説明

アイメイクアップ方法およびこれに用いる化粧料

【課題】 簡単な手法でありながら、自然な仕上がりで目や目元をきれいに見せることのできるアイメイクアップ方法を提供すること。
【解決手段】 目元を、塗布色がCIE表色系、C光源、2度視野における測色において下記X、Y、Zで示される色相範囲となるアイメイクアップ化粧料により塗布することを特徴とするアイメイクアップ方法。
X:50〜90
Y:Xの値に対して0〜+20
Z:Xの値に対して0〜+20
20<(Y−X)+(Z−X)<40

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイメイクアップ方法およびこれに用いる化粧料に関し、更に詳細には、自然な仕上がりで、目元をすっきりときれいに見せる効果を有するメイクアップ方法およびこれに用いる化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
目は、人の印象を左右する大きなポイントであり、目元の化粧は極めて重要性が高いとされている。従来、目元の化粧方法は、アイカラーを塗布することが一般的であるが、場合によっては、目元全体がくすんだように見えたり、アイカラーを塗っても、アイカラーの発色が良く見えなかったりすることがあった。
【0003】
このような目元のくすみを改善するために、スキンケアを行ったり、メイクアップの手法としてアイカラーの同系色や無彩色の濃淡を用いて、立体感を演出したり、色の濃いアイライナーを用いて目の際に化粧を施す等の手法が行われていた。
【0004】
しかしながら、目元のくすみが見えにくくなるまでアイカラーを塗ると、アイカラーの色が鮮やかすぎて派手な仕上がりになったり、色の濃いアイライナーを引く手法では目だけが強調されすぎてしまい、いずれも満足のいくものではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、簡単な手法でありながら、自然な仕上がりで目や目元をきれいに見せることのできるアイメイクアップ方法の開発が望まれており、このようなアイメイクアップ方法を提供することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行っていたところ、目元全体がくすんだように見える大きな原因は、目の白目部分がくすんでいたり、充血していることであることを知った。そして、目元に特定範囲の色相となるような化粧料を塗布することにより、例え白目部分が充血していたり、くすんでいたりしても、目元がくすんで見えることなく、目元がきれいに見える本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、目元を、塗布色がCIE表色系、C光源、2度視野における測色において下記X、Y、Zで示される色相範囲となるアイメイクアップ化粧料により塗布することを特徴とするアイメイクアップ方法である。
X:50〜90
Y:Xの値に対して0〜+20
Z:Xの値に対して0〜+20
20<(Y−X)+(Z−X)<40
【0008】
また本発明は、塗布色が、CIE表色系、C光源、2度視野における測色において上記X、Y、Zで示される色相範囲となるアイメイクアップ化粧料である。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアイメイクアップ方法によれば、目元に特定の色相範囲の色で塗布することにより、例え白目部分が充血していたり、くすんでいたりしても、目元がくすんで見えることなく、目元をきれいに見せることが可能となる。
【0010】
従って、皮膚をこのような色相に塗布することができるメイクアップ化粧料を使用することにより、簡単に目元をきれいに見せる化粧が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のアイメイクアップ方法は、目元部分を塗布色がCIE表色系、C光源、2度視野における測色において
X:50〜90
Y:Xの値に対して0〜+20
Z:Xの値に対して0〜+20
20<(Y−X)+(Z−X)<40
で示される色相範囲となるアイメイクアップ化粧料により塗布するものである。
【0012】
この塗布色は、アイメイクアップ化粧料を透明フィルムに塗布した後、色相をCIE表色系(XYZ系)で表示できる測色計により測光することにより求めることができる。また、RGB系で測光した後、XYZ系に変換しても良い。なお、上記塗布色は、光源として、C光源(約6740゜Kの色温度)を用い、2度視野で測定した値である。
【0013】
本発明のアイメイクアップ方法(以下、「本発明法」という)は、塗布色が上記色相範囲となるアイメイクアップ化粧料を選択し、これを使用して目元を塗布することにより行われる。この塗布は、1種のアイメイクアップ化粧料を用いて単色で塗布しても、また、2種以上を用い、複数色でグラデーションを持たせて塗布しても良い。なお、ここで言う目元とは、上まぶた及び下まぶた等の目周り全体を意味する。
【0014】
塗布に用いるアイメイクアップ化粧料は、塗布色が上記色相範囲であれば特に制約されず、アイカラー、アイカラー下地等の何れであっても良く、またその形態も、固型化粧料、液状化粧料、粉末化粧料、クリーム状化粧料等の何れの形態の化粧料であっても良い。
【0015】
上記アイメイクアップ化粧料は、色素ないし顔料を上記色相範囲となるような量および割合で公知のアイメイクアップ化粧料用担体中に配合することにより調製される。例えば、固型形態のアイメイクアップ化粧料を調製する場合は、上記量および割合の色素ないし顔料を、粉体、油剤等の担体と組み合わせ、公知手段により混合均一化すれば良く、また、液状形態のアイメイクアップ化粧料を調製する場合は、上記色素ないし顔料を、水、粉体、油剤、界面活性剤等の担体と組み合わせ、公知手段により混合均一化すれば良い。
【0016】
以上説明した本発明方法によれば、自然な塗布色でありながら目の白目部分をきれいに見せることが可能となる。そして、この結果、目元部分がくすんで見えることを防ぎ、優れた化粧効果を与えることができるものである。
【実施例】
【0017】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0018】
実 施 例 1
アイカラー:
下記表1の組成で本発明品1ないし4および比較品1ないし4のアイカラーを調製し、その10mgを寺岡製作所製透明フィルム(2cm×2cm)にチップで塗布した。この塗布色を、色差計(Σ90 COLOR MEASURING SYSTEM;日本電色工業(株)社製)を用い、C光源、2度視野にて測色し、CIE表色系(XYZ系)で表示した。
【0019】
次に、各アイカラーの適量を被験者の上下まぶたに塗布し、評価者6名にて塗布前後で被験者の目元の印象が変化したかどうかを、下記評価基準によって評価した。その評点の平均を算出し、下記判定基準を用いて「目元の印象」を判定した。この結果を、前記CIE表色系での測色結果と合わせて表2に示す。
【0020】
<目元の印象>
[評価基準]
(評点) (評 価)
4点 :目元の印象が非常にすっきりとしていてきれいに感じる
3点 :目元の印象がすっきりとしていてきれいに感じる
2点 :目元の印象が塗布前と変わらないように感じる
1点 :目元の印象がぼやけたように感じる
[判定基準]
◎ :3.2〜4.0点
○ :2.5〜3.2点未満
× :1.0〜2.5点未満
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

【0023】
この結果から、CIE表色系のXYZが
X:50〜90
Y:Xの値に対して0〜+20
Z:Xの値に対して0〜+20
20<(Y−X)+(Z−X)<40
を満足する場合に、塗布色が自然でありながら白目がきれいに見えるアイメイクアップが可能となることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明方法を使用することにより、塗布色が自然でありながら白目がきれいに見えるアイメイクアップが可能となり、目元部分がくすんで見えることを防ぎ、優れた化粧効果を与えることができる。
【0025】
従って、美容院等における美容や、新しいアイメイクアップ化粧品の開発に利用可能である。
以 上

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目元を、塗布色がCIE表色系、C光源、2度視野における測色において下記X、Y、Zで示される色相範囲となるアイメイクアップ化粧料により塗布することを特徴とするアイメイクアップ方法。
X:50〜90
Y:Xの値に対して0〜+20
Z:Xの値に対して0〜+20
20<(Y−X)+(Z−X)<40
【請求項2】
塗布色が、CIE表色系、C光源、2度視野における測色において下記X、Y、Zで示される色相範囲となるアイメイクアップ化粧料。
X:50〜90
Y:Xの値に対して0〜+20
Z:Xの値に対して0〜+20
20<(Y−X)+(Z−X)<40


【公開番号】特開2007−246480(P2007−246480A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−75108(P2006−75108)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】