説明

アミノフェノール化合物、熱硬化性化合物およびその製造法

【課題】 優れた耐熱性を有する熱硬化性化合物の原料として好適に用いることができるアミノフェノール化合物、350℃以上においても優れた耐熱性を示す熱硬化性化合物およびその製造法を提供する。
【解決手段】 ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するアミノフェノール化合物である。ダイヤモンドイド構造より構成される基およびベンゾオキサゾール前駆体構造より構成される基を有する熱硬化性化合物である。前記ダイヤモンドイド構造より構成される基は、ダイヤモンドイド構造あるいはダイヤモンドイド構造および酸素原子より構成される繰返し単位として2以上100以下を有するものである。前記アミノフェノール化合物と、ハロゲン化カルボン酸化合物およびエステル化カルボン酸化合物の中から選ばれる少なくとも1種とを縮合反応させてアミド結合を生成することを特徴とする、熱硬化性化合物の製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノフェノール化合物、熱硬化性化合物およびその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノール樹脂などに代表される熱硬化性化合物は、耐熱性、機械的強度、耐湿性などに優れ、電子材料、自動車用部材、接着剤など様々な分野で広く用いられている。しかしながら、特に電子材料分野など、更に厳しい耐熱性を要求されている先端分野における要求全てを満足する材料は、未だ得られていないのが現状である。
【0003】
特に、350℃以上の高温域においても高い熱安定性が要求される先端分野においては、樹脂の熱分解開始温度が350℃よりも低い場合、加熱時の寸法安定性に悪影響を与えたり、高温環境において樹脂より発生した熱分解ガスが、これらの樹脂を用いた製品の品質影響を及ぼすだけでなく、成形用金型などに付着することより、これらの樹脂を用いた成形品の外観不良などの問題を発生する恐れがある。
【0004】
この改善策として、熱的に架橋可能な炭素−炭素3重結合に着目し、樹脂にアセチレン基を導入することで加熱硬化後の樹脂構造を3次元網目状とし、耐熱性を向上させた熱硬化性化合物に関する技術が開示されている。その例としては、フェノール樹脂にプロパルギルエーテル基を高密度に導入した熱硬化性化合物に関する技術(例えば、特許文献1参照。)、ポリフェノルにエチニル基を導入した熱硬化性化合物に関する技術(例えば、特許文献2および特許文献3参照。)などである。しかしながら、これらの熱硬化性化合物の熱分解開始温度は350℃付近であり、350℃以上の高温域での耐熱性に懸念が残る。
【特許文献1】特表平1−503541号公報(第1−3頁および第8頁)
【特許文献2】特開平9−107984号公報
【特許文献3】特開2000−63499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題は、上記諸問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、優れた耐熱性を有する熱硬化性化合物の原料として好適に用いることができるアミノフェノール化合物を提供することにある。
また、本発明の目的は、機械的強度、耐湿性、電気特性および他の諸特性を劣化させることなく、350℃以上においても優れた耐熱性を示す熱硬化性化合物およびその製造法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明は、
1. ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するアミノフェノール化合物、
2. 前記アミノフェノール化合物は、一般式(1)で表される構造を有するものである、第1項記載のアミノフェノール化合物、
【化1】

(式中のXは、ダイヤモンドイド構造より構成される基を示す。Yは、酸素原子および芳香族基の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。式中のmは、0または1である。式中のnは、1以上、100以下の整数を示す。)
3. 前記ダイヤモンドイド構造より構成される基は、ダイヤモンドイド構造あるいはダイヤモンドイド構造および酸素原子より構成される繰返し単位として2以上100以下を有するものである第1項または第2項記載のアミノフェノール化合物、
4. 前記ダイヤモンドイド構造より構成される基は、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカアダマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、第1項乃至第3項のいずれかに記載のアミノフェノール化合物、
5. ダイヤモンドイド構造より構成される基およびベンゾオキサゾール前駆体構造より構成される基を有する熱硬化性化合物、
6. 前記熱硬化性化合物は、一般式(2)で表される構造を有するものである、第5項記載の熱硬化性化合物、
【化2】

(式中のXは、ダイヤモンドイド構造より構成される基を示す。Yは、酸素原子および芳香族基の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。Zは有機基を示す。式中のmは、0または1である。式中のnは、1以上、100以下の整数を示す。)
7. 前記ダイヤモンドイド構造より構成される基は、ダイヤモンドイド構造あるいはダイヤモンドイド構造および酸素原子で構成される繰返し単位として2以上100以下を有するものである第6項記載の熱硬化性化合物、
8. 前記熱硬化性化合物は、ダイヤモンドイド構造より構成される基として、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカアダマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、第5項乃至第7項のいずれかに記載の熱硬化性化合物、
9. 前記熱硬化性化合物は、一般式(2)中のZで示される有機基として、アセチレン結合を含む基を有するものである、第6項乃至第8項のいずれかに記載の熱硬化性化合物、
10. 第1項乃至第4項のいずれかに記載のアミノフェノール化合物と、ハロゲン化カルボン酸化合物およびエステル化カルボン酸化合物の中から選ばれる少なくとも1種とを縮合反応させてアミド結合を生成することを特徴とする、熱硬化性化合物の製造法、
である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優れた耐熱性を有する熱硬化性化合物の原料として好適に用いることができるアミノフェノール化合物を提供することができる。
また、本発明によれば、加熱時の熱安定性が飛躍的に向上し、350℃以上の高温域においても優れた耐熱性を示す熱硬化性化合物を提供できる。また、該熱硬化性化合物は、前記アミノフェノール化合物を用いて容易に製造することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するアミノフェノール化合物であり、この構造を有するものとして、ダイヤモンドイド構造より構成される基およびアミノフェノール構造より構成される基を含むものが挙げられ、例えば、前記一般式(1)で表される構造を有するものが挙げられる。これらは、熱硬化性化合物の原料として好適に用いることができる。更に詳しくは、例えば、前記アミノフェノール化合物を、適切な条件下でハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物などと反応させアミド結合を形成することにより、加熱によりベンゾオキサゾール環に変換可能なベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂を得ることができる。
【0009】
また、本発明は、ダイヤモンドイド構造より構成される基およびベンゾオキサゾール前駆体構造より構成される基を含む熱硬化性化合物であり、この構造を有するものとして、上記アミノフェノール化合物より得られる熱硬化性化合物が挙げられ、中でも、前記一般式(2)で表される構造を有するものが挙げられる。更に具体的には、前記一般式(2)中のZで表される有機基としてアセチレン結合を含む基を有するものが挙げられる。これらの熱硬化性化合物は、加熱することにより、ベンゾオキサゾール前駆体構造より構成される基の脱水閉環によってベンゾオキサゾール環が形成される。また、前記熱硬化性化合物がアセチレン結合を含む基を有する場合、アセチレン結合の熱架橋反応によって、樹脂構造を3次元化させることにより、優れた耐熱性を有する樹脂を付与することができる。
【0010】
また、本発明のアミノフェノール化合物および熱硬化性化合物は、ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するため、前記耐熱性を劣化させることなく、優れた機械的強度、電気特性を付与することができる。
【0011】
本発明において、一般式(1)および一般式(2)中のXで表される基は、ダイヤモンドイド構造より構成される基であり、前記ダイヤモンドイド構造としては、アダマンタン構造を最小単位とする構造を有するものである。前記ダイヤモンドイド構造より構成される基として、ダイヤモンドイド構造からなる基やダイヤモンドイド構造より構成される繰返し単位からなる基などが挙げられ、前記ダイヤモンドイド構造からなる基としては、例えば、アダマンタン基、ジアマンタン基、トリアマンタン基、テトラマンタン基、ペンタマンタン基、ヘキサマンタン基、ヘプタマンタン基、オクタマンタン基、ノナマンタン基、デカマンタン基およびウンデカマンタン基、などが挙げられる。ダイヤモンドイド構造より構成される基として、ダイヤモンドイド構造より構成される繰返し単位からなる基として、例えば、ビアダマンタン基、トリアダマンタン基、テトラアダマンタン基、ペンタアダマンタン基、ヘキサアダマンタン基、オリゴアダマンタン基、オリゴジアマンタン基、オリゴトリアマンタン基、オリゴテトラマンタン基、オリゴペンタマンタン基、オリゴヘキサマンタン基、オリゴヘプタマンタン基、オリゴオクタマンタン基、オリゴノナマンタン基、オリゴデカマンタン基およびオリゴウンデカマンタン基、などの、ダイヤモンドイド構造で構成される繰り返し単位として2以上、100以下を有するもの:、などや、オリゴアダマンタンエーテル基、オリゴジアマンタンエーテル基、オリゴトリアマンタンエーテル基、オリゴテトラマンタンエーテル基、オリゴペンタマンタンエーテル基、オリゴヘキサマンタンエーテル基、オリゴヘプタマンタンエーテル基、オリゴオクタマンタンエーテル基、オリゴノナマンタンエーテル基、オリゴデカマンタンエーテル基およびオリゴウンデカマンタンエーテル基、などの、ダイヤモンドイド構造および酸素原子で構成される繰り返し単位として2以上、100以下を有するもの:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などのアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などのアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などのアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、フェニル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
【0012】
本発明において、一般式(1)および一般式(2)中のYで表される基としては、酸素原子および芳香族基の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基であり、前記芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基、などが挙げられる。酸素原子および芳香族基で構成される基としては、例えば、フェニレンエーテル基、ナフタレンジイルエーテル基、ビフェニルジイルエーテル基、フルオレンジイルエーテル基、ビフェニルフルオレンジイルエーテル基およびピリジンジイルエーテル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、酸素原子、フェニレン基およびフェニレンエーテル基である。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記水素原子と置換される脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などのアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などのアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などのアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記水素原子と置換される芳香族基としては、例えば、フェニル基、フェニル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記水素原子と置換される脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
【0013】
本発明において、一般式(2)中のZで表される有機基としては、脂肪族基および芳香族基の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基であり、前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのアルキル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などのアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などのアルキニル基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフタレン基、ビフェニル基、フルオレニル基、ビフェニルフルオレニル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基およびベンゾトリアゾール基、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記Zで表される有機基としては、アセチレン結合を含むものが好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基、ペンチニルオキシ基、ヘキシニルオキシ基、ヘプチニルオキシ基、オクチニルオキシ基、エチニルフェニル基、フェニルエチニルフェニル基、ナフチルエチニルフェニル基、アダマンチルエチニルフェニル基、ビアダマンチルエチニルフェニル基、ジアマンチルエチニルフェニル基、トリアマンチルエチニルフェニル基、エチニルナフチル基、フェニルエチニルナフチル基、ナフチルエチニルナフチル基、アダマンチルエチニルナフチル基、ビアダマンチルエチニルナフチル基、ジアマンチルエチニルナフチル基、トリアマンチルエチニルナフチル基、エチニルアダマンチル基、フェニルエチニルアダマンチル基、ナフチルエチニルアダマンチル基、アダマンチルエチニルアダマンチル基、ビアダマンチルエチニルアダマンチル基、ジアダマンチルエチニルアダマンチル基、トリアダマンチルエチニルアダマンチル基、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などのアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などのアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などのアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、フェニル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
【0014】
本発明において、一般式(1)で表される構造を有する化合物としては、例えば、一般式(1)中のmが0およびnが6の例としては、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴテトラマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴペンタマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴトリアマンタンエーテル、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴテトラマンタンエーテルおよびヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴペンタマンタンエーテル:、などや、例えば、一般式(1)中のmが1、nが6、およびYが酸素原子の例としては、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴテトラマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴペンタマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタンエーテル、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴトリアマンタンエーテル、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴテトラマンタンエーテルおよびヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴペンタマンタンエーテル:、などや、例えば、一般式(1)中のmが1、nが6、およびYが前記酸素原子および芳香族基で構成される基の内、フェニレンエーテル基の例としては、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴテトラマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴペンタマンタン、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴトリアマンタンエーテル、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴテトラマンタンエーテルおよびヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴペンタマンタンエーテル:、などや、例えば、一般式(1)中のmが0およびnが20の例としては、イコサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン、イコサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン、イコサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテルおよびイコサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル:、などや、例えば、一般式(1)中のmが1、nが50、およびYが酸素原子の例としては、ペンタコンタキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン、ペンタコンタキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタン、ペンタコンタキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテルおよびペンタコンタキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタンエーテル:、などや、例えば、一般式(1)中のmが1、nが90、およびYが前記酸素原子および芳香族基で構成される基の内、フェニレンエーテル基の例としては、ノナコンタキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン、ノナコンタキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン、ノナコンタキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテルおよびノナコンタキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明において、一般式(2)で表される熱硬化性化合物としては、例えば、一般式(2)中のnが6、およびZが前記有機基の内、フェニル基の例としては、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタン、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴトリアマンタンエーテル、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタンエーテル、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴトリアマンタンエーテル、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテルおよびヘキサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴトリアマンタンエーテル:、などや例えば、一般式(2)中のnが6、およびZが前記有機基の内、フェニルエチニルフェニル基の例としては、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタン、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴトリアマンタンエーテル、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタンエーテル、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴトリアマンタンエーテル、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテルおよびヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴトリアマンタンエーテル:、などや例えば、一般式(2)中のnが6、およびZが前記有機基の内、アダマンチルエチニルフェニル基の例としては、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタン、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴトリアマンタン、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴトリアマンタンエーテル、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタンエーテル、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴトリアマンタンエーテル、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテルおよびヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴトリアマンタンエーテル:、などや、例えば、一般式(2)中のnが20、およびZが前記有機基の内、フェニル基の例としては、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタン、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタンエーテル、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、イコサキス(ベンゾイルアミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル:、などや、例えば、一般式(2)中のnが50、およびZが前記有機基の内、フェニルエチニルフェニル基の例としては、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタン、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタンエーテル、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン、ペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテルおよびペンタコサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル:、などや、例えば、一般式(2)中のnが90、およびZが前記有機基の内、アダマンチルエチニルフェニル基の例としては、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタン、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴジアマンタンエーテルノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン、ノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテルおよびノナコンタキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
本発明のアミノフェノール化合物は、例えば、ダイヤモンドイド構造を含む化合物に、ヒドロキシフェニル基を導入した後、前記ヒドロキシフェニル基をニトロ化、続けてニトロ基を還元してアミノ基を生成することにより合成することができるが、この合成法に限定されない。
前記ダイヤモンドイド構造を含む化合物としては、前記ダイヤモンドイド構造として、アダマンタン構造を最小単位とする構造を有するものが挙げられ、例えば、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、ペンタマンタン、ヘキサマンタン、ヘプタマンタン、オクタマンタン、ノナマンタン、デカマンタンおよびウンデカマンタンなどのダイヤモンドイド構造からなる化合物、などが挙げられる。前記ダイヤモンドイド構造を含む化合物としては、前記ダイヤモンドイド構造からなる化合物の他に、例えば、ビアダマンタン、トリアダマンタン、テトラアダマンタン、ペンタアダマンタン、ヘキサアダマンタン、オリゴアダマンタン、オリゴジアマンタン、オリゴトリアマンタン、オリゴテトラマンタン、オリゴペンタマンタン、オリゴヘキサマンタン、オリゴヘプタマンタン、オリゴオクタマンタン、オリゴノナマンタン、オリゴデカマンタンおよびオリゴウンデカマンタン、などの、ダイヤモンドイド構造で構成される繰り返し単位として2以上、100以下を有するもの:、などや、オリゴアダマンタンエーテル、オリゴジアマンタンエーテル、オリゴトリアマンタンエーテル、オリゴテトラマンタンエーテル、オリゴペンタマンタンエーテル、オリゴヘキサマンタンエーテル、オリゴヘプタマンタンエーテル、オリゴオクタマンタンエーテル、オリゴノナマンタンエーテル、オリゴデカマンタンエーテルおよびオリゴウンデカマンタンエーテル、などの、ダイヤモンドイド構造および酸素原子で構成される繰り返し単位として2以上、100以下を有するもの:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などのアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などのアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などのアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、フェニル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
【0017】
本発明の一般式(1)で表される構造を有するアミノフェノール化合物の内、mが0であるアミノフェノール化合物は、例えば、以下のルートによって合成することができる。
【0018】
まず、ナトリウムを用いたハロゲン化物の縮合反応やヒドロキシ化物の縮合反応などで得られるダイヤモンドイド構造を含む化合物を、臭素やヨウ素などのハロゲン化剤を用いてハロゲン化することにより、ダイヤモンドイド構造より構成される基を含むハロゲン化化合物を得る。前記ハロゲン化反応において、溶媒としては、特には限定されないが、ヘキサンまたはペンタンなどが好ましく、特に臭素を用いる場合は無溶媒で行ってもよい。反応温度としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度によるため、特に限定しないが、−20℃以上、100℃以下が好ましい。また、反応時間としては、1時間以上、100時間以下が好ましく、より好ましくは、24時間以上、100時間以下である。
また、得られたハロゲン化化合物中の全てのハロゲン原子は、後の工程においてアミノフェノール構造より構成される基へと変換されるが、前記ハロゲン化反応における生成物は、通常、ハロゲン原子の導入数が異なる化合物の混合物であるため、カラムクロマトグラフィーを用いて、該混合物から、目的のアミノフェノール化合物におけるアミノフェノール構造より構成される基の数と同数のハロゲン原子を有するハロゲン化化合物を分離精製してもよく、また、目的のアミノフェノール化合物が、アミノフェノール構造より構成される基の数が異なる化合物の混合物であってもよい場合は、ハロゲン原子の導入数が異なるハロゲン化化合物同士を分離せずにそのまま次の反応に用いてもよい。
【0019】
次に、塩化アルミニウムおよび臭化アルミニウムなどのハロゲン化アルミニウムを用いて、上記で得たダイヤモンドイド構造より構成される基を含むハロゲン化化合物とフェノールとのフリーデル−クラフツ反応を行うことで、ダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシフェニル基を含む化合物を得る。前記フリーデル−クラフツ反応において、溶媒としては、特には限定されないが、アセトニトリルまたはニトロメタンなどが好ましいが、無溶媒で行ってもよい。反応温度としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度によるため、特に限定しないが、−20℃以上、150℃以下が好ましい。また、反応時間としては、1時間以上、100時間以下、より好ましくは、1時間以上、48時間以下である。この反応に使用される原料のモル比は、前記ハロゲン化化合物のハロゲン原子に対して、ハロゲン化アルミニウムは、0.1当量倍以上、10当量倍以下であることが望ましく、好ましくは、0.1当量倍以上、2当量倍以下、更に好ましくは、1当量倍以上、1当量倍以下であり、フェノールは、1当量倍以上、10当量倍以下であることが望ましく、好ましくは、1当量倍以上、5当量倍以下、更に好ましくは、1当量倍以上、2当量倍以下である。
【0020】
次に、硫酸および硝酸などのニトロ化剤を用いて、上記で得たダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシフェニル基を含む化合物のヒドロキシフェニル基をニトロ化し、ダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシニトロフェニル基を含む化合物を得る。続けて、これを、テトラヒドロフラン、エタノールまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒に分散または溶解させ、水素雰囲気下、室温で、パラジウム−活性炭もしくは白金−活性炭などで処理するか、または、酸性条件下でスズもしくは塩化スズなどで処理することにより、目的のアミノフェノール化合物を得ることができる。
【0021】
また、本発明の一般式(1)で表される構造を有するアミノフェノール化合物の内、mが1、およびYがフェニレンエーテル基であるアミノフェノール化合物は、例えば、以下のルートによって合成することができる。
【0022】
まず、前記アミノフェノール化合物の合成において得られるダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシフェニル基を含む化合物と、フェノール性水酸基がベンジル基で保護されたフッ化ニトロフェノールまたは塩化ニトロフェノールとを、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒下で、炭酸カリウムなどの塩基を用いたエーテル化反応を行い、フェノール性水酸基がベンジル基で保護されたダイヤモンドイド構造より構成される基およびニトロフェノキシフェニル基を含む化合物を得る。前記エーテル化反応において、反応温度としては、50℃以上、150℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以上、150℃以下である。また、反応時間としては、1時間以上、100時間以下、より好ましくは、24時間以上、100時間以下である。
上記で得られた化合物を、テトラヒドロフラン、エタノールまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒に分散または溶解させたものを、水素雰囲気下、室温で、パラジウム−活性炭または白金−活性炭などで処理することにより、目的のアミノフェノール化合物を得ることができる。
【0023】
また、本発明の一般式(1)で表される構造を有するアミノフェノール化合物の内、mが1、およびYが酸素原子であるアミノフェノール化合物は、例えば、以下のルートによって合成することができる。
【0024】
N−ヒドロキシフタルイミドなどのアルキルラジカル化剤を用い、ダイヤモンドイド構造を含む化合物と酸素との反応により得られるダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシ基を含む化合物と、フェノール性水酸基がベンジル基で保護されたフッ化ニトロフェノールまたは塩化ニトロフェノールとを、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒下で、炭酸カリウムなどの塩基を用いたエーテル化反応を行い、フェノール性水酸基がベンジル基で保護されたダイヤモンドイド構造より構成される基およびニトロフェノキシ基を含む化合物を得る。前記エーテル化反応において、反応温度としては、50℃以上、150℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以上、150℃以下である。また、反応時間としては、1時間以上、100時間以下、より好ましくは、24時間以上、100時間以下である。この反応に使用される原料のモル比は、前記ダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシ基を含む化合物のヒドロキシ基に対して、フッ化ニトロフェノールまたは塩化ニトロフェノールは、1当量倍以上、10当量倍以下であることが望ましく、好ましくは、1当量倍以上、2当量倍以下、更に好ましくは、1当量倍以上、1.2当量倍以下であり、塩基は、1当量倍以上、10当量倍以下であることが望ましく、好ましくは、1当量倍以上、5当量倍以下である。
上記で得られた化合物を、テトラヒドロフラン、エタノールまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒に分散または溶解させたものを、水素雰囲気下、室温で、パラジウム−活性炭または白金−活性炭などで処理することにより、目的のアミノフェノール化合物を得ることができる。
【0025】
本発明の熱硬化性化合物は、本発明のアミノフェノール化合物とハロゲン化カルボン酸化合物およびエステル化カルボン酸化合物の中から選ばれる少なくとも一種のカルボン酸化合物とを縮合反応させて、アミド結合を生成することにより合成することができるが、この合成法に限定されない。
【0026】
本発明の一般式(2)で表される構造を有する熱硬化性化合物は、例えば、以下のルートによって合成することができる。
【0027】
本発明の一般式(2)で表される構造を有する化合物は、一般式(1)で表される構造を有するアミノフェノール化合物と、前記カルボン酸化合物とを縮合反応させてアミド結合を生成することにより得ることができるが、更に詳しくは、まず、一般式(1)で表されるアミノフェノール化合物を、適当な溶媒に溶解、或いは懸濁させ、前記カルボン酸化合物を添加し、混合して、反応させる。このとき、一般式(1)で表されるアミノフェノール化合物と、前記カルボン酸化合物の仕込みは、同時に一括で行なっても良い。また、一般式(1)で表されるアミノフェノール化合物および、前記カルボン酸化合物は、固体のまま添加しても、予め適当な溶媒に溶解させて添加してもよい。
【0028】
前記カルボン酸化合物におけるハロゲン化カルボン酸化合物およびエステル化カルボン酸化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、ビアダマンチルカルボン酸、ジアマンチルカルボン酸、トリアマンチルカルボン酸、安息香酸、ナフタレンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、ビアマンタンカルボン酸、ジアマンタンカルボン酸、エチニル安息香酸、プロピニル安息香酸、フェニルエチニル安息香酸、ビスフェニルエチニル安息香酸、ナフチルエチニル安息香酸、アダマンチルエチニル安息香酸、ビアダマンチルエチニル安息香酸、ジアマンチルエチニル安息香酸、トリアマンチルエチニル安息香酸、テトラアマンチルエチニル安息香酸、エチニルナフタレンカルボン酸、プロピニルナフタレンカルボン酸、フェニルエチニルナフタレンカルボン酸、ビスフェニルエチニルナフタレンカルボン酸、ナフチルエチニルナフタレンカルボン酸およびアダマンチルエチニルナフタレンカルボン酸、などのカルボン酸化合物の塩化物、臭化物、ヨウ化物、メチルエステル化物、フェニルエステル化物、ピリジルエステル化物、キノリルエステル化物、キノキサリルエステル化物およびベンゾトリアゾールエステル化物、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などのアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などのアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などのアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、フェニル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
【0029】
前記一般式(2)で表される構造を有する熱硬化性化合物の生成反応において、前記溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ジクロロメタンおよびクロロホルムおよびジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
また、反応を促進するために、トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびピリジンなどの塩基を添加しても良い。
反応に使用される原料のモル比は、一般式(1)で表されるアミノフェノール化合物の水酸基に対して、前記カルボン酸化合物が、1当量倍以上、2当量倍以下であることが望ましく、好ましくは、1当量倍以上、1.5当量倍以下、更に好ましくは、1当量倍以上、1.1当量倍以下である。
【0030】
前記反応における反応温度としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度によるため、特に限定しないが、カルボン酸化合物としてハロゲン化カルボン酸化合物を用いる場合は、−80℃以上、100℃以下が望ましく、好ましくは、前記溶媒の凝固点以上、30℃以下である。更に好ましくは、−10℃以上、10℃以下である。エステル化カルボン酸化合物を用いる場合は、0℃以上、150℃以下が望ましく、好ましくは、50℃以上、150℃以下である。前記上限値以上では、ハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物が、一般式(1)で表されるアミノフェノール化合物の水酸基と反応する恐れがある。
また、反応時間としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度や反応温度により、適宜決定すれば良いが、5分間以上、7日間以下が望ましく、好ましくは、10分間以上、24時間以下である。
上記の条件で反応させて得られる生成物は、水、ヘキサン、メタノールなどのような、生成物が溶解しない溶媒に、反応液を滴下あるいは注入して、析出物を濾過や遠心分離法などにより、溶液から分離して得ることができる。また、一般式(1)で表されるアミノフェノール化合物と、前記カルボン酸化合物とを過不足なく反応させる場合、生成物が溶解する適当な溶媒中で反応を行い、反応終了後に、生成した塩などの不溶物が存在する場合には、それを除去し、目的物のみが溶解している状態の反応液を、そのまま目的の用途に用いても構わない。
【実施例】
【0031】
以下に本発明を説明するために実施例を示すが、これによって本発明を限定するものではない。
【0032】
得られた化合物は特性評価のため、赤外分光分析を行った。また、熱硬化性化合物については熱重量分析、比誘電率測定および弾性率測定も行った。各測定条件は次のとおりとした。
[試験方法]
(1)赤外分光分析(IR): 島津社製FT−IR8900型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
(2)熱重量分析: セイコ−インスツルメンツ(株)製TG/DTA6200型を用いて、200mL/分の乾燥窒素気流下、昇温速度+10℃/分の条件により、室温から370℃まで昇温後、370℃で30分間保持した際の重量減少量を測定した。
(3)比誘電率: 日本エス・エス・エム(株)製自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて、温度22℃、湿度45%の雰囲気下において、得られた化合物を熱硬化させて作製した皮膜(膜厚1μm)の比誘電率を測定した。皮膜は、測定用試料とN−メチルピロリドンからなるコーティングワニスをスピンコート法によりシリコンウエハ上に均一な膜厚とした後、150℃で10分間加熱乾燥させ、更に、窒素を流入して酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、350℃で60分間加熱したものを用いた。
(4)弾性率:エリオニクス(株)製ENT−1100を用いて、温度22℃、湿度50%の雰囲気下で、得られた化合物より作製した膜厚30μmの皮膜の弾性率を測定した。皮膜は、上記比誘電率測定用試料と同様にして作製した。
【0033】
[実施例1]
(1)ダイヤモンドイド構造より構成される基を含むハロゲン化化合物の合成
オリゴアダマンタン100g、臭素40gおよびヨウ素1gを0.1Lナスフラスコに投入し、25℃で48時間撹拌を行った後、2%チオ硫酸ナトリウム水溶液2.5Lに投入した。析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、更にカラムクロマトグフィーを用いて臭素原子が6個導入された成分の分離操作を行うことで、ヘキサブロモオリゴアダマンタン20gを得た。
(2)ダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシフェニル基を含む化合物の合成
上記で得られたヘキサブロモオリゴアダマンタン20g、フェノール10g、塩化アルミニウム0.1gおよび撹拌子を0.1Lナスフラスコに投入し、乾燥窒素雰囲気下、100℃で30時間撹拌した後、80℃のイオン交換水1Lに投入した。析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、減圧乾燥させることでヘキサキス(ヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン8gを得た。
(3)ダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシニトロフェニル基を含む化合物の合成
次に、上記で得られたヘキサキス(ヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン8g、硫酸10g、硝酸10gおよび撹拌子を0.1Lナスフラスコに投入し、室温で30時間攪拌した後、イオン交換水1Lに投入した。析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、減圧乾燥させることでヘキサキス(ヒドロキシニトロフェニル)オリゴアダマンタン10gを得た。
(4)ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するアミノフェノール化合物の合成
上記で得られたヘキサキス(ヒドロキシニトロフェニル)オリゴアダマンタン10g、10%パラジウム−活性炭0.1g、テトラヒドロフラン0.1Lおよび撹拌子を0.3Lナスフラスコに投入し、水素雰囲気下、25℃で48時間攪拌後、N−メチルピロリドン0.2Lを加えた。反応液をセライトを用いて吸引濾過した後、濾液をイオン交換水に投入した。析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、減圧乾燥させることでヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン9gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3302,1531,1283
【0034】
[実施例2]
(1)ダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシ基を含む化合物の合成
実施例1と同様にして得たヘキサブロモオリゴアダマンタン20g、N−ヒドロキシフタルイミド1g、コバルト(II)アセチルアセトナート0.01g、酢酸0.1Lおよび撹拌子を0.2Lナスフラスコに投入し、酸素雰囲気下、100℃で100時間攪拌した後、イオン交換水1Lに投入した。析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、更にカラムクロマトグフィーを用いてヒドロキシ基が6個導入された成分の分離操作を行うことで、ヘキサヒドロキシオリゴアダマンタン8gを得た。
(2)ダイヤモンドイド構造より構成される基およびニトロフェノキシ基を含む化合物の合成
次に、上記で得られたヘキサヒドロキシオリゴアダマンタン8g、ベンジルオキシフルオロニトロベンゼン4g、炭酸カリウム4g、N,N−ジメチルホルムアミド0.1Lおよび撹拌子を0.2Lナスフラスコに投入し、窒素雰囲気下140℃で24時間攪拌した。反応液をイオン交換水1Lに投入し、析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、減圧乾燥させることで、ヘキサキス(ベンジルオキシニトロフェノキシ)オリゴアダマンタン10gを得た。
(3)ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するアミノフェノール化合物の合成
上記で得られたヘキサキス(ベンジルオキシニトロフェノキシ)オリゴアダマンタン10g、10%パラジウム−活性炭0.1g、テトラヒドロフラン0.1Lおよび撹拌子を0.3Lナスフラスコに投入し、水素雰囲気下、25℃で48時間攪拌後、N−メチルピロリドン0.2Lを加えた。反応液をセライトを用い吸引濾過した後、濾液をイオン交換水に投入した。析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、減圧乾燥させることでヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン9gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3303,1527,1281
【0035】
[実施例3]
(1)ダイヤモンドイド構造より構成される基を含むハロゲン化化合物の合成
オリゴアダマンタン100g、臭素40gおよびヨウ素1gを、0.1Lナスフラスコに投入し、25℃で48時間撹拌を行った後、2%チオ硫酸ナトリウム水溶液2.5Lに投入した。析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、更にカラムクロマトグフィーを用いて臭素原子が6個導入された成分の分離操作を行うことで、ヘキサブロモオリゴアダマンタン20gを得た。
(2)ダイヤモンドイド構造より構成される基およびヒドロキシフェニル基を含む化合物の合成
上記で得られたヘキサブロモオリゴアダマンタン20g、フェノール10g、塩化アルミニウム0.1gおよび撹拌子を0.2Lナスフラスコに投入し、乾燥窒素雰囲気下、100℃で30時間撹拌した後、80℃のイオン交換水1Lに投入した。析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、減圧乾燥させることで、ヘキサキス(ヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン8gを得た。
(3)ダイヤモンドイド構造より構成される基およびニトロフェノキシフェニル基を含む化合物の合成
次に、上記で得られたヘキサキス(ヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン8g、ベンジルオキシフルオロニトロベンゼン4g、炭酸カリウム4g、N,N−ジメチルホルムアミド0.1Lおよび撹拌子を0.2Lナスフラスコに投入し、窒素雰囲気下140℃で24時間攪拌した。反応液をイオン交換水1Lに投入し、析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、減圧乾燥させることで、ヘキサキス(ベンジルオキシニトロフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン10gを得た。
(4)ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するアミノフェノール化合物の合成
上記で得られたヘキサキス(ベンジルオキシニトロフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン10g、10%パラジウム−活性炭0.1g、テトラヒドロフラン0.1Lおよび撹拌子を0.3Lナスフラスコに投入し水素雰囲気下、25℃で48時間攪拌後、N−メチルピロリドン0.2Lを加えた。反応液をセライトを用いて減圧下吸引濾過した後、濾液をイオン交換水に投入した。析出固体をメタノール0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、減圧乾燥させることでヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン9gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3299,1530,1278
【0036】
[実施例4]
実施例1において、オリゴアダマンタン100gをオリゴアダマンタンエーテル130gとした以外は、実施例1と同様にして、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル8gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3296,1526,1279
【0037】
[実施例5]
実施例2において、オリゴアダマンタン100gをオリゴアダマンタンエーテル130gとした以外は、実施例2と同様にして、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル5gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3298,1525,1274
【0038】
[実施例6]
実施例3において、オリゴアダマンタン100gをオリゴアダマンタンエーテル130gとした以外は、実施例3と同様にして、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル7gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3303,1524,1277
【0039】
[実施例7]
実施例1において、オリゴアダマンタン100gをオリゴジアマンタン120gとした以外は、実施例1と同様にして、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン5gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3298,1522,1278
【0040】
[実施例8]
実施例3において、オリゴアダマンタン100gをオリゴジアマンタン120gとした以外は、実施例3と同様にして、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン6gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3293,1526,1276
【0041】
[実施例9]
実施例1において、オリゴアダマンタン100gをオリゴジアマンタンエーテル130gとした以外は、実施例1と同様にして、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル6gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3294,1525,1278
【0042】
[実施例10]
実施例1において、オリゴアダマンタン100gをオリゴジアマンタンエーテル130gとした以外は、実施例1と同様にして、ヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル5gを得た。
以下に、赤外分光分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3298,1521,1282
【0043】
[実施例11]
実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2g、N−メチルピロリドン0.05Lおよび撹拌子を0.1L三口フラスコに投入し、窒素雰囲気下、5℃で攪拌した。ここに、フェニルエチニル安息香酸クロリド2gおよびトリエチルアミン1gを反応液温度が10℃以上にならないように数回に分けて投入した後、反応液を25℃で10時間攪拌した。反応液中に析出したトリエチルアミン塩を濾過により除去した後、濾液をメタノールに投入した。析出固体をイオン交換水0.5L中で30分間撹拌洗浄した後、固体を濾過により回収し、減圧乾燥させることでヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを得た。
以下に、各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3305,2280,1720,1264
熱重量減少量(/wt%):0.6
比誘電率:2.5
弾性率(/GPa):8.0
【0044】
[実施例12]
実施例11において、実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを実施例2で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン2gとした以外は、実施例11と同様にして、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタン2gを得た。
以下に、各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3308,2284,1722,1268
熱重量減少量(/wt%):0.5
比誘電率:2.5
弾性率(/GPa):8.1
【0045】
[実施例13]
実施例11において、実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを実施例3で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン2gとした以外は、実施例11と同様にして、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを得た。
以下に、各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3310,2280,1720,1273
熱重量減少量(/wt%):0.5
比誘電率:2.6
弾性率(/GPa):8.4
【0046】
[実施例14]
実施例11において、実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを実施例4で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル2gとした以外は、実施例11と同様にして、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル2gを得た。
以下に、各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3306,2281,1718,1276
熱重量減少量(/wt%):0.4
比誘電率:2.5
弾性率(/GPa):8.0
【0047】
[実施例15]
実施例11において、実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを実施例5で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル2gとした以外は、実施例11と同様にして、ヘキサキス((フェニルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシ)オリゴアダマンタンエーテル2gを得た。
以下に、赤各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3304,2277,1717,1278
熱重量減少量(/wt%):0.5
比誘電率:2.5
弾性率(/GPa):7.9
【0048】
[実施例16]
実施例11において、実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを実施例6で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル2gとし、フェニルエチニル安息香酸クロリド2gをアダマンチルエチニル安息香酸クロリド2gとした以外は、実施例11と同様にして、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴアダマンタンエーテル2gを得た。
以下に、各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3307,2279,1716,1275
熱重量減少量(/wt%):0.6
比誘電率:2.4
弾性率(/GPa):8.3
【0049】
[実施例17]
実施例11において、実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを実施例7で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン2gとし、フェニルエチニル安息香酸クロリド2gをアダマンチルエチニル安息香酸クロリド2gとした以外は、実施例11と同様にして、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタン2gを得た。
以下に、各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3305,2283,1714,1274
熱重量減少量(/wt%):0.4
比誘電率:2.4
弾性率(/GPa):8.4
【0050】
[実施例18]
実施例11において、実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを実施例8で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン2gとし、フェニルエチニル安息香酸クロリド2gをアダマンチルエチニル安息香酸クロリド2gとした以外は、実施例11と同様にして、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタン2gを得た。
以下に、各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3308,2284,1710,1279
熱重量減少量(/wt%):0.5
比誘電率:2.5
弾性率(/GPa):8.0
【0051】
[実施例19]
実施例11において、実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを実施例9で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル2gとし、フェニルエチニル安息香酸クロリド2gをアダマンチルエチニル安息香酸クロリド2gとした以外は、実施例11と同様にして、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル2gを得た。
以下に、各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3310,2287,1706,1277
熱重量減少量(/wt%):0.4
比誘電率:2.5
弾性率(/GPa):8.3
【0052】
[実施例20]
実施例11において、実施例1で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェニル)オリゴアダマンタン2gを実施例10で得たヘキサキス(アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル2gとし、フェニルエチニル安息香酸クロリド2gをアダマンチルエチニル安息香酸クロリド2gとした以外は、実施例11と同様にして、ヘキサキス((アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノヒドロキシフェノキシフェニル)オリゴジアマンタンエーテル2gを得た。
以下に、各種測定結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
IR(KBr,/cm):3315,2292,1711,1279
熱重量減少量(/wt%):0.4
比誘電率:2.5
弾性率(/GPa):8.0
【0053】
(比較例1)
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)22g、臭化プロパルギル51g、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム1.5g、テトラヒドロフラン120mLを、乾燥窒素雰囲気下、50℃で撹拌しながら、水酸化カリウム61gをイオン交換水60mLに溶解させたものを加えた。反応液を60℃で6時間攪拌した。反応液を減圧下で加熱し、臭化プロパルギルとテトラヒドロフランを除去し、固体を析出させた。析出固体を酢酸エチル200mLで抽出し、有機層をイオン交換水500mLで2回洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮したものをメタノール2.0Lに投入し、固体を再沈殿させて、濾過により生成物を回収し、60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)15gを得た。
以下に、上記で得た化合物に関する各種測定結果を示す。
熱重量減少量(/wt%):4.3
比誘電率:3.6
弾性率(/GPa):5.0
【0054】
(比較例2)
3−エチニルフェノール5.0gとメタノール10mLを室温で撹拌しながら、西洋ワサビペルオキシダーゼ2.0gをpH=7のリン酸緩衝液10mLを加えた。続けて、5重量%過酸化水素29mLを3時間かけて滴下し、更に室温で3時間撹拌した。析出物を反応液より遠心分離し、メタノール50mL及びイオン交換水50mL中で撹拌し、洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることで、ポリ((3−エチニル−1−ヒドロキシ)フェニレン)を3.3g得た。
以下に、上記で得た化合物に関する各種測定結果を示す。
熱重量減少量(/wt%):8.7
比誘電率:4.0
弾性率(/GPa):5.0
【0055】
以上から明らかなように、本発明により提供されるアミノフェノール化合物は、耐熱性に優れる熱硬化性化合物原料として好適に用いることができることが確認された。また、本発明により提供される熱硬化性化合物は、370℃においても耐熱性に優れることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明により提供されるアミノフェノール化合物は、優れた耐熱性を有する熱硬化性化合物の原料として好適に用いることができる。さらに、本発明により提供される、熱によりベンゾオキサゾール環を形成可能なヒドロキシアミド構造を有する熱硬化性化合物は、350℃以上の高温域においても優れた耐熱性を示す樹脂として、高温での材料プロセスを必要とする分野などにおいて好適に用いることが可能である。用途として、電子材料、自動車用部材、エンジニアリング材料、構造部材、接着剤、塗膜形成材料、絶縁材料、酸化防止材料、記録材料などに好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤモンドイド構造より構成される基を有するアミノフェノール化合物。
【請求項2】
前記アミノフェノール化合物は、一般式(1)で表される構造を有するものである、請求項1記載のアミノフェノール化合物。
【化1】

(式中のXは、ダイヤモンドイド構造より構成される基を示す。Yは、酸素原子および芳香族基の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。式中のmは、0または1である。式中のnは、1以上、100以下の整数を示す。)
【請求項3】
前記ダイヤモンドイド構造より構成される基は、ダイヤモンドイド構造あるいはダイヤモンドイド構造および酸素原子より構成される繰返し単位として2以上100以下を有するものである請求項1または2記載のアミノフェノール化合物。
【請求項4】
前記ダイヤモンドイド構造より構成される基は、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカアダマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至3のいずれかに記載のアミノフェノール化合物。
【請求項5】
ダイヤモンドイド構造より構成される基およびベンゾオキサゾール前駆体構造より構成される基を有する熱硬化性化合物。
【請求項6】
前記熱硬化性化合物は、一般式(2)で表される構造を有するものである、請求項5記載の熱硬化性化合物。
【化2】

(式中のXは、ダイヤモンドイド構造より構成される基を示す。Yは、酸素原子および芳香族基の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。Zは有機基を示す。式中のmは、0または1である。式中のnは、1以上、100以下の整数を示す。)
【請求項7】
前記ダイヤモンドイド構造より構成される基は、ダイヤモンドイド構造あるいはダイヤモンドイド構造および酸素原子で構成される繰返し単位として2以上100以下を有するものである請求項6記載の熱硬化性化合物。
【請求項8】
前記熱硬化性化合物は、ダイヤモンドイド構造より構成される基として、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカアダマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項5乃至7のいずれかに記載の熱硬化性化合物。
【請求項9】
前記熱硬化性化合物は、一般式(2)中のZで示される有機基として、アセチレン結合を含む基を有するものである、請求項6乃至8のいずれかに記載の熱硬化性化合物。
【請求項10】
請求項1乃至4のいずれかに記載のアミノフェノール化合物と、ハロゲン化カルボン酸化合物およびエステル化カルボン酸化合物の中から選ばれる少なくとも1種とを縮合反応させてアミド結合を生成することを特徴とする、熱硬化性化合物の製造法。

【公開番号】特開2006−8642(P2006−8642A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192085(P2004−192085)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】