アポトーシスを観察するための方法と材料
本発明は、アポトーシスの間に生成されるタンパク質断片を観察して哺乳類細胞のこの過程を観察するための方法及び材料を提供する。本発明の実施態様を用いて、例えば、アポトーシスを観察してアポトーシス誘導薬剤に対する哺乳類の癌細胞の感受性を調べてもよい。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類細胞のアポトーシスを検出する方法であって、
(a) アポトーシスの間に生成されるタンパク質断片に結合する抗体に細胞を接触させる工程、このとき該抗体がAP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片に結合するものであり、
(b) アポトーシスの間に生成されるタンパク質断片に結合する抗体の量を決定する工程、そして、
(c) 工程(b)において結合した抗体の量を、アポトーシスのない哺乳類細胞においてタンパク質断片に結合する抗体の量と比較する工程を含み、このとき工程(B)の量がアポトーシスのない細胞の量よりも大きい場合に、アポトーシスが検出される方法。
【請求項2】
前記細胞のアポトーシスがデスレセプター4(配列番号:5)、デスレセプター5(配列番号:6)又はFas(配列番号:8)によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞のアポトーシスが、Apo2L/TRAIL(配列番号:7)、FasL(配列番号:9)、Fasアゴニスト抗体、DR4アゴニスト抗体又はDR5アゴニスト抗体に細胞を接触させることによって引き起こされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
Apo2L/TRAIL(配列番号:7)、FasL(配列番号:9)、Fasアゴニスト抗体、DR4アゴニスト抗体又はDR5アゴニスト抗体の投与を含む療法の有効性に関する情報を得るためにアポトーシスの検出を使用する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
抗体がAP2-α(配列番号:1)のタンパク質断片に結合し、抗体が結合したAP2αのタンパク質断片が64kDa又は33kDaである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
体が結合したタンパク質断片が配列番号:1のDVFD又は配列番号:1のGPAAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞が、ヒトの大腸、結腸直腸、肺、胸部、前立腺、膀胱、腎臓、卵巣、脳、メラノーマ、白血病又は骨髄腫の癌細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片が、イムノブロッティング、酵素結合免疫吸着アッセイ又は免疫組織化学を用いて観察される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
哺乳類の細胞における少なくとも一つのmRNAの発現を調べることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
哺乳類細胞を一又は複数の試験薬剤にさらした後に、該細胞を抗体と接触させて、哺乳類細胞におけるアポトーシスの検出によって、該一又は複数の試験薬剤を哺乳類細胞におけるアポトーシスのインデューサとして同定されるようにすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ヒト癌細胞のアポトーシスを誘導する治療薬に応答する可能性がある、又は応答するヒト癌細胞を同定するための方法であって、
ヒト癌細胞を治療薬にさらす工程、
AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片の存在について、治療薬にさらされたヒト癌細胞を調べる工程、
ヒト癌細胞のタンパク質断片の量をリガンドにさらされていないコントロールのヒト癌細胞のタンパク質断片の量と比較する工程を含み、
このとき、
治療薬にさらされたヒト癌細胞に存在するタンパク質断片の量が治療薬にさらされていないコントロールのヒト癌細胞のタンパク質断片の量より大きい場合に、アポトーシスが観察され、ヒト癌細胞のアポトーシスの観察によってヒト癌細胞を該治療薬に応答する可能性があるか、又は応答するものと識別する方法。
【請求項12】
前記治療薬がデスレセプター4(配列番号:5)、デスレセプター5(配列番号:6)又はFas(配列番号:8)のシグナル伝達を誘導する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片がイムノブロッティング、酵素結合免疫吸着アッセイ又は免疫組織化学を用いて観察される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ヒト癌細胞において少なくとも1つのmRNAの発現を調べることをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ヒト癌細胞において少なくとも2つの異なるmRNAの発現を調べることをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ヒト癌細胞が、大腸、結腸直腸、肺、胸部、前立腺、膀胱、腎臓、卵巣、脳、メラノーマ、白血病又は骨髄腫の癌細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
ヒト癌細胞のアポトーシスがApo2L/TRAIL(配列番号:7)、FasL(配列番号:9)、Fasアゴニスト抗体、DR4アゴニスト抗体又はDR5アゴニスト抗体に細胞を接触させることによって引き起こされる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
ヒト癌細胞が、生検から得られ、1か月未満の間インビトロ培養において成長させたものである、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
タンパク質断片が配列番号:1のDVFD又は配列番号:1のGPAAを含むAP2-αのタンパク質断片である、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
哺乳類細胞におけるアポトーシスを観察するためのキットであって、
a) AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片を結合する一次抗体と、
b) AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片を結合する二次抗体と、このとき、一次及び二次抗体は同じタンパク質を結合しないものであり、
c) (a)及び(b)のための容器と、
d) キットの抗体を哺乳類細胞のアポトーシスを観察するために用いるための指示書
とを具備するキット。
【請求項1】
哺乳類細胞のアポトーシスを検出する方法であって、
(a) アポトーシスの間に生成されるタンパク質断片に結合する抗体に細胞を接触させる工程、このとき該抗体がAP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片に結合するものであり、
(b) アポトーシスの間に生成されるタンパク質断片に結合する抗体の量を決定する工程、そして、
(c) 工程(b)において結合した抗体の量を、アポトーシスのない哺乳類細胞においてタンパク質断片に結合する抗体の量と比較する工程を含み、このとき工程(B)の量がアポトーシスのない細胞の量よりも大きい場合に、アポトーシスが検出される方法。
【請求項2】
前記細胞のアポトーシスがデスレセプター4(配列番号:5)、デスレセプター5(配列番号:6)又はFas(配列番号:8)によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞のアポトーシスが、Apo2L/TRAIL(配列番号:7)、FasL(配列番号:9)、Fasアゴニスト抗体、DR4アゴニスト抗体又はDR5アゴニスト抗体に細胞を接触させることによって引き起こされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
Apo2L/TRAIL(配列番号:7)、FasL(配列番号:9)、Fasアゴニスト抗体、DR4アゴニスト抗体又はDR5アゴニスト抗体の投与を含む療法の有効性に関する情報を得るためにアポトーシスの検出を使用する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
抗体がAP2-α(配列番号:1)のタンパク質断片に結合し、抗体が結合したAP2αのタンパク質断片が64kDa又は33kDaである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
体が結合したタンパク質断片が配列番号:1のDVFD又は配列番号:1のGPAAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞が、ヒトの大腸、結腸直腸、肺、胸部、前立腺、膀胱、腎臓、卵巣、脳、メラノーマ、白血病又は骨髄腫の癌細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片が、イムノブロッティング、酵素結合免疫吸着アッセイ又は免疫組織化学を用いて観察される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
哺乳類の細胞における少なくとも一つのmRNAの発現を調べることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
哺乳類細胞を一又は複数の試験薬剤にさらした後に、該細胞を抗体と接触させて、哺乳類細胞におけるアポトーシスの検出によって、該一又は複数の試験薬剤を哺乳類細胞におけるアポトーシスのインデューサとして同定されるようにすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ヒト癌細胞のアポトーシスを誘導する治療薬に応答する可能性がある、又は応答するヒト癌細胞を同定するための方法であって、
ヒト癌細胞を治療薬にさらす工程、
AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片の存在について、治療薬にさらされたヒト癌細胞を調べる工程、
ヒト癌細胞のタンパク質断片の量をリガンドにさらされていないコントロールのヒト癌細胞のタンパク質断片の量と比較する工程を含み、
このとき、
治療薬にさらされたヒト癌細胞に存在するタンパク質断片の量が治療薬にさらされていないコントロールのヒト癌細胞のタンパク質断片の量より大きい場合に、アポトーシスが観察され、ヒト癌細胞のアポトーシスの観察によってヒト癌細胞を該治療薬に応答する可能性があるか、又は応答するものと識別する方法。
【請求項12】
前記治療薬がデスレセプター4(配列番号:5)、デスレセプター5(配列番号:6)又はFas(配列番号:8)のシグナル伝達を誘導する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片がイムノブロッティング、酵素結合免疫吸着アッセイ又は免疫組織化学を用いて観察される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ヒト癌細胞において少なくとも1つのmRNAの発現を調べることをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ヒト癌細胞において少なくとも2つの異なるmRNAの発現を調べることをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ヒト癌細胞が、大腸、結腸直腸、肺、胸部、前立腺、膀胱、腎臓、卵巣、脳、メラノーマ、白血病又は骨髄腫の癌細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
ヒト癌細胞のアポトーシスがApo2L/TRAIL(配列番号:7)、FasL(配列番号:9)、Fasアゴニスト抗体、DR4アゴニスト抗体又はDR5アゴニスト抗体に細胞を接触させることによって引き起こされる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
ヒト癌細胞が、生検から得られ、1か月未満の間インビトロ培養において成長させたものである、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
タンパク質断片が配列番号:1のDVFD又は配列番号:1のGPAAを含むAP2-αのタンパク質断片である、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
哺乳類細胞におけるアポトーシスを観察するためのキットであって、
a) AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片を結合する一次抗体と、
b) AP2-α(配列番号:1)、クラスリン重鎖(配列番号:2)、AP1/2β(配列番号:3)又はダイナミン(配列番号:4)のタンパク質断片を結合する二次抗体と、このとき、一次及び二次抗体は同じタンパク質を結合しないものであり、
c) (a)及び(b)のための容器と、
d) キットの抗体を哺乳類細胞のアポトーシスを観察するために用いるための指示書
とを具備するキット。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−541741(P2009−541741A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516559(P2009−516559)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/014382
【国際公開番号】WO2007/149486
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/014382
【国際公開番号】WO2007/149486
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】
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