説明

アミノアルコールおよび水系システム用の殺生剤組成物

殺生物組成物ならびにその水性媒体(例えば金属作動流体)における用途であり、該組成物は、殺生物剤;ならびに式(I):


(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は本明細書で定義する通りである)の非殺生物性1級アミノアルコール化合物;を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行出願の相互参照
本件は、米国仮出願第61/053,408号(2008年5月15日出願)および米国仮出願第61/073,894号(2008年6月19日出願)の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、水系システム,例えば金属作動流体において使用するための殺生物組成物、使用方法、および新規なアミノアルコール化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
短鎖アミノアルコールは、その腐食防止、中和ならびにpHの調整およびメンテナンスの特性によって、広範な用途で商業的に使用されている。1つのこのような用途は金属作動流体におけるものである。
【0004】
金属作動流体(「MWF」)は、製造業を通じて、金属切断、グラインド、ボーリング、掘削、および回転等の操作中のその冷却剤、潤滑剤、および耐食特性のために使用される。これらの流体は、油、洗剤、界面活性剤、潤滑剤、腐食防止剤、水および他の含有成分の混合物で形成されており、そして通常、MWF中の酸官能成分を中和するためのアルカリpHを維持するためにアミノアルコールを含有する。
【0005】
水混和性MWFを製造および使用する会社は、作業および廃棄物処理のコスト、更に製造時間の損失を最低限にするために、これらが長時間持続することを求めている。アミノアルコールを腐食防止剤として含有する水混和性MWFは、微生物分解等のプロセスによって経時的に分解する。微生物の生育は、しばしば流体性能に直接関係する。微生物は流体中の活性含有成分を餌とするからである。
【0006】
微生物の生育を後押しせず、長時間の期間に亘り性能を維持するアミノアルコール成分に対する工業的な要求が存在する。殺生物剤自体ではないが、水系MWF中で使用される広範囲の殺生剤の性能を向上させるアミノアルコールに対する要求もまた存在する。2級アミンは一般的に使用されるが、上記の目的を満たす1級アミンは、世界の特定の地域における2級アミン使用の規制制限により望ましい。
【0007】
本発明は上記の要求に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の簡単な要約
一側面において、本発明は、殺生物組成物を提供する。該組成物は、殺生物剤および非殺生物性の1級アミノアルコール化合物を含み、該1級アミノアルコール化合物は、式(I):
【化1】

(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は以下に定義する通りである)
のものである。
【0009】
別の側面において、本発明は、本明細書に開示する殺生物組成物を含む水系システム(すなわち、微生物の生育を後押しするのに十分な水を含有するシステム),例えば金属作動流体を提供する。
【0010】
別の側面において、本発明は、水系システムにおける微生物の生育を阻害する方法であって、該システムに本明細書に記載する組成物の有効量を添加することを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、バクテリアに対する殺生剤なしでの本発明のアミノアルコールの効果を示すグラフである。
【図2】図2は、菌類に対する殺生剤なしでの本発明のアミノアルコールの効果を示すグラフである。
【図3】図3は、比較および本発明のアミノアルコールおよびトリアジン殺生剤を含有する金属作動流体についてのバクテリアの生育データを示すグラフである。
【図4】図4は、比較および本発明のアミノアルコールおよびトリアジン殺生剤を含有する金属作動流体についての菌類の生育データを示すグラフである。
【図5】図5は、比較および本発明のアミノアルコールおよびベンズイソチアゾリノン殺生剤を含有する金属作動流体についてのバクテリアの生育データを示すグラフである。
【図6】図6は、比較および本発明のアミノアルコールおよびベンズイソチアゾリノン殺生剤を含有する金属作動流体についての菌類の生育データを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、殺生剤および以下に定義する式(I)のアミノアルコールを含む殺生物組成物、ならびに水系システムにおける微生物の生育の阻害のためのその使用を提供する。本発明者らは、少なくとも5個の炭素原子を含有する式(I)の1級アミノアルコールが、自身は殺生物性ではないが、驚くべきことに、種々の媒体中で使用される殺生剤の性能を向上させることを見出した。結果として、本発明は、種々の用途における殺生剤の使用の低減、これによる材料、輸送および貯蔵のコストの低減を可能にする。
【0013】
殺生物剤(biocidal agent)(本明細書で「殺生剤(biocide)」または「防腐剤(preservative)」ともいう)は、微生物,例えばバクテリア、かび、スライム、菌類、藻類等を殺すか生育を阻害する任意の物質であり、ホルムアルデヒド系および非ホルムアルデヒド系の殺生物剤が挙げられる。好適な剤の具体的な非限定の例としては:テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルフェート(THPS),例えばAQUCAR THPS 75(The Dow Chemical Companyより)、トリアジン,例えば1,3,5−トリス−(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジンおよびトリメチル−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリエタノール、例はGROTAN(Troy Corporationより)、ヨードプロピニルブチルカルバメート,例えばPOLYPHASE(Troy Corporationより提供)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン,例えばBIOBAN BIT(The Dow Chemical Companyより販売)、4,4−ジメチルオキサゾリジン、例はBIOBAN CS− 1135(The Dow Chemical Companyより)、7−エチルビシクロオキサゾリジン(BIOBAN CS−1246としてThe Dow Chemical Co.から販売)、4−(2−ニトロブチル)−モルホリンと4,4’−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)ジモルホリンとの組合せ(BIOBAN P−1487としてThe Dow Chemical Co.より)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組合せ,例えばKATHON銘柄(Rohm & Haas Corporationより提供)、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、オクチルイソチアゾリノン、ジクロロ−オクチルイソチアゾリノン、ジブロモ−オクチルイソチアゾリノン、フェノール物,例えばo−フェニルフェノールおよびp−クロロ−m−クレゾールならびにその対応するナトリウムおよび/またはカリウム塩、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオン、n−ブチルベンズイソチアゾリノン、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、クロロタロニル、カルベンダジム、ジヨードメチルトリルスルホン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、グルタルアルデヒド、N,N’−メチレン−ビス−モルホリン、エチレンジオキシメタノール(例えばTroyshield B7)、フェノキシエタノール(例えばComtram 121)、テトラメチロールアセチレンジウレア(例えばProtectol TD)、ジチオカルバメート、2,6−ジメチル−m−ジオキサン−4−オールアセテート(例えばBioban DXN)、ジメチロール−ジメチル−ヒダントイン、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、二環式オキサゾリジン(例えばNuospet 95)、ならびにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。本発明において、非ホルムアルデヒド剤は、先進国における産業上の選好性により、好ましい。しかし、本発明の利点の1つは、広範囲の殺生剤に適用可能であることである。
【0014】
特に好ましい殺生剤は、トリアジン、置換オキサゾリジン、ベンズイソチアゾリノン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ナトリウムピリチオン、オクチルイソチアゾリノン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組合せ、フェノール物、グルタルアルデヒド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、N,N’−メチレン−ビス−モルホリン、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルフェート(THPS),例えばAQUCAR THPS 75(The Dow Chemical Companyより)、ならびにこれらの2種以上の混合物である。
【0015】
1級アミノアルコール化合物は、式(I):
【0016】
【化2】

【0017】
(式中、
1およびR3は、各々独立にH、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、もしくはアリール(好ましくはフェニル)であり、またはR1、R3およびこれらが付いている炭素がシクロアルキル環を形成し;
2およびR4は、各々独立にH、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アリール−アルキルであり、またはR2、R4およびこれらが付いている炭素がシクロアルキル環を形成し、但しR2およびR4が共に3個以上の炭素原子を含有することを条件とし;そして
5は、不存在またはC1〜C10脂肪族アルキレン(架橋アルキル)、アリーレン(好ましくはフェニル)、−アリーレン−アルキレン−、または−アルキレン−アリーレン−(例えば、ベンジル、フェネチル等)であり;
ここでアルキル、シクロアルキル、アルキレン、アリール、およびアリーレンは任意にアルキルまたはフェニルで置換されている。)
のものである。式(I)の化合物は、少なくとも5個の炭素原子を含有する。幾つかの態様において、化合物は、少なくとも6個の炭素原子を含有する。更に好ましい態様において、化合物は13個以下の炭素原子を含有する。アミノアルコールは、式(I)の2種以上の化合物の混合物の形であることができる。
【0018】
式Iの好ましいアミノアルコールとしては、式(II):
【0019】
【化3】

【0020】
(式中、R2およびR4は、各々独立にH,直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アリール−アルキルであり、またはR2、R4およびこれらが付いている炭素がシクロアルキル環を形成し、そしてR2およびR4が共に全部で少なくとも3個の炭素原子を含有する。)
の化合物が挙げられる。
【0021】
式(II)の好ましいアミノアルコールとしては、式(II−1)の化合物が挙げられ、これらは、式(II)の化合物であってR2およびR4が共に全部で11個以下の炭素原子を含有するものである。
【0022】
式(II)および式(II−1)の好ましいアミノフェノールとしては、式(II−2)の化合物であって、式(II)または(II−1)(式中、R2およびR4が各々独立に直鎖アルキルである)の化合物であるものが挙げられる。
【0023】
式(II)および式(II−1)の好ましいアミノフェノールとしては、式(II−3)の化合物も挙げられ、これらは、式(II)または(II−1)の化合物であってR2およびR4の一方がH、他方が直鎖アルキルであるものである。
【0024】
式(II)および式(II−1)の好ましいアミノアルコールとしては、式(II−4)の化合物が挙げられ、これらは、式(II)または(II−1)の化合物であってR2およびR4ならびにこれらが付いている炭素が共にシクロアルキル環を形成するものである。
【0025】
式(II)および式(II−1)の好ましいアミノアルコールとしては、式(II−5)の化合物が挙げられ、これらは、式(II)または(II−1)の化合物であってR2およびR4の一方がCH3、そして他方がアリール,好ましくはフェニルであるものである。
【0026】
本発明において使用するために好ましい1級アミノアルコールとしては、これらに限定するものではないが:2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−エチル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−メチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−メチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−エチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−メチル−1−デカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−プロピル−1−オクタノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−デカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ブチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−デカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−オクタノール、(1−アミノシクロペンチル)メタノール、(1−アミノシクロヘキシル)メタノール、(1−アミノシクロヘプチル)メタノール、(1−アミノシクロオクチル)メタノール、(1−アミノシクロノニル)メタノール、(1−アミノシクロデシル)メタノール、(1−アミノシクロウンデシル)メタノール、(1−アミノシクロドデシル)メタノール、2−アミノ−2−フェニル−1−エタノール、2−アミノ−2−フェニル−1−プロパノール、2−アミノ−2−フェニル−1−ブタノール、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
特に好ましいアミノアルコールとしては:2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−エチル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−メチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサノール、(1−アミノシクロヘキシル)メタノール、(1−アミノシクロオクチル)メタノール、2−アミノ−2−フェニル−1−プロパノール、(1−アミノシクロペンチル)メタノール、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
アミノアルコールは、酸塩の形で使用できる。好適な塩としては、これらに限定するものではないが、ホウ酸、乳酸、ペラルゴン酸、ノナン酸、ネオデカン酸、セバシン酸、アゼライン酸、クエン酸、安息香酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、トール油脂肪酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等の物質が挙げられる。
【0029】
殺生物組成物は、追加の添加剤を含むことができ、例えば、他の腐食防止剤,例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−アミノ−1−エタノール(MEA)、1−アミノ−2−プロパノール(MIPA)、ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン(DIPA)、トリス(2−ヒドロキシプロピル)アミン(TIPA)、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン(DEA)、トリス(2−ヒドロキシエチル)アミン(TEA)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(DGA)、3−アミノ−4−オクタノール、またはこれらの混合物が挙げられる。これらの追加の添加剤のうち、より好ましくないものは、2級アミンである。これらは世界の様々な地域でより重度に規制されているからである。
【0030】
上記の通り、アミノアルコールは殺生物性ではない。すなわち、これらは顕著には殺生物生育阻害をしない。すなわち、典型的な使用レベル(例えば、希釈されたMWF中4000ppm以下)で、これらの物質は、この目的で意図される認められた殺生物剤の程度には微生物の生育を阻害しない。
【0031】
アミノアルコール化合物は、当業者によって当該分野で周知の技術を用いて容易に調製できる。例えば、このような化合物は、ニトロアルカンと脂肪族または芳香族のアルデヒドまたはケトン、またはより好ましくはホルムアルデヒドとの反応、続いて接触水素化によって調製できる。
【0032】
本発明の組成物は、アミノアルコール化合物および殺生剤を種々の質量比で含有し、これは例えば使用される特定の殺生剤、および特定の水性媒体に左右される。比は、当業者によって容易に決定できる。一般例として、アミノアルコールの殺生剤に対する質量比は、一般的には約0.25:1以上であり、好ましくは約500:1以下である。更に好ましい量は以下に説明する。
【0033】
上記のように、本発明の殺生剤を含有する組成物は、水系システムにおける微生物の生育を阻害するのに有用である。本発明の組成物が特に好適である好ましいシステムは、金属作動流体(MWF)である。組成物は、全ての種類のMWF,例えば可溶性油、合成、半合成、非合成のエマルション形成性、および非エマルション形成性の流体とともに使用できる。典型的には、MWFは、濃縮された形で調製し、そして使用前に水で希釈する。本発明は、殺生物組成物を含有する金属作動流体濃縮物、その希釈された金属作動流体、水で予め希釈された金属作動流体濃縮物、更に非濃縮物金属作動流体(これに殺生物組成物を添加する)を網羅する。典型的には、1質量部のMWF濃縮物を、約10〜約100部の水、より好ましくは10〜50部の水、および最も好ましくは15〜30部の水で希釈する。
【0034】
本発明の殺生物組成物を含有する金属作動流体および濃縮物は、炭化水素油を含有でき、これは合成または非合成であることができる。一般的に使用される合成および非合成の油の例としては、例えば、鉱物油、植物油、動物由来油、および合成ポリマー/コポリマーが挙げられる。このような油の具体例としては、限定しないが、重度に水素化されたナフテン油およびパラフィン油、大豆油、およびポリグリコールブロックコポリマーが挙げられる。
【0035】
金属作動流体(合成または非合成のいずれも)に含まれることができる当該分野で周知の任意の他の添加剤としては、例えば、着色剤;粘度改変剤;乳化剤(合成MWFには、これらが非エマルション系であるため一般的には必要でない);バッファー;可溶化剤;酸化防止剤;消泡剤;界面活性剤および防曇剤ならびに極圧添加剤が挙げられる。金属作動流体は、通常、腐食防止用の剤,例えば有機酸のアルカリおよびアミノアルコール塩(本発明の組成物に加えて)、スルホネート、アミン、アミドおよび有機ボレート化合物を含有する。
【0036】
より具体的な例として、エマルション形成性金属作動流体濃縮物(一般的に、可溶性油および半合成物として知られている)は、典型的には、以下の種類の成分を含有する:低粘度炭化水素油ならびに合成潤滑剤,例えばポリアルキレングリコール;乳化剤,例えば低分子量の石油スルホン酸ナトリウム、アルカノールアミド、アミン−脂肪酸塩ならびに非イオン性界面活性剤,例えばノニルフェノールエトキシレート;腐食防止剤;例えば中−高分子量の石油スルホン酸ナトリウム、アルカノールアミド、ならびに種々の有機酸および無機酸,例えばノナン酸、ネオデカン酸、セバシン酸、オレイン酸、トール油、ホウ酸、および多くの他のもののアミノアルコール塩;カップリング剤,例えばグリコールエーテルならびに高級アルコールおよびグリコール。各分類からの例としては、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ヘキサノールおよびへキシレングリコール;ならびに潤滑および極圧剤,例えば脂肪族エステル、ホスフェートエステル、塩素化脂肪酸および硫化脂肪酸が挙げられる。
【0037】
更なる例として、非エマルション形成性金属作動流体濃縮物(合成または溶液合成の流体として一般的に公知)は、典型的には以下を含有する:潤滑および極圧剤,例えば反溶解性エステル、ホスフェートエステル、塩素化脂肪酸およびポリアルキレングリコール;有機酸および無機酸,例えばペラルゴン酸、ネオデカン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、ドデカン二酸、ホウ酸、乳酸および多くの他のもののアミン塩。これらの物質は腐食防止剤である。
【0038】
MWF濃縮物中の希釈していないアミノアルコール化合物の濃度(すなわち希釈前)は、好ましくは少なくとも約1質量%、より好ましくは少なくとも約2%、および更により好ましくは少なくとも約3%である。また好ましくは、濃度は、約20%以下、より好ましくは約12%以下、および更により好ましくは約8%以下である。他の態様において、濃度は約1〜20%、より好ましくは約2〜12%、および最も好ましくは約3〜8%の範囲である。
【0039】
MWF濃縮物中の殺生剤の好ましい活性濃度範囲は、使用する殺生剤に応じて変動するが、当業者によって容易に決定できる。例として、濃度は、好ましくは少なくとも約0.01質量%であり、そして約5質量%以下である。
【0040】
具体的な殺生剤の例として、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジンは、活性範囲0.76〜3質量%の範囲で好ましく使用し、最も好ましい範囲は1.1〜3%であり、ヨードプロピニルブチルカルバメートは、0.2%〜0.6%の範囲で使用し、最も好ましい範囲は0.3%〜0.6%であり、1,2−ベンズイソチアゾリノンは、0.08%〜0.36%の範囲で使用し、最も好ましい範囲は0.16%〜0.36%であり、4,4−ジメチルオキサゾリジンは、0.78%〜3.1%の範囲で使用し、最も好ましい範囲は1.2%〜3.1%であり、7−エチルビシクロオキサゾリジンは、1〜4%の範囲で使用し、最も好ましい範囲は1.5%〜4%の範囲であり、4−(2−ニトロブチル)−モルホリンと4,4’−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)ジモルホリンとの組合せは、1%〜4%の範囲で使用し、最も好ましい範囲は1.5%〜3%の範囲であり、そして5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの組合せは、0.01%〜0.08%の範囲で使用し、最も好ましい範囲は0.05%〜0.08%の範囲である。
【0041】
最終的な希釈されたMWFにおいて、希釈されていないアミノアルコールの使用範囲は、好ましくは約0.05%〜1.0%であり、好ましい範囲は0.1%〜0.6%、および最も好ましい範囲は0.15%〜0.4%である。殺生物剤は、好ましくは、範囲(希釈時の活性ベース)が0.04%〜0.3%の1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン(好ましい範囲0.06%〜0.15%)、0.01%〜0.04%のヨードプロピニルブチルカルバメート(好ましい範囲0.015%〜0.03%)、0.004%〜0.03%の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(好ましい範囲0.008%〜0.02%)、0.04%〜0.3%の4,4−ジメチルオキサゾリジン(好ましい範囲0.06%〜0.2%)、0.05%〜0.3%の7−エチルビシクロオキサゾリジン(好ましい範囲0.075%〜0.2%)、0.05%〜0.3%の、4−(2−ニトロブチル)−モルホリンと4,4’−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)ジモルホリンとの組合せ(好ましい範囲0.075%〜0.2%)、0.002%〜0.005%の、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組合せ(好ましい範囲0.0025%〜0.004%)を使用する。
【0042】
金属作動流体は、本発明の殺生物組成物を使用する好ましいシステムであるが、組成物はまた、水を含有するか、水で希釈することを意図する広範な他のシステムにおいて有用である。例えば、組成物は、水性エマルション,例えばラテックス、水系の塗料およびコーティング、コークおよび接着剤、テープ接合化合物、鉱物スラリー、水冷却システム、パーソナルケア製品、ソープおよび洗剤、殺菌剤、洗浄剤、ならびに消毒剤、殺虫剤製品、油田水、ならびに油田用途において使用する水系流体,例えば掘削泥水、破砕流体およびハイドロテスト流体等において使用できる。
【0043】
本明細書で用いる「アルキル」は、1〜11個の炭素原子、より好ましくは1〜8個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖の脂肪族基を網羅する。好ましいアルキル基としては、限定しないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、およびウンデシルが挙げられる。
【0044】
本明細書で用いる用語「アルケニル」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有し、2〜8個の炭素原子、および好ましくは2〜6個の炭素原子を有する不飽和の直鎖または分岐鎖の脂肪族基を意味する。好ましいアルケニル基としては、限定しないが、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルが挙げられる。
【0045】
本明細書で用いる用語「アルキニル」は、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有し、2〜8個の炭素原子、および好ましくは2〜6個の炭素原子を有する不飽和の直鎖または分岐鎖の脂肪族基を意味する。好ましいアルキニル基としては、限定しないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルが挙げられる。
【0046】
「アルキレン」基は、上記で定義したアルキルが2つの他の化学基の間に位置してこれらを接続させるものである。好ましいアルキレン基としては、限定しないが、メチレン、エチレン、プロピレン、およびブチレンが挙げられる。
【0047】
本明細書で用いる用語「シクロアルキル」としては、飽和および部分不飽和の、3〜12個の炭素、好ましくは3〜8個の炭素を有する環状炭化水素基が挙げられる。好ましいシクロアルキル基としては、限定しないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。
【0048】
「アリール」基は、1〜3個の芳香環を含むC6〜C12芳香族部分である。好ましくは、アリール基は、C6〜C10アリール基である。好ましいアリール基としては、限定しないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、およびフルオレニルが挙げられる。より好ましくはフェニルである。
【0049】
アルキル、シクロアルキル、およびアリール(ならびにこれらの架橋誘導体アルキレン、シクロアルキレン、およびアリーレン)は、任意に、1つ以上の他のアルキル(例えばメチル、エチル、ブチル)、フェニル、または両者で置換されている。置換されている場合、置換基中の炭素番号は、化合物の5〜13炭素に向かって数える。
【0050】
本発明の非限定の例を以下に与える。
【0051】

例A:1−アミノシクロヘキシルメタノール(AcyHM)の調製
2リットルの三口フラスコ(マグネチックスターラー、窒素雰囲気生成装置、熱電対制御加熱マントルおよび添加漏斗を備える)にニトロシクロヘキサン(521g,4.04mol)を入れる。トリエチルアミン触媒(10.0mL)を添加し、そして黄色混合物を、加熱マントルを用いて55℃まで加温する。添加漏斗を介して、水性ホルムアルデヒド(37wt%,330mL,4.4mol)を90分間に亘って滴下添加する。反応は極めて穏やかに発熱し、添加中に60℃まで加温される。全てのホルムアルデヒドを添加した後、反応混合物を60℃で更に2時間保持し、分液漏斗に注ぎ入れ、そして1晩冷却/相分離させる。下部のオレンジ色の生成物層を回収(750.8g,溶解した水を含有する)し、そしてGC分析は、96.9%の純度を、約1.7%のニトロシクロヘキサンおよび1.4%のトリエチルアミンとともに示す。生成物は、更なる精製を伴わずに使用する。
【0052】
1−ニトロシクロヘキシルメタノールの1−アミノシクロヘキシルメタノールへの接触水素化。2リットルのParrオートクレーブにメタノール(310mL)およびラネーニッケル触媒(R−3111,43.7g 湿潤質量)を入れる。反応器をシールし、窒素でパージし、続いて水素でパージし、次いで65℃まで500psi水素圧下で上げる。急速撹拌しながら、1−ニトロシクロヘキシルメタノールの溶液(4.04molの活性成分を含有する約105gの水)(メタノール(800mL総溶液)中)を、65℃/500psi水素に維持しながら3時間に亘って添加する。添加が完了したら、反応を更に20分間継続させ、次いで室温まで冷却する。オートクレーブを通気し、開放して粗生成物を減圧ろ過にて単離する。メタノール溶媒をロータリーエバポレータ上で50℃/29”減圧にて除去する。揮散した粗生成物の収量は755.6g(まだ水を含有)である。これは、ステンレススチールメッシュを充填した分留塔を通って減圧蒸留され、85〜86℃/15torrで沸騰している生成物を回収する。GC分析は、水ホワイトオイルの>97%の純度を示す。オイルは、静置でゆっくり結晶化する。最終収率88%(459g)の精製生成物を得る。以下のアミノアルコールもまた、上記手順を用いて調製する:
【0053】
例B(AhexM):2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサノールおよび2−アミノ−2−エチル−1−ペンタノールの混合物(比は約1:1)を、2−ニトロヘキサンおよび3−ニトロヘキサンの混合物から調製する。
【0054】
例C(AOctM):2−アミノ−2−メチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタノールおよび2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサノールの混合物(比は約1:2:2)を、2−ニトロオクタン、3−ニトロオクタンおよび4−ニトロオクタンの混合物から調製する。
【0055】
例D(ACyPM):1−アミノシクロペンチルメタノールを、ニトロシクロペンタンから調製する。
【0056】
例E(ACyOM):1−アミノシクロオクチルメタノールを、ニトロシクロオクタンから調製する。
【0057】
例F(APP):2−アミノ−2−フェニル−1−プロパノールを、1−ニトロエチルベンゼンから調製する。
【0058】
例G:殺生剤なしでの、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(「AMP」)との比較での金属作動流体(MWF)中の本発明のアミノアルコールの評価。下記表1中の半合成MWF配合物を本例に使用する。殺生剤は、本発明のアミノアルコールが非殺生物性であり、最大でも弱い阻害性であることを示すために排除する。
【0059】
【表1】

【0060】
上記流体を約5%濃度まで地元の水道水(ミシガン湖より)で希釈する。およその活性アミン濃度は希釈時で0.3%である。混合バクテリア/菌類接種(使用済MWFから精製)を用い、ASTM E 2275に従って、流体を週間微生物チャレンジに供する。バクテリアおよび菌類のカウントは、週間で、連続希釈プレートカウント法を用いて測定し、ミリリットル当たりのコロニー形成単位(CFU/mL)として報告する。CFU/mLがより低いと、微生物制御がより良好であり、そして予測される流体の耐用寿命がより長い。典型的な機能不全発生点は、1×10E5 CFU/mL(以上)のバクテリアおよび1×10E3 CFU/mL(以上)の菌類での2連続週である。
【0061】
図1および2の調査から、本発明のアミンのいずれも、従来使用される製品AMPよりも顕著に阻害性ではないことが明らかである。当該分野で実施されるものによって、これらのいずれも殺生物性であるとは考えられない。
【0062】
例H:トリアジン殺生剤を伴う、AMPとの比較でのMWF中のアミノアルコールの評価。
同一配合物(表1)を、例のアミン(A,B,C,D,E,F)の各々で調製し、そして対照(AMP)と比較する。トリアジン3殺生剤(Arch Chemicalより(78%活性トリアジン))を流体濃縮物に1.5%で添加する。流体濃縮物を約5%の程度でミシガン湖の水道水中に希釈し、活性アミノアルコール濃度は希釈時に約0.3%であり、そして活性トリアジン殺生剤用量は約0.058%である。これらの流体を、先の例で記載したのと同じ微生物チャレンジ試験に供する。バクテリア生育および菌類生育の結果を図3および4に示す。本発明の化合物の幾つかを含有する流体は、バクテリア生育に対して耐性であるが、特に菌類生育は、比較AMPを伴うものよりも顕著に長い。
【0063】
例I:ベンズイソチアゾリノン殺生剤を伴う、AMPとの比較での本発明のアミノアルコールの評価。
表1中のベース配合物を用いて、AMPとの比較で、BIOBANTM BIT 20との組合せで、本発明のアミンの幾つかを評価する(例A,C,E,F)。BIOBANTM BIT 20は、Dow Chemical Companyより提供され、20%活性ベンズイソチアゾリノン(BIT)を含有する。BITは、MWFにおいては有効な殺生剤であるとは知られていないが、これはホルムアルデヒドから形成されておらず、取扱いまたは使用の間にホルムアルデヒドを放出しないため望ましい。BIOBANTM BIT 20は、1.8%で流体濃縮物に添加し、約0.018%の活性BITを5%希釈で与える。微生物試験の結果を図5および6に記載する。本発明の化合物は、バクテリアおよび菌類の両者に対するBITの性能において、AMP(比較のアミノアルコール)を有する流体と比べて顕著な改善を与える。
【0064】
本発明を、種々の具体的および好ましい態様および方法を参照して説明してきた。しかし、本発明の精神および範囲の中に留まる限り多くの変形および改変をなすことができることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺生物剤;ならびに
式(I):
【化1】

(式中、
1およびR3は、各々独立にH、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、もしくはアリールであり、またはR1、R3およびこれらが付いている炭素がシクロアルキル環を形成し;
2およびR4は各々独立にH、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アリール−アルキルであり、またはR2、R4およびこれらが付いている炭素がシクロアルキル環を形成し、但しR2およびR4が共に3個以上の炭素原子を含有することを条件とし;そして
5は、不存在またはC1〜C10アルキレン、アリーレン、−アリーレン−アルキレン−、または−アルキレン−アリーレン−であり;
ここでアルキル、シクロアルキル、アルキレン、アリール、およびアリーレンは任意にアルキルまたはフェニルで置換されている。)
の1級アミノアルコール化合物;
を含む、殺生物組成物。
【請求項2】
式(I)の化合物が、13個以下の炭素原子を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−1−エタノール、1−アミノ−2−プロパノール、ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、トリス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリス(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、および3−アミノ−4−オクタノールからなる群から選択される1種以上の化合物を更に含む、請求項1〜2に記載の組成物。
【請求項4】
殺生物剤が、ホルムアルデヒド系または非ホルムアルデヒド系である、請求項1〜3に記載の組成物。
【請求項5】
殺生物剤が、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルフェート(THPS)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、4,4−ジメチルオキサゾリジン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、4−(2−ニトロブチル)−モルホリンと4,4’−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)ジモルホリンとの組合せ、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組合せ、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、オクチルイソチアゾリノン、ジクロロ−オクチルイソチアゾリノン、ジブロモ−オクチルイソチアゾリノン、フェノール物,例えばo−フェニルフェノールおよびp−クロロ−m−クレゾールならびにその対応するナトリウムおよび/またはカリウム塩、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオン、n−ブチルベンズイソチアゾリノン、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、クロロタロニル、カルベンダジム、ジヨードメチルトリルスルホン、トリメチル−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリエタノール、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、グルタルアルデヒド、N,N’−メチレン−ビス−モルホリン、エチレンジオキシメタノール、フェノキシエタノール、テトラメチロールアセチレンジウレア、ジチオカルバメート、2,6−ジメチル−m−ジオキサン−4−オールアセテート、ジメチロール−ジメチル−ヒダントイン、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、二環式オキサゾリジン、ならびにこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される、請求項1〜4に記載の組成物。
【請求項6】
殺生物剤が、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルフェート(THPS)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、4,4−ジメチルオキサゾリジンおよび7−エチルビシクロオキサゾリジン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ナトリウムピリチオン、オクチルイソチアゾリノン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組合せ、フェノール物、グルタルアルデヒド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、N,N’−メチレン−ビス−モルホリン、ならびにこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される、請求項1〜5に記載の組成物。
【請求項7】
5が不存在である、請求項1〜6に記載の組成物。
【請求項8】
アミノアルコール化合物が、式(II):
【化2】

のものである、請求項1〜7に記載の組成物。
【請求項9】
2およびR4が共に11個以下の炭素原子を含有する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
2およびR4が各々独立に直鎖アルキルである、請求項8または9に記載の組成物。
【請求項11】
2およびR4のうち、一方がHであり、そして他方が直鎖アルキルである、請求項8〜9に記載の組成物。
【請求項12】
2およびR4が、これらが付いている炭素と共にシクロアルキル環を形成する、請求項8〜9に記載の組成物。
【請求項13】
2およびR4のうち、一方がCH3であり、そして他方がアリールである、請求項8〜9に記載の組成物。
【請求項14】
アミノアルコール化合物が:2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−エチル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−メチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−メチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−エチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−メチル−1−デカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−プロピル−1−オクタノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−デカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ブチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−デカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−オクタノール、(1−アミノシクロペンチル)メタノール、(l−アミノシクロヘキシル)メタノール、(l−アミノシクロヘプチル)メタノール、(1−アミノシクロオクチルメタノール、(1−アミノシクロノニル)メタノール、(1−アミノシクロデシルメタノール,(l−アミノシクロウンデシル)メタノール、(l−アミノシクロドデシル)メタノール、2−アミノ−2−フェニル−1−エタノール、2−アミノ−2−フェニル−1−プロパノール、2−アミノ−2−フェニル−1−ブタノール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜13に記載の組成物。
【請求項15】
アミノアルコールが、2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−エチル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−メチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサノール、(1−アミノシクロヘキシル)メタノール、(1−アミノシクロオクチル)メタノール、2−アミノ−2−フェニル−1−プロパノール、(1−アミノシクロペンチル)メタノールおよびこれらの混合物である、請求項1〜14に記載の組成物。
【請求項16】
水系システムにおける微生物の生育を阻害する方法であって、該システムに、請求項1〜15のいずれかに記載の殺生物組成物を有効量添加することを含む、方法。
【請求項17】
水系システムが、金属作動流体である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれかに記載の殺生物組成物を含む、金属作動流体濃縮物。
【請求項19】
請求項1〜15のいずれかに記載の殺生物組成物を含む、金属作動流体。
【請求項20】
水および金属作動濃縮物を含む金属作動流体であって、該金属作動濃縮物が請求項1〜15のいずれかに記載の殺生物組成物を含む、金属作動流体。
【請求項21】
組成物中での微生物の生育が阻害されている組成物であって:水系システム;および請求項1〜15のいずれかに記載の殺生物組成物;を含む、組成物。
【請求項22】
水系システムが、ラテックス、水系塗料、水系コーティング、コーク、接着剤、テープ接合コンパウンド、鉱物スラリー、水冷却システム、パーソナルケア製品、ソープおよび洗剤、殺菌剤、洗浄剤、消毒剤、殺虫剤製品、油田水、ならびに油田用途において使用される水系流体,例えば掘削泥水、破砕流体およびハイドロテスト流体である、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
水系システムが、金属作動流体である、請求項21に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−523640(P2011−523640A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509540(P2011−509540)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/042032
【国際公開番号】WO2009/140061
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(591252611)アンガス ケミカル カンパニー (32)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】