アクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法
【課題】 階調再現性に優れたアクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】 アクティブマトリクス型有機発光表示装置は、複数の映像信号線VLと、複数の画素PXとを備えている。各画素PXは、陰極、陽極及び有機物層を含んだ有機発光ダイオードOLEDと、Nチャネル型の駆動トランジスタDRと、出力スイッチSWaと、第1容量部Csと、第2容量部Cxとを有している。
【解決手段】 アクティブマトリクス型有機発光表示装置は、複数の映像信号線VLと、複数の画素PXとを備えている。各画素PXは、陰極、陽極及び有機物層を含んだ有機発光ダイオードOLEDと、Nチャネル型の駆動トランジスタDRと、出力スイッチSWaと、第1容量部Csと、第2容量部Cxとを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アクティブマトリクス型表示装置として、アクティブマトリクス型有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置が開発されている。アクティブマトリクス型有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置では、各画素で表示させる画像の階調を、映像信号の大きさで制御している。映像信号として電圧信号を利用するアクティブマトリクス型有機EL表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、駆動トランジスタの閾値電圧や移動度は、画素間でばらつく。このため、同一の映像信号を画素に供給しても、有機発光ダイオードに流れる電流は画素毎に異なり、輝度ムラが生じることになる。
【0004】
ここで、特許文献1に、閾値電圧のばらつきを抑制する技術も開示されている。これにより、閾値電圧のばらつきに起因した駆動電流のばらつきを抑制することができ、優れた階調再現性を得ることができる。
【0005】
また、キャンセル(オフセットキャンセル)動作を2回設けることにより、閾値電圧のばらつきを抑制し、かつ、駆動トランジスタの移動度ばらつきをゲート電位分布で吸収する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この場合、閾値電圧ばらつきの影響、移動度ばらつきの影響ともに抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−10993号公報
【特許文献2】特開2006−215213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記キャンセル動作による移動度補償は、駆動トランジスタのゲート電極及びソース電極間の電圧を低下させつつ行うものである。この場合、ゲート電極の低下を招くため、階調再現性がばらつく可能性がある。
【0008】
また、上記キャンセル動作による移動度補償は、1μ秒又はそれ以下のスパンで行う必要があり、配線のCR積やドライバの動作遅延により、階調再現性が画素毎にばらつく可能性がある。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、階調再現性に優れたアクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の態様に係るアクティブマトリクス型有機発光表示装置は、
複数の映像信号線と、
前記各映像信号線に接続された複数の画素と、を備え、
前記各画素は、
低電位電源配線に接続された陰極、前記陰極に対向配置された陽極並びに前記陰極及び陽極間に挟持された有機物層を含んだ有機発光ダイオードと、
高電位電源配線に接続されたドレイン電極、前記有機発光ダイオードの陽極に接続されたソース電極及びゲート電極を含んだNチャネル型の駆動トランジスタと、
前記高電位電源配線及び駆動トランジスタのドレイン電極間に接続された出力スイッチと、
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極及び前記有機発光ダイオードの陽極に接続された第2電極を含んだ第1容量部と、
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された電極を含んだ第2容量部と、を有している。
【0010】
また、本発明の他の態様に係るアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法は、
複数の映像信号線と、前記各映像信号線に接続された複数の画素と、を備え、前記各画素は、低電位電源配線に接続された陰極、前記陰極に対向配置された陽極並びに前記陰極及び陽極間に挟持された有機物層を含んだ有機発光ダイオードと、高電位電源配線に接続されたドレイン電極、前記有機発光ダイオードの陽極に接続されたソース電極及びゲート電極を含んだNチャネル型の駆動トランジスタと、前記高電位電源配線及び駆動トランジスタのドレイン電極間に接続された出力スイッチと、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極及び前記有機発光ダイオードの陽極に接続された第2電極を含んだ第1容量部と、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された電極を含んだ第2容量部と、を有しているアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法において、
発光期間に、前記駆動トランジスタから駆動信号を前記有機発光ダイオードに出力させ、
前記有機発光ダイオードに前記駆動信号が流れ始める時の前記陽極の電位の変化を前記第1容量部を介して前記駆動トランジスタのゲート電極に伝播させ、その際、前記第2容量部により前記ゲート電極への前記陽極の電位の変化の伝播を抑制する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、階調再現性に優れたアクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る有機発光表示装置を概略的に示す平面図である。
【図2】上記有機発光表示装置の駆動トランジスタ及び有機発光ダイオードを示す断面図である。
【図3】上記有機発光表示装置における画素の等価回路を示す平面図である。
【図4】上記画素を示す概略平面図である。
【図5】図4の線A1−A2に沿った断面を展開して示す断面図であり、特に、絶縁基板から画素電極までの積層構造を示す図である。
【図6】上記有機発光表示装置の駆動方法における制御信号のオン、オフ(high、low)タイミングを示すタイミングチャートであり、駆動トランジスタのゲート電位、初期化電圧、駆動トランジスタのソース電位及びリセット電圧を併せて示す図である。
【図7】上記有機発光表示装置のリセット動作における画素の等価回路を示す図である。
【図8】上記有機発光表示装置のキャンセル動作における画素の等価回路を示す図である。
【図9】上記有機発光表示装置の書込み動作における画素の等価回路を示す図である。
【図10】上記有機発光表示装置の発光動作における画素の等価回路を示す図である。
【図11】上記有機発光表示装置の画素の変形例の等価回路を示す平面図である。
【図12】図11に示した画素の概略平面図である。
【図13】上記有機発光表示装置の画素の他の変形例の等価回路を示す平面図である。
【図14】図13に示した画素の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態に係るアクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図2は、図1の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す部分断面図である。図3は、図1の表示装置が含む画素の等価回路図である。図4は、上記画素を概略的に示す平面図である。図5は、上記画素の一部を概略的に示す断面図である。なお、図2では、表示装置を、その表示面,すなわち前面又は光出射面,が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。この表示装置は、アクティブマトリクス型駆動方式を採用した上面発光型の有機発光表示装置である。尚、本実施の形態では、上面発光型の有機発光表示装置であるが、本実施の形態は下面発光型の有機発光表示装置についても容易に適用可能である。
【0015】
図1乃至図5に示すように、有機発光表示装置は、表示パネルDPと、映像信号線ドライバXDRと、走査信号線ドライバYDRとを含んでいる。映像信号線ドライバXDR及び走査信号線ドライバYDRは駆動部10を形成している。
【0016】
表示パネルDPは、例えば、ガラス基板などの絶縁基板SUBを含んでいる。絶縁基板SUB上には、アンダーコート層UCが形成されている。アンダーコート層UCは、例えば、絶縁基板SUB上にSiNX層とSiOX層とをこの順に積層してなる。
【0017】
アンダーコート層UC上では、半導体層SCが形成されている。各半導体層SCは、例えば、p型領域とn型領域とを含んだポリシリコン層である。アンダーコート層UC上では、第2電極Cs2がさらに形成されている。ここでは、半導体層SC及び第2電極Cs2は一体に形成されている。
【0018】
半導体層SC及び第2電極Cs2は、ゲート絶縁膜GIで被覆されている。ゲート絶縁膜GIは、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)などを用いて形成することができる。
【0019】
ゲート絶縁膜GI上には、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4が形成されている。走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4は、各々が後述する画素PXの行方向Xに延びており、画素PXの列方向Yに並んでいる。走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4は、例えばMoWなどからなる。
【0020】
ゲート絶縁膜GI上では、リセット線RSL及び第1電極C1がさらに形成されている。リセット線RSL及び第1電極C1は、例えばMoWなどからなる。リセット線RSL及び第1電極C1は、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4と同一の工程で形成することができる。
【0021】
走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4のそれぞれは半導体層SCと交差しており、これら交差部は薄膜トランジスタを構成している。また、第1電極C1は半導体層SCと交差しており、これら交差部も薄膜トランジスタを構成している。
【0022】
具体的には、走査信号線SL1と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、出力スイッチSWaである。走査信号線SL2と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、初期化スイッチSWcである。走査信号線SL3と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、書込みスイッチSWdである。走査信号線SL4と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、リセットスイッチSWbである。
【0023】
第1電極C1と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、駆動トランジスタDRである。
なお、この例では、スイッチSWaは、トップゲート型のPチャネル薄膜トランジスタである。駆動トランジスタDR及びスイッチSWb乃至SWdは、トップゲート型のNチャネル薄膜トランジスタである。また、図2において参照符号Gで示す部分は、第1電極C1の一部を延出してなる駆動トランジスタDRのゲート電極である。
【0024】
第1電極C1は、第2電極Cs2と対向している。第1電極C1と第2電極Cs2とこれらの間に介在しているゲート絶縁膜GIとは、第1容量部Csを形成している。ここでは、第1容量部Csはキャパシタである。
【0025】
ゲート絶縁膜GI、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4、リセット線RSL及び第1電極C1は、層間絶縁膜IIで被覆されている。層間絶縁膜IIは、例えばプラズマCVD法などにより成膜されたSiOXなどからなる。
【0026】
層間絶縁膜II上には、映像信号線VL、初期化信号線BL及び高電位電源配線PSLが形成されている。層間絶縁膜II上には、図2に示すソース電極SE及びドレイン電極DEがさらに形成されている。
【0027】
映像信号線VLは、各々が列方向Yに延びており、行方向Xに並んでいる。映像信号線VLは、書込みスイッチSWdのソース電極に接続されている。初期化信号線BLは、この例では、各々が列方向Yに延びており、行方向Xに並んでいる。初期化信号線BLは、初期化スイッチSWcのソース電極に接続されている。高電位電源配線PSLは、この例では、各々が列方向Yに延びており、行方向Xに並んでいる。高電位電源配線PSLは、出力スイッチSWaのソース電極と第2容量部Cxとに接続されている。なお、リセット線RSLは、リセットスイッチSWbのソース電極に接続されている。
【0028】
ソース電極SE及びドレイン電極DEは、層間絶縁膜II及びゲート絶縁膜GIに形成されたコンタクトホールを通って半導体層SCのソース領域及びドレイン領域にそれぞれ接続されている。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、画素PXが含む素子間の接続に利用されている。
【0029】
層間絶縁膜II上には、第2電極Cx2がさらに形成されている。この実施の形態において、第2電極Cx2は、高電位電源配線PSLの一部を延出して形成されている。第2電極Cx2は、第1電極C1と対向している。第1電極C1と第2電極Cx2とこれらの間に介在している層間絶縁膜IIとは、第2容量部Cxを形成している。ここでは、第2容量部Cxはキャパシタである。
【0030】
映像信号線VLと初期化信号線BLと高電位電源配線PSLと第2電極Cx2とソース電極SEとドレイン電極DEとは、例えば、Mo/Al/Moの三層構造を有している。これらは、同一工程で形成可能である。
【0031】
映像信号線VLと初期化信号線BLと高電位電源配線PSLと第2電極Cx2とソース電極SEとドレイン電極DEとは、パッシベーション膜PSで被覆されている。パッシベーション膜PSは、例えばSiNXなどからなる。
【0032】
パッシベーション膜PS上では、画素電極PEが配列している。各画素電極PEは、パッシベーション膜PSに設けたコンタクトホールを通って、駆動トランジスタDRのソース電極SEに接続されている。
【0033】
画素電極PEは、この例では光反射性を有する背面電極である。また、画素電極PEは、この例では陽極である。画素電極PEとしては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明な導電材料と、例えばAgなどの光反射率の高い金属材料を透明導電材料の背面側に積層した構造を使用することができる。また、画素電極PEと、駆動トランジスタDRのゲート電極とは、第1容量部Csを介して接続されている。
【0034】
パッシベーション膜PS上には、さらに、隔壁絶縁層PIが形成されている。隔壁絶縁層PIには、画素電極PEに対応した位置に貫通孔が設けられているか、或いは、画素電極PEが形成する列又は行に対応した位置にスリットが設けられている。ここでは、一例として、隔壁絶縁層PIは、画素電極PEに対応した位置に貫通孔を有している。隔壁絶縁層PIは、例えば、有機絶縁層である。隔壁絶縁層PIは、例えば、フォトリソグラフィ技術を用いて形成されている。
【0035】
画素電極PE上には、活性層として、発光層を含んだ有機物層ORGが形成されている。発光層は、例えば、発光色が赤色、緑色、又は青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。この有機物層ORGは、発光層に加え、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などもさらに含むことができる。
【0036】
隔壁絶縁層PI及び有機物層ORGは、対向電極CEで被覆されている。この例では、対向電極CEは、画素PX間で互いに接続された電極、すなわち共通電極である。また、この例では、対向電極CEは、陰極であり且つ光透過性の前面電極である。対向電極CEは、例えば、パッシベーション膜PSと隔壁絶縁層PIとに設けられたコンタクトホールを通って、映像信号線VLと同一の層上に形成された電極配線(図示せず)に電気的に接続されている。各々の有機発光ダイオードOLEDは、画素電極PEと、有機物層ORGと、対向電極CEとを含んでいる。
【0037】
この実施の形態において、画素電極PEと対向電極CEとは第3容量部Ckを介して接続されているが、有機発光ダイオードOLED自体の持つ容量Coledを用いた場合を示している。なお第3容量部Ckの電極として画素電極PEに電気的に等価な第1電極Ck1と、対向電極CEに電気的に等価な第2電極Ck2とで示している。
【0038】
各画素PXは、駆動トランジスタDRと、スイッチSWa乃至SWdと、有機発光ダイオードOLEDと、第1容量部Csと、第2容量部Cxと、第3容量部Ckとを含んでいる。上記の通り、この例では、駆動トランジスタDR及びスイッチSWb乃至SWdはNチャネル薄膜トランジスタである。スイッチSWaはPチャネル薄膜トランジスタである。
【0039】
出力スイッチSWaと駆動トランジスタDRと有機発光ダイオードOLEDとは、高電位電源配線PSLの高電位電源端子ND1と低電位電源配線の低電位電源端子ND2との間で、この順に直列に接続されている。
【0040】
具体的には、出力スイッチSWaのソース電極は高電位電源端子ND1に接続され、有機発光ダイオードOLEDの対向電極CEは低電位電源端子ND2に接続されている。
【0041】
出力スイッチSWaのゲート電極は走査信号線SL1に接続されている。出力スイッチSWaは、走査信号線SL1から供給される制御信号BGに応答してオン(導通状態)、オフ(非導通状態)される。駆動トランジスタDRのソース電極SEは画素電極PEに接続され、駆動トランジスタDRのドレイン電極DEは出力スイッチSWaのドレイン電極されている。
【0042】
第1容量部Csは、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極間に接続されている。より詳しくは、第1容量部Csの第1電極C1が駆動トランジスタDRのゲート電極に接続されている。第1容量部Csの第2電極Cs2が駆動トランジスタDRのソース電極に接続されている。第1容量部Csは、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極間の電位差を保持するものである。
また、第1容量部Csは、有機発光ダイオードOLEDに駆動信号が流れ始める時の画素電極PEの電位の変化を駆動トランジスタDRのゲート電極に伝播させるものである。
【0043】
第2容量部Cxは、駆動トランジスタDRのゲート電極に接続されている。この実施の形態において、第2容量部Cxの第1電極C1が駆動トランジスタDRのゲート電極に接続されている。第2容量部Cxの第2電極Cx2は高電位電源配線PSLに接続されている。
なお、第2電極Cx2は高電位電源配線PSL以外に接続されていても良く、この場合、第2電極Cx2は定電位の配線に接続されていれば良い。
【0044】
また、第2容量部Cxは、第1容量部Csが画素電極PEの電位の変化を駆動トランジスタDRのゲート電極に伝播させる際、駆動トランジスタDRのゲート電極への画素電極PEの電位の変化の伝播を抑制するものである。
【0045】
第3容量部Ckは、画素電極PE及び対向電極CE間に接続されている。より詳しくは、第3容量部Ckの第1電極Ck1が画素電極PE、駆動トランジスタDRのソース電極及び第2電極Cs2に接続されている。第3容量部Ckの第2電極Ck2が対向電極CEに接続されている。
【0046】
初期化スイッチSWcは、初期化信号線BLと駆動トランジスタDRのゲート電極との間に接続されている。初期化スイッチSWcのゲート電極は、走査信号線SL2に接続されている。初期化スイッチSWcは、走査信号線SL2から供給される制御信号IGに応答してオン、オフされる。初期化スイッチSWcは、初期化信号線BLを介して伝送される初期化電圧Viniを出力させるかどうか切換えるものである。
【0047】
書込みスイッチSWdは、映像信号線VLと駆動トランジスタDRのゲート電極との間に接続されている。書込みスイッチSWdのゲート電極は、走査信号線SL3に接続されている。書込みスイッチSWdは、走査信号線SL3から供給される制御信号SGに応答してオン、オフされる。書込みスイッチSWdは、映像信号線VLを介して伝送される映像信号電圧Vsigを出力させるかどうか切換えるものである。
【0048】
リセットスイッチSWbは、リセット線RSLと駆動トランジスタDRのソース電極及び第2電極Cs2との間に接続されている。リセットスイッチSWbのゲート電極は、走査信号線SL4に接続されている。リセットスイッチSWbは、走査信号線SL4から供給される制御信号RGに応答してオン、オフされる。リセットスイッチSWbは、リセット線RSLを介して伝送されるリセット電圧RSを出力させるかどうか切換えるものである。ここで、リセット電圧RSは定電圧である。
【0049】
映像信号線ドライバXDR及び走査信号線ドライバYDRは、この例では、表示パネルDPにCOG(chip on glass)実装している。映像信号線ドライバXDR及び走査信号線ドライバYDRは、COG実装する代わりに、TCP(tape carrier package)実装してもよい。
【0050】
映像信号線ドライバXDRには、映像信号線VLが接続されている。この例では、映像信号線ドライバXDRには、初期化信号線BLと高電位電源配線PSLとがさらに接続されている。映像信号線ドライバXDRは、映像信号線VLに映像信号として映像信号電圧Vsigを出力する。加えて、映像信号線ドライバXDRは、初期化信号線BLに初期化信号として初期化電圧Vini(定電圧)を出力すると共に、高電位電源配線PSLに電源電圧を供給する。
【0051】
走査信号線ドライバYDRには、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4が接続されている。走査信号線ドライバYDRは、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4にそれぞれ走査信号として電圧信号を出力する。
【0052】
次に、有機発光ダイオードOLEDに発光(画像を表示)させる場合の画素PXの動作について説明する。
上記のように構成された有機発光表示装置において、画素PXの動作は、リセット動作、キャンセル動作、書込み動作及び表示動作としての発光動作に分けられる。これら一連の動作は、例えば、1垂直走査期間に行われる。
【0053】
ここで、図6は、制御信号BG、IG、RG、SGのオン、オフタイミングと、駆動トランジスタのゲート電位Vg、初期化電圧Vini、駆動トランジスタのソース電位Vs及びリセット電圧RSを示すタイミングチャートである。
【0054】
まず、リセット動作について説明する。
リセット動作は、リセット期間P1に行われる。リセット動作は、前の発光動作に続いて行われる。リセット期間P1の長さは、例えば、1水平走査期間(1H)である。
【0055】
図7には、リセット期間P1における画素PXを示している。
図1乃至図6、及び図7に示すように、リセット動作では、走査信号線ドライバYDRから、書込みスイッチSWdをオフ状態とするレベル(オフ電位)、ここでは、ローレベルの制御信号SGが出力されている。
【0056】
この状態で、出力スイッチSWaをオフ状態とするレベル(オフ電位)、ここでは、ハイレベルの制御信号BGが出力される。同時に、走査信号線ドライバYDRから、初期化スイッチSWc及びリセットスイッチSWbをオン状態とするレベル(オン電位)、ここではハイレベルの制御信号IG、RGが出力される。
【0057】
このため、出力スイッチSWaがオフ、初期化スイッチSWc及びリセットスイッチSWbがオンに切換えられる。これにより、駆動トランジスタDRのゲート電位Vgが初期化電位Viniに設定され(Vg=Vini)、ソース電位Vsがリセット電位RSに設定される(Vs=RS)。なおViniとRSとの電位は駆動トランジスタDRがオン状態なるように、具体的にはVini−RSの値が駆動トランジスタDRの閾値電圧より大きくなるように設定する。
【0058】
次に、キャンセル動作について説明する。
キャンセル動作は、リセット期間P1に続くキャンセル期間P2に行われる。キャンセル期間P2の長さは、例えば、1水平走査期間である。
図8には、キャンセル期間P2における画素PXを示している。
【0059】
図1乃至図6、及び図8に示すように、キャンセル動作では、走査信号線ドライバYDRから、書込みスイッチSWdにオフ電位の制御信号SGの出力が維持され、初期化スイッチSWcにオン電位の制御信号IGの出力が維持され、リセットスイッチSWbにオフ電位の制御信号RGが出力され、出力スイッチSWaにオン電位の制御信号BGが出力される。
【0060】
このため、リセットスイッチSWbがオフ、出力スイッチSWaがオンに切換えられる。この時駆動トランジスタDRはオン状態にあるため、リセット電位RSより高電位である高電位電源線PSLから駆動トランジスタDRのソースに電流が流れ込み駆動トランジスタDRのソース電位は上昇し、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs1は閾値電圧Vthに徐々に近づいて行くことになる。なおキャンセル期間には有機発光ダイオードOLEDに電流が流れないようにするために、この期間には有機発光ダイオードOLEDに逆バイアスが印加されるように低電位電源配線の電位を設定する。
【0061】
この実施の形態のように、キャンセル期間P2において、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs1は閾値電圧Vthに到達し、第1容量部Csには閾値電圧Vthに相当する電位差が保持(記憶)される。
ここでの、ゲート電位Vg、ソース電位Vs、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs1は次のように設定される。
【0062】
Vg=Vini
Vs=Vini−Vth
Vgs1=Vth
次に、書込み動作について説明する。
書込み動作は、キャンセル期間P2に続く書込み期間P3に行われる。ここでは、書込み期間P3の長さは、1水平走査期間より短い。
ここで、キャンセル期間P2と書込み期間P3の間において、出力スイッチSWa及び初期化スイッチSWcにオフ電位の制御信号BG、IGが出力され、初期化スイッチSWcがオフに切替えられる。
【0063】
図9には、書込み期間P3における画素PXを示している。
【0064】
図1乃至図6、及び図9に示すように、書込み動作では、走査信号線ドライバYDRから、出力スイッチSWa、リセットスイッチSWb及び初期化スイッチSWcにオフ電位の制御信号BG、RG、IGの出力が維持され、書込みスイッチSWdにオン電位の制御信号SGが出力される。
【0065】
このため、書込みスイッチSWdがオンに切換えられる。これにより、映像信号線VL及び書込みスイッチSWdを介して映像信号電圧Vsigが供給される。すると、ゲート電位Vgは、ΔVsigだけ変位する。また、ソース電位Vsは、ΔVsig×Cs/(Ck+Cs)だけ変位する。なお、第1容量部Csの容量をCs、第3容量部Ckの容量をCkとした。
ここでの、ゲート電位Vg、ソース電位Vs、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs2は次のように設定される。
【0066】
Vg=Vini+ΔVsig
Vs=Vini−Vth+ΔVsig×Cs/(Ck+Cs)
Vgs2=Vth+ΔVsig×Ck/(Ck+Cs)
その後、書込みスイッチSWdにオフ電位の制御信号SGが出力される。このため、書込みスイッチSWdがオフに切換えられる。これにより、映像信号に応じた駆動トランジスタDRのゲート・ソース間電圧が閾値電圧Vthを基点として第1容量部Csに保持される。
【0067】
次に、発光動作について説明する。
発光動作は、書込み期間P3経過後の表示期間としての発光期間P4に行われる。発光期間P4の長さは、例えば、1垂直走査期間が終了するまで(次のリセット動作が開始されるまで)の間である。
図10には、発光期間P4における画素PXを示している。
【0068】
図1乃至図6、及び図10に示すように、発光動作では、走査信号線ドライバYDRから、リセットスイッチSWb、初期化スイッチSWc及び書込みスイッチSWdにオフ電位の制御信号RG、IG、SGの出力が維持され、出力スイッチSWaにオン電位の制御信号BGが出力される。
【0069】
このため、出力スイッチSWaがオンに切換えられる。これにより、駆動トランジスタDRから駆動信号を有機発光ダイオードOLEDに出力させる。言い換えると、有機発光ダイオードOLEDに、画像の階調に応じた駆動電流が与えられる。
【0070】
ここで、出力スイッチSWaをオンに切換えたタイミングT1での動作について説明する。
駆動部10は、出力スイッチSWaをオンに切換えることにより、有機発光ダイオードOLEDに駆動信号が流れ始める時(タイミングT1)の画素電極PEの電位の変化を第1容量部Csを介して駆動トランジスタDRのゲート電極に伝播させる。第2容量部Cxは駆動トランジスタDRのゲート電極への画素電極PEの電位の変化の伝播を抑制するものである。
【0071】
タイミングT1において、有機発光ダイオードOLEDの画素電極PEの電位は、駆動トランジスタDRのゲート電位に応じた発光電流を流せる電位まで上昇する。この時上昇する画素電極PEの電位ΔVaは、移動度の大きい駆動トランジスタDRに接続されている有機発光ダイオードOLEDほど大きい。
【0072】
なぜならば、キャンセル動作後に駆動トランジスタDRのゲート電位を同量変化させた場合、移動度の大小だけが発光電流の大小につながるためである。そして、画素電極PEの電位の上昇に伴い、ソース電位Vsは、ΔVaだけ変位する。また、ゲート電位Vgは、ΔVa×Cs/(Cx+Cs)だけ変位し、この変位も移動度の大きい駆動トランジスタDRほど大きい。なお、第2容量部Cxの容量をCxとした。
ここでの、ゲート電位Vg、ソース電位Vs、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs3は次のように設定される。
【0073】
Vg=Vini+ΔVsig+ΔVa×Cs/(Cx+Cs)
Vs=Vini−Vth+ΔVsig×Cs/(Ck+Cs)+ΔVa
Vgs3=Vth+ΔVsig×Ck/(Ck+Cs)−ΔVa×Cx/(Cx+Cs)
したがって、移動度(ΔVa)の大きい駆動トランジスタDRの方が移動度(ΔVa)の小さい駆動トランジスタDRよりゲート電位がオフ方向により近い状態になり、移動度のばらつきの補償がゲート電位の自動調整の形で行われた状態になる。
【0074】
すなわち、有機発光表示装置の有する複数の駆動トランジスタDRは、製造上、特性にばらつきが生じて形成されるが、キャンセル期間と書込み期間の動作により閾値電圧Vthを基点として画像の階調を得るための電位だけ駆動トランジスタDRのゲート電位を変位させることができ、さらにタイミングT1での動作により、移動度のばらつきを補償することができる。言い換えると、駆動トランジスタDRのゲート電位は、所望のタイミングで所望の発光電流を流すことができる状態に設定される。
【0075】
上記のように構成された有機発光表示装置および有機発光表示装置の駆動方法によれば、有機発光表示装置は、複数の映像信号線VLと、複数の初期化信号線BLと、複数の画素PXと、駆動部10とを備えている。各画素PXは、駆動トランジスタDRと、スイッチSWa乃至SWbと、有機発光ダイオードOLEDと、第1容量部Csと、第2容量部Cxと、第3容量部Ckとを含んでいる。
【0076】
駆動部10が行う画素PXの動作は、リセット動作、キャンセル動作、書込み動作及び発光動作である。キャンセル動作により、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極間の電圧を閾値電圧に到達させることができるため、駆動トランジスタDRの閾値電圧ばらつきの影響を抑制することができる。
【0077】
また、タイミングT1において、画素電極PEの電位の変化を第1容量部Csを介して駆動トランジスタDRのゲート電極に伝播させることができる。この際、第2容量部Cxは、ソース電位の上昇よりゲート電位の上昇を低くすることができる。詳しくは、ゲート電位の上昇をCs/(Cx+Cs)倍に抑制することができる。これにより、駆動トランジスタDRの移動度のばらつきを補償することができる。
【0078】
上記したことから、閾値電圧ばらつきの影響、移動度ばらつきの影響ともに抑制することができる。そして、階調再現性に優れ、輝度ムラを抑制できる有機発光表示装置及び有機発光表示装置の駆動方法を得ることができる。
【0079】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素に幾つかの構成要素を付加してもよい。
【0080】
例えば、図11に等価回路図、図12に画素平面図を示すように、有機発光表示装置は、第3容量Ckとして有機発光ダイオードOLED自体の持つ容量Coled以外の容量Cextraを付加しても良い。容量Cextraは、電位電源配線SLa及び第2電極Cs2で形成されている。この場合、付加する容量Cextraの値で映像信号書込み時の駆動トランジスタDRのソース電位変位量を調整することができ、駆動トランジスタDRのW/L比を調整し易くなる。
【0081】
また付加する容量Cextraの画素電極PEに等価ではない側の電極は固定電位に設定されていれば良いため、図13に等価回路図、図14に画素平面図示すように対向電極CE以外、例えば高電位電源線PSLに接続しても良い。
【0082】
上述した実施の形態と同様の閾値キャンセル機能を持つ電圧信号方式の画素PXに本発明の駆動方法を適用しても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることが期待できる。
スイッチSWaはNチャネル型のトランジスタにより構成してもよい。スイッチSWb乃至SWdはPチャネル型のトランジスタにより構成してもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…駆動部、DP…表示パネル、XDR…映像信号線ドライバ、YDR…走査信号線ドライバ、VL…映像信号線、BL…初期化信号線、PSL…高電位電源配線、SLa…低電位電源配線、SL1,SL2,SL3,SL4…走査信号線、ND1…高電位電源端子、ND2…低電位電源端子、PX…画素、OLED…有機発光ダイオード、DR…駆動トランジスタ、SWa…出力スイッチ、SWb…リセットスイッチ、SWc…初期化スイッチ、SWd…書込みスイッチ、Cs…第1容量部、C1…第1電極、Cs2…第2電極、Cx…第2容量部、Cx2…第2電極、Ck…第3容量部、Ck1…第1電極、Ck2…第2電極、Coled…容量、PE…画素電極、ORG…有機物層、CE…対向電極、P1…リセット期間、P2…キャンセル期間、P3…書込み期間、P4…発光期間、T1…タイミング、BG,IG,RG,SG…制御信号、Vsig…映像信号電圧。
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アクティブマトリクス型表示装置として、アクティブマトリクス型有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置が開発されている。アクティブマトリクス型有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置では、各画素で表示させる画像の階調を、映像信号の大きさで制御している。映像信号として電圧信号を利用するアクティブマトリクス型有機EL表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、駆動トランジスタの閾値電圧や移動度は、画素間でばらつく。このため、同一の映像信号を画素に供給しても、有機発光ダイオードに流れる電流は画素毎に異なり、輝度ムラが生じることになる。
【0004】
ここで、特許文献1に、閾値電圧のばらつきを抑制する技術も開示されている。これにより、閾値電圧のばらつきに起因した駆動電流のばらつきを抑制することができ、優れた階調再現性を得ることができる。
【0005】
また、キャンセル(オフセットキャンセル)動作を2回設けることにより、閾値電圧のばらつきを抑制し、かつ、駆動トランジスタの移動度ばらつきをゲート電位分布で吸収する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この場合、閾値電圧ばらつきの影響、移動度ばらつきの影響ともに抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−10993号公報
【特許文献2】特開2006−215213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記キャンセル動作による移動度補償は、駆動トランジスタのゲート電極及びソース電極間の電圧を低下させつつ行うものである。この場合、ゲート電極の低下を招くため、階調再現性がばらつく可能性がある。
【0008】
また、上記キャンセル動作による移動度補償は、1μ秒又はそれ以下のスパンで行う必要があり、配線のCR積やドライバの動作遅延により、階調再現性が画素毎にばらつく可能性がある。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、階調再現性に優れたアクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の態様に係るアクティブマトリクス型有機発光表示装置は、
複数の映像信号線と、
前記各映像信号線に接続された複数の画素と、を備え、
前記各画素は、
低電位電源配線に接続された陰極、前記陰極に対向配置された陽極並びに前記陰極及び陽極間に挟持された有機物層を含んだ有機発光ダイオードと、
高電位電源配線に接続されたドレイン電極、前記有機発光ダイオードの陽極に接続されたソース電極及びゲート電極を含んだNチャネル型の駆動トランジスタと、
前記高電位電源配線及び駆動トランジスタのドレイン電極間に接続された出力スイッチと、
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極及び前記有機発光ダイオードの陽極に接続された第2電極を含んだ第1容量部と、
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された電極を含んだ第2容量部と、を有している。
【0010】
また、本発明の他の態様に係るアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法は、
複数の映像信号線と、前記各映像信号線に接続された複数の画素と、を備え、前記各画素は、低電位電源配線に接続された陰極、前記陰極に対向配置された陽極並びに前記陰極及び陽極間に挟持された有機物層を含んだ有機発光ダイオードと、高電位電源配線に接続されたドレイン電極、前記有機発光ダイオードの陽極に接続されたソース電極及びゲート電極を含んだNチャネル型の駆動トランジスタと、前記高電位電源配線及び駆動トランジスタのドレイン電極間に接続された出力スイッチと、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極及び前記有機発光ダイオードの陽極に接続された第2電極を含んだ第1容量部と、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された電極を含んだ第2容量部と、を有しているアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法において、
発光期間に、前記駆動トランジスタから駆動信号を前記有機発光ダイオードに出力させ、
前記有機発光ダイオードに前記駆動信号が流れ始める時の前記陽極の電位の変化を前記第1容量部を介して前記駆動トランジスタのゲート電極に伝播させ、その際、前記第2容量部により前記ゲート電極への前記陽極の電位の変化の伝播を抑制する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、階調再現性に優れたアクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る有機発光表示装置を概略的に示す平面図である。
【図2】上記有機発光表示装置の駆動トランジスタ及び有機発光ダイオードを示す断面図である。
【図3】上記有機発光表示装置における画素の等価回路を示す平面図である。
【図4】上記画素を示す概略平面図である。
【図5】図4の線A1−A2に沿った断面を展開して示す断面図であり、特に、絶縁基板から画素電極までの積層構造を示す図である。
【図6】上記有機発光表示装置の駆動方法における制御信号のオン、オフ(high、low)タイミングを示すタイミングチャートであり、駆動トランジスタのゲート電位、初期化電圧、駆動トランジスタのソース電位及びリセット電圧を併せて示す図である。
【図7】上記有機発光表示装置のリセット動作における画素の等価回路を示す図である。
【図8】上記有機発光表示装置のキャンセル動作における画素の等価回路を示す図である。
【図9】上記有機発光表示装置の書込み動作における画素の等価回路を示す図である。
【図10】上記有機発光表示装置の発光動作における画素の等価回路を示す図である。
【図11】上記有機発光表示装置の画素の変形例の等価回路を示す平面図である。
【図12】図11に示した画素の概略平面図である。
【図13】上記有機発光表示装置の画素の他の変形例の等価回路を示す平面図である。
【図14】図13に示した画素の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態に係るアクティブマトリクス型有機発光表示装置及びアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図2は、図1の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す部分断面図である。図3は、図1の表示装置が含む画素の等価回路図である。図4は、上記画素を概略的に示す平面図である。図5は、上記画素の一部を概略的に示す断面図である。なお、図2では、表示装置を、その表示面,すなわち前面又は光出射面,が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。この表示装置は、アクティブマトリクス型駆動方式を採用した上面発光型の有機発光表示装置である。尚、本実施の形態では、上面発光型の有機発光表示装置であるが、本実施の形態は下面発光型の有機発光表示装置についても容易に適用可能である。
【0015】
図1乃至図5に示すように、有機発光表示装置は、表示パネルDPと、映像信号線ドライバXDRと、走査信号線ドライバYDRとを含んでいる。映像信号線ドライバXDR及び走査信号線ドライバYDRは駆動部10を形成している。
【0016】
表示パネルDPは、例えば、ガラス基板などの絶縁基板SUBを含んでいる。絶縁基板SUB上には、アンダーコート層UCが形成されている。アンダーコート層UCは、例えば、絶縁基板SUB上にSiNX層とSiOX層とをこの順に積層してなる。
【0017】
アンダーコート層UC上では、半導体層SCが形成されている。各半導体層SCは、例えば、p型領域とn型領域とを含んだポリシリコン層である。アンダーコート層UC上では、第2電極Cs2がさらに形成されている。ここでは、半導体層SC及び第2電極Cs2は一体に形成されている。
【0018】
半導体層SC及び第2電極Cs2は、ゲート絶縁膜GIで被覆されている。ゲート絶縁膜GIは、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)などを用いて形成することができる。
【0019】
ゲート絶縁膜GI上には、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4が形成されている。走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4は、各々が後述する画素PXの行方向Xに延びており、画素PXの列方向Yに並んでいる。走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4は、例えばMoWなどからなる。
【0020】
ゲート絶縁膜GI上では、リセット線RSL及び第1電極C1がさらに形成されている。リセット線RSL及び第1電極C1は、例えばMoWなどからなる。リセット線RSL及び第1電極C1は、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4と同一の工程で形成することができる。
【0021】
走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4のそれぞれは半導体層SCと交差しており、これら交差部は薄膜トランジスタを構成している。また、第1電極C1は半導体層SCと交差しており、これら交差部も薄膜トランジスタを構成している。
【0022】
具体的には、走査信号線SL1と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、出力スイッチSWaである。走査信号線SL2と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、初期化スイッチSWcである。走査信号線SL3と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、書込みスイッチSWdである。走査信号線SL4と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、リセットスイッチSWbである。
【0023】
第1電極C1と半導体層SCとの交差部が形成している薄膜トランジスタは、駆動トランジスタDRである。
なお、この例では、スイッチSWaは、トップゲート型のPチャネル薄膜トランジスタである。駆動トランジスタDR及びスイッチSWb乃至SWdは、トップゲート型のNチャネル薄膜トランジスタである。また、図2において参照符号Gで示す部分は、第1電極C1の一部を延出してなる駆動トランジスタDRのゲート電極である。
【0024】
第1電極C1は、第2電極Cs2と対向している。第1電極C1と第2電極Cs2とこれらの間に介在しているゲート絶縁膜GIとは、第1容量部Csを形成している。ここでは、第1容量部Csはキャパシタである。
【0025】
ゲート絶縁膜GI、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4、リセット線RSL及び第1電極C1は、層間絶縁膜IIで被覆されている。層間絶縁膜IIは、例えばプラズマCVD法などにより成膜されたSiOXなどからなる。
【0026】
層間絶縁膜II上には、映像信号線VL、初期化信号線BL及び高電位電源配線PSLが形成されている。層間絶縁膜II上には、図2に示すソース電極SE及びドレイン電極DEがさらに形成されている。
【0027】
映像信号線VLは、各々が列方向Yに延びており、行方向Xに並んでいる。映像信号線VLは、書込みスイッチSWdのソース電極に接続されている。初期化信号線BLは、この例では、各々が列方向Yに延びており、行方向Xに並んでいる。初期化信号線BLは、初期化スイッチSWcのソース電極に接続されている。高電位電源配線PSLは、この例では、各々が列方向Yに延びており、行方向Xに並んでいる。高電位電源配線PSLは、出力スイッチSWaのソース電極と第2容量部Cxとに接続されている。なお、リセット線RSLは、リセットスイッチSWbのソース電極に接続されている。
【0028】
ソース電極SE及びドレイン電極DEは、層間絶縁膜II及びゲート絶縁膜GIに形成されたコンタクトホールを通って半導体層SCのソース領域及びドレイン領域にそれぞれ接続されている。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、画素PXが含む素子間の接続に利用されている。
【0029】
層間絶縁膜II上には、第2電極Cx2がさらに形成されている。この実施の形態において、第2電極Cx2は、高電位電源配線PSLの一部を延出して形成されている。第2電極Cx2は、第1電極C1と対向している。第1電極C1と第2電極Cx2とこれらの間に介在している層間絶縁膜IIとは、第2容量部Cxを形成している。ここでは、第2容量部Cxはキャパシタである。
【0030】
映像信号線VLと初期化信号線BLと高電位電源配線PSLと第2電極Cx2とソース電極SEとドレイン電極DEとは、例えば、Mo/Al/Moの三層構造を有している。これらは、同一工程で形成可能である。
【0031】
映像信号線VLと初期化信号線BLと高電位電源配線PSLと第2電極Cx2とソース電極SEとドレイン電極DEとは、パッシベーション膜PSで被覆されている。パッシベーション膜PSは、例えばSiNXなどからなる。
【0032】
パッシベーション膜PS上では、画素電極PEが配列している。各画素電極PEは、パッシベーション膜PSに設けたコンタクトホールを通って、駆動トランジスタDRのソース電極SEに接続されている。
【0033】
画素電極PEは、この例では光反射性を有する背面電極である。また、画素電極PEは、この例では陽極である。画素電極PEとしては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明な導電材料と、例えばAgなどの光反射率の高い金属材料を透明導電材料の背面側に積層した構造を使用することができる。また、画素電極PEと、駆動トランジスタDRのゲート電極とは、第1容量部Csを介して接続されている。
【0034】
パッシベーション膜PS上には、さらに、隔壁絶縁層PIが形成されている。隔壁絶縁層PIには、画素電極PEに対応した位置に貫通孔が設けられているか、或いは、画素電極PEが形成する列又は行に対応した位置にスリットが設けられている。ここでは、一例として、隔壁絶縁層PIは、画素電極PEに対応した位置に貫通孔を有している。隔壁絶縁層PIは、例えば、有機絶縁層である。隔壁絶縁層PIは、例えば、フォトリソグラフィ技術を用いて形成されている。
【0035】
画素電極PE上には、活性層として、発光層を含んだ有機物層ORGが形成されている。発光層は、例えば、発光色が赤色、緑色、又は青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。この有機物層ORGは、発光層に加え、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などもさらに含むことができる。
【0036】
隔壁絶縁層PI及び有機物層ORGは、対向電極CEで被覆されている。この例では、対向電極CEは、画素PX間で互いに接続された電極、すなわち共通電極である。また、この例では、対向電極CEは、陰極であり且つ光透過性の前面電極である。対向電極CEは、例えば、パッシベーション膜PSと隔壁絶縁層PIとに設けられたコンタクトホールを通って、映像信号線VLと同一の層上に形成された電極配線(図示せず)に電気的に接続されている。各々の有機発光ダイオードOLEDは、画素電極PEと、有機物層ORGと、対向電極CEとを含んでいる。
【0037】
この実施の形態において、画素電極PEと対向電極CEとは第3容量部Ckを介して接続されているが、有機発光ダイオードOLED自体の持つ容量Coledを用いた場合を示している。なお第3容量部Ckの電極として画素電極PEに電気的に等価な第1電極Ck1と、対向電極CEに電気的に等価な第2電極Ck2とで示している。
【0038】
各画素PXは、駆動トランジスタDRと、スイッチSWa乃至SWdと、有機発光ダイオードOLEDと、第1容量部Csと、第2容量部Cxと、第3容量部Ckとを含んでいる。上記の通り、この例では、駆動トランジスタDR及びスイッチSWb乃至SWdはNチャネル薄膜トランジスタである。スイッチSWaはPチャネル薄膜トランジスタである。
【0039】
出力スイッチSWaと駆動トランジスタDRと有機発光ダイオードOLEDとは、高電位電源配線PSLの高電位電源端子ND1と低電位電源配線の低電位電源端子ND2との間で、この順に直列に接続されている。
【0040】
具体的には、出力スイッチSWaのソース電極は高電位電源端子ND1に接続され、有機発光ダイオードOLEDの対向電極CEは低電位電源端子ND2に接続されている。
【0041】
出力スイッチSWaのゲート電極は走査信号線SL1に接続されている。出力スイッチSWaは、走査信号線SL1から供給される制御信号BGに応答してオン(導通状態)、オフ(非導通状態)される。駆動トランジスタDRのソース電極SEは画素電極PEに接続され、駆動トランジスタDRのドレイン電極DEは出力スイッチSWaのドレイン電極されている。
【0042】
第1容量部Csは、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極間に接続されている。より詳しくは、第1容量部Csの第1電極C1が駆動トランジスタDRのゲート電極に接続されている。第1容量部Csの第2電極Cs2が駆動トランジスタDRのソース電極に接続されている。第1容量部Csは、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極間の電位差を保持するものである。
また、第1容量部Csは、有機発光ダイオードOLEDに駆動信号が流れ始める時の画素電極PEの電位の変化を駆動トランジスタDRのゲート電極に伝播させるものである。
【0043】
第2容量部Cxは、駆動トランジスタDRのゲート電極に接続されている。この実施の形態において、第2容量部Cxの第1電極C1が駆動トランジスタDRのゲート電極に接続されている。第2容量部Cxの第2電極Cx2は高電位電源配線PSLに接続されている。
なお、第2電極Cx2は高電位電源配線PSL以外に接続されていても良く、この場合、第2電極Cx2は定電位の配線に接続されていれば良い。
【0044】
また、第2容量部Cxは、第1容量部Csが画素電極PEの電位の変化を駆動トランジスタDRのゲート電極に伝播させる際、駆動トランジスタDRのゲート電極への画素電極PEの電位の変化の伝播を抑制するものである。
【0045】
第3容量部Ckは、画素電極PE及び対向電極CE間に接続されている。より詳しくは、第3容量部Ckの第1電極Ck1が画素電極PE、駆動トランジスタDRのソース電極及び第2電極Cs2に接続されている。第3容量部Ckの第2電極Ck2が対向電極CEに接続されている。
【0046】
初期化スイッチSWcは、初期化信号線BLと駆動トランジスタDRのゲート電極との間に接続されている。初期化スイッチSWcのゲート電極は、走査信号線SL2に接続されている。初期化スイッチSWcは、走査信号線SL2から供給される制御信号IGに応答してオン、オフされる。初期化スイッチSWcは、初期化信号線BLを介して伝送される初期化電圧Viniを出力させるかどうか切換えるものである。
【0047】
書込みスイッチSWdは、映像信号線VLと駆動トランジスタDRのゲート電極との間に接続されている。書込みスイッチSWdのゲート電極は、走査信号線SL3に接続されている。書込みスイッチSWdは、走査信号線SL3から供給される制御信号SGに応答してオン、オフされる。書込みスイッチSWdは、映像信号線VLを介して伝送される映像信号電圧Vsigを出力させるかどうか切換えるものである。
【0048】
リセットスイッチSWbは、リセット線RSLと駆動トランジスタDRのソース電極及び第2電極Cs2との間に接続されている。リセットスイッチSWbのゲート電極は、走査信号線SL4に接続されている。リセットスイッチSWbは、走査信号線SL4から供給される制御信号RGに応答してオン、オフされる。リセットスイッチSWbは、リセット線RSLを介して伝送されるリセット電圧RSを出力させるかどうか切換えるものである。ここで、リセット電圧RSは定電圧である。
【0049】
映像信号線ドライバXDR及び走査信号線ドライバYDRは、この例では、表示パネルDPにCOG(chip on glass)実装している。映像信号線ドライバXDR及び走査信号線ドライバYDRは、COG実装する代わりに、TCP(tape carrier package)実装してもよい。
【0050】
映像信号線ドライバXDRには、映像信号線VLが接続されている。この例では、映像信号線ドライバXDRには、初期化信号線BLと高電位電源配線PSLとがさらに接続されている。映像信号線ドライバXDRは、映像信号線VLに映像信号として映像信号電圧Vsigを出力する。加えて、映像信号線ドライバXDRは、初期化信号線BLに初期化信号として初期化電圧Vini(定電圧)を出力すると共に、高電位電源配線PSLに電源電圧を供給する。
【0051】
走査信号線ドライバYDRには、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4が接続されている。走査信号線ドライバYDRは、走査信号線SL1、SL2、SL3、SL4にそれぞれ走査信号として電圧信号を出力する。
【0052】
次に、有機発光ダイオードOLEDに発光(画像を表示)させる場合の画素PXの動作について説明する。
上記のように構成された有機発光表示装置において、画素PXの動作は、リセット動作、キャンセル動作、書込み動作及び表示動作としての発光動作に分けられる。これら一連の動作は、例えば、1垂直走査期間に行われる。
【0053】
ここで、図6は、制御信号BG、IG、RG、SGのオン、オフタイミングと、駆動トランジスタのゲート電位Vg、初期化電圧Vini、駆動トランジスタのソース電位Vs及びリセット電圧RSを示すタイミングチャートである。
【0054】
まず、リセット動作について説明する。
リセット動作は、リセット期間P1に行われる。リセット動作は、前の発光動作に続いて行われる。リセット期間P1の長さは、例えば、1水平走査期間(1H)である。
【0055】
図7には、リセット期間P1における画素PXを示している。
図1乃至図6、及び図7に示すように、リセット動作では、走査信号線ドライバYDRから、書込みスイッチSWdをオフ状態とするレベル(オフ電位)、ここでは、ローレベルの制御信号SGが出力されている。
【0056】
この状態で、出力スイッチSWaをオフ状態とするレベル(オフ電位)、ここでは、ハイレベルの制御信号BGが出力される。同時に、走査信号線ドライバYDRから、初期化スイッチSWc及びリセットスイッチSWbをオン状態とするレベル(オン電位)、ここではハイレベルの制御信号IG、RGが出力される。
【0057】
このため、出力スイッチSWaがオフ、初期化スイッチSWc及びリセットスイッチSWbがオンに切換えられる。これにより、駆動トランジスタDRのゲート電位Vgが初期化電位Viniに設定され(Vg=Vini)、ソース電位Vsがリセット電位RSに設定される(Vs=RS)。なおViniとRSとの電位は駆動トランジスタDRがオン状態なるように、具体的にはVini−RSの値が駆動トランジスタDRの閾値電圧より大きくなるように設定する。
【0058】
次に、キャンセル動作について説明する。
キャンセル動作は、リセット期間P1に続くキャンセル期間P2に行われる。キャンセル期間P2の長さは、例えば、1水平走査期間である。
図8には、キャンセル期間P2における画素PXを示している。
【0059】
図1乃至図6、及び図8に示すように、キャンセル動作では、走査信号線ドライバYDRから、書込みスイッチSWdにオフ電位の制御信号SGの出力が維持され、初期化スイッチSWcにオン電位の制御信号IGの出力が維持され、リセットスイッチSWbにオフ電位の制御信号RGが出力され、出力スイッチSWaにオン電位の制御信号BGが出力される。
【0060】
このため、リセットスイッチSWbがオフ、出力スイッチSWaがオンに切換えられる。この時駆動トランジスタDRはオン状態にあるため、リセット電位RSより高電位である高電位電源線PSLから駆動トランジスタDRのソースに電流が流れ込み駆動トランジスタDRのソース電位は上昇し、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs1は閾値電圧Vthに徐々に近づいて行くことになる。なおキャンセル期間には有機発光ダイオードOLEDに電流が流れないようにするために、この期間には有機発光ダイオードOLEDに逆バイアスが印加されるように低電位電源配線の電位を設定する。
【0061】
この実施の形態のように、キャンセル期間P2において、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs1は閾値電圧Vthに到達し、第1容量部Csには閾値電圧Vthに相当する電位差が保持(記憶)される。
ここでの、ゲート電位Vg、ソース電位Vs、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs1は次のように設定される。
【0062】
Vg=Vini
Vs=Vini−Vth
Vgs1=Vth
次に、書込み動作について説明する。
書込み動作は、キャンセル期間P2に続く書込み期間P3に行われる。ここでは、書込み期間P3の長さは、1水平走査期間より短い。
ここで、キャンセル期間P2と書込み期間P3の間において、出力スイッチSWa及び初期化スイッチSWcにオフ電位の制御信号BG、IGが出力され、初期化スイッチSWcがオフに切替えられる。
【0063】
図9には、書込み期間P3における画素PXを示している。
【0064】
図1乃至図6、及び図9に示すように、書込み動作では、走査信号線ドライバYDRから、出力スイッチSWa、リセットスイッチSWb及び初期化スイッチSWcにオフ電位の制御信号BG、RG、IGの出力が維持され、書込みスイッチSWdにオン電位の制御信号SGが出力される。
【0065】
このため、書込みスイッチSWdがオンに切換えられる。これにより、映像信号線VL及び書込みスイッチSWdを介して映像信号電圧Vsigが供給される。すると、ゲート電位Vgは、ΔVsigだけ変位する。また、ソース電位Vsは、ΔVsig×Cs/(Ck+Cs)だけ変位する。なお、第1容量部Csの容量をCs、第3容量部Ckの容量をCkとした。
ここでの、ゲート電位Vg、ソース電位Vs、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs2は次のように設定される。
【0066】
Vg=Vini+ΔVsig
Vs=Vini−Vth+ΔVsig×Cs/(Ck+Cs)
Vgs2=Vth+ΔVsig×Ck/(Ck+Cs)
その後、書込みスイッチSWdにオフ電位の制御信号SGが出力される。このため、書込みスイッチSWdがオフに切換えられる。これにより、映像信号に応じた駆動トランジスタDRのゲート・ソース間電圧が閾値電圧Vthを基点として第1容量部Csに保持される。
【0067】
次に、発光動作について説明する。
発光動作は、書込み期間P3経過後の表示期間としての発光期間P4に行われる。発光期間P4の長さは、例えば、1垂直走査期間が終了するまで(次のリセット動作が開始されるまで)の間である。
図10には、発光期間P4における画素PXを示している。
【0068】
図1乃至図6、及び図10に示すように、発光動作では、走査信号線ドライバYDRから、リセットスイッチSWb、初期化スイッチSWc及び書込みスイッチSWdにオフ電位の制御信号RG、IG、SGの出力が維持され、出力スイッチSWaにオン電位の制御信号BGが出力される。
【0069】
このため、出力スイッチSWaがオンに切換えられる。これにより、駆動トランジスタDRから駆動信号を有機発光ダイオードOLEDに出力させる。言い換えると、有機発光ダイオードOLEDに、画像の階調に応じた駆動電流が与えられる。
【0070】
ここで、出力スイッチSWaをオンに切換えたタイミングT1での動作について説明する。
駆動部10は、出力スイッチSWaをオンに切換えることにより、有機発光ダイオードOLEDに駆動信号が流れ始める時(タイミングT1)の画素電極PEの電位の変化を第1容量部Csを介して駆動トランジスタDRのゲート電極に伝播させる。第2容量部Cxは駆動トランジスタDRのゲート電極への画素電極PEの電位の変化の伝播を抑制するものである。
【0071】
タイミングT1において、有機発光ダイオードOLEDの画素電極PEの電位は、駆動トランジスタDRのゲート電位に応じた発光電流を流せる電位まで上昇する。この時上昇する画素電極PEの電位ΔVaは、移動度の大きい駆動トランジスタDRに接続されている有機発光ダイオードOLEDほど大きい。
【0072】
なぜならば、キャンセル動作後に駆動トランジスタDRのゲート電位を同量変化させた場合、移動度の大小だけが発光電流の大小につながるためである。そして、画素電極PEの電位の上昇に伴い、ソース電位Vsは、ΔVaだけ変位する。また、ゲート電位Vgは、ΔVa×Cs/(Cx+Cs)だけ変位し、この変位も移動度の大きい駆動トランジスタDRほど大きい。なお、第2容量部Cxの容量をCxとした。
ここでの、ゲート電位Vg、ソース電位Vs、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極の間の電圧Vgs3は次のように設定される。
【0073】
Vg=Vini+ΔVsig+ΔVa×Cs/(Cx+Cs)
Vs=Vini−Vth+ΔVsig×Cs/(Ck+Cs)+ΔVa
Vgs3=Vth+ΔVsig×Ck/(Ck+Cs)−ΔVa×Cx/(Cx+Cs)
したがって、移動度(ΔVa)の大きい駆動トランジスタDRの方が移動度(ΔVa)の小さい駆動トランジスタDRよりゲート電位がオフ方向により近い状態になり、移動度のばらつきの補償がゲート電位の自動調整の形で行われた状態になる。
【0074】
すなわち、有機発光表示装置の有する複数の駆動トランジスタDRは、製造上、特性にばらつきが生じて形成されるが、キャンセル期間と書込み期間の動作により閾値電圧Vthを基点として画像の階調を得るための電位だけ駆動トランジスタDRのゲート電位を変位させることができ、さらにタイミングT1での動作により、移動度のばらつきを補償することができる。言い換えると、駆動トランジスタDRのゲート電位は、所望のタイミングで所望の発光電流を流すことができる状態に設定される。
【0075】
上記のように構成された有機発光表示装置および有機発光表示装置の駆動方法によれば、有機発光表示装置は、複数の映像信号線VLと、複数の初期化信号線BLと、複数の画素PXと、駆動部10とを備えている。各画素PXは、駆動トランジスタDRと、スイッチSWa乃至SWbと、有機発光ダイオードOLEDと、第1容量部Csと、第2容量部Cxと、第3容量部Ckとを含んでいる。
【0076】
駆動部10が行う画素PXの動作は、リセット動作、キャンセル動作、書込み動作及び発光動作である。キャンセル動作により、駆動トランジスタDRのゲート電極及びソース電極間の電圧を閾値電圧に到達させることができるため、駆動トランジスタDRの閾値電圧ばらつきの影響を抑制することができる。
【0077】
また、タイミングT1において、画素電極PEの電位の変化を第1容量部Csを介して駆動トランジスタDRのゲート電極に伝播させることができる。この際、第2容量部Cxは、ソース電位の上昇よりゲート電位の上昇を低くすることができる。詳しくは、ゲート電位の上昇をCs/(Cx+Cs)倍に抑制することができる。これにより、駆動トランジスタDRの移動度のばらつきを補償することができる。
【0078】
上記したことから、閾値電圧ばらつきの影響、移動度ばらつきの影響ともに抑制することができる。そして、階調再現性に優れ、輝度ムラを抑制できる有機発光表示装置及び有機発光表示装置の駆動方法を得ることができる。
【0079】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素に幾つかの構成要素を付加してもよい。
【0080】
例えば、図11に等価回路図、図12に画素平面図を示すように、有機発光表示装置は、第3容量Ckとして有機発光ダイオードOLED自体の持つ容量Coled以外の容量Cextraを付加しても良い。容量Cextraは、電位電源配線SLa及び第2電極Cs2で形成されている。この場合、付加する容量Cextraの値で映像信号書込み時の駆動トランジスタDRのソース電位変位量を調整することができ、駆動トランジスタDRのW/L比を調整し易くなる。
【0081】
また付加する容量Cextraの画素電極PEに等価ではない側の電極は固定電位に設定されていれば良いため、図13に等価回路図、図14に画素平面図示すように対向電極CE以外、例えば高電位電源線PSLに接続しても良い。
【0082】
上述した実施の形態と同様の閾値キャンセル機能を持つ電圧信号方式の画素PXに本発明の駆動方法を適用しても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることが期待できる。
スイッチSWaはNチャネル型のトランジスタにより構成してもよい。スイッチSWb乃至SWdはPチャネル型のトランジスタにより構成してもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…駆動部、DP…表示パネル、XDR…映像信号線ドライバ、YDR…走査信号線ドライバ、VL…映像信号線、BL…初期化信号線、PSL…高電位電源配線、SLa…低電位電源配線、SL1,SL2,SL3,SL4…走査信号線、ND1…高電位電源端子、ND2…低電位電源端子、PX…画素、OLED…有機発光ダイオード、DR…駆動トランジスタ、SWa…出力スイッチ、SWb…リセットスイッチ、SWc…初期化スイッチ、SWd…書込みスイッチ、Cs…第1容量部、C1…第1電極、Cs2…第2電極、Cx…第2容量部、Cx2…第2電極、Ck…第3容量部、Ck1…第1電極、Ck2…第2電極、Coled…容量、PE…画素電極、ORG…有機物層、CE…対向電極、P1…リセット期間、P2…キャンセル期間、P3…書込み期間、P4…発光期間、T1…タイミング、BG,IG,RG,SG…制御信号、Vsig…映像信号電圧。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の映像信号線と、
前記各映像信号線に接続された複数の画素と、を備え、
前記各画素は、
低電位電源配線に接続された陰極、前記陰極に対向配置された陽極並びに前記陰極及び陽極間に挟持された有機物層を含んだ有機発光ダイオードと、
高電位電源配線に接続されたドレイン電極、前記有機発光ダイオードの陽極に接続されたソース電極及びゲート電極を含んだNチャネル型の駆動トランジスタと、
前記高電位電源配線及び駆動トランジスタのドレイン電極間に接続された出力スイッチと、
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極及び前記有機発光ダイオードの陽極に接続された第2電極を含んだ第1容量部と、
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された電極を含んだ第2容量部と、を有しているアクティブマトリクス型有機発光表示装置。
【請求項2】
前記有機発光ダイオードの陽極及び陰極間に接続された第3容量部をさらに備えている請求項1に記載のアクティブマトリクス型有機発光表示装置。
【請求項3】
前記複数の画素及び複数の映像信号線に接続された駆動部をさらに備え、
前記駆動部は、
キャンセル期間に、前記駆動トランジスタのゲート電極及びソース電極間の電圧を前記駆動トランジスタの閾値電圧に設定し、
前記キャンセル期間の後の発光期間に、前記駆動トランジスタから駆動信号を前記有機発光ダイオードに出力させ、前記有機発光ダイオードに前記駆動信号が流れ始める時の前記陽極の電位の変化を前記第1容量部を介して前記駆動トランジスタのゲート電極に伝播させ、その際、前記第2容量部により前記ゲート電極への前記陽極の電位の変化の伝播を抑制する請求項1に記載のアクティブマトリクス型有機発光表示装置。
【請求項4】
複数の映像信号線と、前記各映像信号線に接続された複数の画素と、を備え、前記各画素は、低電位電源配線に接続された陰極、前記陰極に対向配置された陽極並びに前記陰極及び陽極間に挟持された有機物層を含んだ有機発光ダイオードと、高電位電源配線に接続されたドレイン電極、前記有機発光ダイオードの陽極に接続されたソース電極及びゲート電極を含んだNチャネル型の駆動トランジスタと、前記高電位電源配線及び駆動トランジスタのドレイン電極間に接続された出力スイッチと、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極及び前記有機発光ダイオードの陽極に接続された第2電極を含んだ第1容量部と、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された電極を含んだ第2容量部と、を有しているアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法において、
発光期間に、前記駆動トランジスタから駆動信号を前記有機発光ダイオードに出力させ、
前記有機発光ダイオードに前記駆動信号が流れ始める時の前記陽極の電位の変化を前記第1容量部を介して前記駆動トランジスタのゲート電極に伝播させ、その際、前記第2容量部により前記ゲート電極への前記陽極の電位の変化の伝播を抑制するアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記発光期間の前のキャンセル期間に、前記駆動トランジスタのゲート電極及びソース電極間の電圧を前記駆動トランジスタの閾値電圧に設定する請求項4に記載のアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項1】
複数の映像信号線と、
前記各映像信号線に接続された複数の画素と、を備え、
前記各画素は、
低電位電源配線に接続された陰極、前記陰極に対向配置された陽極並びに前記陰極及び陽極間に挟持された有機物層を含んだ有機発光ダイオードと、
高電位電源配線に接続されたドレイン電極、前記有機発光ダイオードの陽極に接続されたソース電極及びゲート電極を含んだNチャネル型の駆動トランジスタと、
前記高電位電源配線及び駆動トランジスタのドレイン電極間に接続された出力スイッチと、
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極及び前記有機発光ダイオードの陽極に接続された第2電極を含んだ第1容量部と、
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された電極を含んだ第2容量部と、を有しているアクティブマトリクス型有機発光表示装置。
【請求項2】
前記有機発光ダイオードの陽極及び陰極間に接続された第3容量部をさらに備えている請求項1に記載のアクティブマトリクス型有機発光表示装置。
【請求項3】
前記複数の画素及び複数の映像信号線に接続された駆動部をさらに備え、
前記駆動部は、
キャンセル期間に、前記駆動トランジスタのゲート電極及びソース電極間の電圧を前記駆動トランジスタの閾値電圧に設定し、
前記キャンセル期間の後の発光期間に、前記駆動トランジスタから駆動信号を前記有機発光ダイオードに出力させ、前記有機発光ダイオードに前記駆動信号が流れ始める時の前記陽極の電位の変化を前記第1容量部を介して前記駆動トランジスタのゲート電極に伝播させ、その際、前記第2容量部により前記ゲート電極への前記陽極の電位の変化の伝播を抑制する請求項1に記載のアクティブマトリクス型有機発光表示装置。
【請求項4】
複数の映像信号線と、前記各映像信号線に接続された複数の画素と、を備え、前記各画素は、低電位電源配線に接続された陰極、前記陰極に対向配置された陽極並びに前記陰極及び陽極間に挟持された有機物層を含んだ有機発光ダイオードと、高電位電源配線に接続されたドレイン電極、前記有機発光ダイオードの陽極に接続されたソース電極及びゲート電極を含んだNチャネル型の駆動トランジスタと、前記高電位電源配線及び駆動トランジスタのドレイン電極間に接続された出力スイッチと、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極及び前記有機発光ダイオードの陽極に接続された第2電極を含んだ第1容量部と、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された電極を含んだ第2容量部と、を有しているアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法において、
発光期間に、前記駆動トランジスタから駆動信号を前記有機発光ダイオードに出力させ、
前記有機発光ダイオードに前記駆動信号が流れ始める時の前記陽極の電位の変化を前記第1容量部を介して前記駆動トランジスタのゲート電極に伝播させ、その際、前記第2容量部により前記ゲート電極への前記陽極の電位の変化の伝播を抑制するアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記発光期間の前のキャンセル期間に、前記駆動トランジスタのゲート電極及びソース電極間の電圧を前記駆動トランジスタの閾値電圧に設定する請求項4に記載のアクティブマトリクス型有機発光表示装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−256819(P2010−256819A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109745(P2009−109745)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
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