説明

アセトアミノフェンの治療効果を改善するためのN−アセチルシステイン組成物および方法

本発明は、アセトアミノフェン:N-アセチルシステインが約1:15〜約1:0.000977のモル比でアセトアミノフェンおよびN-アセチルシステインが組成物中に存在するような単位用量のアセトアミノフェンおよび治療効果を増強する量のN-アセチルシステインを含むアセトアミノフェンの効力を改善するための組成物、および鎮痛や解熱への応用のためのかかる組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
[000 1] 本出願は、米国仮出願番号61/225,679 (2009年7月15日出願) の利益を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の属する技術分野
[000 2] 記載される発明は、標準用量で投与された場合はアセトアミノフェンの治療効果の向上を可能にし、標準用量未満でのアセトアミノフェン用量の投与で、標準アセトアミノフェン用量で得られるのと同等の効力の達成を可能にする、治療効果を高める量のN-アセチルシステインおよび単位用量のアセトアミノフェンを含むアセトアミノフェン製剤の効力を改善するための組成物、および鎮痛および解熱用途のためのかかる組成物の使用に関連する。
【0003】
発明の背景
[000 3] 過去30年間にわたり、さまざまな製剤設計でのアセトアミノフェンは、世界中で売上最大の市販 (OTC) 薬となった。現在、同薬は北米の鎮痛薬市場の35%を占めている (アセトアミノフェンを含有するその他の製剤は除く)。同時期において、アセトアミノフェンの過剰摂取もまた最も一般的な薬物中毒となり、どの薬剤よりも救急外来受診が多い原因となっている。また、米国における肝不全の主要な原因でもあり、三次医療センターのレビューによれば全症例の39%を占めている。これは専門医療サービスの医療制度に対する汚点であり、相当な財政上の問題を抱える。
[000 4] アセトアミノフェンは当初、推奨用量で使用される場合には毒性の危険性を示さないと考えられた。しかしながら、より最近の研究によれば、健康な個人およびグルタチオン (GSH) 枯渇を招く疾患またはその他の症状を持つ人の双方において、推奨用量でも相当の毒性を示している。かかるGSH欠乏症は数多くの病状で報告されている。GSH欠乏症を抱える人々は、推奨用量レベル範囲内でのアセトアミノフェン用量でも、アセトアミノフェン毒性に対するより高いリスクに晒されている可能性がある。
【0004】
アセトアミノフェン毒性およびグルタチオン欠乏症。
[000 5] N-アセチル-パラ-アミノフェノール (「APAP」、「アセトアミノフェン」または「パラセタモール」) は、腹部および十二指腸で迅速に吸収され、摂取から約1〜2時間後にピークレベルに達する。その分布容積は0.9〜1.0 L/kgであり、赤血球に、またわずかだけではあるがタンパク質に結合する。APAP劣化は幾つかの機構により肝臓に発生する。APAPはグルクロン酸化または硫酸化を受けて腎臓で排泄される無毒の親水性代謝産物を形成し、一方でシトクロムP-450経路のCYP2E1、CYP1A2およびCYP3A4サブファミリーは、残りのAPAPをN-アセチル-p-ベンゾキノン-イミン (「NAPQI」) に代謝する。NAPQIは次に、還元型GSHに共役して無毒メルカプツール酸を形成し、また腎臓から排泄される。(図1)。各経路が使用される度合いは、個人の年齢および肝機能異常の存在や度合いを含めて幾つかの因子に依存している。
[000 6] アセトアミノフェン毒性は、3つの解毒経路に過剰な負担がかかり、存在するNAPQIが還元型GSH貯蔵を上回ると進行する。アセトアミノフェンの過剰摂取において、GSH貯蔵が完全に消費されるようになり、NAPQIを解毒する肝臓の能力を圧倒する。残りの非共役NAPQIは次に、肝細胞のタンパク質に結合し、それが小葉中心性肝壊死につながる。さらに、GSH枯渇によって肝細胞 (およびその他の細胞) の感受性がサイトカインによる攻撃に対してより高くなるが、これはNAPQIを解毒する能力の圧倒に続く事象に従って肝臓およびその他で生成されうる。
【0005】
[000 7] 肝臓は、アセトアミノフェンの完全な無毒クリアランスのために還元型でのGSHを必要とする。還元型GSHは、体内の細胞内グルタチオンの大多数に相当する。酸化GSH (GSSG) は、通常の酸化代謝中に生成される。また、GSHへの共役によって解毒される細胞が酸化ストレスまたは外因性毒素の対象となる時にも生成される。GSSGおよびGSH共役は細胞から迅速に放出され、体内から排泄され、比較的少量のGSSGはGSHに再循環される。GSHレベルは一般に、循環赤血球 (または赤血球GSHおよびGSSGとして別途) から還元・抽出されたHPLCまたは質量分析法によりGSH還元合計数として測定される。
[000 8] 還元型GSHの補充には外因性チオール供給が必要であり、これは通常、タンパク質中または別の形におけるシステイン、シスチンまたはメチオニンの摂取によって獲得される。また、NACの摂取によっても獲得できるが、これはアセトアミノフェンの過剰摂取によって生じたGSH欠乏症を治療するために使用され、その理由は肝臓での初回通過代謝中にシステインに迅速に変換されるためである。
【0006】
[000 9] 還元型GSHの貯蔵は、栄養状態、特定の病状の存在、GSHとの共役によって解毒される酸化ストレス因子および分子への暴露に大きく影響される。ウィルス性感染、細菌性感染、および菌性感染、栄養不良、慢性・急性アルコール消費、糖尿病、特定の代謝性疾患、および酸化薬物の消費すべてが、GSHを減少することを示している。表1は、GSH欠乏症が示された疾患のリストだが、すべてを網羅しているわけではない。
【0007】
【表1】



【0008】
[000 11] GSH欠乏症が立証された病状は、アセトアミノフェン毒性が推奨用量レベルまたはそれ以下で立証された病状と似ている。そのため、GSH欠乏症が文書化された病状は、身体をアセトアミノフェン毒性に対するより高い危険に晒す可能性が高く、逆に、アセトアミノフェン消費を理由とするGSHの枯渇によってこれらの病状にかかりやすくなったり悪化する場合がある。
[000 12] アセトアミノフェン毒性は、高い毒性のあるアセトアミノフェン代謝産物であるN-アセチル-p-ベンゾキノン-イミン (NAPQI) の除去によって消費される、主要な細胞内トリペプチドであるグルタチオン (GSH) の合成に必要なシステインを供給するシステインプロドラッグであるN-アセチルシステイン (NAC) の迅速な投与によって治療される (図2および3)。GSHは細胞生存にとって必要不可欠である。GSHは、酸化分子およびその他の毒性分子 (痛みおよび発熱を誘発するサイトカインによる攻撃に反応して生成されるものを含む) に対する細胞代謝および保護において重要な役割を果たす。十分迅速に投与される場合、NACはGSHを完全に回復し、残留毒性は残らない。GSH補充は群を抜いてNAC治療の最も重要な効果であるため、アセトアミノフェンの過剰摂取に対するNAC治療の有益な効果は、アセトアミノフェン毒性の主要な要素としてのGSH枯渇を強く暗示するものである。
【0009】
[000 13] GSHレベルの減少は痛みや発熱の上昇と関連性があり、GSHレベルの上昇は痛みや発熱の減少と関連性があることが知られている。GSHレベルと炎症の兆候 (痛みおよび/または発熱) の間のこの反比例した関係と矛盾することなく、GSHの減少により、そのすべてが痛みおよび発熱の上昇に関与するIL-1、IL-6およびTNFの効果に対して細胞はより高い感受性を持つようになる。そのため、アセトアミノフェンは痛みや発熱を減少するよう直接的に作用するものの、GSHを枯渇するその解毒は薬物の有益な効果を打ち消す傾向がある。また、腸内NACはGSHの回復によってIL-1、IL-6およびTNFのレベルを減少することが知られている。GSHを回復するNACは、発熱および痛みを減少させることが知られている。
[000 14] より高い用量のアセトアミノフェンが消費されるにつれてGSH枯渇はより顕著になるため、アセトアミノフェンの効力は薬物の用量増加に伴い漸増的に減少することが予想されうる。効力が大幅に低下する用量は、薬物が投与される時点での患者のGSHレベルに左右されるため様々である。しかしながら、どのような場合であれ、アセトアミノフェン用量の増加は発熱および痛みの制御に対して収穫逓減(diminishing returns)を生む可能性が高い。
【0010】
[000 15] 米国特許番号6,566,401は、APAPのみと比較した場合のNACと標準単位用量でのアセトアミノフェンの複合製剤は、不注意または意図的な過剰摂取の毒性を低下させ、許容できる範囲内でのアセトアミノフェン用量に関連付けられる毒性を防止する。NACがAPAPの効能に干渉するかどうかは十分研究されていない。
[000 16] APAP毒性を理由とする肝機能異常および急性肝不全の問題は、この人気の高い市販 (OTC) 薬の安全性に関して医師、食品医薬品局、および一般の人々に大きな懸念を提起し、食品医薬品局は一日3本以上のアルコール飲料を消費する人々に対する肝毒性の危険性を含めて、過剰摂取に関する明示的な警告を要求することとなった。授乳中の母親または妊娠におけるアセトアミノフェンの安全性は、知られていない。
【0011】
[000 17] 商標TYLENOL(登録商標) として販売されるアセトアミノフェンに対する米国医師の処方医薬品情報事典プライマリケア・リソースセンター (www.pdr.net、2009年7月11日に閲覧) リストは、アセトアミノフェンに対するFDA一般薬基準から得られる下記の単位用量と一日最大用量を表示している:
【0012】
【表2】

【0013】
[000 18] アセトアミノフェンは、ドロップ (0.8 ml中80 mg)、子供用懸濁液 (160 mg/5 ml)、エクストラストレングス溶液 (500 mg/15 ml)、チュアブル・タイプ (80 mgおよび160 mg)、錠剤、レギュラーストレングス (325 mg)、エクストラストレングス・イージータブレット、ゴータブズ、カプレット、クールカプレット、および急速放出型ジェル (500 mg)、およびカプレットおよびジェル錠剤 (650 mg) を含めて、幾つかの用量形態で市販されている。
[000 19] 意図しないアセトアミノフェンの過剰摂取の最も一般的原因は、(1) 一つ一つがAPAPの最大安全用量を含有することに気付かず対象が数種の製品を服用する。(2) 麻薬乱用の患者が、薬物とAPAPとが組み合わせられていることを認識しない場合が多い。麻薬に対する寛容度が高まるにつれてより高い用量を服用するようになり、その過程で大量のAPAPAを服用することになる。(3) 痛みを抱える対象が痛み緩和のためにますます大量の鎮痛薬を服用し、推奨用量を遥かに超える。APAPは市販されているため、使用者およびアセトアミノフェンを子供や老人に投与する人々は、推奨用量よりも数錠多く服用しても安全だと誤って信じてしまう。(4) 慢性アルコール依存症および慢性的に病気を抱える患者はAPAP 毒性に対してより高い感受性を持つ。偶発的なアセトアミノフェンの過剰摂取の恐れは、特に老人の集団で高い。
【0014】
[000 20] 用量の計算ミスは、不正確な市販医薬品の購買と関連して、子供の年齢および体重の両方に関してよく発生する。病院は、不注意な過剰摂取が子供用製剤の代わりに大人用APAP製剤 (平均で子供用製剤よりも三倍強力) を使用したことが理由である多数の例を報告している。かかる用量の計算ミスは特に、同一世帯に複数の年齢の子供が住む場合によく見られる。
[000 21] APAPとアルコールの有害な組み合わせは慢性アルコール依存症者にも一般的に知られているが、たまにお酒を飲む人々はこの危険を知らない。頭痛、悪心およびめまいなどの二日酔いを緩和するために鎮痛薬を服用するのはよくあることだが、そうすることで肝臓障害を招いたり死亡することさえもある。肝臓はAPAPやアルコールを除去するために同じ生化学的経路を用い、APAPとアルコールが組み合わさると飽和されて、肝臓組織が無防備になる。
[000 22] 1977年以来、数多くの状況において、FDAはアセトアミノフェン過剰摂取を理由とする急性肝不全の証拠の審査、およびAPAP消費にあたっての患者の安全性を高めるための推奨内容の提案を行うために、非処方箋薬諮問委員会を任命した。結果として多数のラベル変更が行われた。2002年の委員会会議後、委員会は、APAPの危険から消費者を保護するためにはFDAの措置が必要であることに全会一致で合意した。委員会の調査結果に鑑みて、FDAは2004年1月、APAP毒性の危険に対する一般市民の意識を高めるためのキャンペーンを薬局レベルで開始した。
【0015】
[000 23] より最近、連邦諮問パネルは、よく使用されるAPAP-麻薬製剤を禁止し、最大許容一日用量と単回APAP用量を低下することでAPAP毒性を理由とする病気や死亡を低減するためにFDAが措置を講じるべきだと推奨した。Tylenol(登録商標)のメーカーであるジョンソン・エンド・ジョンソンが「強く反対する」このパネルによる推奨は、不注意および意図的なAMPの過剰摂取を理由とする一年当たりの死亡件数400件および一年当たりの入院件数42,000件という、米国で年次報告される死亡率や罹患率に基づく。パネルの推奨は、APAPの使用に関する明らかな理念の変化を示すものである。
[000 24] 医師、アセトアミノフェンメーカーおよび一般の人々は、許容されるアセトアミノフェン用量の低下によって、痛みと熱の緩和を必要とする患者から、そうした重要な緩和が取り除かれてしまうことを懸念している。例えば、高熱を出している子供を治療する医師は、現在許容されている投与量によって治療の選択肢が限られていると感じることが多々ある。このような低下はこのような場合における治療をさらに限定するであろう。同様に、重度の痛みに対する治療は、毒性を起こすことなく処方または推奨されうる最大投与量のアセトアミノフェンによって限定されうる。
[000 25] 記載される発明はこの問題に対処している。本発明は、(1) 記載される組成物における最大一日用量のアセトアミノフェンは、最大一日用量のアセトアミノフェンのみの場合より少量であるが、一日最大用量のアセトアミノフェンのみを含む組成物と治療上同じ効果を持つ、または (2) 一日最大用量の記載される組成物は単位用量のアセトアミノフェンのみと同等だが、組成物はアセトアミノフェンのみの場合よりも治療上より高い活性を持つ、アセトアミノフェンおよびN-アセチルシステインを含む任意の用量のアセトアミノフェンの治療効果を改善する組成物について記載している。提案される組成物によって実現されうる利益には、任意の臨床目標を達成するのに必要なアセトアミノフェン量の低下およびアセトアミノフェン用量 (最大許容用量を含むがこれらに限定されない) の効能の上昇を含むがこれらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、アセトアミノフェンの代謝経路を示す。
【図2】図2は、グルタチオンの構造式を示す。
【図3】図3は、NAPQIの構造式を示す。
【図4】図4は、薬物効果の一時的特性および治療域とのその関係を示す。a=効果の発現、b=ピーク効果、c=強度、d=有害反応に対するMEC、e=治療域、f=望ましい反応に対するMEC、およびg=作用期間。
【0017】
要約
[000 30] 一つの態様によれば、記載される発明は、アセトアミノフェン:N-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977でアセトアミノフェンおよびN-アセチルシステインが組成物中に存在し、組成物の治療効果が単位用量のアセトアミノフェンで投与された場合のアセトアミノフェンのみの治療効果よりも高い、(a) 単位用量のアセトアミノフェン、および (b) 治療効果を増強する量のN-アセチルシステインを含むアセトアミノフェンの治療効果を改善するための組成物を提供している。一つの実施形態によれば、アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日である場合に、単位用量のアセトアミノフェンはアセトアミノフェンの標準一日最大用量未満の用量であり、組成物はアセトアミノフェンの標準一日最大用量で投与された場合のアセトアミノフェンの治療効果と同等の治療効果を持つ。他の実施形態によれば、組成物の治療効果は組成物の長期使用中にも維持される。他の実施形態によれば、組成物は経口製剤または非経口製剤である。他の実施形態によれば、非経口 (non-oral) 製剤は局所製剤、非経口 (parenteral) 製剤、口腔製剤、吸入製剤、または直腸製剤から選択される。他の実施形態によれば、経口製剤は溶液、シロップ、エリキシル、懸濁液、乳剤、錠剤、カプセル、徐放性製剤、または粉末から選択される。他の実施形態によれば、錠剤は圧縮錠である。他の実施形態によれば、錠剤はコーティング錠剤である。他の実施形態によれば、錠剤は発泡錠である。
【0018】
[000 31] 他の態様によれば、記載される発明は、(a) アセトアミノフェン:N-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977でアセトアミノフェンおよびN-アセチルシステインが組成物中に存在し、組成物の治療効果が単位用量のアセトアミノフェンで投与された場合のアセトアミノフェンのみの治療効果よりも高い、(i) 単位用量のアセトアミノフェン、および (ii) 治療効果を増強する量のN-アセチルシステインを含む医薬組成物の提供という手順を含む、アセトアミノフェンの治療効果を改善するための方法を提供している。一つの実施形態によれば、アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日である場合に、単位用量のアセトアミノフェンはアセトアミノフェンの標準一日最大用量未満用量であり、組成物はアセトアミノフェンの標準一日最大用量で投与された場合のアセトアミノフェンの治療効果と同等の治療効果を持つ。他の実施形態によれば、組成物の治療効果は組成物の長期使用中にも維持される。他の実施形態によれば、組成物は経口製剤または非経口製剤である。他の実施形態によれば、非経口 (non-oral) 製剤は局所製剤、非経口 (parenteral) 製剤、口腔製剤、吸入製剤、または直腸製剤から選択される。他の実施形態によれば、経口製剤は溶液、シロップ、エリキシル、懸濁液、乳剤、錠剤、カプセル、徐放性製剤、または粉末から選択される。他の実施形態によれば、錠剤は圧縮錠である。他の実施形態によれば、錠剤はコーティング錠剤である。他の実施形態によれば、錠剤は発泡錠である。
【0019】
[000 32] 一つの態様によれば、記載される発明は、(a)アセトアミノフェン:N-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977でアセトアミノフェンおよびN-アセチルシステインが組成物中に存在し、組成物の治療効果が単位用量のアセトアミノフェンで投与された場合のみのアセトアミノフェンの治療効果よりも高い、(i) 単位用量のアセトアミノフェンおよび (ii) 治療効果を増強する量のN-アセチルシステインを含むアセトアミノフェンの治療効果を改善するための組成物を提供している。一つの実施形態によれば、単位用量のアセトアミノフェンは、アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日である場合に、アセトアミノフェンの標準一日最大用量未満の用量であり、組成物はアセトアミノフェンの標準一日最大用量で投与された場合にアセトアミノフェンの治療効果と同等の治療効果を持つ。他の実施形態によれば、組成物の治療効果は組成物の長期使用中にも維持される。他の実施形態によれば、組成物は経口製剤または非経口製剤である。他の実施形態によれば、非経口 (non-oral) 製剤は局所製剤、非経口 (parenteral) 製剤、口腔製剤、吸入製剤、または直腸製剤から選択される。他の実施形態によれば、経口製剤は溶液、シロップ、エリキシル、懸濁液、乳剤、錠剤、カプセル、徐放性製剤、または粉末から選択される。他の実施形態によれば、錠剤は圧縮錠である。他の実施形態によれば、錠剤はコーティング錠剤である。他の実施形態によれば、錠剤は発泡錠である。
【0020】
発明の詳細な説明
[000 33] 記載される発明は、組成物のアセトアミノフェン:N-アセチルシステインの比率が約1:15〜約1:0.000977である、(a) 単位用量のアセトアミノフェン、および (b) N-アセチルシステイン、N-アセチルシステインの医薬用塩、およびN-アセチルシステインの誘導体 (本書以降は総称して「N-アセチルシステイン」と呼ぶ) を含むアセトアミノフェンの治療効果およびその使用方法を改善するための組成物を提供する。記載されるアセトアミノフェン-NAC組成物の治療効果は、アセトアミノフェン-NAC組成物の長期使用中も低下しない。
[000 34] 医薬品の提供または供給を意味する「投与」という用語は、本明細書で使用される場合、生体内投与の他、生体外での組織への直接投与も含む。一般的に組成物は、要望通りに従来型の無毒の製薬上許容できる担体、アジュバント、および賦形剤を含む用量単位の製剤で、経口、口腔、非経口、局所、吸入または吸入 (即ち口または鼻から)、または直腸から全身投与されるか、または注射、植込み (implantation)、移植 (grafting)、局所適用、または非経口を含むがこれらに限定されない手段で局所投与されうる。
[000 35] 「誘導体」という用語は、ある原子を別の原子または原子団で置き換えることで親化合物から生じる化合物を意味する。N-アセチルシステインの誘導体は、N-アセチルシステインと同じアセトアミノフェン効能を改善する作用を持つ。
【0021】
[000 36] 「疾患」または「障害」という用語は、本明細書で使用される場合、健康障害または異常な機能状態を意味する。「症候群」という用語は、本明細書で使用される場合、何らかの疾患または病状を示す兆候のパターンを意味する。「損傷」という用語は、本明細書で使用される場合、物理的または化学的な対外物質または力により生じる身体の構造または機能に対する損傷または危害を意味する。「病状」という用語は、本明細書で使用される場合、様々な健康状態を意味し、根本的な機構または障害、損傷、および健康な組織や臓器の促進から生じる障害または疾患を含むことを意図する。
[000 37] 「用量」および「投与量」という用語は同じ意味で使用され、所定の期間内に一回または分割して服用または塗布される薬物またはその他の治療薬の数量を意味する。
[000 38] 「薬物」という用語は、本明細書で使用される場合、疾患の予防、診断、緩和、治療、または治癒に使用される、食物以外の治療薬または物質を意味する。
[000 39] 本明細書で使用される場合、「製剤」および「組成物」という用語は、同じ意味で使用される。また、「薬物」および「薬剤」という用語も同じ意味で使用され、薬理的活性物質または組成物を意味する。当該技術分野におけるこれらの用語は、製薬分野や医学分野でよく知られている。
【0022】
[000 40] 本明細書で使用される場合、「炎症」という用語は、解毒および修復に関与する細胞が炎症性メディエーターによって損傷部位に集まる感染および損傷に対する生理的反応を意味する。炎症の典型的な兆候は、痛み(疼痛)、高熱 (熱)、赤み (発赤)、腫れ (腫瘍)、および機能低下 (機能喪失) である。組織学的に、炎症には、透過性および血流の増加を伴う細動脈、毛細血管、および静脈の膨張、血漿タンパク質を含む液体の滲出、炎症性病巣への白血球遊走を含めて複雑な一連の事象が伴う。
[000 41] 「急性炎症」という用語は、本明細書で使用される場合、血管および滲出性過程の優位といった典型的な兆候を特徴とする、通常は突然の炎症の発現を意味する。「慢性炎症」という用語は、本明細書で使用される場合、進行が遅い、新しい結合組織の形成を主に特徴とする炎症を意味し、急性型または長期軽度型が継続するもので、通常は永久的な組織損傷を引き起こす。
[000 42] 開始剤に関係なく、急性炎症に伴う生理的変化は、(1) 血流の純増加を招く血管拡張は、急性組織損傷に対する最も早期の生理的反応の一つである、(2) 炎症性刺激に反応して静脈内側を覆う内皮細胞が収縮し、細胞内接合部を広げて溝を生み、血管外からの血漿タンパク質や血液細胞の漏洩を許す血管透過性の上昇を招く、(3) 炎症は炎症部位、特に好中球 (多形核白血球細胞) での白血球の強力な浸潤を特徴とすることが多く、これらの細胞は血管壁でまたは損傷していない組織に毒性物質を放出することで組織損傷を促進する、および (4) 特定の刺激に反応して白血球から放出される発熱物質から生じる発熱という4つの主な特徴をもたらす。
【0023】
[000 43] 炎症過程において、炎症性反応の可溶性炎症性メディエーターは、身体的苦痛の原因となっている薬剤を収容し排除する試みにおいて、全身にわたり細胞成分と共に作用する。「炎症性メディエーター」という用語は、本明細書で使用される場合、炎症過程の分子メディエーターを意味する。これらの可溶性拡散性分子は、組織損傷かつ感染した部位およびより遠方の部位の両方で局所作用する。炎症性メディエーターによっては、炎症過程によって作動したり、一方でその他のものは急性炎症に反応してまたはその他の可溶性炎症性メディエーターにより細胞起源から合成および/または放出される。炎症性反応の炎症性メディエーターの例には、血漿プロテアーゼ、相補体、キニン、凝固タンパク質および線維素溶解タンパク質、脂質メディエーター、プロスタグランジン、ロイコトリエン、血小板活性化因子 (PAF)、ペプチドおよびアミン (ヒスタミン、セロトニン、および神経ペプチドを含むがこれらに限定されない)、炎症性サイトカイン (インターロイキン-1、インターロイキン-4、インターロイキン-6、インターロイキン-8、腫瘍壊死因子 (TNF)、インターフェロンγ、およびインターロイキン12を含むがこれらに限定されない) を含むがこれらに限定されない。
[000 44] 「調節する」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の計量または比率に調節、変更、適合または調整することを意味する。
[000 45] 「対象」または「個人」または「患者」という用語は同じ意味で使用され、記載される発明の薬物組成物または方法から利益を享受しうる哺乳動物を意味する。対象の例にはヒト、およびウマ、ブタ、ウシ、イヌ、ネコ、ウサギ、および水棲哺乳類を含むその他の動物を含む。
【0024】
[000 46] 「それを必要とする対象」は、記載される発明から利益を享受しうる胸焼け防止または鎮痛のために通常アセトアミノフェンのみで治療を受けている対象であり、病因論の不明な急性肝不全を抱える対象、GSH欠乏症に関連付けられる疾患または病状を抱える対象、アセトアミノフェンの血清レベルからは無毒レベルが示唆されるものの酸化ストレスまたはその他の患者の病状面を理由としてAPAP毒性のリスクが増加した対象、特定のウィルス感染を持つ患者、酸化ストレスを起こす中毒作用を生じる薬物量で服用した患者、またはサルファ、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、および抗ウィルス剤といった酸化抗生物質などのシステイン-グルタチオンのレベル低下に関連する対象、酸化ストレス下に置かれた患者、またはアセトアミノフェン毒性に対して通常の患者よりも高い感受性を持たせる重症の病気を持つ患者 (例えば、敗血性ショック、血液分布異常性ショック、出血性ショック、急性呼吸窮迫症候群、臓器不全、および閉鎖性頭部外傷を抱える患者を含むがこれらに限定されない) を含むがこれらに限定されない。
[000 47] 一つ以上の活性薬剤の「治療効果のある量」または「効果量」という用語は、意図される治療の利益を提供するのに十分な量である。投与量レベルは、患者の損傷の種類、年齢、体重、性別、病状、病状の重症度、投与経路および使用される特定の活性薬剤を含めた様々な因子に基づく。そのため、投薬計画は様々に異なるが、標準方法を用いて医師により日常的に決定することができる。
【0025】
[000 48] 「治療効果を増強する量」という用語は、増強された治療効果の望ましい生物学的効果を十分実現するのに必要な量を意味する。
[000 49] 「治療剤」という用語は、本明細書で使用される場合、治療効果を提供する薬物、分子、組成物またはその他の物質を意味する。「活性」という用語は、本明細書で使用される場合、意図される治療効果の原因となる本発明の組成物の成分 (ingredient)、構成生薬 (component) また構成成分(constituent) を意味する。「治療剤」および「活性薬剤」という用語は、本書において同じ意味で使用される。
[000 50] 「治療成分」という用語は、本明細書で使用される場合、母集団のある割合における特定の病気の進行を排除、低下または防止する治療効果のある用量 (即ち投与の用量および頻度) を意味する。一般に使用される治療成分の例は、母集団の50%において特定の病気の兆候について治療効果を持つ特定の投与量における用量を説明するED50である。
[000 51] 「治療効果」という用語は、本明細書で使用される場合、望ましく有益だと判断される治療の結果を意味する。治療効果は、病気の兆候の抑制、低下または排除を直接的または間接的に含みうる。治療効果は、病気の兆候の進行の抑制、低下または排除を直接的または間接的に含みうる。
【0026】
[000 52] 「治療する」または「治療している」という用語は、本明細書で使用される場合、(a) 障害の重症度の低下、(b) 治療対象の障害に特徴的な症状の進行の制限、(c) 治療対象の障害に特徴的な症状の悪化の制限、(d) 過去に障害があった患者における障害再発の制限、および (e) 過去には障害に対して無症候性だった患者における症状再発の限定のうちの一つ以上を達成することを意味する。
[000 53] 一つの態様によれば、記載される発明は、アセトアミノフェン:N-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977でアセトアミノフェンおよびN-アセチルシステインが組成物中に存在し、組成物の治療効果が単位用量のアセトアミノフェンで投与された場合のアセトアミノフェンのみの治療効果よりも高い、(a) 単位用量のアセトアミノフェン、および (b) 治療効果を増強する量のN-アセチルシステインを含むアセトアミノフェンの治療効果を改善するための組成物を提供している。
[000 54] 一つの実施形態によれば、アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日である場合に、(a) における単位用量のアセトアミノフェンはアセトアミノフェンの標準一日最大用量未満の用量であり、組成物は、アセトアミノフェンの標準一日最大用量で投与された場合のアセトアミノフェン単独の治療効果と同等の治療効果を持つ。
【0027】
[000 55] 本明細書で使用される場合、「効力を増強する」という用語は、治療剤の治療効果の改善を意味する。
[000 56] アセトアミノフェンとN-アセチルシステインのモル比は、APAPの分子量151、NACの分子量163を用いて決定される。
[000 57] 一つの実施形態によれば、発明の組成物におけるAPAP:NACのモル比は1:15 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:10 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:5 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:4 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:3 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:2 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:1 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物におけるAPAP:NACのモル比は1:0.5 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:0.25 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:0.125 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:0.625 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:0.03125 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:0.015625 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:0.0078125 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:0.00390625 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:0.001953 (w/w) である。他の実施形態によれば、組成物のAPAP:NACのモル比は1:0.000977 (w/w) である。
【0028】
[000 58] 40 mg APAPとアセトアミノフェン治療効果を増強する量のNACを含む、記載される発明に従った組成物の単位用量の一部の実施形態について、非限定的な例を表2に示す。
【0029】
【表3】

[000 59] 80 mg APAPとアセトアミノフェン治療効果を増強する量のNACを含む、記載される発明に従った組成物の単位用量の一部の実施形態について、非限定的な例を表3に示す。
【0030】
【表4】

[000 61] 325 mg APAPとアセトアミノフェン治療効果を増強する量のNACを含む、記載される発明に従った組成物の単位用量の一部の実施形態について、非限定的な例を表4に示す。
【0031】
【表5】

[000 63] 500 mg APAPとアセトアミノフェン治療効果を増強する量のNACを含む、記載される発明に従った組成物の単位用量の一部の実施形態について、非限定的な例を表5に示す。
【0032】
【表6】

[000 65] 650 mg APAPとアセトアミノフェン治療効果を増強する量のNACを含む、記載される発明に従った組成物の単位用量の一部の実施形態について、非限定的な例を表6に示す。
【0033】
【表7】

【0034】
[000 67] 当業者は、追加のモル比について同様の計算を行うことができる。
[000 68] NACはAPAPの治療効果を改善するため、アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日である場合に、標準一日最大用量で投与された場合のアセトアミノフェンと同一の効力を保ちつつ、また酸化ストレスまたは対象関連のシステイン/グルタチオンレベルの低下を理由とした毒性の危険が生じることなく、APAP:NAC製剤におけるAPAPの一日最大用量はアセトアミノフェンの標準一日最大用量から減少されうる。一つの実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の4000 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、4000 mg未満である。他の実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の3200 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、3200 mg未満である。他の実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の2400 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、2400 mg未満である。他の実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の2000 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、2000 mg未満である。他の実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の1600 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、1600 mg未満である。他の実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の1200 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、1200 mg未満である。他の実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の800 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、800 mg未満である。他の実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の600 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、600 mg未満である。他の実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の400 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、400 mg未満である。他の実施形態によれば、APAPおよびNACを含む組成物中のAPAPの最大許容一日用量は、APAPが標準最大許容用量の200 mgで投与される場合と組成物が同一の治療効果を持つため、200 mg未満である。他の実施形態によれば、記載されるアセトアミノフェン-NAC組成物の治療効果は、アセトアミノフェン-NAC組成物の長期使用中も低下しない。
【0035】
[000 69] 他の態様によれば、記載される発明は、(a) アセトアミノフェン:N-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977でN-アセチルシステインおよびアセトアミノフェンが組成物中に存在し、組成物の治療効果が単位用量のアセトアミノフェンで投与された場合のアセトアミノフェンのみの治療効果よりも高い、(i) 単位用量のアセトアミノフェン、および (ii) 治療効果を増強する量のN-アセチルシステインを含む医薬組成物の提供という手順を含む、アセトアミノフェンの効果を改善するための方法を提供している。方法の一つの実施形態によれば、アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日である場合に、単位用量のアセトアミノフェンはアセトアミノフェンの標準一日最大用量未満の用量であり、組成物はアセトアミノフェンの標準一日最大用量で投与された場合のアセトアミノフェンのみの治療効果と同等の治療効果を持つ。
【0036】
[000 70] 一つの実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、治療効果を増強する量のNACに直接的に比例している。一つの実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、治療効果を増強する量のNACに直線的に比例している。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約1.5倍高い。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約2倍高い。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約3倍高い。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約4倍高い。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約5倍高い。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約6倍高い。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約7倍高い。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約8倍高い。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約9倍高い。他の実施形態によれば、APAP:NAC組成物におけるアセトアミノフェンの治療効果の上昇は、単独で投与される同一のアセトアミノフェン用量の治療効果よりも約10倍高い。
【0037】
[000 71] 他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量よりも約15倍高い。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量よりも約10倍高い。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量よりも約5倍高い。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量よりも約2倍高い。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量と同等である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量の約1/4である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量の約1/8である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量の約1/16である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量の約1/32である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACはアセトアミノフェンの用量の約1/64である。
[000 72] 他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約4000 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約3000 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約2000 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約1000 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約750 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約500 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約450 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約400 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約350 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約300 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約250 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約200 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約150 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約125 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約100 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約75 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約50 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約25 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約10 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約5 mg/日である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量は約1 mg/日である。
【0038】
[000 73] 他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約4000 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約3000 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約2000 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約1000 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約500 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約450 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約400 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約350 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約300 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約250 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約200 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約150 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約125 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約100 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約75 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約50 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約25 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約10 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約5 mg/日である。他の実施形態によれば、治療効果を増強する量のNACは約1 mg/日である。
[000 74] 他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:15である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:10である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:5である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:2である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:1である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.5である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.25である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.125である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.0625である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.03125である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.015625である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.0078125である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.00390625である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.001953125である。他の実施形態によれば、アセトアミノフェンの用量:存在する治療効果を増強する量のNACのモル比は1:0.000977である。
【0039】
[000 75] 従って、記載される発明によって、NACの同時投与で増強された治療効果のアセトアミノフェンが可能となる。さらに、記載されるアセトアミノフェン-NAC組成物の治療効果は、アセトアミノフェン-NAC組成物の長期使用中も低下しない。論理によって限定されることなく、GSHを回復し、発熱および痛みを含むがこれらに限定されない兆候を減少させることのできるNACは、アセトアミノフェンの解熱および鎮痛活性を補足して、補足のないより高い用量アセトアミノフェンで達成されるのと同一の治療効果を達成するために、より低い用量のアセトアミノフェンを使用することができる。この効力の増加は、同時投与されるNACの量に比例する。
[000 76] 他の態様によれば、記載される発明は、(a) アセトアミノフェン:N-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977でN-アセチルシステインおよびアセトアミノフェンが組成物中に存在し、組成物の治療効果が単位用量のアセトアミノフェンで投与された場合のアセトアミノフェンのみの治療効果よりも高い、(i) 単位用量のアセトアミノフェン、および (ii) 治療効果を増強する量のN-アセチルシステインを含む組成物の提供、および (b) それを必要とする対象への組成物の投与という手順を含む、痛みまたは発熱を治療するための方法を提供している。
[000 77] 方法の一つの実施形態によれば、アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日である場合に、単位用量のアセトアミノフェンはアセトアミノフェンの標準一日最大用量未満の用量であり、組成物はアセトアミノフェンの標準一日最大用量で投与された場合のアセトアミノフェンのみの治療効果と同等の治療効果を持つ。
【0040】
[000 78] 参照により本書に組み込まれるグッドマン・ギルマン薬理書 (Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics) 10th Edition, McGraw-Hill (New York) (2001) の第1章に記載される治療効果の決定に対する一般原則について、下記で要約する。
[000 79] 薬物動態の原則は、許容できない悪影響は最低限に抑えた状態で、望ましい程度の治療効果を得るために投薬計画を修正する根拠を提供する。薬物の血漿濃度を測定することができ治療域に関連されうる状況では、投与量変更に対する追加指針を得ることができる。
[000 80] 製剤は、同一の活性成分を含有し、強度または濃度、剤形、および投与経路が同一である場合に、製剤学的同等製剤と考えられる。二種の製剤学的同等製剤の製品は、二種の製品の活性成分のバイオアベイラビリティの比率および程度が適切な試験状況下で有意に違わない場合に、生物学的に同等と考えられる。
【0041】
[000 81] 「治療域」という用語は、許容できない毒性がない状態で治療効果を提供する濃度範囲を意味する。薬物の用量の投与後、その効果は通常、特徴的な時間的パターンを示すが、それを図4に示す。遅延期は、薬物濃度が望ましい効果の最小有効濃度 (「MEC」) を上回る前に現れる。反応の開始後、薬物の吸収・分布が続くにつれて効果の強度が増加する。その強度はピークに達し、その後、薬物消失は、薬物濃度がMEC以下に低下する時に消失する効果強度の低下を招く。従って、薬物の作用期間は濃度がMECを上回る期間によって決定される。治療目標は、最低限の毒性での望ましい反応の治療域内で濃度を獲得・維持することである。望ましい効果についてMECを下回る薬物反応は治療量以下であり、その一方で副作用については、MECを上回る場合には毒性の確率が高まる。薬物用量の増加・低下は、反応曲線を移動したり強度スケールを上下させ、薬物の効果を調節するのに使用される。また用量の増加は薬物の活性期間を長期化させるが、副作用の可能性を高める危険性が伴う。従って、薬物が無毒でない限り、用量の増加は薬物の作用期間を拡大するために有益な戦略ではない。代わりに、治療域内で濃度を維持するために別の用量での薬物が提供されるべきである。一般的に、薬物の治療範囲の下限は、可能な最大治療効果の約半分を生む薬物濃度とおよそ同等と思われ、治療範囲の上限は、せいぜい約5% 〜約10%の患者が毒作用を経験するような治療範囲である。当然ながら、これらの数値には高いばらつきがあり、患者によって、治療範囲を上回る薬物濃度から大きな享受を受けたり、かなり低い数値でも大幅な毒性を経験する場合がある。治療目標は、治療域内で定常状態の薬物レベルを維持することである。大多数の 薬物について、この望ましい範囲に関連付けられる実際の濃度は把握されておらず、また把握される必要もなく、効力および毒性が一般的に濃度依存性であること、薬物用量および投与頻度が薬物レベルにどのように影響を与えるかを理解するだけで十分である。効力や毒性を結果的に生む濃度間での小さな (2〜3倍) の違いが存在する少数の薬物については、有効な治療に関連付けられる血漿濃度範囲が定義されてきた。この場合、目標レベル戦略は妥当なものであり、効力および最低毒性に関連付けられる薬物の望ましい定常状態での目標濃度 (通常は血漿) が選択され、この数値を達成すると予想される用量が計算される。薬物濃度がその後測定され、目標値により近づけるために必要であれば投与量が調整される。
【0042】
[000 82] 大多数の臨床的状況において、薬物は、治療域に関連付けられる薬物の定常状態濃度を保つために、一連の反復用量で、または持続注入として投与される。選択された定常状態または目標濃度 (「維持用量」) を保つために、注入速度が損失速度と同等になるように薬物の投与率が調整される。臨床医が血漿中の薬物の望ましい濃度を選択し、特定の患者におけるその薬物のクリアランスおよびバイオアベイラビリティを把握している場合は、適切な用量および用量間隔を計算することが可能である。
[000 83] 「負荷用量」は、目標濃度を急速に達成する目的で、治療開始時点で提供されることのある一つまたは一連の用量である。治療を受けている病状の時間的需要と比して一定の割合での薬物投与によって定常状態を得るのに必要な時間が長い場合に、負荷用量は望ましい。
[000 84] APAP-NAC 製剤で使用されるべきAPAPおよびNACの正確な用量は、投与経路および疾患または障害の重症度に依存し、開業医および各患者の状況に従って決定されるべきである。例えば、グッドマン・ギルマン薬理書 (Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics) (2001)、処方医薬品情報事典(The Physician's Desk Reference)、Medical Economics Company, Inc.、ニュージャージー州オラデル、1995、およびDrug Facts and Comparisons、Facts and Comparisons, Inc.、ミズーリ州セントルイス、1993を参照のこと。システイン/グルタチオンを消失または酸化ストレスを生成することが知られている治療中の患者は、より高い量のNACから利益を享受する場合がある。当業者であれば、必要以上の実験を必要とすることなく、アセトアミノフェンおよびNACおよび/またはその他の治療剤を含む組成物の有効量を経験則上から決定することができる。一般的に、医学的判断に従った最大安全用量である最大用量を使用することが好ましい。従って、本明細書に記載される組成物について、治療効果のある量は、予備の生体外研究および/または動物モデルから当初決定されうる。治療効果を持つ用量はまた、ヒトのデータから決定されうる。適用される用量は、投与される化合物の相対的バイオアベイラビリティおよび効力に基づき調整されうる。上述の方法に基づき最大効力を達成するための用量の調整およびその他の方法は、該当技術分野ではよく知られており、当業者の能力範囲内である。
【0043】
[000 85] 「最低限に抑える」「低下する」という用語およびその文法的に同等な内容は、任意の対象または対象母集団における一つ以上の薬物有害事象の頻度および/または重症度の低下を意味する。対象母集団は、薬物および/またはその有害事象に晒されているために必要性に迫られているが、一般母集団に比べてその規模が相当に小さいことが理解される。
[000 86] 日常的な血清肝臓化学 (ビリルビン、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ (ALT)、アルカリ性ホスファターゼ) および血清αグルタチオンS-トランスフェラーゼ (aGST) を、肝細胞損傷の尺度として使用することができる。有害事象の頻度および/または重症度の低下を決定するための方法から得られる結果は、対象間および対象内の要因などの変数の影響を受ける場合があることが理解される。しかしながら、研究を実施するために特定の科学的に認められる方法を使用することができ、かかる研究が統計学的に信頼できることもまた、理解されるべきである。かかる方法およびかかる方法の結果の解釈は、当該技術分野でよく知られている。例えば、参照により本書にその全体が組み込まれるRobert R. Sokal & F. James Rohlf, Biometry: The Principles and Practice of Statistics in Biological Research, 2nd ed. (1969) を参照のこと。
NAC包装: 安定性
[000 87] 市販NAC薬は様々に製造・包装されうる。製造および包装方法は一般的に酸化から保護されていないため、NACは生物活性酸化製品によって甚大に汚染される可能性がある。これらは、酸化型のNACがNACについて報告された型とは反対の効果を持ち、NACよりもおよそ10〜100倍低い用量で生物活性があることをデータが示すという点で、特に重要である (Samstrand et al (1999) J. Pharmacol. Exp. Ther. 288: 1174-84を参照)。
【0044】
[000 88] NACのチオールおよびジスルフィドとしての酸化状態の分布は、酸化/還元の電位に依存する。NACチオール/ジスルフィド対について得られた半電池電位は約+63 mVであり、天然化合物における強力な還元活性を示している (Noszal et al. (2000) J. Med. Chem. 43:2176-2182を参照)。
[000 89] そのため、還元型のNACの酸化が最小限に抑えられるように、APAP-NAC製剤が調合・保管されることが望ましい。溶液中にある場合、NAC含有製剤は真空包装された茶色の瓶に保管することができる。一部の実施形態において、保管は冷暗所環境で行われる。一部の実施形態において、固体中のNAC含有製剤は気体下でブリスター包装される。一部の実施形態において、APAP:NAC製剤は錠剤として処方され、錠剤は酸化防止剤を含む。かかる一部の実施形態において、錠剤はコーティングされない。かかる一部の実施形態において、錠剤は、例えば酸素移動または光不安定性を限定するよう作用するコーティングでコーティングされる。他の実施形態によれば、組成物はさらに安定剤を含む。安定剤には、酸化防止剤を含むがこれに限定はされない。かかる薬剤は、例えば酸素移動または光不安定性を阻止するよう作用しうるが、これに限定はされない。
[000 90] サンプル中に存在する還元種および酸化種の決定は、Chassaing et al. (1999) J Chromatogr B Biomed Sci Appl 735(2):219-27に記載される、例えばキャピラリー電気泳動法、HPLCなどで、当該技術分野で知られている様々な方法によって決定されうる。
【0045】
投与
[000 91] 記載される発明の製剤は、経口、局所、非経口、口腔、吸入または吸入 (口または鼻のどちらかを通して)、直腸、または当業者によって知られている任意の方法によって投与されうる。組成物は、溶液、懸濁液、乳剤、錠剤、ピル、カプセル、徐放性製剤、粉末でもよく、または従来型の結合剤やトリグリセリドなどの担体を伴う坐薬として処方されてもよい。
経口送達
[000 92] 記載される発明の組成物は、例えば、錠剤、トローチ、ドロップ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、乳剤、硬性または軟性カプセルまたはシロップまたはエリキシルなどの経口使用に適した形式でもよい。本明細書で使用される場合、「経口」または「経口で」という用語は、下記の一つ以上の身体分野で吸収が発生する口から身体への導入を意味する:口、腹部、小腸、肺 (特に吸入と呼ぶ場合もある)、および舌下の小血管 (特に舌下腺と呼ぶ場合もある)。経口使用のための組成物は、任意の既知の方法に従い調合でき、かかる組成物は、製薬として上品かつ口当たりの良い製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および防腐剤から成る一群より選択される一つ以上の薬剤を含みうる。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒の製薬上許容できる賦形剤との混合において活性成分を含みうる。これらの賦形剤は、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤、例えばでんぷん、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤、および例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤であってもよい。錠剤は、コーティングされてなくても、例えば胃腸管中での崩壊や吸収を遅延させて長期間にわたり持続作用を提供し、酸化または光分解から組成物を保護したり放出制御のために既知の技法によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を使用することができる。
【0046】
[000 93] 記載される発明の組成物はまた、例えば活性成分が炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合される硬性ゼラチンのカプセルとして、または活性成分が水または例えば、落花生油、液体パラフィンまたはオリーブ油などの油媒体と混合される軟性ゼラチンカプセルとして経口使用のために処方されうる。
[000 94] 記載される発明の組成物は、その活性成分が水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合である、水性懸濁液としても処方されうる。かかる賦形剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカント・ゴム、およびアカシアガムなどの懸濁化剤であり、分散剤または湿潤剤は、レシチンなどの自然発生的フォスファチドでも、または例えばステアリン酸ポリオキシエチレンなどの脂肪酸を伴うアルキレンオキシドの凝縮製品、または例えばヘプタデカエチル-エネオキシセタノールなどの長鎖脂肪族アルコールを伴うエチレンオキシドの凝縮製品、または脂肪酸から由来する部分エステルおよびポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸モノエステルなどのヘキシトールを伴うエチレンオキシドの凝縮製品、または例えばポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸モノエステルなどの脂肪酸から由来する部分エステルおよびヘキシトール無水物を伴うエチレンオキシドの凝縮製品でもよい。水性懸濁液はまた、一つ以上の着色剤、一つ以上の香味剤、および蔗糖またはサッカリンなどの一つ以上の甘味剤を含みうる。
【0047】
[000 95] 記載される発明の組成物は、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油などの植物油、または液体パラフィンなどの鉱油中に活性成分を懸濁させることで、油性懸濁液として処方されうる。油性懸濁液は、例えば蜜蝋、硬性パラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤を含んでもよい。上述の甘味剤や、口当たりの良い経口製剤を提供するための香味剤を追加してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の追加によって保護されうる。
[000 96] 記載される発明の組成物は、水の追加による水性懸濁液の調合に適した、分散性粉末および顆粒という形態でも処方されうる。かかる粉末および顆粒における活性成分は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および一つ以上の防腐剤と混合で提供される。適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、すでに上述したもので具現化される。追加的な賦形剤、または例えば甘味剤、香味剤および着色剤も存在しうる。
[000 97] 発明の組成物はまた、乳剤の形態でもよい。乳剤は、二種の不混和液体担体を組み合わせて調合される二相系であり、その一つは他方全体に均一に分布され、最大コロイド粒子の直径に等しいかより大きい小球から成る。小球の大きさは非常に重要であり、系が最大安定性を達成するような大きさでなければならない。通常、二相の分離は、第三の物質である乳化剤が組み入れられるまで発生しない。そのため、基本的な乳剤は、二種の不混和液体担体と乳化剤という少なくとも三種の成分に加えて、活性成分を含む。大多数の乳剤は、水相を非水相に組み入れている (またはその反対)。しかしながら、例えば、非水性の不混和系システムのグリセリンおよびオリーブ油などの陰イオンおよび陽イオン界面活性剤など、基本的に非水性である乳剤を調合することも可能である。そのため、発明の組成物はまた、水中油型乳剤の形態でもよい。油相は、例えばオリーブ油またはラッカセイ油などの植物油、または例えば液体パラフィンなどの鉱油、またはその混合物でもよい。適した乳化剤は、例えばアカシアガムまたはトラガカント・ゴムなどの天然発生ガム、例えば大豆などの天然発生フォスファチド、レシチン、および例えばソルビタンオレイン酸モノエステルなどの脂肪酸およびヘキシトール無水物から由来するエステルまたは部分エステル、および例えばポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸モノエステルなどのエチレンオキシドを伴う部分エステルの凝縮製品でもよい。乳剤はまた、甘味剤および香味剤を含んでもよい。
【0048】
[000 98] 発明の組成物はまた、シロップおよびエリキシルとして処方されうる。シロップおよびエリキシルは、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたは蔗糖などの甘味剤で処方されうる。かかる製剤はまた、鎮痛薬、防腐剤、および香味剤および着色剤を含んでもよい。鎮痛薬は炎症、特に粘膜または擦過組織を緩和させるために主に使用される保護剤である。多数の化学物質が、鎮痛特性を持つ。これらの物質には、アルギン酸、粘液、ガム、デキストリン、でんぷん、一部の砂糖、および高分子多価グリコールを含む。他には、アカシア、寒天、ベンゾイン、カルボマー、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチル・セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、ヒドロゲルおよび同類のものを含む。
[000 99] 口腔投与について、記載される発明の組成物は従来の方法で処方される錠剤またはドロップの形態をとってもよい。
[000 100] 一般には、湿式造粒法、乾式造粒法および直接圧縮という錠剤を調合する3つの方法が存在する。調合方法および追加成分は、調剤製剤に望ましい物理的特性を提供するために選択され、錠剤の迅速な圧縮を可能にする。圧縮後、錠剤は外見、硬性、崩壊能力、適切な溶解特性、および均一性といった多数の追加特性を持たなければならないが、これは調合方法および製剤に存在する追加物質の両方の影響を受ける。
【0049】
[000 101] 他の実施形態によれば、錠剤は圧縮錠 (CT) である。圧縮錠は圧力によって形成された固体剤形であり、特殊なコーティングは含まない。一般的に、粉末、結晶性、または顆粒状物質から単独で製造されるか、結合剤、崩壊剤、放出制御ポリマー、潤滑剤、希釈剤 および着色剤との組み合わせで製造される。
[000 102] 他の実施形態によれば、錠剤は糖衣錠である。これらは、糖衣を含む圧縮錠である。かかるコーティングは着色でき、好ましくない味または匂いを持つ製剤原料を被覆したり、酸化に対する感受性を持つ物質を保護する上で有益である。
[000 103] 他の実施形態によれば、錠剤はフィルムコート錠剤である。これらの圧縮錠は、水溶性物質の薄層または膜で被覆されている。膜形成特性を持つ多数の高分子物質を使用することができる。
[000 104] 他の実施形態によれば、錠剤は腸溶性錠剤である。これらの圧縮錠は胃液での溶解には抵抗するが胃腸で分解する物質でコーティングされている。
[000 105] 他の実施形態によれば、錠剤は多層圧縮錠である。これらの錠剤は、一つの圧縮サイクルから製造されうる。多層錠は、前に圧縮された顆粒にさらに錠剤用顆粒を圧縮させることで調合される。2〜3層の多層を持つ錠剤が生まれるように作業が反復されうる。プレスコーティング錠剤 (有核) は、前に圧縮された錠剤を特殊な打錠機にかけ、あらかじめ形成された錠剤の周りに別の顆粒層を圧縮させる。
【0050】
[000 106] 他の実施形態によれば、錠剤は放出制御錠剤である。圧縮錠は、長期間にわたり薬物が徐放的に放出されるように処方できる。そのため、これらの剤形は持効性放出または徐放性剤形と呼ばれてきた。
[000 107] 他の実施形態によれば、錠剤は溶液用錠剤である。これらの圧縮錠は、溶液を調合するか、任意の特性を溶液に与えるために使用できる。
[000 108] 一部のかかる実施形態によれば、錠剤は発泡錠である。薬物に加え、これらの錠剤は重炭酸ナトリウムおよび酒石酸またはクエン酸などの有機酸を含む。水の存在下でこれらの添加剤が反応し、粉砕機として作用する二酸化炭素が解放されて発泡性が生まれる。
[000 109] 他の実施形態によれば、錠剤は圧縮坐薬またはインサートである。
[000 110] 他の実施形態によれば、錠剤は口腔および/または舌下錠剤である。これらは口腔投与を意図した小型で平らな楕円形錠剤であり、頬袋に挿入することでゆっくりと溶解または侵食されうる。
【0051】
[000 111] 他の実施形態によれば、錠剤は成形錠剤または湿製錠剤である。
[000 112] 一部の実施形態において、錠剤は、記載される製剤の少なくとも一つの成分を含む圧縮核および膜形成組成物を含む。膜形成組成物を含む製剤は当業者に知られている (例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th Ed.、2000を参照)。かかる膜形成組成物には、例えば、セルロース エステル、セルロースエーテル、およびセルロースエステル-エーテルポリマーを含むがこれらに限定されないポリマー、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシドなどの両親媒性トリブロック共重合体界面活性剤、および核上に膜を形成するアセトンなどの溶媒を含みうる。圧縮核は、薬物層と圧力層を含めた二層核を含みうる。
【0052】
非経口 (non-oral) 送達
[000 113] 「非経口投与」という用語は、固体または液体の経口剤形で提供されない組成物の投与方法を示し、ここでかかる固体または液体の経口剤形は口および/または口腔を超えて胃腸管に薬物を実質的に放出および/または送達することを従来から意図している。かかる固体剤形には、口または口腔で薬物を実質的に放出しない従来型の錠剤、カプセル、カプレットなどを含む。溶液、懸濁液、乳剤などの多くの経口液体剤形、および一部の経口固体剤形は、これらの製剤の嚥下中に口または口腔に薬物の一部を放出しうることが理解される。しかしながら、口および口腔からの移動時間が非常に短いことから、これらの製剤から口または口腔への薬物の放出は最小またはごくわずかだと考えられる。従って、「非経口 (non-oral)」という用語には、非経口 (parenteral)、経皮、吸入、移植、および膣または直腸向けの製剤および投与を含むことが理解される。さらに、移植製剤は、移植の物理的場所に関係なく「非経口」という用語に含まれるものとする。特に、胃腸管に移植および保持されるよう特別設計された移植製剤が知られている。また、かかる移植は非経口送達製剤と考えられ、それゆえ「非経口」という用語に含まれる。
【0053】
[000 114] 直腸送達
[000 115] 記載される発明の組成物は、子供の発熱の治療用など、組成物の直腸投与用坐薬という形態であってもよい。「直腸」または「直腸に」という言葉は、本明細書で使用される場合、直腸壁を通して吸収が生じる直腸から身体に導入されることを意味する。これらの組成物は、常温では固体だが直腸温度では液体となることで直腸で融解して薬物を放出する、ココアバターおよびポリオキシエチレングリコールなどの適した刺激性の少ない賦形剤を薬物に混合することで調合されうる。坐薬として処方された場合、発明の組成物はトリグリセリドなどの従来型の結合剤および担体で処方されうる。
非経口 (parenteral) 送達
[000 116] 記載される発明の組成物は、滅菌された注射用水性または油性懸濁液という形態であってもよい。「非経口 (parenteral)」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、皮下 (即ち皮膚下への注射)、筋肉内 (即ち筋肉内注射)、静脈内 (即ち静脈への注射)、髄腔内 (即ち脊髄周辺の空間への注射)、胸骨内注射、または点滴技法などを含めて、注射 (即ち注射による投与) という方法で身体に導入されることを意味する。記載される発明の組成物の非経口での投与は、例えば外科用縫合針などの縫合針を用いて送達される。「外科用縫合針」という用語は、本明細書で使用される場合、液体での (即ち流れる能力がある) 記載される発明の組成物の選ばれた生体構造への送達に適合された縫合針を意味する。滅菌注射用水性または油性懸濁液などの注射用製剤は、適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて既知の方法に従い処方されうる。
【0054】
[000 117] 滅菌注射用製剤はまた、例えば1,3-ブタンジオール溶液などの非経口の許容できる無毒の希釈剤または溶媒中の滅菌された注射用溶液または懸濁液でもありうる。溶液は一般的に、二つ以上の物質の均一混合物として考えられ、必然ではないが液体である場合が多い。溶液中では、溶質 (または溶解物質) の分子が溶媒の分子間に均一に分布されている。懸濁液は、微粉化した種が別の種と組み合わされ、前者があまりにも微粉化されて混合されるために迅速に沈降しない分散 (混合物) である。毎日の生活において、最も一般的な懸濁液は液体水中の固体である。使用できる許容できる賦形剤および溶媒には、水、リンガー溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、滅菌された固定油を溶媒または懸濁媒体として従来通り使用することもできる。非経口適用については、特に適した賦形剤は溶液、望ましくは油性溶液または水溶液の他、懸濁液、乳剤、または移植物から成る。水性懸濁液は、懸濁液の粘度を高める物質を含むことができ、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストランを含む。随意に、懸濁液はまた安定化剤を含む。
【0055】
吸入または吸入による送達
[000 118] 記載される発明の組成物は、吸入または吸入 (口または鼻から) による送達用に分散性乾燥粉末の形態であってもよい。乾燥粉末の組成物は、国際特許公開番号WO 91/16038および米国特許番号6,921,527で開示される凍結乾燥およびジェットミルなど当該技術分野で知られている過程によって調合でき、その開示を参照により本書に組み込む。記載される発明の組成物は、対象に単位用量治療を十分提供できる量で適した投薬容器内に配置される。投薬容器は、エアロゾルを形成し、次にそのように形成されたエアロゾルを、治療を必要とする対象によるその後の吸入ができるように取り付けられたマウスピースを持つチャンバーに取り込んで、ガス流への分散による乾燥粉末組成物のエアロゾル化ができるように適した吸入装置内に適合するものである。かかる投薬容器には、乾燥粉末組成物を分散させるための容器にガス流 (例:空気) を向けることができる可動部分を持つ、ゼラチンまたはプラスチック製のカプセルなどの該当技術分野で知られている組成物を囲む容器を含む。かかる容器は、米国特許番号4,227,522、米国特許番号4,192,309および米国特許番号4,105,027に示す容器で具現化される。また、適した容器には、GlaxoのVentolin(登録商標) Rotohalerブランドの粉末吸入器またはFisonのSpinhaler(登録商標)ブランドの粉末吸入器と併用されるものも含む。優れた防湿層を提供するその他の適した単位用量容器は、アルミホイルプラスチック製ラミネートから形成される。薬剤ベースの粉末は体重または容積単位で成形性のホイルの窪みに充填され、それを覆うホイルプラスチック製ラミネートで密閉される。粉末吸入装置と併用するかかる容器は、米国特許番号4,778,054で記載され、GlaxoのDiskhaler(登録商標) (米国特許番号4,627,432、4,811,731および5,035,237) と併用されている。これらすべてを、参照により本書に組み込む。
【0056】
局所送達
[000 119] 「局所」という用語は、適用部位またはその直ぐ下への発明の組成物の投与を意味する。「局所適用」という用語は、上皮表面を含む一つ以上の表面への適用を説明している。経皮投与とは対照的に局所投与は、別途説明または暗示されない限り、本明細書で使用される場合は一般的に全身効果ではなく局所効果を提供するものの、局所投与および経皮投与という用語は同じ意味で使用される。この適用の目的上、局所適用にはマウスウォッシュおよびうがい薬も含めるものとする。
[000 120] 局所投与はまた、当該技術分野で知られている技法および手順に従い調合される経皮パッチまたはイオン導入装置などの経皮投与の使用が伴う場合がある。「経皮送達システム」、「経皮パッチ」または「パッチ」という用語は、全身循環による分布に使用できるよう剤形から皮膚を通して送られる持効性用量の薬物を送達するために皮膚に配置される接着システムを意味する。経皮パッチは、乗り物酔い用のスコポラミン、狭心症治療用のニトログリセリン、高血圧用のクロニジン、更年期後の適応症用のエストラジオール、および禁煙用のニコチンを含むがこれらに限定されない、幅広い製剤の送達に使用される広く認められた技術である。
【0057】
[000 121] 記載される発明における使用に適したパッチには、(1) マトリックス型パッチ、(2) 保持型パッチ、(3) マルチラミネート薬剤接着パッチ、および (4) モノリシック薬剤接着パッチを含むがこれらに限定はされず、TRANSDERMAL AND TOPICAL DRUG DELIVERY SYSTEMS, pp. 249-297 (Tapash K. Ghosh et al. eds., 1997) を本書によって参照により本書に組み込む。これらのパッチは該当技術分野でよく知られており、市販されている。
【0058】
追加成分
[000 122] 記載される発明の組成物はさらに、従来型の賦形剤、即ち、活性化合物と有害に反応しない非経口適用に適した製薬上許容できる有機または無機の担体材料を含みうる。適した製薬上許容できる担体には、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリオキシエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペトロエスラル脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどを含むがこれらに限定されない。医薬品は滅菌でき、希望する場合には、浸透圧、緩衝液、着色剤、香味剤および/または芳香剤および活性化合物と有害に反応しない同類のものに影響を及ぼすために、補助剤 (例えば潤滑剤、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、塩) と混合されうる。非経口適用については、適した賦形剤は油性溶液または水溶液などの溶液の他、懸濁液、乳剤、または移植物から成る。水性懸濁液は、懸濁液の粘度を高める物質を含むことができ、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストランを含むがこれらに限定されない。随意で、懸濁液はまた安定化剤を含みうる。
[000 123] 希望する場合、組成物はまた、少量の湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝剤を含みうる。経口製剤には、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、サッカリン・ナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準担体を含みうる。
【0059】
[000 124] 「製薬上許容できる担体」という用語は、本明細書で使用される場合、活性成分が引き続き安定し体内に吸収・利用されうる薬剤の投与に従来から有益である実質的に無毒な担体を意味する。一部の実施形態において、記載される発明の組成物の製薬上許容できる担体は、徐放性または遅延放出性の担体などの離型剤を含む。かかる実施形態において、担体は、より効果的な投与を提供して活性成分の頻度の低下および/または用量減量、取り扱いの簡便化、および効果の延長または遅延につながる活性成分の徐放放出または遅延放出が可能な任意の物質でありうる。かかる担体の非限定的な例には、天然および合成ポリマーのリポソーム、マイクロスポンジ、ミクロスフェア、またはマイクロカプセルおよび同類のものを含む。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成されうる。
[000 125] 記載される発明の追加的な組成物は、Mack Publishing Company (ペンシルバニア州イーストン) 出版のRemington's Pharmaceutical Sciences第18版または19版で説明される内容など該当技術分野でよく知られている技術を用いてすぐに調合でき、同書を参照により本書に組み込む。
【0060】
[000 126] 治療活性薬剤は、塩自体または塩の形態で処方されうる。「製薬上許容できる塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内において、不当な毒性、炎症、アレルギー反応および同類のものがない形でヒトおよび下等動物の組織と接触する使用に適しており、妥当なリスク対効果比に相応する塩を意味する。製薬上許容できる塩は、当該技術分野でよく知られている。例えば、P. H. Stahl, et al. は、「Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use」(Wiley V C H、スイス・チューリヒ: 2002年) で製薬上許容できる塩の詳細を説明している。製薬上許容できる塩には、塩酸、リン酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来する遊離型アミノ基を用いて形成されたもの、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来する遊離型カルボキシル基を用いて形成されたものを含むがこれらに限定されない。薬剤に使用される場合、塩は製薬上許容できるべきだが、製薬上許容できる塩ではない塩もその製薬上許容できる塩を調合するために便利に使用できる。かかるその他の塩には、下記の酸から調合されるものを含むがこれらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン-2-スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸。また、かかる塩は、ナトリウム、カリウムまたはカルボン酸基のカルシウム塩などのアルカリ金属またはアルカリ土類塩として調合されうる。塩は、本発明内で記載される化合物の最終分離および精製中にin situで、または適した有機酸と遊離塩基機能を反応させることで別々に調合されうる。代表的な酸付加塩には、酢酸、アジピン酸、アルギン酸、クエン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、重硫酸、酪酸、樟脳酸塩、カンファースルホン酸ナトリウム、ジグルコン酸、グリセロリン酸、ヘミ硫酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、フマル酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸 (イセチオン酸)、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ニコチン酸、2-ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パモ酸、ペクチン酸、過硫酸、3-フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、リン酸、グルタミン酸、重炭酸、p-トルエンスルホン酸およびウンデカン酸を含むがこれらに限定されない。また、塩素窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル、および塩化ブチル、臭化物およびヨウ化物などの低級ハロゲン化アルキル、ジメチル、ジエチル、ジブチルおよび硫酸ジアミルなどの硫酸ジアルキル、デシル、ラウリル、ミリスチン酸および塩化ステアリルなどの長鎖ハロゲン化物、臭化物およびヨウ化物、ベンジルおよび臭化フェネチルなどのアリールアルキルハロゲン化物およびその他などの薬剤によって四級化されうる。そこから、水または油性可溶性または分散性製品が得られる。製薬上許容できる酸付加塩を形成するために使用されうる酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、およびシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸を含む。塩基付加塩は、カルボン酸含有部分を製薬上許容できる金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸などの適した塩基、またはアンモニアまたは一級、二級または三級の有機アミンと反応させることで、発明内で記載した化合物の最終分離および精製中にin situで調合されうる。製薬上許容できる塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム塩および同類のものなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属に基づく陽イオン、およびアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミンおよび同類のものなどの無毒第四級アンモニアおよびアミン陽イオンを含むがこれらに限定されない。塩基付加塩の形成に有益なその他の代表的な有機アミンには、エチルエンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンおよび同類のものを含む。製薬上許容できる塩はまた、例えばアミンなどの十分な塩基性を持つ化合物を生理的に許容できる陰イオンを持つ適した酸と反応させることで、当該技術分野でよく知られている標準手順を用いても得られる。カルボン酸のアルカリ金属 (例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム) またはアルカリ土類金属 (例えばカルシウムまたはマグネシウム) 塩もまた形成されうる。
【0061】
[000 127] 医薬品または製薬上許容できるエステル、塩、溶媒和物またはそのプロドラッグは、望ましい活性を提供しない追加的な活性物質で、または望ましい活性を補足する物質で混合されうる。非経口または局所適用に使用される溶液または懸濁液には、例えば、下記の成分を含むがこれらに限定されない:注射用の水などの滅菌希釈剤、食塩水、また、固定油、ポリオキシエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたはその他の合成溶媒、また、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの酸化防止剤、また、エチレンジアミンテトラ酢酸などのキレート剤、酢酸、クエン酸またはリン酸などの緩衝液、および塩化ナトリウムまたはブドウ糖などの緊張性調整のための薬剤。親製剤は、ガラス製またはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器またはマルチユース製剤用バイアルに入っていてもよい。静脈内投与される特定の担体は、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水 (PBS) である。
【0062】
包装
[000 128] 製造および品質管理の観点から、記載される発明の組成物はNACが従来製造されるのと同じ方法で製造・包装されうる。空気に晒される期間が長いほどNACは不安定化、劣化および本質的に弱体化するため、曝気を限定する目的で、NACは製造過程において厳しい温度管理を用いて製造される。一部の実施形態において、この過程には、各錠剤が製造された瞬間に製造ライン上で直接、錠剤、カプセル、または粉末を即座に包装することを含む。各錠剤は個別包装・密閉包装され、随意には大幅な長期安定性を生む過程であるガスの下で密閉包装される。
[000 129] 記載される発明はまた、発明の医薬組成物の一つ以上の成分で充填された一つ以上の容器を含む医薬パックまたはキットを提供する。かかる容器には、医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関により規定される様式での通知が関連付けられてもよく、その通知はヒトへの投与用の製造、使用または販売の機関による承認を反映したものである。
【0063】
[000 130] 数値の範囲が提供される場合は、文脈上明らかに別途指示されない限り、下限単位の10分の1までの、その範囲の上限と下限の間の各介在値も、またその規定範囲の別の規定値または介在値も、発明内の対象であることが理解される。より小さな範囲に独立して含まれうるこれらのより小さな範囲の上限と下限もまた発明内に含まれ、規定範囲において具体的に除外されるあらゆる限度に従うものとする。規定範囲は限度の一つまたは両方を含む場合、これらの含まれる限度のいずれかまたは両方を除外した範囲もまた、発明に含まれる。
[000 131] 別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術・科学用語は、本発明が属する当該技術分野の当業者が一般に理解するものと同一の意味を持つ。本明細書に記載する内容と類似または同等の方法および物質もまた、本発明の実践または試験に使用されうるが、好適な方法および物質をここで記載する。出版物が引用された内容と関連して方法および/または物質を開示・記載するために、本明細書で言及されたすべての出版物を参照により本書に組み込む。
[000 132] 文脈上明らかに別途指示されない限り、本明細書および添付の請求項で使用される場合、「a」、「and」、および「the」の単数形は複数形の指示対象も含むことに留意されたい。本明細書で使用されるすべての技術・科学用語は同一の意味を持つ。
[000 133] 本明細書で考察される出版物は、本出願日に先立ち開示するためにのみ提供される。本明細書のいかなる内容も、本発明が先行発明という理由でかかる出版物に先行する資格を持たないことを認めるものとは解釈されないものとする。さらに、提供される出版物の日付は、独立して確認される必要のある実際の出版日とは異なる場合がある。
【0064】
実施例
[000 134] 下記の例は、当業者に本発明の製造・使用方法に対する完全な開示と説明を提供するために提示され、発明者が発明として考える内容の範囲を制限することを意図したものでも、下記の実験が実施されたすべてかつ唯一の実験であると示すことを意図したものでもない。使用される数値 (例:量、温度など) に関しては正確さを保証するための努力が行われたが、一部の実験ミスや逸脱も説明されるべきである。別途指示されない限り、部は重量部、分子量は平均分子量、温度は摂氏、および圧力は大気または大気近くである。
[000 135] 例1。アセトアミノフェン-N-アセチルシステインを含む組成物の動物への適用
[000 136] 獣医は、複数の動物種に鎮痛を提供するため数多くの製剤を試してきた。これらの種の多くは、ヒトよりもアセトアミノフェンの毒作用に対して強い感受性を示した。例えば、イヌにおける毒性は、ヒトでは>140 mg/kg なのに比較して用量 >40 mg/kgで記録されている。最も極度の毒性はネコ科に見られ、ネコ科は5〜10 mg/kgほどの用量でもアセトアミノフェン毒性および死亡を示した。この毒性は、動物におけるアセトアミノフェンの治療適用を制限する。
[000 137] 記載される発明に従い、解熱または鎮痛を必要とする動物は、酸化ストレスまたは対象関連のシステイン/グルタチオンレベルの低下を理由とする毒性のリスクを起こすことなく、アセトアミノフェン:N-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977の組成物においてアセトアミノフェンとN-アセチルシステインが存在するように、単位用量のAPAPおよび治療効果を高める量のNACを含む組成物で治療を受けた。組成物は、アセトアミノフェンが単位用量のアセトアミノフェンで投与される時のアセトアミノフェンのみの治療効果よりも高い治療効果を示す。
【0065】
[000 138] 例2。変形性関節症の痛みを管理するための成人患者によるアセトアミノフェン-NAC組成物の慢性使用
[000 139] 成人患者は、変形性関節症の痛みに対して標準用量のアセトアミノフェン1000 mgを一日4回服用した。患者は、アセトアミノフェン-NAC 750 mgを一日4回服用して同程度の痛みの緩和を経験し、アセトアミノフェン-NAC製剤の効力は、アセトアミノフェン-NAC 組成物の長期使用中にも低下しなかった。
[000 140] 例3。小児患者における発熱に反応しないアセトアミノフェンを管理するためのアセトアミノフェン-NAC組成物の使用
[000 141] 小児患者は発熱を管理するためにアセトアミノフェンの標準一日最大用量を服用したが、アセトアミノフェンは効果がなかった。患者は、アセトアミノフェン-N-アセチルシステイン組成物という形態で同一のアセトアミノフェンの標準一日最大用量を受け取った。発熱はその用量で管理された。
[000 142] 発明はその特定の好適な実施形態に言及して記載・図示されているが、当業者であれば、発明の精神と範囲から逸脱することなく同左にさまざまな変化、修正および置換を行えることを理解するであろう。例えば、本明細書に規定される好適な用量以外の有効量は、治療される哺乳動物の反応の変化の結果として該当する場合もある。同様に、観察された特定の薬理反応は、選択される特定の活性化合物、医薬担体の存在の有無の他、使用される製剤や投与方法の種類に従い、また同左に依存して様々に異なり、かかる予想される変化や違いは本発明の目的および実践に従い熟考される。
【0066】
参考文献


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセトアミノフェンの治療効果を改善するための組成物であって、
(a) 単位用量のアセトアミノフェン、および
(b) 治療効果を増強する量のN-アセチルシステインを含み、
アセトアミノフェン:N-アセチルシステインが、アセトアミノフェンおよびN-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977で組成物中に存在し、
を含み、アセトアミノフェンが単位用量のアセトアミノフェンで投与される場合のアセトアミノフェンのみの治療効果よりも高い治療効果を持つ前記組成物。
【請求項2】
単位用量のアセトアミノフェンがアセトアミノフェンの標準一日最大用量未満の用量である請求項1に記載の組成物であって、前記アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日であり、
組成物がアセトアミノフェンの標準一日最大用量で投与された場合にアセトアミノフェンのみの治療効果と同等の治療効果を持つ、前記組成物。
【請求項3】
組成物の治療効果が組成物の長期使用中にも維持される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
経口製剤または非経口製剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
非経口製剤が局所製剤、非経口製剤、口腔製剤、吸入製剤、または直腸製剤から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
経口製剤が溶液、シロップ、エリキシル、懸濁液、乳剤、錠剤、カプセル、徐放性製剤、または粉末から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
錠剤が圧縮錠である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
錠剤がコーティング錠剤である、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
錠剤が発泡錠である、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
アセトアミノフェンの治療効果を改善するための方法であって、
(a) (i) 単位用量のアセトアミノフェン、および
(ii) 治療効果を増強する量のN-アセチルシステイン
を含む医薬組成物を提供する工程であって、アセトアミノフェン:N-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977でアセトアミノフェンおよびN-アセチルシステインが組成物中に存在する前記工程を含み、
アセトアミノフェンが単位用量のアセトアミノフェンで投与される場合のアセトアミノフェンのみの治療効果よりも組成物の治療効果が高い、前記方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
単位用量のアセトアミノフェンがアセトアミノフェンの標準一日最大用量未満の用量であり、前記アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日であり、
組成物がアセトアミノフェンの標準一日最大用量で投与された場合にアセトアミノフェンのみの治療効果と同等の治療効果を持つ、前記方法。
【請求項12】
組成物の治療効果が組成物の長期使用中にも維持される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
組成物が経口製剤または非経口製剤である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
非経口製剤が局所製剤、非経口製剤、口腔製剤、吸入製剤、または直腸製剤から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
経口製剤が溶液、シロップ、エリキシル、懸濁液、乳剤、錠剤、カプセル、徐放性製剤、または粉末から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
錠剤が圧縮錠である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
錠剤がコーティング錠剤である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
錠剤が発泡錠である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
痛みまたは発熱を治療するための方法であって、
(a)(i) 単位用量のアセトアミノフェン、および
(ii) 治療効果を増強する量のN-アセチルシステイン
を含む医薬組成物を提供する工程であって、アセトアミノフェン:N-アセチルシステインのモル比が約1:15〜約1:0.000977でアセトアミノフェンおよびN-アセチルシステインが組成物中に存在する前記工程を含み、
前記組成物が、アセトアミノフェンが単位用量のアセトアミノフェンで投与される場合のアセトアミノフェンのみの治療効果よりも高い治療効果を持つ、前記方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
単位用量のアセトアミノフェンがアセトアミノフェンの標準一日最大用量未満の用量であり、前記アセトアミノフェンの標準一日最大用量が200 mg/日、400 mg/日、600 mg/日、800 mg/日、1200 mg/日、1600 mg/日、1625 mg/日、2000 mg/日、2400 mg/日、3200 mg/日、または4000 mg/日であり、
前記組成物がアセトアミノフェンの標準一日最大用量で投与された場合にアセトアミノフェンのみの治療効果と同等の治療効果を持つ、前記方法。
【請求項21】
組成物の治療効果が組成物の長期使用中にも維持される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
組成物が経口製剤または非経口製剤である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
非経口製剤が局所製剤、非経口製剤、口腔製剤、吸入製剤、または直腸製剤から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
経口製剤が溶液、シロップ、エリキシル、懸濁液、乳剤、錠剤、カプセル、徐放性製剤、または粉末から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
錠剤が圧縮錠である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
錠剤がコーティング錠剤である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
錠剤が発泡錠である、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−533559(P2012−533559A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520791(P2012−520791)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/042163
【国際公開番号】WO2011/008976
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(503115205)ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ (69)
【Fターム(参考)】