説明

アプセットバット溶接における溶接品質の監視方法および監視装置、ならびにアプセットバット溶接による溶接品の製造方法

【課題】自動車用ホイール用リムの製造において使用されるDCバット溶接において、リアルタイムで溶接品質の良否を判定する監視装置及び方法の提供。
【解決手段】鋼板12の両端部13a、13bの突き合わせ面に固定電極15a、15bおよび移動電極16a、16bを介して溶接電流を流して抵抗溶接を行うアプセットバット溶接により溶接される溶接品17の溶接品質の監視方法である。電圧波形測定手段18によって、両端部13a、13bへの通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の波形を測定し、溶接品質判定手段19によって、電圧波形測定手段18により測定した電圧波形と予め設定した前記期間における電圧波形の基準範囲と比較することによって、溶接品17の溶接部17aの溶接良否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプセットバット溶接された溶接品の溶接品質の良否をリアルタイムで判定する監視方法および監視装置、ならびにアプセットバット溶接による溶接品の製造方法に関し、例えば、特に自動車用ホイールリム用鋼板のDCバット溶接における溶接品質の良否をリアルタイムで判定する監視方法および監視装置、ならびにアプセットバット溶接によるホイールリムの中間品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、自動車用スチールホイールは、(a)まず、定寸に切断されたリム用鋼板をコイリング装置に送り込んで円筒状に形成し、(b)円筒状のリム用鋼板をアプセットバット溶接機へ送り、突き合わせ端部を溶接して筒状の中間品とし、(c)この中間品の溶接部の表面に発生した余盛をトリミング装置によりトリミングし、溶接部の両端のエッジを削除し、さらに、ロールフォーミングによりリム形状に成型してホイールリムとし、(d)その後に、このホイールリムの内部に、別途成型加工したディスクを圧入してからディスクとリムとをアーク溶接により接合し、塗装することによって、製造される。
【0003】
円筒状に形成されたリム用鋼板の突き合わせ溶接法しては、フラッシュバット溶接法または溶接直流電流を流すアプセットバット溶接であるDCバット溶接法が知られる。DCバット溶接法は、フラッシュバット溶接法に比較してフラッシュの発生が少なく自動化に有効であることから、多用されている。
【0004】
図7(a)〜図7(f)は、定寸に切断された後にコイリング装置により円筒状に形成されたリム用鋼板1の両端部2a、2bをDCバット溶接する工程を、経時的かつ概念的に示す説明図である。
【0005】
はじめに図7(a)に示すように、リム用鋼板1の一方の端部2aを一対の固定電極3a、3bによりクランプするとともに、他方の端部2bを一対の移動電極4a、4bによりクランプする。固定電極3bおよび移動電極4bは電源5に接続されている。
【0006】
次いで図7(b)に示すように、鋼板1の両端部2a、2bそれぞれの端面2a−1、2b−1を突き合わせ、端面2a−1、2b−1に予め設定された加圧力Fを負荷するとともに、固定電極3bおよび移動電極4bに予め設定された溶接電流を通電する。
【0007】
これにより、突き合わされた端面2a−1、2b−1は、接触抵抗と固有抵抗によるジュール熱により加熱軟化される。これに伴って、図7(c)に示すように、移動電極4、4bが固定電極3a、3b側へ向けて移動を開始し、軟化部は加圧力Fの作用により接合部6に対して垂直な方向へ押出される。そして、図7(d)に示すように、移動電極4a、4bが予め設定された電極移動距離だけ移動すると、固定電極3bおよび移動電極4bへの通電が終了する。その後、図7(e)に示すように、加圧力Fが除荷され、次いで図7(f)に示すように、固定電極3a、3bによる一方の端部2aのクランプが解除されるとともに移動電極4a、4bによる他方の端部2bのクランプが解除されて、リム用鋼板のDCバット溶接が終了する。
【0008】
本明細書では、図7(b)に示す通電開始から図7(c)に示す電極移動開始までの期間を「通電初期」という。なお、上述したように、DCバット溶接では、加圧力、電流値および電極移動量が予め設定され、設定された加圧力、電流値および電極移動量に基づいて溶接が行われる。移動電極4a、4bの移動速度は、突き合わされた端面2a−1、2b−1の軟化の程度により変化する
DCバット溶接では、被溶接材に関わらず適正な溶接品質を有する溶接品を製造するために、加圧力、電流値および電極移動量等を、被溶接材の鋼種やサイズ毎に最適に設定する。なお、加圧力および電流値を、通電中一定値として設定する方法や、通電中に段階的に変化させて設定する方法がある。
【0009】
しかし、加圧力、電流値および電極移動量等といった溶接条件を上述したように最適に設定しても、良好な溶接品質を得られないことがある。溶接品の溶接品質には、被溶接材である鋼板の突き合わせ面の切断品質や、突き合わせ時の突き合わせ面の平行度も大きく影響するからである。
【0010】
図8(a)は鋼板7の切断端面を模式的に示す説明図であり、図8(b)は切断端面の品質が鋼板7の板幅方向に均一である場合における切断端面を示す説明図であり、図8(c)は切断端面の品質が鋼板7の板幅方向に不均一である場合における切断端面を示す説明図であり、図8(d)は鋼板8、9同士の突き合わせが適正な場合における鋼板8、9の突き合わせ状況を示す説明図であり、さらに、図8(e)は鋼板8、9同士の突き合わせにずれがある場合における鋼板8、9の突き合わせ状況を示す説明図である。
【0011】
図8(a)に示すように、鋼板7の切断端面には、鋼板7の板厚方向へ向けて、せん断時の引張曲げにより形成されるだれ7aと、せん断された平滑な面であるせん断面7bと、破断亀裂により分離された破断面7cとが存在する。
【0012】
図8(b)に示すように、鋼板7の切断端面の品質が板幅方向に均一である場合には、だれ7aの量やせん断面7bと破断面7cの割合は、鋼板7の幅方向位置に関わらず略一定となるため、良好な溶接品質を得ることができる。これに対し、図8(c)に示すように、鋼板7の切断端面の品質が板幅方向に不均一である場合には、だれ7aの量やせん断面7bと破断面7cの割合が、鋼板7の幅方向位置により変動して一定しないため、鋼板7の突き合わせ溶接の溶接品質が低下してしまう。
【0013】
また、図8(d)に示すように、固定電極3によりクランプされた鋼板8と、移動電極4によりクランプされた鋼板9との突き合わせが適正である場合には良好な溶接品質が得られる。これに対し、図8(e)に示すように、鋼板8と鋼板9との突き合わせ面の平行度が不芳であるために突き合わせ面10のずれが大きい場合にも、鋼板7の突き合わせ溶接の溶接品質が低下する。
【0014】
すなわち、鋼板の切断時における刃の損耗やシャークリアランスのズレ等に起因した、鋼板の切断端面の不均一や適正な形状からのズレ等の変化や、DCバット溶接機での搬送装置のズレ、損耗さらには電極の損耗等に起因した、鋼板の突き合わせ面の精度のバラツキは、DCバット溶接により溶接品を量産する際には不可避的に発生するものであり、このような変化やバラツキが発生すると、鋼板毎に最適に設定した溶接条件でDCバット溶接を行っても、溶接中に板幅方向の発熱の不均一や過不足が発生し、過大な発熱による溶接割れ、もしくは発熱不足による冷接欠陥が発生するため、溶接品質の低下は避けられない。
【0015】
この溶接品質の低下は、リム成型過程におけるロールフォーミング時に溶接部が割れる原因となるが、一般的に、溶接部の割れはロールフォーミング後の検査工程で初めて発見されることとなるため、不良品を多量に発生させることとなる。このため、DCバット溶接時には、溶接部の溶接品質をリアルタイムで監視することが求められる。これまでにも、アプセットバット溶接における溶接品質の監視方法が種々提案されている。
【0016】
例えば、特許文献1には、予熱期間の平均抵抗の標準偏差を演算して基準値と比較することにより搬送設備の搬送精度の良否を判定するアプセットバット溶接での搬送設備精度判定装置に係る発明が開示されている。
【0017】
特許文献2には、溶接電流検出手段、溶接電圧検出手段、通電時間検出手段、電極変位量検出手段および加圧力検出手段などの各検出手段から得られた、電流密度、加圧力密度、電流積分値および発熱量のうち、少なくとも1つ以上を演算して基準値と比較し、接合界面の溶接性を判定するアルミ合金のアプセットバット溶接性判定装置に係る発明と、溶接電極の変位量より得られる、アプセットバット変形速度、アプセットバット変位量比および単位発熱量のうち、少なくとも1つ以上を演算して基準値と比較し、接合界面の溶接性を判定するアルミ合金のアプセットバット溶接性判定方法に係る発明とが開示されている。
【0018】
さらに、特許文献3には、直流バット溶接機の相対向する一対の電極の、磨耗による初期電極間隔の変位量と、予め設定した電極交換時期に対応する電極間隔の基準値とを比較して、その変位量が基準値を超えたときに、または超えなかったときに、外部に出力信号を発して電極の交換時期を判定する直流バット溶接機の電極管理システムに係る発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2002−178162号公報
【特許文献2】特開2002−178158号公報
【特許文献3】特開平4−162968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、特許文献1〜3により開示されたいずれの発明に基づいても、アプセットバット溶接の際に不可避的に発生する、例えば、切断端面の幅方向の不均一や突き合わせ面のずれ等に起因した溶接不良の発生を、リアルタイムで検出することは難しい。
【0021】
本発明は、アプセットバット溶接された溶接品の溶接品質の良否を、溶接時にリアルタイムで判定する監視方法および監視装置、ならびにアプセットバット溶接による溶接品の製造方法を提供することを目的とし、例えば、特に自動車用ホイールリム用鋼板のDCバット溶接における溶接品質の良否を溶接時にリアルタイムで判定する監視方法および監視装置、ならびにアプセットバット溶接によるホイールリムの筒状の中間品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、被溶接材の突き合わせ面に溶接電極を介して溶接電流を流して抵抗溶接を行うアプセットバット溶接により溶接される溶接品の溶接品質の監視方法であって、被溶接材への通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の波形を測定し、測定された測定電圧波形と予め設定された前記の期間における溶接電圧の基準電圧波形とを比較することによって溶接品の溶接部の溶接良否を判定することを特徴とするアプセットバット溶接における溶接品質の監視方法である。
【0023】
別の観点からは、本発明は、被溶接材の突き合わせ面に溶接電極を介して溶接電流を流して抵抗溶接を行うアプセットバット溶接により溶接される溶接品の溶接品質の判定装置であって、被溶接材への通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の波形を測定する溶接電圧波形測定手段と、この溶接電圧波形測定手段により測定された測定電圧波形と予め設定された前記の期間における溶接電圧の基準電圧波形とを比較することによって溶接品の溶接部の溶接品質を判定する溶接品質判定手段とを備えることを特徴とするアプセットバット溶接における溶接品質の監視装置である。
【0024】
さらに別の観点からは、本発明は、被溶接材の突き合わせ面に溶接電極を介して溶接電流を流して抵抗溶接を行うアプセットバット溶接により溶接される溶接品の製造方法であって、下記溶接品質判定工程を含むことを特徴とするアプセットバット溶接による溶接品の製造方法である。
【0025】
溶接品質判定工程;被溶接材への通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の波形を測定し、測定された測定電圧波形と予め設定された前記の期間における溶接電圧の基準電圧波形とを比較することによって溶接品における溶接部の溶接良否を判定する工程。
【0026】
これらの本発明では、溶接良否を、通電開始からアプセット開始までの通電初期における溶接電圧の波形、具体的には電圧の上昇とその後の下降とを含む波形であるか否かに基づいて、判定することが望ましい。
【0027】
これらの本発明では、溶接良否は、通電開始から通電完了までの溶接電圧の印加時間に基づいて、判定することが望ましい。
さらに、これらの本発明では、被溶接材が自動車用ホイールのリム用鋼板であること、すなわち溶接品が自動車用ホイールリムの円筒状の中間品であることが望ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、アプセットバット溶接された溶接品の溶接品質の良否を溶接時にリアルタイムで判定すること、例えば、自動車のホイールリム用鋼板のDCバット溶接における溶接品質の良否を溶接時にリアルタイムで判定することが可能になる。このため、本発明によれば、溶接不良品が次工程へ送られる前に、アプセットバット溶接による溶接品における溶接部の溶接良否を判定することが可能になるので、溶接不良品が次工程で送られることを未然に防止しながら、溶接品質が良好な溶接品を量産することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1(a)〜図1(c)は、溶接品に対する3点曲げ試験の要領を経時的に示す説明図である。
【図2】切断面が板幅方向に均一であって、かつ突き合わせ状態が良好である条件で溶接を行った場合における溶接中の電流、加圧力、電極移動量および電圧を測定した結果の一例を示すグラフである。
【図3】鋼板同士の突き合わせ状態は良好であるものの、せん断面積比が幅方向に不均一である鋼板を用いて溶接を行った場合における、溶接中の電流、加圧力、電極移動量および電圧を測定した結果の一例を示すグラフである。
【図4】鋼板突き合わせ状態が不良である条件で溶接を行った場合における、溶接中の電流、加圧力、電極移動量および電圧を測定した結果の一例を示すグラフである。
【図5】図5(a)は通電時間と電圧との関係を示すグラフであり、図5(b)は図5(a)における通電時間:0.56〜0.66秒の区間を拡大するとともに溶接割れとの関係を説明するためのグラフである。
【図6】図6(a)は、本発明に係る監視装置の構成を模式的に示す説明図であり、図6(b)は、この監視装置による溶接品質の良否を判定する要領を説明するためのグラフである。
【図7】図7(a)〜図7(f)は、定寸に切断された後にコイリング装置により円筒状に形成されたリム用鋼板の両端部をDCバット溶接する工程を、経時的かつ概念的に示す説明図である。
【図8】図8(a)は鋼板の切断端面を模式的に示す説明図であり、図8(b)は切断端面の品質が板幅方向に均一である場合における鋼板の切断端面を示す説明図であり、図8(c)は切断端面の品質が板幅方向に均一である場合における鋼板の切断端面を示す説明図であり、図8(d)は鋼板同士の突き合わせが適正な場合における鋼板の突き合わせ状況を示す説明図であり、さらに、図8(e)は鋼板同士の突き合わせにずれがある場合における鋼板の突き合わせ状況を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
はじめに、本発明の原理を説明する。
本発明者らは、図7(a)〜図7(f)により示すDCバット溶接において鋼板1の両端部2a、2bの切断端面の形状を種々変更した溶接基礎試験を行い、溶接時の溶接電流、加圧力、電極移動量および溶接電圧を測定するとともに、得られた溶接品を用いて3点曲げ試験を行うことによって溶接品質への影響を調査した。以下、この基礎試験の結果を説明する。なお、この溶接は、溶接電流および加圧力をそれぞれ所定値に設定し、電極移動量が所定値となった時点で通電を停止することにより、行った。
【0031】
図1(a)〜図1(c)は、溶接品に対する3点曲げ試験の要領を経時的に示す説明図である。
図1(a)に示すように、この3点曲げ試験は、二枚の鋼板30、31を接合するDCバット溶接部32を有する溶接品33を、支持台34の二つの支点35、36のセンタにDCバット溶接部32が位置するようにして、支持台34により支持し、図1(b)に示すように、ポンチ37の頭部がDCバット溶接部32に当たるようにしてポンチ37を矢印で示すように下降させることによって、図1(c)に示すように、溶接品33を屈曲させて、DCバット溶接部32の溶接割れの有無とその程度を評価した。
【0032】
最初に、切断面が板幅方向に均一であって、かつ、突き合わせ面の平行度が良好で突き合わせ面のずれがない条件、すなわち突き合わせ状態が良好である条件で溶接を行った場合の試験結果を説明する。
【0033】
図2は、切断面が板幅方向に均一であって、かつ突き合わせ状態が良好である条件で溶接を行った場合における溶接中の電流、加圧力、電極移動量および電圧を測定した結果の一例を示すグラフである。
【0034】
この溶接試験では、通電の開始とともに、突き合わせ面が比較的均一に発熱されることが観察された。また、図1により示す3点曲げ試験においてもDCバット溶接部32の溶接割れは発生せず良好であった。
【0035】
図2のグラフから理解されるように、溶接割れが発生しない場合には、通電により鋼板の温度が上昇し、鋼板の固有抵抗が増加するために時間の経過とともに電圧は徐々に上昇し、次いで通電により鋼板が軟化して加圧により電極の移動が開始すると、電極間の距離が短くなるために電圧が低下するという挙動を示す。
【0036】
次に、切断面が板幅方向に不均一の条件、すなわち、せん断面積と破断面積との比(以下、「せん断面積比」という)が幅方向に一定でない条件で溶接を行った場合の試験結果を説明する。
【0037】
図3は、鋼板同士の突き合わせ状態は良好であるものの、せん断面積比が幅方向に不均一である鋼板を用いて溶接を行った場合における、溶接中の電流、加圧力、電極移動量および電圧を測定した結果の一例を示すグラフである。
【0038】
この溶接試験では、通電初期に部分的な接触部に電流が集中して板幅方向に発熱の不均一が発生し、この不均一が通電終了まで残存する結果、板幅方向で発熱不足となる部分と発熱過多となる部分とが生じることが観察された。また、図1により示す3点曲げ試験では、DCバット溶接部32における発熱過多の部分で溶接割れが発生した。
【0039】
図3のグラフから理解されるように、溶接割れの原因となる切断面の幅方向不均一が存在する場合には、図3のグラフに示すように、通電初期において局部的な電流集中に伴う電圧の上昇とその後の接触の拡大に伴う電圧の下降を示す電圧波形が観察されることが判明した。
【0040】
また、この場合、突き合わせ面の接触面積が小さく、軟化が加速されるため、良好な条件での溶接に比較すると、軟化に伴う電極が所定の電極移動距離だけ移動する時間が短くなり、通電時間(電圧印加時間)が短めとなる電圧波形が観測されることも判明した。
【0041】
次に、突き合わせ面の平行度が不芳であるために突き合わせ面にずれが発生する条件、すなわち突き合わせ状態が不良である条件で溶接を行った場合の試験結果を説明する
図4は、鋼板突き合わせ状態が不良である条件で溶接を行った場合における、溶接中の電流、加圧力、電極移動量および電圧を測定した結果の一例を示すグラフである。
【0042】
この溶接試験においても、板幅方向に発熱の不均一が発生し、板幅方向で発熱不足となる部分と発熱過多となる部分とが生じ、溶接品質が幅方向に不均一となることが観察された。また、図1により示す3点曲げ試験では、DCバット溶接部32の溶接割れが発生した。
【0043】
溶接割れの原因となる突き合わせ状態が不良である場合には、図4のグラフに示すように、通電初期において局部的な電流集中に伴う電圧の上昇とその後の通電面積の拡大に伴う電圧の下降を示す電圧波形が観察されることが判明した。
【0044】
また、この場合、突き合わせ面の接触面積が小さく、軟化が加速されるため、良好な条件での溶接に比較すると、軟化に伴う電極が所定の電極移動距離だけ移動する時間が短くなり、通電時間(電圧印加時間)が短めとなる電圧波形が観測されることも判明した。
【0045】
また、シャークリアランスが過小となり、切断端面の直角度が極めて高くなった場合には、突き合わせ面の接触抵抗が低くなるため、発熱が不足し、溶接割れを引き起こすおそれがあることが判明した。
【0046】
図5(a)は通電時間と電圧との関係を示すグラフであり、図5(b)は図5(a)における通電時間:0.56〜0.66秒の区間を拡大するとともに溶接割れとの関係を説明するためのグラフである。
【0047】
シャークリアランスが過小となり、切断端面の直角度が極めて高くなると、突き合わせ面の温度上昇が緩やかになるため、発熱不足により溶接割れが引き起こされるおそれがあることが判った。この場合、突き合わせ面が加圧により変形し難くなり、電極が所定の電極移動距離だけ移動する時間が増加する。このため、図5(b)のグラフに示すように、通電時間(電圧印加時間)が溶接割れを生じない適正な通電時間よりも長くなる電圧波形が観測されることが判明した。
【0048】
また、シャークリアランスが過大になり切断端面のだれが大きくなった場合、突き合わせ面の接触抵抗が高くなり、発熱過多により溶接割れが引き起こされることが判った。この場合、突き合わせ面の温度上昇が急速になるため、突き合わせ面が変形しやすく、電極が所定の電極移動距離だけ移動する時間が短くなる。このため、図5(b)のグラフに示すように、溶接割れがない条件での溶接に比較して、通電時間が溶接割れを生じない適正な通電時間よりも短くなる電圧波形が観測されることが判明した。
【0049】
本発明は、これらの知見に基づくものであり、DCバット溶接において被圧延材に印加される電圧波形が切断端面形状や突き合わせ面のずれに起因する溶接品質との間に高い相関を示すことを利用するものである。
【0050】
次に、本発明に係る監視装置を説明する。なお、以降の説明では、被溶接材が自動車用ホイールリム用鋼板であって、アプセットバット溶接された溶接品が自動車用ホイールリムの円筒状の中間品である場合を例にとる。
【0051】
図6(a)は、本発明に係る監視装置11の構成を模式的に示す説明図である。
図6(a)に示すように、本発明に係る監視装置11は、被溶接材である、定寸に切断された後にコイリング装置により円筒状に形成されたリム用鋼板12の両端部13a、13bの突き合わせ面14に、一対の固定電極15a、15bと、一対の移動電極16a、16bとを介して溶接電流を流すことによって、抵抗溶接を行うアプセットバット溶接により、自動車用ホイールリムの円筒状の中間品17を製造する際に、この中間品17の溶接部17aの溶接良否を判定するための装置である。この監視装置11は、溶接電圧波形測定手段18と溶接品質判定手段19とを備えるので、これらの構成要素を順次説明する。
【0052】
[溶接電圧波形測定手段18]
溶接電圧波形測定手段18は、被溶接材である鋼板12の両端部13a、13bに印加される通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の波形を測定するためのものである。
【0053】
溶接電圧波形測定手段18は、この期間における溶接電圧の波形を測定することができるものであればよく、特定のものには限定されない。この監視装置11では、溶接電圧波形測定手段18として電圧計を用いる。電圧計18は、固定電極15bと移動電極16bとの間の電位を測定することによって鋼板12の両端部13a、13bに印加される溶接電圧を測定するものである。
【0054】
このように、電圧計18は、通電開始から通電終了までの期間における固定電極15bと移動電極16bとの間の電圧波形を測定する。そして、電圧計18は、測定したこの電圧波形を、溶接品質判定手段19へ出力する。
【0055】
溶接電圧波形測定手段18は、以上のように構成される。
[溶接品質判定手段19]
溶接品質判定手段19は、略述すると、鋼板12の両端部13a、13bが溶接された中間品17の溶接部17aにおける溶接品質の良否を判定するためのものである。溶接品質判定手段19としては、パソコン等の周知慣用の記憶演算器を用いることが例示される。
【0056】
溶接品質判定手段19は、予め、(i)鋼板12の鋼種、(ii)鋼板12のサイズ、(iii)溶接条件(溶接電流の設定値、加圧力の設定値、電極移動量の設定値等)毎に、溶接品質が良好である場合に測定された電圧波形に基づいて設定された電圧波形の基準範囲(基準電圧波形)を予め入力されて記憶する。
【0057】
溶接品質判定手段19は、上述した溶接電圧波形測定手段である電圧計18により測定された、通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の測定電圧波形を、予め設定された、通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の基準電圧波形と比較することによって、溶接品17の溶接部17aの溶接品質の良否を判定する。
【0058】
なお、図6(a)における符号22は電源であり、符号23は電流計である。
図6(b)は、この本発明に係る監視装置11による溶接品質の良否を判定する要領を説明するためのグラフである。図6(b)のグラフの横軸は、溶接の経過時間を示し、縦軸は電圧を示す。
【0059】
図6(b)のグラフにおいて実線で囲まれた領域は、予め設定された、通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の基準電圧波形(電圧波形の基準範囲)である。
溶接品質判定手段19は、電圧計18により測定された電圧波形が、この基準範囲内に入るか否かによって、溶接品17の溶接部17aの溶接品質の良否を判定する。すなわち、溶接品質判定手段19は、電圧計18により測定された電圧波形が、この電圧波形の基準範囲の内部に存在する場合(図6(b)において実線で例示する場合)には溶接品質が良好であると判定し、一方この基準範囲から逸脱する場合(図6(b)において破線で例示する場合)には溶接品質が不良であると判定する。そして、溶接品質判定手段19は、溶接品質が不良であると判定した場合には、直ちに外部へ警報等20を出力する。
【0060】
この基準範囲は、例えば、(I)被溶接材である鋼板12と溶接条件をそれぞれ同一の条件として、溶接品質が良好であることが確認されたケースでの溶接中の電圧波形を測定し、その波形の標準偏差σをとり、2σもしくは3σを良品の基準範囲として設定することや、あるいは、(II)様々な切断品質の鋼板を溶接し、溶接割れ発生の有無に基づいて設定することが、例示される。
【0061】
なお、通電開始の近傍と通電終了の近傍とでは、電圧が小さいためにノイズが大きくなって溶接品質の判定精度が低下するので、電圧が例えば0.5V以上となる範囲で評価することが望ましい。
【0062】
溶接品質判定手段19は、以上のように構成される。
次に、この本発明に係る監視装置11を用いて、中間品17の溶接部17aの溶接品質を監視しながらアプセットバット溶接を行い、自動車用のスチールホイールを製造する方法を説明する。
【0063】
[監視装置11による溶接品質判定工程]
図6(a)に示すように、定寸に切断された後にコイリング装置により円筒状に形成されたリム用鋼板12を被溶接材とし、このリム用鋼板12の両端部13a、13bの突き合わせ面14に、一対の固定電極15a、15bと、一対の移動電極16a、16bとを介して溶接電流を流すことによって抵抗溶接を行うアプセットバット溶接により、自動車用ホイールリムの円筒状の中間品17を製造する。
【0064】
なお、上述したように、DCバット溶接は、溶接電流と加圧力をそれぞれ所定値に設定しておき、電極移動量が所定値となった時点で通電を停止する。電流の設定値は、鋼板の突き合わせ面14の電流密度が100〜200A/mの範囲となるように調整することが望ましい。電流値が低すぎると突き合わせ部の発熱が不足し易く、逆に高すぎると発熱過大で突き合わせ部が過大に溶融し、割れや穴あきが発生し易い。
【0065】
また、加圧力の設定値は、鋼板の突き合わせ面14の圧力が、100〜200MPaの範囲となるように調整することが望ましい。加圧力が低すぎると、突き合わせ部の軟化や変形に加圧が追随できず、実質的な圧力が低下し、溶接不良が発生し易い。また、加圧力が高すぎると、突き合わせ部の接触抵抗が低下するため発熱不足により溶接不良が発生し易い。
【0066】
さらに、電極移動量の設定値は、鋼板の両端面の突き合わせが完了し、通電を開始する前の電極位置からの移動距離であり、鋼板の板厚の2〜4倍の範囲で設定することが望ましい。電極移動量の設定量が過小の場合は、突き合わせ面の酸化物などの排除が不十分となり、溶接不良が発生し易い。また、過大の場合は、突き合わせ部が大きく座屈し溶接不良となり易い。
【0067】
本発明に係る監視装置11は、このアプセットバット溶接の際に、溶接電圧波形測定手段18によって、鋼板12の両端部13a、13bへの通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の波形を測定する。
【0068】
そして、監視装置11は、溶接品質判定手段19によって、上述したように、溶接電圧波形測定手段18により測定された測定電圧波形を、予め設定された前記の期間における溶接電圧の基準電圧波形と比較することによって中間品17の溶接部17aの溶接良否を判定する。
【0069】
そして、監視装置11の溶接品質判定手段19は、測定電圧波形が例えば図6(b)において破線で例示するように基準範囲から逸脱する場合には、溶接品質が不良であると判定し、直ちに外部へ警報等20を出力する。
【0070】
このようにして、本発明に係る監視装置11によれば、例えば、鋼板12の両端部13a、13bの突き合わせのズレの発生や、鋼板12の両端部13a、13bの切断端面の不均一の発生等といった、適正な溶接条件から逸脱した溶接条件による溶接不良の発生を、溶接時にリアルタイムで監視し、溶接品質が不良であると判定した場合には直ちに外部へ警報等を出力することにより、不良品が次工程へ流出することを防止してアプセットバット溶接における不良率の大幅な低減を図りながら、良好な溶接品質の溶接部17aを有する中間品17を量産することが可能になる。
【0071】
[中間品17の機械加工およびスチールホイールの組み立て工程]
本発明では、以上説明したように、本発明に係る監視装置11による溶接品質判定工程を経てアプセットバット溶接された円筒状の中間品17に対して、溶接部17aの表面に発生した余盛21をトリミング装置によりトリミングし、次いで、溶接部17aの両端のエッジを削除し、ロールフォーミングによりリム形状に成型する機械加工を行って、ホイールリムとする。
【0072】
この機械加工を行った後に、このホイールリムの内部に、別途成型加工したディスクを圧入してからディスクとリムとをアーク溶接により接合し、さらに塗装することによって、自動車用スチールホイールが製造される。
【0073】
なお、以上の説明では、アプセットバット溶接された溶接品が自動車用ホイールリムの円筒状の中間品である場合を例にとったが、本発明はこれに限定されるものではなく、この中間品以外のアプセットバット溶接される溶接品にも等しく適用可能である。
【実施例1】
【0074】
本発明を、実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
図6(a)に示すようにして、780MPa級熱延鋼板を切断して、板厚2.2mm、板幅202mm、長さ400mmの鋼板12を製作した。熱延鋼板の切断の際には、クリアランスを0.05mm〜0.4mmの範囲で変更するとともに、シャー刃の損傷状態が異なる2種類の刃を用いることによって、鋼板12の切断端面の品質を変更した。
【0075】
この鋼板12を用いて、その両端部13a、13bの切断端面同士を突き合わせてDCバット溶接を行った。鋼板12のDCバット溶接の際には、切断端面同士の突き合わせズレを、0mm〜1.0mmの範囲で変更した。表1に溶接条件を示す。
【0076】
【表1】

【0077】
このDCバット溶接の際に、図6(a)に示す監視装置(モニタ装置)11を用いて、電圧波形測定手段18によって、溶接中の固定電極15bおよび移動電極16b間の電圧波形間の電圧波形を測定し、溶接品質判定手段19によって、電圧波形測定手段18により測定した電圧波形と予め設定した電圧波形の基準範囲と比較し、測定した電圧波形が、この基準範囲内であれば良好と判定するとともにこの基準範囲から逸脱していれば不良と判定した。
【0078】
判定に用いた電圧波形の基準範囲は、この溶接に先立って、鋼板12と同一の鋼板を用い、上記溶接条件でDCバット溶接を行い、溶接割れが発生しない時の電圧波形を20ケース測定し、電圧が0.1V以上となる範囲で、その波形のばらつきの2σの範囲を求め、この範囲として定めた。
【0079】
また、図1に示すようにして、DCバット溶接された中間材17を用いて3点曲げ試験を行い、溶接部17aの割れ発生状況を調査した。表2に3点曲げ試験の条件を示す。
【0080】
【表2】

【0081】
表3に、本発明に係る監視装置(モニタ装置)11による溶接品質の判定結果と、3点曲げによる溶接品質調査結果とを比較して示す。
【0082】
【表3】

【0083】
表3に示すように、番号1、2では、測定した電圧波形は基準範囲内であったために監視装置11による判定結果は良好であった。そして、3点曲げ試験においても溶接部17aの溶接割れは発生しなかった。このため、監視装置11による判定結果が正しいことがわかった。
【0084】
番号3、4では、鋼板12の突き合わせのズレが大きく、通電初期において電圧の上昇およびその後の下降の波形が観測され、さらに電圧が負荷される時間が短くなる現象が認められ、測定した電圧波形が基準範囲から逸脱したために監視装置11による判定結果は不良であった。そして、3点曲げ試験においても溶接部17aの溶接割れが発生した。このため、監視装置11による判定結果が正しいことがわかった。
【0085】
番号5〜8では、シャー刃の欠けにより切断面の品質は幅方向に不均一となり、通電初期での電圧の上昇およびその後の下降の波形が観測され、さらに電圧が負荷される時間が短くなる現象が認められ、測定した電圧波形が基準範囲から逸脱したために監視装置11による判定結果は不良であった。そして、3点曲げ試験においても溶接部17aの溶接割れが発生した。このため、監視装置11による判定結果が正しいことがわかった。
【0086】
番号9では、電圧が負荷される時間が短くなり、測定した電圧波形が基準範囲から逸脱したために監視装置11による判定結果は不良であった。そして、3点曲げ試験においても溶接部17aの溶接割れが発生した。この割れはシャークリアランス過大に伴う発熱過大による影響であると思われる。このため、監視装置11による判定結果が正しいことがわかった。
【0087】
さらに、番号10では、電圧が負荷される時間が長くなり、測定した電圧波形が基準範囲から逸脱したために監視装置11による判定結果は不良であった。そして、3点曲げ試験においても溶接部17aの溶接割れが発生した。この割れはシャークリアランス過小に伴う発熱不足に基づくものと思われる。このため、監視装置11による判定結果が正しいことがわかった。
【0088】
以上説明したように、本発明に係る監視装置11による判定結果は、3点曲げ試験の結果と高い精度で符合していた。このことから、本発明により、DCバット溶接中の電圧波形を測定し、これを電圧波形の基準範囲と比較することによって、切断端面の不良や突き合わせ不良に基づく溶接不良の発生を高い精度で判定できることが、実証された。
【符号の説明】
【0089】
1 鋼板
2a、2b 端部
2a−1、2b−1 端面
3a、3b 固定電極
4a、4b 移動電極
5 電源
6 接合部
7、8、9 鋼板
7a だれ
7b せん断面
7c 破断面
10 突き合わせ面
11 監視装置
12 リム用鋼板
13a、13b 端部
14 突き合わせ面
15a、15b 固定電極
16a、16b 移動電極
17 中間品
17a 溶接部
18 溶接電圧波形測定手段
19 溶接品質判定手段
20 警報等
21 余盛
22 電源
23 電流計
30、31 鋼板
32 DCバット溶接部
33 溶接品
34 支持台
35、36 支点
37 ポンチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被溶接材の突き合わせ面に溶接電極を介して溶接電流を流して抵抗溶接を行うアプセットバット溶接により溶接される溶接品の溶接品質の監視方法であって、前記被溶接材への通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の波形を測定し、測定された測定電圧波形と予め設定された前記期間における溶接電圧の基準電圧波形とを比較することによって前記溶接品の溶接部の溶接良否を判定することを特徴とするアプセットバット溶接における溶接品質の監視方法。
【請求項2】
前記溶接良否を、通電開始からアプセット開始までの通電初期における溶接電圧の波形に基づいて、判定する請求項1に記載されたアプセットバット溶接における溶接品質の監視方法。
【請求項3】
前記波形は、電圧の上昇とその後の下降とを含む波形である請求項2に記載された溶接品質の監視方法。
【請求項4】
前記溶接良否を、通電開始から通電完了までの溶接電圧の印加時間に基づいて、判定する請求項1に記載されたアプセットバット溶接における溶接品質の監視方法。
【請求項5】
前記被溶接材は、自動車用ホイールのリム用鋼板である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のアプセットバット溶接における溶接品質の監視方法。
【請求項6】
被溶接材の突き合わせ面に溶接電極を介して溶接電流を流して抵抗溶接を行うアプセットバット溶接により溶接される溶接品の溶接品質の判定装置であって、前記被溶接材への通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の波形を測定する溶接電圧波形測定手段と、該溶接電圧波形測定手段にて測定された測定電圧波形と予め設定された前記期間における溶接電圧の基準電圧波形とを比較することによって前記溶接品の溶接部の溶接品質を判定する溶接品質判定手段とを備えることを特徴とするアプセットバット溶接における溶接品質の監視装置。
【請求項7】
被溶接材の突き合わせ面に溶接電極を介して溶接電流を流して抵抗溶接を行うアプセットバット溶接により溶接される溶接品の製造方法であって、下記溶接品質判定工程を含むことを特徴とするアプセットバット溶接による溶接品の製造方法。
溶接品質判定工程;前記被溶接材への通電開始から通電終了までの期間における溶接電圧の波形を測定し、測定された測定電圧波形と予め設定された前記期間における溶接電圧の基準電圧波形とを比較することによって前記溶接品の溶接部の溶接良否を判定する工程。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−11253(P2011−11253A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160002(P2009−160002)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【出願人】(000163763)リンテックス株式会社 (11)