説明

アザ糖誘導体、ヘパラナーゼ阻害剤、その調製方法、これらを含む組成物、その使用

本発明は、遊離型又は塩基若しくは酸と一緒に形成され薬剤として許容される塩型及び溶媒和化合物型又は水和物型の一般式(I)のヘパラナーゼ阻害化合物に関する。式中、Rは水素原子、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基又は−O−アラルキル基であり、ZはCOO基又はヒドロキシル基であり、Xは−OH又は式Aの糖単位であり、YはH、C−Cアルキル又は式Dの糖単位である。本発明の誘導体は医薬品として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、アザ糖誘導体、ヘパラナーゼ阻害剤、その調製、これらを含む組成物、及び治療へのこれらの応用である。
【背景技術】
【0002】
ヘパラナーゼは、ヘパリン/ヘパラン硫酸(HS)ファミリーの多糖を基質とするエンドグルクロニダーゼ型酵素である。I型とII型のヘパラナーゼが知られている(McKenzie et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. (2000), Vol.276, p.1170−1177)。これらのヘパラナーゼは、D−グルクロン酸型糖単位とD−グルコサミン型糖単位とのβ−1→4型結合を特異的に加水分解し、約10から20糖単位のHS断片を遊離する(Pikas, D.S. et al., J. Biol. Chem., (1998), Vol.273, P.18770−18777)。ヘパラナーゼは、ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)の多糖鎖も同様に分解する(Vlokavsky and Friedmann, J. Clin Invest., (2001) Vol.108, p.341−347)。HSPGは、線状HS鎖が共有結合したコアタンパク質からなる(Kjellen et al., Annu. Rev. Biochem., (1991), Vol.60, p.443−475)。HSPGは、広範に分布する巨大分子である。HS同様、HSPGは、多数の細胞タイプの表面及び細胞外マトリクス(ECM)中に存在する(Kjellen et al., (1991),同上;Bernfield et al., Annu Rev. Biochem., (1999), Vol.68, p.729−777;David et al., FASEB J., (1993), Vol.7, p.1023−1030;Lozzo et al., Annu. Rev. Biochem. (1998), Vol.67, p.609−652)。ECMは、脊椎動物及び無脊椎動物の結合組織の主成分であり、細胞外環境を占有する。ECMは、器官を覆い、内皮、特にキャピラリー内皮を包囲し(Wight et al., Arteriosclerosis, (1989), Vol.9, p.1−20)、それによって器官及び内皮を維持し、これらを保護する役割を果たす(McKenzie et al., Biochem. J.;2003;Vol.373, p.423−435)。ECMは、さまざまな細胞機序、特に細胞分化及び修復に関与する重要な調節物質でもある(Folkman et al., Adv. Exp. Med. Biol., (1992), Vol.313, p.355−364)。
【0003】
ヘパラナーゼ阻害化合物は、従来技術において記述されている。例えば、国際公開第02/0600374号はベンズ−1,3−アゾール誘導体を記載しており、国際公開第03/074516号はフタルイミドカルボン酸及びベンゾキサゾール誘導体に関係し、国際公開第04/013132号はフランチアゾール誘導体を記載し、国際公開第04/046123号はベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール及びベンズイミダゾール誘導体を記載している。
【0004】
窒素原子が5位の酸素原子を置換する、短鎖(2単位)アザ糖誘導体の合成が、Takahashi et al, Chem. Lett., (1994), Vol.11, p.2119;Takahashi et al., Tetrahedron, (2001), Vol.57, p.6915−6926)に記載されている。しかし、この短鎖アザ糖誘導体のインビボでの活性は認められていない。
【0005】
以下の式の、単一単位のアザ糖誘導体はすでに記載されている(米国特許第6,583,158号;Ichikawa et al., J. Amer. chem. Soc., (1998), Vol.120, p.3007)。
【0006】
【化11】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
インビトロ及びインビボで良好な活性を有する生成物を見出し、開発することが依然として求められている。
【0008】
今回、驚くべきことに、合成アザ糖誘導体は、ヘパラナーゼ阻害剤として良好な活性を示すことが見出された。したがって、本発明は、ヘパラナーゼ阻害剤である新規アザ糖誘導体に関する。これらの新規化合物は、良好なヘパラナーゼ阻害活性を示す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の主題は、遊離型又は薬剤として許容される塩基若しくは酸との塩型及び溶媒和化合物型又は水和物型の一般式(I)の化合物に関する。
【0010】
【化12】

(式中、
Rは、水素原子、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基又は−O−アラルキル基であり、
Zは、COO基又はヒドロキシル基であり、
Xは、ヒドロキシル基又は式Aの糖単位であり、
【0011】
【化13】

(式中、
− Rは、アザ糖単位に、又は別の糖単位に、Aを結合させることができる酸素原子であり、
− Rは、−NH基、−NHCO(C−C)アルキル基、−NHCOアリール基、−NHSO基、ヒドロキシル基、−O−(C−C)アルキル基、−O−アラルキル基又は−OSO基であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基又は−O−アラルキル基であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基、−O−アラルキル基又は式Bの糖単位であり、
【0012】
【化14】

(式中、
− Rは、式Aの別の糖単位にBを結合させることができる酸素原子であり、
− R及びRは上記Rと同じ定義であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基、−O−アラルキル基又は上記式Aの糖単位である。)
− Rは上記Rと同じ定義である。)
Yは、水素原子、(C−C)アルキル基又は式Dの糖単位であり、
【0013】
【化15】

(式中、
− R10、R12及びR13はそれぞれ上記R、R及びRと同じ定義であり、
− R11は、
・アザ糖単位にDを結合させることができる(C−C)アルキレン基、又は
・別の糖単位にDを結合させることができる酸素原子
であり、
− R14は、−O−(C−C)アルキル基又は−O−E基(式中、Eは次式の基である。)である。)
【0014】
【化16】

(式中、
− R15は、−O−(C−C)アルキル基、−O−アラルキル基又は式Dの糖単位(式中、R11は酸素原子である。)であり、
− R16及びR17は上記Rと同じ定義である。)
ただし、X及びRが各々ヒドロキシル基であるときにはYは水素原子ではなく、また、式(I)の化合物を構成する糖単位の数は1から10であると理解される。)
その好ましい側面の1つによれば、本発明は、遊離型又は薬剤として許容される塩基若しくは酸との塩型及び溶媒和化合物型又は水和物型の一般式(I)の化合物に関する。
【0015】
【化17】

(式中、
Rはヒドロキシル基であり、
Zは、COO基又はヒドロキシル基であり、
Xは、ヒドロキシル基又は式Aの糖単位であり、
【0016】
【化18】

(式中、
− Rは酸素原子であり、
− Rは、−NHCOCH基、−NHSO基、−OSO基であり、
− Rは、ヒドロキシル基又は−O−(C−C)アルキル基であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−O−アラルキル基又は式Bの糖単位であり、
【0017】
【化19】

(式中、
− Rは酸素原子であり、
− Rは−OSO基であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−O−(C−C)アルキル基又は−O−アラルキル基であり、
− Rは、−OSO基、−O−アラルキル基、−O−(C−C)アルキル基又は上記式Aの糖単位である。)
− Rは−OSO基である。)
Yは、水素原子又は式Dの糖単位であり、
【0018】
【化20】

(式中、
− R10は上記Rと同じ定義であり、
− R12は、ヒドロキシル基又は−OSO基であり、
− R13は−NHSO基であり、
− R11は、アザ糖単位に連結されたメチレン基であり、又はEに連結された酸素原子であり、
− R14 −OCH基又は式−O−Eの基(式中、Eは次式の基である。)。)
【0019】
【化21】

(式中、
− R15は、D単位(式中、R11は、EをDに連結することができる酸素原子である。)であり、
− R16は−OSO基であり、
− R17はヒドロキシル基である。)
式(I)の化合物を構成する糖単位の数は2から10と理解される。)
特に好ましい化合物は、Yが水素原子である式Iの化合物である。
【0020】
本発明は、酸型のアザ糖誘導体、又は薬剤として許容されるその塩のいずれか1種類の形のアザ糖誘導体を包含する。酸型では、−COO及び−SO官能基は、それぞれ−COOH及び−SOHの形である。
【0021】
その特に好ましい側面の1つによれば、本発明は、以下の化合物に関する。
【0022】
・(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))(化合物番号20)
・(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))(化合物番号27)
・(3−O−メチル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−メチル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))(化合物番号47)
・(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2,6)−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))(化合物番号69)
・(4−O−プロピル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))(化合物番号74)
・(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−(ヒドロキシ)−5−ヒドロキシメチル−4−オキシピペリジン(3R,4R,5R))(化合物番号123)
・(4−O−フェニルプロピル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))(化合物番号124)。
【0023】
本発明では、
− (C−C)アルキル基は、1から5個の炭素原子を含むことができる線状又は分枝状の飽和脂肪族基である。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル基などが挙げられる。
【0024】
− −O−アラルキル基は、それ自体が置換基を有していてもよい芳香族基で置換された上記アルキル基である。例として、p−メトキシベンジル、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどが挙げられる。
【0025】
− (C−C)アルキレン基は、1から3個の炭素原子を含む二価のアルキル基である。
【0026】
薬剤として許容される塩という表現は、本発明のアザ糖誘導体を意味し、−COO又は/及び−SO官能基の1個以上が、薬剤として許容される陽イオンにイオン結合したアザ糖誘導体を意味すると理解される。本発明による好ましい塩は、陽イオンがアルカリ金属陽イオンから選択される塩であり、さらにより好ましくは陽イオンがNa又はKである塩である。
【0027】
原則的に、本発明による成分を調製する方法は、文献に報告されたとおりに調製され、特に保護基の直交性を考慮して選択された、単糖、二糖又はオリゴ糖親シントンを使用する。特にEP 300099、EP 529715、EP 621282及びEP 649854及びC. van Boeckel, M. Petitou, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., (1993), Vol.32, p.1671−1690を参照されたい。次いで、完全に保護された、本発明による化合物の等価物を得るために、これらのシントンを互いにカップリングさせる。次いで、当業者に周知の方法によって、この保護等価物を本発明による化合物に転化する。
【0028】
本発明の化合物は、アザ糖(又は置換ピペリジン)単位をさらに含むので、その合成には、後続の単糖、二糖又はオリゴ糖とのカップリングに適合した保護基を有するこの単位の前駆体を調製する必要がある。アザ糖前駆体は、文献に記載の方法によって調製される。特に、書籍”Iminosugars as Glycosidase Inhibitors”,AE Stutz,Wiley−VCH,1999を参照されたい。
【0029】
鎖の構築に必要なシントンが利用可能なときには、これらのシントンを互いにカップリングさせる。上記カップリング反応では、そのアノマー炭素上で活性化された「供与体」シントンが、少なくとも1個の遊離ヒドロキシルを有する「受容体」シントンと反応する。
【0030】
本発明は、第1の段階において、完全に保護された所望の化合物(I)の等価物を調製し、第2の段階において、負に帯電した基(カルボキシラート、スルホナート)及び遊離ヒドロキシルを導入する、及び/又は露出させることを特徴とする、式(I)の化合物の調製方法に関する。
【0031】
前駆体は、当業者に周知の反応によって、特に糖類合成方法によって合成される((G.J. Boons, Tetrahedron, (1996), Vol.52, p.1095−1121、国際公開第98/03554号及び同99/36443号)。糖類合成方法によって、グリコシド結合供与体オリゴ糖はグリコシド結合受容体オリゴ糖と結合して、この2種類の反応種の大きさの合計に等しい大きさの別のオリゴ糖が生成する。式(I)の所望の化合物が得られるまでこの一連の手順を繰り返す。当業者に周知の規則に従って立体化学及び位置選択性を制御するように、所望の最終化合物の構造によって、さまざまな合成段階で使用する化学物質の性質が決まる。
【0032】
本発明による化合物は、完全に保護された多糖前駆体から、一般に以下の一連の反応によって得られる。
【0033】
− N−及び/又はO−スルホナート基に転化しなければならない官能基の遊離及び置換、
− 他の官能基の遊離及び場合によっては、例えば還元的アミノ化反応による、断片の相互構築。
【0034】
カルボン酸官能基の遊離は、この方法のさまざまな段階で実施することができる。
【0035】
本発明の化合物は、糖類及び有機合成の当業者に知られているさまざまな戦略によって無理なく調製することができる。
【0036】
上記方法は、本発明の好ましい方法である。しかし、式(I)の化合物は、糖化学反応において周知の他の方法によって調製することもできる。この方法は、例えば”Monosaccharides, Their chemistry and their roles in natural products”, P.M. Collins and R.J. Ferrier, J. Wiley & Sons, 1995及びG.J. Boons, Tetrahedron, (1996), Vol.52, p.1095−1121に記載されている。
【0037】
化合物(I)を調製する方法に使用する保護基は、糖化学反応、例えばProtective Groups in Organic synthesis, TW Greene, PGM Wuts, John Wiley & Sons, New York, 1999において一般に使用される保護基である。
【0038】
保護基は、例えば、アセチル、ハロメチル、ベンゾイル、レブリニル、ベンジル、置換ベンジル、置換されていてもよいトリチル、カルバメート、テトラヒドロピラニル、アリル、ペンテニル、tert−ブチルジメチルシリル(tBDMS)又はトリメチルシリルエチル基から有利に選択される。
【0039】
活性化基は、例えばG.J. Boons, Tetrahedron, (1996), Vol.52, p.1095−1121によれば、糖化学反応に従来使用されている活性化基である。これらの活性化基は、例えば、イミダート、チオグリコシド、ペンテニルグリコシド、ザンテート、ホスファイト又はハロゲン化物から選択される。
【0040】
上記方法によって、塩型の本発明の化合物を得ることができる。対応する酸を得るために、塩型の本発明の化合物を酸型の陽イオン交換樹脂と接触させる。
【0041】
次いで、酸型の本発明の化合物は、所望の塩を得るために塩基で中和することができる。式(I)の化合物の塩を調製するために、式(I)の化合物と共に、薬剤として許容される塩を提供するいずれの無機又は有機塩基を使用することができる。塩基として、水酸化ナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウムを使用することが好ましい。式(I)の化合物のナトリウム及びカルシウム塩は好ましい塩である。
【0042】
本発明による化合物は、生化学的及び薬理学的研究の対象である。以下の非限定的な試験によって本発明を説明する。
【0043】
以下の用語を定義する。
PET:ポリエチレンテレフタレート、
AM:アセトキシメチル、
DMEM:ダルベッコ改変イーグル培地、
EDTA:エチレンジアミン四酢酸、
Tris:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、
AT:アンチトロンビンIII、
nkat:ナノカタール=単位時間当たりに触媒される基質量を表す(製造者によって提供される)酵素測定単位。
【0044】
1.酵素系におけるヘパラナーゼ阻害剤の活性評価(本発明による化合物のIC50値の測定)
ヘパラナーゼ活性は、そのフォンダパリヌクス分解能力によって示される。フォンダパリヌクス濃度は、抗第Xa因子活性によって求められる。
【0045】
A.材料及び方法
ヘパラナーゼはSanofi−Synthelabo(Labege,France)によって製造されている。
【0046】
第Xa因子のアッセイ試薬は、Chromogenix(Montpellier,France)によって市販されている。
【0047】
本発明による化合物の高濃度、ヘパラナーゼ阻害剤(さまざまな希釈物:1nMから10μM)を一定ヘパラナーゼ濃度で混合する(各バッチに対する予備実験によって、添加フォンダパリヌクス0.45μg/mlを分解するのに十分な酵素活性を求めることができる。)。37℃で5分後、混合物をフォンダパリヌクスと接触させ、37℃で1時間放置する。95℃で5分間加熱することによって反応を停止させる。第Xa因子及びその特異的色素生産性基質(Ref.S2222)を添加することによって、残留フォンダパリヌクス濃度を最後に測定する。
【0048】
以下の手順によって、さまざまな混合物を製造する。
【0049】
a)反応混合物
酢酸ナトリウム緩衝剤(0.2M、pH4.2)50μlをフォンダパリヌクス(0.45μg/ml)50μl及びヘパラナーゼ溶液59μlと混合する。混合物を37℃で1時間、次いで95℃で5分間インキュベートする。次いで、反応混合物100μLを、175mM NaCl、75mM EDTAを含むpH14の50mM Tris緩衝剤50μlと混合する。これによってpHは4.2から7になる。
【0050】
フォンダパリヌクスの抗第Xa因子活性を以下のように測定する。
【0051】
b)フォンダパリヌクスの抗第Xa因子活性のアッセイ
段階a)で得られた溶液100μlをAT(0.5μ/ml)100μlと混合する。混合物を37℃で2分間維持し、次いで第Xa因子(7nkat/ml)100μlを添加する。混合物を37℃で2分間維持し、次いで色素生産性基質(Ref.:S2222)(1mM)100μlを添加する。混合物を37℃で2分間維持し、次いで酢酸(50%)100μlを添加する。
【0052】
光学濃度を405nmで読み取る。
【0053】
阻害剤のない対照に対する阻害割合を求める。阻害割合曲線によってIC50を計算することができる。
【0054】
B.結果
本発明による化合物は、10nMから10μMのIC50値を有する。
【0055】
例えば、化合物番号27は、11±4nM(平均±SD、2回のアッセイを実施)のIC50を有する。
【0056】
2.HT1080腫よう細胞の浸潤に対するヘパラナーゼ阻害剤の効果
HT1080腫よう細胞の浸潤に対する式(I)の化合物、すなわちヘパラナーゼ阻害剤の効果をインビトロで試験した。
【0057】
A.材料及び方法
a)細胞培養:
ヒト線維肉腫由来の細胞HT1080(ATCC CCL−121)を、コラーゲン被覆フラスコ(Becton Dickinson 75cm;Ref.354523)上の5%ウシ胎児血清、グルタミン(2mM)(Ref.:GIBCO 25030−024)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)(Ref.:GIBCO 11360−039)及び非必須アミノ酸(1×)(Ref.:GIBCO 11140−035)を含むDMEM培地(Ref.:GIBCO 11960−044)中で50から80%コンフルエントまで培養する。
【0058】
b)細胞浸潤試験
HT1080細胞の浸潤をBecton Dickinson falcon HTS Fluoroblock Multiwell Insert Systemキットを用いて24ウェルプレート(Ref.:351158)中で測定する。これらの測定チャンバによって、細胞のインビトロでの浸潤性を評価することができる。
【0059】
このキットは、8ミクロンの孔が開けられたPET膜を含む、培養挿入断片と組み合わせられたプレートで構成される。孔の上には、均一なMatrigel Matrix(Becton Dickinson;Ref−354230)層が置かれている。
【0060】
Matrigelは、EHS(Engelbreth−Holm−Swarm)腫ようから抽出された可溶性基底膜であり、その組成のために、固化すると基底膜と等価な構造を形成する。
【0061】
Matrigel層は膜の孔を塞ぎ、非浸潤細胞が膜を通過するのを遮断する。これに対して、浸潤(腫よう又は非腫よう)細胞は、脱離し、膜を通過する前にMatrigel層に侵入することができる。
【0062】
細胞遊走は、カルセインAM(Molecular Probes C−3100)で標識することによって定量される。発生した蛍光シグナルをPerkin Elmer Wallac VICTOR 3リーダーを用いて測定する。蛍光シグナルは、Matrigelゲルに浸入した細胞の数と直接相関する。次いで、試験生成物と同じ実験で調製した対照と比較することによって(0%と5%ウシ胎児血清の存在下での応答)、生成物の存在下における細胞浸潤の阻害割合を求めることができる。
【0063】
B.結果
(2から4回の)一連の独立した測定によって、本発明による化合物は、1nMから10μMの濃度において平均して8から60%の割合で細胞浸潤を阻害することが判明した。
【0064】
例えば、4回の独立した測定によって、化合物番号20 10μMは、平均して40.3±8.3%(平均±標準偏差)の割合で細胞浸潤を阻害することが判明した。
【0065】
また、化合物番号20は、細胞浸潤に対して容量依存的な効果を有する。
【0066】
実際、
− 濃度0.3μMにおいて、化合物番号20は細胞浸潤を26±3%阻害し、
− 濃度1μMにおいて、化合物番号20は細胞浸潤を53±11%阻害する。
【0067】
これらの結果は、細胞浸潤の阻害が、化合物番号20の用量の関数として増大することを示している。
【0068】
したがって、本発明による式(I)の化合物は、ヘパラナーゼに対して良好な親和性を示し、ヘパラナーゼ阻害効果を示す。
【0069】
ヘパラナーゼ分泌の増加と癌の進行とが相関することが動物及びヒトにおいて実証された(Goldschmit et al., PNAS, (2002), Vol.99(15), p.10031−10036)。例えば、転移性腫ようを有する動物の血清中に(Vlodavsky et al., Isr. J. Med. Sci. (1988), Vol.24(9−10), p.464−470)、又は多数の転移を起こした癌患者の尿中に(Vlodavsky et al., Curr. Biol., (1997), Vol.7(1), p.43−51)高ヘパラナーゼレベルが検出された。腫よう生検も同じ相関を示した(Vlodavsky et al., Isr. J. Med. Sci., (1988), Vol.24(9−10), p.464−470)。したがって、ヘパラナーゼ分泌の増加と腫よう細胞転移能には相関がある(Vlodavsky et al., Invasion Metastasis, (1994), Vol.14, p.290−302;Nature Medicine, (1999), Vol.5, p.793−832)。
【0070】
ヘパラナーゼは、腫よう細胞によって分泌され、ECMの主成分であるHSPG及びHSを分解する。このように穿孔されたECMは、腫よう細胞及び転移性細胞が、循環することを可能にし、新たに形成された血管(血管新生)に浸潤することを可能にする(Suzanne A. Eccles, Nat. Med., (1999), Vol.5(7), p.793−809)。血管新生は、既存の血管から、又は骨髄細胞の動員及び分化によって、新しい毛細血管を生成するプロセスである。したがって、腫ようの新しい血管新生プロセスにおいては、内皮細胞の非制御増殖と骨髄からの血管芽細胞の動員との両方が見られる。
【0071】
したがって、ヘパラナーゼは、一方では癌細胞の浸潤プロセス及び転移(metastasization)プロセスを阻害し、他方で血管新生プロセスを阻害することを目的とした療法に適切な標的である。癌(又は癌腫)という表現は、上皮、皮膚中、特に器官壁のあらゆる悪性細胞増殖及び黒色腫、中皮腫、リンパ腫、白血病、線維肉腫、横紋筋肉腫、肥満細胞腫などの転移性腫よう細胞の出現、さらに、結腸、直腸、前立腺、肺、乳房、すい臓、腸、腎臓、卵巣、子宮、頚部、ぼうこう、肝臓、胃などの組織で発症する癌腫を意味すると理解される。癌腫は、隣接組織に浸潤し、他の遠位の器官、例えば肝臓、肺、脳又は骨に分散(転移)する。したがって、本発明の化合物などのヘパラナーゼ阻害活性を有する化合物は、かかる癌(Fang J et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, (2000), Vol.97(8), p.3884−3889;Kondraganti et al., Cancer Res., (2000), Vol.60(24), p.6851−6855)、特に結腸直腸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、すい癌、腎癌、ぼうこう癌及び卵巣癌の治療に有用であり得る。
【0072】
ニューロトロフィン(NT)ファミリー分子の受容体であるp75受容体は、脳における転移現象の代表的マーカーであることが確認された。また、NTの分泌はヘパラナーゼの分泌を伴うことが示された(Marchetti D. et al. J. Cell. Biochem., (2004), Vol.91(1), p.206−215)。したがって、本発明の化合物などのヘパラナーゼ阻害活性を有する化合物は、p75受容体の活性化作用を阻害することによって、中枢神経系における転移を抑制するのに有用であり得る(Marchetti D. et al., Pathol. Oncol. Res., (2003) Vol.9(3), p.147−158及びEpub, (2003), Review;Walch ET. et al., Int. J. Cancer, (1999), Vol.82(1), p.112−120;Menter DG. et al., Invasion Metastasis, (1994−95), Vol.14(1−6), p.372−384;Marchetti D. et al., Int. J. Cancer, (1993), Vol.55(4), p.692−699)。
【0073】
ECMのHSPGに対するヘパラナーゼの活性は、炎症反応及び自己免疫反応の発生にも相関すると考えられる(Vlodavsky et al., Invasion metastasis, (1994), Vol.4, p.290−302;Goldschmit et al., Med. Sci. (2002), Vol.99(15), p.10031−10036)。血小板、顆粒球、Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージ及び肥満細胞とECMとの相互作用は、ヘパラナーゼによるHSの分解と関連がある(Vlodavsky et al., Invasion Metastasis, (1992), Vol.12, p.112−127)。したがって、ヘパラナーゼ阻害活性を有する、本発明の化合物などの化合物は、炎症性疾患、特に、リウマチ様関節炎、UC(潰よう性大腸炎)とクローン病(CD)又は自己免疫疾患との慢性炎症性腸疾患の2つの形態を含むIBD(炎症性腸疾患)などの慢性炎症性疾患の治療に有用であり得る。
【0074】
他の研究によれば、ヘパラナーゼは、血管形成術後再狭窄などの循環器疾患(Journal of Pharmacological Sciences, (2004), 94, No. Supplement 1. pp.160P, print.及びMeeting Info.: 77th Annual Meeting of the Japanese Pharmacological Society, Osaka, Japan, March 08−10, 2004. Japanese Pharmacological Society及びMiller, Heather Ann, Diss. Abstr. Int., (1984), B 2003, 64(5);Demir et al., Clin. Appl. Thromb. Hemost., (2001), Vol.7(2), p.131−140)、糖尿病性網膜症などの糖尿病の血管合併症に関連した疾患、アテローム性動脈硬化症(Atherosclerosis, (1999), Vol.145, p.97−106;J. Clin. Invest., (1997), Vol.100, p.867−874)又は血栓塞栓症及び動脈血栓症の治療にある役割を果たすことができる。したがって、本発明によるヘパラナーゼ阻害化合物は、これらの病態における最適な治療になり得る。
【0075】
さらに、ヘパラナーゼは、腎臓のろ過及び再吸収機能が場合によっては損なわれた腎不全の特定の症例に関与することが知られている(FASEB J, (2004), Vol.18, p.252−263)。したがって、本発明によるヘパラナーゼ阻害化合物は、かかる病態において最適な治療になり得る。
【0076】
ECMのHSPGは、増殖因子、特にFGF(線維芽細胞成長因子)の結節形成を介した細胞増殖及び活性化の主要な制御因子としてもある役割を果たすと考えられる。例えば、ヘパラナーゼの作用は、FGFなどの増殖因子の放出を含む。この増殖因子は特に血管新生を刺激し、腫ようの進行を促進する(Bashkin et al., Biochemistry, (1989), Vol.28, p.1737−1743)。したがって、ヘパラナーゼは、FGFが関与する疾患の治療に適切な標的である。
【0077】
一般に、FGFは、オートクリン、パラクリン又はジャクスタクリン分泌によって、癌細胞増殖の刺激の調節解除現象に大いに関与する。また、FGFは、腫よう増殖と転移現象の両方に支配的な役割を果たす腫よう血管新生を惹起する。
【0078】
血管新生は、既存の血管から、又は骨髄細胞の動員及び分化によって、新しい毛細血管を生成するプロセスである。したがって、腫ようの新血管新生プロセスにおいては、内皮細胞の非制御増殖と骨髄からの血管芽細胞の動員との両方が見られる。いくつかの増殖因子は、内皮増殖、特にFGF−1又はa−FGF及びFGF−2又はb−FGFを刺激することがインビトロ及びインビボで判明した。
【0079】
a−FGF及びb−FGFは、前立腺細胞の増殖及び維持に例えば重要な役割を果たす(Doll JA, et al., Prostate, (2001), Vol.305, p.49−293。
【0080】
いくつかの調査研究によれば、a−FGF及びb−FGF並びにこれらの受容体(FGFR)がヒト乳房腫よう系統(特に、MCF7)と腫よう生検の両方で存在する。
【0081】
神経こう腫細胞は、a−FGF及びb−FGFをインビトロ及びインビボで産生し、さまざまなFGF受容体をその表面に有する。
【0082】
より最近では、白血病及びリンパ腫における血管形成誘発剤(proangiogenic agent)、特にFGFの潜在的役割が実証された(Thomas DA et al., Acta Haematol, (2001), Vol.207, p.106−190)。
【0083】
骨髄血管新生プロセスとCML(慢性骨髄単球性白血病)における髄外疾患とは相関がある。
【0084】
血管平滑筋細胞の増殖及び移行は、動脈の内膜肥厚の一因となり、したがってアテローム性動脈硬化症において、並びに血管形成術後及び動脈内膜切除後の再狭窄において、支配的役割を果たす。インビボでの研究によれば、バルーン傷害による頚動脈の傷害後にa−FGF及びb−FGFが局所的に産生される。
【0085】
糖尿病による血管障害は、血管反応性障害、血流障害、透過性亢進、増殖反応増大及びマトリックスタンパク質付着の増加を特徴とする。より正確には、a−FGF及びb−FGFは、糖尿病性網膜症患者の網膜前膜中、下にある毛細血管膜中、及び増殖性網膜症患者の硝子体液中に存在する。
【0086】
リウマチ様関節炎(RA)は、原因不明の慢性疾患である。RAは多数の器官で発症するが、RAの最も重篤な形態は、破壊をもたらす、関節の進行性滑膜炎である。血管新生は、この病態の進行に大きく影響すると考えられる。すなわち、a−FGF及びb−FGFは、RA患者の滑膜組織及び滑液中に検出される。これは、この増殖因子が、この病態の惹起及び/又は進行に関与していることを示している。ラットのAIAモデル(関節炎のアジュバント誘導モデル)において、b−FGFの過剰発現は疾患重症度を悪化させるのに対して、抗b−FGF中和抗体はRAの進行を阻止することが示された(Yamashita et al., J. Immunol., (2002), Vol.57, pl 168−450;Manabe et al., Rheumatol, (1999), Vol.20, p.38−714)。
【0087】
血管新生及び炎症は、痛みとともに関節の破壊をもたらす骨関節炎に関与するプロセスにおいて起こる主要な現象でもある。血管新生は、軟骨細胞肥大及び骨化にもある役割を果たし得る。したがって、血管新生は、関節変形の一因となる(Bonnet CS et al, Rheumatology. (1) 7−16 2005)。
【0088】
IBD(炎症性腸疾患)は、UC(潰よう性大腸炎)とクローン病(CD)の慢性炎症性腸疾患の2つの形態を含む。IBDは、免疫機能不全を特徴とし、その結果、局所的微小血管系の構築を誘発する炎症性サイトカインの不適当な産生をもたらす。炎症由来のこの血管新生の結果、血管収縮による腸の虚血が生じる。これらの病態の患者においては高い循環及び局所b−FGFレベルが測定された(Kanazawa et al., American Journal of Gastroenterology, (2001), Vol.28, p.96−822;Thorn et al., Scandinavian Journal of Gastroenterology, (2000), Vol.12., p.35−408)。
【0089】
したがって、本発明の化合物などのヘパラナーゼ阻害活性を有する化合物は、FGF及び/又はその受容体の増加に関連する疾患の治療に有用であり得る。
【0090】
本発明の化合物は、その低毒性並びに薬理学的及び生物学的諸特性のために、高度の血管新生を含むあらゆる癌腫(肺、乳房、前立腺、食道)又は転移を誘発するあらゆる癌腫(結腸、胃、黒色腫)又はオートクリン形式で若しくは最終的にリンパ腫及び白血病型の病態においてa−FGF又はb−FGFに感受性のあるあらゆる癌腫の治療に応用される。これらの化合物は、単独で、又は適切な化学療法若しくは放射線治療と組み合わせて、又は血管新生阻害剤による治療と組み合わせて、最適な治療である。本発明による化合物は、アテローム性動脈硬化症などの循環器疾患、血管形成術後再狭窄の治療、血管内プロテーゼの取り付け後及び/又は大動脈冠動脈バイパス手術後に出現する合併症と関連した疾患、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病の血管合併症の治療にも応用される。本発明の化合物は、リウマチ様関節炎、IBDなどの慢性炎症性疾患の治療にも応用される。
【0091】
本発明による生成物は、黄斑変性症の治療にも応用される。成体における視力喪失の主な特徴は、新血管新生とそれに続く出血である。これらは、眼にかなりの機能障害をもたらし、早期の失明をもたらす。最近、眼球の新血管新生現象に関与する機序の研究によって、これらの病態に血管新生誘発因子が関与することを示すことができた。
【0092】
本発明の化合物は、外科的治療、放射線治療などの1つ以上の抗癌治療と組み合わせて、又は血管新生を阻害する化合物と組み合わせて、使用することもできる。例えば、本発明の化合物は、単独で、又はシスプラチン、シクロホスファミド、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ドキソルビシン、タモキシフェン、トレミフェン、酢酸メゲストロール、アナストロゾール、ゴセレリン、カペシタビン及びラロキシフェン、又は抗血管形成活性を有する分子などの別の活性成分と組み合わせて、癌治療に使用することができる。
【0093】
したがって、その側面の別の側面によれば、本発明の主題は、本発明によって、遊離型又は薬剤として許容される塩基若しくは酸との塩型の式Iの化合物を活性成分として含む薬剤組成物である。この薬剤組成物は、1種類以上の適切な不活性賦形剤と組み合わせることができる。
【0094】
前記賦形剤は、所望の剤形及び投与方法、すなわち、経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、経粘膜、局所又は直腸に応じて選択される。
【0095】
各単位用量において、活性成分は、所望の予防効果又は治療効果を得るために想定される1日量に適切な量で存在する。各単位用量は、活性成分0.1から100mg、好ましくは0.5から50mgを含むことができる。
【0096】
本発明の薬剤組成物は、経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、気管内、局所、鼻腔内、経皮、直腸、眼内及び膣投与用とすることができる。単位投与剤形は、例えば、錠剤、ゼラチンカプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、注射液剤、経口懸濁液剤、注射懸濁液剤、貼付剤、ペン型注射器(injector pen)及び坐剤とすることができる。局所投与の場合には、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、点眼剤、ゲル剤、噴霧剤及びオイルを想定することができる。
【0097】
前記単位剤形は、使用するガレヌス製剤(galenic form)に応じて、体重1kg当たり活性成分1から100mgの連日投与が可能な用量を含む。
【0098】
錠剤を調製するために、希釈剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロース、デンプンなど)で構成され得る調剤ビヒクル並びに結合剤(ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、シリカなどの流動化剤及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、トリベヘン酸グリセリル、ステアリルフマル酸ナトリウムなどの潤滑剤などの製剤アジュバントを、微粉化活性成分又は微粉化されていない活性成分に添加する。ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤又は界面活性剤も添加することができる。
【0099】
製造技術は、直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒又はホットメルトとすることができる。
【0100】
錠剤は、被覆されていなくても、例えばスクロースで被覆されていても、又はさまざまなポリマー若しくは他の適切な材料で被覆されていてもよい。錠剤は、被覆に使用するポリマーマトリックス又は特定のポリマーによって、活性成分の急速、遅延又は長期放出が可能なように設計することができる。
【0101】
ゼラチンカプセル剤を調製するために、活性成分を無水調剤ビヒクル(単純混合物、環式若しくは湿式造粒又はホットメルト)、液体調剤ビヒクル又は半固体調剤ビヒクルと混合する。
【0102】
ゼラチンカプセル剤は、(例えば、腸溶剤形用に)急速、長期又は遅延活性を有するように、硬質でも軟質でもよく、フィルムで被覆されていてもいなくてもよい。
【0103】
シロップ若しくはエリキシル剤形の組成物又は液滴剤形の投与組成物は、甘味料、好ましくはカロリーのない甘味料、防腐剤としてのメチルパラベン又はプロピルパラベン、唾液モディファイアー(saliva modifier)及び着色剤と一緒に活性成分を含むことができる。
【0104】
水分散性散剤及び顆粒剤は、分散剤若しくは湿潤剤又はポリビニルピロリドンなどの分散剤との、並びに甘味料及び矯正剤との混合物の形の活性成分を含むことができる。
【0105】
直腸投与の場合、直腸温度で溶融する結合剤、例えばカカオ脂又はポリエチレングリコールを用いて調製された坐剤を使用する。
【0106】
非経口投与の場合、薬理学的に適合した分散剤及び/又は湿潤剤、例えばプロピレングリコール又はブチレングリコールを含む、水性懸濁液、等張性塩溶液又は注射用無菌溶液を使用する。
【0107】
活性成分は、1種類以上の担体若しくは添加剤、又はポリマーマトリックス若しくはシクロデキストリンと場合によっては一緒に、マイクロカプセルの形で処方することもできる(貼付剤、長期放出剤形)。
【0108】
本発明による局所投与用組成物は、皮膚に適合した媒体を含む。局所投与用組成物は、特に水溶液、アルコール又はアルコール水溶液、ゲル、クリーム又はゲル状の油中水型又は水中油型乳濁液、マイクロエマルジョン、エアゾールの剤形で、さらにはイオン性及び/又は非イオン性脂質を含む小胞性分散剤の剤形で提供することができる。これらのガレヌス製剤は、対象分野の通例の方法に従って調製される。
【0109】
活性成分は、1種類以上の担体若しくは添加剤、又はポリマーマトリックス若しくはシクロデキストリンと場合によっては一緒に、マイクロカプセルの形で処方することもできる(貼付剤、長期放出剤形)。
【0110】
本発明による局所用組成物は、皮膚に適合した媒体を含む。局所用組成物は、特に水溶液、アルコール若しくはアルコール水溶液、ゲル、クリーム若しくはゲル状の油中水型若しくは水中油型乳濁液、マイクロエマルジョン、エアゾールの剤形で、又はイオン性及び/又は非イオン性脂質を含む小胞性分散剤の剤形で提供することができる。これらのガレヌス製剤は、対象分野の通例の方法に従って調製される。
【0111】
以下の実施例は、限定的なものではなく、本発明による化合物の調製を説明するものである。
【0112】
以下の文で使用する略語:
Ac = アセチル
All = アリル
Bn = ベンジル
Me = メチル
Ph = フェニル
PMB =(4−メトキシ)ベンジル
PMBBr =(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル
Z= ベンジルオキシカルボニル
TLC = 薄層クロマトグラフィー
【0113】
以下の実施例は、本発明による化合物の調製を説明するものであるが、本発明を限定するものではない。これらのさまざまな実施例を調製し始める前に、本発明の化合物の製造又は他の調製に有用である、化合物の調製(「調製」)について以下に記載する。
【0114】
以下の調製及び実施例では、以下の実験法を使用する。
【0115】
方法1
第一級アルコールから酸への酸化と、それに続くベンジルエステルへの転化
TEMPO(登録商標)(0.02モル当量)及び炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(4l/mol)を、酸化しようとする化合物(1モル当量)のテトラヒドロフラン(THF)(3.5l/mol)溶液に添加する。0℃に冷却後、Bromodan(2モル当量)を20分間滴下した。3時間磁気撹拌後、反応混合物を濃縮し、ジメチルホルムアミド(DMF)(4.95l/mol)の蒸発を繰り返すことによって残渣を乾燥させる。こうして得られた粗製化合物を次の段階にそのまま使用する。
【0116】
先の化合物のジメチルホルムアミド(13.1l/mol)溶液を、臭化ベンジル(10モル当量)及び炭酸水素カリウム(5モル当量)を用いて室温で処理する(1−15時間)。反応混合物を濃縮し、次いで残渣を酢酸エチル(35l/mol)に溶解し、水で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、濃縮する。カラムクロマトグラフィーによって予定のベンジルエステルを得る。
【0117】
方法2
tert−ブチルジメチル−シリルトリフラートによって触媒されたイミダートとのカップリング
tert−ブチルジメチルシリルトリフラートのジクロロメタン溶液(0.1M、イミダート1モル当たり0.15mol)をアルゴン下、−20℃で、イミダート及びグリコシル受容体のジクロロメタン/ジエチルエーテル混合物(1:2、22.5−45l/mol)溶液に4Åモレキュラーシーブの存在下で添加する。10−45分後(TLC)、固形炭酸水素ナトリウムを添加する。溶液をろ過し、水で洗浄し、脱水し、蒸発乾固させる。
【0118】
方法3
エステルの鹸化方法
30%過酸化水素(H)(7.16l/molエステル)及び0.7N水酸化リチウム水溶液(2.3mol/molエステル)を、鹸化しようとする化合物のテトラヒドロフラン(160l/mol)溶液に−5℃で連続添加する。−5℃で1時間撹拌後、反応媒体を0℃で4時間放置し、次いでエステルが消費されるまで室温で撹拌する。次いで、粗製反応生成物をLH−20カラムで場合によっては精製してもよい。
【0119】
方法4
スルホン化
トリエチルアミン/三酸化硫黄錯体(5mol/ヒドロキシル官能基)を、硫酸化しようとする化合物のジメチルホルムアミド(90l/mol)溶液に添加する。55℃で12から22時間後、メタノール又は炭酸水素ナトリウム水溶液を0℃で添加し、0.5−24時間室温で撹拌後、LH−20カラム又は2本のSephadex(登録商標)G−25カラムを用いて(0.2M塩化ナトリウム水溶液、次いで水で連続溶出させて)反応媒体を精製する。次いで、生成物を含む画分を高真空下で濃縮して所望の生成物を得る。
【0120】
方法5
ベンジルエーテル及び/又はベンジルエステルの水素化分解
化合物の氷酢酸/水/tert−ブタノール混合物溶液を、(化合物質量の0.7−3倍に等しい)炭素担持5又は10%パラジウムの存在下、水素雰囲気(3−15bar(0.3−1.5MPa))下で6−16時間(TLC)撹拌し続ける。ろ過後、溶液をSephadex(登録商標)G−25カラムの上端に置き、0.2M塩化ナトリウムで溶出させる。生成物を含む画分を濃縮し、同じカラムを用いて水で溶出させて脱塩する。凍結乾燥後に最終化合物を得る。
【0121】
本発明による化合物の製造に有用である調製を以下に説明する。
【0122】
調製1
(3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−ヒドロキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート(No.6)の合成
【0123】
【化22】

【0124】
段階1.a:(3R,4R,5R)−1−ベンジル−3−(ベンジルオキシ)−5−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−オール(No.2)の調製
化合物1の合成は、T.M. Jespersen and M. Bois, Tetrahedron (1994) 50(47), 13449−13460及び米国特許第5,844,102号に記載されている。化合物2の合成は国際公開第98/50359号に記載されている。
【0125】
化合物1(10.8g、42.8mmol)のメタノール(590ml)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.38g、2モル当量)、続いて−10℃の酢酸(7.4ml、3モル当量)及びベンジルアミン(5.1ml、1.1当量)のメタノール(100ml)溶液を連続添加する。室温に戻した後、反応混合物を50℃で2時間加熱する。室温に戻した後、2%炭酸水素ナトリウム溶液(85ml)を添加する。このメタノールを減圧濃縮し、次いで残渣をジクロロメタンで希釈し、有機相を水、次いで塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し(NaSO)、次いで減圧濃縮した。残渣を精製せずに次の段階に直接使用する。
【0126】
段階1.b:(3R,4R,5R)−メチル[4−(アセチルオキシ)−1−ベンジル−5−(ベンジルオキシ)ピペリジン−3−イル]アセタート(No.3)の調製
トリエチルアミン(13.5ml、2.25モル当量)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(7.84g、1.5当量及び無水酢酸(61ml、15モル当量)を、段階1.aで得られた粗製化合物2(10.8g)のジクロロメタン(345ml)溶液に連続添加する。温度を0℃に10分間維持し、次いで反応媒体を室温で16時間放置する。次いで、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルで精製して化合物3(7.65g、43%、2段階)を得る。
【0127】
H NMR(CDCl) δ 7.36−7.18(m, 10H, Ar)、4.60−4.42(dd, 2H, OCHPh)、2.02、1.99(2s, 6H, 2CHCO)。
【0128】
段階1.c:(3R,4R,5R)−ベンジル4−(アセチルオキシ)−3−アセチルオキシメチル)−5−(ベンジルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシラート(No.4)の調製
塩化ベンジルオキシカルボニル(2.4ml、3モル当量)を段階1.bで得られた化合物3(2.31g、5.6mmol)のテトラヒドロフラン(28ml)溶液にアルゴン下、−10℃で添加し、次いで反応媒体を室温で18時間撹拌放置する。次いで、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲル(1:9ジエチルエーテル−ジイソプロピルエーテル)で精製して化合物4(2.14g、84%)を得る。
【0129】
質量スペクトル(ESI) m/z 478.3[(M+Na)]。
【0130】
段階1.d:(3R,4R,5R)−ベンジル3−(ベンジルオキシ)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(No.5)の調製
0.84M水酸化リチウム一水和物(25ml、5モル当量)の溶液を、段階1.cで得られた化合物4(1.9g、4.2mmol)のジオキサン(25ml)溶液に0℃で添加する。反応媒体を0℃で5分間維持し、次いで室温で30分間放置する。塩酸(HCl:3N)で中和後、反応媒体をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲル(3:1酢酸エチル−シクロヘキサン)で精製して化合物5(1.59g、90%)を得る。
【0131】
質量スペクトル(ESI) m/z 394.4 [(M+Na)]。
【0132】
段階1.e:(3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−ヒドロキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート(No.6)の調製
段階1.dで得られた化合物5(3.18g、8.6mmol)を方法1によって処理して化合物6(2.92g、71%)を得る。
【0133】
質量スペクトル(ESI) m/z 476.5 [(M+Na)]。
【0134】
調製2
(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノーストリクロロ−アセトイミダート)(No.11)の合成
【0135】
【化23】

【0136】
段階2.a:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)(No.8)の調製
Y. Ichikawa et al., Tetrahedron Lett. (1986) 27(5) 611−614に記載の2’−O−ベンゾイル化化合物と同様に調製した2’−O−アセチル化型の化合物7(18.0g、31.48mmol)をシリカゲル(3:7酢酸エチル−シクロヘキサン)で精製して化合物8(16.4g、77%)を得る。
【0137】
質量スペクトル(ESI) m/z 698.3 [(M+Na)
【0138】
段階2.b:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−ジ−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノース)(No.9)の調製
トリフルオロ酢酸(TFA)(4.7ml、11モル当量)を、段階2.aで得られた化合物8(3.74g、5.54mmol)の無水酢酸(52ml、100モル当量)溶液に0℃で添加する。室温に戻した後、反応混合物を16時間撹拌し、次いで濃縮し、トルエンと同時蒸発させ、シリカゲル(4:1トルエン−酢酸エチル)で精製して化合物9(4.33g、95%)を得る。
【0139】
質量スペクトル(ESI) m/z 842.2 [(M+Na)]。
【0140】
段階2.c:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノース)(No.10)の調製
ベンジルアミン(BnNH)(22ml、38モル当量)を、段階2.bで得られた化合物9(4.3g、5.24mol)のジエチルエーテル(210ml)溶液に0℃で添加する。室温で4.5時間撹拌後、媒体を1N HClで酸性化し、次いで酢酸エチルで抽出し、脱水し(NaSO)、濃縮し、シリカゲル(35:65酢酸エチル−シクロヘキサン)で精製して10(3.4g、83%)を得る。
【0141】
質量スペクトル(ESI) m/z 800.2 [(M+Na)]。
【0142】
段階2.d:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.11)の調製
炭酸セシウム(CsCO)(2.26g、1.6モル当量)、次いでトリクロロアセトニトリル(CClCN)(1.74ml、5.0モル当量)を、段階2.cで得られた化合物10(3.38g、4.35mmol)のジクロロメタン(82ml)溶液にアルゴン下で添加する。1.5時間撹拌後、反応混合物をろ過し、次いで濃縮する。残渣をシリカゲル(3:7酢酸エチル−シクロヘキサン)で精製して11(2.96g、74%)を得る。
【0143】
H NMR(CDCl) δ 6.43(d, H−1α Glc)、5.64(d, H−1β Glc)、5.17(d, IdoUAII)。
【0144】
調製3:
(3−O−ベンジル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.19)の合成
【0145】
【化24】

【0146】
段階3.a:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)(No.12)の調製
段階2.dで得られた化合物11(455mg、0.50mmol)及び段階2.aで得られた化合物8(675mg、1mmol)を方法2によって処理し、精製して化合物12(385mg、54%)を得る。
【0147】
質量スペクトル(ESI) m/z 1457.6 [(M+Na)]。
【0148】
段階3.b:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシルウロナート−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−ジ−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノース)(No.13)の調製
段階3.aで得られた化合物12(365mg、0.254mmol)を化合物9の合成(段階2.b)と同様に処理し、シリカゲル(1:1 EtO−ジイソプロピルエーテル)で精製して13(376mg、97%)を得る。
【0149】
質量スペクトル(ESI) m/z 1560.7 [(M+Na)]。
【0150】
段階3.c:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノース)(No.14)の調製
段階3.bで得られた化合物13(364mg、0.237mmol)を化合物10の合成(段階2.c)と同様に処理し、シリカゲル(7:3 EtO−ジイソプロピルエーテル)で精製して化合物14(310mg、87%)を得る。
【0151】
質量スペクトル(ESI) m/z 1518.8 [(M+Na)]。
【0152】
段階3.d:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.15)の調製
段階3.cで得られた化合物14(279mg、0.187mmol)を化合物11の合成(段階2.d)と同様に処理し、シリカゲル(1:1 EtO−ジイソプロピルエーテル)で精製して15(230mg、75%)を得る。
【0153】
質量スペクトル(ESI) m/z 1660.6 [(M+Na)]。
【0154】
段階3.e:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−カルボキシラート)(No.16)の調製
段階3.dで得られた化合物15(217mg、0.132mmol)及び段階1.eで得られた6(126mg、0.264mmol)を方法2によって処理し、精製して化合物16(168mg、66%)を得る。
【0155】
質量スペクトル(ESI) m/z 1976.0 [(M+Na)]。
【0156】
段階3.f:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.17)の調製
段階3.eで得られた化合物16(138.5mg、70.9μmol)をピリジン(1.16ml)に溶解し、次いでチオ酢酸(1.14ml、225モル当量)を0℃で添加する。反応媒体を室温で14時間撹拌し、次いで濃縮し、シリカゲル(3:2シクロヘキサン−酢酸エチル)で精製して化合物17(118mg、84%)を得る。
【0157】
質量スペクトル(ESI) m/z 2007.7 [(M+Na)]。
【0158】
段階3.q:(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)ベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボン酸−1−カルボキシラート)(No.18)の調製
段階3.fで得られた化合物17(101mg、50.9μmol)を方法3によって処理し、次いで反応媒体を6N塩酸(pH1)で酸性化し、ジクロロメタンで抽出する。有機相を5%亜硫酸ナトリウム(NaSO)、次いで水で洗浄する。脱水し、ろ過し、濃縮した後、残渣を粗製状態で次の段階に使用する。
【0159】
質量スペクトル(ESI) m/z 1505.6 [(M+H)]。
【0160】
段階3.h:(3−O−ベンジル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.19)の調製
段階3.gで得られた粗製化合物18を方法4によって処理して化合物19(50mg、54%(2段階))を得る。
【0161】
質量スペクトル(ESI) m/z 2014 [(M−3Na+3H)]。
【0162】
調製4:
(3−O−ベンジル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−N−ナトリウムスルホナート−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−−2−N−ナトリウムスルホナート−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.26)の合成
【0163】
【化25】

【0164】
段階4.a:(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.24)の調製
段階3.eで得られた化合物16(175mg、89.6μmol)を方法3によって処理し、次いで反応媒体を6N塩酸で酸性化する(pH2)。次いで、混合物をSephadex(登録商標)LH−20カラム(1:1ジクロロメタン−エタノール)で精製して化合物24(100mg、76%)を得る。
【0165】
質量スペクトル(ESI) m/z 1474.1 [(M+H)]。
【0166】
段階4.b:(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(2−アミノ−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(2−アミノ−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−カルボン酸(3S,4R,5R))(No.25)の調製
H. Sajiki et al., J. Org. chem. (1998), Vol.63, p.7990−7992)に記載の方法によって調製された10%Pd/C/エチレンジアミン錯体(107mg)を段階4.aで得られた化合物24(35mg)の1:1メタノール−テトラヒドロフラン混合物(1ml)溶液に添加する。次いで、媒体をH圧力(3bar(0.3MPa))下で室温で16時間放置する。ろ過し、濃縮した後、粗製反応生成物を同じ条件下で再度反応させ、次いでシリカゲル(酢酸エチル−ピリジン−酢酸−水、6:2:0.6:1)で精製して化合物25(12mg、44%)を得る。
【0167】
質量スペクトル(ESI) m/z 1421.4 [(M+H)
段階4.c:(3−O−ベンジル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−N−ナトリウムスルホナート−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−N−ナトリウムスルホナート−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.26)の調製
段階4.bで得られた化合物25(8.5mg、5.98μmol)を方法4によって処理して化合物26(7mg、56%)を得る。
【0168】
質量スペクトル(ESI) m/z 2133.8 [M−H]]。
【0169】
調製5:
(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.40)の合成
【0170】
【化26】

【0171】
段階5.a:1,6−アンヒドロ−4−O−(テトラヒドロピラン−2−イル)−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−β−D−グルコピラノース(No.29)の調製
ナトリウム(1.37g、0.33モル当量)を(H. Paulsen and W.Stenzel, Chem. Ber. (1978) 111, 2348−57に従って調製した)化合物28(41g、180mmol)のパラ−メトキシベンジルアルコール(25ml、1.1モル当量)溶液に40℃で添加する。次いで、反応混合物を110℃で20分間加熱し、次いでメタノール(20ml)を0℃で添加し、室温で16時間撹拌する。濃縮後、シリカゲル(3:7酢酸エチル−ジイソプロピルエーテル)で精製して29(20.1g、31%)を得る。
【0172】
質量スペクトル(ESI) m/z 384.2 [(M+Na)]。
【0173】
段階5.b:1,6−アンヒドロ−4−O−(テトラヒドロピラン−2−イル)−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−β−D−グルコピラノース(No.30)の調製
ヨウ化メチル(2.67ml)及び水素化ナトリウム(2.68g)を、段階5.aで得られた化合物29(13.1g、35.8mmol)のジメチルホルムアミド(107ml)溶液にアルゴン雰囲気下、0℃で連続添加する。室温に戻した後、反応混合物を16時間撹拌し、次いでメタノールを0℃で添加し、媒体を酢酸エチルで抽出し、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮して30を得る。これを次の段階に直接使用する。
【0174】
質量スペクトル(ESI) m/z 403.3 [(M+Na)]。
【0175】
段階5.c:1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−β−D−グルコピラノース(No.31)の調製
0.25Mカンファースルホン酸(CSA)(1モル当量)のメタノール溶液を段階5.bで得られた粗製化合物30のメタノール(143ml)溶液に添加する。30分間磁気撹拌した後、媒体をジクロロメタンで希釈し、次いで水、2%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮する。シリカゲル(3:7酢酸エチル−シクロヘキサン)で精製して化合物31(9.0g、85%)を得る。
【0176】
質量スペクトル(ESI) m/z 319.1 [(M+Na)]。
【0177】
段階5.d:エチル2−O−アセチル−4,6−O−イソプロピリデン−3−O−メチル−1−チオ−α,β−L−イドピラノシド(No.33)の調製
トリエチルアミン(2.2ml)、DMAP(173mg)及び無水酢酸(1.34ml)を(P.Duchaussoy et al., Carbohydr. Res. (1999), 317, 63−84に従って調製した)粗製化合物32(1.99g、7.1mmol)のジクロロメタン(37ml)溶液にアルゴン下、0℃で連続添加する。温度を0℃に10分間維持し、次いで反応媒体を室温で16時間放置する。次いで、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカ(1:1 EtO−シクロヘキサン)で精製して化合物33(2.1g、92%)を得る。
【0178】
質量スペクトル(ESI) m/z 343.3 [(M+Na)]。
【0179】
段階5.e:(2−O−アセチル−4,6−O−イソプロピリデン−3−O−メチル−α−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−β−D−グルコピラノース)(No.34α)及び(2−O−アセチル−4,6−O−イソプロピリデン−3−O−メチル−β−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−β−D−グルコピラノース)(No.34β)の調製
N−ヨードスクシンイミド(1.38g)とトリフルオロメタンスルホン酸(63.5μl)の1:1ジクロロメタン−ジオキサン混合物(16.5ml)溶液を、段階5.dで得られた化合物33(1.86g、5.79mmol)と段階5.cで得られた化合物31(1.46g、4.94mol)のアルゴン下の混合物に、4Åモレキュラーシーブ(2.89g)の存在下、トルエン(50ml)中で−20℃で添加する。45分間撹拌後、固形炭酸水素ナトリウムを反応媒体に添加し、ろ過後、混合物をジクロロメタンで希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム(Na)水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。脱水し、濃縮した後、残渣を次の段階に直接使用する。
【0180】
質量スペクトル(ESI) m/z 577.4 [(M+Na)]。
【0181】
段階5.f:(2−O−アセチル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−β−D−グルコピラノース)(No.35α)及び(2−O−アセチル−3−O−メチル−β−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−β−D−グルコピラノース)(No.35β)の調製
段階5.eで得られた混合化合物34αと34βの1,2−ジクロロエタン(12ml)溶液に70%酢酸(55ml)を添加する。混合物を60℃で50分間加熱し、次いで減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲル(3:2トルエン−アセトン)で精製して、化合物35α(1.56g、61%、2段階)及び化合物35β(0.36g、14%、2段階)を得る。
【0182】
質量スペクトル(ESI) m/z 537.5 [(M+Na)]。
【0183】
段階5.g:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−β−D−グルコピラノース)(No.36)の調製
段階5fで得られた化合物35α(0.975g、1.89mmol)を方法1によって処理し、シリカゲル(1:1酢酸エチル−シクロヘキサン)で精製して化合物36(1.09g、83%)を得る。
【0184】
H NMR(CDCl) δ 7.54−6.86(m, 8H, Ar)。
【0185】
段階5.h;(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−β−D−グルコピラノース)(No.37)の調製
DMAP(43mg、0.2モル当量)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)(0.675g、2モル当量)及びレブリン酸(0.361ml、2モル当量)を、段階5.gで得られた化合物36(1.09g、1.56mmol)のアルゴン下のジオキサン(35ml)溶液に連続添加し、16時間撹拌後、反応媒体を10%硫酸水素カリウム(KHSO)溶液、水、2%炭酸水素ナトリウムで連続洗浄し、次いで溶液を脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮して残渣を得る。この残渣をシリカゲル(酢酸エチル−ジクロロメタン2:3)で精製して、化合物37(1.07g、86%)を得る。
【0186】
質量スペクトル(ESI) m/z 819.4 [(M+Na)]。
【0187】
段階5.i:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−ジ−O−アセチル−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−α,β−D−グルコピラノース)(No.38)の調製
段階5.hで得られた化合物37(1.07g、1.34mmol)を化合物9の合成(段階2.b)と同様に処理し、シリカゲル(酢酸エチル−ジクロロメタン2:3)で精製して化合物38(1.04g、87%)を得る。
【0188】
質量スペクトル(ESI) m/z 921.4 [(M+Na)]。
【0189】
段階5.j:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−α,β−D−グルコピラノース)(No.39)の調製
段階5.iで得られた化合物38(1.04g、1.16mmol)を化合物10の合成(段階2.c)と同様に処理し、シリカゲル(酢酸エチル−ジクロロメタン1:1)で精製して化合物39(740mg、74%)を得る。
【0190】
質量スペクトル(ESI) m/z 877.3 [(M+Na)]。
【0191】
段階5.k:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.40)の調製
段階5.jで得られた化合物39(740mg、860μmol)を化合物11の合成の場合と同様に処理し、シリカゲル(酢酸エチル−ジクロロメタン3:7)で精製して化合物40(714mg、83%)を得る。
【0192】
H NMR(CDCl) δ 6.39(d, H−1α Glc)、5.76(d, H−1β Glc)。
【0193】
調製6:
(3−O−メチル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−メチル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号46)の合成
【0194】
【化27】

【0195】
段階6.a:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.41)の調製
段階5.kで得られた化合物40(94mg、0.094mmol、1.0モル当量)と段階1.eで得られた化合物6(111mg、0.234mmol、2.5モル当量)の混合物を方法2によって処理し、Sephadex(登録商標)LH−20カラム、次いでシリカゲル(ジクロロメタン−酢酸エチル9:1)で精製して化合物41(62mg、50%)を得る。
【0196】
質量スペクトル(ESI) m/z 1336.5 [(M+Na)]。
【0197】
段階6.b:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.42)の調製
ヒドラジン酢酸塩(21mg、10モル当量)を段階6.aで得られた化合物41(60mg、45.7μmol)の1:2トルエン/エタノール混合物(9ml)溶液に添加する。磁気撹拌3時間後、混合物を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタンで希釈し、2%炭酸水素ナトリウム溶液、水で洗浄し、有機相を脱水し(NaSO)、ろ過し、次いで濃縮する。残渣をシリカゲル(酢酸エチル−シクロヘキサン3:2)で精製して化合物42(48mg、88%)を得る。
【0198】
質量スペクトル(ESI) m/z 1238.5 [(M+Na)]。
【0199】
段階6.c:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(3−ブロモ−4−メトキシ)ベンジル−3−O−メチル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.43)の調製
段階5.kで得られた化合物40(197.7mg、197.7μmol、1.14モル当量)と段階6.bで得られた化合物42(210.5mg、173.2μmol、1.0モル当量)の混合物を方法2によって処理し、Sephadex(登録商標)LH−20カラム、次いでシリカゲル(トルエン−アセトン1:1)で精製して化合物43(176mg、50%)を得る。
【0200】
質量スペクトル(ESI) m/z 2075.0 [(M+Na)]。
【0201】
段階6.d:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−3−O−メチル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−3−O−メチル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.44)の調製
四塩化ジルコニウム(ZrCl)(39mg、5モル当量)を、段階6.cで得られた化合物43(69mg、33.6μmol)のアセトニトリル(3ml)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で添加する。室温で45分間撹拌後、混合物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、脱水し、ろ過し、濃縮した後、残渣をシリカゲル(3:7アセトン−トルエン)で精製して化合物44(52mg、89%)を得る。
【0202】
質量スペクトル(ESI) m/z 1676.7 [(M+Na)]。
【0203】
段階6.e:(3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(3−O−メチル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−メチル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(3−O−メチル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−カルボン酸(3S,4R,5R))(No.45)の調製
段階6.dで得られた化合物44(18mg、11μmol)を方法3によって処理し、精製して化合物45(5.8mg、47%)を得る。化合物45は、カルボン酸基を部分エステル化してもよい。
【0204】
質量スペクトル(ESI) m/z 1118.4 [(M+H)]。
【0205】
段階6.f:(3−O−メチル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−メチル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.46)の調製
段階6.eで得られた化合物45(7mg、6.26μmol)を方法4によって処理し、精製して化合物46(10mg、77%)を得る。化合物46は、カルボン酸基を部分エステル化してもよい。
【0206】
質量スペクトル(ESI) m/z 1897.0 [(M+Na−H)]。
【0207】
調製7:
(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.57)の合成
【0208】
【化28】

【0209】
段階7.a:1,6−アンヒドロ−4−O−(テトラヒドロピラン−2−イル)−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース(No.48)の調製
臭化ベンジル(5.1ml)、次いで水素化ナトリウム(4.6g)を、段階5.aで得られた29(19.96g、54.5mmol)のDMF(300ml)溶液に0℃で添加する。添加の最後に混合物を室温で16時間放置し、次いでメタノール(18ml)を0℃で添加し、室温で1時間撹拌後、媒体を酢酸エチル(600ml)で希釈し、水(300ml)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(5:95酢酸エチル−ジイソプロピルエーテル)によって精製して48(20.6g、83%)を得る。
【0210】
質量スペクトル(ESI) m/z 479.3 [(M+Na)]。
【0211】
段階7.b:1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)−ベンジル−3−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース(No.49)の調製
段階7.aで得られた化合物48(20.6g、45.2mol)を化合物31の合成(段階5.c)と同様に処理し、シリカ(3:7酢酸エチル−シクロヘキサン)で精製して49(14.4g、86%)を得る。
【0212】
質量スペクトル(ESI) m/z 395.4 [(M+Na)]。
【0213】
段階7.c:(2−O−アセチル−4,6−O−イソプロピリデン−3−O−ベンジル−α,β−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース)(No.51)の調製
(C. Tabeur et al. Carbohydr. Res. (1996), 281, 253−276によって2−O−ベンゾイル化誘導体について記述された方法によって調製した)化合物50(16.91g、42.6mmol)と段階7.bで得られた化合物49(14.44g、38.8mmol)を、34の合成(段階5.e)と同様に反応させ、シリカ(15:85酢酸エチル−ジイソプロピルエーテル)で精製して化合物51(17.05g、62%(56%アルファ−L))を得る。
【0214】
質量スペクトル(ESI) m/z 729.3 [(M+Na)]。
【0215】
段階7.d:(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース)(No.52)の調製
段階5.cで得られた化合物51(12.38、17.51mmol)を35の合成(段階5.f)と同様に処理し、シリカ(4:1トルエン−アセトン)で精製して52(10.85g、93%)を得る。
【0216】
質量スペクトル(ESI) m/z 689.3 [(M+Na)]。
【0217】
段階7.e:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース)(No.53)の調製
段階7.dで得られた化合物52(10.85g、16.27mmol)を方法1によって処理し、シリカ(3:7アセトン−シクロヘキサン)で精製して53(8.44g、61%)を得る。
【0218】
質量スペクトル(ESI) m/z 793.3 [(M+Na)]。
【0219】
段階7.f:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−レブリノイル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース)(No.54)の調製
段階7.eで得られた化合物53(3.2g、3.77mmol)を37の合成(段階5.h)と同様に処理し、シリカ(アセトン−トルエン1:4)で精製して54(3.17g、89%)を得る。
【0220】
質量スペクトル(ESI) m/z 891.3 [(M+Na)]。
【0221】
段階7.g:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−ジ−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノース)(No.55)の調製
段階7.fで得られた化合物54(1.45g、1.53mmol)を9の合成の場合と同様に、ただし0℃で1時間処理し、シリカ(トルエン−アセトン85:15)で精製して55(1.25g、78%)を得る。
【0222】
質量スペクトル(MSI) m/z 993.3 [(M+Na)]。
【0223】
段階7.h:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノース)(No.56)の合成
段階7.gで得られた化合物55を10の合成(段階2.c)と同様に処理し、シリカ(ジエチルエーテル−ジクロロメタン25:75)で精製して56(429mg、56%)を得る。
【0224】
質量スペクトル(ESI) m/z 951.3 [(M+Na)]。
【0225】
段階7.i:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.57)の調製
段階7.hで得られた化合物56(429mg、426μmol)を11の合成(段階2.d)と同様に処理し、シリカ(酢酸エチル−シクロヘキサン1:1)で精製して誘導体57(396mg、80%)を得る。
【0226】
H NMR(CDCl) δ 6.45(d, H−1α)、5.89(d, H−1β)。
【0227】
調製8:
(ベンジル2−O−アセチル−4−O−アリル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.62)の調製
【0228】
【化29】

【0229】
段階8.a:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース)(No.58)の調製
ピリジン(759μl、9.41mmol)、DMAP(115mg、0.94mmol)及びクロロギ酸アリル(995μl、9.41mmol)のTHF(2.35ml)溶液を、段階7.eで得られた53(0.800g、0.9414mmol)のTHF(9.4ml)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で添加する。終夜撹拌し、次いで反応混合物を酢酸エチルで希釈し、10%KHSO、2%炭酸水素ナトリウム、水で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:9アセトン−トルエン)によって精製して58(0.809g、92%)を得る。
【0230】
質量スペクトル(ESI) m/z 877.3 [(M+Na)]。
【0231】
段階8.b;(ベンジル2−O−アセチル−4−O−アリル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース)(No.59)の調製
パラジウムジアセタート(3.9mg、0.017mmol)及びトリフェニルホスフィン(22.6mg、0.086mmol)を、段階8.aで得られた化合物58(0.805g、0.862mmol)のTHF(6ml)溶液にアルゴン雰囲気下で連続添加する。混合物の温度を15分間90℃にし、次いで媒体を減圧濃縮し、シリカ(15:85アセトン−トルエン)で精製して59(0.587g、66%)を得る。
【0232】
質量スペクトル(ESI) m/z 833.4 [(M+Na)]。
【0233】
段階8.c:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−アリル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−ジ−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノース)(No.60)の調製
段階8.bで得られた化合物59(0.587g、0.660mmol)を化合物55の合成(段階7.g)と同様に処理し、シリカ(9:1アセトン−トルエン)で精製して60(0.37g、57%)を得る。
【0234】
質量スペクトル(ESI) m/z 936.4 [(M+Na)]。
【0235】
段階8.d:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−アリル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノース)(No.61)の調製
段階8.cで得られた化合物60を10の合成(段階2.c)と同様に処理し、シリカゲル(シクロヘキサン−酢酸エチル2:3)で精製して61(240mg、70%)を得る。質量スペクトル(ESI) m/z 893.4 [(M+Na)]。
【0236】
段階8.e:(ベンジル2−O−アセチル−4−アリル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.62)の調製
段階8.dで得られた化合物61(234mg、246μmol)を11の合成(段階2.d)と同様に処理し、シリカ(86:14アセトン−トルエン)で精製し、誘導体62(249mg、93%)を得る。
【0237】
H NMR(CDCl) δ 6.40(d, H−1α)、5.81(d, H−1β)。
【0238】
調製9及び10の合成は概略以下のとおりである。
【0239】
【化30】

【0240】
調製9:
(3−O−ベンジル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.68)の合成
段階9.a:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.63)の調製
段階7.iで得られた化合物57(396mg、0.34mmol)及び段階1.eで得られた化合物6(405mg、3.85mmol)を方法2によって処理し、精製して63(369mg、73%)を得る。
【0241】
H NMR(CDCl) δ 5.29(d, H−1 GlcII)、5.13(d, H−1 IdoUAIII)。
【0242】
段階9.b:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.64)の調製
段階9.aで得られた化合物63(372mg、0.254mmol)を42の合成(段階6.b)と同様に処理し、シリカ(酢酸エチル−シクロヘキサン2:3)で精製して化合物64(301mg、87%)を得る。
【0243】
H NMR(CDCl) δ 5.29(d, H−1 GlcII)、5.10(d, H−1 IdoUAIII)、3.97(dd, H−4 IdoUAIII)。
【0244】
段階9.c:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.65)の調製
段階7.iで得られた化合物57(124mg、0.108mol)及び段階9.bで得られた64(150mg、0.110mmol)を方法2によって処理し、精製して65(90mg、35%)を得る。
【0245】
H NMR(CDCl) δ 5.28(d, H−1 GlcII)、5.16(d, H−1 IdoUAIII)、5.13(d, H−1 IdoUA)、4.74(d, H−1 GlcIV)。
【0246】
段階9.d:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−レブリノイル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.66)の調製
段階9.cで得られた化合物65(45mg、0.19mmol)を44の合成(段階6.a)と同様に処理し、シリカ(酢酸エチル−シクロヘキサン3:2)で精製して化合物66(34mg、91%)を得る。
【0247】
質量スペクトル(ESI) m/z 1982.0 [(M+Na)]。
【0248】
段階9.e:(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−カルボン酸(3S,4R,5R))(No.67)の調製
段階9.dで得られた化合物66(25mg、12.8μmol)を方法3によって処理する。反応混合物を6N塩酸で酸性化し(pH2)、次いで9:1 DMF/水混合物で平衡にしたLH−20カラム(100ml)上に置く。次いで、生成物を含む画分を濃縮し、シリカ(ジクロロメタン−メタノール7:3)で精製して67(10.4mg、59%)を得る。67は、カルボン酸基を部分エステル化してもよい。
【0249】
質量スペクトル(ESI) m/z 1422.7 [(M+H)]。
【0250】
段階9.f:(3−O−ベンジル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.68)の調製
段階9.eで得られた化合物67(10.4mg、9μmol)を方法4によって処理して68を得る。これを次の段階に直接使用する。
【0251】
調製10:
(4−O−アリル−3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.73)の合成
段階10.g:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−アリル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル−5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.70)の調製
段階8.eで得られた化合物62(244mg、0.223mmol)及び段階9.bで得られた化合物64(138mg、0.101mmol)を方法2によって処理し、精製して70(100mg、43%)を得る。
【0252】
H NMR(CDCl) δ 5.28(d, H−1 GlcII)、5.25(d, H−1 IdoUA)、5.16(d, H−1 IdoUAIII)、4.72(d, H−1 GlcIV)。
【0253】
段階10.h:(ベンジル2−O−アセチル−4−O−アリル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.71)の調製
段階10.gで得られた化合物70(92mg、40.0μmol)を化合物44の合成(段階6.d)と同様に処理し、シリカ(アセトン−トルエン17:83)で精製して化合物71(44mg、59%)を得る。
【0254】
質量スペクトル(ESI) m/z 1924.0 [(M+Na)]。
【0255】
段階10.i:(4−O−アリル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−カルボン酸(3S,4R,5R))(No.72)の調製
段階10.hで得られた化合物71(41mg、21.6μmol)を方法3によって処理する。反応混合物を、1:1ジクロロメタン−エタノール混合物で平衡にしたLH−20カラム(210ml)上に置く。次いで、生成物を含む画分を濃縮し、シリカで精製して72(30.3mg、96%)を得る。72は、カルボン酸基を部分エステル化してもよい。
【0256】
質量スペクトル(ESI) m/z 1462.4 [(M+H)]。
【0257】
段階10.j:(4−O−アリル−3−O−ベンジル−2−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.73)の調製
段階10.iで得られた化合物72(10.0mg、6.44μmol)を方法4によって処理して73を得る。これを次の段階に直接使用する。
【0258】
調製11:
メチル(2−N−ナトリウムスルホナート−2,4−ジデオキシ−4−ホルミル−3,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ナトリウム2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシド)(No.89)の合成
【0259】
【化31】

【0260】
段階11.a:1,6:2,3−ジ−アンヒドロ−4−デオキシ−4−(プロパ−1−エン−1−イル)−β−D−マンノピラノース(No.76)の調製
三塩化ロジウム一水和物(202mg、0.15モル当量)を(AG Keelly and JS Roberts, J. Chem. Soc., Chem. Commun.,(1980), Vol 288に従って調製した)エポキシド75(1.2g、7.14mmol)のエタノール(56.5ml)溶液にアルゴン下で添加する。75℃で1時間25分間撹拌後、反応媒体を氷冷水250mlに注ぎ、次いで5分間撹拌後、生成物をジエチルエーテルで抽出し、脱水し(NaSO)、濃縮する。次いで、残渣をシリカ(ジイソプロピルエーテル−シクロヘキサン45:55)で精製し、化合物76を含む画分をある程度濃縮する(76は揮発性である。)。
【0261】
H NMR(CDCl) δ 3.42(dd, H−2) 3.00(dd, H−3)、2.64(dd, H−4)。
【0262】
段階11.b:1,6−アンヒドロ−2−アジド−2,4−ジデオキシ−4−(プロパ−1−エン−1−イル)−β−D−グルコピラノース(No.77)の調製
段階11.aで得られた化合物76をジメチルホルムアミド−水混合物(40ml、4:1)に溶解し、次いでアジ化ナトリウム(7.0g)を添加し、混合物を還流させながら10.5時間加熱する。次いで、反応媒体を酢酸エチルで抽出し、水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮し、シリカゲルで精製して化合物77(674mg、48%)を得る。
【0263】
H NMR(CDCl) δ 5.8−5.6(m, 2H, CH=CH)。
【0264】
段階11.c:1,3,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2,4−ジデオキシ−4−(プロパ−1−エン−1−イル)−α,β−D−グルコピラノース(No.78)の調製
段階11.bで得られた化合物77(3.5g、16.57mmol)を化合物9の合成(段階2.b)と同様に処理し、精製して化合物78(5.88g、100%)を得る。
【0265】
質量スペクトル(ESI) m/z 378 [(M+Na)]。
【0266】
段階11.d:3,6−ジ−O−アセチル−2−アジド−2,4−ジデオキシ−4−(プロパ−1−エン−1−イル)−α,β−D−グルコピラノース(No.79)の調製
エタノールアミン(4.0ml、4モル当量)を、段階11.cで得られた化合物78(5.88g、16.5mmol)のテトラヒドロフラン(140ml)溶液に0℃で添加する。+4℃で16時間後、媒体を酢酸エチルで希釈し、酸性化し(1N HCl)、水で洗浄し、脱水し(NaSO)、濃縮し、精製して、化合物79(4.66g、90%)を得る。
【0267】
質量スペクトル(ESI) m/z 336 [(M+Na)]。
【0268】
段階11.e:3,6−ジ−O−アセチル−2−アジド−2,4−ジデオキシ−4−(プロパ−1−エン−1−イル)−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート(No.80)の調製
炭酸カリウム(KCO)(3.34g、1.6モル当量)、次いでCClCN(7.6ml、5モル当量)を、段階11.dで得られた化合物79(4.66g、14.9mol)のジクロロメタン(285ml)溶液にアルゴン下で添加する。17時間磁気撹拌した後、反応混合物をろ過し、濃縮し、シリカで精製して化合物80(5.65g、83%)を得る。
【0269】
H NMR(CDCl) δ 8.77(s, NH(異性体α)、5.70(dd, H−3)、2.64(d, H−1β)。
【0270】
段階11.f:メチル(3,6−ジ−O−アセチル−2−アジド−2,4−ジデオキシ−4−(プロパ−1−エン−1−イル)−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(メチル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−3−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)(No.82)の調製
段階11.eで得られた化合物80(5.65g、12.3mmol)及び(J.C. Jacquinet et al., Carbohydr. Res. 130 (1984), 221−241に従って調製した)化合物81(11.54g、1.2モル当量)を方法2によって反応させ、精製して化合物82(9.39g、71%)を得る。
【0271】
質量スペクトル(ESI) m/z 1077.5 [(M+H)]。
【0272】
段階11.g:メチル(3,6−ジ−O−アセチル−2−アジド−2,4−ジデオキシ−4−(1,2−ジヒドロキシプロピル)−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)(メチル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−3−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)(No.83)の調製
N−メチルモルホリンN−オキシド一水和物(NMO)(1.11g、20モル当量)及び4%四酸化オスミウム(OsO)水溶液(8.35ml、1モル当量)を、段階11.fで得られた化合物82(513.mg、0.476mmol)の1:1テトラヒドロフラン−ジクロロメタン混合物(8ml)溶液に添加する。室温で3日間撹拌後、1:1ジクロロメタン−水混合物及び37.5%亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)溶液を添加し、さらに30分間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンで抽出し、シリカで精製し、出発材料を含む画分を出発材料が完全に消費されるまで上記条件下で反応させる。最後に精製して化合物83(293mg、66%)を得る。
【0273】
質量スペクトル(ESI) m/z 1111.4 [(M+H)]。
【0274】
段階11.h:メチル(3,6−ジ−O−アセチル−2−アジド−2,4−ジデオキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(メチル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−3−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)(No.84)の調製
CSA(21.6mg、0.2モル当量)及びベンジリデンジメチルアセタール(160μl、2.3モル当量)を段階11.gで得られた化合物83(518mg、0.466mmol)のアセトニトリル溶液にアルゴン下で添加する。1時間30分間撹拌した後、媒体をトリエチルアミンで中和し、濃縮乾固し、次いでシリカで精製して化合物84(454mg、74%)を得る。
【0275】
質量スペクトル(ESI) m/z 1199.5 [(M+H)]。
【0276】
段階11.l:メチル(2−アジド−2,4−ジデオキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)(No.85)の調製
段階11.hで得られた化合物84(215mg、0.18mmol)を方法3によって処理する。室温で16時間磁気撹拌した後、媒体をメタノール(12.5ml)で希釈し、次いで4N水酸化ナトリウム水溶液(11.5ml)を0℃で添加する。混合物を0℃で4時間撹拌し、6N塩酸で酸性化(pH5)し、ジクロロメタンで抽出し、5%NaSO、最後に飽和塩化ナトリウムで洗浄する。脱水し、濃縮した後、残渣をシリカで精製して化合物85(157mg、86%)を得る。
【0277】
質量スペクトル(ESI) m/z 1017.3 [(M+H)]。
段階11.j:メチル(2−アジド−2,4−ジデオキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−3,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ナトリウム3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシド)(No.86)の調製
段階11.iで得られた化合物85(160mg、0.157mmol)を方法4によって処理して化合物86(215mg、95%)を得る。
【0278】
質量スペクトル(ESI) m/z 689.1 [(M+H−3Na)2−]。
【0279】
段階11.k:メチル(2−アミノ−2,4−ジデオキシ−4−(1,2−ジヒドロキシプロピル)−3,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ナトリウム2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アミノ−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシド)(No.87)の調製
段階11.jで得られた化合物86(210mg、0.145mmol)を方法5によって酢酸なしで処理して化合物87(108mg、73%)を得る。必要に応じて、NMRで測定してベンジルプロトンが完全に消失するまで反応を数回繰り返す。
質量スペクトル(ESI) m/z 996.1 [(M+H−Na)]。
段階11.l:メチル(2−N−ナトリウムスルホナート−2,4−ジデオキシ−4−(1,2−ジヒドロキシプロピル)−3,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ナトリウム2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシド)(No.88)の調製
1N水酸化ナトリウムを用いてpHを9.3に維持しながら、ピリジン.SO錯体(662mg、4.16mmol)を段階11.kで得られた化合物87(106mg、0.104mmol)水(7ml)溶液に0℃で添加する。次いで、温度を室温に加温し、pHを9.3に維持しながら反応媒体を16時間撹拌し、次いで0.2M塩化ナトリウム溶液で平衡にしたSephadex(登録商標)G−25ゲルカラムで精製する。生成物を含む画分を混合し、濃縮した後、残渣を同じSephadex(登録商標)G−25カラムによって水で溶出させて精製して化合物88(116mg、91%)を得る。
【0280】
質量スペクトル(ESI) m/z 1199.8 [(M+H−Na)]。
【0281】
段階11.m:メチル(2−N−ナトリウムスルホナート−2,4−ジデオキシ−4−ホルミル−3,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ナトリウム2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシド)(No.89)の調製
過ヨウ素酸ナトリウム(22.1mg、1.1モル当量)を段階11.lで得られた化合物88(115mg、94μmol)の水(1.9ml)溶液に添加する。1時間磁気撹拌した後、水で平衡にしたSephadex(登録商標)G−15ゲルカラムで反応媒体を精製して化合物89(107mg、96%)を得る。
【0282】
調製12:
(2−アセトアミド−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.97)の合成
【0283】
【化32】

【0284】
段階12.a:(6−O−アセチル−2−アジド−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.94)の調製
(R. Verduyn et al., Recl. Trav. Chim. the Netherlands, 109 (1990), 12, 591に従って調製した)化合物93(361mg、0.631mmol)及び段階1.eで得られた化合物6(200mg、0.421mmol)を方法2によって処理し、精製して化合物94(224mg、60%)を得る。
【0285】
質量スペクトル(ESI) m/z 885.4 [(M+H)]。
【0286】
段階12.b:(6−O−アセチル−2−アセトアミド−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.95)の調製
段階12.aで得られた化合物94(56.3mg、63.6μmol)を17の合成(段階3.f)と同様に処理して化合物95(54.5mg、95%)を得る。
【0287】
質量スペクトル(ESI)m/z 901.2 [(M+H)]。
【0288】
段階12.c:(2−アセトアミド−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3S,4R,5R)ベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−カルボキシラート−3−カルボン酸(No.96)の調製
段階12.bで得られた化合物95(101mg、50.9μmol)を方法3によって処理する。残渣を次の段階にそのまま使用する。
【0289】
段階12.d:(2−アセトアミド−3,4−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1−ベンジルのカルボキシラート−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(No.97)の調製
段階12.cで得られた粗製化合物96を方法4によって処理して、化合物97(35mg、88%(2段階))を得る。化合物97は、カルボン酸官能基を部分エステル化してもよい。
【0290】
質量スペクトル(ESI) m/z 847.2 [(M−H)]。
【0291】
調製13:
(3R,4R,5R)−ベンジル3−(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(No.100)の合成
【0292】
【化33】

【0293】
段階13.a:(4aR,8R,8aR)ベンジル8−(ベンジルオキシ)−2−フェニルテトラヒドロ−4H−[1,3]ジオキシノ[5,4−c]ピリジン−6(5H)カルボキシラート(No.99)の調製
カンファースルホン酸(31mg、0.2モル当量)、次いでベンズアルデヒドジメチルアセタール(0.23ml、2.3モル当量)を化合物5(250mg、0.67mmol)のアセトニトリル(13.4ml)溶液に添加する。室温で1時間磁気撹拌した後、反応媒体をトリエチルアミンで中和し、濃縮し、シリカゲル(15:85酢酸エチルシクロヘキサン)で精製して化合物99(281mg、91%)を得る。
【0294】
質量スペクトル(ESI) m/z 482.2 [(M+Na)]。
【0295】
段階13.b:(3R,4R,5R)−ベンジル3−(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(No.100)の調製
トリエチルシラン(0.20ml、4モル当量)、トリフルオロ酢酸(0.09ml、4モル当量)及び無水トリフルオロ酢酸(3μl、0.07モル当量)を、段階13.aで得られた化合物99(141mg、0.31mmol)のジクロロメタン(1.2ml)溶液にアルゴン下、0℃で連続添加する。温度を0℃に5分間維持し、次いで反応媒体を室温で3.5時間放置する。次いで、反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液、水で中和し、有機相を脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルで精製して化合物100(76mg、54%)を得る。
【0296】
質量スペクトル(ESI) m/z 462.3 [(M+H)]。
【0297】
調製14:
(3−O−ベンジル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3R,4R,5R)−ベンジル3−(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−オキシピペリジン−1−カルボキシラート)(No.104)の合成
【0298】
【化34】

【0299】
段階14.a:(ベンジル−2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−((3R,4R,5R)−ベンジル3−(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−オキシピペリジン−1−カルボキシラート)(No.101)の調製
化合物15(123mg、0.075mmol)及び100(69mg、0.149mmol)を方法2によって処理し、精製して化合物101(117mg、80%)を得る。α/β比55/45。
【0300】
質量スペクトル(ESI) m/z 1962 [(M+Na)]。
【0301】
段階14.b:(ベンジル2,4−ジ−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3R,4R,5R)−ベンジル3−(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−オキシピペリジン−1−カルボキシラート)(No.102)の調製
化合物101(117mg、60μmol)をピリジン(1ml)に溶解し、次いでチオ酢酸(1ml、225モル当量)を0℃で添加する。反応媒体を室温で17時間撹拌し、次いで濃縮し、シリカゲル(4:96エタノール−トルエン)で精製して化合物102(50mg、42%)を得る。
【0302】
質量スペクトル(ESI) m/z 1971.9 [(M+H)]。
【0303】
段階14.c:3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロン酸)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3R,4R,5R)−ベンジル3−(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−オキシピペリジン−1−カルボキシラート)(No.103)の調製
化合物102(50mg、25μmol)を方法3によって処理して誘導体103を得る。
【0304】
質量スペクトル(ESI) m/z 1581.7 [(M+H)]。
【0305】
段階14.d:(3−O−ベンジル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3R,4R,5R)−ベンジル3−(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−オキシピペリジン−1−カルボキシラート)(No.104)の調製
化合物103を方法4によって処理して化合物104(43mg、80%、(2段階))を得る。
【0306】
質量スペクトル(ESI) m/z 2134.3 [(M−Na)]。
【0307】
調製15:
(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニル−プロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.114)の合成
【0308】
【化35】

【0309】
段階15.a:(4,6−O−イソプロピリデン−3−O−ベンジル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−α−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)(No.106)の調製
NaH(6.93g、1.3モル当量)、次いで塩化パラ−メトキシベンジル(24ml、1.6モル当量)を、(C.A.A. van Boeckel et al., J. Carbohydrate Chemistry (1985) 4(3), 293−321に従って調製した)化合物105(63.2g、111mmol)のDMF(445ml)溶液にアルゴン下、0℃で添加する。2時間磁気撹拌した後、メタノール(9ml)を添加し、反応媒体を減圧濃縮し、粗製反応生成物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮する。得られた残渣をシリカ(酢酸エチル−シクロヘキサン15:85)で精製して106を得る。
【0310】
質量スペクトル(ESI) m/z 707.3 [(M+NH]。
【0311】
段階15.b:(3−O−ベンジル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−α−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)(No.107)の調製
前段階で得られた化合物106を80%酢酸水溶液に曝す。15時間磁気撹拌した後、反応混合物を氷冷し、希釈し(ジクロロメタン)、炭酸水素ナトリウムで中和する。有機相を脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮する。得られた残渣をシリカ(酢酸エチル−シクロヘキサン3:7)で精製して107(63.2g、88%、2段階)を得る。
【0312】
質量スペクトル(ESI) m/z 672.3 [(M+Na)]。
【0313】
段階15.c:(3−O−ベンジル−6−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−α−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)(No.108)の調製
化合物107(64.2g)をジクロロメタン(200ml)に溶解する。トリエチルアミン(30.3ml、2.2モル当量)、4−ジメチルアミノピリジン(1.21g、0.1モル当量)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(17.04g、1.1モル当量)をアルゴン下、0℃で連続添加する。4時間磁気撹拌した後、10%tert−ブチルジメチルシリルクロリドを添加し、1時間後、反応媒体をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮する。得られた残渣をシリカ(酢酸エチル−シクロヘキサン15:85)で精製して108を得る。
【0314】
質量スペクトル(ESI) m/z 786.3 [(M+Na)]。
【0315】
段階15.d:(3−O−ベンジル−6−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−O−(4−メトキシ)ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)(No.109)の調製
臭化フェニルプロピル(74ml、5モル当量)、次いでNaH(7g、1.5モル当量)を化合物108のジメチルホルムアミド(485ml)溶液にアルゴン下、0℃で添加する。5.5時間磁気撹拌した後、メタノール(50ml)を添加し、反応媒体を減圧濃縮し、粗製反応生成物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮する。得られた残渣をシリカ(酢酸エチル−シクロヘキサン15:85)で精製して109(49.3g、58%、2段階)を得る。
【0316】
質量スペクトル(ESI) m/z 904.3 [(M+Na)]。
【0317】
段階15.e−f:(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−6−O−tert−ブチルジメチルシリル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシル)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)(No.110)の調製
水(112ml)を109(49.3g、55.9mmol)のジクロロメタン(2.2l)溶液に添加し、続いてDDQ(19.03g、1.5モル当量)を0℃で添加する。0℃で3時間撹拌後、炭酸水素ナトリウム溶液を添加する。有機相を脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮する。得られた残渣をピリジン(335ml)に溶解し、次いで無水酢酸(28ml)及び4−ジメチルアミノピリジン(682mg)を添加する。16時間磁気撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカ(酢酸エチル−シクロヘキサン15:85)で精製して110(34.4g、77%、2段階)を得る。
【0318】
質量スペクトル(ESI) m/z 826.4 [(M+Na)]。
【0319】
段階15.d−h:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)(No.111)の調製
無水クロム酸(10g)を含む3.5M硫酸水溶液(45ml)を110(25.17g、31.3mmol)のアセトン(1.46l)溶液に0℃で添加する。0℃で3時間磁気撹拌した後、反応媒体をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、脱水し、ろ過し、濃縮して粗製反応生成物を得る。これを次の段階に直接使用する。上で得られた残渣をジメチルホルムアミド(230ml)に溶解し、炭酸水素カリウム(16.7g、5モル当量)及び臭化ベンジル(39.8ml、10モル当量)を添加する。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、脱水し、ろ過し、濃縮し、シリカゲル(酢酸エチル−トルエン1:4)で精製して化合物111(22.6g、91%、2段階)を得る。
【0320】
質量スペクトル(ESI) m/z 811.3 [(M+NH]。
【0321】
段階15.i:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−ジ−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノース)(No.112)の調製
トリフルオロ酢酸(TFA)(1.14ml、11モル当量)を化合物111(1.11g、1.39mmol)の無水酢酸(13.2ml、100モル当量)溶液に0℃で添加する。室温に戻した後、反応混合物を3.5時間撹拌し、次いで濃縮し、トルエンと同時蒸発させ、シリカゲル(85:15トルエン−酢酸エチル)で精製して化合物112(1.15g、93%)を得る。
【0322】
質量スペクトル(ESI) m/z 918.3 [(M+Na)]。
【0323】
段階15.j:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノース)(No.113)の調製
ベンジルアミン(BnNH)(5.25ml、38モル当量)を化合物112(1.13g、1.26mmol)のジエチルエーテル(51ml)溶液に0℃で添加する。室温で5時間15分間撹拌後、媒体を1N HClで酸性化し、次いでジエチルエーテルで抽出し、脱水し(NaSO)、濃縮し、シリカゲル(35:65酢酸エチル−シクロヘキサン)で精製して113(0.97g、90%)を得る。
【0324】
質量スペクトル(ESI) m/z 854.3 [(M+H)]。
【0325】
段階15.k:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.114)の調製
炭酸セシウム(CsCO)(0.583g、1.6モル当量)、次いでトリクロロアセトニトリル(CClCN)(0.56ml、5.0モル当量)を、化合物113(0.95g、1.12mmol)のジクロロメタン(21.2ml)溶液にアルゴン下で添加する。35分間撹拌後、反応混合物をろ過し、次いで濃縮する。残渣をシリカゲル(25:75酢酸エチル−シクロヘキサン)で精製して114(995mg、90%)を得る。
【0326】
質量スペクトル(ESI) m/z 1021.5 [(M+Na)]。
【0327】
調製16:
(ベンジル3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.122)の合成
【0328】
【化36】

【0329】
段階16.a:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−アンヒドロ−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース)(No.115)の調製
化合物114(990mg、0.99mmol)及び化合物8(1.15g、1.7mmol)を方法2によって処理し、精製して化合物115(623mg、42%)を得る。
【0330】
質量スペクトル(ESI) m/z 1533.8 [(M+Na)]。
【0331】
段階16.b:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(1,6−ジ−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノース)(No.116)の調製
化合物115(590mg、0.39mmol)を化合物112の合成の場合と同様に処理し、シリカゲル(7:3シクロヘキサン−酢酸エチル)で精製して116(609mg、97%)を得る。
【0332】
質量スペクトル(ESI) m/z 1636.2 [(M+Na)]。
【0333】
段階16.c:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノース)(No.117)の調製
化合物116(592mg、0.367mmol)を化合物113の合成の場合と同様に処理し、シリカゲル(65:35シクロヘキサン−酢酸エチル)で精製して化合物117(530mg、92%)を得る。
【0334】
質量スペクトル(ESI) m/z 1593.9 [(M+Na)]。
【0335】
段階16.d:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α,β−D−グルコピラノーストリクロロアセトイミダート)(No.118)の調製
化合物117(511mg、0.325mmol)を化合物114の合成と同様に処理し、シリカゲル(7:3シクロヘキサン−酢酸エチル)で精製して118(495mg、89%)を得る。
【0336】
8590Cl25の元素分析計算値:C, 59.49;H, 5.29;N, 5.71。
実測値:C, 59.49;H, 5.50;N, 5.48。
【0337】
段階16.e:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.119)の調製
化合物118(497mg、0.279mmol)及び6(255mg、0.536mmol)を方法2によって処理し、精製して化合物119(375mg、66%)を得る。
【0338】
11111730の元素分析計算値:C, 59.49;H, 5.29;N, 5.71。
実測値:C, 59.49;H, 5.50;N, 5.48。
【0339】
段階16.f:(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(6−O−アセチル−2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.120)の調製
化合物119(180mg、88.7μmol)をピリジン(1.4ml)に溶解し、次いでチオ酢酸(1.4ml、225モル当量)を0℃で添加する。反応媒体を室温で17時間撹拌し、次いで濃縮し、シリカゲル(4:1トルエン−アセトン)で精製して化合物120(153mg、84%)を得る。
【0340】
質量スペクトル(ESI) m/z 2084.8 [(M+Na)]。
【0341】
段階16.g:(ベンジル3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル3−O−ベンジル−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.121)の調製
化合物120(190mg、93.6μmol)を方法3によって処理する。得られたポリオールをジメチルホルムアミド(4.4ml)に溶解し、炭酸水素カリウム(85mg、10モル当量)及び臭化ベンジル(202μl、20モル当量)を0℃で添加する。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでLH−20カラムで精製する。
【0342】
シリカゲル(酢酸エチル−シクロヘキサン2:3)で精製することによって121(108mg、62%(2段階))を得ることができる。
【0343】
質量スペクトル(ESI) m/z 1884.2 [(M+Na)]。
【0344】
段階16.h:(ベンジル3−O−ベンジル−4−O−フェニルプロピル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ベンジル3−O−ベンジル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−((3S,4R,5R)−ジベンジル5−(ベンジルオキシ)−4−オキシピペリジン−1,3−ジカルボキシラート)(No.122)の調製
化合物121(41mg、21.6μmol)を方法4によって処理して化合物122(49mg、99%)を得る。
【0345】
質量スペクトル(ESI) m/z 2301.0 [(M−H)]。
【0346】
以下の実施例は、本発明の化合物の調製を説明するものであるが、本発明を限定するものではない。質量スペクトル及びNMRスペクトルによって、得られる化合物の構造を確認する。
【実施例1】
【0347】
(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号20)の合成
【0348】
【化37】

【0349】
調製3の化合物19(50mg、24.02μmol)を方法5によって処理して化合物20(26mg、72%)を得る。
【0350】
H NMR(DO) δ 5.23(d, H−1 GlcII)、5.13(d, H−1 IdoUAIII)、5.10(d, H−1 IdoUA)、5.09(d, H−1 GlcIV)、3.62、3.04、2.64、2.47(4m, 4H, H−2, H−2’, H−6, H−6’ pip)。
【実施例2】
【0351】
(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号21)の合成
【0352】
【化38】

【0353】
調製12の化合物97を方法5によって処理して化合物21を得る。
【0354】
H NMR(DO) δ 5.21(d, H−1 GlcII)、3.40、3.40、3.40、3.10(4m, 4H, H−2, H−2’, H−6, H−6’ pip)。
【実施例3】
【0355】
(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号22)の合成
【0356】
【化39】

【0357】
化合物22を同様に調製した。
【0358】
H NMR(DO) δ 5.19(d, H−1 GlcII)、5.15(d, H−1 IdoUAIII)、3.27、3.23、3.09、2.89(4m, 4H, H−2, H−2’, H−6, H−6’ pip)。
【実施例4】
【0359】
(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号23)の合成
【0360】
【化40】

【0361】
化合物23を同様に調製した。
【0362】
H NMR(DO) δ 5.26(d, H−1 GlcII)、5.14(d, H−1 IdoUAIII)、5.09(d, H−1 GlcIV)。
【実施例5】
【0363】
(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号27)の合成
【0364】
【化41】

【0365】
調製4の化合物26(7.0mg、3.28μmol)を方法5によって処理して化合物27(2.9mg、55%)を得る。
【0366】
H NMR(DO) δ 5.53(d, H−1 GlcII)、5.44(d, H−1 GlcIV)、5.23(d, H−1 IdoUAIII)、5.21(d, H−1 IdoUA)、3.09、3.07、2.58、2.44、(4m, 4H, H−2, H−2’, H−6, H−6’ pip)。
【実施例6】
【0367】
(3−O−メチル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−メチル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号47)の合成
【0368】
【化42】

【0369】
調製6の化合物46を方法5によって処理し、精製して化合物47(5mg、57%)を得る。
【0370】
質量スペクトル(ESI) m/z 1650.9 [(M−Na+H)]。
【実施例7】
【0371】
(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号69)の合成
【0372】
【化43】

【0373】
調製9の粗製化合物68を方法5によって処理して69(3.8mg、25%、2段階)を得る。
【0374】
H NMR(DO) δ 5.62(d, H−1 GlcIV)、5.52(d, H−1 GlcII)、5.21(d, H−1 IdoUA)、4.99(d, H−1 IdoUAIII)。
【実施例8】
【0375】
(4−O−プロピル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号74)の合成
【0376】
【化44】

【0377】
調製10の粗製化合物73を方法5によって処理して74(6.0mg、62%、2段階)を得る。
【0378】
H NMR(DO) δ 5.68(d, H−1 GlcIV)、5.55(d, H−1 GlcII)、5.21(d, H−1 IdoUA)、5.18(d, H−1 IdoUAIII)。
【実施例9】
【0379】
メチル(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−1−イル−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2,4−ジデオキシ−4−メチル−3,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ナトリウム2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシド)(化合物番号90)の合成
【0380】
【化45】

【0381】
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(4.4mg、2.4モル当量)を調製11の化合物89(24mg、26.9μmol)と実施例3の化合物22(61mg、1.9モル当量)のリン酸緩衝液(pH7)の溶液に0℃で添加する。0℃で8時間撹拌後、反応媒体を室温で16時間放置し、次いでSephadex(登録商標)G−25ゲルカラムを用いて0.2M塩化ナトリウムで溶出させ、続いて同じSephadex(登録商標)G−25カラムを用いて水で溶出させて連続精製して化合物90(17mg、31%)を得る。
【0382】
質量スペクトル(ESI) m/z 2029.3 [(M+H−Na)]。
【実施例10】
【0383】
メチル(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−1−イル−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2,4−ジデオキシ−4−メチル−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ナトリウム2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシド)(化合物番号91)の合成
【0384】
【化46】

【0385】
化合物91を同様に調製した。
【0386】
質量スペクトル(ESI) m/z 1927.1 [(M+H−Na)]。
【実施例11】
【0387】
メチル(5−(ヒドロキシ−4−オキシピペリジン−1−イル−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2,4−ジデオキシ−4−メチル−3,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(ナトリウム2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシド)(化合物番号92)の合成
【0388】
【化47】

【0389】
化合物92を同様に調製した。
【0390】
質量スペクトル(ESI) m/z 1321.1 [(M+H−Na)]。
【実施例12】
【0391】
(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ−4−オキシピペリジン−1−メチル−3−ナトリウムのカルボキシラート(3S,4R,5R))(化合物番号98)の調製
【0392】
【化48】

【0393】
調製12の化合物97(20mg、21.3μmol)を3:1:1メタノール−酢酸−水混合物中、水素気流下、方法5によって処理して化合物98(6.0mg、57%)を得る。
【0394】
質量スペクトル(ESI) m/z 456.8 [(M−H)]。
【実施例13】
【0395】
(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1,4)−(5−(ヒドロキシ)−3−ヒドロキシメチル−4−オキシピペリジン−(3R,4R,5R))(化合物番号123)の合成
【0396】
【化49】

【0397】
化合物104(41mg、19μmol)を方法5によって処理して化合物123(10.7mg、38%)を得る。
【0398】
H NMR(DO) δ 5.28(d, H−1 GlcII)、5.20(d, H−1 IdoUAIII)、5.17(d, H−1 IdoUA)、5.15(d, H−1 GlcIV)、3.21、3.19、2.68、2.59(4m, 4H, H−2, E−2’, H−6, H−6’ pip)。
【実施例14】
【0399】
(4−O−フェニルプロピル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−ナトリウムのイドピラノシルウロナート)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1,4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−ナトリウムのカルボキシラート(3R,4R,5R))(化合物番号124)の合成
【0400】
【化50】

【0401】
化合物122を方法5によって処理して化合物124を得る。
【0402】
H NMR(DO) δ 5.28(d, H−1 GlcII)、5.21(d, H−1 IdoUA)、5.16(d, H−1 IdoUAIII)、5.16(d, H−1 GlcIV)、3.23、3.20、2.93、2.75(4m, 4H, H−2, H−2’, H−6, H−6’ pip)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離型又は薬剤として許容される塩基若しくは酸との塩型及び溶媒和化合物型又は水和物型の一般式(I)の化合物。
【化1】

(式中、
Rは、水素原子、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基又は−O−アラルキル基であり、
Zは、COO基又はヒドロキシル基であり、
Xは、ヒドロキシル基又は式Aの糖単位であり、
【化2】

(式中、
− Rは、アザ糖単位に、又は別の糖単位に、Aを結合させることができる酸素原子であり、
− Rは、−NH基、−NHCO(C−C)アルキル基、−NHCOアリール基、−NHSO基、ヒドロキシル基、−O−(C−C)アルキル基、−O−アラルキル基又は−OSO基であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基又は−O−アラルキル基であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基、−O−アラルキル基又は式Bの糖単位であり、
【化3】

(式中、
− Rは、式Aの別の糖単位にBを結合させることができる酸素原子であり、
− R及びRは上記Rと同じ定義であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基、−O−アラルキル基又は上記式Aの糖単位である。)
− Rは上記Rと同じ定義である。)
Yは、水素原子、(C−C)アルキル基又は式Dの糖単位であり、
【化4】

(式中、
− R10、R12及びR13はそれぞれ上記R、R及びRと同じ定義であり、
− R11は、
・アザ糖単位にDを結合させることができる(C−C)アルキレン基、又は
・別の糖単位にDを結合させることができる酸素原子
であり、
− R14は、−O−(C−C)アルキル基又は式−O−Eの基(式中、Eは次式の基である。)である。)
【化5】

(式中、
− R15は、−O−(C−C)アルキル基、−O−アラルキル基又は式Dの糖単位(式中、R11は酸素原子である。)であり、
− R16及びR17は上記Rと同じ定義である。)
ただし、X及びRが各々ヒドロキシル基であるときにはYは水素原子ではなく、また、式(I)の化合物を構成する糖単位の数は1から10であると理解される。)
【請求項2】
遊離型又は薬剤として許容される塩基若しくは酸との塩型及び溶媒和化合物型又は水和物型の一般式(I)の請求項1に記載の化合物。
【化6】

(式中、
Rは、水素原子、ヒドロキシル基、−OSO基、−O−(C−C)アルキル基又は−O−アラルキル基であり、
Zは、COO基又はヒドロキシル基であり、
Xは、ヒドロキシル基又は式Aの糖単位であり、
【化7】

(式中、
− Rは酸素原子であり、
− Rは、−NHCOCH基、−NHSO基、−OSO基であり、
− Rは、ヒドロキシル基又は−O−(C−C)アルキル基であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−O−アラルキル基又は式Bの糖単位であり、
【化8】

(式中、
− Rは酸素原子であり、
− Rは−OSO基であり、
− Rは、ヒドロキシル基、−O−(C−C)アルキル基又は−O−アラルキル基であり、
− Rは、−OSO基、−O−アラルキル基、−O−(C−C)アルキル基又は上記式Aの糖単位である。)
− Rは−OSO基である。)
Yは、水素原子又は式Dの糖単位であり、
【化9】

(式中、
− R10は上記Rと同じ定義であり、
− R12は、ヒドロキシル基又は−OSO基であり、
− R13は−NHSO基であり、
− R11は、アザ糖単位に連結されたメチレン基であり、又はEに連結された酸素原子であり、
− R14 −OCH基又は式−O−Eの基(式中、Eは次式の基である。)である。)
【化10】

(式中、
− R15は、D単位(式中、R11は、EをDに連結することができる酸素原子である。)であり、
− R16は−OSO基であり、
− R17はヒドロキシル基である。)
式(I)の化合物を構成する糖単位の数は2から10と理解される。)
【請求項3】
Yが水素原子であり、ZがCOO基である、請求項1及び2のどちらかに記載の一般式(I)の化合物。
【請求項4】
・(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))
・(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−N−ナトリウムスルホナート−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))
・(3−O−メチル−2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−O−メチル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(3−O−メチル−2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))
・(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2,6)−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))
・(4−O−プロピル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2,6−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))
・(2,4−ジ−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(3−(ヒドロキシ)−5−ヒドロキシメチル−4−オキシピペリジン(3R,4R,5R))
・(4−O−フェニルプロピル−2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(2−O−ナトリウムスルホナート−α−L−イドピラノシルウロナートナトリウム)−(1−4)−(2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ナトリウムスルホナート−α−D−グルコピラノシル)−(1−4)−(5−(ヒドロキシ)−4−オキシピペリジン−3−カルボキシラートナトリウム(3S,4R,5R))
から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
1種類以上の適切な不活性賦形剤と組み合わされていてよい、請求項1から4のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を活性成分として含む、薬剤組成物。
【請求項6】
ヘパラナーゼが関与する疾患の治療に有用である、請求項5に記載の薬剤組成物。
【請求項7】
肺癌、乳癌、前立腺癌、食道癌など高度の血管新生を示す癌腫、結腸癌、胃癌など転移を誘発する癌、黒色腫、神経こう腫、リンパ腫、白血病の治療に有用である、請求項5に記載の薬剤組成物。
【請求項8】
アテローム性動脈硬化症などの循環器疾患、血管形成術後再狭窄、血管内プロテーゼの取り付け後及び/又は大動脈冠動脈バイパス手術後又は他の血管移植後に出現する合併症と関連した疾患、心肥大又は糖尿病性網膜症などの糖尿病の血管合併症の治療に有用である、請求項5に記載の薬剤組成物。
【請求項9】
リウマチ様関節炎、IBDなどの慢性炎症性疾患の治療に有用である、請求項5に記載の薬剤組成物。
【請求項10】
黄斑変性症の治療に有用である、請求項5に記載の薬剤組成物。

【公表番号】特表2008−507496(P2008−507496A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521986(P2007−521986)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001851
【国際公開番号】WO2006/021653
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】