説明

アスピレータおよびそれを用いた車両用空調装置

【課題】二次空気の吸引量を増加させ、性能を向上することができるアスピレータおよびそれを用いた車両用空調装置を提供することを目的とする。
【解決手段】二次空気を吸引するノズル15と、該ノズル15の外周にスクロール形状の空気流路16を形成する本体部17と、該空気流路16に接線方向に連通されている一次空気流入路18と、本体部17の開放端側に接続され、ノズル15の先端部がその喉部位置に配置されているディフューザと、を備え、スクロール形状の空気流路16に連通されている一次空気流入路18の内壁18Aが、ノズル15の中心よりも外側にオフセットされて配設され、一次空気流入路18から取り入れられた一次空気がスクロール形状の空気流路16内に一方向から流入されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置に適用して好適なアスピレータおよびそれを用いた車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置において、車室内温度を検出する温度センサの設置部に車室内空気を導くため、流体を利用してベンチュリ効果により減圧状態を作り出すアスピレータ(Aspirator)が用いられている。アスピレータは、一般に、車室内空気である二次空気を車室内温度センサの設置部に吸引するノズルと、このノズルの外周に該ノズルを取り囲むように空気流路を形成する本体部と、該本体部の空気流路に連通され、空調ユニット側から空気流の一部を流入させる一次空気流入路と、本体部の開放端側に接続され、ノズルの先端がその喉部付近に開口されているディフューザと、を備えた構成とされている。
【0003】
このようなアスピレータとして、二次空気の吸引量を増加するため、二次空気を吸引するノズルの軸心をディフューザの喉部における一次空気の風速分布の最大風速部に合致させるように構成したもの(特許文献1参照)、あるいは一次空気流入路の中心線を本体部の中心軸に対し偏心させて配設した構成となし、一次空気を本体内で旋回流とすることによってディフューザの喉部での風速を増大させ、二次空気の吸引量を増加させるようにしたもの(特許文献2参照)等が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−155227号公報(図1参照)
【特許文献2】特開2005−280433号公報(図3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1により提示されたものは、ディフューザの喉部での一次空気の風速分布が最大となる位置に、二次空気を吸引するノズルの軸心を位置させることによって、アスピレータの性能向上を図っているにすぎず、一次空気のディフューザの喉部での風速を増大化するものではない。従って、性能向上には限界があった。
【0006】
一方、特許文献2に示されたものは、一次空気に旋回流を与えることにより、ディフューザの喉部での風速を増大化しており、その分だけ二次空気の吸引量を増加することができる。しかし、一次空気流入路の中心線を本体部の中心軸に対し偏心させて配設するだけでは、一次空気流入路から本体内に取り入れられた一次空気は、ノズルの周りに形成される円筒状の空気流路に左右から流入されるので、途中で衝突される。このため、十分に旋回流を与えることができず、その効果が半減されるという問題があった。特に、右ハンドル車および左ハンドル車においてアスピレータを共用した場合、一次空気の流入方向違いが生じることから、空気流路での逆流が顕著になる傾向があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、二次空気の吸引量を増加させ、性能を向上することができるアスピレータおよびそれを用いた車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明のアスピレータおよびそれを用いた車両用空調装置は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるアスピレータは、二次空気を吸引するノズルと、該ノズルの外周を包囲するように設けられ、その周りにスクロール形状の空気流路を形成する本体部と、該スクロール形状の空気流路に接線方向に連通されている一次空気流入路と、前記本体部の開放端側に接続され、前記ノズルの先端部がその喉部位置に配置されているディフューザと、を備え、前記スクロール形状の空気流路に連通されている前記一次空気流入路の内壁が、前記ノズルの中心よりも外側にオフセットされて配設され、前記一次空気流入路から取り入れられた一次空気が前記スクロール形状の空気流路内に一方向から流入されるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ノズルの外周に形成されているスクロール形状の空気流路に接線方向に連通されている一次空気流入路の内壁が、二次空気を吸引するノズルの中心よりも外側にオフセットされて配設されており、一次空気流入路から取り入れられた一次空気がスクロール形状の空気流路内に一方向から流入されるように構成されているので、一次空気流入路から本体部内に取り入れられた一次空気流は、ノズルの外周面によって一方向に案内され、スクロール形状の空気流路に沿って旋回流となり、その開放端側からディフューザの喉部に流入し、該喉部でのベンチュリ効果によりノズルを介して二次空気を吸引する。この喉部を経た一次空気はディフューザの内面に沿って流れ、減圧されて外部へと流出される。これにより、スクロール形状の空気流路を経てディフューザの喉部に流入される一次空気の流速を増大し、喉部でのベンチュリ効果を高め、二次空気の吸引量を増加させることができ、アスピレータの性能を向上することができる。
【0010】
さらに、本発明のアスピレータは、上記のアスピレータにおいて、前記本体部には、前記一次空気流入路の内壁から前記ノズルの外周面に延長され、前記スクロール形状の空気流路を仕切るリブが設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、本体部に一次空気流入路の内壁からノズルの外周面に延長され、スクロール形状の空気流路を仕切るリブが設けられているので、一次空気流入路から本体部に取り入れられた一次空気流を、リブを介して全て一方向に案内し、スクロール形状の空気流路内での一次空気の逆流を阻止することができる。このため、スクロール形状の空気流路内で空気流同士が衝突されることがなく、一次空気に対して確実に一方向の旋回流を与えることができ、その流速を増大し、ディフューザでのベンチュリ効果を高め、アスピレータの性能を向上することができる。また、アスピレータを右ハンドル車および左ハンドル車に共用した場合における一次空気流入路からの空気流入方向の違いによる性能差の発生を抑制することができる。
【0012】
さらに、本発明のアスピレータは、上述のいずれかのアスピレータにおいて、前記ディフューザの喉部は、該喉部を形成する曲面の半径が少なくとも4.5mm以上とされていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、ディフューザの喉部を形成する曲面の半径が、少なくとも4.5mm以上とされているので、図6に示されるCFD解析結果からも明らかな通り、温度センサの設置部に吸引される二次空気流の風速を大幅に上昇させ、その風量を増加させることができる。これにより、センサ設置部に対して十分な量の空気を吸引し、流通させることができ、センサによる温度検出精度を高めることができる。
【0014】
さらに、本発明のアスピレータは、上述のいずれかのアスピレータにおいて、前記ディフューザの喉部は、前記ノズルの先端部と、前記喉部を形成する曲面の半径のR止まり位置との間の軸線方向寸法の合計値である軸線方向長さが4〜6mmとされていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、ノズルの先端部が配置されるディフューザの喉部におけるノズルの先端部と、喉部を形成する曲面の半径のR止まり位置との間の軸線方向寸法の合計値である軸線方向長さが、4〜6mmとされているので、図7に示されるCFD解析結果からも明らかな通り、温度センサの設置部に吸引される二次空気流の風速を大幅に上昇させ、その風量を増加することができる。これにより、センサ設置部に対して十分な量の空気を吸引し、流通させることができ、センサによる温度検出精度を高めることができる。
【0016】
さらに、本発明にかかる車両用空調装置は、アスピレータを介して車室内温度センサの設置部に車室内空気を吸引し、該車室内温度センサで検出された車室内温度に基づき車室内を温調する車両用空調装置において、前記アスピレータが請求項1ないし4のいずれかに記載のアスピレータとされ、該アスピレータの前記ノズルに前記車室内温度センサの設置部を経て車室内空気を吸引する空気配管が接続されているとともに、前記一次空気流入路が空調ユニット側の空気流路に連通されていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、車室内温度センサの設置部に対して車室内空気を吸引するアスピレータが、上述のいずれかのアスピレータとされ、該アスピレータのノズルに車室内温度センサの設置部を経て車室内空気を吸引する空気配管が接続されているとともに、一次空気流入路が空調ユニット側の空気流路に連通されているので、アスピレータの性能の向上に伴って車室内温度センサの設置部に吸引される車室内空気(二次空気)の風量を増加し、車室内空気の温度検出精度を高めることができる。このため、空調装置による温調の制御性および応答性を向上することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のアスピレータによると、一次空気流入路から本体部内に取り入れられた一次空気流は、ノズルの外周面によって一方向に案内され、スクロール形状の空気流路に沿って旋回流となり、その開放端側からディフューザの喉部に流入し、該喉部でのベンチュリ効果によりノズルを介して二次空気を吸引する。この喉部を経た一次空気はディフューザの内面に沿って流れ、減圧されて外部へと流出されるため、スクロール形状の空気流路を経てディフューザの喉部に流入される一次空気の流速を増大し、喉部でのベンチュリ効果を高め、二次空気の吸引量を増加させることができ、従って、アスピレータの性能を向上することができる。
【0019】
本発明の車両用空調装置によると、アスピレータの性能の向上に伴って車室内温度センサの設置部に吸引される車室内空気(二次空気)の風量を増加し、車室内空気の温度検出精度を高めることができるため、空調装置による温調の制御性および応答性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るアスピレータを適用した車両用空調装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るアスピレータの縦断面図である。
【図3】図2に示すアスピレータの左側面図である。
【図4】図2に示すアスピレータのa−a断面図である。
【図5】図2に示すアスピレータのディフューザ部分の拡大断面図である。
【図6】図2に示すアスピレータの喉部の半径とセンサ設置部分における風速との関係のCFDの解析図である。
【図7】図2に示すアスピレータの喉部の軸線方向長さとセンサ設置部分における風速との関係のCFDの解析図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の一実施形態について、図1ないし図7を参照して説明する。
図1には、車両用空調装置の概略構成図が示されている。
車両用空調装置1は、内外気切替えダンパ2を介して導入される車外空気(外気)または車室内空気(内気)を空調ユニット(HVACユニット;Heating Ventilation and Air Conditioning Unit)4に圧送するブロアユニット3を備えている。
【0022】
空調ユニット(HVACユニット)4は、ユニットケース5により形成される空気流路6内にエバポレータ7、ヒータコア8およびエアミックスダンパ9等が配設された構成とされており、ブロアユニット3から送られてくる空気をエバポレータ7およびヒータコア8に流通させて温調し、その温調風をユニットケース5の下流側に設けられているデフ吹出し口、フェース吹出し口およびフット吹き出し口等から選択的に車室内へと吹出すことによって、車室内を設定温度に制御する構成とされている。
【0023】
車室内を設定温度に温調するには、車室内の温度を精度よく検出する必要があり、そのため、車室内温度センサ10が設置されているインスツルメントパネル11のセンサ設置部12に対して車室内空気を十分流通させる必要がある。そこで、流体を利用してベンチュリ効果により減圧状態を作り出すアスピレータ(Aspirator)13が使用されている。このアスピレータ13は、空調ユニット4側の適所に設けられ、空気流路6内を流通される空気の一部を取り入れ、それを一次空気としてベンチュリ効果により減圧状態を作り出すことによって、センサ設置部12から空気配管14を通して車室内空気を二次空気として吸引し、センサ設置部12に車室内空気を流通させるように設置されている。
【0024】
次に、アスピレータ13の構成について、図2ないし図5を用いて詳しく説明する。
車室内空気を二次空気として吸引するノズル15は、一端に空気配管14(図1参照)の接続部15Aが設けられており、該接続部15から他端のノズル先端部15Bに向って漸次外径が細くされた筒型形状とされている。このノズル15の外周を取り囲むようにスクロール形状の空気流路16を形成する本体部17がノズル15と一体成形されている。また、この本体部17には、スクロール形状の空気流路16に対して接線方向に連通されている一次空気流入路18が一体に設けられている。
【0025】
一次空気流入路18は、ノズル15の中心軸線Lに対して直交するようにT型配置とされており、その内壁18Aがノズル15の中心軸線Lよりも外側に数ミリ程(例えば、2〜3mm程度)オフセットされた状態で配設されている。また、本体部17には、一次空気流入路18の内壁18Aからノズル15の外周面まで延長され、スクロール形状の空気流路16を仕切るリブ19が一体に設けられている。
【0026】
さらに、本体部17の開放端側には、ディフューザ20が接続されている。ディフューザ20は、ノズル15の先端部15Bが開口する部位に対応して曲面により内径が絞られている喉部20Aを備えており、該喉部20Aから先端にかけては、漸次内径がテーパー状に拡大された形状とされている。このディフューザ20の喉部20Aは、図5に示されるように、半径Rの曲面によって形成されており、その半径Rは、4.5mm以上とされている。
【0027】
また、ノズル15の先端部15Bは、ディフューザ20の半径Rの曲面によって形成されている喉部20Aの軸線方向長さの範囲に配置されている。この喉部20Aの軸線方向長さは、ノズル15の先端部15Bと、半径Rの曲面のR止まり位置R1,R2との間の軸線方向寸法A,Bの合計値A+Bで表すことができ、本実施形態では、この長さA+Bを4〜6mm、好ましくは4.5mmに設定している。
【0028】
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
車両用空調装置1の運転が開始され、ブロアユニット3が回転駆動されると、内外気切替えダンパ2を介して外気または内気のいずれかが車両用空調装置1に導入される。この空気は、ブロアユニット3から下流側の空調ユニット(HVACユニット)4へと圧送され、エバポレータ7、ヒータコア8およびエアミックスダンパ9等を介して設定温度に温調された後、車室内へと吹出される。これによって、車室内が設定温度に温調される。
【0029】
車両用空調装置1は、車室内が設定温度となるように制御されるが、その制御性および応答性を上げるには、車両用空調装置1の性能を高めるだけではなく、車室内温度を精度よく検出しなければならない。車室内温度は、インスツルメントパネル11のセンサ設置部12に設けられている車室内温度センサ10により検出されるようになっており、その検出精度を高めるためには、センサ設置部12に対して十分な量の車室内空気を流通させる必要がある。
【0030】
センサ設置部12に車室内から空気を吸引し、流通させるため、アスピレータ13が用いられている。アスピレータ13には、一次空気流入路18を介して空調ユニット4の空気流路6から空気流の一部が一次空気として取り入れられるようになっている。このアスピレータ13は、本体部17によりノズル15の外周に形成されているスクロール形状の空気流路16に接線方向に連通されている一次空気流入路18の内壁18Aが、二次空気を吸引するノズル15の中心よりも外側にオフセットされて配設されており、一次空気流入路18から取り入れられた一次空気がスクロール形状の空気流路16内に一方向から流入される構成とされている。
【0031】
このため、一次空気流入路18から本体部17内に取り入れられた一次空気流は、ノズル15の外周面によって一方向に案内され、スクロール形状の空気流路16に沿って旋回流となり、その開放端側からディフューザ20の喉部20Aに流入し、該喉部20Aでのベンチュリ効果によりノズル15を介して二次空気を吸引する。この喉部20Aを経た一次空気は、ディフューザ20の内面に沿って流れ、減圧されて外部へと流出される。これによって、スクロール形状の空気流路16を経てディフューザ20の喉部20Aに流入される一次空気の流速を増大し、喉部20Aでのベンチュリ効果を高め、二次空気の吸引量を増加させることができる。
【0032】
その結果、車室内温度センサ10が設置されているセンサ設置部12から空気配管14を介して吸引される車室内空気(二次空気)の風量が増加され、車室内温度センサ10の周りを流通される車室内空気の増やすことができ、車室内温度の検出精度を高めることができる。よって、車両用空調装置1による温調の制御性および応答性を向上することができる。
【0033】
特に、本実施形態のアスピレータ13では、本体部17内に、一次空気流入路18の内壁18Aからノズル15の外周面に延長され、スクロール形状の空気流路16を仕切るリブ19を設けているため、一次空気流入路18から本体部17に取り入れられた一次空気流を、リブ19を介して全て一方向に案内することができる。これにより、スクロール形状の空気流路16内での一次空気の逆流を阻止し、空気流路16内での空気流同士の衝突を防止することができる。
【0034】
従って、一次空気に対して確実に一方向の旋回流を与えることができ、その流速を増大することにより、ディフューザ20でのベンチュリ効果を高め、アスピレータ13の性能を一段と高めることができる。また、上記リブ19により一次空気流を全て一方向に案内することができるため、アスピレータ13を右ハンドル車および左ハンドル車に共用した場合において、一次空気流入路18からの空気流入方向の違いにより性能差が発生するのを抑制することができる。
【0035】
また、上記アスピレータ13では、ディフューザ20の喉部20Aを形成する曲面の半径Rを、少なくとも4.5mm以上としているため、図6に示すCFD(Computational Fluid Dynamics)解析結果からも明らかな通り、車室内温度センサ10の設置部12に吸引される二次空気流の風速を0.9〜1.0m/sに大幅に上昇(CFD結果)させ、その風量を増加させることができる。従って、これによってもセンサ設置部12に対して十分な量の空気を吸引し、流通させることができ、車室内温度センサ10による車室内空気(二次空気)の温度検出精度を高めることができる。
【0036】
同様に、ノズル15の先端部15Bが配置されているディフューザ20の喉部20Aにおけるノズル15の先端部15Bと、喉部20Aを形成する曲面の半径RのR止まり位置R1,R2との間の軸線方向寸法A,Bの合計値(A+B)である軸線方向長さを、4〜6mmに設定しているため、図7に示すCFD解析結果からも明らかな通り、車室内温度センサ10の設置部12に吸引される二次空気流の風速を0.95〜1.05m/sに大幅に上昇(CFD結果)させ、その風量を増加させることができる。従って、これによってもセンサ設置部12に対して十分な量の空気を吸引し、流通させることができ、車室内温度センサ10による車室内空気(二次空気)の温度検出精度を高めることができる。
【0037】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、アスピレータ13を空調ユニット4において、エバポレータ7の上流側に設置した例について説明したが、空気が常時流通される位置であれば、いずれの位置であってもよい。また、車室内温度センサ10の設置位置についても、上記実施形態の位置に限定されるものではない。
【0038】
さらに、上記アスピレータ13では、ノズル15と本体部17および一次空気流入路18とが一体に設けられている例について説明したが、ノズル15、本体部17、一次空気流入路18およびディフューザ20ついては、それぞれ適宜の組み合わせにより一体で構成しても、あるいは別体で構成してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 車両用空調装置
4 空調ユニット
10 車室内温度センサ
12 センサ設置部
13 アスピレータ
14 空気配管
15 ノズル
15B ノズル先端部
16 スクロール形状の空気流路
17 本体部
18 一次空気流入路
18A 一次空気流入路の内壁
19 リブ
20 ディフューザ
20A 喉部
L ノズルの中心軸線
R 喉部の曲面の半径
R1,R2 R止まり
A,B ノズル先端部とR止まり間の軸線方向寸法


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次空気を吸引するノズルと、該ノズルの外周を包囲するように設けられ、その周りにスクロール形状の空気流路を形成する本体部と、該スクロール形状の空気流路に接線方向に連通されている一次空気流入路と、前記本体部の開放端側に接続され、前記ノズルの先端部がその喉部位置に配置されているディフューザと、を備え、
前記スクロール形状の空気流路に連通されている前記一次空気流入路の内壁が、前記ノズルの中心よりも外側にオフセットされて配設され、前記一次空気流入路から取り入れられた一次空気が前記スクロール形状の空気流路内に一方向から流入されるように構成されていることを特徴とするアスピレータ。
【請求項2】
前記本体部には、前記一次空気流入路の内壁から前記ノズルの外周面に延長され、前記スクロール形状の空気流路を仕切るリブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアスピレータ。
【請求項3】
前記ディフューザの喉部は、該喉部を形成する曲面の半径が少なくとも4.5mm以上とされていることを特徴とする請求項1または2に記載のアスピレータ。
【請求項4】
前記ディフューザの喉部は、前記ノズルの先端部と、前記喉部を形成する曲面の半径のR止まり位置との間の軸線方向寸法の合計値である軸線方向長さが4〜6mmとされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアスピレータ。
【請求項5】
アスピレータを介して車室内温度センサの設置部に車室内空気を吸引し、該車室内温度センサで検出された車室内温度に基づき車室内を温調する車両用空調装置において、
前記アスピレータが請求項1ないし4のいずれかに記載のアスピレータとされ、該アスピレータの前記ノズルに前記車室内温度センサの設置部を経て車室内空気を吸引する空気配管が接続されているとともに、前記一次空気流入路が空調ユニット側の空気流路に連通されていることを特徴とする車両用空調装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−6022(P2011−6022A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153751(P2009−153751)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】