説明

アダリムマブの結合蛋白質を含む組成物及び方法

本発明ではアダリムマブと特異的に結合する蛋白質を含む組成物及び方法を開示する。アダリムマブはサイトカインTNF−aに特異的なモノクローナル抗体であり、TNF−a介在性炎症性疾患を治療するために開発された。本発明の1側面において、結合蛋白質はアダリムマブに対する抗体である。これらの抗体はその結合フラグメントも含め、臨床状況と研究開発用に使用することができる。例えば、これらの抗アダリムマブ抗体はアダリムマブを中和するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアダリムマブに特異的な結合蛋白質に関する。1側面において、結合蛋白質は抗体である。これらの結合蛋白質は臨床状況と研究開発に有用である。
【背景技術】
【0002】
腫瘍壊死因子−α(以下、TNFと言う)は主に単球/マクロファージにより分泌される多機能前炎症性サイトカインであり、脂質代謝、血液凝固、インスリン抵抗性及び内皮機能に作用する。TNFは17kD蛋白質サブユニットの可溶性ホモ三量体である。TNFの膜結合型26kD前駆体も存在する。これは組織の滑膜細胞とマクロファージに存在する。単球又はマクロファージ以外の細胞もTNFを産生する。例えば、ヒト非単球腫瘍細胞株もTNFを産生し、更にCD4及びCD8末梢血Tリンパ球と所定の培養T及びB細胞株もTNFを産生する。限定するものではないが、TNFは関節リウマチに関与しており、多くの炎症性疾患に存在する。滑膜と末梢血及び滑液の数種の単核細胞にはTNFの受容体が存在する。TNFは関節リウマチにおける重要な炎症メディエーターであるため、特定免疫療法の有用なターゲットであると思われる。
【0003】
TNFは軟骨及び骨の劣化、接着分子の誘導、血管内皮細胞に対する前凝固活性の誘導、好中球及びリンパ球の接着の増加、並びにマクロファージ、好中球及び血管内皮細胞からの血小板活性化因子放出の刺激等の組織損傷をつながる前炎症性作用を生じる。最近のエビデンスによると、TNFは感染症、免疫疾患、新生物疾患、自己免疫疾患及び移植片対宿主病に結び付けられている。
【0004】
TNFはグラム陰性菌敗血症と内毒素ショック(発熱、倦怠感、食欲不振及び悪液質を含む)に中心的な役割を果たすと考えられている。内毒素は単球/マクロファージ産生とTNF及び他のサイトカインの分泌を強く活性化する。TNF及び他の単球由来サイトカインは内毒素に対する代謝及び神経ホルモン応答を媒介する。内毒素をヒトボランティアに投与すると、発熱、頻脈、代謝率増加及びストレスホルモン放出等のインフルエンザ様症状を伴う急性疾患を生じる。グラム陰性菌敗血症患者では循環TNFが増加する。TNFに対する中和性抗血清又はモノクローナル抗体は有害な生理的変化を排除し、実験的内毒素症及び菌血症における致死攻撃後の死亡を防止することが哺乳動物で示されている。
【0005】
従って、TNFは炎症性疾患、自己免疫疾患、ウイルス、細菌及び寄生虫感染症、悪性腫瘍、及び/又は神経変性疾患に関与すると考えられており、関節リウマチやクローン病等の疾患における特定生物療法の有用なターゲットである。TNFに対するキメラモノクローナル抗体によるオープンラベル試験で有益な効果が報告されており、関節リウマチ及びクローン病における炎症の抑制と再発後の再治療の成功が報告されている。
【0006】
アダリムマブ(Abbott Laboratoriesから市販されているその商標名であるHUMIRA(登録商標)でも知られる)はTNF−αに特異的な組換えヒトモノクローナル抗体である。このモノクローナル抗体はTNFと結合し、p55及びp75細胞表面TNF受容体とのその相互作用を阻害する。その教示内容全体を本願に援用する米国特許第6,090,382号参照。
【0007】
上記のように、TNFは病的炎症プロセスに重要な役割を果たす。アダリムマブは関節リウマチ等の病的炎症プロセスを治療するために臨床的に使用されている。臨床用途と科学研究には、アダリムマブと特異的に結合することが可能な抗体等の結合蛋白質を入手することが必要である。臨床状況では、対象にアダリムマブを投与すると、例えば過剰なアダリムマブ又は抗体に対する異常な感受性により副作用を生じる場合がある。場合により、アダリムマブ投与中の患者が重度感染症を生じ、生物学的に活性なTNFが感染症の抑制に不可欠となる場合がある。更に、所定の疾病の治療におけるアダリムマブとその役割を調査するためには、サンプルマトリックスでアダリムマブを定性的及び定量的に試験することが必要である。本発明はこれらの目的を達成するために使用することができるアダリムマブに特異的な結合蛋白質を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,090,382号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はアダリムマブと特異的に結合する蛋白質に関する。アダリムマブはサイトカインTNF−αに特異的なモノクローナル抗体であり、TNF−α介在性炎症性疾患を治療するために開発された。本発明の1側面において、結合蛋白質はアダリムマブに対する抗体である。これらの抗体はその抗原結合フラグメントも含め、臨床状況と研究開発用に使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1態様において、本発明の結合蛋白質は抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分である。これらの抗アダリムマブ抗体は例えばアダリムマブとその標的TNFの結合を防止することによりアダリムマブを中和するために使用することができる。この態様の1側面は抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合フラグメントを含有する医薬組成物に関する。対象が例えばアダリムマブに対する感受性をもつ場合には、治療を必要とする対象を治療するためにこれらの医薬組成物を使用することができる。
【0011】
本発明は更にそのフラグメント、変異体及び誘導体を含めてアダリムマブと特異的に結合し、臨床及び研究状況で使用することができる1種以上の抗体に関する。1特定側面において、これらの抗体は各々異なる特異的結合特性をもつ1種以上のモノクローナル抗体である。本発明で提供されるモノクローナル抗体はサンプルマトリックスにおいてそのフラグメント、変異体及び誘導体を含めてアダリムマブを検出するために十分な結合親和性をもつ。これらの抗体はアダリムマブ結合型TNF複合体を検出するためのアッセイで使用することもできる。
【0012】
本発明は更に例えばアダリムマブを中和するために医薬組成物で使用することができるその抗原結合部分を含めた抗アダリムマブ抗体を含む1種以上のキットを提供する。更に、これらのキットはサンプル中のアダリムマブを検出及び定量するために使用される試薬を含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明はアダリムマブと特異的に結合する蛋白質に関する。アダリムマブはサイトカインTNF−αに特異的なモノクローナル抗体であり、TNF−α介在性炎症性疾患を治療するために開発された。本発明の1側面において、結合蛋白質はアダリムマブに対する抗体である。これらの抗体はその抗原結合フラグメントも含め、臨床状況と研究開発用に使用することができる。
【0014】
本発明はアダリムマブ結合蛋白質に関する。1側面において、結合蛋白質は抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分である。1特定側面において、これらの抗体としてはいずれもアダリムマブと結合することが可能なCDRグラフト抗体、ヒト化抗体及びそのフラグメントが挙げられる。本発明はその抗原結合フラグメントを含めた抗アダリムマブ抗体を含有する医薬組成物にも関する。
【0015】
これらの抗アダリムマブ抗体とそのフラグメントは例えばアダリムマブとその標的TNFの結合を防止することによりアダリムマブを中和するために使用することができる。この阻害はインビボ又はインビトロ環境で実施することができる。本発明の抗体はサンプル中、例えば生体サンプル中のアダリムマブの検出に利用することもできる。これらの抗体はアダリムマブ結合型TNF複合体を検出するためのアッセイで使用することもできる。
【0016】
本発明をより理解し易くするために、先ず本明細書で使用する所定の用語を定義する。その他の定義については詳細な説明の随所に記載する。
【0017】
「腫瘍壊死因子」、「腫瘍壊死因子−α」、「TNF−α」及び「TNF」なる用語は内容からそうでないことが明白な場合を除き、本明細書では同義に使用し、天然に存在する任意変異体又は合成により製造された任意変異体を包含する。「アダリムマブ」及び「HUMIRA」なる用語についても同様である。
【0018】
本明細書で使用する「抗体」なる用語は完全抗体とその任意抗原結合フラグメント(即ち「抗原結合部分」)又は1本鎖を包含する。「抗体」とはジスルフィド結合により相互に結合した少なくとも2本の重鎖(H)と2本の軽鎖(L)を含む糖蛋白質又はその抗原結合部分を意味する。各重鎖は重鎖可変領域(本明細書ではVと略称する)と重鎖定常領域から構成される。重鎖定常領域はC1、C2及びC3の3領域から構成される。各軽鎖は軽鎖可変領域(本明細書ではVと略称する)と軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は1個の領域Cから構成される。V領域とV領域は更に相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域とその間に配置されたフレームワーク領域(FR)と呼ばれる保存度の高い領域に細分することができる。各V及びVはアミノ末端からカルボキシ末端に向かってFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順に配置された3個のCDRと4個のFRから構成される。重鎖と軽鎖の可変領域は抗原と相互作用する結合領域を含む。抗体の定常領域はFc受容体(例えばエフェクター細胞)や古典的補体系の第1成分(C1q)を介して免疫系の各種細胞を含む宿主組織又は因子と免疫グロブリンの結合を媒介することができる。
【0019】
留意すべき点として、抗アダリムマブ抗体と言う場合には、内容からそうでないことが明白な場合を除き、当然のことながらその抗原結合部分/フラグメントも包含する。同様に、内容からそうでないことが明白な場合を除き、アダリムマブと言う場合には、当然のことながらそのフラグメント、誘導体及び変異体も包含する。
【0020】
本明細書で使用する抗体の「抗原結合部分」(又は単に「抗体部分」)なる用語は抗原(例えばアダリムマブ)と特異的に結合することが可能な抗体の1個以上のフラグメントを意味する。抗体の抗原結合機能は全長抗体のフラグメントにより実施できることが分かっている。抗体の「抗原結合部分」なる用語に含まれる結合フラグメントの例としては、(i)V、V、C及びC1領域を含む1価フラグメントであるFabフラグメント;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド橋により結合された2個のFabフラグメントを含むF(ab’)フラグメント;(iii)V領域とC1領域を含むFdフラグメント;(iv)抗体のシングルアームのV領域とV領域を含むFvフラグメント;(v)V領域を含むdAbフラグメント(その教示内容全体を本願に援用するWard et al.,(1989)Nature 341:544 546);並びに(vi)単離型相補性決定領域(CDR)又は(vii)場合により合成リンカーにより相互に結合してもよい2個以上の単離型CDRの組合せが挙げられる。更に、Fvフラグメントの2個の領域であるV及びVは別々の遺伝子によりコードされるが、V領域とV領域が対合して1価分子(1本鎖Fv(scFv)と呼ばれる;例えばその教示内容全体を本願に援用するBird et al.(1988)Science 242:423 426;及びHuston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879 5883参照)を形成する1本鎖蛋白質にすることが可能な合成リンカーにより組換え法を使用して相互に結合することができる。このような単鎖抗体も抗体の「抗原結合部分」なる用語に含むものとする。これらの抗体フラグメントは当業者に公知の従来技術を使用して得られ、無傷抗体と同様に有用性についてフラグメントをスクリーニングする。
【0021】
本明細書で使用する「モノクローナル抗体」なる用語は特定エピトープに対して単一の結合特異性及び親和性を示す抗体を意味する。従って、「ヒトモノクローナル抗体」なる用語は単一の結合特異性を示し、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域と定常領域をもつ抗体を意味する。1態様において、ヒトモノクローナル抗体は不死化細胞に融合したヒト重鎖トランスジーンと軽鎖トランスジーンを含むゲノムをもつトランスジェニック非ヒト動物(例えばトランスジェニックマウス)から得られるB細胞を含むハイブリドーマにより産生される。
【0022】
本明細書で使用する「単離抗体」とは異なる抗原特異性をもつ他の抗体を実質的に含まない抗体を意味する(例えばアダリムマブと特異的に結合する単離抗体はアダリムマブ以外の抗原と特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。他方、アダリムマブのエピトープと特異的に結合する単離抗体は他のヒト抗体に対して交差反応性をもつ場合がある。しかし、抗体はアダリムマブと結合することが望ましい。更に、単離抗体は一般に他の細胞材料及び/又は化学物質を実質的に含まない。本発明の1態様では、異なるアダリムマブ特異性をもつ「単離」モノクローナル抗体の組合せを明確な組成で組合せる。
【0023】
本明細書で使用する「特異的結合」とは抗原上に存在するエピトープと結合し、他のエピトープ又は抗原とは結合しない抗体結合を意味する。一般に、本発明の抗体は約10−6M〜10−12M又はそれ以下の親和性(K)で結合する。1側面において、Kは約10−8M〜約10−9Mである。「抗原を認識する抗体」及び「抗原に特異的な抗体」なる用語は本明細書では「抗原と特異的に結合する抗体」と同義に使用する。
【0024】
本明細書で使用する「K」なる用語は特定抗体−抗原相互作用の解離平衡定数を意味する。
【0025】
本明細書で使用する「アイソタイプ」とは重鎖定常領域遺伝子によりコードされる抗体クラス(例えばIgM又はIgG1)を意味する。
【0026】
本明細書で使用する「対象」なる用語は任意ヒト又は非ヒト動物を包含する。例えば、本発明の方法及び組成物は関節炎(例えば関節リウマチ)等の炎症性疾患の対象を治療するために使用することができる。「非ヒト動物」なる用語は全脊椎動物を包含し、例えば非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類等の哺乳動物及び非ヒト哺乳動物が挙げられる。
【0027】
本発明の抗アダリムマブ抗体をハイブリドーマ技術により作製した後に、当分野で周知の細胞株、混合細胞株、不死化細胞又は不死化細胞のクローン集団により産生させることができる。例えば各々その開示内容全体を本願に援用するKohler and Milstein,Nature,256:495 97(1975);De St.Groth and Scheidegger,J.Immunol.Meth.,35:1 21(1980);E.Harlow and D.Lane,ed.,“Antibodies:A Laboratory Manual”,(1988),Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.;Hammerback and Vallee,J.Biol.Chem.,265:12763(1990),Ausubel,et al,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY,N.Y.(1987−2001);Sambrook,et al,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989);Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989);Colligan,et al,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,Inc.,NY(1994−2001);Colligan et al,Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,N.Y.,(1997−2001)参照。
【0028】
単離株及び/又はアダリムマブ又はその一部(合成ペプチド等の合成分子を含む)等の適切な免疫原性抗原に対してアダリムマブ又はそのフラグメントに特異的な抗体を作製することができる。他の特異抗体又は一般抗体も同様に作製することができる。免疫原性抗原の作製とモノクローナル抗体産物は当分野で公知の適切な任意技術を使用して実施することができる。
【0029】
1つのアプローチでは、適切な不死細胞株(例えば限定されないが、Sp2/0、Sp2/0−AG14、NSO、NS1、NS2、AE−1、L.5、>243、P3X63Ag8.653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5、U937、MLA 144、ACT IV、MOLT4、DA−1、JURKAT、WEHI、K−562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL−60、MLA 144、NAMAIWA、NEURO 2A等のミエローマ細胞株、又はその融合産物であるヘテロミエローマ、又は任意細胞もしくは前記細胞に由来する融合細胞、又は当分野で公知の他の適切な任意細胞株(例えばwww.atcc.org,www.lifetech.com.等参照))を抗体産生細胞(限定されないが、例えば単離又はクローン化脾臓、末梢血、リンパ、扁桃又は他の免疫もしくはB細胞含有細胞、あるいは組換え又は内在性のウイルス、細菌、藻類、原核、両生類、昆虫、爬虫類、魚類、哺乳動物、齧歯類、ウマ、ヒツジ類、ヤギ、ヒツジ、霊長類、真核、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNAもしくはRNA、葉緑体DNAもしくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、1本鎖、2本鎖もしくは3本鎖、ハイブリダイズ等又はその任意組合せ等の内在核酸又は異種核酸として重鎖又は軽鎖定常領域又は可変領域又はフレームワーク又はCDR配列を発現する他の任意細胞)と融合することによりハイブリドーマを作製することができる。例えば、その開示内容全体を本願に援用するAusubel and Colligan,Immunology,chapter 2参照。
【0030】
該当抗原で免疫したヒト又は他の適切な動物の末梢血又は脾臓又はリンパ節から抗体産生細胞を得ることもできる。本発明の抗体、特定フラグメント又はその変異体をコードする異種又は内在核酸を発現させるために他の適切な任意宿主も使用することができる。選択培養条件又は他の適切な公知方法を使用して融合細胞(ハイブリドーマ)又は組換え細胞を単離し、制限希釈法又は細胞ソーティング又は他の公知方法によりクローニングすることができる。所望特異性をもつ抗体を産生する細胞を適切なアッセイ(例えばELISA)により選択することができる。
【0031】
必要な特異性の抗体を作製又は単離する他の適切な方法も使用することができ、限定されないが、ペプチドもしくは蛋白質ライブラリー(限定されないが、例えばバクテリオファージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNA等ディスプレイライブラリー;例えばCambridge Antibody Technologies,Cambridgeshire,UK;MorphoSys,Martinsreid/Planegg,Del.;Biovation,Aberdeen,Scotland,UK;BioInvent,Lund,Sweden;Dyax Corp.,Enzon,Affymax/Biosite;Xoma,Berkeley,Calif.;Ixsysから市販されているもの;例えばEP 368,684,PCT/GB91/01134;PCT/GB92/01755;PCT/GB92/002240;PCT/GB92/00883;PCT/GB93/00605;米国シリアル番号08/350,260(1994年5月12日);PCT/GB94/01422;PCT/GB94/02662;PCT/GB97/01835;(CAT/MRC);WO90/14443;WO90/14424;WO90/14430;PCT/US94/1234;WO92/18619;WO96/07754;(Scripps);EP 614 989(MorphoSys);WO95/16027(BioInvent);WO88/06630;WO90/3809(Dyax);米国特許第4,704,692号(Enzon);PCT/US91/02989(Affymax);WO89/06283;EP 371 998;EP 550 400;(Xoma);EP 229 046;PCT/US91/07149(Ixsys)参照);又は確率的に作製されたペプチドもしくは蛋白質(各々その開示内容全体を本願に援用する米国特許第5,723,323号、5,763,192号、5,814,476号、5,817,483号、5,824,514号、5,976,86号、WO86/05803、EP 590 689(Ixsys,現名Applied Molecular Evolution(AME))から組換え抗体を選択する方法、あるいは当分野で公知及び/又は本明細書に記載するように、ヒト抗体のレパートリーを産生することが可能なトランスジェニック動物の免疫に依存する方法(例えばSCIDマウス,各々その開示内容全体を本願に援用するNguyen et al,Microbiol.Immunol.41:901−907(1997);Sandhu et al.,Crit.Rev.Biotechnol.16:95−118(1996);Eren et al,Immunol.93:154−161(1998)並びに関連特許及び出願)が挙げられる。このような技術としては限定されないが、リボソームディスプレイ法(Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:4937−4942(May 1997);Hanes et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:14130−14135(November 1998));シングルセル抗体作製技術(例えば選択リンパ球抗体法(「SLAM」)(米国特許第5,627,052号,Wen et al,J.Immunol.17:887−892(1987);Babcook et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843−7848(1996));ゲル微小滴法及びフローサイトメトリー(Powell et al,Biotechnol.8:333−337(1990);One Cell Systems,Cambridge,Mass.;Gray et al,J.Imm.Meth.182:155−163(1995);Kenny et al,Bio/Technol.13:787−790(1995));B細胞選択(Steenbakkers et al,Molec.Biol.Reports 19:125−134(1994);Jonak et al,Progress Biotech,Vol.5,In Vitro Immunization in Hybridoma Technology,Borrebaeck,ed.,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam,Netherlands(1988);いずれもその教示内容全体を本願に援用する)が挙げられる。
【0032】
非ヒト又はヒト抗体の組換え又はヒト化方法を使用することもでき、このような方法は当分野で周知である。一般に、ヒト化又は組換え抗体は限定されないが、例えばマウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類又は他の哺乳動物等の非ヒト起源に由来する1個以上のアミノ酸残基をもつ。これらのヒトアミノ酸残基は一般に公知ヒト配列の「インポート」可変領域、定常領域又は他の領域であることから「インポート」残基と呼ぶことが多い。公知ヒトIg配列は例えばwww.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi;www.atcc.org/phage/hdb.html;www.sciquest.com/;www.abcam.com/;www.antibodyresource.com/onlinecomp.html;www.public.iastate.edu/.about.pedro/research_tools.html;www.mgen.uni−heidelberg.de/SD/IT/IT.html;www.whfreeman.com/immunology/CH05/kuby05.htm;www.library.thinkquest.org/12429/Immune/Antibody.html;www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab/;www.pam.cam.ac.uk/.about.mrc7/mikeimages.html;www.antibodyresource.com/;mcb.harvard.edu/BioLinks/Immunology.html.www.immunologylink.com/;pathbox.wustl.edu/.about.hcenter/index.html;www.biotech.ufl.edu/.about.hcl/;www.pebio.com/pa/340913/340913.html;www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody/;www.m.ehime−u.ac.jp/.about.yasuhito/Elisa.html;www.biodesign.com/table.asp;www.icnet.uk/axp/facs/davies/links.html;www.biotech.ufl.edu/.about.fccl/protocol.html;www.isac−net.org/sites_geo.html;aximt1.imt.uni−marburg.de/.about.rek/AEPStart.html;baserv.uci.kun.nl/.about.jraats/links1.html;www.recab.uni−hd.de/immuno.bme.nwu.edu/;www.mrc−cpe.cam.ac.uk/imt−doc/public/INTRO.html;www.ibt.unam.mx/vir/V_mice.html;imgt.cnusc.fr:8104/;www.biochem.ucl.ac.uk/.about.martin/abs/index.html;antibody.bath.ac.uk/;abgen.cvm.tamu.edu/lab/wwwabgen.html;www.unizh.ch/.about.honegger/AHOseminar/Slide01.html;www.cryst.bbk.ac.uk/.about.ubcg07s/;www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.htm;www.path.cam.ac.uk/.about.mrc7/humanisation/TAHHP.html;www.ibt.unam.mx/vir/structure/stat_aim.html;www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html;www.cryst.bioc.cam.ac.uk/.about.frnolina/Web−pages/Pept/spottech.html;www.jerini.de/fr_products.htm;www.patents.ibm.com/ibm.html;Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Dept.Health(1983)に開示されており、各々その開示内容全体を本願に援用する。
【0033】
このようなインポート配列は免疫原性を低減するため、又は結合、親和性、会合速度、解離速度、アビディティ、特異性、半減期もしくは当分野で公知の他の適切な任意特性を低減、増加もしくは改変するために使用することができる。一般に、非ヒト又はヒトCDR配列の一部又は全部を維持する一方で、可変領域と定常領域の非ヒト配列をヒト又は他のアミノ酸で置換する。場合により抗原に対する高い親和性及び他の好ましい生物学的性質を維持しながら抗体をヒト化することもできる。この目的を達成するためには、場合により親及びヒト化配列の三次元モデルを使用して親配列及び各種概念的ヒト化産物の合成方法によりヒト化抗体を作製することもできる。三次元免疫グロブリンモデルは市販されており、当業者に周知である。選択された候補免疫グロブリン配列の予想三次元立体配座構造を図解及び表示するコンピュータプログラムが入手可能である。これらの表示の検証により、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の予想される役割を分析することができ、即ち候補免疫グロブリンがその抗原と結合する能力に影響を与える残基を分析することができる。こうして、標的抗原に対する親和性の増加等の所望の抗体特性が達成されるようにコンセンサス及びインポート配列から残基を選択し、組合せることができる。一般に、CDR残基は抗原結合への作用に直接的且つ最も実質的に関与している。本発明の抗体のヒト化又は組換えは限定されないが、各々その引用文献と共にその開示内容全体を本願に援用するWinter(Jones et al.,Nature 321:522(1986);Riechmann et al,Nature 332:323(1988);Verhoeyen et al,Science 239:1534(1988)),Sims et al,J.Immunol.151:2296(1993);Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901(1987),Carter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992);Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993),米国特許第5,723,323号、5,976,862号、5,824,514号、5,817,483号、5,814,476号、5,763,192号、5,723,323号、5,766,886号、5,714,352号、6,204,023号、6,180,370号、5,693,762号、5,530,101号、5,585,089号、5,225,539号;4,816,567号、PCT/:US98/16280、US96/18978、US91/09630;US91/05939、US94/01234、GB89/01334、GB91/01134、GB92/01755;WO90/14443、WO90/14424、WO90/14430、EP 229246に記載されている方法等の任意の公知方法を使用して実施することができる。
【0034】
場合により本明細書に記載及び/又は当分野で公知のようにヒト抗体のレパートリーを産生することが可能なトランスジェニック動物(例えばマウス、ラット、ハムスター、非ヒト霊長類等)の免疫により本発明の抗アダリムマブ抗体を作製することもできる。本明細書に記載する方法等の適切な方法を使用してこのような動物からヒト抗アダリムマブ抗体を産生する細胞を単離し、不死化することができる。
【0035】
ヒト抗原と結合するヒト抗体のレパートリーを産生することが可能なトランスジェニックマウスは限定されないが、各々その開示内容全体を本願に援用する米国特許第5,770,428号、5,569,825号、5,545,806号、5,625,126号、5,625,825号、5,633,425号、5,661,016号及び5,789,650号(特許権者Lonberg et al);Jakobovits et al.WO 98/50433、Jakobovits et al.WO 98/24893、Lonberg et al.WO 98/24884、Lonberg et al.WO 97/13852、Lonberg et al.WO 94/25585、Kucherlapate et al.WO 96/34096、Kucherlapate et al.EP 0463 151 B1、Kucherlapati et al.EP 0710 719 A1、Kucherlapati et al.米国特許第6,075,181号、Surani et al.米国特許第5,545,807号、Bruggemann et al.WO 90/04036、Bruggemann et al.EP 0438 474 B1、Lonberg et al.EP 0814 259 A2、Lonberg et al.GB 2 272 440 A、Lonberg et al.Nature 368:856−859(1994)、Taylor et al.,Int.Immunol.6(4)579−591(1994)、Green et al,Nature Genetics 7:13−21(1994)、Mendez et al.,Nature Genetics 15:146−156(1997)、Taylor et al.,Nucleic Acids Research 20(23):6287−6295(1992)、Tuaillon et al.,Proc Natl Acad Sci USA 90(8)3720−3724(1993)、Lonberg et al.,Int Rev Immunol 13(1):65−93(1995)及びFishwald et al.,Nat Biotechnol 14(7):845−851(1996)等の公知方法により作製することができる。一般に、これらのマウスは機能的に再編成されているか又は機能的再編成が可能な少なくとも1個のヒト免疫グロブリン遺伝子座に由来するDNAを含む少なくとも1個のトランスジーンを含む。動物が内在遺伝子によりコードされる抗体を産生する能力を失うように、このようなマウスの内在免疫グロブリン遺伝子座を破壊又は欠失させることができる。
【0036】
本発明の抗アダリムマブ抗体と標的(即ちアダリムマブ)は当分野で公知の任意方法により免疫特異的結合についてアッセイすることができる。使用することができるイムノアッセイとしては限定されないが、少数の例を挙げると、ウェスタンブロット、ラジムイムノアッセイ、ELISA(酵素免疫法)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、プレシピチン反応、ゲル拡散プレシピチン反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量アッセイ、蛍光イムノアッセイ、フロテインAイムノアッセイ等の技術を使用する競合又は非競合アッセイシステムが挙げられる。このようなアッセイは常法であり、当分野で周知である(例えばその開示内容全体を本願に援用するAusubel et al,eds,1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley & Sons,Inc.,New York参照)。
【0037】
免疫沈降プロトコルは一般に、蛋白質ホスファターゼ及び/又はプロテアーゼ阻害剤(例えばEDTA、PMSF、アプロチニン、バナジウム酸ナトリウム)を添加したRIPA緩衝液(1% NP−40又はTriton X−100,1%デオキシコール酸ナトリウム,0.1% SDS,0.15M NaCl,0.01Mリン酸ナトリウム,pH 7.2,1%トラジロール)等の溶解用緩衝液中で細胞集団を溶解させる段階と、該当抗体を細胞溶解液に加える段階と、所定時間(例えば1〜4時間)4℃でインキュベートする段階と、プロテインA及び/又はプロテインG セファロースビーズを細胞溶解液に加える段階と、4℃で約1時間以上インキュベートする段階と、溶解用緩衝液でビーズを洗浄する段階と、ビーズをSDS/サンプル緩衝液に再懸濁する段階を含む。例えばウェスタンブロット分析により該当抗体が特定抗原を免疫沈降させる能力を評価することができる。抗体と抗原の結合を増加し、バックグラウンドを低減するように変更可能なパラメータについては、当業者に周知である(例えば細胞溶解液をセファロースビーズで予備精製する)。免疫沈降プロトコルに関する更に詳細については、例えばAusubel et al,eds,1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley & Sons,Inc.,New York,10.16.1参照。
【0038】
ウェスタンブロット分析は一般に蛋白質サンプルを作製する段階と、蛋白質サンプルをポリアクリルアミドゲル(抗原の分子量に応じて例えば8%−20%SDS−PAGE)で電気泳動させる段階と、蛋白質サンプルをポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース、PVDF又はナイロン等の膜に転写させる段階と、膜をブロッキング溶液(例えばPBS+3%BSA又は脱脂乳)でブロックする段階と、膜を洗浄用緩衝液(例えばPBS−Tween 20)で洗浄する段階と、ブロッキング緩衝液で希釈した一次抗体(該当抗体)で膜をブロックする段階と、膜を洗浄用緩衝液で洗浄する段階と、酵素基質(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ)又は放射性分子(例えば32P又は125I)で標識し、ブロッキング緩衝液で希釈した(一次抗体、例えば抗アダリムマブ抗体を認識する)二次抗体で膜をブロックする段階と、膜を洗浄用緩衝液で洗浄する段階と、抗原の存在を検出する段階を含む。検出されるシグナルを増加し、バックグラウンドノイズを低減するように変更可能なパラメータについては、当業者に周知である。ウェスタンブロットプロトコルに関する更に詳細については、例えばAusubel et al,eds,1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley & Sons,Inc.,New York,10.8.1参照。
【0039】
ELISAは抗原を準備する段階と、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルに抗原をコーティングする段階と、酵素基質(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ)等の検出可能な化合物で標識した該当抗体をウェルに加える段階と、所定時間インキュベートする段階と、抗原の存在を検出する段階を含む。ELISAでは、該当抗体を検出可能な化合物で標識せずに、検出可能な化合物で標識した(該当抗体を認識する)第2の抗体をウェルに加えてもよい。更に、抗原をウェルにコーティングする代わりに、抗体をウェルにコーティングしてもよい。この場合には、コーティングしたウェルに該当抗原を添加後に、検出可能な化合物で標識した第2の抗体を加えればよい。検出されるシグナルを増加するように変更可能なパラメータ及び当分野で公知のELISAの他の変形については、当業者に周知である。ELISAに関する更に詳細については、例えばAusubel et al,eds,1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley & Sons,Inc.,New York,11.2.1参照。
【0040】
抗体と抗原の結合親和性と抗体−抗原相互作用の解離速度は競合的結合アッセイにより測定することができる。競合的結合アッセイの1例は未標識抗原の量を増加しながら標識抗原(例えばH又は125I)を該当抗体と共にインキュベートする段階と、標識抗原と結合した抗体を検出する段階を含むラジオイムノアッセイである。特定抗原に対する該当抗体の親和性と、結合解離定数はスキャッチャードプロット分析によりデータから決定することができる。第2の抗体との競合もラジオイムノアッセイ(RIA)を使用して測定することができる。この場合には、第2の未標識抗体の量を増加しながら標識化合物(例えばH又は125I)で標識した該当抗体と共に抗原をインキュベートする。他方、抗原に対する抗体の親和性を決定する別の方法は表面プラズモン技術、即ちBIA core機器を使用する方法である。この方法では、共有結合した二次抗体(例えばヤギ抗マウス免疫グロブリン抗体)と共に抗体をバイオセンサーチップに固定する。その後、各種濃度の抗原をバイオセンサーチップに流し、結合した材料の量を時間の関数として記録し、センサーグラムと呼ばれるものを作成する。同様に、緩衝液のみを流すことにより記録した抗原の解離を行うことができる。反の会合速度及び解離速度とKdを計算するために使用される特殊ソフトウェアプログラムによりセンサーグラムを分析する。
【0041】
限定されないが、プロテインA精製法、硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿法、酸抽出法、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマトグラフィー等の周知方法により組換え細胞培養物から抗アダリムマブ抗体を回収精製することができる。高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)も精製に利用することができる。例えば各々その開示内容全体を本願に援用するColligan,Current Protocols in Immunology又はCurrent Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,N.Y.,(1997−2001),例えばChapters 1,4,6,8,9,10参照。
【0042】
本発明の抗体としては天然精製物、化学合成法の産物及び真核宿主(例えば酵母、高等植物、昆虫及び哺乳動物細胞)から組換え技術により作製した産物が挙げられる。組換え作製法で使用する宿主に応じて、本発明の抗体に糖鎖付加してもよいし、糖鎖付加しなくてもよい。このような方法はいずれもその開示内容全体を本願に援用するSambrook,Sections 17.37−17.42;Ausubel,Chapters 10,12,13,16,18及び20、Colligan,Protein Science,Chapters 12−14等の多数の標準実験マニュアルに記載されている。
【0043】
別の側面において、本発明は医薬的に許容可能なキャリヤーと配合した本発明の抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分の1種又はその組合せを含有する組成物(例えば医薬組成物)を提供する。1側面において、組成物は複数(例えば2種以上)の単離抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分の組合せを含有する。1特定側面において、組成物の抗体の各々はアダリムマブの別個のエピトープと結合する。
【0044】
本発明は更に、1種以上の病態を治療するために本発明の抗アダリムマブ抗体を対象(限定されないが、ヒトを含む)に投与する段階を含む抗体療法に関する。1種の病態はアダリムマブ関連過敏症、中毒症又は疾病に関連するものが挙げられる。本発明の治療用化合物としては限定されないが、本発明の抗アダリムマブ抗体(その抗原結合フラグメントを含む)及び本発明の抗体(その抗原結合フラグメントを含む)をコードする核酸が挙げられる。本発明の抗体はアダリムマブに関連する疾病、疾患又は病態を治療、抑制又は予防するために使用することができる。本発明の抗アダリムマブ抗体は当分野で公知の方法又は本明細書に記載する方法で医薬的に許容可能な組成物として提供することができる。
【0045】
本発明の抗アダリムマブ抗体は単独で投与してもよいし、当業者に周知の他の型の治療と併用してもよい。
【0046】
アダリムマブに関するイムノアッセイ及びアダリムマブに関連する疾患の治療のどちらにも、アダリムマブ又はそのフラグメントに対する本発明の高親和性及び/又は強力インビボ阻害性及び/又は中和性抗体を使用することが望ましい。このような抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合フラグメントはその任意フラグメントを含めてアダリムマブに対する中〜高親和性をもつ。適切な結合親和性としては、解離定数又はKが約10−6〜約10−12M又はそれ以下の濃度の親和性が挙げられる。1側面において、Kは約10−8〜約10−9Mである。
【0047】
本発明の医薬組成物を併用療法で投与することもでき、即ち他の薬剤と併用することもできる。例えば、併用療法は抗炎症薬、DMARD(疾病緩和性抗リウマチ薬)、免疫抑制剤及び他の薬剤等の少なくとも1種の他の治療薬と共に本発明の組成物を使用することができる。本発明の医薬組成物は限定されないが、外科手術、化学療法、放射線療法等の他の治療法と併用投与することもできる。本発明の医薬組成物と他の抗体の併用投与も本発明に含まれる。
【0048】
本明細書で使用する「医薬的に許容可能なキャリヤー」とは生理的に適合可能な全溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤、抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を包含する。1側面において、キャリヤーは(例えば注射又は輸液による)静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄又は表皮投与に適している。投与経路に応じて、化合物を不活性化する可能性のある酸及び他の自然条件の作用から化合物を保護するための材料で活性化合物(即ち抗体又はその抗原結合部分)をコーティングしてもよい。
【0049】
「医薬的に許容可能な塩」とは、親化合物の所望の生物活性を維持し、望ましくない毒性作用を生じない塩を意味する(例えばその教示内容全体を本願に援用するBerge,S.M.,et al.(1977)J.Pharm.Sci.66:1 19参照)。このような塩の例としては、酸付加塩と塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等の非毒性無機酸から誘導されるものと、脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸等の非毒性有機酸から誘導されるものが挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属から誘導されるものと、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカイン等の非毒性有機アミンから誘導されるものが挙げられる。
【0050】
本発明の組成物は当分野で公知の各種方法により投与することができる。当業者に自明の通り、投与経路及び/又は方式は所望の結果により異なる。化合物が急速に放出されないように保護するキャリヤーを使用して活性化合物を製剤化することができる(例えばインプラント、経皮パッチ及びマイクロカプセル送達システム等の制御放出製剤)。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸等の生分解性生体適合性ポリマーを使用することができる。このような製剤の多数の製造方法が特許取得されており、あるいは一般に当業者に公知である。例えばその教示内容全体を本願に援用するSustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978参照。
【0051】
所定の投与経路により本発明の化合物を投与するためには、その不活性化を防止するための材料を化合物にコーティングするか、又は化合物をこのような材料と併用投与することが必要な場合がある。例えば、化合物を適切なキャリヤー(例えばリポソーム)又は希釈剤に加えて対象に投与することができる。医薬的に許容可能な希釈剤としては塩類及び水性緩衝溶液が挙げられる。リポソームとしては、水中油中水CGFエマルションと従来のリポソームが挙げられる(その教示内容全体を本願に援用するStrejan et al.(1984)J.Neuroimmunol.7:27)。
【0052】
医薬的に許容可能なキャリヤーとしては、滅菌水溶液又は分散液と滅菌注射用溶液又は分散液の即席調製用滅菌散剤が挙げられる。医薬活性物質にこのような媒体及び物質を使用することは当分野で公知である。活性化合物に不適合な場合を除き、従来の媒体又は物質を本発明の医薬組成物中で使用することが考えられる。補助活性化合物を組成物に加えてもよい。
【0053】
治療用組成物は一般に製造及び保存条件下で無菌且つ安定でなければならない。組成物は溶液、マイクロエマルション、リポソーム又は高い薬剤濃度に適した他の注文構造として製剤化することができる。キャリヤーは例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)を含有する溶媒又は分散媒及び適切なその混合物とすることができる。例えばレシチン等のコーティングの使用、分散液の場合には必要な粒度の維持及び界面活性剤の使用により適正な流動度を維持することができる。多くの場合には、等張剤、例えば糖類、ポリアルコール(例えばマンニトール、ソルビトール)又は塩化ナトリウムを組成物に加えることが望ましい。吸収を遅らせる物質(例えばモノステアリン酸塩やゼラチン)を組成物に加えることにより注射用組成物の長期吸収を生じることができる。
【0054】
滅菌注射用溶液は必要に応じて上記成分の1種又は組合せと共に必要量の活性化合物を適切な溶媒に添加した後、滅菌精密濾過法により製造することができる。一般に、分散液は塩基性分散媒と上記成分からの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに活性化合物を添加することにより製造される。滅菌注射用溶液の調製用滅菌散剤の場合には、適切な製造方法は予め滅菌濾過したその溶液から活性成分と他の任意の所望成分の粉末を得る真空乾燥法とフリーズドライ(凍結乾燥)法である。
【0055】
最適所望応答(例えば治療応答)が得られるように投与レジメンを調節し、当業者により決定することができる。例えば、単回ボーラスを投与してもよいし、時間をかけて数回に分けて投与してもよいし、治療状況の必要に応じて用量を比例的に増減してもよい。例えば、限定されないが、その抗原結合部分を含めた本発明の抗アダリムマブ抗体を所与時間枠内で皮下注射により1回又は複数回投与することができる。投与し易さと投与の均一性のためには用量単位形態の非経口組成物を製剤化すると、特に有利である。本明細書で使用する用量単位形態とは、治療する対象に単位用量として適した物理的に不連続の単位を意味し、各単位は必要な医薬キャリヤーと共に所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する。本発明の用量単位形態の仕様は、(a)活性化合物の独自の特徴と、達成しようとする特定治療効果、及び(b)個体における過敏症の治療用としてのこのような活性化合物を配合する技術に固有の制約により決定され、これらに直接依存する。
【0056】
医薬的に許容可能な酸化防止剤の例としては、(1)水溶性酸化防止剤(例えばアスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等);(2)油溶性酸化防止剤(例えばパルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール等);及び(3)金属キレート剤(例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等)が挙げられる。
【0057】
治療用組成物として、本発明の製剤としては経口、鼻孔、局所(口腔及び舌下を含む)、直腸、膣及び/又は非経口投与に適した製剤が挙げられる。製剤は単位用量形態にすると好適であり、製薬分野で公知の任意方法により製造することができる。単一用量形態を製造するためにキャリヤー材料と併用することができる活性成分の量は治療する対象と、特定投与方式により異なる。単一用量形態を製造するためにキャリヤー材料と併用することができる活性成分の量は一般に治療効果を生じる組成物の量となる。一般に、100%に対してこの量は活性化合物約0.001%〜約90%であり、1側面では約0.005%〜約70%、更に別の側面では約0.01%〜約30%である。
【0058】
膣投与に適した本発明の製剤としては更に、当分野で適切であることが知られているようなキャリヤーを含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォーム又はスプレー製剤が挙げられる。本発明の局所又は経皮投与用剤形としては散剤、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル、溶液、パッチ及び吸入剤が挙げられる。滅菌条件下で活性化合物を医薬的に許容可能なキャリヤーと、必要に応じて防腐剤、緩衝剤又は噴射剤と混合すればよい。
【0059】
本明細書で使用する「非経口投与」及び「非経口投与する」なる用語は経腸及び局所投与以外の通常では注射による投与方式を意味し、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄膜内、関節包内、眼窩内、心臓内、皮内、腹膜内、気管支内、皮下、表皮下、関節内、皮膜下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外及び胸骨内注射及び輸液が挙げられる。
【0060】
本発明の医薬組成物で利用することができる適切な水性及び非水性キャリヤーの例としては水、エタノール、ポリオール類(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)及びその適切な混合物、植物油(例えばオリーブ油)及び注射用有機エーテル類(例えばオレイン酸エチル)が挙げられる。例えばリシチン等のコーティング材料の使用、分散液の場合には必要な粒度の維持、及び界面活性剤の使用により適正な流動度を維持することができる。
【0061】
これらの組成物には更に防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤等のアジュバントを加えることができる。当分野で周知の滅菌法と各種抗細菌剤及び抗真菌剤(例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等)の添加の両方により微生物の存在の予防を確保することができる。等張剤(例えば糖類、塩化ナトリウム等)を組成物に添加することが望ましい場合もある。更に、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチン等の吸収を遅らせる物質の添加により注射用製剤の長期吸収も得られる。
【0062】
本発明の化合物を薬剤としてヒト及び動物に投与する場合には単独で投与することもできるし、医薬的に許容可能なキャリヤーと共に例えば0.001〜90%(1特定側面では0.005〜70%、例えば0.01〜30%)の活性成分を含有する医薬組成物として投与することもできる。
【0063】
選択した投与経路に関係なく、適切な水和形態で使用することができる本発明の化合物及び/又は本発明の医薬組成物は当業者に公知の従来方法により医薬的に許容可能な剤形に製剤化される。
【0064】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の用量レベルは患者に毒性を与えずに特定患者の所望治療応答、組成及び投与方式を達成するために有効な量の成分が得られるように変動させることができる。本発明の医薬組成物の適正な用量及び投与方式を評価及び決定するために必要な知識は当業者に自明である。選択される用量レベルは利用する本発明の特定組成物又はそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、利用する特定化合物の排泄速度、治療期間、利用する特定組成物と併用する他の薬剤、化合物及び/又は材料、治療対象の患者の年齢、性別、体重、病態、一般健康状態及び病歴、並びに医学分野で周知の同様の因子等の各種薬物動態学的因子により異なる。当分野の通常の知識をもつ医師又は獣医は必要な医薬組成物の有効量を容易に決定及び処方することができる。例えば、医師又は獣医は所望の治療効果を達成し、所望の効果が達成されるまで用量を漸増するために、医薬組成物中で利用される本発明の化合物の用量を必要なレベルよりも低レベルで出発することができる。一般に、本発明の組成物の適切な1日用量は治療効果を生じるために有効な最低用量である化合物の量となる。このような有効用量は一般に上記因子により異なる。投与は静脈内、筋肉内、腹腔内又は皮下とすることができる。所望により、治療組成物の有効1日用量を場合により単位用量形態で1日に適切な間隔で2回、3回、4回、5回、6回又はそれ以上に分けて投与することができる。本発明の化合物を単独で投与してもよいが、化合物を医薬製剤(組成物)として投与してもよい。
【0065】
1側面では、アダリムマブに関連する問題を決定する。アダリムマブの循環量を測定するためにアダリムマブPKアッセイを利用することができる。この情報により、当業者は対象に投与するために有効な抗アダリムマブの量を達成することができる。
【0066】
実験によりこの概念をその効力について試験することができる。ヒト以外の霊長類(「試験対象」)に各種用量のアダリムマブを投与することができる。PKアッセイを使用すると、アダリムマブの実際のレベルを確認することができ、試験対象からの血清によるL929アッセイで活性抗体の量を測定することができる。(L929アッセイは米国特許第6,090,382号に記載されている。)(アダリムマブを使用して力価測定した)異なる試験対象で、アダリムマブを中和するのに有効な量を測定するために各種量の抗アダリムマブ抗体を投与することができる。
【0067】
当分野で公知の医療装置を使用して治療組成物を投与することができる。例えば、その教示内容全体を本願に援用する米国特許第5,399,163号、5,383,851号、5,312,335号、5,064,413号、4,941,880号、4,790,824号又は4,596,556号に記載されている装置等の無針皮下注射装置により本発明の組成物を投与することができる。本発明で有用な周知インプラント及びモジュールの例としては、制御された速度で医薬を分配するための移植型マイクロインフュージョンポンプを開示している米国特許第4,487,603号;医薬を経皮投与するための治療装置を開示している米国特許第4,486,194号;厳密な輸液速度で医薬を送達するための医薬輸液ポンプを開示している米国特許第4,447,233号;連続薬剤送達用可変流量移植型輸液装置を開示している米国特許第4,447,224号;マルチチャンバーコンパートメントをもつ浸透圧薬剤送達システムを開示している米国特許第4,439,196号;及び浸透圧薬剤送達システムを開示している米国特許第4,475,196号が挙げられ、これらの特許はその教示内容全体を本願に援用する。他の多くのこのようなインプラント、送達システム及びモジュールも当業者に公知である。
【0068】
所定態様では、適正なインビボ分布を確保するように本発明の抗アダリムマブ抗体を製剤化することができる。例えば、血液脳関門(BBB)は多くの高親水性化合物の侵入を阻止する。本発明の治療用化合物が(必要に応じて)BBBを通過できるようにするためには、例えばリポソームで製剤化することができる。リポソームの製造方法については、例えばその教示内容全体を本願に援用する米国特許第4,522,811号、5,374,548号及び5,399,331号参照。リポソームは特定細胞又は臓器に選択的に輸送され、標的薬剤送達を増進する1種以上の部分を含むことができる(例えばその教示内容全体を本願に援用するV.V.Ranade(1989)J.Clin.Pharmacol.29:685参照)。典型的な標的部分としては、葉酸又はビオチン(例えばその教示内容全体を本願に援用する米国特許第5,416,016号(Low et al.)参照);マンノシド(その教示内容全体を本願に援用するUmezawa et al.,(1988)Biochem.Biophys.Res.Commun.153:1038);抗体(その教示内容全体を本願に援用するP.G.Bloeman et al.(1995)FEBS Lett.357:140;M.Owais et al.(1995)Antimicrob.Agents Chemother.39:180);各種のものを本発明の成分と共に本発明の製剤に加えることができる界面活性剤プロテインA受容体(その教示内容全体を本願に援用するBriscoe et al.(1995)Am.J.Physiol.1233:134);p120(その教示内容全体を本願に援用するSchreier et al.(1994)J.Biol.Chem.269:9090)が挙げられる。その教示内容全体を本願に援用するK.Keinanen;M.L.Laukkanen(1994)FEBS Lett.346:123;J.J.Killion;I.J.Fidler(1994)Immunomethods 4:273も参照。本発明の1態様では、本発明の治療用化合物をリポソームで製剤化し、別の態様では、リポソームに標的部分を内包する。更に別の態様では、リポソームに内包した治療用化合物をボーラス注射により腫瘍又は感染に近接する部位に送達する。組成物は注射し易い程度まで流動性でなければならない。製造及び保存条件下で安定でなければならず、細菌や真菌等の微生物の汚染作用に対して保護する必要がある。
【0069】
組成物は無菌でなければならず、組成物をシリンジにより送達可能な程度まで流動性でなければならない。水以外に、キャリヤーは等張緩衝塩類溶液、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)及び適切なその混合物でもよい。例えばレシチン等のコーティングの使用、分散液の場合には必要な粒度の維持及び界面活性剤の使用により適正な流動度を維持することができる。多くの場合には、等張剤、例えば糖類、ポリアルコール(例えばマンニトール、ソルビトール)又は塩化ナトリウムを組成物に加えることが望ましい。吸収を遅らせる物質(例えばモノステアリン酸塩やゼラチン)を組成物に加えることにより注射用組成物の長期吸収を生じることができる。
【0070】
活性化合物が上記のように適切に保護されている場合には、例えば不活性希釈剤又は同化性可食性キャリヤーと共に化合物を経口投与することができる。
【0071】
本発明の1態様はサンプルにおけるアダリムマブ(「標的」)の検出用組成物及び方法に関する。本発明の方法は抗アダリムマブ抗体とアダリムマブの複合体を形成するのに適した条件下でサンプルを抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分と接触させる段階を含む。このような適切な条件は当業者に周知である。前記方法は更にこの複合体形成を検出するために利用される検出システムを含む。
【0072】
本態様の1側面において、抗アダリムマブ抗体(「検出抗体」)はハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体であり、適切な例は下記5A1−2A8及び1H11−2E10モノクローナル抗体である。
【0073】
本態様のサンプルは当業者に周知の任意方法により作製することができる任意細胞、組織又は体液抽出液とすることができる。サンプルの起源は動物又は植物とすることができる。ヒト及び非ヒトのいずれもサンプルの起源とすることができる。適切なサンプルを提供することができるこのような起源の具体例としては、限定されないが、血液、尿、滑液、臓器組織、腫瘍組織塊等が挙げられる。
【0074】
本態様の1側面では、アフィニティークロマトグラフィー又は当業者に周知の方法を使用するRIAもしくはELISAアッセイで使用されているもの等の不溶性マトリックスに検出抗体を結合する。他の固相支持体としては、限定されないが、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル又はポリプロピレンが挙げられる。
【0075】
別の側面では、検出抗体を結合しない。バッチ分析型メカニズムで1種以上の検出抗体とサンプルからのその標的の間の複合体形成を行うことができる。
【0076】
当分野で公知の方法を使用して抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分を検出可能なラベルに結合することができる。結合は、抗体とマーカーが夫々の活性を維持する限り、検出可能なマーカーと抗アダリムマブ抗体を結合する任意化学反応により実施することができる。放射性同位体を使用して検出抗体を標識してもよいし、あるいは、抗体に結合した蛍光部分等の検出マーカーを使用してこれらの抗体を標識してもよく、酵素−リンカー等の当業者に周知の他の方法も本発明の範囲に含まれる。
【0077】
適切な酵素の例としては西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ又はアセチルコリンエステラーゼが挙げられ、適切な補欠分子族複合体の例としてはストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンが挙げられ、適切な蛍光材料の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド又はフィコエリスリンが挙げられ、発光材料の1例としては、ルミノールが挙げられ、生物発光材料の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン及びエクオリンが挙げられ、適切な放射性材料の例としては、125I、H、14131I、111In又は99Tcが挙げられる。標識用抗体は当業者に周知である。1側面では、二次抗体(即ち検出抗体に対する抗体)を作製することができる。ポリクローナル二次抗体とモノクローナル抗体が挙げられ、各々の形成は当業者に周知である。これらの二次抗体を標識し、検出抗体を検出するために使用することができる。
【0078】
本発明の抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分は例えば試験対象から体液又は組織サンプルを採取し、抗体−抗原複合体の形成に適した条件下で本発明の1種以上の抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部位とサンプルを接触させることにより対象におけるアダリムマブとそのフラグメント及び誘導体の検出方法で使用することができる。その後、本明細書に記載する方法及び当分野で公知の他の方法(例えばその教示内容全体を本願に援用するO’Connor et al,(1988)Cancer Res 48:1361−66及び米国特許第7,232,891号に記載の方法)により、既知量の抗原を含有する一連の標準又は対照サンプル中の複合体の存在又は量と試験サンプル中の複合体の存在又は量を比較し、このような複合体の存在又は量を測定することができる。従って、本発明は生体サンプル、血液、血清、尿、脳脊髄液、粘膜又は唾液中のアダリムマブ(又はそのフラグメント及び/又は誘導体)の検出方法に関する。
【0079】
アダリムマブ及びそのフラグメントの検出方法の1例は抗体とアダリムマブの結合に適した条件下でアダリムマブ(又はそのフラグメント、変異体又は誘導体)と特異的に結合する1種以上の抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分とサンプルを接触させる段階と、その後、アダリムマブ−抗体複合体を検出する段階を含む。この態様において、2種以上の抗体を利用する場合には、各抗体がアダリムマブの異なるエピトープを認識することが可能である。1側面において、抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分とアダリムマブ以外の分子の交差反応性は10%未満である。別の側面において、交差反応性は20%未満である。更に別の側面において、交差反応性は30%未満である。更に別の側面において、交差反応性は40%未満である。更に別の側面において、交差反応性は50%未満である。
【0080】
サンプル中のアダリムマブを検出するための上記側面のいずれかにおいて、前記方法はイムノアッセイを利用することができ、例えば酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素免疫法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、間接競合イムノアッセイ、直接競合イムノアッセイ、非競合イムノアッセイ、サンドイッチイムノアッセイ、凝集アッセイ又は本明細書に記載及び当分野で公知の他のイムノアッセイが挙げられる。(その教示内容全体を本願に援用するZola,1987,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,pp.147 158,CRC Press,Inc.参照)。
【0081】
アダリムマブとそのフラグメント/誘導体のイムノアッセイは不均一又は均一フォーマットで実施することができる。不均一イムノアッセイは遊離検体から結合検体又は遊離ラベルから結合ラベルの固相分離を含むことを特徴とする。固相は当分野で周知の各種形態を取ることができ、限定されないが、チューブ、プレート、ビーズ及びストリップが挙げられる。1特定形態はマイクロタイタープレートである。固相材料は各種ガラス、ポリマー、プラスチック、紙又は膜から構成することができる。ポリスチレン等のプラスチックが特に望ましい。不均一イムノアッセイは競合フォーマットでも非競合(即ちサンドイッチ)フォーマットでもよい(例えばその教示内容全体を本願に援用する米国特許第7,195,882号参照)。
【0082】
本発明は上記方法で使用することができるキットを提供する。1態様において、キットは本発明の抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分と、抗体−抗原複合体を助長するために必要な試薬を含み、前記試薬は当業者に周知である。1側面において、本発明のキットはキットに含まれる抗アダリムマブ抗体に対して特異的に免疫反応性のエピトープを含む実質的に単離されたポリペプチドを含む。1側面において、本発明のキットは更にアダリムマブ又はそのフラグメントと反応しない対照抗体を含む。別の側面において、本発明のキットは抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分とアダリムマブ又はその部分の結合の検出に使用される手段を含む(例えば蛍光化合物、酵素基質、放射性化合物又は発光性化合物等の検出可能な基質に検出抗体を結合してもよいし、第1の(検出)抗体を認識し、例えば検出可能な基質に結合した第2の抗体に検出抗体を結合してもよい)。
【実施例】
【0083】
マウス抗アダリムマブ抗イディオタイプモノクローナル抗体の作製:
アダリムマブをペプシン又はパパインで消化した後、プロテインAカラムを使用して精製し、夫々F(ab)2及びFabフラグメントを作製した。アダリムマブフラグメントの純度と生物活性を夫々SDS−PAGE及びL929細胞傷害性バイオアッセイにより確認した。次にBalb/cマウスをアダリムマブフラグメントで順次免疫した。各免疫/ブースター後に採取した血清をELISAにより分析した。正常ヒトIgGよりもアダリムマブに対する力価の高いマウスをATCCから入手したFOミエローマ細胞との融合に選択した。選択したマウスに由来する脾臓を使用してマウスハイブリドーマを作製した。ディファレンシャルELISAによりアダリムマブと特異的に結合する抗体についてハイブリドーマ上清をスクリーニングした。96ウェルプレートにアダリムマブ又は正常ヒトIgG 5μg/mLをコーティングした。ハイブリドーマ上清を加え、結合した抗体を西洋ワサビペルオキシダーゼで標識したヤギ抗マウスIgG抗体により検出した。アダリムマブをコーティングしたプレートに対して陽性反応を示し、ヒトIgGをコーティングしたプレートに対して陰性反応を示した上清を更に10倍、30倍及び100倍の希釈倍率で希釈し、親和性ランキングについて再試験した。アダリムマブに対して強い結合を示す抗体を分泌したハイブリドーマをサブクローニングした。サブクローンをELISAにより再びスクリーニングし、数個のモノクローナル抗体を得た。
【0084】
2種類のモノクローナル抗体5A1−2A8及び1H11−2E10を作製し、分析した。これらのモノクローナル抗アダリムマブ抗イディオタイプ抗体はAmerican Type Culture Collection(ATCC),10801 University Blvd,Manassas,VA.20110−2209にATCC登録番号PTA−8512(1H11.2E10)及びPTA−8513(5A1−2A8)で寄託したハイブリドーマ細胞株から作製した。当然のことながら、これらのモノクローナル抗体は具体例として利用するものであり、限定的であると解釈すべきではない。
【0085】
抗イディオタイプ抗アダリムマブマウスモノクローナル抗体5A1−2A8:
5A1−2A8はモノクローナルマウスIgG1κ軽鎖抗体である。アダリムマブとヒトIgGをコーティングしたプレートで5A1−2A8抗体産生ハイブリドーマの上清を数種の希釈倍率で試験した。各希釈倍率で5A1−2A8はアダリムマブをコーティングしたプレートに結合したが、ヒトIgGをコーティングしたプレートには結合しなかった(表1)。ヒトTNFが5A1−2A8とアダリムマブの結合を阻害するか否かを試験するために、上清の各希釈液をヒトTNF 100μg/mLと混合した後にELISAでアダリムマブをコーティングしたプレートに加えた。各希釈倍率でTNFを反応混合物に加えたが、5A1−2A8とアダリムマブの結合はさほど阻害されなかった(表1)。従って、5A1−2A8は非パラトープ抗イディオタイプ抗アダリムマブ抗体であるということができる。TNFがアダリムマブ抗体と結合しているか否かに拘わらず、この抗体はアダリムマブと結合することができる。
【0086】
【表1】

【0087】
5A1−2A8自体をTNF細胞傷害性バイオアッセイで試験し、TNFと類似しているか否かを調べた。5A1−2A8を培地に加えると、L929細胞に対して細胞傷害性ではなかった(その教示内容全体を本願に援用するCarswell,E.A.,et al.(1975)Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol.9,pp.3666−3670及び米国特許第6,090,382号参照)。
【0088】
アダリムマブに対する5A1−2A8の親和性をBIAcore 2000機器で試験した。CM−3バイオセンサーチップをヤギ抗ヒトIgG Fcポリクローナル抗体と共有的に結合させた。アダリムマブを0.2mg/mLの濃度で注射後、5A1−2A8濃度を3.125から100nMまで変化させた。各濃度の5A1−2A8について応答単位(RU)を連続的に記録し、センサーグラムを作成した。pH1.5の10mMグリシンにより細胞表面を再生させた。結果を表2に示す。
【0089】
【表2】

【0090】
BIAcoreにより提供される2価検体モデルにより結合センサーグラムを分析し、反応速度パラメータを求めた(表3)。
【0091】
【表3】

【0092】
抗イディオタイプ抗アダリムマブマウスモノクローナル抗体1H11−2E10:
1H11−2E10はモノクローナルマウスIgG1κ軽鎖抗体である。アダリムマブ及びヒトIgGをコーティングしたプレートで1H11−2E10抗体産生ハイブリドーマの上清を数種類の希釈倍率で試験した。各希釈倍率で1H11−2E10はアダリムマブをコーティングしたプレートに結合したが、ヒトIgGをコーティングしたプレートには結合しなかった(表4)。ヒトTNFが1H11−2E10とアダリムマブの結合を阻害するか否かを試験するために、各希釈倍率の上清をヒトTNF 100μg/mLと混合後、ELISAでアダリムマブをコーティングしたプレートに加えた。各希釈倍率でTNFを反応混合物に加えると、1H11−2E10とアダリムマブの結合は阻害された(表4)。従って、1H11−2E10はパラトープ抗イディオタイプ抗アダリムマブ抗体であるということができる。この抗体は遊離アダリムマブと結合することができるが、TNF結合アダリムマブとは結合することができない。
【0093】
【表4】

【0094】
1H11−2E10自体をTNF細胞傷害性バイオアッセイで試験し、TNFと類似しているか否かを調べた。1H11−2E10を培地に加えると、L929細胞に対して細胞傷害性ではなかった。
【0095】
アダリムマブに対する1H11−2E10の親和性をBIAcore 2000機器で試験した。CM−3バイオセンサーチップをヤギ抗ヒトIgG Fcポリクローナル抗体と共有結合させた。アダリムマブを0.2mg/mLの濃度で注射後、1H11−2E10濃度を3.125から100nMまで変化させた。各濃度の1H11−2E10について応答単位(RU)を連続的に記録し、センサーグラムを作成した。pH1.5の10mMグリシンにより細胞表面を再生させた。結果を表5に示す。
【0096】
【表5】

【0097】
BIAcoreにより提供される2価検体モデルにより結合センサーグラムを分析し、反応速度パラメータを求めた(表6)。
【0098】
【表6】

【0099】
アダリムマブと結合したTNF複合体の測定:
未結合型TNFは他のサイトカインと同様にインビボ半減期が短い。サイトカインが他の蛋白質(特に抗体)と結合すると、これらのサイトカイン:抗体免疫複合体は未結合型サイトカインよりも半減期が長くなる。従って、抗体を投与した対象では、サイトカインが絶えず産生される場合にサイトカイン:抗体複合体のレベルは増加する。持続的にTNFを産生する患者を同定することが重要である。例えば本発明のモノクローナル抗体5A1−2A8は非パラトープ抗イディオタイプ抗アダリムマブ抗体であるので、TNF:アダリムマブ免疫複合体を検出するためにELISAフォーマットで使用することができる。更に、5A1−2A8はアダリムマブがTNFを含まないか否かに関係なく、アダリムマブを測定するために使用することができる(他方、1H11−2E10はTNFを含まない場合にしかアダリムマブを測定するために使用することができない)。アダリムマブ以外の別のエピトープでTNFと結合する抗ヒトTNF抗体を使用してプレート(例えば96ウェルプレート)のウェルをコーティングできるようにELISAを構成することができる。ウェルをブロック後、TNF:アダリムマブ複合体を含むサンプルを加え、アダリムマブに対する標識抗体(例えばビオチン化5A1−2A8モノクローナル抗体)によりアダリムマブを検出することができる。表7はこのようなアッセイのデータを示す。
【0100】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダリムマブと結合する単離モノクローナル抗体又はその抗原結合部分。
【請求項2】
前記抗体が抗イディオタイプ抗アダリムマブ抗体である請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項3】
前記抗体がヒト化抗体である請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項4】
前記抗体がアダリムマブとTNFの結合を阻害する請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項5】
約10−6M〜約10−12Mの解離平衡定数(K)でアダリムマブと結合する請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項6】
前記抗体がIgG1κ軽鎖抗体である請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項7】
前記抗体が5A1−2A8、1H11−2E10及びその組合せから構成される群から選択される請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項8】
Fabフラグメント又は1本鎖抗体である請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項9】
ATCCアクセション番号PTA−8512及びPTA−8513を有するハイブリドーマにより産生される請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項10】
アダリムマブと特異的に結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株であって、前記ハイブリドーマ細胞株がATCCアクセション番号PTA−8512及びPTA−8513を有する前記ハイブリドーマ細胞株。
【請求項11】
請求項1に記載の前記抗体又はその抗原結合部分と医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
【請求項12】
更に治療剤を含有する請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記治療剤が抗炎症薬である請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記抗炎症薬がステロイド性抗炎症薬又は非ステロイド性抗炎症薬である請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記治療剤がメトトレキセート、エタネルセプト、インフリキシマブ及びその組合せから構成される群から選択される疾病緩和性抗リウマチ薬(DMARD)である請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記治療剤が別の抗体である請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
請求項1に記載の前記抗体又はその抗原結合部分と治療剤を含む免疫複合体。
【請求項18】
前記治療剤がステロイド性抗炎症薬、非ステロイド性抗炎症薬及びDMARDから構成される群から選択される抗炎症薬である請求項17に記載の免疫複合体。
【請求項19】
請求項17に記載の前記免疫複合体と医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
【請求項20】
アダリムマブ中毒症の治療を必要とする対象に有効量の請求項1に記載の前記抗体又はその抗原結合部分を投与する段階を含むアダリムマブ中毒症の治療方法。
【請求項21】
更に医薬的に許容可能なキャリヤーを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
更に治療剤を含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記治療剤がステロイド性抗炎症薬、非ステロイド性抗炎症薬及びDMARDから構成される群から選択される抗炎症薬である請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記治療剤が別の抗体である請求項22に記載の方法。
【請求項25】
サンプル中のアダリムマブの検出方法であって、抗体−抗原複合体形成に適した条件下で請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分と前記サンプルを接触させた後に前記複合体形成を検出する段階を含む前記方法。
【請求項26】
前記抗体又はその抗原結合部分が5A1−2A8、1H11−2E10及びその組合せから構成されるモノクローナル抗体群から選択される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記抗体又はその抗原結合部分が5A1−2A8である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記抗体又はその抗原結合部分が1H11−2E10である請求項26に記載の方法。
【請求項29】
EIA、ELISA、RIA、間接競合イムノアッセイ、直接競合イムノアッセイ、非競合イムノアッセイ、サンドイッチイムノアッセイ及び凝集アッセイから構成される群から選択される手段により前記検出を実施する請求項25に記載の方法。
【請求項30】
1種以上の抗アダリムマブ抗体又はその抗原結合部分と、抗体−抗原複合体を助長するために必要な試薬を含むキット。
【請求項31】
更に前記1種以上の抗アダリムマブ抗体と特異的に相互作用するエピトープをもつ実質的に単離されたポリペプチドを含む請求項30に記載のキット。
【請求項32】
更に対照抗体を含み、前期対照抗体がアダリムマブ又はそのフラグメントと反応しない請求項30に記載のキット。
【請求項33】
前記1種以上の抗アダリムマブ抗体が5A1−2A8、1H11−2E10及びその組合せから構成される群から選択される請求項30に記載のキット。
【請求項34】
前記1種以上の抗アダリムマブ抗体が5A1−2A8である請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記1種以上の抗アダリムマブ抗体が1H11−2E10である請求項33に記載の方法。

【公表番号】特表2010−537983(P2010−537983A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522939(P2010−522939)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/010154
【国際公開番号】WO2009/032128
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(503448572)アボツト・バイオテクノロジー・リミテツド (30)
【Fターム(参考)】