説明

アッセイ及び方法

本発明は、電磁放射線による遺伝子損傷に対する対象の細胞の感度を決定するために有用な方法及びアッセイに関する。該アッセイは、対象からのリンパ球試料を載置するのに適した基材と、電磁放射線源とを含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁(EM)放射線により誘発される、特に紫外線(UV)により誘発される細胞損傷に対する対象の感度を決定するのに有用なアッセイ及び方法に関する。特に、該アッセイ及び方法は、潜在的に皮膚癌を引き起こす恐れがある、太陽誘発遺伝子損傷に対する対象の感度を決定する際に役立つ。関連する他の方法及びアッセイも提供する。
【背景技術】
【0002】
UV吸収は、様々な光分解生成物の生成を介してDNA損傷を誘発する、酸素フリーラジカルを生成する[1]。この過程により、正常なDNAの塩基対形成能力が変化し、突然変異が生じ得る。この突然変異は、P53及びINK4A等の腫瘍抑制遺伝子を破壊するため、皮膚癌を引き起こす恐れがある[2]。フリーラジカルは、あらゆる種類の他の癌にも関与している。ATM(血管拡張性失調症突然変異)遺伝子及びATR(Rad3関連)遺伝子のフリーラジカル関連の突然変異が、リンパ腫の発生に関与しているという証拠が存在する[3]。皮膚癌に関しては、現代の旅行動向及び気候変化が、何百万もの人々のUV照射への曝露、及び皮膚癌の発生率を有意に増大させた。この結果、太陽への曝露による悪影響についての認識が高まり、「スリップ、スラップ、スロップ」プログラム等の国民への啓蒙活動に含まれるメッセージを介して、UV照射への曝露が減少してきた。残念なことに、これに関連した非常に奇妙な異常が存在する。認識の高まり及びUV曝露の回避にもかかわらず、皮膚癌の発生率が増加し続けている[4、5、6]
【0003】
皮膚は、UV照射に対応する的確な手段を有する。初めに、UV曝露が抗酸化活性を低下させ[11]、その後UV照射が抗酸化剤のアップレギュレーションを促し[12]、メラニン形成を促進し、7−デヒドロコレステロールをビタミンD3に変換する。次いで、ビタミンD3は、ケラチノサイトによって皮膚内で直接ヒドロキシル化されて25(OH)Dとなり得、次いでケラチノサイトによって更にヒドロキシル化されて最も高活性型のビタミンDである1α−25(OH)2D13となり得る。抗酸化剤(カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンレダクターゼ/ペルオキシダーゼ、チオレドキシンレダクターゼ/チオレドキシン/チオレドキシンペルオキシダーゼ、メラトニン、並びにその代謝物及び光分解物を含む)はフリーラジカルの生成に拮抗するので、UV照射中の抗酸化活性が低下することは、最初は予想外である。抗酸化活性が増加し、したがってUV誘導されたフリーラジカルの損傷作用が低下すると予想するのが理にかなっているように思われる。しかしよく考えると、任意のフリーラジカル関連のゲノム損傷が細胞に致命的となることが確実であることから、抗酸化活性の低下が非常に重要となり得る。この結果、UV関連の損傷を受けている任意の細胞が最終分化することになり、続いてそれ自体及びその損傷ゲノムを皮膚から除去しやすくさせるであろう。この損傷細胞の除去と関連して、損傷細胞の交換の補助及び皮膚の厚みの増加に恐らく関与する特異的キナーゼ、例えばMAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)のアップレギュレーションが存在する。このシステムでは、メラニン生成の増加は、皮膚内で局所的に活性化されたサンスクリーン及びビタミンDとして機能し、細胞の最終分化を促進し、細胞増殖を抑制することによって部位特異的抗癌剤として最初は作用し[14]、それは当然ながら、UV損傷細胞の喪失を更に促進する。最小の発赤(最小紅斑量、MED)を誘発するのに十分なUVB曝露が、成人に対して通常推奨される放射線量の100倍のレベルでビタミンDの局所的生成を誘発することは明らかである[15]。メラニンのピークUV吸収は、UVAスペクトルにおいて335nm[16]で生じ、システムが進化して最も高エネルギーnUVA波長を遮断した場合に予想される場所で生じる。ピークUVに関連したビタミンDの生成が、メラニン保有細胞のUV吸収スペクトルのUVB尾部に位置する波長である297nm[17]でケラチノサイトにおいて生じるという証拠も存在する。したがって、メラニン保有細胞は、最も損傷性の高いUVA波長を遮断すると同時に、一部のUVBに関連したビタミンDの生成を可能にすると思われる。このシステムは、正のフィードバック機構及び負のフィードバック機構を介して機能し、それ自体はほぼ、自己調節「高性能センサー」と見なすことができる。メラニンがアップレギュレートされると、皮膚が日焼けし、これによりUV関連の細胞損傷が阻害され、またビタミンDの生成も低下し、同時に抗酸化活性を再び増加することが可能となる。残念なことに、システムに過負荷をかける可能性があり、したがって追加のUV保護が重要となる。
【0004】
必要なUV保護を得る上で重要な課題は、太陽に対する個人の感度の決定である。これは実現するのが難しく、肌質(質1〜5)、皮膚、髪、目の色を調べることや、皮膚癌の家族歴及び発生率を調べることを伴い、且つ皮膚上にすでに存在するモル数を測定することを含む定性法を用いて現在行われている。しかし、感度は、恐らく少なくとも一部は遺伝子によって支配されているため、必要なのは、太陽に対する個人のゲノム感度を定義できる定量アッセイである。
【0005】
サンクリームはUVA及びUVBを遮断する。UVBは、皮膚内への浸透率が低く、表皮基底層にほぼ広がり、日焼けを促進し、主なビタミンD源の1つをもたらす。UVBは、放射線量に依存して皮膚内で過酸化水素を直接生成し、また皮膚細胞及びリンパ球の損傷を引き起こす[18、19]。恐らく、市販のサンクリームの大部分はビタミンDの生成を阻害する。UVAは、皮膚への浸透率がはるかに高く、日焼けを促進し、また皮膚細胞のゲノムに対して損傷作用を有するが、UVAはビタミンDの濃度には影響を及ぼさない。世界中で、UVA曝露が、UVBよりもメラノーマの発生率に密接に関連しているという疫学的証拠が存在する[20]
【0006】
UVBは過剰曝露に伴う皮膚の発赤を誘発するので、歴史的に、サンクリームではUVBに重点を置いてきた。UVサンクリームを試験し、色白の肌質1の個人においてこの最小の発赤を誘発するのにかかる時間を決定することによってSPF(日焼け防止指数)を計算する。これではUVAの損傷作用について限られた情報しか得られない。これは、UVA及びUVBの両方を遮断することを目的とした、現世代のサンクリームによって克服され得る問題である。しかし、これらの新しいシステムが、ゲノム損傷を直接阻害するその能力に関して評価された場合に非常に有用となろう。実際に、UV誘発ゲノム損傷を予防するこのようなサンクリームの性能を評価するのに十分な方法が現在存在しない。
【0007】
UV誘発皮膚損傷(例えば、メラノーマ)に対する感度を予見する現在の手段は、UV感度と関連する遺伝子におけるある種の突然変異の存在の決定に主として基づくものである。このようなアッセイの問題は、その性質から、皮膚癌に関与するとして特定されている比較的少数の遺伝子に現在限られていることである。UV感度に関わるすべての遺伝子が、近い将来に特定されることは極めて稀であり、もし特定されたとしても、有害な突然変異について1つ1つ検査することは厄介な作業となろう。未発見の遺伝子又は無関係の機構等、他の寄与因子が細胞のUV感度に関与しているかどうかについて、このようなアッセイでは常に疑問が残るであろう。
【0008】
皮膚癌の重要因子であるUVには特に関心があるが、他の種類の電磁放射線にも関心がある。例えば、細胞に対するX線、マイクロ波放射線、γ線、及び他の種類のEM放射線の影響は現在十分に解明されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、EM放射線、特にUVによるゲノム損傷に対する個人の感度を定量的に評価するために使用でき、またこのような損傷を予防するサンクリーム又は他の保護材の効果を評価する手段も提供できるアッセイが必要とされている。
【0010】
過去10年にわたって、コメットアッセイ又は単細胞ゲル電気泳動分析が、細胞におけるDNA鎖の切断を評価する標準的な方法の1つとなっていた[7]。顕微鏡スライド上のアガロースに埋め込まれた細胞を洗浄剤及び高塩濃度で溶解し、核マトリックスに結合したDNAの超らせん状ループを含有する核様体を形成する。13を超える高pHでの電気泳動[8]は、コメットに類似した構造になり、コメットヘッドに対するコメットテールの強度は、DNA鎖の切断数及びアルカリ不安定部位の数を反映していることが蛍光顕微鏡検査法によって認められる。切断を含むループは、その超らせんを喪失し、陽極に向かって自由に移動する[9]。したがって、コメットアッセイは、ゲノム損傷を決定する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明により、
電磁(EM)放射線による遺伝子損傷に対する対象の細胞の感度を決定するためのアッセイであって、
− 対象からのリンパ球試料を載置するのに適した基材、及び
− EM放射線源
を含む、アッセイが提供される。
【0012】
EM放射線源はUV源であることが好ましい。
【0013】
リンパ球をUVに曝露するアッセイは、UV誘発遺伝子損傷に対する対象の細胞の感度を非常によく示すことが発見された。リンパ球に対するアッセイの結果は、UV誘発損傷に対する対象の皮膚の感度との顕著な相関性を示しており、したがって日焼け防止対策及び他のUV回避策について助言するのに有用な根拠を提供する。したがって、該アッセイは、対象の皮膚細胞の感度を決定するのに適していることが好ましい。本発明によるアッセイは、太陽に対する個人のゲノム感度の定量的評価を可能にするだけでなく、新しいサンクリーム、又は他の保護材若しくは保護組成物のゲノム防御性を評価するためにも使用できる。
【0014】
該アッセイは、前記基材上に載置された前記対象からのリンパ球試料を含むことが好ましい。このようなアッセイにおいて、皮膚細胞(例えばメラノサイト又はケラチノサイト)よりもリンパ球を使用することには顕著な利点がある。皮膚細胞は、何らかの生検(例えば、パンチ生検)を必要とし、一般的に得るのが困難であるが、血液試料を得るのは非常に簡単である(例えば、標準的な静脈切開術を介して、針で刺すことによって、又は血液が献血されている場合は好都合に得られる)。更に、リンパ球の単離に使用する技法も常套的である。
【0015】
リンパ球という用語によって、任意の大型顆粒リンパ球及び/又は小型リンパ球を本アッセイで使用できることが意図される。特に、ナチュラルキラー細胞、並びに/又はTリンパ球及び/若しくはBリンパ球が使用できる。70%〜80%の大型顆粒リンパ球及び小型リンパ球と15%〜30%の単球との混合物を使用することが適当であり得る。
【0016】
一般的に、基材は、細胞を載置するための平面を有する。リンパ球と生体適合性があり、該アッセイで使用する周波数及び強度のEM放射線損傷に対して実質的に耐性(例えばUV耐性等)がある材料から作られているのが通常であろう。適当な基材としては、ガラス製、プラスチック製若しくは金属製のスライド、又はシリコンチップが挙げられる。好ましい基材は、例えば、ガラス製の顕微鏡用スライド等のガラスである。
【0017】
アッセイを自動化しそのスループットを増加することが必要とされる場合が多く、その場合、適当な基材は、何らかの種類のマイクロ流体工学に基づくアレイ又はマイクロアレイ、例えばスライドガラス上若しくはシリコンチップ上のスポットアレイであり得ることに注意されたい。したがって、本アッセイは、このような自動化を容易に受け入れられる。
【0018】
リンパ球はマウンティング培地中の基材上に載置されるのが適当であり、したがって本発明のアッセイはマウンティング培地を含んでもよい。マウンティング培地は、EM放射線(通常UV)に対して実質的に透過性であり、リンパ球に有意な損傷を与えることなく、前記リンパ球がそこに接着又はその中に滞留するのに適した任意の物質であってよい。特に適したマウンティング培地は、アガロースゲルであるが、他のゲル、培地、又は細胞操作若しくは細胞培養の分野で公知のものも同様に適当となり得る。このような培地にリンパ球を載置することは、細胞が皮膚表面下に埋め込まれているという解剖学的事実をある程度まで複製するという点において利点がある。更に、サンクリーム等の試験物質をこのような培地の上に塗布すると、それが培地によって部分的に吸収される傾向があると思われ、したがってサンクリームが皮膚によって部分的に吸収される様式を模倣する。
【0019】
細胞が主にマウンティング培地内に含有されていることが一般的に好ましい。これは、細胞がアガロースゲル若しくは他のこのようなゲル中に懸濁されているか、又は埋め込まれている場合に容易に実現される。
【0020】
細胞が、電気泳動を行うのに適した培地内に載置されることが特に好ましい。アガロースゲルは、当然ながらこの目的に特に適しているが、ポリアクリルアミド又はアルギン酸塩等の他のゲルでもよい。このような培地により、コメットアッセイ、好ましくは3Dコメットアッセイが、EM放射線曝露後に前記細胞の遺伝子損傷の程度を決定するために好都合に使用できる。
【0021】
マウンティング培地は0.1〜5%のアガロース濃度を有するアガロースゲルが適当である。マウンティング培地は、低融点のアガロース(LMA−例えばInvitrogenから入手できる)がより好ましい。
【0022】
該アッセイはリンパ球試料と紫外線源との間に介在させるのに適したEM放射線透過性(通常UV透過性)バリア材料を含むことが適当である。このようなバリアは、対象の生皮膚細胞の上にある皮膚の外層の遮蔽機能又は吸収機能を複製するために利用できるという点で価値がある。EM放射線透過性バリアは、通常、放射線の少なくとも一部がそれを通過してリンパ球試料に至ることができるようにする物質である。該バリアの役割は、太陽放射の少なくとも一部を吸収する皮膚の上層をある程度まで模倣することである。該バリアは、層状に形成することができ、EM放射線の一部(例えば1〜99%、より好ましくは10〜90%)がそこを通過できるようにする任意の適当な材料で作られていてもよい。実験室の設定では、適当な材料としては、ゲル、例えばアガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸ゲル又は他のこのようなゲルが挙げられる。特に好ましいゲルは、基材上に置いたら、リンパ球試料の上に形成され得る低融点アガロース(LMA)ゲルである。EM放射線透過性バリア材料がマウンティング培地と同じ物質から形成されている場合、一般的に好都合である。皮膚の表面層の役割を模倣すると思われる代替材としては、場合によりケラチン又はメラニンを含浸させた、天然皮膚試料又は人工皮膚試料がある。
【0023】
一実施形態では、EM放射線透過性バリアは、同じ又は異なる材料の層からなる積層体構造として構築されている。該バリアは、バリア全体の厚さが約10μm〜1000μmになるように、厚さ約10μm〜100μmの層で作られているのが適当である。層は、アガロースゲル又は他の適当なゲル材料で作られているのが好都合である。
【0024】
好ましい実施形態では、該アッセイは、1〜10層のEM放射線透過性バリアを含み、各層は、厚さ10μm〜100μmである。該アッセイは、複数のリンパ球試料を含むことが適当であり得、各々異なる厚さ(例えば層の数)のEM放射線透過性バリアがその上に配設されている。したがって、バリア(複数可)全体の厚さは、適切には、厚さ0μmと1000μmとの間、好ましくは10μm〜500μmに及ぶ。EM放射線透過性バリアの厚さを変えることにより、EM放射線の浸透の影響が評価できる。様々な厚さのUV透過性バリア領域を、同じ基材上に配設してもよい。
【0025】
このようなEM放射線透過性バリアを使用することにより、細胞の感度に関する追加の情報を得ることができる。バリアの厚さが増加するにつれて、UV誘発損傷が減少する様式は、各対象間で異なると思われる。例えば、メラノーマの患者から得た細胞は、UV誘発遺伝子損傷において通常のように深さに関連した減少を示さない。ある種の細胞型に関しては、深さに対する感度の変化の他のパターンを観察することができる。この影響は、診断上相当の価値がある。
【0026】
更に、いくつかの異なる厚さのEM放射線透過性バリアを使用することにより、内部対照が効果的に得られる。単純に単一の深さでの損傷に対する絶対値よりも、深さに対する変化のパターンを観察することにより、該アッセイが正確に行われたことを確証することができる。過剰な放射線量等の誤差により、パターンが生み出され、明確に特定できるようになると思われるが、単一の値がとられた場合、このような誤差を特定する方法がないであろう。内部対照のシステムは、結果の信頼性が最優先である、診断アッセイにおいて極めて重要である。
【0027】
UV源は、太陽放射中に含まれるUVの範囲内で少なくとも部分的にUVを放射できることが適当である。UV源は、UVA(380〜315nm、長波又は「ブラックライト」UVとも呼ばれる)及びUVB(315〜280nm、中波UVとも呼ばれる)をいずれも放射できることが適当であり得る。しかし、いくつかの実施形態では、UV源が、このように広範にわたって放射線を放射する必要がない場合もあり、したがってUVA源又はUVB源のいずれかのみ、又は実際に狭い範囲の波長のUVだけでも、該アッセイで使用するのに完全に適したものであり得る。適当な一実施形態では、UV源はUVAを放射し、これは、メラノーマの発生率と最も密接に関連していることが理解されているのがUVAであるため、特に適当である。この場合、例示的に適当なUV源は、WaldmannUVAランプ(Athrodax Healthcare International Ltd)等のUVランプであるが、他のこのようなランプも広く利用できる。しかし、UV源が、地表で受ける太陽放射のUVスペクトル及びUV強度を実質的に模倣できることが好ましい場合もある(これは、当然ながら異なる高度、緯度及び他の異なる環境条件で変化するであろう)。
【0028】
一実施形態では、該アッセイは、前記リンパ球における遺伝子損傷を検出するための手段を含む。いくつかのこのような手段は当技術分野で周知である。
【0029】
好ましい一実施形態では、遺伝子損傷を検出するための手段は、コメットアッセイ、より好ましくは3Dコメットアッセイを行う手段である。このような手段は、例えば、リンパ球を溶解するための溶解剤、及び細胞を載置する培地の少なくとも一部にわたって電界を発生するのに適合した電源を含んでもよい。
【0030】
或いは、遺伝子損傷を検出する手段は、リンパ球試料における特異的突然変異を検出するように適合されてもよい。適当な手段としては、例えばハイブリダイゼーションアッセイ、PCRに基づくアッセイ(例えば、関心のある部分を分析するためのPCR装置及び適当なプライマー)及びin vivo/in vitroアッセイを挙げることができる。
【0031】
当然ながら、細胞における特異的又は非特異的な遺伝子損傷を検出するための手段が数多くあり、その多くは本発明で使用するのに適していると思われ、上記は、本発明で使用するのに最も適していると現在想定されるものの単に例として列挙されていることが理解されよう。
【0032】
対象は哺乳動物、好ましくは霊長類、特にヒトが適当である。
【0033】
該アッセイは、リンパ球試料とEM放射線源との間に試験物質を配設するための手段を更に含んでもよい。適当な試験物質としては、サンクリーム又はサンブロック、織物、ポリマー又はガラスの層が挙げられる。衣類用の織物及びメガネ用のポリマーレンズ又はガラスレンズが特に想定される。試験物質を配設するための手段は、液体試験物質、例えばクリーム又はローションを例えば塗布するためのマウンティング培地の表面が好都合であり得る。或いは、このような液体試験物質は、スライドガラス又は他のUV透過性表面等の基材に塗布してもよいが、このような基材は、実際に皮膚の場合のように、試験物質の一部を吸収させることが一般的にできないため、一般的にあまり好ましくない。或いは、該手段は、固体試験基材を載置するためのフレーム、プラットフォーム又は他のこのような基材であってよい。
【0034】
該アッセイは、リンパ球試料とUV放射線源との間に配設された試験物質を更に含んでもよい。
【0035】
更なる態様では、本発明は、
電磁(EM)放射線による遺伝子損傷に対する対象の細胞(特に皮膚細胞)の感度を評価する方法であって、
− 対象からのリンパ球試料を基材上に載置するステップと、
− EM放射線で前記リンパ球試料を照射するステップと、
− 前記リンパ球試料の少なくとも一部における遺伝子損傷を検出するステップと
を含む、方法を提供する。
【0036】
EM放射線は、UVであることが好ましい。
【0037】
リンパ球試料は、上記により詳細に示したマウンティング培地中の前記基材上に載置することが好都合であり得る。
【0038】
該方法は、EM放射線透過性バリアをリンパ球試料上又はそれに隣接して配設するステップを含むことが好ましい。したがって、本実施形態では、EM放射線は、EM放射線透過性バリアを通して細胞を照射する。EM放射線透過性バリアを配設するステップは、載置されたリンパ球試料の上に1層又は複数層のバリア材料を配設するステップを含んでもよい。したがって、EM放射線透過性バリアの厚さは、配設された層の数によって決定することができる。
【0039】
一般的に、非特異的遺伝子損傷、又は特定の部位若しくは領域での遺伝子損傷が検出できる。遺伝子損傷全般を示すと思われるため、非特異的遺伝子損傷が検出される場合は、一般的に好ましい。特に好ましい実施形態では、該方法は、遺伝子損傷をマウンティング培地中でin situでアッセイできるコメットアッセイを介して、より好ましくは3Dコメットアッセイを介して遺伝子損傷を検出するステップを含む。
【0040】
或いは、又は更に、遺伝子損傷は、ゲノム中の特定の部位又は領域で検出できる。特に関心のある部位又は領域は、癌抑制遺伝子(TSG)若しくは癌遺伝子を含有するもの、又はそれらと機能的若しくは位置的に関連するもの、特に皮膚癌と関連するものであり得る。関係があるTSG又は癌遺伝子は、当業者に明らかであると思われるが、例としては、p−53、INK4A及びpRbをコードするTSG、並びに癌遺伝子のsrc及びrasであろう。関心があり得る他の遺伝子としては、ATM及びATRが挙げられる。
【0041】
リンパ球がEM放射線に曝される時間の長さは、一般的に決定的ではなく、EM放射線の強度及び種類、並びにEM放射線がマウンティング培地、EM放射線透過性バリア等により吸収された場合の量に依存するであろう。しかし、その期間は、リンパ球試料内で、検出できるレベルの遺伝子損傷が生じるのに十分であるべきであるが、例えば試料が異なる肌質間での差異を決定できないほど損傷している場合等、細胞がアッセイの感度が低下するぐらい損傷を受けているほど極端であってはならないことに注意されたい。一般的に曝露レベルは、特にコメットアッセイを介して検出できるレベルの遺伝子損傷を誘発するのに十分であるべきである。
【0042】
該方法は、対象からリンパ球試料を得るステップを含んでもよい。これは、血液試料を採取することによって、又は好都合には献血された血液から試料を採取することによって実現できる。
【0043】
該方法は、試験試料の遺伝子損傷を一連の所定の値と比較して、標準値若しくは平均値、又は一連の値と比較して、EM放射線誘発遺伝子損傷に対する対象の感度を評価するステップを更に含んでもよい。これにより、相対的な皮膚の感度に応じて対象が類別され、それに応じて、どのような保護策又は予防策が、過剰な細胞損傷を予防又は低減するために必要となり得るか助言することが効果的にできる。
【0044】
該方法は、基本的に前記したようにEM放射線透過性バリアを配設するステップを更に含んでもよい。
【0045】
該方法は、基本的に前記したように試験物質を配設するステップを更に含んでもよい。
【0046】
更なる態様では、本発明は、
対象の細胞のEM放射線誘発損傷を予防する試験物質の能力を決定するためのアッセイであって、
− 対象からのリンパ球試料を載置するのに適した基材、
− EM放射線源、及び
− 前記EM放射線源と前記基材との間に試験物質を配設するための手段と
を含む、アッセイを提供する。
【0047】
例えばEM放射線透過性バリア及び適当なマウンティング培地等の、該アッセイの他の任意選択の特徴は前記したとおりである。
【0048】
更なる実施形態では、本発明は、
対象の細胞のEM放射線誘発損傷を予防する試験物質の能力を決定する方法であって、
− 対象からのリンパ球試料を基材上に載置するステップと、
− EM放射線源を用意するステップと、
− 前記EM放射線源と前記リンパ球試料との間に前記試験物質試料を配設するステップと、
− 前記試験物質が照射され、前記物質を通過する放射線が前記リンパ球試料を照射するように前記EM放射線源を励起するステップと、
− 前記リンパ球の遺伝子損傷を検出するステップと
を含む、方法を提供する。
【0049】
試験物質は、サンクリーム又はサンブロックであることが好ましい。
【0050】
或いは、試験物質は、織物、ポリマー又はガラスの層であってよい。衣類用の織物及びメガネ用のポリマーレンズ又はガラスレンズが特に想定される。しかし、本方法及びアッセイは、UV損傷に対する保護効果に関して基本的に任意の材料の能力を決定するのに適していることが理解されよう。
【0051】
試験物質試料は、基材上に載置された細胞の表面に塗布すること、例えばマウンティング培地の表面上に塗るか、又は載置することが好都合であり得る。
【0052】
更なる態様では、本出願は、対象が癌を発症する素因を判定する方法における、又は対象の癌の診断における前記のアッセイ又は方法の使用を提供する。
【0053】
好ましい実施形態では、該方法は、皮膚癌、特にメラノーマを発症する素因を判定するか、又は診断するためのものである。
【0054】
該方法は、所定の値、又は値のパターンとアッセイの結果を比較し、その比較から関係する結果を決定するステップを伴うことが適当であり得る。
【0055】
該アッセイは、メラノーマに関して強力な診断価値を有することが示されたが、その有用性はメラノーマを越えて他の形態の癌に及ぶことも示された。
【0056】
次に、単に例証として、以下の実施例及び添付の図を参照しながら、本発明を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1a】いくつかの異なる肌質のUV損傷をアガロースゲルにおけるそれらの深さ(μm)で比較したグラフである。
【図1b】いくつかの異なる肌質のUV損傷をアガロースゲルにおけるそれらの深さ(μm)で比較したグラフである。
【図2】アガロースの異なる深さに埋め込まれたリンパ球のUV曝露関連のコメットテールモーメント(2回繰り返した処理毎に細胞50個、n=100)の95%CI座標を示すグラフである。
【図3】UV曝露なしでアガロースゲルに埋め込まれたヒトメラノサイト(対照)、深さ91μmでアガロースゲルの第2の層に埋め込まれ、UVA(UV)に15分間曝された細胞、並びにアガロースゲルに埋め込まれ、サンクリームA及びサンクリームBで保護された細胞のコメットテールモーメントの95%CI座標を示すグラフである。
【図4】メラノーマ(Mel)と診断された患者、メラノーマの疑いのある患者(SCP)、アフリカ黒人対象、アジア人対象及び白人対象に由来する新たに採取したリンパ球のUVA/深さ関連のコメットテールモーメントのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0058】
実施例1−肌質アッセイ
この実験は、UV誘発損傷に対する対象の皮膚細胞の感度を示す、リンパ球の評価の可能性を証明するために行われた。
【0059】
方法
これを試験するために、リンパ球のUVAに対するゲノム応答を評価した。リンパ球は以下のものから得た:
− メラノーマ患者、
− 肌質5の個人(赤く焼けることはなく、常に褐色に焼けるアフリカ黒人対象)、
− 肌質1及び2の対象[常に赤く焼け、褐色に焼けることはない(1)、又は徐々に褐色になる(2)白人対象]。
【0060】
アフリカ黒人対象から得たリンパ球は、UV関連のゲノム損傷に対する最小の感度の代表である見なすことができるのに対し、肌質1及び2の対象からのリンパ球は、通常の上限のゲノムのUV感度の尺度として機能する。陰性対照として、リンパ球を深さ100μmでゲルに埋め込み、UVA照射なしで処理した。
【0061】
リンパ球は、アガロースゲルに異なる深さで埋め込んだ。該アッセイは、基本的には、実施例2に記載する侵入深さのアッセイを目指すように行った。該方法は、簡略にするためここでは繰り返さない。
【0062】
結果
これらの実験の結果、比較的少数の対象(サブグループ毎に対象11人)から採取した血液試料でも、肌質1及び2の対象と、肌質5の対象と、メラノーマ患者とから得た細胞のUV照射に対する応答の間で有意差があったことが示された(図1a及び表2)。3つのサブグループの中でも、肌質5の対象からのリンパ球は、UV照射に関して最小の感度を示したのに対して、肌質1及び2の対象からのリンパ球は、UVA照射に応答してコメットテールモーメントが有意に増加(P≦0.01)したことを示した。しかし、健康な肌質1及び2の対象、並びに肌質5の対象からのリンパ球はいずれも、コメットテールモーメントがゲルでの深さに関連して有意に減少(P≦0.01)したことを示した。それに比べると、メラノーマ患者から得たリンパ球は、UVA照射に応答して平均コメットテールモーメントが大幅に増加したことを示したが、ゲル中での深さに関連して有意に減少することはなかった。
【0063】
しかし、メラノーマ患者では、対照平均コメットテールモーメントが、肌質1及び2の対象、並びに肌質5の対象のほぼ2倍に上昇したことも示した。これは、メラノーマ患者が、治療中であったという事実、又はメラノーマ患者の試料が液体窒素中に最大6カ月間保存されていたという事実を反映している可能性があり、両方の要因が背景ゲノム損傷を増加させた可能性がある。これを補正するために、メラノーマ患者の対照処理に関するコメットテールモーメントの平均増加を計算し、メラノーマ患者から得たリンパ球の対照及び深さに関連したUV曝露処理に対するコメットテール値から引いた(図1b)。この補正は、全体的傾向にほとんど影響を及ぼさず、メラノーマ患者では、肌質1及び2の対象(P≦0.01)に比べて、UV関連の平均コメットテールモーメントがやはり有意に増加し、肌質1及び2の対象、並びに肌質5の対象から得たリンパ球の平均コメットテールモーメントに比べて大幅に減少することはなかった。
【0064】
興味深いことに、UV照射に対する感度が、単純に表現型(皮膚、髪及び目の色)から評価できないことを非常に強く示す、いくつかの異常なデータが得られた。コメットテールアッセイを介して決定したとき、肌質1/2の対象1名が、メラノーマ患者の応答と酷似したゲノム応答を示した。質問の際に、この対象が前癌状態のほくろを切除していたことが発見された。また、表現型的に肌質5の個人1名は、肌質1及び2の個人と酷似したUVに対するゲノム応答を示した。質問の際に、この対象はカリブ生まれであることが発見された。カリブでは、人口の大部分が混血であり、したがって、恐らく、該対象は非常に暗色の皮膚を有しているが、UV照射に対して感度の増加を招く遺伝子を受け継いでいたのであろう。
【0065】
UV照射に対する個人の感度の変化は、ゲノム修復機構において役割を果たすタンパク質のアップレギュレーション又はダウンレギュレーションに伴う遺伝性の遺伝子突然変異と恐らく関連している。これらの突然変異は白人人口で起こり、そのようなものとして比較的最近の進化史までこの群に限定されていたことが想定されよう。これは、もはや当てはまらない可能性がある。
【0066】
【表1】

【0067】
考察
これらの予備実験は、メラノーマ患者では、UV関連のゲノム損傷に対する感度が増加し、この感度の増大は、リンパ球アッセイを介して決定できることを強く示唆している。また、該データは、UV感度を予見するのに表現型(皮膚色等)に依存できず、皮膚色により危険性が低いと見なされると思われる個人も、遺伝的には実際に危険性が高い場合があることも強く示している。これは特に重要であり、UV誘発メラノーマに対する個人の感受性を定量するために使用できるアッセイの必要性を明確に示している。本アッセイは、この要件を満たしており、人口において増加の一途をたどるメラノーマの発生率を抑制する上で非常に重要な役割を長期的に果たし得る。本アッセイは、皮膚癌に対する具体的な危険性についてより良好に個人に情報提供するために非常に有用な手段を提供する。該アッセイは、UV損傷に対する対象の皮膚の感度を決定するために皮膚以外の細胞を使用するという点が注目に値する。これにより、該アッセイは、皮膚細胞を得ることを伴うアッセイよりも簡単で侵襲性が低いものになる。更に、該アッセイは、皮膚細胞を使用しないことにより、最近の皮膚のUVへの曝露によって有意に影響を受けることがなく、したがって固有の皮膚感度を確実に示す。
【0068】
該アッセイは、異なる細胞型(特にリンパ球と皮膚細胞)の間におけるUV感度の予想外の相関性を利用するため注目に値する。この相関性は予想外であり、UV誘発損傷を軽減するために細胞中に張り巡らされている共通のシステムが存在することを示唆している。皮膚細胞のみがこのような防御機構を示す必要に迫られているであろうと当然に予想するであろうから、これは驚くべきことである。
【0069】
実施例2−コメットテールモーメントとUV侵入深さとの関係
この実験は、UV誘発遺伝子損傷に対するアガロース(即ちUV透過性バリア)内での細胞の深さの役割を評価するために行われた。
【0070】
方法
76×26mmのスーパーフロストスライド(BDH)12枚を70%エチルアルコールで滅菌し、火炎殺菌した。各スライドを1%標準融点アガロース(NMA、Invitrogen)に浸し、下面からアガロースを除去するように拭き取った。該スライドを500℃で終夜空気乾燥した。20000細胞/mlのヒトリンパ球懸濁液100μlを含むエッペンドルフチューブ12本を用意し、等容量の1%低融点アガロース(LMA、Invitrogen)を各々に加えた。各エッペンドルフからの細胞懸濁液/LMA混合物100μlを、NMAアガロースでプレコーティングした各スライドの上に置いた。各スライドをアイスブロックに移す前に、22×50mmのカバースリップを使用して、LMA/細胞アガロース層を平らにした。5分後、カバースリップを除去し、0.5%LMA層100μlを各スライドに更に加え、カバースリップを再び使用してLMAを平らにした結果、これは深さ91μmに構築された。追加のLMA層を加え、細胞の上に182μm、273μm及び364μmのアガロース層を構築した。カバースリップを除去及び廃棄し、2枚のスライドを使用して対照を生成し(UV照射なし)、残り10枚のスライド(アガロースの厚さ毎にスライド2枚)は1.53±0.01mWcmの平均試料表面強度でWaldmannUVAランプ(Athrodax Healthcare International Ltd)を介してUVAに15分間曝した。当てたUVA光の平均強度は、UVAランプの下で10カ所の異なる位置からWaldmann Variocontrol UVメーター(Athrodax Healthcare International Ltd)を用いて測定したUVA強度により決定した。
【0071】
UVA処理後、スライドを、pH10で溶解剤に移し[2.5M NaCl、100mM EDTA及び10mMトリス緩衝液はすべて700mlにし、次いで1%TritonX−100及び10%DMSO(SIGMA)を補充した]、4℃で終夜インキュベートした。インキュベーション後、スライドを蒸留水ですすぎ、緩衝液を満たした電気泳動槽に入れ(pH10で60M NaOH+200mM EDTA+蒸留H2Oからなる)、30分間冷蔵庫に放置することでDNAをほどけるようにした。スライドを定電圧(25V)で30分間電気泳動にかけた。
【0072】
スライドを最終的に洗浄トレーに移し、中和緩衝液(0.4Mトリス、pHはHClで7.5に調節)で5分間隔で3回洗浄し、エチジウムブロマイド(20μg/ml、Invitrogen)で染色した。コメットテールモーメントを、スライドを蛍光顕微鏡(Lieca DMLB)に移して決定し、20倍の落射蛍光対物(Lieca)を介して観察した。デジタル画像をKinetic Imaging K2 CCDカメラを介して取得し、処理毎にコメットテール100個をKomet4(Kinetic Ltd.Liverpool)を用いて自動的に採点した。統計分析はMINITABを用いて行った。
【0073】
結果
3Dコメットアッセイは、細胞がアガロースの複数層に埋め込まれているシステムからなり、したがってUV侵入深さとUV関連のゲノム損傷との関係を検査することができる。これは、ヒトリンパ球を用いた変性アッセイで試験し(図2)、ゲルの表面上の細胞及び厚さ91μm、182μm、273μm及び364μmのアガロース層に埋め込んだ細胞を照射し、対照(UVA照射なし)に対する各処理に伴うコメットテールモーメントで検査した。予想通り、深さ273μmでコメットテールモーメントが対照レベルに戻ったように、UV関連のゲノム損傷は、アガロースの深さに関連して減少したことが判明した。結果は、以下に要約されている。類似の結果が、HaCatケラチノサイト細胞株からの凍結/解凍されたリンパ球及び細胞で示された(データは図示せず)。
【0074】
【表2】

【0075】
実施例3−サンクリーム処理
この実験は、UV誘発遺伝子損傷を予防する市販のサンクリーム2種(いずれもSPF30で、UVA及びUVBを遮断するように設計されている)の効果を評価するために行われた。
【0076】
方法
76×26mmのスーパーフロストスライド(BDH)16枚を用意し、ヒトメラノサイトを上記のように深さ91μmでアガロースに埋め込んだ。本実施例ではメラノサイトを使用するが、リンパ球を使用することが好ましく、完全に使用可能であろうことに注意されたい。市販のサンクリーム2種の遮断能力を評価するために、各サンクリーム100μlを、サンクリーム毎に4枚のコーティングしたスライドのゲル表面に塗布し、4℃で維持した。8枚のスライドをUVA照射し、インキュベートし、上記のように採点した。4つの陰性対照は、埋め込み、インキュベートし、UVAなしで採点することによって生成し、4つの陽性対照は、いずれのサンクリームもなしでUVA照射することによって生成した。処理毎に200個の細胞を上記のように採点した。
【0077】
結果
次いで、該アッセイでは、ヒトメラノサイトを使用し、深さ91μmに埋め込み、いずれもSPF30で、UVA及びUVBを遮断する能力を有すると主張する、周知の「キッズ」サンクリーム2種(サンクリームA及びサンクリームB)のUVA保護に関してその効果を評価した。処理毎に100個の細胞(スライド毎に50個の採点される細胞を用いた2枚のスライド)で再現性のある実験(図3)を2回繰り返すと(n=200)、UVAに曝露しなかったヒトメラノサイトである陰性対照(対照)が、1.39±0.10の平均コメットテールモーメントを有することが示された。それに比べて、UVAに曝露した細胞である陽性対照(UV)は、5.50±0.31の平均コメットテールモーメントを示した。陽性対照と陰性対照とを比較したとき、これらの実験は、サンクリームAを塗布することにより、コメットテールモーメントが陰性対照レベルの1.38±0.10まで戻るのに対して、サンクリームBでは戻らず、平均コメットテールモーメントが2.34±0.14になることを示した。処理毎に別々の4枚のスライドからプールしたデータの分析は、該データの別の見解に至り得るので[10]、各スライドの平均コメットテールモーメントを取得し、処理毎に4つの平均の平均を計算することによってもデータを問い合わせた。この分析方法は、計算された平均には影響を及ぼさないが、標準誤差を大幅に変えることがある。これを行うことによって、対照処理の標準誤差は0.10で依然として変化しなかったが、UVに曝露したサンクリームA及びサンクリームBの標準誤差は、各々0.91、0.14及び0.18に増加したことが判明した。しかし、これらの標準誤差の増加は、データを解釈するという点では違いをもたらさなかった。陰性対照及びサンクリームAの平均コメットテールモーメントは、依然として互いに有意な差がなく、陰性対照、陽性対照及びサンクリームBの平均コメットテールモーメントは、すべて互いに有意に異なる。2種のサンクリームしか比較しなかったが、これらの結果は、恐らく同じSPFであるUVA/UVB遮断サンクリームが、異なるレベルのUVA保護を提供することを強く示唆している。
【0078】
実施例4−更なる肌質アッセイ調査
メラノーマの疑いのある患者から新たに採取したリンパ球を用いて、異なる深さで埋め込まれたリンパ球に対するUV照射の影響を評価するために、更なる試験を行った。本発明者等は、白人対象(n=20)、アジア人対象(n=20)及びアフリカ黒人対象(n=20)から得たリンパ球と、メラノーマの疑いのある患者(SCP、n=22)から新たに採取したリンパ球とを用いて、コメットアッセイを介してUV照射の影響を調べた。この最後の群の中で、8人は、その後メラノーマを患っていると診断され、したがって、メラノーマの疑いのある患者とは別個に検討された。陰性対照としては、リンパ球を深さ100μmでゲルに埋め込み、UVA照射なしで処理した。この実験の結果、メラノーマ患者からのリンパ球は、メラノーマの疑いはあるがメラノーマではない患者、白人対象、アジア人対象及びアフリカ黒人対象から得たリンパ球よりもUV照射に対して有意に大きな感度を有しており、この感度は、ゲル中の深さ400μmで再び増加する前に、深さに関連して最初に減少したことを示している。それに比べて、メラノーマの疑いのある患者はUVA照射に対してより低い感度を示したが、この感度は、深さと関連して有意に減少せず、深さ300及び400μmでより低くなったが、メラノーマ患者から得たリンパ球の応答と統計的に類似していた(図4)。白人対象、アジア人対象及びアフリカ黒人対象から得たリンパ球の感度は、すべて互いに有意に異なったが、メラノーマの疑いのある患者及びメラノーマが確認された患者とは違って、前記のコメットテールモーメントはゲル中の深さに関連して有意に減少した。
【0079】
これらの結果は、本発明のアッセイにより評価したとき、メラノーマの発生率とUVA感度の増加との間に相関性があり、該アッセイがメラノーマを発症する危険性が増大している人を特定するために使用できることを強く示している。
【0080】
上記に詳述した実験は主にUVに関するが、他の種類のEM放射線が類似の方法でアッセイでき、損傷した細胞遺伝子に対するその影響が評価されるという結論を出すことが公正である。
【0081】
参照
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線による遺伝子損傷に対する対象の細胞の感度を決定するためのアッセイであって、
前記対象からのリンパ球試料を載置するのに適した基材と、
電磁放射線源と
を含む、アッセイ。
【請求項2】
前記電磁放射線源が紫外線源である、請求項1に記載のアッセイ。
【請求項3】
前記基材上に載置された前記対象からのリンパ球試料を含む、請求項1又は2に記載のアッセイ。
【請求項4】
前記リンパ球が、70%〜80%の大型顆粒リンパ球及び小型リンパ球と、15%〜30%の単球との混合物を含む、前記請求項のいずれかに記載のアッセイ。
【請求項5】
前記基材が、前記細胞を載置するための平面を有する、前記請求項のいずれかに記載のアッセイ。
【請求項6】
前記基材が、ガラス製、プラスチック製若しくは金属製のスライド、又はシリコンチップである、前記請求項のいずれかに記載のアッセイ。
【請求項7】
前記基材が、マイクロ流体工学に基づくアレイ又はマイクロアレイである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアッセイ。
【請求項8】
前記リンパ球を載置するのに適したマウンティング培地を含む、前記請求項のいずれかに記載のアッセイ。
【請求項9】
前記マウンティング培地がゲルである、請求項8に記載のアッセイ。
【請求項10】
前記リンパ球が、前記培地内に載置され、前記マウンティング培地内に主に含有される、請求項8又は9に記載のアッセイ。
【請求項11】
前記マウンティング培地が、電気泳動を行うのに適している、請求項8〜10のいずれか一項に記載のアッセイ。
【請求項12】
前記リンパ球試料と前記UV源との間に介在するEM放射線透過性バリア材料を含む、前記請求項のいずれかに記載のアッセイ。
【請求項13】
前記EM放射線透過性バリアが、前記EM放射線の少なくとも一部がそれを通過して前記リンパ球試料に至ることができるようにする物質である、請求項12に記載のアッセイ。
【請求項14】
前記EM放射線透過性バリア材料が、少なくとも一部は前記マウンティング培地と同じ物質から形成されている、請求項12又は13に記載のアッセイ。
【請求項15】
前記EM放射線透過性バリアが、同じ又は異なる材料の層からなる積層体構造として構築されている、請求項12〜14のいずれか一項に記載のアッセイ。
【請求項16】
前記EM放射線透過性バリアが、バリア全体の厚さが約10μm〜1000μmになるように、厚さ約10μm〜100μmの層で作られている、請求項12〜15のいずれか一項に記載のアッセイ。
【請求項17】
前記アッセイが、1層〜10層のEM放射線透過性バリアを含み、各層が10μm〜100μmの厚さである、請求項16に記載のアッセイ。
【請求項18】
複数のリンパ球試料を含み、各々異なる厚さのEM放射線透過性バリアがその上に配設されている、請求項12〜17のいずれか一項に記載のアッセイ。
【請求項19】
前記EM放射線源が、少なくとも一部は太陽放射に含まれるUVの範囲内でUVを放射することができる、前記請求項のいずれかに記載のアッセイ。
【請求項20】
前記UV源がUVA及びUVBをいずれも放射できる、請求項19に記載のアッセイ。
【請求項21】
前記UV源がUVAを放射する、請求項19又は20に記載のアッセイ。
【請求項22】
前記UV源が、地表で受ける太陽放射のUVスペクトル及びUV強度を実質的に模倣できる、請求項19〜21のいずれか一項に記載のアッセイ。
【請求項23】
前記リンパ球における遺伝子損傷を検出するための手段を含む、前記請求項のいずれかに記載のアッセイ。
【請求項24】
遺伝子損傷を検出するための前記手段が、コメットアッセイを行う手段である、請求項23に記載のアッセイ。
【請求項25】
前記基材と前記UV源との間に配設された試験物質を含む、前記請求項のいずれかに記載のアッセイ。
【請求項26】
前記対象がヒトである、前記請求項のいずれかに記載のアッセイ。
【請求項27】
電磁放射線による遺伝子損傷に対する対象の細胞の感度を評価する方法であって、
基材上に前記対象からのリンパ球試料を載置するステップと、
前記リンパ球試料に電磁放射線を照射するステップと、
前記リンパ球試料の少なくとも一部における遺伝子損傷を検出するステップと
を含む、方法。
【請求項28】
前記電磁放射線がUVである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記リンパ球試料がマウンティング培地中の前記基材上に載置される、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記リンパ球試料上に又は前記リンパ球試料に隣接してEM放射線透過性バリアを配設するステップを含む、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記載置されたリンパ球試料上に又は前記載置されたリンパ球試料に隣接して1層又は複数層の前記バリア材料を配設するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ゲノム損傷全般を検出する、請求項27〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
ゲノム損傷全般がコメットアッセイを介して検出される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記対象からリンパ球試料を得るステップを含む、請求項27〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記試験試料の前記遺伝子損傷を一連の所定の値と比較して、EM放射線誘発遺伝子損傷に対する対象の感度を評価するステップを含む、請求項27〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記リンパ球試料と前記EM放射線源との間にEM放射線透過性バリアを配設するステップを更に含む、請求項27〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記リンパ球試料と前記EM放射線源との間に試験物質を配設するステップを含む、請求項27〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
対象の細胞のEM放射線損傷を予防する試験物質の能力を決定するためのアッセイであって、
前記対象からのリンパ球試料を載置するのに適した基材と、
EM放射線源と、
前記EM放射線源と前記基材との間に試験基材を配設するための手段と
を含む、アッセイ。
【請求項39】
対象の細胞のEM放射線損傷を予防する試験物質の能力を決定する方法であって、
基材上に前記対象からのリンパ球試料を載置するステップと、
EM放射線源を用意するステップと
前記EM放射線源と前記リンパ球試料との間に前記試験物質試料を配設するステップと、
前記試験物質が照射され、前記物質を通過する放射線が前記リンパ球試料を照射するように前記EM放射線源を励起するステップと、
前記リンパ球の遺伝子損傷を検出するステップと
を含む、方法。
【請求項40】
前記試験物質がサンクリーム又はサンブロックである、請求項38又は39に記載のアッセイ又は方法。
【請求項41】
前記試験物質が、織物、ポリマー又はガラスの層である、請求項38又は39に記載のアッセイ又は方法。
【請求項42】
前記試験物質が、前記基材上に載置された細胞の表面に塗布される、請求項38〜41のいずれか一項に記載のアッセイ又は方法。
【請求項43】
対象が癌を発症する素因を判定する方法における、又は対象の癌の診断における請求項1〜37のいずれか一項に記載のアッセイ又は方法の使用。
【請求項44】
皮膚癌を発症する素因を判定するか、又は皮膚癌を診断するための請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記皮膚癌がメラノーマである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記方法の結果と所定の値又は値のパターンとを比較し、前記比較から当該診断結果を決定するステップを伴う、請求項39〜45のいずれか一項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−507385(P2010−507385A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533944(P2009−533944)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004082
【国際公開番号】WO2008/050134
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(399016835)ユニバーシティ・オブ・ブラッドフォード (7)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF BRADFORD
【Fターム(参考)】