説明

アイドリングストップ禁止制御装置

【課題】アイドリングストップ機能によってETC車載器の動作が損なわれないように保障する。
【解決手段】制御部4の車載器動作判断手段4aは、ETC車載器2が動作中か否か又は動作開始が予測されるか否かを判断し、アイドリングストップ禁止指令出力手段4bは、ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されることが判断されると、アイドリングストップ制御ECU3に対してアイドリングストップ禁止指令を出力する。又、アイドリングストップ禁止解除指令出力手段は、所定条件でアイドリングストップ禁止解除指令を出力する。アイドリングストップ制御ECU3は、アイドリングストップ禁止指令を受けたときにはアイドリングストップ機能を停止し、アイドリングストップ禁止解除指令を受けたときにアイドリングストップ機能の停止を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両停車時に車両のエンジンを自動で停止させるアイドリングストップ禁止制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、市街地交差点などで車両が停止したときには、アイドリングを自動的にストップし、燃費節約や排ガス低減を図る技術がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−245587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したアイドリングストップ技術とは別に、有料道路などの料金所においてノンストップで料金収受処理を行えるようにした自動料金収受システム(以下、ETCシステムという。ETCは登録商標)がある。このETCシステムは、出口料金所のゲート(以下ETCゲートという)あるいは入口料金所のゲートに無線機としてのETC路側機を配設すると共に、このETC路側機のアンテナを介して無線通信をして料金収受処理を行うETC車載器を車両側に搭載して構成している。ETC車載器には料金の支払いをする使用者の情報を記憶させたICカードを装着するように構成されており、無線通信の際に使用者や車両の確認と共に料金所の料金情報などを授受して記録するように構成されている。
【0005】
ここで、車両が入口料金所又は出口料金所のETCゲートを通過する手前において、渋滞などによって車両が停止した場合、アイドリングストップ機能が動作すると、次の不具合が予想される。すなわち、このアイドリングストップ状態から、スタータが動作しエンジンが再始動される際に、車両バッテリが寿命末期のバッテリであったりすると一時バッテリ電圧が低下することがある。そして、ETC車載器は通常走行時に動作することを想定しているため、スタータ動作時にそれまでの車載器動作を継続するように設計されておらず、また、ETC車載器は、ETCカードとの暗号通信を含め、電源投入からETC路側器と通信が可能になるまで数秒以上の時間がかかる。このため、渋滞などでETCゲート直前でアイドリングストップした場合には、エンジン再始動後すぐにはETC車載器が使えず、例えば、ETCゲートを通過できないなどの不具合がでる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、アイドリングストップ機能によってETC車載器の動作が損なわれないように保障できるアイドリングストップ禁止制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、車載器動作判断手段が、ETC車載器が動作中か否か又は動作開始が予測されるか否かを判断し、ETC車載器が動作中又は動作開始が予測されることが判断されると、アイドリングストップ禁止指令出力手段が前記アイドリングストップ制御装置に対してアイドリングストップ禁止指令を出力する。すると、アイドリングストップ制御装置は、前記アイドリングストップ禁止指令を受けたときにはアイドリングストップ機能を停止する。これにより、アイドリングストップ制御装置はアイドリングストップ機能を停止するから、車両が停止してもアイドリングストップを実行しない。
【0008】
この結果、車両がETCゲート通過直前において例えば渋滞によって車両が停止したとしてもエンジンの停止がなくつまりエンジンの再始動によるバッテリ電圧低下も全くない。従って、車両がETCゲート近くで停止することがあってもETC車載器の動作が損なわれないように保障できる。
【0009】
さらに、所定条件でアイドリングストップ禁止解除指令を出力するアイドリングストップ禁止解除指令出力手段を備え、アイドリングストップ制御装置がこのアイドリングストップ禁止解除指令を受けたときにアイドリングストップ機能の停止を解除するから、アイドリングストップ機能が停止されても、所定条件でアイドリングストップ機能の停止が解除され、アイドリングストップを通常通りに実行することができる。
【0010】
請求項2の発明は、前記車載器動作判断手段が、前記ETC車載器がETC路側機と通信可能であることをもって、前記ETC車載器が動作中又は動作開始が予測されると判断するところに特徴を有する。この請求項2においては、前記ETC車載器がETC路側機と通信可能であると、車両がETCゲートの近傍であることが判断できるから、これをもって、前記ETC車載器が動作中又は動作開始が予測されると判断することは、正確な判断といえる。従って、ETCゲートを確実に検出して直前でのアイドリングストップ停止を確実に実行できる。
【0011】
請求項3の発明は、前記車載器動作判断手段が、ETCカード未挿入お知らせアンテナからの電波を受信したことをもって、前記ETC車載器が動作中又は動作開始が予測されると判断するところに特徴を有する。
車両がETCゲートに向かう走行路の近くには、ETCカード未挿入お知らせアンテナが設置されている。そして、ETC車載器は、ETCカードの未挿入及び挿入済みのいずれでも、当該アンテナからの電波を受信可能であり、この電波を受信すれば、車両の走行先にETCゲートがあると存在でき、この場合は、前記ETC車載器の動作開始が予測されると判断できるものである。
そして、この請求項3の発明によれば、車載器動作判断手段が、ETCカード未挿入お知らせアンテナからの電波を受信したことをもって、前記ETC車載器の動作開始が予測されると判断するから、ETC車載器の動作開始予測を確実に判断することができる。
【0012】
又、請求項4の発明は、前記車載器動作判断手段が、前記ETC車載器が前記ETCカードと通信中であることをもって、前記ETC車載器が動作中であると判断するところに特徴を有する。ETC車載器がETCカードと通信中であると、車両がETCゲート直前であると判断できる。従って、この請求項4の発明によれば、前記ETC車載器が前記ETCカードと通信中であることをもって、前記ETC車載器が動作中であると判断するから、ETC車載器の動作中又は動作開始予測を確実に判断することができる。
【0013】
請求項5は、前記車載器動作判断手段が、他の情報提供手段からの情報提供により車両走行先にETCゲートがあることを通知されたことをもって、前記ETC車載器が動作中又は動作開始が予測されると判断するところに特徴を有する。
これによれば、他の情報提供手段からの情報提供により車両走行先にETCゲートがあることを通知されることにより、ETC車載器の動作開始予測を確実に判断することができる。
【0014】
請求項6の発明は、前記アイドリングストップ禁止解除指令出力手段における前記所定条件が、車両がETCゲートを通過したこと、アイドリングストップ禁止指令の出力から所定時間経過したこと、アイドリングストップ禁止指令の出力時点からの車両の移動距離が所定距離を超えたことのいずれかであるところに特徴を有する。
これによれば、ETC車載器の動作終了を適正に判断できて、この適正な判断に基づいてアイドリングストップ禁止の解除を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態のアイドリングストップ禁止制御装置に関し、全体の機能構成を示すブロック図
【図2】制御内容のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示されるアイドリングストップ禁止制御装置1は、ETC車載器2と、アイドリングストップ制御ECU3と、ETC車載器2の制御部4により夫々構成される車載器動作判断手段4a、アイドリングストップ禁止指令出力部4b、アイドリングストップ禁止解除指令出力部4cとを含んで構成される。
【0017】
前記ETC車載器2は、ETCシステムで料金所(ETCゲート)に設けられるETC路側機5のアンテナ5aとの間で無線通信を行うもので、例えば車両のダッシュボード部や運転席の近傍に設けられており、ICカード14が装着可能に構成されている。
【0018】
ETC車載器2において、前記制御部4は、マイコンやROM、RAMなどを含んで構成されるもので、ETCシステムの課金処理に対応した動作をするようにプログラムが予め組み込まれている。制御部4には、ETC路側機5と通信を行うための無線部6およびアンテナ6aが接続されている。ETC路側機5との間の無線通信では、DSRC(Dedicated Short Range Communication;狭域通信)方式を採用した通信処理を行うものである。アンテナ6aは、ETC車載器2の本体に一体に設けられるものや本体からワイヤを介して独立した構成として設けられフロントガラスなどに装着するものなどがある。
【0019】
さらに前記無線部6は、路側に設置されたETC未挿入お知らせアンテナ(図示せず)からの電波を受信可能となっている。このETC未挿入お知らせアンテナは、ETC車載器にETCカードが未装着である趣旨の電波を、ETCゲートに接近する車両に向けて発信しており、当該電波を受けた車両のETC車載器は、ETCカード未装着であれば、その旨を報知するものである。
【0020】
制御部4には、この他に外部機器接続部7、記憶部8、表示部9、入力操作部10、ICカード制御部11、ICカードコネクタ12などが接続されている。外部機器接続部7には、例えばカーナビゲーション装置などが接続可能に構成されていて、データの授受を行うことで相互に情報を利用して利用者にとって有益な情報を提供することができるようになっている。記憶部8は、フラッシュメモリに代表される不揮発性の記憶手段であり、車両に搭載する際に車両情報などが予め登録されたデータが記憶されると共に、課金処理に必要な各種のデータが記憶されるようになっている。
【0021】
表示部9は、報知手段として機能するもので、LEDなどの表示手段で課金処理を実行していることを使用者に表示により伝えたり、警告などを表示により行ったりするもので、例えば処理中を表示する「緑」や警告を表示する「赤」などの異なる色のLEDを設けたり、あるいは液晶表示部などを設けたりする。入力操作部10は、操作ボタンにより各種設定作業を行ったり所定の情報を表示させたりするための操作入力を受け付けるものである。
【0022】
なお、報知手段として、外部機器接続部7に接続されたカーナビゲーション装置を利用することができる。制御部4から、例えばカーナビゲーション装置のスピーカを利用して音声案内をする情報を送信し、これによって音声による通知をすることができるようにしたものである。
【0023】
又、外部機器接続部7に、VICS(登録商標)と通信可能なカーナビゲーション装置が接続されている場合には、VICSがETCゲート案内機能を有するものであれば、外部情報提供手段としてのVICSから、車両の走行先にETCゲートが有るか否かの通知を受けることも可能である。
【0024】
ICカード制御部11はICカードコネクタ12に装着されるICカード14を認識してデータの授受を行うためのものである。具体的には、制御部4の制御により後述するようにしてデータの授受の制御が行われる。ICカードコネクタ12は、ICカード14に設けられた電極部と電気的に接触する電極部を備えたコネクタである。
【0025】
また、ETC車載器2の各部は電源部13から給電されるようになっており、電源部13は車載バッテリからキースイッチのアクセサリスイッチ(ACCスイッチ)を介して接続されており、アクセサリスイッチがオンされると所定の直流電圧を生成して給電するように構成されている。
【0026】
ICカード14は、制御部15および記憶手段としての記憶部16を備えると共に、外部とデータの授受を行うための電極部が設けられている。制御部15はマイコンなどを主体とした構成とされていて、ETC車載器2に記憶部16に記憶している情報を要求に応じて出力したり、ETC車載器2から要求される書き込むべきデータの書き込み処理を行ったりするようになっている。記憶部16としては、フラッシュメモリに代表される不揮発性の記憶手段が設けられている。
【0027】
前記アイドリングストップ制御ECU3は、アイドリングストップ制御装置たるものであり、車両が車両停止を含む所定条件となるとエンジンECU17にアイドリングストップ指令を出力するものである。又エンジンECU17はエンジンの始動や停止などを行うものである。
【0028】
前記ETC車載器2の制御部4には、車両が備えたメータECU18から走行距離情報が入力されるようになっている。
前記ETC車載器2と前記ETC路側機5とを含んで構成されるETCシステムにおいては、カードの契約情報及び料金所情報が記録されたICカード15を、予め車両情報が登録されているETC車載器2に装着(挿入)して使用するものであり、この場合、車両が有料道路の入口料金所あるいは出口料金所に差しかかると、料金所に設置されたETC路側機5がアンテナ5aを通じてETC車載器2と無線通信し、上記車両情報、契約情報及び料金所情報を読み出し、その車両に対する通行料金の決済を自動的に行うように構成されている。
【0029】
また、料金所通過時にETC路側機5から受信した料金所情報および課金情報は、ETC車載器2に挿入されているICカード14に記録されるように構成されている。
さて、前記ETC車載器2の制御部4において制御プログラムにより構成された車載器動作判断手段4a、アイドリングストップ禁止指令出力手段4b及びアイドリングストップ禁止解除指令出力手段4cの機能について図2のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
今、キースイッチのアクセサリスイッチがオンされると、前記電源部13の電源がオンしてETC車載器2の制御部4における制御プログラムがスタートする。この場合、ETCカード14が挿入されているものとする。まず、ステップS1では、ETC車載器2がETC路側機5と通信可能か、つまり通信エリアに入って最初の通信がなされたか、否かを判断する。ETC車載器2がETC路側機5と通信可能であれば、これをもって、ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されるとみなし、ステップS5に移行してアイドリングストップ制御ECU3に対してアイドリングストップ禁止指令を出力する。
【0031】
この場合、アイドリングストップ制御ECU3はこのアイドリングストップ禁止指令を受け取ると、アイドリングストップ機能を一時停止する(アイドリングストップのためのエンジン停止指令をエンジンECU17に出力しないようになる)。
【0032】
そして、上記ステップS5の後、ステップS6でアイドリングストップ禁止解除のための所定条件が満足されたか否かを判断する。この所定条件としては、予め、車両がETCゲートを通過したこと、アイドリングストップ禁止指令の出力から所定時間経過したこと、アイドリングストップ禁止指令の出力時点からの車両の移動距離(メータECU18から取得)が所定距離を超えたことのいずれかであること、として定められている。前記車両がETCゲートを通過したことか否かはETC車載器2とETC路側機5との課金情報のやり取りが終了したことなどをもって判断できる。
【0033】
この所定条件が満足されると、ステップS7でアイドリングストップ禁止解除指令を出力する。
この場合、アイドリングストップ制御ECU3はこのアイドリングストップ禁止解除指令を受け取ると、アイドリングストップ機能の停止を解除する。
【0034】
前述のステップS1で、ETC車載器2がETC路側機5と通信可能でないと判断されたときには、ステップS2に移行して、ETCカード未挿入お知らせアンテナから電波を受信したか否かを判断し、受信したと判断されると、これをもって、車両がETCゲートに接近していると判断し、ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されるとみなし、前述のステップS5〜ステップS7に移行する。
【0035】
上記ステップS2でETCカード未挿入お知らせアンテナから電波を受信していないと判断すると、ステップS3に移行して、ETC車載器2がETCカード14と通信中か、つまり課金情報や契約情報について通信しているか否かを判断する。ETC車載器2がETCカード14と通信中であると判断されると、これをもって、ETC車載器2が動作中であるとみなし、前述のステップS5〜ステップS7に移行する。
【0036】
又、上記ステップS3でETC車載器2がETCカード14と通信中でないことが判断されると、ステップS4に移行し、他の情報提供手段であるVICSから、車両の走行先にETCゲートが有ることが通知されたか否かを判断する。通知されたことが判断されると、これをもって、ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されるとみなし、前述のステップS5〜ステップS7に移行する。このステップS3で他の情報提供手段であるVICSから、車両の走行先にETCゲートが有ることが通知されていないと判断すると、ステップS1に戻る。
【0037】
上述の実施形態によれば、車載器動作判断手段4aが、ETC車載器2が動作中か否か又は動作開始が予測されるか否かを判断し、ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されることが判断されると、アイドリングストップ禁止指令出力手段4bが前記アイドリングストップ制御ECU3に対してアイドリングストップ禁止指令を出力する。すると、アイドリングストップ制御ECU3は、前記アイドリングストップ禁止指令を受けたときにはアイドリングストップ機能を停止する。これにより、車両が停止することで通常はアイドリングストップが実行される場合でも、ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されることを条件にアイドリングストップは実行されない。
【0038】
この結果、車両がETCゲート通過直前において例えば渋滞によって車両が停止したとしてもエンジンの停止がなくつまりエンジンの再始動によるバッテリ電圧低下も全くない。従って、車両がETCゲート近くで停止することがあってもETC車載器2の動作が損なわれないように保障できる。
【0039】
さらに、所定条件でアイドリングストップ禁止解除指令を出力するアイドリングストップ禁止解除指令出力手段4cを備え、アイドリングストップ制御ECU3がこのアイドリングストップ禁止解除指令を受けたときにアイドリングストップ機能の停止を解除するから、アイドリングストップ機能が停止されても、所定条件でアイドリングストップ機能の停止が解除され、アイドリングストップを通常通りに実行することができる。
【0040】
又、この実施形態においては、前記車載器動作判断手段4aが、前記ETC車載器2がETC路側機5と通信可能であることをもって、ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されると判断する。これによれば、ETC車載器2がETC路側機5と通信可能であると、車両がETCゲートの近傍であることが判断できるから、これをもって、ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されると判断することは、正確な判断といえる。従って、ETCゲートを確実に検出して直前でのアイドリングストップ停止を確実に実行できる。
【0041】
さらに又、この実施形態においては、前記車載器動作判断手段4aが、上記判断条件以外でも、ETCカード未挿入お知らせアンテナからの電波を受信したことをもって、ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されると判断する。これによれば、ETCゲート進入が見込まれる位置にあるETCカード未挿入お知らせアンテナからの電波を受信したことをもって、ETC車載器2の動作開始が予測されると判断するから、ETC車載器2の動作開始予測を確実に判断することができる。
【0042】
さらに又、前記車載器動作判断手段4aは、上記判断条件以外でも、前記ETC車載器2が前記ETCカードと通信中であることをもって、ETC車載器2が動作中であると判断する。これによれば、ETC車載器2の動作中を確実に判断することができる。
【0043】
さらに、前記車載器動作判断手段4aが、他の情報提供手段からの情報提供により車両走行先にETCゲートがあることを通知されたことをもって、前記ETC車載器2が動作中又は動作開始が予測されると判断する。これによれば、他の情報提供手段からの情報提供により車両走行先にETCゲートがあることを通知されることにより、ETC車載器2の動作開始予測を確実に判断することができる。
【0044】
又、この実施形態によれば、前記アイドリングストップ禁止解除指令出力手段4cにおける前記所定条件を、車両がETCゲートを通過したこと、アイドリングストップ禁止指令の出力から所定時間経過したこと、アイドリングストップ禁止指令の出力時点からの車両の移動距離が所定距離を超えたことのいずれかであることとした。
【0045】
これによれば、ETC車載器2の動作終了を適正に判断できて、この適正な判断に基づいてアイドリングストップ禁止の解除を行うことができる。
実施形態の車載器動作判断手段4a、アイドリングストップ禁止指令出力部4b、アイドリングストップ禁止解除指令出力部4cは、ETC車載器2の制御部4により兼用する構成としたが、これらは、ETC車載器2とは別に設けても良い。
【符号の説明】
【0046】
図面中、1はアイドリングストップ禁止制御装置、2はETC車載器、3はアイドリングストップ制御ECU(アイドリングストップ制御装置)、4は制御部、4aは車載器動作判断手段、4bはアイドリングストップ禁止指令出力部、4cはアイドリングストップ禁止解除指令出力部、5はETC路側機、14はETCカードを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ETCカードの装着が可能で、当該ETCカードと通信すると共にETC路側機との間で無線通信を行って利用料金の課金処理を行うETC車載器と、
アイドリングストップ制御装置とを備えた車両に搭載されるアイドリングストップ禁止制御装置と、
前記ETC車載器が動作中か否か又は動作開始が予測されるか否かを判断する車載器動作判断手段と、
前記車載器動作判断手段により、ETC車載器が動作中又は動作開始が予測されることが判断されると、前記アイドリングストップ制御装置に対してアイドリングストップ禁止指令を出力するアイドリングストップ禁止指令出力手段と、
所定条件でアイドリングストップ禁止解除指令を出力するアイドリングストップ禁止解除指令出力手段とを備え、
前記アイドリングストップ制御装置は、前記アイドリングストップ禁止指令を受けたときにはアイドリングストップ機能を停止し、前記アイドリングストップ禁止解除指令を受けたときにアイドリングストップ機能の停止を解除することを特徴とするアイドリングストップ禁止制御装置。
【請求項2】
前記車載器動作判断手段は、前記ETC車載器が前記ETC路側機と通信可能であることをもって、前記ETC車載器が動作中又は動作開始が予測されると判断することを特徴とする請求項1に記載のアイドリングストップ禁止制御装置。
【請求項3】
前記車載器動作判断手段は、ETCカード未挿入お知らせアンテナからの電波を受信したことをもって、前記ETC車載器が動作中又は動作開始が予測されると判断することを特徴とする請求項1に記載のアイドリングストップ禁止制御装置。
【請求項4】
前記車載器動作判断手段は、前記ETC車載器が前記ETCカードと通信中であることをもって、前記ETC車載器が動作中であると判断することを特徴とする請求項1に記載のアイドリングストップ禁止制御装置。
【請求項5】
前記車載器動作判断手段は、他の情報提供手段からの情報提供により車両走行先にETCゲートがあることを通知されたことをもって、前記ETC車載器が動作中又は動作開始が予測されると判断することを特徴とする請求項1に記載のアイドリングストップ禁止制御装置。
【請求項6】
前記アイドリングストップ禁止解除指令出力手段における前記所定条件は、車両がETCゲートを通過したこと、アイドリングストップ禁止指令の出力から所定時間経過したこと、アイドリングストップ禁止指令の出力時点からの車両の移動距離が所定距離を超えたことのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかにアイドリングストップ禁止制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−36785(P2012−36785A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176188(P2010−176188)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】