説明

アニオン電着塗料

【課題】 焼付け時に塗膜からホルムアルデヒドの発生が少なく、硬化性、耐薬品性及びダイスマーク隠蔽性に優れるアニオン電着塗料を提供すること。
【解決手段】 カルボキシル基含有樹脂(A)と好ましくは、水100mlに対して5g以下の水溶解性を有するカルボジイミド基含有樹脂(B)とを含む樹脂成分を水分散してなり、カルボキシル基含有樹脂(A)とカルボジイミド基含有樹脂(B)の溶解性パラメーターの差が0.3〜1.5であることを特徴とするアニオン電着塗料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボキシル基含有樹脂(A)とカルボジイミド基含有樹脂(B)を含み
、焼付け時に塗膜から発生するホルムアルデヒドを低減し、低温硬化性、耐薬品性及びダイスマーク隠蔽性に優れるアニオン電着塗料に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムは軽量で加工性が容易であることや耐蝕性に優れるといった性質を利用して、建材関係の材料として多く使用されるようになってきている。
該アルミニウムの熱間押し出し方法は、通常、円柱形のアルミニウム鋳塊を加熱して溶融させ、次いでこの溶融物を押し出し機に入れ、所定の断面形状の孔を持つダイスに押し付け、ところてん式に孔を通過させて所定の形状を持つ型材を得る方法である。
【0003】
アルミニウム材は、それ自体、防食性、耐摩耗性、耐薬品性などが劣ることからアルミニウムを陽極酸化処理した後、アニオン電着塗料により艶消しの塗膜が被覆されているのが一般的である。
しかしながら、上記の艶消しアニオン電着塗料を陽極酸化処理したアルミニウム型材に電着塗装した後に低温硬化させた場合に、素材であるアルミニウム型材のダイスマークが目立ち易く商品価値が劣るといった問題点がある。
【0004】
またアニオン電着塗料において、アクリル樹脂、及び架橋剤としてメラミン樹脂やブロックイソシアネート化合物を用いた発明がある(特許文献1、特許文献)。
しかし上記のアニオン電着塗料は、架橋剤であるメラミン樹脂が焼き付け時に自己架橋し、ホルムアルデヒド(揮発性有機化合物)が発生したり、ブロックイソシアネート化合物を用いた場合では、ブロック剤が揮散するといった問題点があった。
【0005】
それに対し、例えば、1分子中にカルボジイミド基を2個以上含有し、ポリエチレングリコールとカルボジイミドがウレタン結合を介して結合している樹脂を用いた塗料に関する発明がある(特許公報3)。
他に、粉体塗料用硬化剤としてカルボジイミド化合物を用い、低温焼付けが可能で、揮発性有機化合物を低減するなどの塗装環境改善を目的とした発明がある(特許文献4)。
【0006】
しかし単にカルボジイミド化合物をアニオン電着塗料に配合しただけでは、カルボジイミド基の高い反応性から貯蔵安定性が充分でなく、その対策として貯蔵安定性を改良するために親水化変性したカルボジイミド化合物を用いた場合は、電着塗装時にカルボジイミド化合物が均一に析出しないといった問題点があった。
【特許文献1】特開2003−292879号公報
【特許文献2】特開2003−49112号公報
【特許文献3】特開平10−60272号公報
【特許文献4】特開平11−35850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする課題は、焼付け時に塗膜からホルムアルデヒドの発生が少なく、低温硬化性、耐薬品性及びダイスマーク隠蔽性に優れるアニオン電着塗料を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル基含有樹脂(A)及びカルボジイミド基含有樹脂(B)を含む樹脂成分を水分散してなるアニオン電着塗料によって解決できることを見出し、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.カルボキシル基含有樹脂(A)とカルボジイミド基含有樹脂(B)を含む樹脂成分を水分散してなるアニオン電着塗料、
2.水に対するカルボジイミド基含有樹脂(B)の溶解度が、水100mL(20℃)に対して5g以下である1項に記載のアニオン電着塗料、
3.カルボキシル基含有樹脂(A)とカルボジイミド基含有樹脂(B)の溶解性パラメーターの差が0.3〜2.0である1項又は2項に記載のアニオン電着塗料、
4.カルボジイミド基含有樹脂(B)の重量平均分子量が200〜100,000である1項〜3項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料、
5.カルボジイミド基含有樹脂(B)が、下記の式(1)で示されるものである1項〜4項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料、
1−Y−(R2−N=C=N)n−R2−Y−R3 式(1)
(式中、R1及びR3は、イソシアネート基と反応し得る官能基又は結合を有する化合物から当該官能基又は結合を除いた水素原子又は炭素数1〜40の有機残基を表し、同一或いは異なっていても良く、R2は、脂肪族及び/又は芳香族ジイソシアネートからイソシア
ネート基を除いた残基を表し、当該ジイソシアネートは異なる種類のものであっても良く、Yは、前記イソシアネート基と、前記イソシアネート基と反応し得る官能基とで形成された結合を表し、nは、平均重合度であって1〜100の範囲である。)
6.さらにメラミン樹脂(C)を含有することを特徴とする1項〜5項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料、
7.さらに多価アルコール(D)を含有する1項〜6項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料、
8.陽極酸化処理したアルミニム基材に、1項〜7項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料を塗装してなる塗膜面の60度鏡面光沢度が15以下の塗装物品、に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアニオン電着塗料は、焼き付け時には塗膜からホルムアルデヒドの放散を低減させる。製品においては、低温硬化性、耐薬品性に優れ、さらにカルボキシル基含有樹脂(A)及びカルボジイミド基含有樹脂(B)のSP値差を調整することによって、ダイスマーク隠蔽性に優れた60度鏡面光沢度が15以下の艶消し塗膜を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のアニオン電着塗料は、カルボキシル基含有樹脂(A)及びカルボジイミド基含有樹脂(B)を必須成分として含有し、必要に応じてメラミン樹脂(C)、多価アルコール(D)を含有する。以下に、詳細に説明する。
カルボキシル基含有樹脂(A):
カルボキシル基含有樹脂(A)は、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有し、好ましくはさらに少なくとも1個の水酸基を有する樹脂である。具体的には、例えば、カルボキシル基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂が挙げられ、この中でも耐候性の面からアクリル樹脂が好適である。
【0011】
上記のアクリル樹脂は、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体、及びその他のラジカル重合性不飽和単量体を共重合せしめることによって製造することができる。これらの単量体成分としては、下記のものを挙げることができる。
カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の単量体が挙げられ、これらの単量体を単独、もしくは2種以上組み合わせて使用して、アクリル樹脂中にカルボキシル基を導入し、中和剤によって水分散することができる。
【0012】
その他のラジカル共重合性不飽和単量体としては、水酸基含有ラジカル共重合性不飽和単量体として、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、などのアクリル酸またはメタクリル酸のC2〜C8のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、(メタ)アリルアルコール、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
【0013】
他には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキル
エステル類;
ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジ−β−メトキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−β―メトキシエトキシシラン、γ-(メタ)アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ-(メタ)イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどの(メタ)アルコキシシリル化合物類;スチレンなどの芳香族ビニルモノマー類;
(メタ)アクリル酸アミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘導体類;(メタ)アクリロニトリル化合物類等が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
【0014】
アクリル樹脂としては通常、上記のカルボキシル基含有ラジカル共重合性不飽和単量体を溶媒中にてラジカル重合開始剤によりラジカル重合反応して得られる。この重合反応に際し、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体が1〜20重量%、好ましくは4〜10重量%、その他のラジカル重合性不飽和単量体が80〜99重量%、好ましくは90〜96重量%の範囲が好適である。
【0015】
重合反応に使用する溶媒としては、例えば、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングルコールモノブチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類などが好適に使用できる。
【0016】
また、これ以外にも必要に応じて、例えば、キシレン、トルエンなどの芳香族類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ペンチル
、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;も併用することができる。
【0017】
また、ラジカル共重合に用いるラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンザンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物、α,α'−アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロ
ヘキサンカルボニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。
【0018】
上記のようにして製造されたアクリル樹脂の重量平均分子量(注1)は5,000〜150,000、好ましくは20,000〜100,000の範囲が好適である。
(注1)重量平均分子量:JIS K 0124−83に準じて行ない、分離カラムにTSK GEL4000HXL+G3000HXL+G2500HXL+G2000HXL(東洋曹達(株)製)を用いて40℃で流速1.0ml/分、溶離液にGPC用テトラヒドロフランを用いて、RI屈折計で得られたクロマトグラフとポリスチレンの検量線から計算により求めた。
【0019】
カルボジイミド基含有樹脂(B):
カルボジイミド基含有樹脂(B)は、ポリイソシアネート化合物をカルボジイミド化触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。またカルボジイミドの末端を、イソシアネート基と反応し得る基を有する一官能の化合物、例えば、ポリエチレングリコールなどのアルコール、アミン、カルボン酸又は酸無水物により封止することもでき、イソシアネートとこれらの封止剤との反応には、錫化合物などの触媒を適宜に加えることができる。
【0020】
カルボジイミド基含有樹脂(B)については、例えば、次の式(1)で示されるものを用いることが好ましい。
1−Y−(R2−N=C=N)n−R2−Y−R3 式(1)
(式中、R1及びR3は、イソシアネート基と反応し得る官能基又は結合を有する化合物から当該官能基又は結合を除いた水素原子又は炭素数1〜40の有機残基を表し、同一或いは異なっていても良く、R2は、脂肪族及び/又は芳香族ジイソシアネートからイソシ
アネート基を除いた残基を表し、当該ジイソシアネートは異なる種類のものであっても良く、Yは、前記イソシアネート基と、前記イソシアネート基と反応し得る官能基とで形成された結合を表し、nは、平均重合度であって1〜100の範囲である。)
さらに、説明すると、前記の式(1)において、R1又はR3は、イソシアネート基と反応する官能基又は結合を有する化合物より当該官能基又は結合を除いた残基からなるセグメントである。
【0021】
イソシアネート基と反応する官能基又は結合を有する化合物の代表的なものは、例えば、以下の(a)水酸基(−OH(H2O含む))含有化合物、(b)メルカプト基(−S
H)含有化合物、(c)アミノ基(−NH2)含有化合物、(d)カルボキシル基(−C
OOH)含有化合物、(e)イソシアネート基(−NCO)含有化合物、(f)ウレタン結合(−NHCOO−)含有化合物、(g)尿素結合(−NHCONH−)含有化合物、(h)アミド結合(−NHCO−)含有化合物、(i)カルボジイミド結合(−NCN−)含有化合物、(j)イソシアネート2量化結合含有化合物などが挙げられる。
【0022】
具体的には、(a)水酸基含有化合物は、メチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、secブチルアルコール、ter−ブチルアルコール等の1価のアルコール類;
エチレングリコール、プロピレングルコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブテンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の飽和或いは不飽和のグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等の各種ヒドロキシアルキルビニルエーテル類;アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等の各種アリル化合物類;n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の水酸基含有高分子類等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0023】
(b)メルカプト基含有化合物は、メタンチオール、エタンチオール、n−およびis
o−プロパンチオール、n−およびiso−ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、シクロヘキサンチオール等の脂肪族アルキル単官能チオール類;1,4−ジチアン−2−チオール、2−(1−メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2−(1−メルカプトエチル)−1,4−ジチアン、2−(1−メルカプトプロピル)−1,4−ジチアン、2−(メルカプトブチル)−1,4−ジチアン、テトラヒドロチオフェン−2−チオール、テトラヒドロチオフェン−3−チオール、ピロリジン−2−チオール、ピロリジン−3−チオール、テトラヒドロフラン−2−チオール、テトラヒドロフラン−3−チオール、ピペリジン−2−チオール、ピペリジン−3−チオール、ピペリジン−4−チオール等の複素環を有する脂肪族チオール類;1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオクリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリス(2−メルカプトエチル)イソシアヌレート、トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレート等の脂肪族ジチオール類;1,2−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、4−メチルー1,2−ベンゼンジチオール、4−ブチルー1,2−ベンゼンジチオール、4−クロロー1,2−ベンゼンジチオール等の芳香族ジチオール類等;また、メルカプト基を有するポリビニルアルコール変性体等のメルカプト基を含有した高分子類等も挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0024】
(c)アミノ基含有化合物では、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロ
ピルアミン、イソプロピルアミン、モノエタノールアミン、n−プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミン、アミノメチルトリメチルシラン、アミノメチルトリエチルシラン、アミノメチルトリプロピルシラン、アミノエチルトリメチルシラン、アミノエチルトリエチルシラン、アミノエチルトリプロピルシアン、アミノプロピルトリメチルシラン、アミノプロピルトリエチルシラン、アミノプロピルトリプロピルシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチル
トリエトキシシラン、アミノメチルトリプロポキシシラン、アミノメチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルメトキシジメチルシラン、アミノメチルジエトキシメチルシラン、アミノメチルエトキシジメチルシラン、アミノメチルジメトキシエチルシラン、アミノメチルメトキシジエチルシラン、アミノメチルジエトキシエチルシラン、アミノメチルエトキシジエチルシラン、アミノエチルジメトキシメチルシラン、アミノエチルメトキシジメチルシラン、アミノエチルジエトキシメチルシラン、アミノエチルエトキシジメチルシラン、アミノエチルジメトキシエチルシラン、アミノエチルメトキシジエチルシラン、アミノエチルジエトキシエチルシラン、アミノエチルエトキシジエチルシラン、アミノプロピルジメトキシメチルシラン、アミノプロピルメトキシジメチルシラン、アミノプロピルジエトキシメチルシラン、アミノプロピルエトキシジメチルシラン、アミノプロピルジメトキシエチルシラン、アミノプロピルメトキシジエチルシラン、アミノプロピルジエトキシエチルシラン、アミノプロピルエトキシジエチルシラン、アミノメチルフェニルジメチルシラン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン等の脂肪族又は芳香族アミン含有化合物等が挙げられる。また、アミノ基を含有した高分子類等も挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0025】
(d)カルボキシル基含有化合物では、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸などの飽和脂肪族モノカルボン酸類;シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸類;2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、3−アクリロイルオキシプロピルフタル酸等のエステル基を有する有機カルボン酸類;安息香酸、トルイル酸、サリチル酸等の炭素環カルボン酸類;フランカルボン酸、チオフェンカルボン酸、ピリジンカルボン酸等の複素環カルボン酸類;無水酢酸、無水コハク酸、無水フタル酸などのカルボン酸由来の酸無水物類;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の高分子カルボン酸類等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0026】
(e)イソシアネート基含有化合物では、シクロヘキシルイソシアネート、n−デシルイソシアネート、n−ウンデシルイソシアネート、n−ドデシルイソシアネート、n−トリデシルイソシアネート、n−テトラデシルイソシアネート、n−ペンタデシルイソシアネート、n−ヘキサデシルイソシアネート、n−ヘプタデシルイソシアネート、n−オクタデシルイソシアネート、n−エイコシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が挙げられ、また、カルボジイミド基含有樹脂に使用されるようなイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物等も挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0027】
また、(f)〜(j)のイソシアネート基と反応する代表的な結合を有する化合物は、上記(a)〜(e)で記述したような化合物と各種イソシアネート化合物とを加熱(又は触媒存在下で加熱)して重合反応することで得ることができる。
尚、イソシアネート基と反応する代表的な化合物は、上記(a)〜(j)に記載のものに限らず、イソシアネート基と反応する官能基又は結合を有する化合物であれば、特に制限は無く、2種以上を併用しても良い。
【0028】
また、前記の式(1)において、R1又はR3は、上記(a)〜(j)の官能基又は結合を有する化合物より当該官能基又は結合を除いた残基である。Yの結合としては、ウレタン結合、チオウレタン結合、尿素結合、アミド結合、カルボジイミド結合、アロファネート結合、ビュレット結合、アシル尿素結合、ウレトンイミン結合、イソシアネート3量化結合、等が挙げられる。
【0029】
前記の式(1)で示されるカルボジイミド基含有樹脂(B)は、重量平均分子量が、200〜100,000であり、好ましくは、500〜50,000であり、更に好ましく
は600〜30,000であり、最良は1,000〜20,000である。また、カルボジイミド基含有樹脂(B)の一分子中のカルボジイミド基数は1〜100個、好ましくは2〜50個である。
【0030】
なおカルボジイミド基含有樹脂(B)の市販品としては、例えば、カルボジライトV−01、カルボジライトV−02、カルボジライトV−02−L2、カルボジライトV−02B、カルボジライトV−03、カルボジライトV−04、カルボジライトV−05、カルボジライトV−06、カルボジライトV−07、カルボジライトV−09、カルボジライトHMV−8CA、カルボジライトHMV−10B、カルボジライトEペレット、カルボジライトBペレット、カルボジライト10M−SP、カルボジライトIM−25P、カルボジライト9010、カルボジライトt−01、カルボジライトT−02、Elastostab H01(以上、日清紡社製、商品名)等を挙げることができる。
【0031】
また、カルボジイミド基含有樹脂(B)を製造するための原料のポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート化合物が挙げられ、好ましくは二官能のイソシアネート、ヘキサメチレンメチレンジイソシアネート(HDIと略称することもある)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、o-及びm-及びp-キシリレンジイソシアネート(XDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、1,12−ジイソシアネートドデカン(DDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、2,4,6−トリイソプロピルフェニルジイソシアネート(TIDI)、4,4'−及び2,4-及び2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-及び2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、1,4-ナフチレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレン
ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルエーテルジイソシアネート、2-ニトロジフェニ
ル-4,4'ジイソシアネート、2,2'-ジフェニルプロパン-4,4'-イソシアネート、
3,3'-ジメチルジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルプ
ロパンジイソシアネート、3,3'-ジメトキシジフェニル-4,4'-ジイソシアネート、
水添トリレンジイソシアネート(HTDI)、シクロヘキシルジイソシアネート等から選ばれる1種又は2種以上のイソシアネート化合物である。
【0032】
まず上記のポリイソシアネート化合物をカルボジイミド化触媒の存在下で加熱することにより製造する。カルボジイミド化触媒としては、カルボジイミド化できる触媒であれば特に限定されないが、例えば、有機リン系化合物、有機金属化合物(一般式 M−(OR)4[Mはチタン(Ti)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、バナジウム(V)、
タングステン(W)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、鉛(Pb)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)やバナジウム(Ba)等を、Rは炭素数1〜20までのアルキル基又はアリール基を示す。]で表されるもの)が好適であり、特に活性の面から、有機リン系化合物ではフォスフォレンオキシド類が、又、有機金属化合物ではチタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコキシド類が好ましい。
【0033】
上記フォスフォレンオキシド類としては、具体的には、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−フォスフォレン−1−オキシド及びこれらの二重結合異性体を例示することができ、中でも工業的に入手の容易な3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシドが特に好ましい。
【0034】
又、上記チタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコキシド類としては、チタン、ハフニウム、ジルコニウムのテトライソプロピルアルコキシド、テトラブチルアルコキシドやテトラ−2−エチルヘキシルアルコキシド等の、エステル縮合触媒として工業的に使用され、入手しやすいものが特に好ましい。
製造する際には、無溶媒下で合成を行なっても良いし、溶媒下で行っても良い。また、反応途中で溶媒を添加しても良い。その場合は、使用用途に応じて適宜選択すれば良い。
【0035】
またカルボジイミドの末端を、イソシアネート基と反応し得る基を有する一官能の化合物、例えばアルコール、アミン、カルボン酸又は酸無水物により封止した場合、イソシアネートとこれら封止剤との反応は、錫化合物などの触媒を適宜加え、カルボジイミド化の前に行っても、或は、適当な重合度までカルボジイミド化させた後に、残存イソシアネートに対し当量の封止剤を加えて行ってもよいが、末端封止剤の沸点が低く、カルボジイミド化反応時の加熱により気化してしまうようなものの場合は、カルボジイミド化の前にイソシアネートと予め反応させておいた方が好ましい。
【0036】
なお、カルボジイミド化反応の速度は、ジイソシアネートの種類、反応温度や触媒量等によって異なり、反応が速すぎると重合の制御が困難であるため、適切な触媒量及び反応温度の範囲内で反応を進めることが好ましく、例えば脂肪族ジイソシアネートをカルボジイミド化する場合は、触媒量:0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%反応温度を120℃〜200℃ という範囲で、又、芳香族ジイソシアネートをカルボジイミド
化する場合は、触媒量:0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%、反応温度を50℃〜180℃ という範囲でそれぞれ反応させることが好ましい。
【0037】
上記のようにして製造されたカルボジイミド基含有樹脂(B)の重量平均分子量は、200〜100,000、好ましくは600〜30,000、さらに好ましくは1,000〜20,000の範囲が好適である。重量平均分子量が200未満では、塗膜の低温硬化性が不十分となり、一方、100,000を超えると塗膜の仕上がり性が低下する傾向があり好ましくない。
【0038】
また本発明に用いるカルボジイミド基含有樹脂(B)は、水溶解度(注2)が、水100mL(20℃)に対して5g以下、好ましくは3g以下、さらに好ましくは1g以下であることが、塗料安定性の為にも好ましい。
(注2)水溶解度:水100mL(20℃)に樹脂を加えて攪拌を行い、樹脂が水に溶解せず、濁り又は沈殿物を生じたときの樹脂重量(g)を水100mLに対する水溶解度とする。
【0039】
さらにカルボキシル基含有樹脂(A)とカルボジイミド基含有樹脂(B)の溶解性パラメーター(注3)の差が0.3〜1.5であることによって、容易に塗膜面の60度鏡面光沢度が15以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下の艶消し塗膜を得ることができる。
(注3)溶解性パラメーター:溶解性パラメーター(SP値 )とは、「solubil
ity parameter」の略号であり、液体分子の分子間相互作用の尺度を表わす
。該SP値において、重合体(I)及び重合体(II)においては、濁点滴定によって測定することができ、具体的には、下記の式(3)、K.W.SUH、J.M.CORBETTの式(Journalof Applied Polymer Science,12,
2359,1968)に準じて算出することができる。
【0040】
【数1】

【0041】
(式(3)中、VHはn−ヘキサンの容積分率、VDは脱イオン水の容積分率、δH はn
−ヘキサンのSP値、δDは脱イオン水のSP値を示す)
濁点滴定では、サンプルとして樹脂0.5g(固形分)をアセトン10mlに溶解した中に、n−ヘキサンを徐々に加え、濁点での滴定量H(ml)を読み、同様にアセトン溶液中に脱イオン水を加えて濁点における滴定量D(ml)を読んで、これらを下記式に適用しVH 、VD、δH、δDを算出する。なお、各溶剤のSP値はアセトン:9.75、
n−ヘキサン:7.24、脱イオン水:23.43である。
【0042】
[ VH=H/(10+H)、VD=D/(10+D)、 δH=9.75×10/(10
+H)+7.24×H/(10+H)、δD =9.75×10/(10+D)+23.43×D/(10+D) ]
本発明のアニオン電着塗料におけるカルボジイミド基含有樹脂(B)の配合割合としては、カルボキシル基含有樹脂(A)が100重量部に対して、カルボジイミド基含有樹脂(B)が5〜50重量部、好ましくは15〜40重量部が、塗料安定性と硬化性の面から好ましい。
【0043】
アニオン電着塗料は、上記のカルボキシル基含有樹脂(A)とカルボジイミド基含有樹脂(B)を含む樹脂成分の他に、適宜に、以下の成分を配合することができる。
メラミン樹脂(C): メラミン樹脂としては、メチロール基の一部もしくは全部がメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の1種もしくは2種以上の1価アルコールで変性されたものを使用することができる。本発明のアニオン電着塗料には、C3以上の1価アルコール、特にC4〜C18の1価アルコールで変性されたエーテル基がトリアジン環1核当たり平均約2.0個以上、特に2.0〜5.0個含有することが好ましい。
【0044】
上記のメラミン樹脂の市販品としては、例えば、ユーバン20SE−60、ユーバン225(以上、いずれも三井化学社製、商品名)、スーパーベッカミンG840、スーパーベッカミンG821(以上、いずれも大日本インキ化学工業社製、商品名)などのブチルエーテル化メラミン樹脂;スミマールM−100、スミマールM−40S、スミマールM−55(以上、いずれも住友化学社製、商品名)、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370(以上、いずれも日本サイテックインダストリーズ社製、商品名)、ニカラックMS17、ニカラックMX15、ニカラックMX430、ニカラックMX600、(以上、いずれも三和ケミカル社製、商品名)、レジミン741(モンサント社製、商品名)等のメチルエーテル化メラミン樹脂;サイメル235、サイメル202、サイメル238、サイメル254、サイメル272、サイメル1130(以上、いずれも日本サイテックインダストリーズ社製、商品名)、スマミールM66B(住友化学社製、商品名)等のメチル化とイソブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂;サイメルXV805(日本サイテックインダストリーズ社製、商品名)、ニカラックMS95(三和ケミカル社製、商品名)等のメチル化とn−ブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂などを挙げることができる。ホルムアルデヒドの放散を低減する目的から、メラミン樹脂(C)の使用量は、カルボキシル基含有樹脂(A)の固形分100重量部あたり30重量部以下、好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下が好ましい。
【0045】
多価アルコール(D):
さらにメラミン樹脂の自己縮合の防止の為に多価アルコール(D)を適用できる。また多価アルコール(D)は、レベリング剤として塗面の仕上り性の向上に効果がある。
多価アルコール(D)を配合することによって塗料中の有機溶剤量を5重量%以下、好ましくは3.5重量%以下として、揮発性有機溶剤量の低減(低VOC化)せしめて環境問題を配慮したアニオン電着塗料が得られる。
【0046】
多価アルコール(D)は、2価のアルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等;3価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等;脂環族多価アルコールとしては、1,4−シクロへキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
【0047】
この中でも、塗料安定性と塗膜性能の面からエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等が好ましい。
本発明のアニオン電着塗料における多価アルコール(D)の配合量としては、カルボキシル基含有樹脂(A)の固形分100重量部に対して、20重量部以下、好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下が、塗料安定性や塗膜性能の面から好ましい。
【0048】
また本発明のアニオン電着塗料は、適宜に、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などの高級アルキルアリールスルホン酸類、及びこれらの塩類(例えば、アミン化合物、アンモニアなど)等のスルホン酸系化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ペンタメチルジエチレントリアミン、2−メチル−1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン等の3級アミン等のアミン化合物;等を配合することができる。
【0049】
他に、本発明のアニオン電着塗料は、適宜に、リン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂を配合することができる。リン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂は、リン酸モノエステル及び一塩基酸とエポキシ樹脂との反応物である。(以下、 リン酸モノエステル及び一塩基酸で変性したエポキシ樹脂を「変性エポキシ樹脂
」と称する。)
上記のリン酸モノエステルとしては、例えば、オルソリン酸モノメチルエステル、オルソリン酸モノエチルエステル、オルソリン酸モノプロピルエステル、オルソリン酸モノブチルエステル、オルソリン酸モノステアリルエステルなどのオルソリン酸のモノアルキルエステルが挙げられる。
【0050】
一塩基酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヤシ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸などの脂肪酸及び安息香酸、p−ter−ブチル安息香酸などの芳香族酸が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、エポキシ当量100〜4,000であって1分子中に1個以上のエポキシ基を有するエピクロルヒドリンとビスフェノールとの縮合物で、例えば、商品名としてエピコート828、同左1001、同左1004、同左1007、同左1009
(以上、ジャパンエポキシレジン社製、商品名)が挙げられる。
【0051】
変性エポキシ樹脂の製造は、例えば、エポキシ樹脂1モルに対してリン酸モノエステル0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モル、及び一塩基酸0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モルの割合で反応させる。
変性エポキシ樹脂の配合割合は、カルボキシル基含有樹脂(A)の樹脂固形分100重量部当たり、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。
【0052】
変性エポキシ樹脂は、例えば、カルボキシル基含有樹脂(A)を水分散化する前に配合しておくことが可能であり、また変性エポキシ樹脂を塩基性化合物(例えば、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノールなど)を用いて水中に分散した水分散液を塗料中に配合することも可能である。
アニオン電着塗料で使用するエマルションは、カルボキシル基含有樹脂(A)、カルボジイミド基含有樹脂(B)、必要に応じてメラミン樹脂(C)、多価アルコール(D)を含有し、下記の中和剤によって水分散して得られるものである。
【0053】
中和剤(塩基性化合物)として、カルボキシル基含有樹脂(A)のアニオン性基に対して0.1〜1.5当量、好ましくは0.2〜1.2当量の中和剤(塩基性化合物)を配合した樹脂成分を混合し、次いで脱イオン水を加え、固形分10〜60重量%、好ましくは10〜40重量%になるように調整し、次いでpHを7.0〜8.0になるように中和剤で調整してエマルションを得ることができる。
【0054】
上記の中和剤としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;他に、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどがある。
【0055】
またアニオン電着塗料には、必要に応じて、顔料、染料、硬化触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤を加えて、pH調整を行い、脱イオン水を加えて固形分5〜20重量%を得ることができる。
アニオン電着塗料を使用して塗膜を形成するには、上記で得られたアニオン電着塗料を槽の中に入れて浴とし、塗料を槽の中に入れて浴とし、この浴中に該アルミニウム材を浸漬した後、被塗物として、着色もしくは無着色陽極酸化アルミニウム材を用い、乾燥膜厚が約5〜30μmになるようにアニオン電着塗装を行った後、ノンリンス(水洗を行わず)で、又はリンス(水洗)を行う。塗膜の焼き付けは、80〜180℃、好ましくは100〜160℃で約20〜40分間により塗膜を形成することができる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
製造例1 カルボキシル基含有樹脂(A−1)溶液の製造例
反応容器中に、イソプロピルアルコール150部、プロピレングリコールモノメチルエーテル120部を仕込み80℃に保持した中へ、以下の「モノマー混合物1」を4時間掛けて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル3部を添加し、80℃で3時間保持
して反応を行って、固形分65%のカルボキシル基含有樹脂(A−1)溶液を製造した。カルボキシル基含有樹脂(A−1)は、重量平均分子量約25,000、酸価55mgKOH/g、水酸基価72mgKOH/g、SP値9.11であった。
【0057】
「モノマー混合物1」
スチレン 20部
メチルメタクリレート 10部
n−ブチルアクリレート 260部
エチルアクリレート 100部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 75部
アクリル酸 35部
アゾビスジメチルバレロニトリル 8部
製造例2 カルボキシル基含有樹脂(A−2)溶液の製造例
反応容器中に、イソプロピルアルコール150部、プロピレングリコールモノメチルエーテル120部を仕込み、80℃に保持した中へ、以下の「モノマー混合物2」を4時間掛けて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル3部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行って、固形分65%のカルボキシル基含有樹脂(A−2)溶液を製造した。カルボキシル基含有樹脂(A−2)は、重量平均分子量約30,000、酸価55mgKOH/g、水酸基価72mgKOH/g、SP値9.32であった。
【0058】
「モノマー混合物2」
スチレン 75部
メチルメタクリレート 120部
n−ブチルアクリレート 150部
エチルアクリレート 45部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 75部
アクリル酸 35部
アゾビスジメチルバレロニトリル 6部
製造例3 カルボキシル基含有樹脂(A−3)溶液の製造例
反応容器中に、イソプロピルアルコール150部、プロピレングリコールモノメチルエーテル120部を仕込み、80℃に保持した中へ、以下の「モノマー混合物3」を4時間掛けて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル3部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行って、固形分65%のカルボキシル基含有樹脂(A−3)溶液を製造した。カルボキシル基含有樹脂(A−3)は、重量平均分子量約30,000、酸価62mgKOH/g、水酸基価92mgKOH/g、SP値9.77であった。
【0059】
「モノマー混合物3」
スチレン 75部
メチルメタクリレート 245部
エチルアクリレート 45部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 95部
アクリル酸 40部
アゾビスジメチルバレロニトリル 6部
製造例4 カルボキシル基含有樹脂(A−4)溶液の製造例
反応容器中に、イソプロピルアルコール200部、プロピレングリコールモノメチルエーテル150部を仕込み、80℃に保持した中へ、以下の「モノマー混合物4」を4時間掛けて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル3部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行って、固形分59%のカルボキシル基含有樹脂(A−4)溶液を製造した。カルボキシル基含有樹脂(A−4)は、重量平均分子量約30,000、酸価53mgKOH/g、水酸基価72mgKOH/g、SP値9.48であった。
【0060】
「モノマー混合物4」
スチレン 75部
メチルメタクリレート 155部
n−ブチルアクリレート 105部
エチルアクリレート 50部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 75部
アクリル酸 35部
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 5部
アゾビスジメチルバレロニトリル 6部
製造例5 カルボジイミド基含有樹脂(B−1)の製造例
撹拌装置、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート 300部を仕込み、カルボジイミド化触媒である3−メチル−1−フェニル−2−フォスホレン−1−オキサイドを1.0部添加し、窒素気流下にて170℃で20時間反応させ、次いで、重量平均分子量500の片末端水酸基含有のポリエチレングリコール100部とジブチルチンジラウレート0.3部を加え、窒素気流下、50℃で6時間反応させ、有機溶剤で固形分を調整し、固形分90%のカルボジイミド基含有樹脂(B−1)を得た。カルボジイミド基含有樹脂(B−1)は、重量平均分子量約 8,000、SP値 8.91、水溶解度 3.2g/100ml水であった。
【0061】
製造例6 カルボジイミド基含有樹脂(B−2)の製造例
撹拌装置、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート400部を仕込み、3−メチル−1−フェニル−2−フォスホレン−1−オキサイドを1.0部添加し、窒素気流下にて170℃で20時間反応させ、次いで、1,3−ジメチルブチルアルコール50部とジブチルチンラウレート0.3部を加え、窒素気流下、50℃で6時間反応させ、有機溶剤で固形分を調整し、固形分90%のカルボジイミド基含有樹脂(B−2)を得た。
カルボジイミド基含有樹脂(B−2)は、重量平均分子量約 7,000、SP値 8.36、水溶解度1.0g/100ml水であった。
【0062】
製造例7 カルボジイミド基含有樹脂(B−3)の製造例
撹拌装置、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート280部とヘキサメチレンジイソシアネート20部を仕込み、3−メチル−1−フェニル−2−フォスホレン−1−オキサイドを1.0部添加し、窒素気流下にて170℃で20時間反応させ、次いで、重量平均分子量2,000のポリエチレングリコール300部とジブチルチンラウレート0.3部を加え、窒素気流下、50℃で6時間反応させ、有機溶剤で固形分を調整し、固形分90%のカルボジイミド基含有樹脂(B−3)を得た。カルボジイミド基含有樹脂(B−3)は、重量平均分子量約 10,000、SP値 9.20、水溶解度 6.1g/100ml水であった。
【0063】
実施例1 アニオン電着塗料No.1の製造
上記の製造例1で得た65%のカルボキシル基含有樹脂(A−1)溶液 123.1部(固形分80部)、製造例5で得たカルボジイミド基含有樹脂(B−1)22.2部(固形分20部)及びカルボキシル基含有樹脂(A−1)溶液のカルボキシル基に対して0.4当量のトリエチルアミンを加えて混合し、攪拌しながら脱イオン水を樹脂固形分が10%になるように徐々に滴下して均一なエマルションとし、さらに攪拌しながらトリエチルアミンを添加し、pHを8.4となるように調整してアニオン電着塗料No.1を得た。
【0064】
実施例2〜8
表1の配合内容にて、実施例2〜8のアニオン電着塗料No.2〜No.8を得た。
【0065】
【表1】

【0066】
(注4)カルボジライトV−03:日清紡社製、商品名、カルボジイミド基含有樹脂、固形分50.4%、重量平均分子量約10,000、SP値 7.49 、水溶解度 0.2g/100ml水であった。
(注5)カルボジライトV−09:日清紡社製、商品名、カルボジイミド基含有樹脂、固形分50.1%、重量平均分子量約8,000、SP値 7.57 、水溶解度 0.6g/100ml水であった。
(注6)ニカラックMX430:三和ケミカル工業(社製、商品名、メチル/ブチルの混合エーテル化のメラミン樹脂、SP値 8.68
【0067】
比較例1 アニオン電着塗料No.9の製造
上記の製造例4で得た固形分59%のカルボキシル基含有樹脂(B−4)118.6部(固形分70部)、ニカラックMX−430(注6)30部(固形分30部)、及びカルボキシル基含有樹脂(B−4)のカルボキシル基に対して0.4当量のトリエチルアミンを加えて混合し、攪拌しながら脱イオン水を樹脂固形分が10%になるように徐々に滴下して均一なエマルジョンとし、さらに攪拌しながらトリエチルアミンを添加し、pHを8.4となるように調整してアニオン電着塗料No.9を得た。
【0068】
比較例2〜3
表2の配合内容にて、比較例2〜4のアニオン電着塗料No.10〜No.11を得た。
比較例4
エレクロンAG300(注8)を用いた。
【0069】
【表2】

【0070】
(注7)デュラネートMF−B80M:旭化成(株)社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、メチルエチルケトキシムブロック、固形分80%
(注8)エレクロンAG−300:関西ペイント社製、商品名、アクリル樹脂・メラミン硬化型のアニオン電着塗料
【0071】
試験板の作成
実施例及び比較例で得られたアニオン電着塗料を浴として、2次電解処理(脱脂−エッチング−中和−陽極酸化処理−封孔)を施した被膜厚さ約10μmのアルミニウム材(シルバー:大きさは150mm×70mm×0.5mm)を浸漬し、乾燥膜厚が10μmになるように電着塗装を行い、水洗後、150℃−20分間焼き付けた。下記の試験条件に従い試験に供した。
実施例の試験結果を表3に、比較例の試験結果を表4に示す。
【0072】
【表3】

【0073】
【表4】

【0074】
(注9)塗膜からのホルムアルデヒド放散量:図1のように、JIS A 1460に規
定されるデシケータ法によって測定した。ホルムアルデヒド放散量は、試験温度23±2℃の条件下、塗板と共にデシケータ内に設置した300mlの精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度から求めた。
◎は、精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度が0.07(23℃・mg/L)未満
○は、精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度が0.07以上〜0.1未満(23℃・mg/L)
△は、精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度が0.1以上〜0.12未満(23℃・mg/L)
×は、精製水に吸収されたホルムアルデヒド濃度が0.12以上
【0075】
(注10)塗面平滑性:塗膜表面(ユズ肌、凹凸等)を目視で評価した。
評価:目視
◎:変化なく良好
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:異常あり
×:著しく異常が認められる
(注11)鉛筆硬度:
JIS K 5600-5-4に準じて、試験塗板面に対し約45°の角度に鉛筆の芯を
当て、芯が折れない程度に強く試験塗板面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。この操作を試験箇所を変えて5回繰り返して塗膜が破れなかった場合のもっとも硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
【0076】
(注12)60度鏡面光沢度:
塗膜の光沢の程度を、JIS K−5400 7.6(1990)の60度鏡面光沢度に従い、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率で表した。
(注13)ダイスマーク隠蔽性:
被塗物のダイスマークの状態を目視で評価した。
◎は、ダイスマーク隠蔽性が良好、
○は、ダイスマーク隠蔽性がやや劣るが実用上問題なし
△は、ダイスマーク隠蔽性が劣る、
×は、ダイスマーク隠蔽性が著しく劣る。
【0077】
(注14)耐薬品性:20℃、5%硫酸水溶液に200時間浸漬したのちの塗面、及び
20℃、1%水酸化ナトリウム水溶液に200時間浸漬したのちの塗面の異常の有無を調べた。
◎:異常なし
○:若干劣るが実用上問題なく良好
△:異常あり
×:著しく異常が認められる
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明のアニオン電着塗料により、焼付け時に塗膜からホルムアルデヒドの発生が少なく、硬化性、耐薬品性及びダイスマーク隠蔽性に優れる60度鏡面光沢値15以下の艶消し塗膜を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】塗膜からのホルムアルデヒドの放散量測定のモデル図である。
【符号の説明】
【0080】
1 デシケータ
2 金網
3 精製水
4 試験板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシル基含有樹脂(A)とカルボジイミド基含有樹脂(B)を含む樹脂成分を水分散してなるアニオン電着塗料。
【請求項2】
水に対するカルボジイミド基含有樹脂(B)の溶解度が、水100mL(20℃)に対して5g以下である請求項1に記載のアニオン電着塗料。
【請求項3】
カルボキシル基含有樹脂(A)とカルボジイミド基含有樹脂(B)の溶解性パラメーターの差が0.3〜2.0である請求項1又は2に記載のアニオン電着塗料。
【請求項4】
カルボジイミド基含有樹脂(B)の重量平均分子量が200〜100,000である請求項1〜3項のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料。
【請求項5】
カルボジイミド基含有樹脂(B)が、下記の式(1)で示されるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料。
1−Y−(R2−N=C=N)n−R2−Y−R3 式(1)
(式中、R1及びR3は、イソシアネート基と反応し得る官能基又は結合を有する化合物から当該官能基又は結合を除いた水素原子又は炭素数1〜40の有機残基を表し、同一或いは異なっていても良く、R2は、脂肪族及び/又は芳香族ジイソシアネートからイソシア
ネート基を除いた残基を表し、当該ジイソシアネートは異なる種類のものであっても良く、Yは、前記イソシアネート基と、前記イソシアネート基と反応し得る官能基とで形成された結合を表し、nは、平均重合度であって1〜100の範囲である。)
【請求項6】
さらにメラミン樹脂(C)を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料。
【請求項7】
さらに多価アルコール(D)を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料。
【請求項8】
陽極酸化処理したアルミニム基材に、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアニオン電着塗料を塗装してなる塗膜面の60度鏡面光沢度が15以下の塗装物品。

【図1】
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【公開番号】特開2006−77110(P2006−77110A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−261875(P2004−261875)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】