに対応する表示とは異なる色を付ける等によって強調する。これにより、検討中のアイデアが含む技術的な概念が全体的な概念のなかでどの位置にあるか、つまりアイデアの位置付けが一目で分かり、議論を深める上での助けとなる。
【0021】
ここで、テーマコードおよびFタームは、機械検索用に日本国特許庁によって開発された、概念をノードとする木構造を有する技術項目である。例えばひとつの概念は5B705(テーマコード)KK04(Fターム)と表される。テーマコードはより上位の概念を示し、Fタームはより下位の概念を示す。ひとつのテーマコードのなかでは同じ記号のFタームは存在しない。しかしながら複数のテーマコード間では同じ記号のFタームが用いられる。したがって、Fタームだけでは概念のノードを特定できない。そこで本明細書を通じて、テーマコードとそのテーマコードから派生するFタームひとつとを合わせたものをひとつの技術項目に対応させる。以下単にFタームと称するときは、テーマコードとそのテーマコードから派生するFタームとを合わせたものを指している。
【0022】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態であるアイデア整理支援装置100の構成例の概要を示した図である。図中に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0023】
アイデア整理支援装置100は、例えば、図示しないLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイおよびキーボードやマウスなどの入力装置と接続され、図示しない記憶装置を有し、電子文書データ抽出部111、音声データ変換部112、条件生成部120、特許文献検索部130、特許文献取得部140、Fターム抽出部150、Fターム表示制御部160、支援情報導出部170、Fターム選択部180、関連技術検索部191、および自動探索部192の各部を備える。
【0024】
電子文書データ抽出部111は、外部または記憶装置から、特許出願を検討しているアイデアを含む電子文書301を取得する。この電子文書301は、例えば、アイデアを説明するために開発者が作成するテキストデータである。電子文書データ抽出部111は、電子文書301に対して、ヘッダ/フッタの除去や、書式情報の除去などの形式的な処理を施す。電子文書データ抽出部111は、処理後の電子文書301を条件生成部120に渡す。後述する図3には電子文書301の例が示される。
【0025】
音声データ変換部112は、外部または記憶装置から、特許出願を検討しているアイデアを含む電子的な音声データ302を取得する。この音声データ302は、例えば、開発者と知財部員との会話を録音した録音データである。音声データ変換部112は、取得した音声データ302を電子文書、例えばテキストデータに変換して条件生成部120に渡す。ここで音声データ302を電子文書へ変換する処理には、公知の音声処理技術が用いられる。
【0026】
条件生成部120は、外部または記憶装置から、特許出願を検討しているアイデアを含む電子文書301もしくは音声データ302(が変換された電子文書)を取得し、取得した電子文書301からその電子文書301が含むアイデアを端的に示す検索条件102を生成する。後述する図4には検索条件102の例が示される。
【0027】
この条件生成部120は、例えば、文章抽出部121、キーワード抽出部122、および繰り返し語抽出部123の各部を有する。条件生成部120は、文章抽出部121、キーワード抽出部122および繰り返し語抽出部123のいずれかひとつによって生成される検索条件を、条件生成部120によって生成される検索条件102とする。それらのどれを選ぶかは、あらかじめ知財部員や開発者などのユーザによって設定される。
【0028】
文章抽出部121は、入力される電子文書301から所定の文章抽出条件にしたがって検索対象とすべき検索対象文を抽出して検索条件とする。この抽出は、既存の技術を用いて実現される。この文章抽出条件は、あらかじめユーザによって定められる。
【0029】
キーワード抽出部122は、記憶装置に記憶されているキーワードテーブル101を参照し、入力される電子文書301からキーワードテーブル101に登録されているキーワードを抽出して検索条件とする。キーワードテーブル101は、ユーザによってあらかじめ作成されるデータベースであり、一般的な技術用語等を含む。なお、キーワード抽出部122は、キーワードが電子文書301に現れる回数を数えてもよい。そしてキーワード抽出部122は、その回数が規定数以下のキーワードを排除してもよい。排除されたキーワードは、キーワード抽出部122によって生成される検索条件に含められない。これにより、検索対象をより絞り込むことができる。
【0030】
また、キーワード抽出部122は、キーワードが電子文書301に現れる回数を、そのキーワードの重みとしてキーワードに重み付けをしてもよい。この場合、詳細は後述するが、この重み付けされたキーワードは特許検索ツール133に入力するための検索式103に変換される。この特許検索ツール133においてキーワードに重み付けをして検索をすることが可能な場合、キーワード抽出部122によってなされた重み付けを利用して検索式103に適切な重み付けを付すことが可能となる。したがって、特許出願を検討しているアイデアにより即した検索結果を得ることができる。
【0031】
繰り返し語抽出部123は、入力される電子文書301に繰り返し用いられている単語を抽出して検索条件とする。特に繰り返し語抽出部123は、2以上の所定の回数以上繰り返されている単語を抽出する。なお、繰り返し語抽出部123は、上述のキーワード抽出部122と同様に、単語が電子文書301に現れる回数をその単語の重みとする重み付けをしてもよい。上述のキーワード抽出部122における規定数および繰り返し語抽出部123における所定の回数は、良好な検索結果が得られるよう実験により定めてもよい。
【0032】
なお、条件生成部120は、文章抽出部121によって抽出された検索対象文をキーワード抽出部122に入力してもよい。この場合、条件生成部120によって生成される検索条件102はキーワード抽出部122によって検索対象文から抽出されるキーワードとなる。これにより、特許出願を検討しているアイデアにより即したキーワードが抽出されうる。また、文章抽出部121によって抽出された検索対象文を繰り返し語抽出部123に入力する場合も同様である。
【0033】
特許文献検索部130は、条件生成部120によって生成された検索条件102または外部から入力される検索条件(以下では「検索条件102」と総称する)のもとで、特許文献を検索する。特許文献検索部130においては、検索条件102は所定の規則にしたがって検索式103に変換され、その検索式103が特許検索ツール133に入力される。この特許文献検索部130は、例えば、検索式生成部131、特許検索ツール133、および検索範囲設定部132の各部を有する。特許検索ツール133としては、例えば、サイバーパテントデスク(登録商標)の機能を組み込んで使用する。独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供する特許電子図書館の機能を組み込んで使用してもよい。
【0034】
検索式生成部131は、検索条件102を、特許検索ツール133で使用される形式の検索式103に変換する。検索式生成部131は、検索条件102を検索式に変換する3つのアルゴリズムを選択可能に構成される。この3つのアルゴリズムに対応するものとして、例えば、検索式生成部131は、OR化部131−1、AND化部131−2、および類義語OR化部131−3の各部を有する。
【0035】
OR化部131−1は、検索条件102の要素のすべてをOR条件で結合した検索式103を生成する。例えば検索条件102として「チャット、テレビ会議、会話」がOR化部131−1に入力された場合、OR化部131−1は検索式として「チャット+テレビ会議+会話」を生成する。ここで「+」は、特許検索ツール133の検索式で論理和(OR)を示す記号である。
【0036】
AND化部131−2は、検索条件102の要素のすべてをAND条件で結合した検索式103を生成する。つまり検索条件102の要素をすべて共起語として扱う。例えば検索条件102として「チャット、テレビ会議、会話」がAND化部131−2に入力された場合、AND化部131−2は検索式として「チャット*テレビ会議*会話」を生成する。ここで「*」は、特許検索ツール133の検索式で論理積(AND)を示す記号である。
【0037】
類義語OR化部131−3は、AND化部131−2によって生成された検索式を受け、その要素のなかで類義語同士をOR条件で括り直した検索式103を生成する。例えば、「チャット」が「会話」の類義語であると定めた場合、AND化部131−2によって生成された検索式「チャット*テレビ会議*会話」を「(チャット+会話)*テレビ会議」に変更する。類義語であるか否かについては、公知の類義語辞典に基づき定めてもよい。この類義語OR化部131−3によって生成される検索式103が採用される場合、より精度の高い検索を可能とする検索式を自動で生成できる。
【0038】
検索式生成部131は、入力される検索条件102に対応する検索式103として、OR化部131−1が生成する検索式、AND化部131−2が生成する検索式および類義語OR化部131−3が生成する検索式のうちのいずれかを選択する。この選択の条件はあらかじめユーザによって設定される。なお、検索式生成部131は、入力される検索条件102が検索対象文の場合は、その文の数は一般的にあまり多くないことからOR化部131−1が生成する検索式を選択してもよい。検索式生成部131は、入力される検索条件102がキーワードもしくは単語の場合、その要素の数が所定の個数より少なければOR化部131−1が生成する検索式を選択してもよい。所定の個数は、検索の結果得られる特許文献の数が所望の範囲に収まるように実験で定めてもよい。
【0039】
検索範囲設定部132は、特許検索ツール133に対し、検索対象文献や検索期間や検索項目などを指定することによって検索の範囲を設定する。
【0040】
特許文献取得部140は、特許検索ツール133による検索の結果得られた特許文献のリストもしくは外部から指定された特許文献のリスト(以下では「特許文献リスト104」と総称する)を、公開番号などの文献IDのリストの形で取得する。この際、特許文献取得部140が、例えば類似の度合いを示すスコア等を特許検索ツール133から得ることができる場合は、それを文献IDに関連付けて取得してもよい。特に、特許検索ツール133としてサイバーパテントデスク(登録商標)の概念検索機能を用いると、検索対象文との類似の度合いを示す類似度スコアが検索結果と共に得られる。したがって検索式103として検索対象文を使用する場合は、特許文献取得部140は検索結果の文献IDと共にそれに関連付けられた類似度スコアを取得してもよい。
【0041】
後述する図5に特許文献リスト104の例が示される。ここで、文献IDとは特許文献を一意に特定するIDである。特許文献取得部140は、特許検索ツール133による検索の結果がない場合、条件生成部120に、より緩やかな検索条件を生成させてもよい。
【0042】
Fターム抽出部150は、特許文献リスト104に含まれる文献IDが特定する特許文献からFターム群を抽出する。Fターム抽出部150は、例えば、文献情報取得部151、対象文献決定部152、および対象Fターム決定部153の各部を有する。Fターム抽出部150は、対象文献決定部152によって決定されるFターム群、または対象Fターム決定部153によって決定されるFターム群を、抽出されるべきFターム群とする。そのどちらを選ぶかは、あらかじめユーザによって設定される。
【0043】
文献情報取得部151は、特許文献リスト104に含まれる文献IDのそれぞれについて、上述の特許検索ツール133を用いることにより、または図示しない外部のデータベースを参照することにより、文献IDが特定する特許文献に付されたFターム群があればそれを取得する。文献情報取得部151は、文献IDと、それに付されたテーマコードおよびFタームとを対応付けて文献情報テーブル105に記録する。特許文献取得部140が類似度スコアを取得する場合、文献情報テーブル105は、特許文献の文献IDと、それに付されたテーマコードおよびFタームと、特許文献に対応する類似度スコアとを対応付けて記録してもよい。後述する図6には文献情報テーブル105の例が示される。
【0044】
対象文献決定部152は、以下の5つのモードのうちのいずれかによって、文献情報テーブル105のなかから特許文献を選択する。対象文献決定部152は、選択された特許文献のFターム群を、対象文献決定部152によって決定されるFターム群とする。5つのモードのうちのいずれを用いるかはユーザによってあらかじめ設定される。
【0045】
第1モード:対象文献決定部152は、文献情報テーブル105のなかからランダムに所定の数(例えば5件)の特許文献を選択する。この場合、特許文献検索部130による検索の結果得られた特許文献の数が多い場合でも、対象文献決定部152によって決定されるFタームの数を適正に保つことができる。
【0046】
第2モード:対象文献決定部152は、文献情報テーブル105のなかから公開日が新しい方から所定の数(例えば5件)の特許文献を選択する。この場合、対象文献決定部152によって決定されるFターム群をより現況に即したものとすることができる。
【0047】
第3モード:文献情報テーブル105が類似度スコアを含む場合、対象文献決定部152は、その類似度スコアが最も高い、つまり検索条件102と最も合致する特許文献を選択する。この場合、特許出願を検討しているアイデアが含む概念をより適切に表すFターム群が得られうる。
【0048】
第4モード:文献情報テーブル105が類似度スコアを含む場合、対象文献決定部152は、その類似度スコアが上位の所定の数(例えば5件)の特許文献を選択する。この場合もやはり特許出願を検討しているアイデアが含む概念をより適切に表すFターム群が得られうる。
【0049】
第5モード:対象文献決定部152は、文献情報テーブル105の先頭の特許文献を選択する。
【0050】
対象Fターム決定部153は、文献情報テーブル105から、以下に示す第1統計処理モードと第2統計処理モードとの組(統計処理の仕方の違いに関する組)と、完全一致モードと部分一致モードとの組(Fタームのマッチングの仕方の違いに関する組)との組み合わせの4パターンのうちのひとつによって、Fターム群を決定する。そのどの組み合わせを選ぶかは、あらかじめユーザによって設定される。
【0051】
第1統計処理モード:対象Fターム決定部153は、まず文献情報テーブル105に含まれるテーマコードのなかで最も出現頻度の高いテーマコードを選択する。次に、文献情報テーブル105のなかから選択されたテーマコードを有する特許文献を選び出す。ここで選び出された特許文献のグループを第1グループと称す。図6に示される文献情報テーブル105では、最も出現頻度の高いテーマコードは「5B075」(5回)である。したがって第1グループに属する特許文献の文献IDは「特開2003−0001」、「特開2003−0002」、「特開2003−0003」、「特開2003−0004」、「特開2003−0005」の5つである。この第1統計処理モードが使用される場合、テーマコード、すなわち技術分野に重きを置いたFターム群の決定を実現できる。
【0052】
第2統計処理モード:対象Fターム決定部153は、テーマコードおよびそのテーマコードから派生するFタームひとつを合わせてひとつの要素と見た上で、文献情報テーブル105におけるそれぞれの要素の出現頻度を計算する。そして対象Fターム決定部153は、出現頻度が最も高い要素を有する特許文献を選び出す。ここで選び出された特許文献のグループを第2グループと称す。図6に示される文献情報テーブル105では、要素「5B080AB02」および要素「5B080AL07」がそれぞれ4回出現し、その出現頻度が最も高い。したがって第2グループに属する特許文献の文献IDは、「特開2003−0006」、「特開2003−0007」、「特開2003−0008」、「特開2003−0009」の4つである。この第2統計処理モードが使用される場合、Fターム、すなわち技術要素に重きを置いたFターム群の決定を実現できる。
【0053】
完全一致モード:対象Fターム決定部153は、上記の第1グループもしくは第2グループに属する特許文献のなかでテーマコードおよびFタームが完全に一致する特許文献があれば、その完全に一致するテーマコードおよびFタームを選択する。このように選択されたFタームが、対象Fターム決定部153によって決定されるFターム群とされる。
【0054】
例えば、図6の文献情報テーブル105を上記の第1統計処理モードで処理して得られた第1グループについては、「特開2003−0003」のテーマコードおよびFタームと、「特開2003−0004」のテーマコードおよびFタームが完全に一致している。したがって、テーマコード「5B075」のFターム「KK02」、「KK13」、「kk34」、「KK41」が、対象Fターム決定部153によって決定されるFターム群とされる。
【0055】
また、図6の文献情報テーブル105を上記の第2統計処理モードで処理して得られた第2グループについては、「特開2003−0006」、「特開2003−0007」、「特開2003−0008」の3つのテーマコードおよびFタームが完全に一致している。したがって、テーマコード「5B080」のFターム「AB02」、「AL07」が、対象Fターム決定部153によって決定されるFターム群とされる。
【0056】
部分一致モード:上記の第1統計処理モードと部分一致モードとの組み合わせにおいては、対象Fターム決定部153は、第1グループに属する特許文献のなかで最も出現頻度が高い要素(第1要素と称す)を有する特許文献を絞り込む。対象Fターム決定部153は、絞り込まれた特許文献が有する要素のなかで、第1要素の次に出現頻度が高い要素(第2要素と称す)を選択する。このように選択された第1要素のFタームと第2要素のFタームとが、対象Fターム決定部153によって決定されるFターム群とされる。なお、対象Fターム決定部153は、第2要素の次に出現頻度が高い要素を選択してもよく、さらには出現頻度に基づいてより多くの要素を選択してもよい。
【0057】
例えば、図6の文献情報テーブル105を第1統計処理モードで処理して得られた第1グループについては、第1要素は要素「5B075KK02」および要素「5B075KK13」(どちらも3回出現)、絞り込まれた特許文献の文献IDは、「特開2003−0002」、「特開2003−0003」、「特開2003−0004」、となる。第2要素は要素「5B075KK34」および要素「5B075KK41」(どちらも2回出現)となる。したがって、対象Fターム決定部153によって決定されるFターム群は、テーマコード「5B075」のFターム「KK02」、「KK13」、「KK34」、「KK41」となる。
【0058】
また、上記の第2統計処理モードと部分一致モードとの組み合わせにおいては、第2統計処理モードで第2グループを選択する際に使用される要素が第1要素となる。対象Fターム決定部153は、第2グループに属する特許文献が有する要素のなかで、第1要素の次に出現頻度が高い要素(第2要素)を選択する。このように選択された第1要素のFタームと第2要素のFタームが、対象Fターム決定部153によって決定されるFターム群とされる。なお、対象Fターム決定部153は、第2要素の次に出願頻度が高い要素を選択してもよく、さらには出現頻度に基づいてより多くの要素を選択してもよい。
【0059】
例えば、図6の文献情報テーブル105を第2統計処理モードで処理して得られた第2グループについては、第1要素は要素「5B080AB02」および要素「5B080AL07」となる。第2要素は要素「5B080AM08」(1回出現)となる。したがって、対象Fターム決定部153によって決定されるFターム群は、テーマコード「5B080」のFターム「AB02」、「AL07」、「AM08」となる。
【0060】
上記の完全一致モードと部分一致モードとの相違について説明する。完全一致モードでは、後述する文献数導出部172が取得する、抽出されたFターム群の文献数は小さくなるものの、文献数としてカウントされた文献が検討中のアイデアと類似する可能性が高くなる。一方、部分一致モードでは、文献数導出部172が取得する、抽出されたFターム群の文献数は大きくなるものの、文献数としてカウントされた文献が検討中のアイデアと類似するアイデアである可能性が低くなる。
【0061】
言い換えると、完全一致モードでは出願数が多い技術分野なり技術要素に関してアイデアを検討しているときに、範囲を絞って技術を特定(表示)することができる。したがって完全一致モードはそのような場合に適している。また、部分一致モードでは出願数が少ない技術分野なり技術要素に関してアイデアを検討しているときに、範囲を拡げて技術を特定(表示)できる。したがって、部分一致モードはそのような場合に適している。完全一致モードでは、例えば、技術要素AとBとCとからなる技術のみを特定(表示)するのに対して、部分一致モードでは、例えば、技術要素AとBとを含む技術として、AとBとからなる技術、AとBとCとからなる技術、AとBとDとからなる技術のいずれをも特定(表示)する。
【0062】
Fターム表示制御部160は、外部から指定されるテーマコード、もしくはFターム抽出部150によって抽出されたFターム群のテーマコード(以下では「抽出テーマコード」と総称する)を根ノードとする部分木の構造にしたがって図7で後述するFタームマップをディスプレイに表示する。その際、Fターム表示制御部160は、外部から指定されるFターム群もしくはFターム抽出部150によって抽出されたFターム群(以下では「抽出Fターム群106」と総称する)に該当するノードを強調して表示する。ここでFタームマップとは、テーマコードおよびFタームの木構造をグラフ化した図である。外部から指定されるテーマコードおよびFターム群は、検討対象のアイデアに対応するものであってもよい。このFターム表示制御部160は、例えば、部分木表示制御部161、および着色強調部162の各部を有する。
【0063】
部分木表示制御部161は、記憶装置に保持される、もしくは外部から供給される図示されないテーマコードとFタームのリストを参照し、抽出テーマコードを根ノードとする部分木の構造にしたがってFタームマップを表示する。この際、部分木表示制御部161は、そのFタームマップにおいて、Fタームをその根ノードからの深さごとに分けて表示する。ノード間のエッジは概念の包含関係を示す。例えばFターム抽出部150によって抽出されたFターム群のテーマコードが「5B075」である場合、テーマコード「5B075」から派生するすべてのFタームが、図7のFタームマップの例に示されるように展開して表示される。
【0064】
着色強調部162は、部分木表示制御部161によって表示されるFタームマップにおいて、抽出Fターム群106に該当するノードを、他のノードとは異なる色で着色することにより強調して表示する。また、対象Fターム決定部153において部分一致モードが使用された場合は、着色強調部162は、第1要素に対応する抽出Fターム群106のノードを、第2要素に対応する抽出Fターム群106のノードよりも強調して表示する。例えば第1要素に対応する抽出Fターム群106のノードを、第2要素に対応する抽出Fターム群106のノードよりも濃い色で着色する。これにより、強調されたノードのなかでの重要度の違いを一目で把握できる。
【0065】
例えば、図6に示される文献情報テーブル105の例に対して、対象Fターム決定部153において第1統計処理モードと部分一致モードとの組み合わせが使用された場合、上述の通り、第1要素に対応する抽出Fターム群106はテーマコード「5B075」のFターム「KK02」、「KK13」、第2要素に対応する抽出Fターム群106はテーマコード「5B075」のFターム「KK34」、「KK41」である。したがって、図7のFタームマップの例に示されるように、テーマコード「5B075」のFターム「KK02」、「KK13」のノードはより濃い色で着色されて表示され、テーマコード「5B075」のFターム「KK34」、「KK41」のノードはより薄い色で着色されて表示される。
【0066】
支援情報導出部170は、Fターム表示制御部160によって表示されるFタームマップ上に、もしくはFタームマップとともに表示する、知財部員や開発者が議論やアイデアの整理を行う際に参照することができる有益な情報を取得する。支援情報導出部170は、例えば、査定率導出部171、文献数導出部172、およびテーマ選定部200の各部を有する。
【0067】
査定率導出部171は、抽出Fターム群106を検索条件として、特許検索ツールを使用して特許文献を検索する。ここでの特許検索ツールは上述の特許検索ツール133と同じものであってよいし、異なる公知のものであってもよい。また、検索条件において、抽出Fターム群106をANDで括ってもよいし、ORで括ってもよい。
【0068】
査定率導出部171は、検索の結果得られた特許文献のうち、特許された特許文献の割合(以下、特許査定率と呼ぶ)を導出し、Fターム表示制御部160によってFタームマップと共に表示する。後述する図7のFタームマップの下部の査定率表示領域にその例が示される。これにより、ユーザは特許出願を検討しているアイデアが特許されうるか否かを示すひとつの指標を得ることができる。したがって特に特許出願すべきか否かを知財部員が判断する際に有益である。
【0069】
文献数導出部172は、抽出Fターム群106を検索条件として、特許検索ツールを使用して特許文献を検索する。ここでの特許検索ツールは上述の特許検索ツール133と同じものであってよいし、異なる公知のものであってもよい。また、検索条件において、抽出Fターム群106をANDで括ってもよいし、ORで括ってもよい。文献数導出部172は、検索の結果得られた特許文献の数をFターム表示制御部160によってFタームマップと共に表示する。後述する図7のFタームマップの下部の文献数表示領域にその例が示される。
【0070】
これにより、特許出願を検討しているアイデアが属する技術分野における出願数の指標を得ることができる。知財部員は、この指標が示すその分野の「混み具合」をもとに特許出願すべきか否かを判断することができる。
【0071】
また、文献数導出部172は、検索条件において、抽出Fターム群106に加えて、抽出テーマコードを根ノードとする部分木の各ノードについて、対応するFタームをAND、もしくはORで追加して検索する。例えば、後述する図7のFタームマップの例における「KK00」のノードについては、抽出Fターム群106に含まれる「KK02」、「KK13」、「KK34」、「KK41」に加えて「KK00」を追加し、検索条件を「KK02*KK13*KK34*KK41*KK00」(ANDの場合)として検索する。
【0072】
ここで、検索の結果得られた特許文献の数をFターム表示制御部160によってFタームマップ上の対応するノード(検索条件に追加したFターム(上記の例では「KK00」)に対応するノード)に表示するようにしてもよい。後述する図8のFタームマップの各ノードにその例が示される。なお、図8の例では、各ノードに特許文献の数を表示しているが、文献の数に応じて着色強調部162によってノードの色を変えて表示する(例えば、文献数が多いノードほど暖色とし、少ないノードほど寒色として表示する)ようにしてもよい。
【0073】
これにより、例えば知財部員や開発者が、対象の技術分野や技術要素をベースとして、さらに改良や機能追加等によりアイデアを発展させることを検討する際に、この指標が示す各技術分野や技術要素の「混み具合」に基づいて、発展させる方向性を判断することができる。すなわち、アイデアを発展させる方向性として、例えば特許文献の数が少ないFタームを(追加の)テーマとして選択することができる。
【0074】
テーマ選定部200は、Fタームマップを表示する対象の抽出テーマコードを根ノードとする部分木の各ノードに対応するFターム群において、特許権を取得できる見込みが高く、かつ社会のニーズにマッチした有用なテーマであることを示すFターム群を選定し、Fターム表示制御部160によってFタームマップ上に表示する。後述する図9のFタームマップにその例が示される。図9において、同一の数字が記載されたマークが付されたノード(Fターム)の組み合わせ(例えば、「1」が記載されたマークが付された「KK14」、「KK24」、「MM02」の組み合わせ)は、テーマ選定部200によって有用なテーマであるとして選定されたFターム群であることを示す。
【0075】
これにより、例えば知財部員や開発者が、新たに開発テーマを設定することなどを検討する際に、この指標が示すテーマに基づいて議論を行い、アイデアを発掘・発展させることができる。なお、テーマ選定部200の詳細については後述する。
【0076】
Fターム選択部180は、入力処理部181と、選択条件設定部182と、選択実行部183と、を含む。Fターム選択部180は、部分木表示制御部161によって表示されるFタームマップのなかで、強調されたFターム(つまり抽出Fターム群106に含まれるFターム)と関連のあるFタームを自動的(自動選択モード)に、もしくはユーザによる指定によって(ユーザ指定モード)選択する。自動で選択するかもしくはユーザによる指定によって選択するかは、あらかじめユーザによって設定される。以下各モードについて説明する。
【0077】
1.ユーザ指定モード
ユーザは後述する図7に示すような強調表示が施されたFタームマップをディスプレイで確認する。また、後述する図8や図9に示すような、議論を支援するための情報が表示されたFタームマップを確認する。そしてユーザは、強調表示されたFターム群のなかから周りのFタームと置き換えてみたいFタームを決める。ユーザは入力装置、例えばマウスを用いて置き換え対象のFタームをクリックしてドラッグし、その周りのFタームへドロップする。すると入力処理部181は、置き換え対象のFタームのノードの着色強調を解除し、ドラッグ/ドロップによって指定されたFタームのノードを着色強調する。これは、移動元となったFタームが示す技術的な概念を上位化もしくは下位化またはシフトさせることに相当する。
【0078】
入力処理部181は、新たに着色強調されたFタームと、既に強調表示さている他のFターム群と、の組み合わせを新たな検索条件として生成する。例えば、後述する図7に示されるFタームマップ上で、ユーザが強調されたFタームのひとつである「KK13」をその隣のFターム「KK14」へドラッグしてドロップした場合、入力処理部181は新たな検索条件としてテーマコード「5B075」のFターム群「KK02、KK14、KK34、KK41」を生成する。この新たな検索条件は関連技術検索部191に入力される。
【0079】
2.自動選択モード
選択条件設定部182は、Fタームの選択条件をユーザに設定させる。このため選択条件設定部182はディスプレイに図10で後述する自動選択設定画面を表示する。ユーザは自動選択設定画面上で選択条件を決定する。選択条件設定部182は、決定された選択条件を選択実行部183に渡す。
【0080】
選択条件は、Fタームマップに示される部分木の構造のなかで、強調されたFターム群のFタームから所定の距離の範囲内にあるFタームが選択されるように設定される。ここで距離とは、エッジの数である。選択条件は、Fタームマップ上で強調されているFターム群のFタームのうち、どのFタームの強調表示をどの方向にどの程度移動させるかを決める条件である。選択条件は、Fターム数、階層(根ノードからの深さ)、Fタームマップ上での移動の方向、を含む。なお、所定の距離は、例えば3エッジ分であり、特にユーザが想定する乖離の範囲を示す値に設定されてもよい。
【0081】
Fターム数の条件とは、図10の上段のFターム数設定領域に示されるように、新たな検索条件として選択すべきFタームの数を増やすか、減らすか、それとも不変とするかの条件である。階層の条件とは、図10の中段の階層設定領域に示されるように、上位のFタームを優先するか、下位のFタームを優先するか、それとも深いノードを優先するか、の条件である。なお、例えば後述する図8に示すような、文献数導出部172において求められる各ノードの文献数に基づいて、文献数が少ないノード(混んでいないノード)を優先することができるようにしてもよい。
【0082】
移動の方向の条件とは、図10の下段の移動方向設定領域に示されるように、同じ階層内でシフトさせるか、上位化するか、それとも下位化するか、の条件である。これらにより、ユーザはアイデアを展開する方向性に合わせて上述の選択条件を設定することができる。選択条件は、他の条件、例えば移動の単位となるエッジの数を含んでもよい。
【0083】
選択実行部183は、決定された選択条件にしたがって、Fタームマップ上で強調されたFターム群のなかから対象となるFタームを選択し、その強調表示をやはり選択条件にしたがって移動させる。そして新たに着色強調されたFタームと、既に強調表示さている他のFターム群と、の組み合わせを新たな検索条件として生成する。
【0084】
例えば後述の図10で示される選択条件が設定された場合を考える。この場合図7のFタームマップで強調されたFターム群「KK02、KK13、KK34、KK41」から、Fターム数を変えずに最下位Fタームである「KK34」の強調表示を「KK35」へシフトさせる。そして新たな検索条件であるテーマコード「5B075」のFターム群「KK02、KK13、KK35、KK41」が生成される。
【0085】
関連技術検索部191は、Fターム選択部180によって生成された新たな検索条件のもとで、特許検索ツール133を使用して特許文献を検索する。関連技術検索部191は、その検索の結果をディスプレイに図11で後述する関連技術表示画面の形で表示する。また、関連技術検索部191はその検索の結果を自動探索部192に渡す。ここでは特に、Fターム選択部180によって選択されたFターム群の論理積を検索条件とする。
【0086】
自動探索部192は、関連技術検索部191による検索の結果から、上述の査定率導出部171と同様にして特許査定率を導出する。自動探索部192は、関連技術検索部191で使用された検索条件と、対応する特許査定率とを対応付けて査定率テーブル107に記憶する。自動探索部192は、Fターム抽出部150によって抽出されたFターム群に対応する特許査定率も査定率テーブル107に記憶する。後述する図12には査定率テーブル107の例が示される。
【0087】
自動探索部192は、特許査定率を導出すると、Fターム選択部180の選択実行部183に処理を戻す。選択実行部183は、関連技術検索部191で検索に使用されたFターム群に対して選択条件を再度適用させる。例えば、関連技術検索部191で検索に使用されたFターム群をFターム群「KK02、KK13、KK35、KK41」とする。それに再度図10に示される選択条件を適用すると、Fターム群「KK02、KK14、KK35、KK41」が得られる。選択実行部183は、こうして得られたFターム群を新たな検索条件として関連技術検索部191に入力する。関連技術検索部191における検索結果は再び自動探索部192に入力される。
【0088】
したがって、アイデア整理支援装置100は、Fターム選択部180と関連技術検索部191と自動探索部192とを含むループ構造を有すると言える。このループ構造は、Fターム抽出部150によって抽出された抽出Fターム群106から出発して、選択条件設定部182によって設定される選択条件にしたがって順番にFターム群を選択していく。
【0089】
上記のループ構造は、選択されたFターム群のそれぞれについて特許査定率を計算し、査定率テーブル107に記録する。ループ構造は、所定の回数Fターム群を選択したらループ動作を止め、査定率テーブル107を参照して最も特許査定率が高いFターム群をユーザに提示する。これにより、ユーザは特許出願を検討しているアイデアをどういう方向に展開すれば特許査定率が高まるかについて、有益な指針を得ることができる。また、特許査定率が高いFターム群をユーザに提示してもよい。
【0090】
なお、上記のループ構造は、特許査定率が所定のしきい値を超えるFターム群が見つかるとループ動作をやめてそのFターム群をユーザに提示してもよい。この場合、例えばいわゆる防衛出願の場合はしきい値を低く設定して素早く所望のFターム群を見つけることができる。またループ構造は、ユーザに判断材料を提供するために、査定率テーブル107の内容を表形式でディスプレイに表示してもよい。
【0091】
また、上記の例では、抽出Fターム群106の周りで特許査定率が最も高いFターム群を自動探索して提示するが、テーマ選定部200によって選定されたFターム群を選択して提示するようにしてもよい。また、例えば、文献数導出部172での処理と同様に、Fターム群を検索条件として特許文献を検索して文献数を取得し、文献数が最も少ない(最も混んでいない)Fターム群を選択するようにしてもよい。
【0092】
図3は、電子文書301の具体的な内容の例を示した図である。キーワード抽出部122は、この電子文書301を受けた場合、電子文書301のなかからキーワードテーブル101に登録されているキーワードを探す。図3の例では、キーワードとして「チャット」、「TV会議」、「会話」、「ディスカッション」、「活性化」がキーワードテーブル101に登録されている場合を示す。また、繰り返し語抽出部123は、電子文書301のなかから所定の回数以上繰り返し用いられている単語を抽出する。図3の例では、「会話」という単語が繰り返し用いられている場合を示す。
【0093】
図4は、検索条件102のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。図4では特に、図3の例に示す電子文書301からキーワード抽出部122がキーワードを抽出して検索条件102とする例を示す。図5は、特許文献リスト104のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。特許文献リスト104は、文献IDを含む。図6は、文献情報テーブル105のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。文献情報テーブル105は、文献IDと、テーマコードと、Fタームとを対応付けて記憶する。文献情報テーブル105は類似度スコアを含んでもよい。
【0094】
図7は、アイデア整理支援装置100が出力する解析結果画面の例を示した図である。解析結果画面は、例えば、Fタームマップと、下部の査定率表示領域および文献数表示領域とを有する。Fタームマップは、根ノード「5B075」を左端とし、同じ深さを有するノードが同じ列に配置され、右に向かうほど深くなるグラフとされる。Fターム表示制御部160は、強調されるべきFタームがすべて含まれる部分木を示す。強調されるべきFタームがひとつも含まれない部分木の一部は、見やすくするため表示が省略される。
【0095】
図8および図9は、アイデア整理支援装置100が出力する解析結果画面の別の例を示した図である。図8の例では、Fタームマップ上の各ノードについて、抽出Fターム群106に加えて該当のノードに対応するFタームを検索条件として加えた場合の、特許文献の数の情報を表示している。図9の例では、Fタームマップ上の各ノードについて、後述するテーマ選定部200によって有用なテーマであるとして選定されたFターム群毎に、同一の数字が記載されたマークが付されている。
【0096】
図10は、アイデア整理支援装置100が出力する自動選択設定画面の例を示した図である。自動選択設定画面は、例えば上部から順に、Fターム数設定領域、階層設定領域、および移動方向設定領域を有し、さらにOKボタンを有する。ユーザは、Fターム数設定領域、階層設定領域、移動方向設定領域に示される条件をそれぞれ選択し、OKボタンを押下する。すると選択条件設定部182は、それらの条件を決定された選択条件として取得する。
【0097】
図11は、アイデア整理支援装置100が出力する関連技術表示画面の例を示した図である。関連技術表示画面は、例えば上部から順に、検索条件領域、および検索結果領域を有する。検索条件領域には、関連技術検索部191で使用された検索条件が表示される。検索結果領域には、その検索条件のもとで特許文献を検索した結果得られた特許文献が文献IDのリストとして表示される。図12は、査定率テーブル107のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。査定率テーブル107は、検索条件となるテーマコードおよびFタームと、特許査定率とを含む。
【0098】
<テーマ選定部>
以下では、テーマ選定部200の詳細について説明する。テーマ選定部200は、特許文献2に記載されたテーマ選定装置と同等の機能を有するものである。図2は、テーマ選定部200の構成例の概要を示した図である。テーマ選定部200は、特許情報303や一般情報304を参照して技術開発の有用なテーマを選定する機能を有し、ニーズ抽出部210、ニーズ・Fターム関連情報作成部220、Fターム総覧情報作成部230、既存Fターム情報作成部240、不存在Fターム情報作成部250、テーマ情報作成部260を有する。
【0099】
また、テーマ選定部200は、外部または記憶装置から、特許情報303や一般情報304を取得する。特許情報303は、特許文献等に関する電子データであり、例えば、特許公報や公開特許公報である。一般情報304は、ニュースや論文等である。一般情報304として電子文書301を利用してもよい。
【0100】
ニーズ抽出部210は、一般情報304あるいは特許情報303に基づいてニーズを抽出する。ニーズ・Fターム関連情報作成部220は、ニーズ抽出部210によって抽出されたニーズ及び特許情報303の各文献に付与されるFタームに基づいて、ニーズ・Fターム関連情報204を作成して記憶装置に保持する。既存Fターム情報作成部240は、特許情報303の各文献に付与されるFタームに基づいて、既存Fターム情報202を作成して記憶装置に保持する。
【0101】
Fターム総覧情報作成部230は、抽出Fターム群106についてのテーマコードである抽出テーマコードを根ノードとする部分木の全てのノードに対応するFターム群をFターム総覧情報201として作成する。不存在Fターム情報作成部250は、既存Fターム情報202及びFターム総覧情報201に基づいて、不存在Fターム情報203を作成して記憶装置に保持する。テーマ情報作成部260は、ニーズ・Fターム関連情報204及び不存在Fターム情報203に基づいて、テーマ情報205を作成して出力する。
【0102】
[データ構成]
図13は、Fターム総覧情報201のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。Fターム総覧情報201は、テーマ選定部200がテーマを選定する対象とするFタームの全体を網羅する情報であり、本実施の形態では、抽出Fターム群106についてのテーマコードである抽出テーマコードを根ノードとする部分木の全てのノードに対応するFターム群が該当する。図13では、テーマコード「3E142」についての各Fタームを保持する場合の例を示している。
【0103】
図14は、既存Fターム情報202のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。既存Fターム情報202は、特許情報303(特に、Fターム総覧情報201に保持するFタームが少なくとも1つは付与されているもの)の各文献に既に付与されているFタームの一覧を示す情報である。
【0104】
図15は、不存在Fターム情報203のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。不存在Fターム情報203は、特許情報303に付与されていないFタームもしくはFタームの組み合わせを示す情報である。候補IDの項目は、特許情報303に付与されていないFタームもしくはFタームの組み合わせを一意に識別するための識別子である。例えば、候補ID「002」に対応するFターム1「HT13」及びFターム2「JJ01」の組み合わせは、どの特許情報303にも付与されていないことを示す。
【0105】
図16は、ニーズ・Fターム関連情報204のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。ニーズ・Fターム関連情報204は、特許情報303や一般情報304を分析して得られたニーズとFタームとを関連付ける情報である。例えば、ニーズ「盗難リスク」には、Fターム1「GE21(指紋認証)」、Fターム2「CC04(時限PW)」、Fターム3「AB02(ネガリスト)」、Fターム4「ER02(与信)」等が対応付けられる。
【0106】
図17は、テーマ情報205のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。テーマ情報205は、特許情報303に付与されていないFタームもしくはFタームの組み合わせから、有用なテーマの候補として抽出された情報である。テーマ情報205は、候補ID毎に優先順位を示す順位が対応付けられる。例えば、順位「1」の候補ID「003」が示すFターム1「CC04」及びFターム2「VR72」及びFターム3「RR01」及びFターム4「MN02」の組み合わせは、テーマコード「3E142」において最も有望なテーマの候補であることを示す。
【0107】
[テーマ選定処理]
図18は、ニーズ・Fターム関連情報204の作成処理の例について概要を示すフローチャートである。処理を開始すると、テーマ選定部200に特許情報303あるいは一般情報304が入力される(S101)。テーマ選定部200のニーズ抽出部210は、特許情報303あるいは一般情報304に基づいて、ニーズを抽出する。例えば、テーマ選定部200は、特許情報303の「発明が解決しようとする課題」欄の記載をテキスト分析することにより各分野のニーズを抽出する(S102)。なお、テーマ選定部200がニーズの抽出処理を行ってもよいし、直接指定あるいは外部で抽出されたニーズをテーマ選定部200に入力するようにしてもよい。
【0108】
テーマ選定部200のニーズ・Fターム関連情報作成部220は、ニーズを含む特許情報303を検索する(S103)。テーマ選定部200は、検索した特許情報303に付与されるFタームを取得する(S104)。テーマ選定部200は、ニーズとステップS104の処理で取得されたFタームとを対応付けてニーズ・Fターム関連情報204を作成して記憶装置に保持し(S105)、処理を終了する。
【0109】
図19は、テーマ情報205の作成処理の例について概要を示すフローチャートである。処理を開始すると、テーマ選定部200のFターム総覧情報作成部230は、抽出Fターム群106についてのテーマコードである抽出テーマコードを根ノードとする部分木の全てのノードに対応するFターム群をFターム総覧情報201として作成する(S201)。テーマ選定部200の既存Fターム情報作成部240は、特許情報303に基づいて、既存Fターム情報202を作成して記憶装置に保持する(S202)。
【0110】
テーマ選定部200の不存在Fターム情報作成部250は、Fターム総覧情報201及び既存Fターム情報202に基づいて、特許情報303中のいずれの特許文献にも付与されていないFタームもしくはFタームの組み合わせを探索して不存在Fターム情報203を作成して記憶装置に保持する(S203)。ここでは、例えば、Fターム総覧情報201内のFタームまたはその組み合わせとしてあり得るものから、既存Fターム情報202内のFタームまたはその組み合わせを差し引いた残りを不存在Fターム情報203とする。
【0111】
テーマ選定部200のテーマ情報作成部260は、記憶装置からニーズ・Fターム関連情報204を読み出す(S204)。テーマ選定部200は、ニーズ・Fターム関連情報204に基づいて、不存在Fターム情報203に対して優先順位を付与して絞り込む。テーマ選定部200は、不存在Fターム情報203の中から優先順位の高いFターム群を取り出し、テーマ情報205を作成して記憶装置に保持し(S205)、処理を終了する。
【0112】
図20は、ステップS205の、不存在Fターム情報203の中から優先順位の高いFターム群を取り出す処理の例について詳細を示した図である。テーマ選定部200のテーマ情報作成部260は、テーマ選定対象のニーズが決定されている場合には、当該ニーズに関連付けられるFタームを含む候補の優先順位を高くする。例えば、テーマ選定部200は、テーマ選定対象としてニーズ「盗難リスク」が決定されている場合、当該ニーズ「盗難リスク」に関連付けられるFターム「CC04(時限PW)」を含む候補ID「003」の候補の優先順位を高くして、テーマ情報205を作成する。
【0113】
また、テーマ選定部200のテーマ情報作成部260は、テーマ選定対象のFタームが決定されている場合には、当該Fタームを含む候補の優先順位を高くする。例えば、テーマ選定部200は、解決手段としてのFターム「JJ01(並列処理)」が決定されている場合、当該Fターム「JJ01」を含む候補ID「002」の候補の優先順位を高くして、テーマ情報205を作成する。本実施の形態では、抽出Fターム群106の各Fタームを、テーマ選定対象のFタームとして使用するようにしてもよい。
【0114】
図21は、ステップS205の、不存在Fターム情報203の中から優先順位の高いFターム群を取り出す処理の別の例について詳細を示した図である。テーマ選定部200のニーズ・Fターム関連情報作成部220は、ニーズ・Fターム関連情報204に順位付けを行ってもよい。例えば、テーマ選定部200は、ニーズ・Fターム関連情報204の作成に際して、ニーズの順位を示すニーズ順位の項目を設ける。また、テーマ選定部200は、各ニーズに関連付けられる複数のFタームに対して、「Fターム1」→「Fターム2」→「Fターム3」→…、の順に順位付けを行う。なお、特許情報303への付与頻度等を解析することにより、各ニーズにFタームの順位付けを行うことができる。
【0115】
図21のニーズ・Fターム関連情報204では、左方及び上方に行くほどFタームの順位が増す。テーマ選定部200は、ニーズ・Fターム関連情報204の最も左上に位置するFターム「CC04」を含む候補ID「003」の候補の優先順位を高くして、テーマ情報205を作成する。テーマ選定部200は、ニーズやFタームの優先順位に基づいて不存在Fターム情報203を効率的に絞り込むことにより、テーマ選定処理において全く無関係のテーマ候補等のノイズ混入を軽減することができる。
【0116】
以上の過程を経て、テーマ選定部200は、特許情報303や一般情報304に基づいてニーズ・Fターム関連情報204及び既存Fターム情報202を作成し、Fターム総覧情報201及び既存Fターム情報202から不存在Fターム情報203を作成する。テーマ選定部200は、ニーズ・Fターム関連情報204に基づいて不存在Fターム情報203に対して優先順位を付与して絞り込みを行い、優先順位の高いFターム群を取り出してテーマ情報205を作成して出力する。このように、テーマ選定部200は、特許情報303に付与されていないFターム群に対して、ニーズに基づいて絞り込みを行うので、現状の課題に即した有用かつ有望なテーマを的確に選定することができる。
【0117】
<処理内容>
以下では、上記の構成によるアイデア整理支援装置100での処理の内容について説明する。図22は、アイデア整理支援装置100における一連の処理の例について概要を示すフローチャートである。
【0118】
処理を開始すると、条件生成部120は、電子文書データ抽出部111もしくは音声データ変換部112を介して、検討対象のアイデアを含む電子的な資料を取得する(S301)。条件生成部120は、取得した電子的な資料から検索条件を生成する(S302)。特許文献検索部130は、検索条件をもとに特許文献を検索する(S303)。Fターム抽出部150は、検索結果からFターム群を抽出する(S304)。
【0119】
Fターム表示制御部160は、抽出されたFターム群のテーマコードを根ノードとする部分木の構造にしたがってFタームをディスプレイに表示する(S305)。Fターム表示制御部160は、抽出されたFターム群を強調表示し(S306)、そのFターム群に対応する特許査定率を導出してディスプレイに表示する(S307)。また、そのFターム群に対応する文献数を導出してディスプレイに表示し、さらに、そのFターム群に対して、検索条件として、表示されている各ノードに対応するFタームを加えて得られた文献数の情報を導出して各ノードに表示する(S308)。また、テーマ選定部200によって選定された有用なテーマに係るFターム群の情報を表示する(S309)。
【0120】
表示された解析結果を参照したユーザによる指示により、もしくは自動的に、Fターム選択部180は、強調されたFタームと関連のあるFタームを選択する(S310)。関連技術検索部191は、選択されたFタームを入れた検索条件で特許文献を検索する(S311)。関連技術検索部191は、検索結果をディスプレイに表示する(S312)。自動探索部192は、検索結果から特許査定率を計算する(S313)。計算された特許査定率は、検索条件となったFターム群と対応付けられて査定率テーブル107に記憶される(S314)。
【0121】
ここで、特許査定率の計算回数が所定の回数より多いか否かを判定し(S315)、多くない場合は、Fターム選択部180は、検索条件のFタームを変更する(S316)。関連技術検索部191は、変更されたFタームを入れた検索条件で特許文献を検索し(S317)、処理をステップS313に戻す。ステップS315において、特許査定率の計算回数が所定の回数に達した場合は、最も特許査定率が高いFターム群をユーザに提示する(S318)。
【0122】
なお、図22ではアイデア整理支援装置100の条件生成部120に外部から電子的な資料が入力される場合について説明した。しかしながらこれに限られることなく、例えばアイデア整理支援装置100に外部から検索条件が入力され、処理がステップS303から開始されてもよい。また、アイデア整理支援装置100に外部から特許文献リストが入力され、処理がステップS304から開始されてもよい。また、アイデア整理支援装置100に外部から、検討対象のアイデアに対応するテーマコードおよびFターム群が入力され、処理がステップS305から開始されてもよい。
【0123】
上述の実施の形態において、記憶装置の例は、コンピュータに内蔵されたハードディスクやメモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、GUI(graphical user interface)制御技術や、OS(operating system)によって管理されているコンピュータにインストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶するメモリなどにより実現できることは当業者には理解されるところである。
【0124】
<利用状況の例>
本実施の形態に係るアイデア整理支援装置100が有効に利用される状況の例を説明する。開発部から発明の提案書が提出されると、知財部員はその提案書を起案した開発者と面談を行い、特許出願の観点からアイデアを洗練する。この面談の際、知財部員はアイデア整理支援装置100に提案書の電子データを入力する。すると、アイデア整理支援装置100はその提案書に記載されるアイデアを良く示すFタームが強調された図7〜図9のようなFタームマップをディスプレイに表示する。
【0125】
知財部員と開発者とはこのFタームマップを基に認識の位相を合わせて議論を進めることができる。また、その面談の際、競合他社の関連特許のリストをアイデア整理支援装置100に入力すれば、提案書のアイデアとその関連特許とがどの程度近いかを判断でき、また、提案書のアイデアを実施するとその関連特許を侵害することになるか否かについての少なくとも予備的な指針を得ることもできる。
【0126】
本実施の形態に係るアイデア整理支援装置100によれば、Fターム抽出部150によって抽出されたFターム群のテーマコードを根ノードとする図7〜図9に示されるような部分木の構造がディスプレイに表示される。そこではFターム抽出部150によって抽出されたFターム群に対応するノードが強調される。したがって、ユーザは、特許文献取得部140が取得した特許文献が含む技術的な概念の位置付けを視覚的に一目で把握できる。また、テーマコードを根ノードとする他のFタームが示す概念との関係性も把握できる。
【0127】
特に特許文献取得部140に外部から特許文献リスト104が入力される場合を考える。この場合の特許文献リスト104は例えばユーザが注目している競合他社の公開された特許文献のリストである。本実施の形態に係るアイデア整理支援装置100によると、この競合他社の特許文献が含む技術的な概念の位置付けを視覚的に一目で把握できる。したがって、ユーザが競合他社の動向を把握する際のひとつの判断材料が与えられる。また自社が出願した特許文献のリストを外部から入力する場合も考えられる。この場合は自社の出願状況や保有特許の状況を把握する際のひとつの判断材料が与えられる。
【0128】
また、特許文献検索部130に外部から検索条件102が入力される場合を考える。この場合の検索条件102は例えば知財部員と開発者とがブレインストーミングを行った際に出てきたキーワードである。本実施の形態に係るアイデア整理支援装置100によると、このキーワードが示す技術的な概念の位置付けを視覚的に一目で把握できる。したがってユーザは、アイデアを電子的な資料にまとめる前に予備的に検討を行うことができる。
【0129】
また、特許出願を検討しているアイデアを含む電子的な資料が条件生成部120に入力される場合を考える。本実施の形態に係るアイデア整理支援装置100によると、このアイデアに含まれる技術的な概念の位置付けを視覚的に一目で把握できる。また、周辺の技術分野や技術要素での、特許権を取得できる見込みが高くかつ有用なテーマや、周辺の技術分野や技術要素での特許出願の混み具合についても視覚的に一目で把握できる。
【0130】
したがって、ユーザはアイデアを拡大する際や別のパターンの構想を練る際に、元のアイデアのどの要素をどんな方向性で動かせるかを容易に視覚的に判断することができる。これにより、系統立ったアイデアの洗練が可能となる。また、ユーザが大勢いる場合でも全員が同じFタームマップをもとに思考を展開できるので、議論がスムーズに進みうる。
【0131】
また、本実施の形態に係るアイデア整理支援装置100では、強調されたFターム群と関連のあるFタームを含む検索式を新たに生成して関連技術を検索する。したがって、特許出願を検討しているアイデアについて、それと関連のある技術分野や技術要素にはどのような特許文献があるかをより容易に調査および検討することができる。これにより、ユーザが特許出願の是非を判断する際のひとつの指標が得られる。
【0132】
また、本実施の形態に係るアイデア整理支援装置100では、Fターム選択部180の自動選択モードが使用する選択条件は、Fタームマップに示される部分木の構造のなかで、強調されたFターム群のFタームから所定の距離の範囲内にあるFタームが選択されるように設定される。したがって、関連技術検索部191による検索の結果は、特許文献取得部140が取得した特許文献が含む技術的な概念から大きくは離れず、関連技術検索部191による検索の結果をより有効に利用できる。
【0133】
また、本実施の形態に係るアイデア整理支援装置100では、特許出願を検討しているアイデアを含む電子的な資料が条件生成部120に入力される場合、そのアイデアと関連しうる特許文献を簡易に知ることができる。
【0134】
以上、実施の形態に係るアイデア整理支援装置100の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0135】
実施の形態では、技術項目としてテーマコードおよびFタームを使用する場合について説明したが、これに限られず、概念をノードとする木構造を有する技術項目を使用することができる。例えば、技術項目として国際特許分類を使用してもよく、また米国特許商標庁のクラス(class)およびサブクラス(subclass)を使用してもよい。
【0136】
<変形例>
実施の形態に係るFターム抽出部150、Fターム表示制御部160、および支援情報導出部170の変形例について説明する。変形例に係るFターム抽出部150の対象Fターム決定部153は、その第1統計処理モードにおいては、選択されたFタームに対して、その出現頻度が高いほど高くなる強調値を付与する。対象Fターム決定部153は、選択されたFタームと、それに付与された強調値とを対応付けた強調表示テーブル108を生成する。図23は、強調表示テーブル108のデータ構成と具体的なデータの例を示した図である。強調表示テーブル108は、例えば、テーマコード、Fターム、および強調値を対応付けて記憶する。
【0137】
また、第2統計処理モードにおいては、対象Fターム決定部153は、選択された要素に対して、その出現頻度が高いほど高くなる強調値を付与し、上述と同様の強調表示テーブル108を生成する。
【0138】
変形例に係るFターム表示制御部160の着色強調部162は、強調表示テーブル108に記憶された強調値に基づいて強調表示を行う。具体的には、ノードを強調するための色を、強調値が高いほど濃くしてもよい。また、ノードを強調するための色を、強調値が高いほど暖色としてもよい。また、ノードの大きさを強調値が高いほど大きくしてもよい。いずれにしても強調値に基づく強調表示を行うことにより、特許出願を検討しているアイデアの、部分木の構造のなかでの位置を一目でより詳細に把握できる。なお、これらの処理は、図8に示すように各ノードに対応する文献数を表示する際に、文献数に応じて色を変えて表示することによって混み具合を示す際にも応用することができる。
【0139】
実施の形態に係るループ構造の変形例について説明する。変形例に係るループ構造に含まれる自動探索部192は、関連技術検索部191による検索の結果から特許査定率に加えて文献数を導出する。実施の形態では特許査定率の高いFターム群を発見するようにループ構造を構成した。変形例に係るループ構造では、自動探索部192は、Fターム群と検索結果の文献数とを対応付けて図示しない文献数テーブルに記憶する。そしてループ構造は、文献数が最も少ないFターム群をユーザに提示する。この場合、特許出願を検討しているアイデアを、他人があまり注目していない分野、言い換えるとまだ開拓の余地がある分野へ方向付けるための指針が与えられる。
【0140】
実施の形態では、Fターム選択部180が自動選択モードで使用する選択条件は、Fタームマップに示される部分木の構造のなかで、強調されたFターム群のFタームから所定の距離の範囲内にあるFタームが選択されるように設定される場合について説明したが、これに限られない。例えば範囲を指定しない選択条件も可能である。
【0141】
実施の形態では、条件生成部120には特許出願を検討しているアイデアを含む電子的な資料が入力される場合について説明したが、これに限られない。例えば、条件生成部120には外国の特許文献が入力されてもよい。この場合、その外国の特許文献に対応するFターム群を見つけて強調表示できる。
【0142】
実施の形態では、図7においてFターム群がひとつのテーマコードから派生する場合について説明したが、これに限られない。例えば、Fターム抽出部150が2つ以上のテーマコードから派生するFターム群を抽出した場合、Fターム表示制御部160は、それらのテーマコードのそれぞれを根ノードとする部分木の構造を並べて表示してもよい。
【0143】
実施の形態では、査定率導出部171は、検索の結果得られた特許文献のうち、特許された特許文献の割合を特許査定率として導出する場合について説明したが、これに限られない。例えば査定率導出部は、特許査定率を時系列順に導出した上で、それをディスプレイに表示してもよい。この場合、特許査定という観点からユーザはより詳細な情報を得ることができる。自動探索部192における特許査定率についても同様である。
【0144】
実施の形態では、部分木表示制御部161は、記憶装置に保持される、もしくは外部から供給される図示されないテーマコードとFタームのリストを参照し、抽出Fターム群のテーマコードを根ノードとする部分木の構造にしたがってFタームマップを表示する場合について説明したが、これに限られない。部分木表示制御部161は、抽出Fターム群106をすべて含む部分木の構造にしたがってFタームマップを表示してもよい。この場合、根ノードは必ずしもテーマコードではなくなる。したがって抽出Fターム群106がすべて近くに存在する場合にはより見やすい適切なFタームマップとなる。
【0145】
実施の形態では、知財部員や開発者が議論を行う際の参照情報として、Fタームマップにおいて抽出Fターム群106の内容を強調表示するとともに、有用なテーマとなるFターム群の情報や、Fタームマップ上の各ノードに対応するFタームについての混み具合を示す文献数の情報を導出して各ノードに表示する場合について説明した。これらに加えてさらに、例えば支援情報導出部170が、各ノードに対応するFタームを含む特許文献を特許文献検索ツール133によって検索し、検索結果の各文献から自然言語処理により頻出単語をキーワードとして抽出し、上位のものを各ノードに関連付けて保持する。この情報を、例えば、Fタームマップ上で各ノードをマウスでクリックする等により表示可能なようにして、各ノードに対応するFタームについての理解を助けるようにしてもよい。
【0146】
また同様に、支援情報導出部170が、各ノードに対応するFタームを含む特許文献を特許文献検索ツール133によって検索し、検索結果の各文献の出願人の項目から、あらかじめ定義しておいた図示しない出願人−業種対応テーブルなどに基づいて出願人の業種を特定して統計処理し、上位のものを各ノードに関連付けて保持する。この情報を上記と同様に、例えば、Fタームマップ上で各ノードをマウスでクリックする等により表示可能なようにして、各ノードに対応するFタームが示す技術分野や技術要素についてどのような業種からの出願が多いかといった情報を得られるようにしてもよい。
【0147】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、技術項目によって分類された技術文献を解析し、アイデア整理を支援するアイデア整理支援装置およびアイデア整理支援プログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0149】
100…アイデア整理支援装置、
101…キーワードテーブル、102…検索条件、103…検索式、104…特許文献リスト、105…文献情報テーブル、106…抽出Fターム群、107…査定率テーブル、108…強調表示テーブル、
111…電子文書データ抽出部、112…音声データ変換部、
120…条件生成部、121…文章抽出部、122…キーワード抽出部、123…繰り返し語抽出部、
130…特許文献検索部、131…検索式生成部、131−1…OR化部、131−2…AND化部、131−3…類義語OR化部、132…検索範囲設定部、133…特許検索ツール、
140…特許文献取得部、
150…Fターム抽出部、151…文献情報取得部、152…対象文献決定部、153…対象Fターム決定部、
160…Fターム表示制御部、161…部分木表示制御部、162…着色強調部、
170…支援情報導出部、171…査定率導出部、172…文献数導出部、
180…Fターム選択部、181…入力処理部、182…選択条件設定部、183…選択実行部、
191…関連技術検索部、192…自動探索部、
200…テーマ選定部、
201…Fターム総覧情報、202…既存Fターム情報、203…不存在Fターム情報、204…ニーズ・Fターム関連情報、205…テーマ情報、
210…ニーズ抽出部、220…ニーズ・Fターム関連情報作成部、230…Fターム総覧情報作成部、240…既存Fターム情報作成部、250…不存在Fターム情報作成部、260…テーマ情報作成部、
301…電子文書、302…音声データ、303…特許情報、304…一般情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
技術文献を取得する文献取得部と、
前記文献取得部によって取得された技術文献から第1の技術項目を抽出する項目抽出部と、
前記第1の技術項目を含む木構造からテーマの候補とする第2の技術項目を抽出するテーマ選定部と、
前記第1の技術項目を含む木構造を表示する際、前記第1の技術項目を強調して表示し、前記第2の技術項目を特定する情報を合わせて表示する項目表示部とを有することを特徴とするアイデア整理支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアイデア整理支援装置において、
前記テーマ選定部は、
前記第1の技術項目を含む木構造の総覧を示す技術項目総覧情報を作成する技術項目総覧情報作成部と、
前記文献取得部によって取得された技術文献に付与されている技術項目を示す既存技術項目情報を作成する既存技術項目作成部と、
前記技術項目総覧情報と前記既存技術項目情報とに基づいて、前記技術項目総覧情報に含まれる技術項目について、前記文献取得部によって取得された技術文献に付与されていない技術項目の組み合わせを示す不存在技術項目情報を作成する不存在技術項目情報作成部と、
技術項目の組み合わせ毎に求められる指標に基づいて、前記不存在技術項目情報からテーマの候補とする技術項目の組み合わせを抽出して前記第2の技術項目とするテーマ情報作成部とを有することを特徴とするアイデア整理支援装置。
【請求項3】
技術文献を取得する文献取得部と、
前記文献取得部によって取得された技術文献から第1の技術項目を抽出する項目抽出部と、
前記第1の技術項目を含む木構造に含まれる他の全ての第3の技術項目について、前記第1の技術項目および前記第3の技術項目が付与された技術文献の数をそれぞれ取得する文献数導出部と、
前記第1の技術項目を含むその木構造を表示する際、前記第1の技術項目を強調して表示し、前記第3の技術項目のそれぞれについて、前記文献数導出部によって取得された技術文献の数の情報を合わせて表示する項目表示部とを有することを特徴とするアイデア整理支援装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアイデア整理支援装置において、
前記第1の技術項目を含む木構造について、当該技術項目が付与された技術文献を取得してキーワードを抽出する支援情報導出部を有し、
前記項目表示部は、技術項目をその木構造にしたがって表示する際、技術項目のそれぞれについて、前記支援情報導出部によって抽出された前記キーワードの情報を表示可能であることを特徴とするアイデア整理支援装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアイデア整理支援装置において、
前記第1の技術項目を含む木構造に含まれる全ての技術項目について、当該技術項目が付与された技術文献を取得して、その作成主体の業種に係る情報を抽出し、
前記項目表示部は、前記第1の技術項目を含む木構造を表示する際、技術項目のそれぞれについて、前記支援情報導出部によって抽出された前記作成主体の業種に係る情報を表示可能であることを特徴とするアイデア整理支援装置。
【請求項6】
技術文献を取得する文献取得処理と、
前記文献取得処理によって取得された技術文献から第1の技術項目を抽出する項目抽出処理と、
前記第1の技術項目を含む木構造からテーマの候補とする第2の技術項目を抽出するテーマ選定処理と、
前記第1の技術項目を含む木構造を表示する際、前記第1の技術項目を強調して表示し、前記第2の技術項目を特定する情報を合わせて表示する項目表示処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするアイデア整理支援プログラム。
【請求項7】
技術文献を取得する文献取得処理と、
前記文献取得処理によって取得された技術文献から第1の技術項目を抽出する項目抽出処理と、
前記第1の技術項目を含む木構造に含まれる他の全ての第3の技術項目について、前記第1の技術項目および前記第3の技術項目が付与された技術文献の数をそれぞれ取得する文献数導出処理と、
前記第1の技術項目を含む木構造を表示する際、前記第1の技術項目を強調して表示し、前記第3の技術項目のそれぞれについて、前記文献数導出処理によって取得された技術文献の数の情報を合わせて表示する項目表示処理とを実行することを特徴とするアイデア整理支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−204009(P2011−204009A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70630(P2010−70630)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】