アクセサリー玩具
【課題】音響信号のレベルの検出結果に基づいて予め設定された動作パターンでモータの回転を制御し、フィギュア体を動かすという簡単な構成で製造コストを抑えながらフィギュア体にリアル感のある表現をさせることができるアクセサリー玩具を提供すること。
【解決手段】アクセサリー玩具Aは音響機器から入力された音響信号のレベルを検出してモータ26の回転を制御する制御部5と、該モータ26の回転に連動して回転する円盤20と、該円盤20上に立設したフィギュア体Bとを備え、上記モータ26の動作パターンはメモリに記憶され、上記制御部5は音響信号を検出したときは、読み出した動作パターンに基づいて上記モータ26を動作させ、音響信号が検出できないときは上記モータの動作を一時停止し、選択した動作パターンが完了するまで同一の動作パターンを実行するようにした。
【解決手段】アクセサリー玩具Aは音響機器から入力された音響信号のレベルを検出してモータ26の回転を制御する制御部5と、該モータ26の回転に連動して回転する円盤20と、該円盤20上に立設したフィギュア体Bとを備え、上記モータ26の動作パターンはメモリに記憶され、上記制御部5は音響信号を検出したときは、読み出した動作パターンに基づいて上記モータ26を動作させ、音響信号が検出できないときは上記モータの動作を一時停止し、選択した動作パターンが完了するまで同一の動作パターンを実行するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタルプレイヤー等の音響機器に接続され、音響機器から入力される音響信号に基づいてフィギュア体が動作するアクセサリー玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、音響機器に接続され、この音響機器から出力される音声信号の変動を表示する装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この装置は、音声信号の変動を表示部である発光ダイオードの発光・点滅に変換し、この発光ダイオードを透明なプラスチックなどの透光性部材により形成したキャラクター部材の内部に収容したものである。
【特許文献1】特開平11−327581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の装置は音声信号中の特定範囲または複数の範囲の周波数や音声信号の強さを検出部により検出し、検出した音声信号の変動に基づいて表示部である発光ダイオードを発光点滅させたものであり、単に音声信号の変動に同期して発光ダイオードが発光点滅させ、キャラクター部材を内部から照射するだけで、飽きがくる恐れがあった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決し、音響信号のレベルの検出結果に基づいて予め設定された動作パターンでモータの回転を制御し、フィギュア体を動かすという簡単な構成で製造コストを低く抑えながらフィギュア体にリアル感のある表現をさせることができるアクセサリー玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明に係るアクセサリー玩具は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記アクセサリー玩具は上記音響機器から入力された音響信号のレベルを検出してモータの回転を制御する制御部と、該モータの回転に連動して回転する円盤と、該円盤上に立設したフィギュア体とを備えること
(ロ)上記モータの動作パターンは複数の基本パターンから構成され、該動作パターンは基本パターンの組み合わせにより複数設定されメモリに記憶されていること
(ハ)上記制御部は音響信号の検出時には上記メモリから読み出した動作パターンに基づいて上記モータを動作させ、音響信号の非検出時には読み出した動作パターンに基づく上記モータの動作を一時停止し、選択した動作パターンが完了するまで同一の動作パターンを実行すること
なお、前記アクセサリー玩具は以下の要件を備えることが好ましい。
(イ)前記フィギュア体は透光性を有する素材で形成され、該フィギュア体は照明手段で照射されること
(ロ)前記照明手段は異なる色の光を照射すること
また、前記フィギュア体は、胴体部に対し腕部が上下に回動可能に軸支され、回転時に腕部が上下動するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、モータの動作パターンを予め複数設定しておき、音響信号の有無でモータの動作・停止が制御され、同じ動作パターンであっても中断、再開を繰り返しその動作パターンが完了するまでモータの回転停止が制御されるので、フィギュア体の動きを複雑にみせることができる。
【0007】
請求項2の発明によれば、フィギュア体が透光性を有する素材で形成され、このフィギュア体を照明手段で照らすとともに、色を変えて照らすので暗い場所であってもフィギュア体の動きを楽しむことができる。
【0008】
請求項3の発明によれば、フィギュア体が回転すれば遠心力で腕部が上り、回転が止まれば重力で腕部が下がり、フィギュア体の動きに連動して腕部が動くので腕部を動かす機構を特別に設けることなくフィギュア体の動きを楽しむことができるとともに、フィギュア体の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明に係るアクセサリー玩具の一例を示し、このアクセサリー玩具Aはディジタルプレイヤー等の音響機器に接続され、音響機器から出力される音響信号に基づいてフィギュア体Bが動作するようにしたものである。
【0010】
アクセサリー玩具Aは、略タマゴ状のケース1の内部にフィギュア体Bが配置されたもので、ケース1は透明な上ケース2と、不透明な下ケース3とから構成され、上ケース2内にはフィギュア体Bが配置され、下ケース3内にはフィギュア体Bを作動させる作動機構4とこの作動機構4を制御する制御部5とが配置されている。
【0011】
なお、図1において、符号6はヘッドフォンのフラグを差し込むジャック、符号7は音響機器と接続するケーブルのプラグを差し込むジャック、符号8は操作ボタン、符号9は開口部を示し、この開口部9内側には音を検出するマイク36が配置されている。
【0012】
上記フィギュア体Bは、透明な樹脂(例えば、アクリル樹脂)で形成されたもので、本発明では人形を模して形成されている。
【0013】
このフィギュア体Bは、図2に示すように、脚部10と胴部11と頭部12とが一体に形成された本体13と胴部11に重合させる板状の第2の胴部14と、腕部15、16とで構成され、胴部11に形成された収容凹部17に腕部15、16の上腕部15a、16aが支軸18で回動可能に軸支されている。なお、フィギュア体Bが自転すると遠心力で腕部15、16が上昇し、自転が止まると自重で腕部15、16が下降し、フィギュア体Bの動きに腕部15、16が敏感に反応するように、腕部15、16の先端部は握り拳を模して形成された錘部15b、16bが形成されている。
【0014】
そして、上記フィギュア体Bはプレート21の中心に開口した円形の開口部22から突出した円盤20の上面に体を横に曲げて立った状態で固定され、この円板20は後述する作動機構4により正逆回転するようになっている。
【0015】
なお、このフィギュア体Bの形状は人形に限定されるものではなく腕部を有するものであれば動物やロボットを模して形成されていてもよい。
【0016】
作動機構4は、図3、図4に示すように、下ケース3の開口面を塞ぐプレート21の下方に配置され、上記フィギュア体Bを固定した円盤20に固定された平歯車23と、この平歯車23に噛み合う減速歯車24と、この減速歯車24に噛み合うウォームギア25と、このウォームギア25を回転軸に固定したモータ26とで構成され、モータ26の正逆回転でウォームギア25、減速歯車24、平歯車23を介して円盤20が正逆回転することにより円盤20上のフィギュア体Bが正逆回転するようになっている。
【0017】
なお、上記プレート21の開口部22の外側にはガイド孔27が形成され、このガイド孔27からは照明手段である3色LED28の先端が露出し、点灯時には上記フィギュア体Bを下から赤色、緑色、橙色に色を変えながら照射するようになっている。
【0018】
また、図3において、符号30は作動機構4を支持する支持板、符号31は制御部5であるマイコン他を載置した回路基板を示し、この回路基板31には押しボタン8の押し操作でONするラバースイッチ35、マイク36、ヘッドフォンのプラグを差し込むジャック6、音響機器と接続するケーブルのプラグを差し込むジャック7が配置されている。なお、符号37はボタン電池、符号38は電池カバーを示す。また、符号40は電源スイッチ40aと切り替えスイッチ40bとを備えたスライドスイッチを示し、このスライドスイッチ40のレバー43は下ケース3の側面に形成された開口部44からスライド操作可能に突出している。
【0019】
図5は、上記アクセサリー玩具の電気的構成を説明するブロック図で、切り替えスイッチ40bで音響機器(ジャック7)からの音響信号を入力するか、マイク36からの音声信号を入力するかを選択し、入力された音響信号又は音声信号は信号増幅、フィルタ回路41で増幅されるとともにフィルタ(積分)がかけられた後、波形変換回路42でデジタル信号に変換され、音響信号又は音声信号の有無が制御部5であるマイコンで認識できるようになっている。
【0020】
なお、ジャック7からの入力信号は切り替えスイッチ40bの手前で分岐され、一方は切り替えスイッチ40bに接続され、他方はヘッドフォン用のジャック6に接続されているので、ユーザーはアクセサリー玩具Aを作動させるか否かに関係なくヘッドフォンで音楽を聴くことができるようになっている。
【0021】
そして、このアクセサリー玩具Aはスライドスイッチ40を操作して電源スイッチ40aをONした後、押しボタン8を押し操作してラバースイッチ35をONさせると、所定時間(本発明では3分間に設定)動作可能状態になり、所定時間経過すると自動的に停止するようになっている。
【0022】
そして、デジタル信号がONになると、マイコン5は内蔵したメモリ(データROM)に記憶されている動作パターンを読み出し、その動作パターンに基づいて正逆ドライブ信号DV1、DV2を出力しモータ26の正逆回転制御およびモータ26を停止させるブレーキ制御を行なうようになっている。
【0023】
さらに、制御部5はモータのドライブ信号を出力するタイミングに合わせて3色LEDの駆動信号L1、L2を出力し、フィギュア体Bを赤色、緑色、橙色で照射することができるようになっている(図12参照)。
【0024】
モータ26の動作パターンは、図6(a)の基本パターン説明図及び図7(a)〜(e)のタイムチャート図に示すように、複数の基本パターン(パターンA〜パターンE)が設定され、図6(b)の動作パターンテーブル図に示すように、基本パターンを組み合わせてフィギュア体Bの動きを設定している。本発明では、一旦読み出した動作パターンは所定時間が終了するまで実行されるようにプログラミングされている。
【0025】
つまり、スタートボタン8を押すと動作パターンテーブルの中からランダムに動作パターンが選択され、選択された動作パターンはデジタル信号がONの間は制御部5は動作パターンに基づいてモータ26の動作を制御し、その動作パターンの実行中にデジタル信号がOFFになると動作パターンの実行をポーズし、再度デジタル信号がONになるとポーズを解除し、引き続き動作パターンの残りの部分を実行するようにプログラミングされている。このことにより、デジタル信号の有無により動作パターンの実行、中断、再開を繰り返しながら所定時間経過するまで時系列で動作パターンを実行するので、同じ動作パターンでありながら図8(基本パターンAを連続実行)、図9(基本パターンAを断続実行)に示すように、モータ26が連続回転したり、断続回転したりするので同じ基本パターンであっても異なった動作をしているような印象をユーザーに与え、より複雑なパターンでモータの制御(フィギュア体の回転制御)を行なうことができる。
【0026】
なお、図8、図9において、音響信号又は音声信号は信号増幅、フィルタ回路41で波形整形がなされ、閾値より低くなっても直ぐにデジタル信号がOFFにならないように時間tの分だけ遅れるようになっており、デジタル信号が激しくON/OFFを繰り返さないようになっている。
【0027】
また、制御部5はモータ26の停止時には正回転信号と逆回転信号とを同時に出力し、モータ26にブレーキをかけるようにプログラミングされているので、フィギュア体の動きがシャープになり、より興味深いフィギュア体の動きを楽しむことができるようにプログラミングされている。
【0028】
次に、上記構成のアクセサリー玩具の使用態様を図10フローチャート図に基づいて説明する。
【0029】
このアクセサリー玩具を使用するに当たっては、図11に示すように、音響機器100のプラグ101をジャック7に差し込むとともに、ヘッドフォン102のフラグ103をジャック6に差し込み、アクセサリー玩具Aをストラップ104で首から提げる。なお、このアクセサリー玩具は図示しない載置台上に載せ、テーブルの上において使用しても構わない。
【0030】
次に、切り替えスイッチ40bを操作して、入力信号を音響機器100からの音響信号を使用するかマイクからの音声信号を使用するかを選択する(ステップST1)。音響機器100からの音響信号を使用する場合は、音響機器を操作して曲目を選択し再生すると、その音響信号はジャック7からジャック6を経由して、ヘッドフォン102に流れるのでユーザーは自分が選曲した音楽を確認することができる。
【0031】
次に、音響機器からの音響信号(又は、マイクからの音声信号)に乗せてフィギュア体を動かす場合は、ユーザーはスタートボタン8を押せばよい(ステップST2)。
【0032】
スタートボタン8が押されるとラバースイッチ35がONするので、アクセサリー玩具Aは作動状態になり、メモリに記憶されている複数の動作パターンの中から1つの動作パターンがランダムに選択され、制御部5はこの動作パターンに基づいてモータ26の動作を制御することになる。
【0033】
切り替えスイッチ40bで選択したマイク36からの音声信号又は音響機器100からの音響信号は信号増幅・フィルタ回路41で整形され、波形変換回路42でデジタル信号に変換されて制御部5に入力される。
【0034】
制御部5は、入力されたデジタル信号がONになると(ステップST4)、動作パターンを実行する(ステップST5)。この動作パターンの実行は、例えば、「動作パターン1」が選択された場合は、図12のタイムチャートに示すように、基本パターンA、基本パターンB、基本パターンC、基本パターンDの順番に、モータ26の正逆回転を制御する。この際、モータ26の正逆回転の駆動信号に同期して、LED28を赤色から青色へ、青色から橙色へ、橙色から赤色へと順番にその色を変えるようにLED28の駆動信号をL1、L2、L1+L2の順番に出力する。
【0035】
動作パターンは音響信号がONの間は制御部5は動作パターンに基づいてモータ26の動作を制御し、その動作パターンの実行中に音響信号がOFFになると(ステップST6)動作パターンの実行をポーズし(ステップST7)、再度音響信号がONになると(ステップST8)、ステップST9に進んでポーズを解除し、引き続き動作パターンの残りの部分を実行する。そして、スタートボタンを押してから所定時間が経過していれば(ステップST10)、制御部5は動作パターンを終了し、経過していなければ、ステップST5に戻り、デジタル信号のON・OFFに併せて動作パターンの実行、中断、再開を繰り返しながら所定時間経過するまで時系列で動作パターンを実行する。
【0036】
そして、モータ26が回転すると、ウォームギア25、減速歯車24、平歯車23を介して円盤20が回転することにより円盤20上のフィギュア体Bが回転するので、図13(a)に示すように、停止状態では腕部15、16が下がった状態のフィギュア体Bは、図13(b)に示すように、遠心力で腕部15、16が上方に回動し、回転が止まると再び図13(a)に示すように、腕部15、16が下方に回動し、あたかも人形が踊っているような状態を作り出すことができる。しかも、停止状態では消灯していたLED28が、モータ26が回転するたびに色を変えながらフィギュア体Bを照射するので、ディスコ(今では、死語ですか?)の雰囲気をかもし出すことができ、単にフィギュア体が動くだけではなく視覚的な効果を付加することにより、さらに興味深いアクセサリー玩具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るアクセサリー玩具の一例を示す斜視図
【図2】フィギュア体の構成を説明する分解斜視図
【図3】上記アクセサリー玩具の分解斜視図
【図4】上記アクセサリー玩具の内部構造を説明する要部縦断面図
【図5】上記アクセサリー玩具の電気的構成を説明するブロック図
【図6】(a)(b)は動作パターンテーブル図及び基本パターン説明図
【図7】(a)〜(e)は基本パターンを説明するタイムチャート図
【図8】基本パターンの一例を説明するタイムチャート図
【図9】基本パターンの一例を説明するタイムチャート図
【図10】上記アクセサリー玩具の使用状態を説明するフローチャート図
【図11】上記アクセサリー玩具の使用状態図
【図12】動作パターンの一例を説明するタイムチャート図
【図13】(a)(b)はフィギュア体の停止状態及び動作状態を説明する正面図
【符号の説明】
【0038】
1 ケース
2 上ケース
3 下ケース
4 作動機構
5 制御部
8 操作ボタン(スタートボタン)
11 胴体部
15 腕部
16 腕部
20 円盤
26 モータ
28 照明手段(LED)
36 マイク
100 音響機器
A アクセサリー玩具
B フィギュア体
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタルプレイヤー等の音響機器に接続され、音響機器から入力される音響信号に基づいてフィギュア体が動作するアクセサリー玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、音響機器に接続され、この音響機器から出力される音声信号の変動を表示する装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この装置は、音声信号の変動を表示部である発光ダイオードの発光・点滅に変換し、この発光ダイオードを透明なプラスチックなどの透光性部材により形成したキャラクター部材の内部に収容したものである。
【特許文献1】特開平11−327581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の装置は音声信号中の特定範囲または複数の範囲の周波数や音声信号の強さを検出部により検出し、検出した音声信号の変動に基づいて表示部である発光ダイオードを発光点滅させたものであり、単に音声信号の変動に同期して発光ダイオードが発光点滅させ、キャラクター部材を内部から照射するだけで、飽きがくる恐れがあった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決し、音響信号のレベルの検出結果に基づいて予め設定された動作パターンでモータの回転を制御し、フィギュア体を動かすという簡単な構成で製造コストを低く抑えながらフィギュア体にリアル感のある表現をさせることができるアクセサリー玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明に係るアクセサリー玩具は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記アクセサリー玩具は上記音響機器から入力された音響信号のレベルを検出してモータの回転を制御する制御部と、該モータの回転に連動して回転する円盤と、該円盤上に立設したフィギュア体とを備えること
(ロ)上記モータの動作パターンは複数の基本パターンから構成され、該動作パターンは基本パターンの組み合わせにより複数設定されメモリに記憶されていること
(ハ)上記制御部は音響信号の検出時には上記メモリから読み出した動作パターンに基づいて上記モータを動作させ、音響信号の非検出時には読み出した動作パターンに基づく上記モータの動作を一時停止し、選択した動作パターンが完了するまで同一の動作パターンを実行すること
なお、前記アクセサリー玩具は以下の要件を備えることが好ましい。
(イ)前記フィギュア体は透光性を有する素材で形成され、該フィギュア体は照明手段で照射されること
(ロ)前記照明手段は異なる色の光を照射すること
また、前記フィギュア体は、胴体部に対し腕部が上下に回動可能に軸支され、回転時に腕部が上下動するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、モータの動作パターンを予め複数設定しておき、音響信号の有無でモータの動作・停止が制御され、同じ動作パターンであっても中断、再開を繰り返しその動作パターンが完了するまでモータの回転停止が制御されるので、フィギュア体の動きを複雑にみせることができる。
【0007】
請求項2の発明によれば、フィギュア体が透光性を有する素材で形成され、このフィギュア体を照明手段で照らすとともに、色を変えて照らすので暗い場所であってもフィギュア体の動きを楽しむことができる。
【0008】
請求項3の発明によれば、フィギュア体が回転すれば遠心力で腕部が上り、回転が止まれば重力で腕部が下がり、フィギュア体の動きに連動して腕部が動くので腕部を動かす機構を特別に設けることなくフィギュア体の動きを楽しむことができるとともに、フィギュア体の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明に係るアクセサリー玩具の一例を示し、このアクセサリー玩具Aはディジタルプレイヤー等の音響機器に接続され、音響機器から出力される音響信号に基づいてフィギュア体Bが動作するようにしたものである。
【0010】
アクセサリー玩具Aは、略タマゴ状のケース1の内部にフィギュア体Bが配置されたもので、ケース1は透明な上ケース2と、不透明な下ケース3とから構成され、上ケース2内にはフィギュア体Bが配置され、下ケース3内にはフィギュア体Bを作動させる作動機構4とこの作動機構4を制御する制御部5とが配置されている。
【0011】
なお、図1において、符号6はヘッドフォンのフラグを差し込むジャック、符号7は音響機器と接続するケーブルのプラグを差し込むジャック、符号8は操作ボタン、符号9は開口部を示し、この開口部9内側には音を検出するマイク36が配置されている。
【0012】
上記フィギュア体Bは、透明な樹脂(例えば、アクリル樹脂)で形成されたもので、本発明では人形を模して形成されている。
【0013】
このフィギュア体Bは、図2に示すように、脚部10と胴部11と頭部12とが一体に形成された本体13と胴部11に重合させる板状の第2の胴部14と、腕部15、16とで構成され、胴部11に形成された収容凹部17に腕部15、16の上腕部15a、16aが支軸18で回動可能に軸支されている。なお、フィギュア体Bが自転すると遠心力で腕部15、16が上昇し、自転が止まると自重で腕部15、16が下降し、フィギュア体Bの動きに腕部15、16が敏感に反応するように、腕部15、16の先端部は握り拳を模して形成された錘部15b、16bが形成されている。
【0014】
そして、上記フィギュア体Bはプレート21の中心に開口した円形の開口部22から突出した円盤20の上面に体を横に曲げて立った状態で固定され、この円板20は後述する作動機構4により正逆回転するようになっている。
【0015】
なお、このフィギュア体Bの形状は人形に限定されるものではなく腕部を有するものであれば動物やロボットを模して形成されていてもよい。
【0016】
作動機構4は、図3、図4に示すように、下ケース3の開口面を塞ぐプレート21の下方に配置され、上記フィギュア体Bを固定した円盤20に固定された平歯車23と、この平歯車23に噛み合う減速歯車24と、この減速歯車24に噛み合うウォームギア25と、このウォームギア25を回転軸に固定したモータ26とで構成され、モータ26の正逆回転でウォームギア25、減速歯車24、平歯車23を介して円盤20が正逆回転することにより円盤20上のフィギュア体Bが正逆回転するようになっている。
【0017】
なお、上記プレート21の開口部22の外側にはガイド孔27が形成され、このガイド孔27からは照明手段である3色LED28の先端が露出し、点灯時には上記フィギュア体Bを下から赤色、緑色、橙色に色を変えながら照射するようになっている。
【0018】
また、図3において、符号30は作動機構4を支持する支持板、符号31は制御部5であるマイコン他を載置した回路基板を示し、この回路基板31には押しボタン8の押し操作でONするラバースイッチ35、マイク36、ヘッドフォンのプラグを差し込むジャック6、音響機器と接続するケーブルのプラグを差し込むジャック7が配置されている。なお、符号37はボタン電池、符号38は電池カバーを示す。また、符号40は電源スイッチ40aと切り替えスイッチ40bとを備えたスライドスイッチを示し、このスライドスイッチ40のレバー43は下ケース3の側面に形成された開口部44からスライド操作可能に突出している。
【0019】
図5は、上記アクセサリー玩具の電気的構成を説明するブロック図で、切り替えスイッチ40bで音響機器(ジャック7)からの音響信号を入力するか、マイク36からの音声信号を入力するかを選択し、入力された音響信号又は音声信号は信号増幅、フィルタ回路41で増幅されるとともにフィルタ(積分)がかけられた後、波形変換回路42でデジタル信号に変換され、音響信号又は音声信号の有無が制御部5であるマイコンで認識できるようになっている。
【0020】
なお、ジャック7からの入力信号は切り替えスイッチ40bの手前で分岐され、一方は切り替えスイッチ40bに接続され、他方はヘッドフォン用のジャック6に接続されているので、ユーザーはアクセサリー玩具Aを作動させるか否かに関係なくヘッドフォンで音楽を聴くことができるようになっている。
【0021】
そして、このアクセサリー玩具Aはスライドスイッチ40を操作して電源スイッチ40aをONした後、押しボタン8を押し操作してラバースイッチ35をONさせると、所定時間(本発明では3分間に設定)動作可能状態になり、所定時間経過すると自動的に停止するようになっている。
【0022】
そして、デジタル信号がONになると、マイコン5は内蔵したメモリ(データROM)に記憶されている動作パターンを読み出し、その動作パターンに基づいて正逆ドライブ信号DV1、DV2を出力しモータ26の正逆回転制御およびモータ26を停止させるブレーキ制御を行なうようになっている。
【0023】
さらに、制御部5はモータのドライブ信号を出力するタイミングに合わせて3色LEDの駆動信号L1、L2を出力し、フィギュア体Bを赤色、緑色、橙色で照射することができるようになっている(図12参照)。
【0024】
モータ26の動作パターンは、図6(a)の基本パターン説明図及び図7(a)〜(e)のタイムチャート図に示すように、複数の基本パターン(パターンA〜パターンE)が設定され、図6(b)の動作パターンテーブル図に示すように、基本パターンを組み合わせてフィギュア体Bの動きを設定している。本発明では、一旦読み出した動作パターンは所定時間が終了するまで実行されるようにプログラミングされている。
【0025】
つまり、スタートボタン8を押すと動作パターンテーブルの中からランダムに動作パターンが選択され、選択された動作パターンはデジタル信号がONの間は制御部5は動作パターンに基づいてモータ26の動作を制御し、その動作パターンの実行中にデジタル信号がOFFになると動作パターンの実行をポーズし、再度デジタル信号がONになるとポーズを解除し、引き続き動作パターンの残りの部分を実行するようにプログラミングされている。このことにより、デジタル信号の有無により動作パターンの実行、中断、再開を繰り返しながら所定時間経過するまで時系列で動作パターンを実行するので、同じ動作パターンでありながら図8(基本パターンAを連続実行)、図9(基本パターンAを断続実行)に示すように、モータ26が連続回転したり、断続回転したりするので同じ基本パターンであっても異なった動作をしているような印象をユーザーに与え、より複雑なパターンでモータの制御(フィギュア体の回転制御)を行なうことができる。
【0026】
なお、図8、図9において、音響信号又は音声信号は信号増幅、フィルタ回路41で波形整形がなされ、閾値より低くなっても直ぐにデジタル信号がOFFにならないように時間tの分だけ遅れるようになっており、デジタル信号が激しくON/OFFを繰り返さないようになっている。
【0027】
また、制御部5はモータ26の停止時には正回転信号と逆回転信号とを同時に出力し、モータ26にブレーキをかけるようにプログラミングされているので、フィギュア体の動きがシャープになり、より興味深いフィギュア体の動きを楽しむことができるようにプログラミングされている。
【0028】
次に、上記構成のアクセサリー玩具の使用態様を図10フローチャート図に基づいて説明する。
【0029】
このアクセサリー玩具を使用するに当たっては、図11に示すように、音響機器100のプラグ101をジャック7に差し込むとともに、ヘッドフォン102のフラグ103をジャック6に差し込み、アクセサリー玩具Aをストラップ104で首から提げる。なお、このアクセサリー玩具は図示しない載置台上に載せ、テーブルの上において使用しても構わない。
【0030】
次に、切り替えスイッチ40bを操作して、入力信号を音響機器100からの音響信号を使用するかマイクからの音声信号を使用するかを選択する(ステップST1)。音響機器100からの音響信号を使用する場合は、音響機器を操作して曲目を選択し再生すると、その音響信号はジャック7からジャック6を経由して、ヘッドフォン102に流れるのでユーザーは自分が選曲した音楽を確認することができる。
【0031】
次に、音響機器からの音響信号(又は、マイクからの音声信号)に乗せてフィギュア体を動かす場合は、ユーザーはスタートボタン8を押せばよい(ステップST2)。
【0032】
スタートボタン8が押されるとラバースイッチ35がONするので、アクセサリー玩具Aは作動状態になり、メモリに記憶されている複数の動作パターンの中から1つの動作パターンがランダムに選択され、制御部5はこの動作パターンに基づいてモータ26の動作を制御することになる。
【0033】
切り替えスイッチ40bで選択したマイク36からの音声信号又は音響機器100からの音響信号は信号増幅・フィルタ回路41で整形され、波形変換回路42でデジタル信号に変換されて制御部5に入力される。
【0034】
制御部5は、入力されたデジタル信号がONになると(ステップST4)、動作パターンを実行する(ステップST5)。この動作パターンの実行は、例えば、「動作パターン1」が選択された場合は、図12のタイムチャートに示すように、基本パターンA、基本パターンB、基本パターンC、基本パターンDの順番に、モータ26の正逆回転を制御する。この際、モータ26の正逆回転の駆動信号に同期して、LED28を赤色から青色へ、青色から橙色へ、橙色から赤色へと順番にその色を変えるようにLED28の駆動信号をL1、L2、L1+L2の順番に出力する。
【0035】
動作パターンは音響信号がONの間は制御部5は動作パターンに基づいてモータ26の動作を制御し、その動作パターンの実行中に音響信号がOFFになると(ステップST6)動作パターンの実行をポーズし(ステップST7)、再度音響信号がONになると(ステップST8)、ステップST9に進んでポーズを解除し、引き続き動作パターンの残りの部分を実行する。そして、スタートボタンを押してから所定時間が経過していれば(ステップST10)、制御部5は動作パターンを終了し、経過していなければ、ステップST5に戻り、デジタル信号のON・OFFに併せて動作パターンの実行、中断、再開を繰り返しながら所定時間経過するまで時系列で動作パターンを実行する。
【0036】
そして、モータ26が回転すると、ウォームギア25、減速歯車24、平歯車23を介して円盤20が回転することにより円盤20上のフィギュア体Bが回転するので、図13(a)に示すように、停止状態では腕部15、16が下がった状態のフィギュア体Bは、図13(b)に示すように、遠心力で腕部15、16が上方に回動し、回転が止まると再び図13(a)に示すように、腕部15、16が下方に回動し、あたかも人形が踊っているような状態を作り出すことができる。しかも、停止状態では消灯していたLED28が、モータ26が回転するたびに色を変えながらフィギュア体Bを照射するので、ディスコ(今では、死語ですか?)の雰囲気をかもし出すことができ、単にフィギュア体が動くだけではなく視覚的な効果を付加することにより、さらに興味深いアクセサリー玩具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るアクセサリー玩具の一例を示す斜視図
【図2】フィギュア体の構成を説明する分解斜視図
【図3】上記アクセサリー玩具の分解斜視図
【図4】上記アクセサリー玩具の内部構造を説明する要部縦断面図
【図5】上記アクセサリー玩具の電気的構成を説明するブロック図
【図6】(a)(b)は動作パターンテーブル図及び基本パターン説明図
【図7】(a)〜(e)は基本パターンを説明するタイムチャート図
【図8】基本パターンの一例を説明するタイムチャート図
【図9】基本パターンの一例を説明するタイムチャート図
【図10】上記アクセサリー玩具の使用状態を説明するフローチャート図
【図11】上記アクセサリー玩具の使用状態図
【図12】動作パターンの一例を説明するタイムチャート図
【図13】(a)(b)はフィギュア体の停止状態及び動作状態を説明する正面図
【符号の説明】
【0038】
1 ケース
2 上ケース
3 下ケース
4 作動機構
5 制御部
8 操作ボタン(スタートボタン)
11 胴体部
15 腕部
16 腕部
20 円盤
26 モータ
28 照明手段(LED)
36 マイク
100 音響機器
A アクセサリー玩具
B フィギュア体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響機器に接続する以下の要件を備えることを特徴とする、アクセサリー玩具。
(イ)上記アクセサリー玩具は上記音響機器から入力された音響信号のレベルを検出してモータの回転を制御する制御部と、該モータの回転に連動して回転する円盤と、該円盤上に立設したフィギュア体とを備えること
(ロ)上記モータの動作パターンは複数の基本パターンから構成され、該動作パターンは基本パターンの組み合わせにより複数設定されメモリに記憶されていること
(ハ)上記制御部は音響信号の検出時には上記メモリから読み出した動作パターンに基づいて上記モータを動作させ、音響信号の非検出時には読み出した動作パターンに基づく上記モータの動作を一時停止し、選択した動作パターンが完了するまで同一の動作パターンを実行すること
【請求項2】
以下の要件を備えることを特徴とする、請求項1記載のアクセサリー玩具。
(イ)前記フィギュア体は透光性を有する素材で形成され、該フィギュア体は照明手段で照射されること
(ロ)前記照明手段は前記モータの動作に連係して異なる色の光を照射すること
【請求項3】
前記フィギュア体は、胴体部に対し腕部が上下に回動可能に軸支されている、請求項1又は2記載のアクセサリー玩具。
【請求項1】
音響機器に接続する以下の要件を備えることを特徴とする、アクセサリー玩具。
(イ)上記アクセサリー玩具は上記音響機器から入力された音響信号のレベルを検出してモータの回転を制御する制御部と、該モータの回転に連動して回転する円盤と、該円盤上に立設したフィギュア体とを備えること
(ロ)上記モータの動作パターンは複数の基本パターンから構成され、該動作パターンは基本パターンの組み合わせにより複数設定されメモリに記憶されていること
(ハ)上記制御部は音響信号の検出時には上記メモリから読み出した動作パターンに基づいて上記モータを動作させ、音響信号の非検出時には読み出した動作パターンに基づく上記モータの動作を一時停止し、選択した動作パターンが完了するまで同一の動作パターンを実行すること
【請求項2】
以下の要件を備えることを特徴とする、請求項1記載のアクセサリー玩具。
(イ)前記フィギュア体は透光性を有する素材で形成され、該フィギュア体は照明手段で照射されること
(ロ)前記照明手段は前記モータの動作に連係して異なる色の光を照射すること
【請求項3】
前記フィギュア体は、胴体部に対し腕部が上下に回動可能に軸支されている、請求項1又は2記載のアクセサリー玩具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−125171(P2007−125171A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319962(P2005−319962)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000132633)株式会社センテクリエイションズ (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000132633)株式会社センテクリエイションズ (21)
【Fターム(参考)】
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