説明

アクチュエータユニット及びそれを用いたシステム

【課題】被駆動体を駆動するアクチュエータを備えたアクチュエータユニットにおいて、被駆動体を必要な時に安定して動作させる。
【解決手段】水道水が流れる水流路に設けられた水車機構と、該水車機構の回転力により駆動される空気圧縮機構と、該空気圧縮機構で圧縮された空気が蓄積される蓄圧器と、該蓄圧器に蓄積された空気により駆動される空気アクチュエータと、を備えたアクチュエータユニットを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータを含むアクチュエータユニット、及び該アクチュエータユニットを用いて被駆動体を駆動させるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被駆動体を駆動させるための様々なシステムが知られている。このようなシステムとして、特許文献1には、シリンダとピストンとを備えた水圧駆動装置(水圧アクチュエータ)を用いて器物(被駆動体)を昇降させるシステムが開示されている。このシステムでは、水圧アクチュエータのピストンロッドの一端が床面に固定される一方、水圧アクチュエータのシリンダが被駆動体の下面を支持している。そして、上記システムは、切替弁を切り替えることによって、シリンダと、上水設備の水道管若しくは排水管とが連通するように構成されている。このような構成において、切替弁を操作してシリンダと水道管とを連通させると、上水がシリンダ内へ流れ込み、この上水の水圧によってシリンダがピストンロッドに対して上方へ押し上げられるため、被駆動体が上昇する。一方、切替弁を操作してシリンダと排水管とを連通させると、上水がシリンダ内から排水管へ排出されるため、被駆動体はシリンダとともに下降する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−018801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、水道水の水圧は、周辺の環境に応じて変化する。例えば上記従来技術において、メインの水道管が複数の支管に分岐されていて、その支管の一つがシリンダと連通している場合、該支管に作用する圧力は、他の支管に設けられた給水器具(蛇口等)の使用状態によって変化する。つまり、シリンダを上方へ押し上げようとする水道水の圧力にばらつきが生じるため、シリンダの上昇動作が不安定になる。その結果、シリンダと連動して上昇する被駆動体の動作も不安定になってしまう。
【0005】
さらに、例えば揚水ポンプの故障や凍結等により、水道管内に水道水が流れない場合、シリンダ内に水道水を導入できないため、上記アクチュエータを駆動することができない。
【0006】
本発明は、かかる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、水道水の水圧に関係なく被駆動体を必要な時に安定して動作させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、被駆動体(3,61)を駆動するアクチュエータ(11,11a,11b)を備えたアクチュエータユニット(10)を対象とする。そして、水道水が流れる水流路(80)に設けられた水車機構(21)と、該水車機構(21)の回転力により駆動される空気圧縮機構(25)と、該空気圧縮機構(25)で圧縮された空気が蓄積される蓄圧器(30)と、該蓄圧器(30)内の空気を上記アクチュエータ(11,11a,11b)へ供給可能な空気供給路(17)と、を備え、上記アクチュエータは、上記空気供給路(17)から供給される空気により駆動される空気アクチュエータ(11,11a,11b)で構成されていることを特徴とする。
【0008】
第1の発明では、水道水の流れによって回転させられる水車機構(21)により空気圧縮機構(25)が駆動され、該空気圧縮機構(25)で圧縮された空気が蓄圧器(30)に蓄積される。蓄圧器(30)に蓄積された空気は空気供給路(17)を介して空気アクチュエータ(11,11a,11b)へ供給され、これにより空気アクチュエータ(11,11a,11b)が駆動する。このように、水道水の水圧が空気圧に変換されて蓄圧器(30)に蓄積され、該空気圧によって空気アクチュエータ(11,11a,11b)が駆動される。従って、被駆動体(3,61)が駆動される際の水道水の水圧に関係なく、安定した圧力の圧縮空気を必要に応じて空気アクチュエータ(11,11a,11b)へ供給することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、上記水車機構(21)は、上水又は中水を所定の利用対象(84)へ供給する上記水流路としての給水路(80)に設けられていることを特徴とする。
【0010】
第2の発明では、水車機構(21)は、上水又は中水が流れる水流路としての給水路(80)に設けられている。上水又は中水は、所定の利用対象(84)へ供給されるように送水ポンプ等によって圧送されるため、給水路(80)を流れる水の圧力は比較的安定する。その結果、該給水路(80)に設けられた水車機構(21)は安定して回転させられるため、空気圧縮機構(25)は確実且つ安定的に駆動される。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、上記水車機構(21)は、上記利用対象(84)の上流側に設けられるタンク部(83)の更に上流側に設けられていることを特徴とする。
【0012】
水車機構(21)の回転動作は、空気圧縮機(25)の圧縮動作に応じて変化してしまうため、水車機構(21)が利用対象(84)のすぐ上流に設けられていると、利用対象(84)へ供給される上水又は中水の流量が不安定になる。これに対して、第3の発明では、水車機構(21)と利用対象(84)との間にタンク部(81)を設けたため、利用対象(84)へはタンク部(83)に溜められた水道水が供給される。従って、不安定な流量の水道水が直接、利用対象(84)へ供給されるのが防止される。
【0013】
第4の発明は、第1から第3の発明のうちいずれか1つの発明において、上記空気圧縮機構(25)は、上記水車機構(21)と連結する駆動軸(27)と、該駆動軸(27)によって駆動される圧縮機本体部(26)とを有し、上記空気圧縮機構(25)の駆動軸(27)を回転駆動する補助電動機(24)を更に備えていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明では、圧縮機本体部(26)の駆動源として、水車機構(21)の他に補助電動機(24)を設けた。これにより、水道水の流れがなく水車機構(21)により空気圧縮機(25)を駆動できない場合であっても、補助電動機(24)によって空気圧縮機(25)を駆動させることができる。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、上記蓄圧器(30)内の空気圧又は上記空気供給路(17)内の空気圧を検出する圧力検出部(44)と、該圧力検出部(44)で検出された空気圧が所定値よりも高いと上記補助電動機(24)を停止させ、該圧力検出部(44)で検出された空気圧が所定値よりも低いと上記補助電動機(24)を運転させる電動機制御部(45)と、を更に備えていることを特徴とする。ここで、上記補助電動機(24)を停止させる際の空気圧の「所定値」と、上記補助電動機(24)を運転させる際の空気圧の「所定値」とは、同じ値であっても、異なる値であってもよい。
【0016】
第5の発明では、蓄圧器(30)又は空気供給路(17)に圧力検出部(44)を設け、該圧力検出部(44)で検出された圧力値に応じて補助電動機(24)の運転と停止とを切り替える構成とした。具体的には、圧力検出部(44)で検出された圧力が所定値よりも低い場合には、電動機制御部(45)が補助電動機(24)を運転させるため、補助電動機(24)によって空気圧縮機(25)が駆動され、蓄圧器(30)に空気が溜まる。一方、圧力検出部(44)で検出された圧力が所定値よりも高い場合には、電動機制御部(45)が補助電動機(24)を停止する。
【0017】
第6の発明は、被駆動体としての太陽光パネル(3)と、該太陽光パネル(3)の角度を太陽の向きに応じて変更するアクチュエータ(11a,11b)を含むアクチュエータユニット(10)と、を備えた太陽光追尾システム(1)を対象とする。そして、上記アクチュエータユニットは、第1の発明から第5の発明のうちいずれか1つに記載のアクチュエータユニット(10)で構成されていることを特徴とする。
【0018】
第6の発明では、第1から第5の発明のうちいずれか1つに記載のアクチュエータユニット(10)を用いて太陽光追尾システム(1)を構成した。これにより、太陽の向きに太陽光パネル(3)が向くように空気アクチュエータ(11a,11b)を駆動させて、太陽光パネル(3)を太陽の向きに追従させることができる。
【0019】
第7の発明は、室内と室外とを仕切る被駆動体としての扉部(61)と、該扉部(61)の周辺の環境に応じて該扉部(61)を開閉させるアクチュエータ(11)を含むアクチュエータユニット(10)と、を備えた窓自動開閉システムを対象とする。そして、上記アクチュエータユニットは、上記第1の発明から第5の発明のうちいずれか1つに記載のアクチュエータユニット(10)で構成されていることを特徴とする。
【0020】
第7の発明では、第1から第5の発明のうちいずれか1つに記載のアクチュエータユニット(10)を用いて窓自動開閉システム(60)を構成した。これにより、周囲の環境に応じて空気アクチュエータ(11)が駆動し、該空気アクチュエータ(11)によって扉部(61)が自動で開閉する。
【発明の効果】
【0021】
上記第1の発明によれば、水道水の水圧を空気圧に変換でき、蓄圧器(30)に溜めることができる。これにより、空気アクチュエータ(11,11a,11b)が駆動する際の水道水の水圧に関係なく、空気アクチュエータ(11,11a,11b)を必要に応じて安定して動作させることができる。
【0022】
また、上記第2の発明によれば、比較的水流が安定した上水又は中水が流れる給水路(80)に水車機構(21)を設けたため、水車機構(21)を安定して回転させて、空気圧縮機構(25)から蓄圧器(30)へ安定して圧縮空気を供給することができる。従って、蓄圧器(30)内の空気圧を確保できるため、空気アクチュエータ(11,11a,11b)を確実に駆動させることができる。
【0023】
また、上記第3の発明によれば、水車機構(21)と利用対象(84)との間にタンク部(81)を設けたため、タンク部(81)に溜められた水道水が利用対象(84)へ供給される。従って、不安定な流量の水道水が利用対象(84)へ供給されるのを防止することができる。
【0024】
また、上記第4の発明によれば、水車機構(21)だけでなく、補助電動機(24)によっても空気圧縮機構(25)を駆動することができる。従って、蓄圧器(30)内の圧力を確実に確保でき、空気アクチュエータ(11,11a,11b)をより確実に駆動させることができる。
【0025】
また、上記第5の発明によれば、蓄圧器(30)内の空気圧又は空気供給路(17)内の空気圧に応じて補助電動機(24)が運転又は停止されるため、補助電動機(24)の消費電力を抑えつつ、上記空気圧を所定の範囲内に保つことができる。
【0026】
また、上記第6の発明によれば、太陽光パネル(3)を、時刻により変化する太陽の向きに追従できるため、太陽光パネル(3)で発電可能な電力量を増大することができる。
【0027】
また、上記第7の発明によれば、周辺の環境に応じて空気アクチュエータ(11)を駆動させて扉部(61)を自動で開閉できるため、室内を快適な空間に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、実施形態1に係る太陽光追尾システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】図2(A)は、実施形態1に係るパネルユニットの構成を示す概略図、図2(B)は、太陽光パネルに取り付けられた状態のエアシリンダを示す概略図である。
【図3】図3は、実施形態1及び2で用いられるエアシリンダの概略構造図である。
【図4】図4(A)は、太陽光パネルが東側に位置する太陽に向けられている状態を示す概略図、図4(B)は、太陽光パネルが南側に位置する太陽に向けられている状態を示す概略図、図4(C)は、太陽光パネルが西側に位置する太陽に向けられている状態を示す概略図である。
【図5】図5は、実施形態2に係る窓自動開閉システムの構成を示す概略図である。
【図6】図6(A)は、実施形態2に係る扉が開けられている時の状態を示す概略図、図6(B)は、扉が閉じられている時の状態を示す概略図である。
【図7】図7は、実施形態2の変形例に係る窓自動開閉システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0030】
〈発明の実施形態1〉
実施形態1に係るアクチュエータユニットは、エアシリンダユニット(10)で構成されている。このエアシリンダユニット(10)は、太陽光追尾システム(1)に適用され、被駆動体としての太陽光パネル(3)を駆動する。
【0031】
−太陽光追尾システムの全体構成−
太陽光追尾システム(1)とは、太陽光パネル(3)の向きを太陽に追従させるためのシステムである。太陽光追尾システム(1)は、図1に示すように、複数の太陽光パネル(3,3,…)を有するパネルユニット(2)と、エアシリンダユニット(10)と、を備えている。
【0032】
パネルユニット(2)は、図2(A)及び(B)に示すように、上記複数の太陽光パネル(3,3,…)と、各太陽光パネル(3)の裏面に設けられた裏面パネル(4,4,…)と、これらの太陽光パネル(3,3,…)及び裏面パネル(4,4,…)を支持する支持パネル(5)とを備えている。このパネルユニット(2)は、家屋の屋根の上など、太陽光を受光しやすい場所に設置されている。太陽光パネル(3)は、板状に形成され、その表面側の部位が受光部(3a)を構成している。受光部(3a)で受光された太陽光は、エネルギー変換部(図示省略)によって電気エネルギーに変換され、工場や家庭等で電力として利用される。裏面パネル(4)は、太陽光パネル(3)とほぼ同様の大きさの板状に形成されている。支持パネル(5)は、パネルユニット(2)が取り付けられる屋根などに対して固定される。太陽光パネル(3)及び裏面パネル(4)には、詳しくは後述するが、2つのエアシリンダ(11a,11b)で構成された空気アクチュエータが取り付けられていて、この2つのエアシリンダ(11a,11b)を駆動させることにより、太陽光パネル(3)の傾斜角度を調整できる。また、太陽光パネル(3)には、日射強度及び太陽の向きを検出する日射センサ(6)と、太陽光パネル(3)に衝突する風力を検出する風力センサ(7)とが搭載されている。
【0033】
−エアシリンダユニットの構成−
エアシリンダユニット(10)は、空気圧回路(10a)を備えている。この空気圧回路(10a)には、第1エアシリンダ(11a)及び第2エアシリンダ(11b)と、該2つのエアシリンダ(11a,11b)を駆動させるためのエアシリンダ駆動機構(20)とが設けられている。なお、第1エアシリンダ(11a)及び第2エアシリンダ(11b)は同様の構成であるため、以下では、第1エアシリンダ(11a)の構成のみを説明し、第2エアシリンダ(11b)についてはその説明を省略する。
【0034】
第1エアシリンダ(11a)は、いわゆる片ロッド複動シリンダで構成されている。第1エアシリンダ(11a)は、図3に示すように、シリンダ部(12)と、シリンダ部(12)に対して往復動可能なピストン部(13)とを備えている。
【0035】
シリンダ部(12)は、円筒状のシリンダチューブ(14)と、シリンダチューブ(14)の軸方向両端の開口部分をそれぞれ覆うヘッドカバー(15)及びロッドカバー(16)とを備えている。これにより、シリンダ部(12)の内部には密閉状の空間が形成される。ヘッドカバー(15)及びロッドカバー(16)には、それぞれ、上記シリンダ部(12)の内部と外部とを連通する第1ポート(15a)及び第2ポート(16a)が形成されている。また、ロッドカバー(16)の中央部分には、後述するピストンロッド(13b)が挿通可能な挿通穴(16b)が形成されている。
【0036】
ピストン部(13)は、円板状のピストン(13a)と、一端がピストン(13a)の中央部分に固定された棒状のピストンロッド(13b)とを備えている。ピストン(13a)は、その外径がシリンダチューブ(14)の内径とほぼ同等であって、シリンダチューブ(14)の中心軸と同軸になるようにシリンダ部(12)内に収納されている。これにより、シリンダ部(12)内の空間は、ヘッドカバー(15)側の第1空間(12a)と、ロッドカバー(16)側の第2空間(12b)とに区画される。ピストンロッド(13b)は、ピストン(13a)の中央部分から、上記ロッドカバー(16)に形成された挿通穴(16b)を介してシリンダ部(12)外へ延びている。
【0037】
第1エアシリンダ(11a)及び第2エアシリンダ(11b)は、図2に示すように太陽光パネル(3)に取り付けられている。具体的には、第1エアシリンダ(11a)については、ピストンロッド(14)の端部が太陽光パネル(3)の一辺に、シリンダ部(12)が支持パネル(5)に、それぞれ取り付けられている。また、第2エアシリンダ(11b)については、ピストンロッド(14)の端部が太陽光パネル(3)の他辺に、シリンダ部(12)が裏面パネル(4)に、それぞれ取り付けられている。
【0038】
エアシリンダ駆動機構(20)は、図1に示すように、空気圧縮機構としての空気圧縮機(25)と、水車機構としての水車(21)と、補助電動機としてのモータ(24)と、蓄圧器(30)と、蓄圧器に蓄積された圧縮空気をエアシリンダ(11a,11b)へ供給可能な空気供給路(17)と、を備えている。
【0039】
空気圧縮機(25)は、圧縮機本体部(26)と、該圧縮機本体部(26)に連結された棒状の駆動軸(27)とを備えている。この駆動軸(27)の一端部は水車(21)と連結されている一方、他端部はモータ(24)と連結されている。空気圧縮機(25)は、吸入管(28a)から吸入された空気が徐々に圧縮され、該圧縮された空気が吐出管(28b)から吐出されるように構成されている。吐出管(28b)は、逆止弁(41)を介して上記空気供給路(17)に接続されている。空気圧縮機(25)は、スクロール式、スイング式、ロータリー式等、どのような構成の空気圧縮機であってもよい。
【0040】
水車(21)は、軸心部(22)と、該軸心部(22)から径方向外方へ延びる複数の羽根部(23,23,…)とを備えている、羽根部(23,23,…)は、周方向に等間隔になるように配列されている。この水車(21)は、送水ポンプ(85)で圧送される上水を利用対象としての蛇口(84)へ供給する水流路又は給水路としての水道管(80)内に設けられている。水車(21)は、水道管(80)内を流れる上水が上記羽根部(23)に衝突することにより、軸心部(22)を中心として回転するように構成されている。軸心部(22)には、上記空気圧縮機(25)の駆動軸(27)が連結している。
【0041】
上記水車(21)は、タンク部としての給湯タンク(81)の上流側に設けられている。給湯タンク(81)内の水道水は、熱交換器(図示省略)によって加熱可能である。給湯タンク(81)の下流側には、給湯タンク(81)内の温水を蛇口(84)へ向けて圧送可能なポンプ(83)が設けられている。また、上記水車(21)の上流側には、水道水の逆流を防止する逆止弁(82)が設けられている。
【0042】
モータ(24)は、ステータ及びロータ(図示省略)を備えていて、ロータがステータに対して回転するように構成されている。ロータの回転軸には、上記駆動軸(27)が連結している。
【0043】
蓄圧器(30)は、内部に空気を蓄積可能に構成された容器本体(31)と、容器本体(31)の内部と外部とを連通するポート(32)とを備えている。
【0044】
空気供給路(17)は、複数の配管を備えている。具体的には、空気供給路(17)は、一端が上記蓄圧器(30)のポート(32)に接続されたメイン配管(18)と、該メイン配管(18)から分岐した第1支管(19a)及び第2支管(19b)と、一端が第1エアシリンダ(11a)の第1ポート(15a)に接続された第1配管(46a)と、一端が第1エアシリンダ(11a)の第2ポート(16a)に接続された第2配管(47a)と、一端が第2エアシリンダ(11b)の第1ポート(15a)に接続された第3配管(46b)と、一端が第2エアシリンダ(11b)の第2ポート(16a)に接続された第4配管(47b)と、を備えている。
【0045】
エアシリンダ駆動機構(20)は、第1電磁バルブ(35a)及び第2電磁バルブ(35b)を更に備えている。これらの電磁バルブ(35a,35b)は、ともに、3方向に切り替え可能に構成されている。
【0046】
第1電磁バルブ(35a)は、具体的には、第1支管(19a)と第1配管(46a)とを連通するとともに、第1エアシリンダ(11a)内の空気を排気するための第1排気管(48a)と第2配管(47a)とを連通する第1方向と、第1支管(19a)と第2配管(47a)とを連通するとともに、第1排気管(48a)と第1配管(46a)とを連通する第2方向と、第1支管(19a)、第1配管(46a)及び第2配管(47a)を全閉する第3方向と、に切り替えることができる。
【0047】
同様に、第2電磁バルブ(35b)は、第2支管(19b)と第3配管(46b)とを連通するとともに、第2エアシリンダ(11b)内の空気を排気するための第2排気管(48b)と第4配管(47b)とを連通する第1方向と、第2支管(19b)と第4配管(47b)とを連通するとともに、第2排気管(48b)と第3配管(46b)とを連通する第2方向と、第2支管(19b)、第3配管(46b)及び第4配管(47b)を全閉する第3方向と、に切り替えることができる。
【0048】
つまり、電磁バルブ(35a,35b)が第1方向に切り替えられると、ピストンロッド(13b)がシリンダ部(12)から突出する方向に動作し、第2方向に切り替えられると、ピストンロッド(13b)がシリンダ部(12)内へ入り込む方向に動作し、第3状態に切り替えられると、ピストンロッド(13b)の位置は、そのままの状態で保持される。
【0049】
エアシリンダ駆動機構(20)は、リリーフ弁(42)と、固定絞り弁(43)とを更に備えている。リリーフ弁(42)は、メイン管(18)に接続されている。このリリーフ弁(42)は、エアシリンダユニット(10)内の空気圧を所定の値以下に保つためのものである。これにより、エアシリンダユニット(10)に過剰な圧力が作用するのを防止することができる。固定絞り弁(43)は、メイン管(18)に設けられている。この固定絞り弁(43)は、蓄圧器(30)に溜まった圧縮空気がエアシリンダ(11a,11b)内へ急激に流れることにより、エアシリンダ(11a,11b)が急動作するのを防止するためのものである。
【0050】
エアシリンダ駆動機構(20)は、蓄圧器(30)内の圧力を検出する圧力検出部としての圧力センサ(44)と、圧力センサ(44)によって計測された圧力に応じてモータ(24)を制御する電動機制御部としてのモータ制御部(45)とを更に備えている。モータ制御部(45)は、圧力センサ(44)で検出された圧力値が所定値よりも高い場合にはモータ(24)を停止し、上記圧力値が所定値よりも低い場合にはモータ(24)を運転させるように構成されている。
【0051】
エアシリンダ駆動機構(20)は、制御コントローラ(50)を更に備えている。制御コントローラ(50)は、上記日射センサ(6)で検出された太陽の向き及び日射量、上記風力センサ(7)で検出された風量に基づいてエアシリンダユニット(10)を駆動させるためのものである。具体的には、制御コントローラ(50)は、上記センサ(6,7)で検出された情報に基づき、電磁バルブ(35a,35b)を所定の方向へ切り替えさせる信号を、電磁バルブ(35a,35b)へ送信する。該信号を受信した電磁バルブ(35a,35b)は、その信号に応じて切り替えられる。
【0052】
−太陽光追尾システムの動作−
太陽光追尾システム(1)では、蓄圧動作と太陽光追尾動作とが行われる。蓄圧動作は、所定の圧力の空気を蓄圧器(30)に蓄積する動作であり、太陽光追尾動作は、蓄圧器(30)に蓄積された圧縮空気を駆動源として太陽光パネル(3)を太陽光に追尾させる動作である。
【0053】
−蓄圧動作−
蓄圧動作では、まず、水道管(80)内を流れる水道水によって水車(21)が回転させられる。水車(21)の回転とともに空気圧縮機(25)の駆動軸(27)が回転するため、圧縮機本体部(26)が駆動する。これにより、吸入管(28a)から吸入された空気が圧縮されて吐出管(28b)から吐出される。このように吐出された圧縮空気は、メイン管(18)を介して蓄圧器(30)内に溜められる。一方、上記水車(21)を流れた水道水は、給湯タンク(81)に溜められる。給湯タンク(81)に溜められた水道水は、熱交換器(図示省略)によって温められた後、ポンプ(83)によって蛇口(84)まで圧送される。
【0054】
また、蓄圧器(30)に蓄積される空気が所定の圧力を上回ると、リリーフ弁(42)が動作して、蓄圧器(30)と連通するメイン管(18)内の空気を排気する。これにより、エアシリンダユニット(10)に過剰な圧力が作用することによる破損を防止することができる。
【0055】
一方、上記給湯タンク(81)への水道水の供給が停止されている場合、水車(21)は回転しないため、空気圧縮機(25)は駆動しない。このような状況において蓄圧器(30)内の圧縮空気がエアシリンダ(11a,11b)へ供給され続けると、蓄圧器(30)内の空気が低下し続ける。圧力センサ(44)によって検出された蓄圧器(30)内の空気圧が所定の下限値を下回ると、モータ制御部(45)がモータ(24)へ運転信号を送る。これによりモータ(24)が駆動して、空気圧縮機(25)が駆動されるため、蓄圧器(30)内の空気圧が上昇する。その結果、蓄圧器(30)内の空気圧が所定の下限値以上に保たれる。また、圧力センサ(44)によって検出された蓄圧器(30)内の空気圧が所定の上限値を上回ると、モータ制御部(45)がモータ(24)へ停止信号を送り、該停止信号を受信したモータ(24)は運転を停止する。
【0056】
−太陽光追尾動作−
太陽光パネル(3)は、日射センサ(6)で検出された太陽の向きに合わせて、例えば図4(A)〜(C)に示すように、角度が調整される。
【0057】
図4(A)に示すように、太陽が東側に位置している場合、制御コントローラ(50)は、第1電磁バルブ(35a)が第1方向に切り替わる信号を、第1電磁バルブ(35a)に送信するとともに、第2電磁バルブ(35b)が第2方向に切り替わる信号を、第2電磁バルブ(35b)に送信する。すると、第1エアシリンダ(11a)のピストンロッド(13b)がシリンダ部(12)から突出するように動作する一方、第2エアシリンダ(11b)のピストンロッド(13b)がシリンダ部(12)内へ入り込むように動作する。これにより、太陽光パネル(3)の一辺が持ち上げられて、太陽光パネル(3)が太陽光へ向かうように傾けられる。太陽光パネル(3)が太陽に向けられると、両方の電磁バルブ(35a,35b)は、ともに第3方向に切り替えられ、太陽光パネル(3)は、太陽光に向けられた状態で保持される。
【0058】
図4(B)に示すように、太陽が南側に位置している場合、制御コントローラ(50)は、第1電磁バルブ(35a)が第2方向に切り替わる信号を、第1電磁バルブ(35a)に送信するとともに、第2電磁バルブ(35b)が第2方向に切り替わる信号を、第2電磁バルブ(35b)に送信する。これにより、双方のエアシリンダ(11a,11b)のピストンロッド(13b,13b)はともにシリンダ部(12,12)内に入り込むため、太陽光パネル(3)が太陽光に向けられた状態になる。
【0059】
図4(C)に示すように、太陽が西側に位置している場合、制御コントローラ(50)は
、第1電磁バルブ(35a)が第2方向に切り替わる信号を、第1電磁バルブ(35a)に送信するとともに、第2電磁バルブ(35b)が第1方向に切り替わる信号を、第2電磁バルブ(35b)に送信する。すると、第1エアシリンダ(11a)のピストンロッド(13b)がシリンダ部(12)へ入り込むように動作する一方、第2エアシリンダ(11b)のピストンロッド(13b)がシリンダ部(12)から突出するように動作する。これにより、太陽光パネル(3)の他辺が持ち上げられて、太陽光パネル(3)が太陽光へ向かうように傾けられる。
【0060】
なお、太陽光パネル(3)に搭載された風力センサ(7)で検出された風力が所定の値を超えると、制御コントローラ(50)は、太陽の向きに関係なく電磁バルブ(35a,35b)を駆動して太陽光パネル(3)を図4(B)の状態に戻す。これにより、太陽光パネル(3)に強風圧が作用して、太陽光パネル(3)を支えるエアシリンダ(11a,11b)が折れたりして破損するのを防止することができる。
【0061】
−実施形態1の効果−
実施形態1では、水道水の水圧を空気圧に変換して蓄圧器(30)に蓄積し、該空気圧を駆動源としてエアシリンダ(11a,11b)を駆動させることにより太陽光パネル(3)を傾斜可能な構成とした。これにより、エアシリンダ(11a,11b)が駆動する際の水道水の水圧に関係なく、エアシリンダ(11a,11b)を必要な時に安定して動作させることができる。従って、太陽光パネル(3)を、時刻によって変化する太陽の向きに追従させることができるため、太陽光パネル(3)による発電量を増大できる。
【0062】
しかも、水道管(80)には、送水ポンプ(85)によって圧送される比較的安定した水圧の上水が流れるため、水車(21)は安定して回転する。これにより、空気圧縮機(21)を安定して駆動できるため、エアシリンダ(11a,11b)を確実に駆動できる。さらに、上記空気圧縮機(21)は、蓄圧器(30)内の圧力が所定の下限値よりも低い場合にモータ制御部(45)に運転させられるモータ(24)によっても駆動できるため、エアシリンダ(11a,11b)をより確実に駆動できる。
【0063】
また、実施形態1では、水車(21)を給湯タンク(81)の上流に設け、さらに給湯タンク(81)の下流にポンプ(83)を設けた。これにより、給湯タンク(21)に溜められた水道水がポンプ(83)によって蛇口(84)へ圧送されるため、蛇口(84)から安定した流量の水道水を利用することができる。
〈実施形態1の変形例〉
上記実施形態1においては、1枚の太陽光パネル(3)につき2つのエアシリンダ(11a,11b)を取り付けて、太陽光パネル(3)を東側と西側とに傾斜可能とすることにより、太陽光パネル(3)を、東から昇って西へ沈む太陽の動きに追尾可能な構成とした。しかし、太陽光パネル(3)が南側へ傾斜可能なように、もう1つのエアシリンダを設けることもできる。これにより、季節によって仰角を変えることが可能となるため、太陽光パネル(3)による発電量を更に増やすことができる。
【0064】
また、実施形態1での太陽光追尾は、日射センサ(6)によって太陽の向きを検出し、その向きへ太陽光パネル(3)を追尾させているが、この限りでなく、時刻ごとの太陽の位置情報を制御コントローラ(50)に予めインプットし、この情報によって太陽光パネル(3)を駆動させてもよい。
〈発明の実施形態2〉
実施形態2に係るアクチュエータユニットは、エアシリンダユニット(10)で構成されている。このエアシリンダユニット(10)は、窓自動開閉システム(60)に適用され、被駆動体としての扉(61)を駆動する。
【0065】
−窓自動開閉システムの全体構成−
窓自動開閉システム(60)は、室内と室外との温度差等によって自動で扉の開閉を行うように構成されている。具体的に、窓自動開閉システム(60)は、室外の温度が室内の温度よりも低い場合には扉を開ける一方、室外の温度が室内の温度よりも高い場合には扉を閉じるように構成されている。窓自動開閉システム(60)は、図5に示すように、窓を開閉する扉部としての扉(61)と、センサ機構(62)と、エアシリンダユニット(10)と、制御コントローラ(70)と、を備えている。これらの構成及び動作について、以下で説明する。なお、エアシリンダユニット(10)の構成については、太陽光追尾システム(実施形態1)で用いられているものはエアシリンダ及び電磁バルブがそれぞれ2つずつ設けられているのに対して、本実施形態では1つずつ設けられている点が異なり、その他の構成については同様であるため、その説明を省略する。
【0066】
エアシリンダ(11)は、図6に示すように、扉(61)の上部に取り付けられている。具体的には、エアシリンダ(11)のシリンダ部(12)は、扉が取り付けられた壁に固定されている一方、ピストンロッド(13b)は、扉(61)の上部に固定されている。
【0067】
センサ機構(62)は、扉(61)の周辺の環境を検知するためのものである。具体的には、センサ機構(62)は、室内温度センサ(63)、外気温度センサ(64)、人検知センサ(65)、雨滴センサ(66)、及び騒音センサ(67)を備えている。これらのセンサ(63〜67)は、扉(61)の外側又は内側における適当な場所に取り付けられている。
【0068】
制御コントローラ(70)は、上記センサ(63〜67)で検出された信号に応じて電磁バルブ(35)を切り替えるように構成されている。これにより、エアシリンダ(11)を駆動させ、扉(61)を開閉することが可能となる。
【0069】
−窓自動開閉システムの動作−
窓自動開閉システム(60)では、蓄圧動作と窓開閉動作とが行われる。蓄圧動作については、上記実施形態1で記載したものと同様であるため、ここではその説明を省略し、以下では扉開閉動作について説明する。
【0070】
−窓開閉動作−
窓開閉動作を、図6を用いて説明する。窓開閉動作では、まず、室内温度センサ(63)で検出された室内温度と、外気温度センサ(64)で検出された外気温度とが比較される。室内温度が外気温度よりも高い場合には、制御コントローラ(70)は、電磁バルブ(35)を第1方向に切り替える信号を電磁バルブ(35)へ送信する。これにより、ピストンロッド(13b)がシリンダ部(12)から突出するように動作するため、扉(61)が開けられる(図6(A))。その結果、室内に溜まった高温空気を室外へ放出して、室内を冷却することができる。
【0071】
一方、室内温度が外気温度よりも低い場合には、制御コントローラ(70)は、電磁バルブ(35)を第2方向に切り替える信号を電磁バルブ(35)へ送信する。これにより、ピストンロッド(13b)がシリンダ部(12)内へ入り込むため、扉(61)が閉じられる(図6(B))。その結果、室内の冷気が室外へ逃げるのを防止することができる。
【0072】
また、上述のような窓の開放は、室外の騒音が大きい場合、雨が降っている場合、室外に人がいる場合には、室内外の温度差に関係なく禁止される。具体的には、人検知センサ(65)によって室外に人がいることが検知された場合には、制御コントローラ(70)が電磁バルブ(35)を第2方向に切り替え、これにより扉(61)が閉じられる。同様に、雨滴センサ(66)によって降雨が検出された場合や、騒音センサ(65)によって検出された室外の騒音が所定の音量よりも大きい場合にも、制御コントローラ(70)が電磁バルブ(35)を第2方向に切り替えて扉(61)を閉じる。
【0073】
−実施形態2の効果−
実施形態2では、扉(61)の周辺環境に応じてエアシリンダ(11)を駆動させることにより、扉(61)を自動で開閉可能な構成とした。これにより、エアシリンダ(11)が駆動する際の水道水の水圧に関係なく、扉(61)を必要な時に安定して動作させることができるため、室内を快適な空間に保つことができる。
〈実施形態2の変形例〉
上記実施形態2において、制御コントローラ(70)を、室内で使用されるエアコン(90)、空気清浄機(91)、加湿器(92)等を制御するように構成してもよい。例えば、室内のエアコン(90)が冷房運転している場合において、外気温度センサ(64)で検出された温度が室内温度センサ(63)で検出された温度よりも低くなると、上記制御コントローラ(70)は、電磁バルブ(35)を切り替えて扉(61)を開けるとともに、エアコン(90)の冷房運転を中止する。これにより、室内を快適な温度に保ちつつ、冷房エネルギーを削減することができる。
【0074】
−その他の実施形態−
上記実施形態については、以下のような構成にしてもよい。
【0075】
上記実施形態では、エアシリンダユニット(10)を、太陽光追尾システム(1)及び窓自動開閉システム(60)に利用したが、この限りでなく、どのようなシステムに用いてもよい。例えば、ドアの開閉、ホームエレベータの駆動、介護用入浴リフトの駆動、トイレの便座の開閉、自動昇降棚の駆動、等に用いることもできる。また、上記実施形態では、エアシリンダ(10)を用いて太陽光パネル(3)や扉(61)を駆動させているが、この限りでなく、空気圧によって駆動する空気アクチュエータであれば、どのようなものを用いてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、水車(21)を、給湯タンク(81)の上流に設けたが、この限りでなく、水道水が流れる場所であれば、どのような位置に設けてもよい。例えば、水車(21)を、風呂にお湯を溜めるための蛇口付近に設けてもよい。これにより、風呂にお湯を溜めるための時間はかかってしまうものの、入浴の際には溜まったお湯を利用するため、何ら問題なく入浴することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、水車(21)を上水が流れる水道管(80)内に設けたが、この限りでなく、中水路上や下水路上に設けてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、給湯タンク(81)の上流に水車(21)が設けられているが、この限りでなく、例えば、トイレタンクや、マンション等に設けられている受水槽や高置水槽等の上流に水車を設けてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、水車(21)を、軸心部(22)及び複数の羽根部(23,23,…)とを備えたいわゆるターボ式の水車で構成したが、この限りでなく、例えば、容積式のもので構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上説明したように、本発明は、空気アクチュエータを用いて被駆動体を駆動させるためのシステムについて有用である。
【符号の説明】
【0081】
1 太陽光追尾システム
3 太陽光パネル
10 エアシリンダユニット(アクチュエータユニット)
11,11a,11b エアシリンダ(空気アクチュエータ)
17 空気供給路
21 水車(水車機構)
24 モータ(補助電動機)
25 空気圧縮機(空気圧縮機構)
26 圧縮機本体部
27 駆動軸
30 蓄圧器
44 圧力センサ(圧力検出部)
45 電動機制御部(モータ制御部)
60 窓自動開閉システム
61 扉(扉部)
80 水道管(水流路、給水路)
81 タンク部(給湯タンク)
84 利用対象(蛇口)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動体(3,61)を駆動するアクチュエータ(11,11a,11b)を備えたアクチュエータユニットであって、
水道水が流れる水流路(80)に設けられた水車機構(21)と、
上記水車機構(21)の回転力により駆動される空気圧縮機構(25)と、
上記空気圧縮機構(25)で圧縮された空気が蓄積される蓄圧器(30)と、
上記蓄圧器(30)内の空気を上記アクチュエータ(11,11a,11b)へ供給可能な空気供給路(17)と、を備え、
上記アクチュエータは、上記空気供給路(17)から供給される空気により駆動される空気アクチュエータ(11,11a,11b)で構成されていることを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータユニットにおいて、
上記水車機構(21)は、上水又は中水を所定の利用対象(84)へ供給する上記水流路としての給水路(80)に設けられていることを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のアクチュエータユニットにおいて、
上記水車機構(21)は、上記利用対象(84)の上流側に設けられるタンク部(81)の更に上流側に設けられていることを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項4】
請求項1から3のうちいずれか1つに記載のアクチュエータユニット(10)において、
上記空気圧縮機構(25)は、上記水車機構(21)と連結する駆動軸(27)と、該駆動軸(27)によって駆動される圧縮機本体部(26)とを有し、
上記空気圧縮機構(25)の駆動軸(27)を回転駆動する補助電動機(24)を更に備えていることを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のアクチュエータユニットにおいて、
上記蓄圧器(30)内の空気圧又は上記空気供給路(17)内の空気圧を検出する圧力検出部(44)と、
上記圧力検出部(44)で検出された空気圧が所定値よりも高いと上記補助電動機(24)を停止させ、該圧力検出部(44)で検出された空気圧が所定値よりも低いと上記補助電動機(24)を運転させる電動機制御部(45)と、を更に備えていることを特徴とするアクチュエータユニット。
【請求項6】
被駆動体としての太陽光パネル(3)と、該太陽光パネル(3)の角度を太陽の向きに応じて変更するアクチュエータ(11a,11b)を含むアクチュエータユニット(10)と、を備えた太陽光追尾システムであって、
上記アクチュエータユニットは、請求項1から5のうちいずれか1つに記載のアクチュエータユニット(10)で構成されていることを特徴とする太陽光追尾システム。
【請求項7】
室内と室外とを仕切る被駆動体としての扉部(61)と、該扉部(61)の周辺の環境に応じて該扉部(61)を開閉させるアクチュエータ(11)を含むアクチュエータユニット(10)と、を備えた窓自動開閉システムであって、
上記アクチュエータユニットは、請求項1から5のうちいずれか1つに記載のアクチュエータユニット(10)で構成されていることを特徴とする窓自動開閉システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−220447(P2011−220447A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90397(P2010−90397)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】