説明

アドホックネットワークにおける下りパケット通信制御方法および通信端末

【課題】アドホックネットワークにおける通信端末の負荷を低減させ、かつ信頼性の高い経路切替を可能にする新たな下りパケット通信制御方法および通信端末を提供する。
【解決手段】複数の通信端末(13−18)を含むアドホックネットワークにおいて、上位装置(11)が複数の通信端末のうち少なくとも1つを親端末(13)として上位装置から宛先通信端末(16)まで転送される下りパケットに対して親端末を起点とした複数の通信経路(主ルート、副ルート)を設定し、親端末が主ルートを用いて送信した下りパケットの送信エラーを検出すると当該下りパケットを副ルートにより再送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアドホックネットワークに係り、特にアドホックネットワークを構成する通信端末およびその下りパケット通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アドホックネットワークでは、通信端末の移動、新規参加あるいは離脱などの状況変化に応じて適応的に経路を変更する必要があり、そのために、IETF(Internet Engineering Task Force)のワーキンググループであるMANET(Mobile Ad-hoc Networks)でアドホックネットワーク向けルーティングプロトコルの標準化が進められている。
【0003】
一方、アドホックネットワークは、通信端末の状況変化などによりパケットロスが生じやすく経路の通信品質が変動しやすい。たとえば、ある通信端末宛のパケットを上位装置から送信する場合、上述した経路探索により決定された最適経路を通して下りパケットが転送されるが、何らかの通信障害により途中で送信が失敗すると、当該下りパケットは廃棄されてしまう。そこで、このような通信障害あるいは輻輳による通信遅延を回避するための経路切り替え技術が種々提案されている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、中間ノードあるいは宛先ノードが複数の可能な経路から最適経路を決定することで通信障害等を回避する経路選択装置が開示されている。また特許文献2には、無線障害により親機と一部の子機との通信が不可能になった場合、子機のうち特定の子機が親機の代わりになることで親機と当該一部の子機との通信を維持する無線LANシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−227850号公報
【特許文献2】再公表特許WO2008/139830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された経路選択装置では、中間ノードや宛先ノードが経路選択を実行するのでノードの処理負荷が大きくなるという問題がある。また特許文献2に開示された無線LANシステムでは、障害発生時に障害により受信できなくなった子機に対して別の子機が親機の代わりとして機能するので、親機代わりとなる子機の負荷が大きくなるだけでなく、経路切替に時間を要するために高い信頼性を得ることができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、アドホックネットワークにおける通信端末の負荷を低減させ、かつ信頼性の高い経路切替を可能にする新たな下りパケット通信制御方法および通信端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による下りパケット通信制御方法は、複数の通信端末を含むアドホックネットワークにおける下りパケット通信制御方法であって、上位通信手段が、前記複数の通信端末のうち少なくとも1つを親端末として、前記上位通信手段から宛先通信端末まで転送される下りパケットに対して前記親端末を起点とした複数の通信経路を設定し、前記親端末が、一の通信経路を用いて送信した下りパケットの送信エラーを検出すると、当該下りパケットを別の通信経路を用いて再送する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明による通信端末は、アドホックネットワークを形成する通信端末であって、上位通信手段および他の通信端末と通信するための通信手段と、前記上位通信手段から宛先通信端末まで転送される下りパケットに対して予め定められた親端末を起点とした複数の通信経路を特定する通信経路情報に基づいて、自端末が前記親端末であれば、一の通信経路を用いて送信した下りパケットの送信エラーが検出された時に当該下りパケットを別の通信経路を用いて再送する通信経路制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アドホックネットワークにおける通信端末の負荷を低減させ、かつ信頼性の高い経路切替が可能となる、
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の第1実施形態による下りパケット通信制御方法を説明するためのアドホックネットワークの一例を示すネットワーク構成図である。
【図2】図2(A)は第1本実施形態による通信端末の概略的構成を示すブロック図であり、図2(B)は第1実施形態における下りパケットのフォーマット図である。
【図3】図3は第1実施形態による通信端末の動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は第1実施形態によるアドホックネットワークの動作を示すシーケンス図である。
【図5】図5は本発明の第2実施形態による下りパケット通信制御方法を説明するためのアドホックネットワークの一例を示すネットワーク構成図である。
【図6】図6は第2実施形態によるアドホックネットワークの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によれば、アドホックネットワークを構成する複数の通信端末のうち少なくとも1つを親端末とし、親端末から宛先端末までの間に複数の経路を設定する。これにより、主経路上で送信に失敗した場合、当該下りパケットを親端末まで戻すだけで別経路での再送が可能となる。経路切替処理は親端末だけで実行されるので他の中継端末への負荷は生じない。さらにアドホックネットワーク内で1つあるいは複数の親端末を適切に設定することで、各通信端末に負荷をかけることなく経路切替を高速実行することが可能となり、下りパケットの廃棄リスクを低減させ下り送信の信頼性を向上させることができる。
【0013】
より詳しくは、上位装置から宛先端末までの主経路情報の他に、親端末から宛先端末までの別の経路情報を下りパケットに付随させる。親端末ではパケットに含まれる別の経路情報を参照するだけで経路切替が可能になるので、自装置のルーティング情報を参照して経路切替を行う場合に比べて、負荷が軽減される。以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
1.第1実施形態
1.1)構成
図1に示すように、アドホックネットワークが上位装置11、集約装置12および複数の通信端末13−18から形成され、上位装置11から下りパケットが宛先の端末16へ送信されるものとする。ここでは、上位装置11が最適経路を実線で示す主経路(上位装置11→集約装置12→親端末13→端末14→端末15→端末16)として決定し、さらに1つの通信端末13を「親端末」とし、親端末を起点とする別の最適経路を破線で示す副経路(親端末13→端末17→端末18→端末16)として決定した場合を例示する。
【0015】
具体的には、上位装置11が主経路を示す主ルーティング情報と副経路を示す副ルーティング情報と決定する。主ルーティング情報は、たとえば各通信端末から送信されてくる電波の電界強度を参照し最短経路を選択することで決定される。副ルーティング情報は、主ルーティング情報において集約装置12に最も近い(電界強度が最も強い)端末13を親端末とし、親端末13を起点として2番目に短い経路を選択することで決定される。主経路および副経路の決定には周知の経路探索方法を用いることができる。
【0016】
以下、主経路における中継端末15と宛先端末16との間で通信障害が発生し、他のルートでは通信障害が発生していないものと仮定する。なお、図1に示すトポロジ構成は、本実施形態の説明を簡略化するために例示したものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
通信端末13−18は、ここではアクセスポイント等の固定通信装置であるが、携帯通信端末などの移動端末でもよい。各通信端末は基本的に図2(A)に概略的に示す内部構成を有する。ただし、図2(A)では本発明に関係する構成のみを図示している。通信端末は、集約装置12や他の通信端末とパケット通信するための送受信部101と、本実施形態による下りパケット通信制御を含むパケット通信制御を行うアドホック通信経路制御部102と、端末全体の通信制御を行う通信制御部103と、を有する。アドホック通信経路制御部102は、後述するように、通常のアドホック通信経路制御に加えて、自局が親端末であれば、主経路上の障害で下りパケットが送信エラーで返送されると、当該下りパケットに含まれる副ルーティング情報を参照して副経路で下りパケットを再送する制御も実行する。なお、アドホック通信経路制御部102および通信制御部103は、図示しないメモリに格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御プロセッサ上で実行することにより、それらと同等の機能を実現することもできる。
【0018】
本実施形態における下りパケットは図2(B)に示すフォーマットを有する。ここでは、パケットヘッダに続くユーザデータ領域に送信エラーフラグ、主ルーティング情報および副ルーティング情報が所定のフォーマットで格納されている。
【0019】
1.2)通信端末の動作
図3において、送受信部101により自端末宛でないパケットを受信すると(ステップ201)、アドホック通信経路制御部102は受信パケットに送信エラーフラグがセットされているか否かをチェックする(ステップ202)。送信エラーフラグがセットされていなければ(ステップ202のNO)、アドホック通信経路制御部102は当該パケットの主ルーティング情報を参照し当該パケットを宛先端末へ向けて主経路で送信する(ステップ203)。その際、送信エラーが発生すれば(ステップ204のYES)、アドホック通信経路制御部102は自端末が親端末か否かをチェックし(ステップ205)、親端末であれば(ステップ205のYES)、当該パケットを送信エラーフラグをセットして副ルーティング情報に従って送信する(ステップ206)。親端末でなければ(ステップ205のNO)、当該パケットを送信エラーフラグをセットして主ルーティング情報に従って返送する(ステップ207)。
【0020】
受信パケットに送信エラーフラグがセットされていれば(ステップ202のYES)、アドホック通信経路制御部102は当該パケットの副ルーティング情報を参照し(ステップ208)、自端末からの副経路が存在するか否かをチェックする(ステップ209)。自端末からの副経路があれば(ステップ209のYES)、自端末が上述した親端末であるから、副ルーティング情報に従って当該パケットを送信する(ステップ210)。自端末からの副経路がなければ(ステップ209のNO)、自端末は中継端末であるから、アドホック通信経路制御部102は当該パケットの主ルーティング情報に従って当該パケットを返送する(ステップ211)。
【0021】
このように、自端末が親端末であった場合、送信エラーフラグがセットされて返送されてきたパケットに対して、当該パケットのデータに含まれる副ルーティング情報を参照することで別のルートで再送することができるので、自端末のルーティング情報を参照する場合よりも処理の負担が軽減される。
【0022】
1.3)アドホックネットワークの動作
次に、図4を参照しながら、本実施形態による経路制御シーケンスについて説明する。ここでは、図1に示すように、主経路上の中継端末15と宛先端末16との間で通信障害が発生しているものとする。全体的な動作としては、まず、上位装置11が宛先端末16に向けてパケットを送信すると、パケットを受信した中継端末15が送信エラーを検知する。端末15は、リンク先の端末16に対して3回再送を行っても送信エラーだった場合、親端末13に向けてパケットを返送する。パケットを受け取った親端末13は副ルーティング情報を参照し端末16に向けてパケットを送信する。より詳細な動作シーケンスは次の通りである。
【0023】
A1:上位装置11で作成した主ルーティング情報および副ルーティング情報をパケットに付随させて集約装置12に向けてパケット送信する。
【0024】
A2:集約装置12は主ルーティング情報に従い、親端末13にパケットを送信する。
【0025】
A3:親端末13は主ルーティング情報に従い、端末14にパケットを送信する。
【0026】
A4:端末14は主ルーティング情報に従い、端末15にパケットを送信する。
【0027】
A5:端末15はパケット送信が失敗すると、3回だけ再送を行う。
【0028】
A6:端末15は3回とも送信に失敗すると、主ルーティング情報を参照し、送信エラーフラグをセットしたパケットを端末14に向けて返信する。
【0029】
A7:端末14は、受信したパケットの送信エラーフラグがセットされていると、その副ルーティング情報を参照し、自端末からの副経路がないことを確認すると、主ルーティング情報を参照して親端末13に向けてパケットを返信する。
【0030】
A8:親端末13は、受信したパケットの送信エラーフラグがセットされていると、その副ルーティング情報を参照し、自端末からの副経路があることを確認すると、副ルーティング情報に従って端末17にパケットを送信する。
【0031】
A9:端末17は受信したパケットの送信エラーフラグがセットされていると、その副ルーティング情報を参照し、端末18にパケットを送信する。
【0032】
A10:端末18は受信したパケットの送信エラーフラグがセットされていると、その副ルーティング情報を参照し、宛先端末16にパケットを送信する。こうして下りパケットは、主経路に障害が発生しても、副経路を通して宛先端末16へ送信される。
【0033】
1.4)効果
本実施形態によれば、1つのパケットに対して親端末を起点とする2つのルートを用意しているため、フレーム廃棄が起こるリスクを軽減できる。その結果、上位装置11からの下りパケットが宛先端末16に到達する精度が向上する。
【0034】
親端末13だけに副経路を設定する理由は、他の全ての端末毎に副経路を設定すると、それらの副ルーティング情報を含むパケットの情報量が多くなり、ネットワークの帯域を圧迫するからである。また上位装置11や集約装置12での副経路を設定しない理由は、上位装置11および集約装置12の負荷が高くなることを回避したためである。
【0035】
2.第2実施形態
本発明は、上述した第1実施形態よりもホップ数が多くなっても同様に適用可能である。ホップ数が多い場合、送信エラー時にパケット返送に関与する端末が多くなり、無駄に帯域を使用する可能性がある。そこで、本発明の第2実施形態によれば、複数の親端末を分散して設定することで副経路の通過端末数を減少させる。以下、本発明の第2実施形態によるアドホックネットワークの構成および動作を図5および図6を参照して説明する。
【0036】
2.1)構成
図5に示すように、アドホックネットワークが上位装置21、集約装置22、複数の端末23−28および複数の端末群31−36から形成され、上位装置21から下りパケットが宛先の端末26へ送信されるものとする。
【0037】
親端末23は1ホップ目、親端末24は11ホップ目、親端末25は21ホップ目、端末26は31ホップ目の端末となる。なお、ここでは端末群31−36はそれぞれ9つの端末を含むものとする。
【0038】
上位装置21は下記4つのルーティング情報を保持している。
・主ルーティング情報
主経路:上位装置21→集約装置22→親端末23→端末群31→親端末24→端末群32→親端末25→端末群33→端末26)
・副ルーティング情報
第1の副経路:親端末23→端末群34→親端末27→端末群35→親端末28→端末群36→端末26
第2の副経路:親端末24→親端末27→端末群35→親端末28→端末群36→端末26)
第3の副経路:親端末25→親端末28→端末群36→端末26)
【0039】
主ルーティング情報の決定方法は、各端末から送信されてくる電界強度を参照して最短経路を選択する。また、主ルーティング情報を参照して1、11、21ホップ目の端末を親端末として選択し、選択した端末を起点に2番目に近い経路をそれぞれの副ルーティング情報として決定している。複数の親端末は、電界強度や宛先までの副経路のホップ数を考慮して決定することができる。
【0040】
本実施形態では上位装置21から端末26にパケットを送信することを想定しており、主経路の端末群33で通信障害が発生し、他のルートは全て通信障害が発生していないものとする。
【0041】
親端末となる端末23−28および端末群31−36の各端末は、図2および図3で説明した構成および動作と基本的に同じであるから説明は省略する。
【0042】
2.2)アドホックネットワークの動作
次に、図6を参照しながら、本実施形態による経路制御シーケンスについて説明する。ここでは、図5に示すように、主経路上の端末群33で通信障害が発生しているものとする。全体的な動作としては、まず、上位装置21が宛先端末26に向けてパケットを送信すると、パケットを受信した端末群33のなかの端末が送信エラーを検知し、親端末25に向けて送信エラーとなったパケットが返送される。パケットを受け取った親端末25は副ルーティング情報を参照し端末26に向けてパケットを送信する。より詳細な動作シーケンスは次の通りである。
【0043】
B1:上位装置21で作成した主ルーティング情報、副ルーティング情報をパケットに付随させて集約装置22に向けてパケット送信する。
【0044】
B2:集約装置22は主ルーティング情報に従い、親端末23にパケットを送信する。
【0045】
B3:親端末23は主ルーティング情報に従いパケットを送信し、端末群31を通り親端末24がパケットを受信する。
【0046】
B4:親端末24は主ルーティング情報に従いパケットを送信し、端末群32を通り親端末25がパケットを受信する。
【0047】
B5:親端末25は主ルーティング情報に従いパケットを送信する。しかし端末群33内の端末で通信障害が発生しているため送信エラーが発生する。すなわち端末群33内で3回再送がトライされる。
【0048】
B6:3回再送を行っても送信エラーが発生した場合、端末群33内の端末は送信エラーを検出し送信エラーフラグをセットしたパケットを親端末25に返信する。
【0049】
B7:親端末25はパケットを受信すると送信エラーフラグがセットされているので副ルーティング情報を参照し、自端末からの経路があることを確認すると、副経路に従って親端末28にパケットを送信する。
【0050】
B8:親端末28も同様に副ルーティング情報に従いパケットを送信し、これによってパケットが端末群36を通り目標である端末26により受信される。
【0051】
2.3)効果
本実施形態によれば、上位装置21から宛先端末26までのホップ数が通信品質等を考慮して多すぎる場合には、副ルーティング情報を持たせる親端末を複数個用意する。これにより、最短の副経路で宛先までパケットを転送することが可能となり、再送時のパケット通信量の軽減が期待できる。さらに副経路を多段設定することで下りパケット送信の信頼性をさらに高めることができ、第1実施形態と同様にフレーム送信精度の向上効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明はアドホックネットワーク、マルチホップネットワークを形成する通信端末あるいは携帯通信端末などのノードに適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
11 上位装置
12 集約装置
13 通信端末(親端末)
14−18 通信端末
21 上位装置
22 集約装置
23−25、27,28 通信端末(親端末)
26 通信端末
31−36 端末群
101 送受信部
102 アドホック通信経路制御部
103 通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信端末を含むアドホックネットワークにおける下りパケット通信制御方法であって、
上位通信手段が、前記複数の通信端末のうち少なくとも1つを親端末として、前記上位通信手段から宛先通信端末まで転送される下りパケットに対して前記親端末を起点とした複数の通信経路を設定し、
前記親端末が、一の通信経路を用いて送信した下りパケットの送信エラーを検出すると、当該下りパケットを別の通信経路を用いて再送する、
ことを特徴とする下りパケット通信制御方法。
【請求項2】
前記一の通信経路上の通信端末が前記下りパケットの送信に失敗すると、当該下りパケットに送信エラーフラグをセットして前記一の通信経路を用いて前記親端末へ返送する、ことを特徴とする請求項1に記載の下りパケット通信制御方法。
【請求項3】
前記上位通信手段が前記下りパケットに前記複数の通信経路の各々のルーティング情報を格納し、前記親端末が前記ルーティング情報を参照することで通信経路を切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の下りパケット通信制御方法。
【請求項4】
前記一の通信経路および別の通信経路上の通信端末は、送信エラーのない下りパケットを前記一の通信経路のルーティング情報に従って転送し、送信エラーが発生した下りパケットを前記別の通信経路のルーティング情報に従って転送する、ことを特徴とする請求項3に記載の下りパケット通信制御方法。
【請求項5】
アドホックネットワークを形成する通信端末であって、
上位通信手段および他の通信端末と通信するための通信手段と、
前記上位通信手段から宛先通信端末まで転送される下りパケットに対して予め定められた親端末を起点とした複数の通信経路を特定する通信経路情報に基づいて、自端末が前記親端末であれば、一の通信経路を用いて送信した下りパケットの送信エラーが検出された時に当該下りパケットを別の通信経路を用いて再送する通信経路制御手段と、
を有することを特徴とする通信端末。
【請求項6】
前記通信経路制御手段は、自端末が前記一の通信経路上にあって前記親端末ではない場合、前記下りパケットの送信に失敗すると当該下りパケットに送信エラーフラグをセットして前記親端末へ返送する、ことを特徴とする請求項5に記載の通信端末。
【請求項7】
前記通信手段が受信した下りパケットには前記複数の通信経路の各々のルーティング情報が格納されており、前記通信経路制御手段は、自端末が前記親端末であれば、前記ルーティング情報を参照することで通信経路を切り替えることを特徴とする請求項5または6に記載の通信端末。
【請求項8】
前記通信経路制御手段は、自端末が前記一の通信経路および/または別の通信経路上の通信端末であれば、送信エラーのない下りパケットを前記一の通信経路のルーティング情報に従って転送し、送信エラーが発生した下りパケットを前記別の通信経路のルーティング情報に従って転送する、ことを特徴とする請求項7に記載の通信端末。
【請求項9】
請求項5−8のいずれか1項に記載の通信端末が複数個接続されたアドホックネットワーク。
【請求項10】
アドホックネットワークを形成する通信端末のプログラム制御プロセッサを機能させるためのプログラムであって、
上位通信手段から宛先通信端末まで転送される下りパケットに対して予め定められた親端末を起点とした複数の通信経路を特定する通信経路情報を受信する機能と、
前記通信経路情報に基づいて、自端末が前記親端末であれば、一の通信経路を用いて送信した下りパケットの送信エラーが検出された時に当該下りパケットを別の通信経路を用いて再送する機能と、
を前記プログラム制御プロセッサで実現することを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate