説明

アゾ化合物及びその製造方法、並びに、カプラー化合物及びその製造方法

【課題】 高速複写機用としては勿論、レーザープリンター用としても実用的な高感度の電子写真感光体、特に、積層型感光体に用いられる有機光導電体として有用な新規アゾ化合物等の提供。
【解決手段】 下記構造式(1)で表されるアゾ化合物である。
【化68】


前記構造式(1)中、Arは、芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基を表す。Cpは、下記構造式(1−1)で表される2〜6価のカップラー残基を表す。Cpは、1価のカップラー残基を表す。nは、2〜6の整数を表す。nは、0〜3の整数を表す。
【化69】


前記構造式(1−1)中、R、R、R、及びRは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、又はアルコキシ基を表す。Xは、炭化水素基、及び複素環基のいずれかを表す。nは、2〜6の整数を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規かつ有機光導電体として有用なアゾ化合物及びその製造方法、並びに、該アゾ化合物の製造原料であるカプラー化合物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アゾ化合物は、種々の産業分野において古くから染料、又は顔料として広く用いられており、例えば、繊維の染色用やカラー写真光材料の色材として使用されている。また最近では、フォトクロミック材料などの用途にも幅広く利用されている極めて重要な化合物群である。このアゾ化合物は、一般には「ジアゾニウム化合物」と「カップラー化合物」とをカップリング反応させて合成する。このジアゾニウム化合物及びカップラー化合物に関しては、目的とするアゾ染料或いは顔料の用途に応じ、種々の構造を有する化合物が用いられている。これらジアゾニウム化合物及びカップラー化合物の選択により、得られるアゾ染料又はアゾ顔料の吸収波長と吸収強度、水に対する溶解度、光に対する堅牢性(耐褪色性)、樹脂に対する分散特性等が決定される。
【0003】
また、電子写真感光体の分野においては、ある種のアゾ化合物が電子写真感光体の一形態である積層型感光体に用いられる有機光導電体、特に、電荷発生顔料として有用であることが知られている。前記積層型感光体は、導電性支持体上に光によって電荷担体を発生する能力を有する電荷発生顔料を主成分とする電荷発生層とその上に電荷発生層で発生した電荷担体を効率よく注入し、更に、これを搬送する能力を有する電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とを設けた感光体である。
【0004】
従来、このような感光体に使用されるアゾ化合物としては、例えば、ベンジジン系ビスアゾ化合物(特許文献1及び特許文献2参照)、スチルベンゼン系ビスアゾ化合物(特許文献3参照)、ジフェニルヘキサトリエン系ビスアゾ化合物(特許文献4参照)、ジフェニルブタジエン系ビスアゾ化合物(特許文献5参照)、などが知られている。
【0005】
一方、このようなアゾ化合物に使用されるカップラー化合物としては、例えば、ナフトール系カップラー化合物(特許文献6等参照)、ベンズカルバゾール系カップラー化合物(特許文献7等参照)、ナフタルイミド系カップラー化合物(特許文献8等参照)、ペリノン系カップラー化合物(特許文献9等参照)、アズレン系カップラー化合物(特許文献10等参照)、アントラセン系カップラー化合物(特許文献11等参照)、などが知られている。
【0006】
しかし、従来のアゾ化合物を用いた積層型感光体は、一般に感度、及び耐久性が低いため、実用上必ずしも十分とはいえず、電子写真プロセスに必要とされる種々の要求を満足するには至らず、より一層の高感度、及び耐久性の向上が望まれているのが現状である。
【0007】
【特許文献1】特開昭47−37543号公報
【特許文献2】特開昭52−55643号公報
【特許文献3】特開昭52−8832号公報
【特許文献4】特開昭58−222152号公報
【特許文献5】特開昭58−222153号公報
【特許文献6】特開昭47−37543号公報
【特許文献7】特開昭58−122967号公報
【特許文献8】特開昭54−79632号公報
【特許文献9】特開昭57−176055号公報
【特許文献10】特開昭60−10256号公報
【特許文献11】特開昭61−257953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高速複写機用としては勿論、レーザープリンター用としても実用的な高感度の電子写真感光体、特に、積層型感光体に用いられる有機光導電体として有用な新規アゾ化合物及びその製造方法、並びに、該アゾ化合物の製造原料であるカプラー化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のイミド構造を同一分子中に複数個有する新規な製造原料を用いて製造されたアゾ化合物が、有機光導電体として有効であること知見した。
【0010】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記構造式(1)で表されることを特徴とするアゾ化合物である。
【化14】

ただし、前記構造式(1)において、Arは、結合基を介して結合していてもよい芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Cpは、下記構造式(1−1)で表される2〜6価のカップラー残基を表す。Cpは、1価のカップラー残基を表す。nは、2〜6の整数を表す。nは、0〜3の整数を表す。
【化15】

ただし、前記構造式(1−1)において、R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、又はアルコキシ基を表す。なお、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよい。Xは、炭化水素基、及び複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。nは、2〜6の整数を表す。
<2> Xにおける炭化水素基が、アルキレン基及び芳香族炭化水素基のいずれかである前記<1>に記載のアゾ化合物である。
<3> Xにおける炭化水素基が、二価の芳香族炭化水素基である前記<1>から<2>のいずれかに記載のアゾ化合物である。
<4> Cpの少なくとも1つが、下記構造式(1−2)で表されるカップラー残基である前記<1>から<3>のいずれかに記載のアゾ化合物である。
【化16】

ただし、前記構造式(1−2)において、Zは、炭化水素環基、及び複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Rは、水素原子、及び炭化水素基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Yは、炭化水素環基、及び複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。
<5> Cpの少なくとも1つが、下記構造式(1−3)又は下記構造式(1−4)で表されるカップラー残基である前記<1>から<4>のいずれかに記載のアゾ化合物である。
【化17】


【化18】


ただし、前記構造式(1−3)及び前記構造式(1−4)において、Wは、芳香族炭化水素の2価基又は窒素原子を環内に含む複素環の2価基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。
<6> Cpの少なくとも1つが、下記構造式(1−5)で表されるカップラー残基である前記<1>から<5>のいずれかに記載のアゾ化合物である。
【化19】


ただし、前記構造式(1−5)において、Aは、芳香族炭化水素基、及び複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。mは、1〜6の整数を表す。
<7> Arが、下記構造式(1−6)で表される前記<1>から<6>のいずれかに記載のアゾ化合物である。
【化20】


<8> 下記構造式(2)で表されることを特徴とするカップラー化合物である。
【化21】

ただし、前記構造式(2)中、R、R、R、R、X、及びnは、前記構造式(1−1)と同じ意味を表す。
<9> Xにおける炭化水素基が、アルキレン基及び芳香族炭化水素基のいずれかである前記<8>に記載のカップラー化合物である。
<10> Xにおける炭化水素基が、二価の芳香族炭化水素基である前記<8>から<9>のいずれかに記載のカップラー化合物である。
<11> 下記構造式(3)で表されるジアゾニウム塩化合物と、下記構造式(4)及び下記構造式(5)で表されるカップラー化合物とを反応させることを特徴とするアゾ化合物の製造方法である。
【化22】

ただし、前記構造式(3)中、Arは結合基を介して結合してもよい芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Zはアニオン性の官能基を表す。nは1〜4の整数を表す。nが2以上の場合には、Zは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【化23】

ただし、前記構造式(4)中、Cpは2〜6価のカップラー残基を示す。nは2〜6の整数を示す。
【化24】

ただし、前記構造式(5)中、Cpは1価のカップラー残基を示す。
<12> 下記構造式(6)で表されるナフタレン化合物と、下記構造式(7)で表されるアミン化合物とを、グリコール系溶媒及びグリセロール系溶媒から選択される少なくとも1種類の溶媒中で反応させることを特徴とするカップラー化合物の製造方法である。
【化25】

ただし、前記構造式(6)中、R、R、R、及びRは、前記構造式(1−1)と同じ意味を表す。Rは、アルキル基を表し、該アルキル基は置換基により更に置換されていてもよい。
【化26】

ただし、前記構造式(7)中、X、及びnは、前記構造式(1−1)と同じ意味を表す。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、特に電子写真感光体に好適に用いられる有機光電体として有用な新規アゾ化合物及び該アゾ化合物の製造方法、並びに、該アゾ化合物の製造原料であるカプラー化合物及び該カプラー化合物の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(アゾ化合物及びその製造方法、並びに、カプラー化合物及びその製造方法)
本発明のアゾ化合物は、下記構造式(1)で表される。本発明のアゾ化合物は、本発明のアゾ化合物の製造方法により製造される。
【化27】

ただし、前記構造式(1)において、Arは、結合基を介して結合していてもよい芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Cpは、下記構造式(1−1)で表される2〜6価のカップラー残基を表す。Cpは、1価のカップラー残基を表す。nは、2〜6の整数を表す。nは、0〜3の整数を表す。
【化28】

ただし、前記構造式(1−1)において、R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基を表す。なお、なお、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよい。Xは、炭化水素基、又は複素環基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。nは、2〜6の整数を表す。
【0013】
前記Cpの少なくとも1つが、下記構造式(1−2)、下記構造式(1−3)、下記構造式(1−4)、下記構造式(1−5)で表されるカップラー残基であることが好ましい。
【化29】

ただし、前記構造式(1−2)において、Zは、炭化水素環基、又は複素環基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Rは、水素原子、又は炭化水素基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Yは、炭化水素環基、又は複素環基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。
【化30】


【化31】


ただし、前記構造式(1−3)及び前記構造式(1−4)において、Wは、芳香族炭化水素の2価基又は窒素原子を環内に含む複素環の2価基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。
【化32】


ただし、前記構造式(1−5)において、Aは、芳香族炭化水素基、及び複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。mは、1〜6の整数を表す。
前記Arが、下記構造式(1−6)で表されることが好ましい。
【化33】



【0014】
本発明のカップラー化合物は、下記構造式(2)で表される。該カップラー化合物は、本発明のカップラー化合物の製造方法により製造される。
【化34】



ただし、前記構造式(2)中、R、R、R、R、X、及びnは、前記構造式(1−1)と同じ意味を表す。
以下、本発明のアゾ化合物及びその製造方法の説明を通じて、本発明のカップラー化合物及びその製造方法の詳細についても明らかにする。
【0015】
まず、前記構造式(1)で表されるアゾ化合物における中心骨格(Ar部分)について詳しく説明する。
前記構造式(1)のArで表される結合基を介して結合してもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基としては、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナンスレン、アントラセン、ピレンなどの芳香族炭化水素;フラン、チオフェン、ピリジン、インドール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、アクリドン、ジベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ジベンゾフェナジン等の複素環;更に、前記芳香族環を直接或いは芳香族基又は非芳香族基で結合したもの、例えば、トリフェニルアミン、ジフェニルアミン、N−メチルジフェニルアミン、ビフェニル、ターフェニル、ビナフチル、フルオレノン、フェナンスレンキノン、アントラキノン、ベンズアンスロン、ジフェニルオキサジアゾール、フェニルベンゾオキサゾール、ジフェニルメタン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、スチルベン、ジスチリルベンゼン、テトラフェニル−p−フェニレンジアミン、テトラフェニルベンジジンモノピリジルジフェニルアミン、などが挙げられる。上記した環が有する置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等のアミノ基;ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロメチル基などが挙げられる。
これらの中でも特に下記構造式(1−6)で表されるフルオレノン系中心骨格は、本発明で得られるアゾ化合物が高感度、かつ優れた耐久性を表す点で好ましい。
【化35】



【0016】
以下、表1〜表3に中心骨格(Ar部分)の例を表す。
【表1】

【0017】
【表2】

【0018】
【表3】

【0019】
次に、本発明のアゾ化合物のカップラー残基Cpについて詳しく説明する。
前記Cpは、下記構造式(1−1)で表される2〜6価のカップラー残基を表す。
【化36】

【0020】
前記構造式(1−1)中、R、R、R、及びRは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等のアミノ基;ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基などを表す。ただし、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよく、特に、RとRは、置換又は無置換のプロピレン基、置換又は無置換のブチレン基、置換又は無置換のペンチレン基などの置換又は無置換のアルキレンにより環を形成してもよく、或いは置換又は無置換のベンゼン環、置換又は無置換のナフタレン環などの芳香環を形成してもよい。
前記置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのアミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基などが挙げられる。
【0021】
前記構造式(1−1)中、Xは、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換の複素環基を表す。該炭化水素基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、フェナンスリレン基、キシリレン基等の芳香族炭化水素基、などが挙げられ、更に、上記2価の芳香族炭化水素基から1〜4個の水素原子が遊離した3〜6価の炭化水素基が挙げられる。また、前記複素環基としては、例えば、ピラゾールジイル基、イミダゾールジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、インドールジイル基、ベンズイミダゾールジイル基、キノリンジイル基、などが挙げられ、更に上記2価の複素環基から1〜4個の水素が遊離した3〜6価の複素環基、などが挙げられる。
これらの中でも特に、アルキレン基、2価の芳香族炭化水素基は、得られるアゾ化合物が高感度で、優れた耐久性を示すため、本発明の目的に好適である。
【0022】
前記炭化水素基、複素環基は、直接或いは芳香族基又は非芳香族基で結合してもよく、例えば、ビフェニルジイル基、ジフェニルメタンジイル基、ジフェニルエーテルジイル基、ベンゾフェノンジイル基、ベンズアニリドジイル基などが挙げられる。前記炭化水素環、又は複素環の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキシメチル基等の置換アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基;置換基を有してもよいフェニル基;置換基を有してもよいナフチル基、アントラセニル基、フェナンスレニル基、ピレニル基等の芳香族基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、アセチルアミノ基、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基などのカルボアミノ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、などが挙げられる。
【0023】
本発明のアゾ化合物は、前記構造式(1−1)で表される2〜6価のカップラー残基を有している。前記構造式(1−1)で表されるカップラー残基を有するカップラー化合物(前記構造式(2))は以下の方法により製造することができる。
【0024】
例えば、下記構造式(10)で表されるスチレン化合物と、下記構造式(11)で表されるアセチレンジカルボン酸エステル化合物とを、下記に示すようなDiels−Alder反応をさせて、下記構造式(12)で表されるナフタレン化合物を得ることができる。
【0025】
【化37】

【0026】
前記構造式(10)、構造式(11)、及び構造式(12)中、R、R、R、及びRは、前記同様の基であり、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を、Rは置換又は無置換のアルキル基を、Rは直鎖、あるいは枝分かれアルキル基、置換アルキル基を示す。ただし、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよく、特に、RとRは互いに置換又は無置換のアルキレン基による環あるいは芳香環を形成してもよい。
【0027】
本反応は酸化反応を伴うDiels−Alder反応であり、Liebigs Ann.Chem.,595,1(1955)には、ハイドロキノン類とヨウ素による反応が、Ber.,69,1686(1936)には、ニトロベンゼン溶媒中で無水マレイン酸による反応が記載されている。
【0028】
前記構造式(12)のナフタレン化合物は、ニトロベンゼン溶媒中、アセチレンジカルボン酸エステルによる反応温度を100℃〜160℃に制御することにより、更に好適には反応温度を130℃〜150℃に制御することにより、1段階の反応で、高収率で得ることができる。
【0029】
次に、上記反応で得られた前記構造式(12)のナフタレン化合物の保護基Rを次のように除去し、下記構造式(8)のナフタレン化合物が得られる(脱保護基)。
【0030】
【化38】

【0031】
前記構造式(8)及び前記構造式(12)において、R、R、R、及びRは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子の中から選択される1つの基又は原子を表す。Rは置換又は無置換のアルキル基を表し、Rは直鎖、あるいは分枝アルキル基、置換基を有していてもよいアルキル基のいずれかを示す。ただし、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよく、特にRとRは互いに置換又は無置換のアルキレン基による環あるいは芳香環を形成してもよい。
【0032】
はOH基の保護基であれば特に制約はないが、好適にはメチル基、iso−プロピル基、t−ブチル基、ベンジル基、アリル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基等が挙げられ、更に好適には、酸触媒下、室温で除去可能なiso−プロピル基、t−ブチル基、メトキシメチル基が挙げられる。脱保護基のための酸触媒としては、硫酸、トリフルオロ酢酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などを挙げることができる。
【0033】
次に、前記構造式(2)で表されるカップラー化合物は、前記反応で得られた前記構造式(8)のナフタレン化合物と、前記構造式(9)のアミン化合物より、次に示されるようなエステル/アミド交換反応により得られる。
【0034】
【化39】

【0035】
前記構造式(2)、前記構造式(8)、及び前記構造式(9)中、R、R、R、及びRは前記同様であり、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表す。Rは置換又は無置換のアルキル基を示す。ただし、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよく、特にRとRは互いに置換又は無置換のアルキレン基による環あるいは芳香環を形成してもよい。Xは置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換の複素環基を示す。nは2〜6の整数を示す。
【0036】
一般的にエステル/アミド交換反応は、塩基性触媒下、或いはJ.Am.Dhem.Soc.,71,1245(1945)には、エステル/アミド交換反応にグリコール系溶媒、水、或いはグリセロール系溶媒の添加が有効であることが記載されている。前記構造式(8)のナフタレン化合物と、前記構造式(9)のアミン化合物を、エステル/イミド交換反応で、グリコール系溶媒、或いはグリセロール系溶媒より選ばれた少なくとも1種類の溶媒を含有する系中で、反応温度を100℃〜170℃に温度制御することにより、好適には110℃〜150℃に温度制御することにより、高収率で前記構造式(2)のカップラー化合物が得られる。
【0037】
また、前記構造式(2)で表されるカップラー化合物は、以下に示す方法によっても製造可能である。例えば、下記構造式(12)のナフタレン化合物を酸触媒存在下で反応させることにより、下記構造式(13)で表されるナフタレン化合物を得ることができる。
【0038】
【化40】

【0039】
前記構造式(12)、及び前記構造式(13)中、R、R、R、及びRは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表す。Rは置換又は無置換のアルキル基を表す。Rは直鎖、あるいは枝分かれアルキル基、置換アルキル基を示す。ただし、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよく、特にRとRは互いに置換又は無置換のアルキレン基による環あるいは芳香環を形成してもよい。
【0040】
この場合、Rは保護基であれば特に制約はないが、メチル基、iso−プロピル基などが使用でき、好適にはメチル基が使用できる。酸触媒としては、臭化水素酸、三臭化ホウ素などを挙げることができる。
【0041】
次に、前記構造式(2)のカップラー化合物は、前記反応で得られた前記構造式(13)のナフタレン化合物と、前記構造式(9)のアミン化合物を酸触媒下で反応することより得ることができる。酸触媒としては、酢酸、硫酸等が使用でき、必要に応じて反応により生成する水を反応系外に出すことにより更に効率よく反応することができる。
【0042】
【化41】

【0043】
前記構造式(2)、前記構造式(9)、前記構造式(13)中、R、R、R、及びRは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示す。ただし、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよく、特にRとRは互いに置換又は無置換のアルキレン基による環あるいは芳香環を形成してもよい。Xは置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換の複素環基を示す。nは2〜6の整数を示す。
【0044】
前記構造式(1−1)、前記構造式(2)、前記構造式(8)、前記構造式(10)、前記構造式(12)、及び前記構造式(13)中、R、R2、R3、R4は、前記同様であり、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのアミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基などを示す。ただし、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよく、RとRは、置換又は無置換のプロピレン基、置換又は無置換のブチレン基、置換又は無置換のペンチレン基などの置換又は無置換のアルキレンにより環を形成してもよく、或いは置換又は無置換のベンゼン環、置換又は無置換のナフタレン環などの芳香環を形成してもよい。この場合、置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのアミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基などが挙げられる。
【0045】
前記構造式(8)、前記構造式(11)、及び前記構造式(12)中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、ベンジル基、2−メトキシエチル基等の置換アルキル基を示す。
【0046】
前記構造式(12)中、RはOH基の保護基であれば特に制約はないが、好適にはメチル基、iso−プロピル基、t−ブチル基、ベンジル基、アリル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基等が挙げられ、更に好適には、iso−プロピル基、t−ブチル基が挙げられる。
【0047】
前記構造式(1−1)、前記構造式(2)、及び前記構造式(9)中、Xは置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換の複素環基を示し、炭化水素基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、フェナンスリレン基、キシリレン基などの芳香族炭化水素基、更に上記2価の炭化水素基から1〜4個の水素が遊離した3〜6価の炭化水素基が挙げられる。また、複素環基としては、ピラゾールジイル基、イミダゾールジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、インドールジイル基、ベンズイミダゾールジイル基、キノリンジイル基、更に上記2価の複素環基から1〜4個の水素が遊離した3〜6価の複素環基が挙げられる。
【0048】
上記炭化水素環、複素環は直接或いは芳香族基又は非芳香族基で結合してもよく、例えば、ビフェニルジイル基、ジフェニルメタンジイル基、ジフェニルエーテルジイル基、ベンゾフェノンジイル基、ベンズアニリドジイル基などが挙げられる。上記炭化水素環、複素環の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキシメチル基などの置換アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、アントラセニル基、フェナンスレニル基、ピレニル基などの芳香族基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、アセチルアミノ基、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基などのカルボアミノ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基などが挙げられる。
【0049】
以下、表4〜表6に前記構造式(1−1)で表されるカップラー残基Cpに対応するカップラー化合物の例を表す。
【0050】
<カップラー化合物の例示>
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】

【0053】
また、本発明のアゾ化合物は、n=1〜3の場合、1価のカップラー残基Cpを有している。該1価のカップラー残基Cpとしては、下記構造式(v)、構造式(vi)、及び構造式(vii)で表されるものが挙げられる。
【0054】
【化42】

【化43】

【化44】

【0055】
前記構造式(v)、構造式(vi)、及び構造式(vii)中、R、R、R、及びRは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、などを表す。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、前記アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、前記アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
また、RとRは、置換又は無置換のプロピレン基、置換又は無置換のブチレン基、置換又は無置換のペンチレン基などの置換又は無置換のアルキル基により環を形成してもよく、あるいは、置換又は無置換のベンゼン環、置換又は無置換のナフタレン環などの芳香環を形成してもよい。
前記環の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのアミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、などが挙げられる。
【0056】
前記構造式(v)中、Xは、水素原子、アルキル基、環状アルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アルキルアミノ基、芳香族アミノ基、カルボアミノ基、などを表す。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、前記環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンスレニル基、ピレニル基等が挙げられ、前記複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピラジノ基、キノリノ基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基等が挙げられ、前記アルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基等が挙げられ、前記芳香族アミノ基としては、例えば、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等が挙げられ、前記カルボアミノ基としては、例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
それらの置換基としては、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、芳香族基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、アセチルアミノ基、カルボアミノ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、前記置換アルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、メトキシメチル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等が挙げられ、前記芳香族基としては、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、アントラセニル基、フェナンスレニル基、ピレニル基等が挙げられ、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、アセチルアミノ基、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基などのカルボアミノ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基などが挙げられる。
【0057】
前記構造式(v)で示されるカップラー残基の中でも、Xが置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換の環状アルキル基であるカップラー残基が好ましい。また、これらの中でも特に下記構造式(viii)で示されるカップラー残基が、本発明で得られるアゾ化合物が高感度、かつ優れた帯電安定性を表す点で好ましい。
【0058】
【化45】

【0059】
前記構造式(viii)中、Aは、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンスレニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基、ピリジル基、ピラジノ基、キノリノ基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基などの複素環基を示し、それらの置換基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキシメチル基などの置換アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基などが挙げられる。
mは、1〜6の整数を表す。
【0060】
前記構造式(vi)、及び構造式(vii)中、Yは、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換の芳香族性を有する2価の有機残基、置換又は無置換の複素環芳香族性を有する2価の有機残基、−CO−Z−で示されるカルボニル基含有2価の有機残基(ただし、Zは、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換の芳香族性を有する2価の有機残基、置換又は無置換の複素環芳香族性を有する2価の有機残基を表す)を表す。
【0061】
前記アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。ただし、アルキレン基の炭素―炭素結合で芳香環が形成されてもよい。
前記芳香族性を有する2価の有機残基としては、例えば、o−フェニレン基、1,8−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、1,2−アンスリレン基、9,10−フェナンスリレン基等が挙げられる。
前記複素環芳香族性を有する2価の有機残基としては、例えば、3,4−ピラゾールジイル基、2,3−ピリジンジイル基、5,6−ピリミジンジイル基、6,7−ベンズイミダゾールジイル基、6,7−キノリンジイル基、などが挙げられる。
前記カルボニル基含有2価の有機残基としては、例えば、2−ベンゾイル基、2−ナフチルカルボニル基等が挙げられる。
これらの置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキシメチル基などの置換アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、アントラセニル基、フェナンスレニル基、ピレニル基などの芳香族基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、アセチルアミノ基、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基などのカルボアミノ基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基などが挙げられる。
【0062】
前記構造式(vi)、及び構造式(vii)で示されるカップラー残基の中でも、下記構造式(ix)、下記構造式(x)で示されるカップラー残基が好ましい。
【0063】
【化46】

【0064】
【化47】

【0065】
また、これらの中でも、Yが置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のカルボニル基含有2価の有機残基であるカップラー残基が好ましい。また、これらの中でも特にYが、下記構造式(xi)、又は下記構造式(xii)で示されるカップラー残基が、本発明で得られるアゾ化合物が高感度、かつ優れた帯電安定性を表すため好ましい。
【0066】
【化48】

【化49】

【0067】
前記構造式(xi)中のB、前記構造式(xii)中のBは、o−フェニレン基、2,3−ナフチレン基などの芳香族炭化水素環の2価基、2,3−ピリンイル基、3,4−ピラゾールイル基、2,3−ピリジンイル基、4,5−ピリジンイル基、4,5−イミダゾールイル基などの芳香族複素環の2価基を示し、それらの置換基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基、などが挙げられる。
【0068】
前記構造式(v)、前記構造式(vi)、及び前記構造式(vii)に対応するカップラー化合物は公知の方法、例えば、特開2003−082252号公報、特開2003−206411号公報に開示されている方法に従い、相当するエステル化合物とアミン化合物をエステル/アミド交換反応(環化反応を含む)することにより製造できる。
【0069】
以下、表7〜表26に前記構造式(v)、前記構造式(vi)、及び前記構造式(vii)で表されるカップラー残基Cpに対応するカップラー化合物の例を表す。
【0070】
<カップラー化合物の例示>
【表7】

【0071】
【表8】

【0072】
【表9】

【0073】
【表10】

【0074】
【表11】

【0075】
【表12】

【0076】
【表13】

【0077】
<カップラー化合物の例示>
【表14】

【0078】
【表15】

【0079】
【表16】

【0080】
<カップラー化合物の例示>
【表17】

【0081】
【表18】

【0082】
【表19】

【0083】
【表20】

【0084】
【表21】

【0085】
【表22】

【0086】
【表23】

【0087】
<カップラー化合物の例示>
【表24】

【0088】
【表25】

【0089】
【表26】

【0090】
また、本発明のアゾ化合物には、前記構造式(v)、前記構造式(vi)、及び前記構造式(vii)以外の1価のカップラー残基を用いることができる。
前記構造式(v)、構造式(vi)、及び構造式(vii)以外に共存してもよいカップラー残基Cpとしては、例えば、フェノール類、ナフトール類等のフェノール性水酸基を有する化合物;アミノ基を有する芳香族アミノ化合物;アミノナフトール類等のアミノ基とフェノール性水酸基を有する化合物;脂肪族もしくは芳香族のエノール性ケトン基を有する化合物(活性メチレン基を有する化合物)、などが用いられる。更に、好ましいものは、下記構造式(Cp1)〜下記構造式(Cp15)で表されるものである。
【0091】
【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【0092】
前記構造式(Cp1)〜(Cp4)中、X、Y、Z、l及びmは、それぞれ下記のものを表す。
は、−OH、−N(R11)(R12)、又は−NHSO−R13を表す。(ただし、R11及びR12は、水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R13は、置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、置換もしくは無置換のスルファモイル基又は−CON(R14)(Y)((R14は、水素原子、アルキル基又はその置換体、フェニル基又はその置換体を表す。Yは、炭化水素環基又はその置換体、複素環基又はその置換体、あるいは−N=C(R15)(R16)(ただし、R15は、炭化水素環基又はその置換体、複素環基又はその置換体あるいはスチリル基又はその置換体、R16は、水素原子、アルキル基、フェニル基又はその置換体を表すか、あるいはR15及びR16は、それらに結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。)を表す。)
は、炭化水素環又はその置換体あるいは複素環又はその置換体を表す。
lは、1又は2の整数を表す。mは、1又は2の整数を表す。
【0093】
【化54】

ただし、前記構造式(Cp5)中、R17は、置換又は無置換の炭化水素基を表す。Xは、上記と同様の意味を表す。
【0094】
【化55】

ただし、前記構造式(Cp6)中、Wは、芳香族炭化水素の2価基又は窒素原子を環内に含む複素環の2価基を表す。これらの環は、置換又は無置換でもよい。Xは、上記と同様の意味を表す。
【0095】
【化56】

ただし、前記構造式(Cp7)中、R18は、アルキル基、カルバモイル基、カルボキシ基又はそのエステルを表す。Arは、炭化水素環基又はその置換体を表す。Xは、上記と同じ意味を表す。
【0096】
【化57】

【化58】

ただし、前記構造式(Cp8)、及び(Cp9)中、R19は、水素原子又は置換もしくは無置換の炭化水素基を表す。Arは、炭化水素環基又はその置換体を表す。
【0097】
前記構造式(Cp1)〜前記構造式(Cp4)におけるZの炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。また置換基を有してもよい複素環としては、例えば、インドール環、カルバゾール環、ベンゾラン環、ジベンゾフラン環などが挙げられる。Zの環における置換基としては、例えば、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が挙げられる。
又はR15における炭化水素環基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基などが挙げられる。複素環基としてはピリジル基、チエニル基、フリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基などが挙げられる。更に、R15及びR16が結合して形成する環としては、フルオレン環などが挙げられる。
又はR15の炭化水素環基又は複素環基あるいはR15及びR16によって形成される環における置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基、トリフルオロメチル基などのハロメチル基、ニトロ基、シアノ基位、カルボキシル基又はそのエステル、水酸基、−SONaなどのスルホン酸塩基などが挙げられる。
14のフェニル基の置換体としては塩素原子又は臭素原子などのハロゲン原子が挙げられる。
17又はR19における炭化水素基の代表例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基又はこれらの置換体が挙げられる。
17又はR19の炭化水素基における置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、水酸基、ニトロ基などが挙げられる。
Ar又はArにおける炭化水素環基としては、フェニル基、ナフチル基などがその代表例であり、また、これらの基における置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ニトロ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、シアノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基などが挙げられる。
また、Xの中では特に水酸基が適当である。
前記カップラー残基の中でも、前記構造式(Cp2)、前記構造式(Cp5)、前記構造式(Cp6)、前記構造式(Cp7)、前記構造式(Cp8)及び前記構造式(Cp9)で示されるカップラー残基が好ましく、これらの中でも上記構造式におけるXが水酸基であるものが好ましい。
【0098】
前記構造式(Cp2)で示されるカップラー残基の中でも、特に、下記構造式(Cp10)で示されるカップラー残基が好ましく、更には下記構造式(Cp11)で示されるカップラー残基が好ましい。
【0099】
【化59】

ただし、前記構造式(Cp10)中、Y及びZは、上記と同じ意味を表す。
【化60】

ただし、前記構造式(Cp11)中、Z、Y及びR14は、上記と同じ意味を表す。
【0100】
更にまた、上記好ましいカップラー残基の中でも、特に下記構造式(Cp12)、又は下記構造式(Cp13)で示されるカップラー残基が好ましい。
【化61】

【化62】

前記構造式(Cp12)及び構造式(Cp13)中、Z、R14、R15及びR16は、上記と同じ意味を表す。また、R20としては上記のYの置換基が挙げられる。
【0101】
また、前記構造式(Cp6)で示されるカップラー残基の中でも、特に、下記構造式(Cp14)又は下記構造式(Cp15)で示されるカップラー残基が好ましい。
【0102】
【化63】

【化64】

前記構造式(Cp14)及び構造式(Cp15)中、Wは、芳香族炭化水素の2価基又は窒素原子を環内に含む複素環の2価基を表す。これらの環は、置換又は無置換でもよい。
【0103】
上記好ましいカップラー残基の中でも、特に、前記構造式(Cp11)、前記構造式(Cp14)、前記構造式(Cp15)で示されるカップラー残基は、組み合わせて得られるアゾ化合物が高感度、かつ優れた帯電安定性を表すため好ましい。
【0104】
以下、表27〜表51にカップラー残基以外に共存してもよいカップラー残基Cpに対応するカップラー化合物の例を表す。
【0105】
【表27】

【0106】
【表28】

【0107】
【表29】

【0108】
【表30】

【0109】
【表31】

【0110】
【表32】

【0111】
【表33】

【0112】
【表34】

【0113】
【表35】

【0114】
【表36】

【0115】
【表37】

【0116】
【表38】

【0117】
【表39】

【0118】
【表40】

【0119】
【表41】

【0120】
【表42】

【0121】
【表43】

【0122】
【表44】

【0123】
【表45】

【0124】
【表46】

【0125】
【表47】

【0126】
【表48】

【0127】
【表49】

【0128】
【表50】

【0129】
【表51】

【0130】
−アゾ化合物の製造方法−
本発明のアゾ化合物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記の方法により製造することができる。例えば、n=0の場合、中心骨格(Ar部分)に対応するアミノ化合物を出発原料とし、これをジアゾ化して下記構造式(xiii)で表されるジアゾニウム塩として単離したのち、これを適当な有機溶媒(N,N−ジメチルホルムアミドなど)中で、下記構造式(xiv)で表されるカップラー化合物とアルカリの存在下でカップリング反応させることにより、下記構造式(1)で表される本発明のアゾ化合物が得られる。
また、n=1〜3の場合は、下記構造式(xiii)で表されるジアゾニウム化合物に、下記構造式(xiv)で表されるカップラー化合物と下記構造式(xv)で表されるカップラー化合物とを2段階に順に反応させるか、或いは最初のカップリンク反応によって得られるジアゾニウム塩化合物を単離した後、更に、それぞれに対応するカップラー化合物を反応することにより、下記構造式(1)で表される本発明のアゾ化合物が得られる。
【0131】
【化65】

【0132】
前記構造式(1)、前記構造式(xiii)、前記構造式(xiv)、及び前記構造式(xv)中、Arは、結合基を介して結合してもよい置換又は無置換の芳香族炭化水素基、置換又は無置換の芳香族複素環基を表す。Cpは、2〜6価のカップラー残基を、Cpは、1価のカップラー残基を表す。ZはCl、Br、I、BF、PF、B(C、ClO、SO2−、下記構造式(xvi)で表される基、AsF、SbFなどのアニオン官能基を表す。nは、2〜6の整数を表す。nは、0〜3の整数を表す。
【0133】
【化66】

【0134】
上記反応においては、副生成物として前記構造式(xiii)で表されるジアゾニウム化合物と前記構造式(xiv)で表されるカップラー化合物がカップリングして生成したオリゴマーアゾ化合物もしくはポリマーアゾ化合物、また、前記構造式(xiii)で表されるジアゾニウム化合物と前記構造式(xv)で表されるカップラー化合物がカップリングして生成したモノアゾ化合物もしくはジスアゾ化合物が生成する場合があるが、本発明のアゾ化合物においては、これらの副生成物は特に分離せずに用いてもよい。
【0135】
以上説明したように、本発明のアゾ化合物の具体例を以下の表52〜表53に表すが、簡略化のため、前記中心骨格(Ar部分)、及び前記カップラー化合物を示し、それらの各々の番号の組合せによってアゾ化合物を表すが、これらに限定されるものではない。
【0136】
【表52】

【0137】
【表53】

【実施例】
【0138】
以下、実施例により本発明について詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0139】
(実施例1)
−2−(t―ブトキシ)−7,8−ナフタル酸ジメチルエステル〔構造式(12)におけるR1=R2=R3=R4=H,R5=CH3,R6=t−C49の化合物〕の合成−
p−t−ブトキシスチレン35.25g(0.2mol)、及びアセチレンジカルボン酸ジメチルエステル56.84g(0.4mol)をニトロベンゼン200mlに溶解し、140℃にて5時間反応させた。放冷した後、減圧下、ニトロベンゼンを留去し、残渣に対してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)処理を施し、40.78gの粗製物を得た。次いで、ジイソプロピルエーテルで再結晶して、36.63g(収率57.9質量%)の目的とするナフタレン化合物としての2−(t―ブトキシ)−7,8−ナフタル酸ジメチルエステルを合成した。
得られたナフタレン化合物の融点は82.0〜83.0℃であった。このナフタレン化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図1に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表54に表す。
【0140】
【表54】

【0141】
(実施例2)
−2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸ジメチルエステル〔構造式(8)におけるR1=R2=R3=R4=H,R5=CH3の化合物〕の合成−
実施例1で得られた2−(t―ブトキシ)−7,8−ナフタル酸ジメチルエステル31.63g(0.1mol)を塩化メチレン120mlに溶解し、室温攪拌下、トリフルオロ酢酸57.01g(0.5mol)を10分を要して滴下し、同条件下にて3時間反応させた。次いで、反応物を氷に注ぎ、水を加えて分相した後、塩化メチレン相を2回水洗し、無水硫酸マグネシウムにより脱水した。ろ過により硫酸マグネシウムを除去し、塩化メチレンを留去した残渣をトルエンより再結晶して、24.31g(収率93.4質量%)の目的とするナフタレン化合物としての2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸ジメチルエステルを合成した。
得られたナフタレン化合物の融点は139.0〜139.8℃であった。このナフタレン化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図2に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表55に表す。
【0142】
【表55】

【0143】
(実施例3)
−カップラー化合物No.H5の合成−
実施例2で得られた2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸ジメチルエステル15.61g(0.06mol)、及び1,6−ジアミノヘキサン3.49g(0.03mol)をエチレングリコール100ml中、窒素ガス気流下、140℃にて6時間攪拌反応させた。放冷後、反応物を氷上に注ぎ、塩酸酸性した後、析出した結晶をろ取し、500mlのイオン交換水で洗浄後、60℃で減圧下に乾燥して、粗製物8.37gを得た。得られた粗製物をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)80mlに加熱溶解し、熱時ろ過後、n−ブタノール200ml中に再沈して、7.70g(収率50.5質量%)の橙色のカップラー化合物としてのN,N’−ヘキサメチレンビス(2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸イミド)(例示化合物No.H5)を得た。
得られたカップラー化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図3に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表56に表す。
【0144】
【表56】

【0145】
(実施例4)
−カップラー化合物No.H25の製造−
実施例2で得られた2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸ジメチルエステル15.61g(0.06mol)、及びp−キシリレンジアミン4.09g(0.03mol)をエチレングリコール150ml中、窒素ガス気流下140℃で8時間、攪拌反応させた。放冷後、反応物を氷上に注ぎ、塩酸酸性とした後、析出した結晶をろ取し、500mlのイオン交換水で洗浄後、60℃で減圧下に乾燥して、粗製の目的物10.78gを得た。得られた粗製物をDMSO(ジメチルスルホキシド)220mlに加熱溶解し、熱時ろ過後、n−ブタノール220ml中に再沈して7.79g(収率49.1%)橙色のカップラー化合物(例示化合物No.H25)を得た。
得られたカップラー化合物のフーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図4に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表57に表す。
【0146】
【表57】

【0147】
(実施例5)
−カップラー化合物No.H28の製造−
実施例2で得られた2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸ジメチルエステル15.61g(0.06mol)、及びm−キシリレンジアミン4.09g(0.03mol)をエチレングリコール150ml中、窒素ガス気流下140℃で8時間、攪拌反応させた。放冷後、反応物を氷上に注ぎ、塩酸酸性とした後、析出した結晶をろ取し、500mlのイオン交換水で洗浄後、60℃で減圧下に乾燥して、粗製の目的物8.97gを得た。得られた粗製物をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)80mlに加熱溶解し、熱時ろ過後、n−ブタノール300ml中に再沈して7.21g(収率45.5%)橙色のカップラー化合物(No.H28)を得た。
得られたカップラー化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図5に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表58に表す。
【0148】
【表58】

【0149】
(実施例6)
−アゾ化合物No.P21の合成−
実施例3で得られたN,N’−ヘキサメチレンジ(2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸イミド)(カップラー化合物No.H5)0.508g(1mmol)をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)100mlに溶解した。次に、この溶液に、室温にて、予め2,7−ジアミノ−9−フルオレノンから合成した9−フルオレノン−2,7−ビスジアゾニウムテトラフルオロボレート0.816g(2mmol)を加え、10分間室温攪拌した。
次に、2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)ナフタレン(カップラーNo.17の化合物)0.595g(2mmol)とDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)40mlからなる溶液を加えた。次いで、10質量%酢酸ナトリウム水溶液8.23gを10分間を要して滴下し、室温にて6時間攪拌反応させた。次に、生成した沈殿をろ別し、室温にてDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)120mlで5回洗浄し、次に、水120mlで3回洗浄した。減圧下、70℃で乾燥して、アゾ化合物(例示化合物No.P21)0.537g(収率34.2質量%)を得た。
得られたアゾ化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図6に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表59に表す。
【0150】
【表59】

【0151】
(実施例7)
−アゾ化合物No.P28の製造−
実施例4で得られたN,N’−(p−キシリレン)ジ(2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸イミド)(カップラー化合物No.H25)0.528g(1mmol)をDMSO(ジメチルスルホキシド)100mlに溶解し、室温にて、予め2,7−ジアミノ−9−フルオレノンより合成された9−フルオレノン−2,7−ビスジアゾニウムテトラフルオロボレート0.816g(2mmol)を加え、10分間室温攪拌した。次いで、2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)ナフタレン(カップラーNo.17の化合物)0.595g(2mmol)とDMSO(ジメチルスルホキシド)40mlからなる溶液を加えた。次いで、10質量%酢酸ナトリウム水溶液8.20gを15分を要して滴下し、室温にて6時間攪拌反応した。生成している沈殿をろ別し、80℃にてDMSO(ジメチルスルホキシド)140mlで3回洗浄し、次に、水140mlで2回洗浄した。70℃で減圧下に乾燥して、アゾ化合物(No.P28)0.976g(収率62.6%)を得た。
得られたアゾ化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図7に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表60に表す。
【0152】
【表60】

【0153】
(実施例8)
−アゾ化合物No.P34の製造−
実施例5で得られたN,N’−(m−キシリレン)ジ(2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸イミド)(カップラー化合物No.H28)0.528g(1mmol)をDMSO(ジメチルスルホキシド)100mlに溶解し、室温にて、予め2,7−ジアミノ−9−フルオレノンより合成された9−フルオレノン−2,7−ビスジアゾニウムテトラフルオロボレート0.816g(2mmol)を加え、10分間室温攪拌した。次いで、2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)ナフタレン(カップラーNo.17の化合物)0.595g(2mmol)とDMSO(ジメチルスルホキシド)40mlからなる溶液を加えた。次いで、10質量%酢酸ナトリウム水溶液8.20gを15分を要して滴下し、室温にて6時間攪拌反応した。生成している沈殿をろ別し、80℃にてDMSO(ジメチルスルホキシド)140mlで3回洗浄し、次に、水140mlで2回洗浄した。70℃で減圧下に乾燥して、アゾ化合物(No.P34)1.146g(収率72.1%)を得た。
得られたアゾ化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図8に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表61に表す。
【0154】
【表61】

【0155】
(実施例9)
−アゾ化合物No.P15の製造−
実施例3で得られたN,N’−ヘキサメチレンジ(2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸イミド)(カップラー化合物No.H5)0.508g(1mmol)をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)90mlに溶解し、室温にて、予め2,7−ジアミノ−9−フルオレノンから合成した9−フルオレノン−2,7−ビスジアゾニウムテトラフルオロボレート0.816g(2mmol)を加え、10分間室温攪拌した。次いで、N−(3−フェニルプロピル)−2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸イミド(カップラーNo.24の化合物)0.663g(2mmol)とDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)50mlからなる溶液を加えた。次いで、10質量%酢酸ナトリウム水溶液8.20gを15分間を要して滴下し、室温にて5時間攪拌反応させた。次いで、生成した沈殿をろ別し、室温にてDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)140mlで3回洗浄し、次に、水140mlで2回洗浄した。減圧下、70℃で乾燥して、アゾ化合物(例示化合物No.P15)0.097g(収率5.9質量%)を得た。
得られたアゾ化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図9に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表62に表す。
【0156】
【表62】

【0157】
(実施例10)
−アゾ化合物No.P23の製造−
実施例3で得られたN,N’−ヘキサメチレンジ(2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸イミド)(カップラー化合物No.H5)0.508g(1mmol)をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)90mlに溶解し、室温にて、予め2,7−ジアミノ−9−フルオレノンから合成した9−フルオレノン−2,7−ビスジアゾニウムテトラフルオロボレート0.816g(2mmol)を加え、10分間室温攪拌した。次いで、2−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)カルバモイル−11h−ベンゾ[a]カルバゾール(カップラーNo.73の化合物)0.765g(2mmol)とDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)50mlからなる溶液を加えた。次いで、10質量%酢酸ナトリウム水溶液8.21gを15分間を要して滴下し、室温にて5時間攪拌反応させた。次いでに、生成した沈殿をろ別し、室温にてDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)140mlで3回洗浄し、次に、水140mlで2回洗浄した。減圧下、70℃で乾燥して、アゾ化合物(例示化合物No.P23)0.296g(収率17.0質量%)を得た。
得られたアゾ化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図10に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表63に表す。
【0158】
【表63】

【0159】
(実施例11)
−アゾ化合物No.P24の製造−
実施例3で得られたN,N’−ヘキサメチレンジ(2−ヒドロキシ−7,8−ナフタル酸イミド)(カップラー化合物No.H5)0.508g(1mmol)をDMSO(ジメチルスルホキシド)90mlに溶解し、室温にて、予め2,7−ジアミノ−9−フルオレノンから合成した9−フルオレノン−2,7−ビスジアゾニウムテトラフルオロボレート0.816g(2mmol)を加え、10分間室温攪拌した。次いで、2(5)−ヒドロキシ−7H−ベンズイミダゾ[2,1−a]ベンズイソキノリノン−7(カップラーNo.195の化合物)0.572g(2mmol)とDMSO(ジメチルスルホキシド)50mlからなる溶液を加えた。次いで、10質量%酢酸ナトリウム水溶液8.20gを15分間を要して滴下し、室温にて5時間攪拌反応させた。次いで、生成した沈殿をろ別し、室温にてDMSO(ジメチルスルホキシド)140mlで3回洗浄し、次に、水140mlで2回洗浄した。減圧下、70℃で乾燥して、アゾ化合物(例示化合物No.P24)1.282g(収率83.0質量%)を得た。
得られたアゾ化合物について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(株式会社堀場製作所製)で測定した赤外線吸収スペクトルを図11に表す。また、有機元素分析装置CHNコーダーMT−5(ナヤコ分析工業株式会社製)で測定した元素分析の結果を表64に表す。
【0160】
【表64】

【0161】
(応用例1)
−感光体の作製−
実施例6で得られたアゾ化合物(No.P21)7.5質量部、ポリエステル樹脂(バイロン200;東洋紡社製)の0.5質量%テトラヒドロフラン溶液500質量部をボールミル中で粉砕、混合し、得られた分散液をアルミニウム蒸着ポリエステルフィルム上にドクターブレードで塗布し、自然乾燥して、厚さ約1μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(D−1)で示される電荷輸送物質1質量部、ポリカーボネート樹脂(パンライトK1300;帝人化成社製)1質量部、テトラヒドロフラン8質量部の電荷輸送層塗布液を調製した。この電荷輸送層塗布液を前記電荷発生層上にドクターブレードで塗布し、80℃にて2分間、次いで、120℃にて5分間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。以上により、感光体を作製した。
【0162】
【化67】

【0163】
以上のようにして得られた電子写真感光体について、25℃−55%RHの環境下、静電複写紙試験装置EPA−8200(川口電機製作所製)を用い、暗所で−6kVのコロナ放電を20秒間行って帯電させた後、更に20秒間暗所に放置し、その時の表面電位V0(V)を測定した。次いで、タングステンランプによって感光体表面の照度5.3ルックスになるようにして光を照射して、その表面電位がV0の1/2になるまでの時間(秒)を求め、可視域での感度として半減露光量E1/2(ルックス・秒)を算出した。その結果、V0=−1213ボルト、E1/2=1.04ルックス・秒であった。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明のアゾ化合物の製造方法により製造されたアゾ化合物は、高速複写機用としては勿論、レーザープリンター用としても実用的な高感度の電子写真感光体、特に、積層型感光体に幅広く用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】図1は、実施例1のナフタレン化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図2】図2は、実施例2のナフタレン化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図3】図3は、実施例3のカップラー化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図4】図4は、実施例4のカップラー化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図5】図5は、実施例5のカップラー化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図6】図6は、実施例6のアゾ化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図7】図7は、実施例7のアゾ化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図8】図8は、実施例8のアゾ化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図9】図9は、実施例9のアゾ化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図10】図10は、実施例10のアゾ化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図11】図11は、実施例11のアゾ化合物の赤外吸収スペクトル図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式(1)で表されることを特徴とするアゾ化合物。
【化1】

ただし、前記構造式(1)において、Arは、結合基を介して結合していてもよい芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Cpは、下記構造式(1−1)で表される2〜6価のカップラー残基を表す。Cpは、1価のカップラー残基を表す。nは、2〜6の整数を表す。nは、0〜3の整数を表す。
【化2】

ただし、前記構造式(1−1)において、R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、又はアルコキシ基を表す。なお、R、R、R、及びRは、隣接する基どうしが結合して直接又は間接に環を形成してもよい。Xは、炭化水素基、及び複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。nは、2〜6の整数を表す。
【請求項2】
における炭化水素基が、アルキレン基及び芳香族炭化水素基のいずれかである請求項1に記載のアゾ化合物。
【請求項3】
における炭化水素基が、二価の芳香族炭化水素基である請求項1から2のいずれかに記載のアゾ化合物。
【請求項4】
Cpの少なくとも1つが、下記構造式(1−2)で表されるカップラー残基である請求項1から3のいずれかに記載のアゾ化合物。
【化3】

ただし、前記構造式(1−2)において、Zは、炭化水素環基、及び複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Rは、水素原子、及び炭化水素基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Yは、炭化水素環基、及び複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。
【請求項5】
Cpの少なくとも1つが、下記構造式(1−3)又は下記構造式(1−4)で表されるカップラー残基である請求項1から4のいずれかに記載のアゾ化合物。
【化4】


【化5】


ただし、前記構造式(1−3)及び前記構造式(1−4)において、Wは、芳香族炭化水素の2価基又は窒素原子を環内に含む複素環の2価基を表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。
【請求項6】
Cpの少なくとも1つが、下記構造式(1−5)で表されるカップラー残基である請求項1から5のいずれかに記載のアゾ化合物。
【化6】


ただし、前記構造式(1−5)において、Aは、芳香族炭化水素基、及び複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。mは、1〜6の整数を表す。
【請求項7】
Arが、下記構造式(1−6)で表される請求項1から6のいずれかに記載のアゾ化合物。
【化7】

【請求項8】
下記構造式(2)で表されることを特徴とするカップラー化合物。
【化8】

ただし、前記構造式(2)中、R、R、R、R、X、及びnは、前記構造式(1−1)と同じ意味を表す。
【請求項9】
における炭化水素基が、アルキレン基及び芳香族炭化水素基のいずれかである請求項8に記載のカップラー化合物。
【請求項10】
における炭化水素基が、二価の芳香族炭化水素基である請求項8から9のいずれかに記載のカップラー化合物。
【請求項11】
下記構造式(3)で表されるジアゾニウム塩化合物と、下記構造式(4)及び下記構造式(5)で表されるカップラー化合物とを反応させることを特徴とするアゾ化合物の製造方法。
【化9】

ただし、前記構造式(3)中、Arは結合基を介して結合してもよい芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基のいずれかを表し、これらは置換基により更に置換されていてもよい。Zはアニオン性の官能基を表す。nは1〜4の整数を表す。nが2以上の場合には、Zは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【化10】

ただし、前記構造式(4)中、Cpは2〜6価のカップラー残基を示す。nは2〜6の整数を示す。
【化11】

ただし、前記構造式(5)中、Cpは1価のカップラー残基を示す。
【請求項12】
下記構造式(6)で表されるナフタレン化合物と、下記構造式(7)で表されるアミン化合物とを、グリコール系溶媒及びグリセロール系溶媒から選択される少なくとも1種類の溶媒中で反応させることを特徴とするカップラー化合物の製造方法。
【化12】

ただし、前記構造式(6)中、R、R、R、及びRは、前記構造式(1−1)と同じ意味を表す。Rは、アルキル基を表し、該アルキル基は置換基により更に置換されていてもよい。
【化13】

ただし、前記構造式(7)中、X、及びnは、前記構造式(1−1)と同じ意味を表す。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−152230(P2006−152230A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−38439(P2005−38439)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】