アライメント装置及びアライメント方法
【課題】従来、アライメントにかかるコストを低減することが困難であるという課題がある。
【解決手段】吐出ヘッドの基準ノズルを撮像するカメラ137と、カメラ137が基準ノズルを撮像した結果に基づいて、吐出ヘッドの位置を把握する制御部201と、を有し、制御部201は、複数の表示画素を有する原版181の複数の表示画素の少なくとも一部を、吐出ヘッドの種類に応じて発光させたときの表示パターンを、カメラ137で撮像した結果に基づいて、吐出ヘッドの位置の補正量を演算する、ことを特徴とするアライメント装置。
【解決手段】吐出ヘッドの基準ノズルを撮像するカメラ137と、カメラ137が基準ノズルを撮像した結果に基づいて、吐出ヘッドの位置を把握する制御部201と、を有し、制御部201は、複数の表示画素を有する原版181の複数の表示画素の少なくとも一部を、吐出ヘッドの種類に応じて発光させたときの表示パターンを、カメラ137で撮像した結果に基づいて、吐出ヘッドの位置の補正量を演算する、ことを特徴とするアライメント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アライメント装置及びアライメント方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液状体を液滴として吐出することができる吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置において、複数の吐出ヘッドをサブキャリッジに搭載した構成が知られている。そして、複数の吐出ヘッドをサブキャリッジとして組み立てるサブキャリッジ組立機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、サブキャリッジ組立機において、アライメントマスクを吐出ヘッドの位置の原型(原版)とし、この原型に基づいて吐出ヘッドの位置決め(アライメント)を行うことが記載されている。これにより、サブキャリッジにおける複数の吐出ヘッドのそれぞれの組立精度を高く保つことができる。
しかしながら、アライメントマスクを用いたアライメント方法では、サブキャリッジの機種ごとや、吐出ヘッドの機種ごとにアライメントマスクが必要となる。このため、従来、アライメントにかかるコストを低減することが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0006】
[適用例1]アライメント対象である対象物の基準マークを撮像する撮像装置と、前記撮像装置が前記基準マークを撮像した結果に基づいて、前記対象物の位置を把握する制御部と、を有し、前記制御部は、複数の発光領域を有する発光装置の前記複数の発光領域の少なくとも一部を、前記対象物の種類に応じて発光させたときの発光パターンを、前記撮像装置で撮像した結果に基づいて、前記対象物の位置の補正量を演算する、ことを特徴とするアライメント装置。
【0007】
この適用例のアライメント装置は、撮像装置と、制御部と、を有する。
撮像装置は、アライメント対象である対象物の基準マークを撮像する。
制御部は、撮像装置が基準マークを撮像した結果に基づいて、対象物の位置を把握する。
このアライメント装置では、制御部は、撮像装置で発光パターンを撮像した結果に基づいて、対象物の位置の補正量を演算する。発光パターンは、発光装置の複数の発光領域の少なくとも一部を、対象物の種類に応じて発光させたときのパターンである。発光装置では、対象物の種類に応じて発光パターンを変化させることができる。
このため、このアライメント装置では、例えば、対象物の種類ごとに異なるマスクパターンを用意する必要性を解消しやすくすることができる。
【0008】
[適用例2]上記のアライメント装置であって、前記複数の発光領域は、平面視で、マトリクス状に配列している、ことを特徴とするアライメント装置。
【0009】
この適用例では、複数の発光領域がマトリクス状に配列しているので、種々の発光パターンを形成しやすくすることができる。
【0010】
[適用例3]上記のアライメント装置であって、前記発光装置は、液晶装置で構成されている、ことを特徴とするアライメント装置。
【0011】
この適用例では、発光装置が液晶装置で構成されているので、複数の発光領域を選択的に発光させることができる。
【0012】
[適用例4]複数の発光領域を有する発光装置の前記複数の発光領域の少なくとも一部を、アライメント対象である対象物の種類に応じた発光パターンで選択的に発光させ、前記発光パターンを撮像した結果に基づいて、前記対象物をアライメントする、ことを特徴とするアライメント方法。
【0013】
この適用例のアライメント方法では、発光装置を対象物の種類に応じた発光パターンで発光させ、発光パターンを撮像した結果に基づいて、対象物をアライメントする。このアライメント方法によれば、対象物の種類に応じて発光装置の発光パターンを変化させることができる。このため、例えば、種類ごとに異なるマスクパターンを用意する必要性を解消しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態における液滴吐出装置の概略の構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態におけるキャリッジを図1中のA視方向に見たときの正面図。
【図3】本実施形態におけるヘッドユニットの底面図。
【図4】図2中のB−B線における断面図。
【図5】本実施形態における組立装置の概略の構成を示す斜視図。
【図6】本実施形態におけるユニット搬送装置の概略の構成を示す斜視図。
【図7】本実施形態におけるアライメント装置の概略の構成を示す斜視図。
【図8】本実施形態における移動装置の概略の構成を示す斜視図。
【図9】本実施形態における原版を示す平面図。
【図10】図9中のC部の拡大図。
【図11】本実施形態における組立装置の概略の構成を示すブロック図。
【図12】本実施形態におけるヘッドユニットの組立て方法の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照しながら、記録装置の1つである液滴吐出装置を例に、実施形態について説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
【0016】
実施形態における液滴吐出装置1は、概略の構成を示す斜視図である図1に示すように、ワーク搬送装置3と、キャリッジ7と、キャリッジ搬送装置9と、を有している。
キャリッジ7には、ヘッドユニット13が設けられている。
液滴吐出装置1では、ヘッドユニット13と基板などのワークWとの平面視での相対位置を変化させつつ、ヘッドユニット13から液状体を液滴として吐出させることによって、ワークWに液状体で所望のパターンを描画することができる。なお、図中のY方向はワークWの移動方向を示し、X方向は平面視でY方向とは直交する方向を示している。また、X方向及びY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
【0017】
このような液滴吐出装置1は、例えば、液晶表示パネル等に用いられるカラーフィルターの製造や、有機EL(Electro Luminescence)装置の製造などに適用され得る。
赤、緑及び青の3色のフィルターエレメントを有するカラーフィルターの場合、液滴吐出装置1は、例えば、基板に赤、緑及び青の各着色層を形成する工程で好適に使用され得る。この場合、ヘッドユニット13から各着色層に対応する各液状体を、ワークWに液滴として吐出させることによって、ワークWに赤、緑及び青のそれぞれのフィルターエレメントのパターンが描画される。
また、有機EL装置の製造では、例えば、赤、緑及び青の画素ごとに、各色に対応する機能層(有機層)を形成する工程で好適に使用され得る。この場合、ヘッドユニット13から各色の機能層に対応する各液状体を、ワークWに液滴として吐出させることによって、ワークWに赤、緑及び青のそれぞれの機能層のパターンが描画される。
【0018】
ここで、液滴吐出装置1の各構成について、詳細を説明する。
ワーク搬送装置3は、図1に示すように、定盤21と、ガイドレール23aと、ガイドレール23bと、ワークテーブル25と、を有している。
定盤21は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されており、Y方向に沿って延びるように据えられている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、定盤21の上面21a上に配設されている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、それぞれ、Y方向に沿って延在している。ガイドレール23aとガイドレール23bとは、互いにX方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
【0019】
ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bを挟んで定盤21の上面21aに対向した状態で設けられている。ワークテーブル25は、定盤21から浮いた状態でガイドレール23a及びガイドレール23b上に載置されている。ワークテーブル25は、ワークWが載置される面である載置面25aを有している。載置面25aは、定盤21側とは反対側(上側)に向けられている。ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bによってY方向に沿って案内され、定盤21上をY方向に沿って往復移動可能に構成されている。
ワークテーブル25は、図示しない移動機構及び動力源によって、Y方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、本実施形態では、ワークテーブル25をY方向に沿って移動させるための動力源として、図示しないワーク搬送モーターが採用されている。ワーク搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
ワーク搬送モーターからの動力は、移動機構を介してワークテーブル25に伝達される。これにより、ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bに沿って、すなわちY方向に沿って往復移動することができる。つまり、ワーク搬送装置3は、ワークテーブル25の載置面25aに載置されたワークWを、Y方向に沿って往復移動させることができる。
【0020】
ヘッドユニット13は、キャリッジ7を図1中のA視方向に見たときの正面図である図2に示すように、ヘッドプレート31と、2個の吐出ヘッド33と、を有している。2個の吐出ヘッド33は、X方向に並んでいる。なお、吐出ヘッド33の個数は、2個に限定されず、1個以上の任意の個数が採用され得る。また、以下においては、2つの吐出ヘッド33のそれぞれを識別する場合に、吐出ヘッド33a及び吐出ヘッド33bという表記が用いられる。
吐出ヘッド33は、底面図である図3に示すように、ノズル面35を有している。ノズル面35には、複数のノズル37が形成されている。なお、図3では、ノズル37をわかりやすく示すため、ノズル37が誇張され、且つノズル37の個数が減じられている。
【0021】
各吐出ヘッド33において、複数のノズル37は、Y方向に沿って配列する2本のノズル列39を構成している。2本のノズル列39は、X方向に互いに隙間をあけた状態で並んでいる。各ノズル列39において、複数のノズル37は、Y方向に沿って所定のノズル間隔Pで形成されている。各吐出ヘッド33において、2本のノズル列39は、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。
ヘッドユニット13では、2個の吐出ヘッド33のうちの一方におけるノズル列39と、他方の吐出ヘッド33におけるノズル列39とが、互いにY方向にP/4の距離だけずれている。これにより、本実施形態では、Y方向におけるノズル37の密度が高められている。
【0022】
各吐出ヘッド33は、ヘッドプレート31に接着されている。本実施形態では、ヘッドプレート31に設けられている基準マーク41に対する各吐出ヘッド33の位置が、許容範囲内に補正(アライメント)された上で、各吐出ヘッド33がヘッドプレート31に接着されている。これにより、ヘッドプレート31に対する各吐出ヘッド33の位置精度が、高められている。
本実施形態では、2つの基準マーク41がヘッドプレート31に設けられている。以下において、2つの基準マーク41のそれぞれを識別するときに、2つの基準マーク41は、それぞれ、基準マーク41a及び基準マーク41bと表記される。
【0023】
他方で、各吐出ヘッド33には、複数のノズル37のうちの一部が基準ノズル42として設定されている。そして、本実施形態では、各吐出ヘッド33の位置は、2つの基準マーク41に対する基準ノズル42の位置として規定される。
本実施形態では、各吐出ヘッド33において、2つの基準ノズル42が設定されている。以下において、2つの基準ノズル42のそれぞれを識別するときに、2つの基準ノズル42は、それぞれ、基準ノズル42a及び基準ノズル42bと表記される。
また、各吐出ヘッド33は、ベース部43を有している。各吐出ヘッド33は、ベース部43を介してヘッドプレート31に接着されている。ベース部43には、係合孔44が設けられている。
【0024】
本実施形態では、1つの吐出ヘッド33に2つの係合孔44が設けられている。以下において、2つの係合孔44のそれぞれを識別するときに、2つの係合孔44は、それぞれ、係合孔44a及び係合孔44bと表記される。2つの係合孔44には、それぞれ、後述する位置補正用のピンが係合する。
本実施形態では、2つの係合孔44のそれぞれにピンを係合させた状態でピンを変位させることによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を補正する方法が採用されている。吐出ヘッド33の位置の補正方法については、詳細を後述する。
【0025】
吐出ヘッド33は、図2中のB−B線における断面図である図4に示すように、ノズルプレート46と、キャビティープレート47と、振動板48と、複数の圧電素子49と、を有している。
ノズルプレート46は、ノズル面35を有している。複数のノズル37は、ノズルプレート46に設けられている。
キャビティープレート47は、ノズルプレート46のノズル面35とは反対側の面に設けられている。キャビティープレート47には、複数のキャビティー51が形成されている。各キャビティー51は、各ノズル37に対応して設けられており、対応する各ノズル37に連通している。各キャビティー51には、図示しないタンクから機能液53(液状体)が供給される。
【0026】
振動板48は、キャビティープレート47のノズルプレート46側とは反対側の面に設けられている。振動板48は、Z方向に振動(縦振動)することによって、キャビティー51内の容積を拡大したり、縮小したりする。
複数の圧電素子49は、それぞれ、振動板48のキャビティープレート47側とは反対側の面に設けられている。各圧電素子49は、各キャビティー51に対応して設けられており、振動板48を挟んで各キャビティー51に対向している。各圧電素子49は、駆動信号に基づいて、伸張する。これにより、振動板48がキャビティー51内の容積を縮小する。このとき、キャビティー51内の機能液53に圧力が付与される。その結果、ノズル37から、機能液53が液滴55として吐出される。吐出ヘッド33による液滴55の吐出法は、インクジェット法の1つである。インクジェット法は、塗布法の1つである。
【0027】
上記の構成を有する吐出ヘッド33は、図2に示すように、ノズル面35がヘッドプレート31から突出した状態で、ヘッドプレート31に支持されている。
キャリッジ7は、図2に示すように、ヘッドユニット13を支持している。ここで、ヘッドユニット13は、ノズル面35がZ方向の下方に向けられた状態でキャリッジ7に支持されている。
上記により、ワークWには、吐出ヘッド33から機能液53が塗布され得る。
なお、本実施形態では、縦振動型の圧電素子49が採用されているが、機能液53に圧力を付与するための加圧手段は、これに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子も採用され得る。また、加圧手段としては、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなども採用され得る。さらに、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液に圧力を付与する構成も採用され得る。
【0028】
キャリッジ搬送装置9は、図1に示すように、架台61と、ガイドレール63と、を有している。
架台61は、X方向に延在しており、ワーク搬送装置3をX方向にまたいでいる。架台61は、ワークテーブル25の定盤21側とは反対側で、ワーク搬送装置3に対向している。架台61は、一対の支柱67によって支持されている。一対の支柱67は、定盤21を挟んでX方向に互いに対峙する位置に設けられている。
なお、以下においては、一対の支柱67のそれぞれを識別する場合に、支柱67a及び支柱67bという表記が用いられる。支柱67a及び支柱67bは、それぞれ、ワークテーブル25よりもZ方向の上方に突出している。これにより、架台61とワークテーブル25との間には、隙間が保たれている。
【0029】
ガイドレール63は、架台61の定盤21側に設けられている。ガイドレール63は、X方向に沿って延在しており、架台61のX方向における幅にわたって設けられている。
前述したキャリッジ7は、ガイドレール63に支持されている。キャリッジ7がガイドレール63に支持された状態において、吐出ヘッド33のノズル面35は、Z方向においてワークテーブル25側に向いている。キャリッジ7は、ガイドレール63によってX方向に沿って案内され、X方向に往復動可能な状態でガイドレール63に支持されている。なお、平面視で、キャリッジ7がワークテーブル25に重なっている状態において、ノズル面35とワークテーブル25の載置面25aとは、互いに隙間を保った状態で対向する。
【0030】
キャリッジ7は、図示しない移動機構及び動力源によって、X方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、本実施形態では、キャリッジ7をX方向に沿って移動させるための動力源として、図示しないキャリッジ搬送モーターが採用されている。キャリッジ搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
キャリッジ搬送モーターからの動力は、移動機構を介してキャリッジ7に伝達される。これにより、キャリッジ7は、ガイドレール63に沿って、すなわちX方向に沿って往復移動することができる。つまり、キャリッジ搬送装置9は、キャリッジ7に支持されたヘッドユニット13を、X方向に沿って往復移動させることができる。
上記の構成を有する液滴吐出装置1では、吐出ヘッド33をワークWに対向させた状態で、吐出ヘッド33とワークWとを相対的に往復移動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を吐出させることによって、ワークWへのパターンの描画が行われる。
【0031】
ここで、ヘッドユニット13の組立てについて説明する。
本実施形態では、ヘッドユニット13は、組立装置100によって組立てられる。
組立装置100は、図5に示すように、定盤101と、ユニット搬送装置103と、アライメント装置105と、を有している。
定盤101は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されている。
ユニット搬送装置103は、図6に示すように、ガイドレール111aと、ガイドレール111bと、第1テーブル113と、ガイドレール117aと、ガイドレール117bと、第2テーブル119と、回転リング121と、第3テーブル123と、を有している。また、ユニット搬送装置103は、後述する第1モーター(図示せず)と、第2モーターと、第3モーターと、を有している。
【0032】
ガイドレール111a及びガイドレール111bは、定盤101の上面101a上に配設されている。ガイドレール111a及びガイドレール111bは、それぞれ、T方向に沿って延在している。ガイドレール111aとガイドレール111bとは、互いにU方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
なお、T方向は、ガイドレール111a及びガイドレール111bが延在する方向である。U方向は、平面視でT方向とは直交する方向である。また、T方向及びU方向によって規定されるTU平面と直交する方向は、V方向として規定される。そして、V方向に沿って延びる軸を中心に回転する方向は、θ方向として規定される。
【0033】
第1テーブル113は、ガイドレール111a及びガイドレール111bを挟んで定盤101の上面101aに対向した状態で設けられている。第1テーブル113は、定盤101から浮いた状態でガイドレール111a及びガイドレール111b上に載置されている。第1テーブル113は、ガイドレール111a及びガイドレール111bによってT方向に沿って案内され、定盤101上をT方向に沿って往復移動可能に構成されている。
第1テーブル113は、図示しない移動機構及び第1モーターによって、T方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第1モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第1モーターからの動力は、移動機構を介して第1テーブル113に伝達される。これにより、第1テーブル113は、ガイドレール111a及びガイドレール111bに沿って、すなわちT方向に沿って往復移動することができる。
【0034】
ガイドレール117a及びガイドレール117bは、第1テーブル113の上面113a上に配設されている。ガイドレール117a及びガイドレール117bは、それぞれ、U方向に沿って延在している。ガイドレール117aとガイドレール117bとは、互いにT方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
第2テーブル119は、ガイドレール117a及びガイドレール117bを挟んで第1テーブル113の上面113aに対向した状態で設けられている。第2テーブル119は、第1テーブル113から浮いた状態でガイドレール117a及びガイドレール117b上に載置されている。第2テーブル119は、ガイドレール117a及びガイドレール117bによってU方向に沿って案内され、第1テーブル113上をU方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0035】
第2テーブル119は、図示しない移動機構及び第2モーターによって、U方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第2モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第2モーターからの動力は、移動機構を介して第2テーブル119に伝達される。これにより、第2テーブル119は、ガイドレール117a及びガイドレール117bに沿って、すなわちU方向に沿って往復移動することができる。
【0036】
回転リング121は、第2テーブル119の上面119a上に配設されている。
第3テーブル123は、回転リング121を挟んで第2テーブル119の上面119aに対向した状態で設けられている。第3テーブル123は、第2テーブル119から浮いた状態で回転リング121上に載置されている。第3テーブル123は、回転リング121によってθ方向に沿って案内され、第2テーブル119上をθ方向に沿って往復回動可能に構成されている。
第3テーブル123は、ヘッドプレート31が載置される面である載置面123aを有している。載置面123aは、第2テーブル119側とは反対側(上側)に向けられている。
【0037】
第3テーブル123は、図示しない回動機構及び第3モーターによって、θ方向に往復回動可能に構成されている。回動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第3モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第3モーターからの動力は、回動機構を介して第3テーブル123に伝達される。これにより、第3テーブル123は、回転リング121によって案内され、θ方向に沿って往復回動することができる。
上記の構成により、ユニット搬送装置103は、第3テーブル123に載置されたヘッドプレート31を、T方向及びU方向のそれぞれの方向に往復移動させることができる。また、ユニット搬送装置103は、第3テーブル123に載置されたヘッドプレート31を、θ方向に往復回動させることもできる。
【0038】
アライメント装置105は、図7に示すように、ベースプレート131と、認識装置133と、補正装置135と、を有している。
ベースプレート131は、図5に示すように、ユニット搬送装置103の定盤101側とは反対側に設けられている。定盤101とベースプレート131との間には、隙間が保たれている。ユニット搬送装置103は、定盤101とベースプレート131との間に介在している。ベースプレート131は、平面視で、ユニット搬送装置103に重なる位置に設けられている。
認識装置133と、補正装置135とは、図7に示すように、それぞれ、ベースプレート131上に設けられている。
【0039】
認識装置133は、カメラ137と、支持部139と、を有している。カメラ137は、支持部139を介してベースプレート131に支持されている。カメラ137は、図5に示すように、定盤101側に向けられている。
カメラ137は、第3テーブル123の可動領域に臨んでいる。第3テーブル123の可動領域は、第1テーブル113及び第2テーブル119のそれぞれを往復移動させたときに第3テーブル123によって描かれる軌跡の領域である。
カメラ137が第3テーブル123の可動領域に臨んでいるので、カメラ137は、第3テーブル123に載置されるワークを画像として捉えることができる。
なお、カメラ137としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を利用したカメラが採用され得る。
【0040】
補正装置135は、図7に示すように、移動装置141と、補正ユニット143と、を有している。補正ユニット143は、移動装置141上に設けられている。移動装置141は、補正ユニット143をT方向及びU方向のそれぞれの方向に往復移動させることができる。また、移動装置141は、補正ユニット143を、θ方向に往復回動させることもできる。
移動装置141は、図8に示すように、ガイドレール151aと、ガイドレール151bと、第4テーブル153と、ガイドレール157aと、ガイドレール157bと、第5テーブル159と、回転リング161と、第6テーブル163と、を有している。また、移動装置141は、後述する第4モーター(図示せず)と、第5モーターと、第6モーターと、を有している。
【0041】
ガイドレール151a及びガイドレール151bは、ベースプレート131の上面131a上に配設されている。ガイドレール151a及びガイドレール151bは、それぞれ、T方向に沿って延在している。ガイドレール151aとガイドレール151bとは、互いにU方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
【0042】
第4テーブル153は、ガイドレール151a及びガイドレール151bを挟んでベースプレート131の上面131aに対向した状態で設けられている。第4テーブル153は、ベースプレート131から浮いた状態でガイドレール151a及びガイドレール151b上に載置されている。第4テーブル153は、ガイドレール151a及びガイドレール151bによってT方向に沿って案内され、ベースプレート131上をT方向に沿って往復移動可能に構成されている。
第4テーブル153は、図示しない移動機構及び第4モーターによって、T方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第4モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第4モーターからの動力は、移動機構を介して第4テーブル153に伝達される。これにより、第4テーブル153は、ガイドレール151a及びガイドレール151bに沿って、すなわちT方向に沿って往復移動することができる。
【0043】
ガイドレール157a及びガイドレール157bは、第4テーブル153の上面153a上に配設されている。ガイドレール157a及びガイドレール157bは、それぞれ、U方向に沿って延在している。ガイドレール157aとガイドレール157bとは、互いにT方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
第5テーブル159は、ガイドレール157a及びガイドレール157bを挟んで第4テーブル153の上面153aに対向した状態で設けられている。第5テーブル159は、第4テーブル153から浮いた状態でガイドレール157a及びガイドレール157b上に載置されている。第5テーブル159は、ガイドレール157a及びガイドレール157bによってU方向に沿って案内され、第4テーブル153上をU方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0044】
第5テーブル159は、図示しない移動機構及び第5モーターによって、U方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第5モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第5モーターからの動力は、移動機構を介して第5テーブル159に伝達される。これにより、第5テーブル159は、ガイドレール157a及びガイドレール157bに沿って、すなわちU方向に沿って往復移動することができる。
【0045】
回転リング161は、第5テーブル159の上面159a上に配設されている。
第6テーブル163は、回転リング161を挟んで第5テーブル159の上面159aに対向した状態で設けられている。第6テーブル163は、第5テーブル159から浮いた状態で回転リング161上に載置されている。第6テーブル163は、回転リング161によってθ方向に沿って案内され、第5テーブル159上をθ方向に沿って往復回動可能に構成されている。
第6テーブル163は、補正ユニット143が配設される面である配設面163aを有している。配設面163aは、第5テーブル159側とは反対側(上側)に向けられている。
【0046】
第6テーブル163は、図示しない回動機構及び第6モーターによって、θ方向に往復回動可能に構成されている。回動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第6モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第6モーターからの動力は、回動機構を介して第6テーブル163に伝達される。これにより、第6テーブル163は、回転リング161によって案内され、θ方向に沿って往復回動することができる。
上記の構成により、移動装置141は、補正ユニット143を、T方向及びU方向のそれぞれの方向に往復移動させたり、θ方向に往復回動させたりすることができる。
【0047】
補正ユニット143は、支持部171と、ピン173と、昇降装置175と、を有している。
支持部171は、第6テーブル163に固定されている。
ピン173は、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を補正するためのものであり、吐出ヘッド33の係合孔44に係合する。ピン173は、昇降装置175を介して支持部171に支持されている。本実施形態では、2つのピン173が設けられている。以下において、2つのピン173のそれぞれを識別するときに、2つのピン173は、それぞれ、ピン173a及びピン173bと表記される。ピン173a及びピン173bは、平面視で、ベースプレート131の外側に位置している。ピン173a及びピン173bは、それぞれ、先端がユニット搬送装置103側に向けられている。
【0048】
昇降装置175は、支持部171に支持されている。ピン173a及びピン173bは、昇降装置175に保持されている。昇降装置175は、ピン173a及びピン173bを昇降させることができる。昇降装置175としては、例えば、スライダー機構とエアーシリンダーとを組み合わせた装置などが採用され得る。この場合、エアーシリンダーからスライダー機構に伝達される動力によって、ピン173a及びピン173bが昇降する。
なお、ピン173a及びピン173bが昇降装置175によって降下した状態において、ピン173a及びピン173bのそれぞれの先端は、第3テーブル123に当接し得る。このため、第3テーブル123にヘッドプレート31が載置された状態で、ピン173a及びピン173bのそれぞれの先端は、ヘッドプレート31に当接し得る。
【0049】
上記の構成を有する組立装置100では、ヘッドプレート31に吐出ヘッド33を仮固定したユニット(以下、仮固定ユニットと呼ぶ)が第3テーブル123に載置される。第3テーブル123に載置された仮固定ユニットにおいて、カメラ137による画像認識に基づいて、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置が把握される。そして、ピン173を吐出ヘッド33の係合孔44に係合させた状態で、補正ユニット143をT方向及びU方向のそれぞれの方向に移動させたり、θ方向に回動させたりすることによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置が補正(アライメント)され得る。
【0050】
組立装置100では、吐出ヘッド33のアライメントに際して、ティーチングが実施される。ティーチングとは、組立装置100において、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を認識させることである。
本実施形態では、ヘッドユニット13の組立てごとに、ヘッドユニット13を組立てる前にティーチングが実施される。これにより、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置精度において、組立装置100に由来する誤差を軽減することができる。
組立装置100に由来する誤差としては、例えば、組立装置100の種々の構成の熱膨張や、ひずみ、磨耗などの発生が挙げられる。また、組立装置100が置かれている環境の温度や湿度などの変化も誤差の要因となり得る。
ヘッドユニット13を組立てる前にティーチングを実施することによって、組立装置100に由来する誤差を軽減することができる。
【0051】
本実施形態では、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置が示される原版に基づいて、ティーチングが実施される。第3テーブル123に載置された原版を認識装置133で画像として捉えることによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置がティーチングされる。原版181には、図9に示すように、ヘッドプレート31の2つの基準マーク41に対応する2つの基準マーク183と、各吐出ヘッド33の2つの基準ノズル42に対応する基準マーク185と、が示される。
以下において、2つの基準マーク183のそれぞれを識別するときに、2つの基準マーク183は、それぞれ、基準マーク183a及び基準マーク183bと表記される。このとき、基準マーク183aが基準マーク41aに対応し、基準マーク183bが基準マーク41bに対応する。
また、基準ノズル42aに対応する基準マーク185は、基準マーク185aと表記される。同様に、基準ノズル42bに対応する基準マーク185は、基準マーク185bと表記される。
【0052】
原版181としては、一般的に、ガラス基板に各マークを記したガラスマスクなどが採用され得る。本実施形態では、原版181として、液晶パネルが採用されている。液晶パネルが採用された原版181は、図9中のC部の拡大図である図10に示すように、複数の表示画素182を有している。なお、図10では、構成をわかりやすく示すため、表示画素182が誇張されている。
原版181において、複数の表示画素182は、平面視で、マトリクス状に配列している。このため、例えば、異なる機種のヘッドユニット13間で共通の原版181を適用することができる。つまり、ヘッドユニット13の機種に応じて表示させる表示画素182を変化させれば、1つの原版181でティーチングすることができる。この結果、ティーチングにかかる原版181の種類を軽減することができるので、コスト低減に寄与する。
【0053】
なお、異なる機種のヘッドユニット13としては、吐出ヘッド33の数量や位置、種類などが異なったり、ヘッドプレート31の大きさや基準マーク41の位置などが異なったりすることが考えられる。本実施形態における原版181では、ヘッドユニット13の機種に応じて表示させる表示画素182を変化させることによって、基準マーク183や基準マーク185の数量や位置を変化させることができる。これにより、異なる機種のヘッドユニット13間で共通の原版181を適用することができる。
原版181として採用され得る液晶パネルの表示形式は、透過型や、反射型、半透過反射型などの種々の形式が採用され得る。また、表示モードとしては、ノーマリーホワイト及びノーマリーブラックのいずれも採用され得る。
【0054】
組立装置100は、図11に示すように、上記の各構成の動作を制御する制御部201を有している。制御部201は、CPU(Central Processing Unit)203と、駆動制御部205と、メモリー部207と、を有している。駆動制御部205及びメモリー部207は、バス209を介してCPU203に接続されている。
また、組立装置100は、第1モーター211と、第2モーター213と、第3モーター215と、第4モーター217と、第5モーター219と、第6モーター221と、入力装置223と、表示装置225と、を有している。
第1モーター211、第2モーター213及び第3モーター215は、それぞれ、入出力インターフェース227とバス209とを介して制御部201に接続されている。第4モーター217、第5モーター219及び第6モーター221も、それぞれ、入出力インターフェース227とバス209とを介して制御部201に接続されている。また、入力装置223及び表示装置225も、それぞれ、入出力インターフェース227とバス209とを介して制御部201に接続されている。
【0055】
第1モーター211は、第1テーブル113を駆動するための動力を発生させる。第2モーター213は、第2テーブル119を駆動するための動力を発生させる。第3モーター215は、第3テーブル123を駆動するための動力を発生させる。
第4モーター217は、第4テーブル153を駆動するための動力を発生させる。第5モーター219は、第5テーブル159を駆動するための動力を発生させる。第6モーター221は、第6テーブル163を駆動するための動力を発生させる。
入力装置223は、各種の設定条件を入力する装置である。表示装置225は、設定条件や、作業状況を表示する装置である。組立装置100を操作するオペレーターは、表示装置225に表示される情報を確認しながら、入力装置223を介して種々の情報を入力することができる。
なお、カメラ137、昇降装置175及び原版181も、それぞれ、入出力インターフェース227とバス209とを介して制御部201に接続されている。
【0056】
CPU203は、プロセッサーとして各種の演算処理を行う。駆動制御部205は、各構成の駆動を制御する。メモリー部207は、RAM(Random Access Memory)や、ROM(Read Only Memory)などを含んでいる。メモリー部207には、組立装置100における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト229を記憶する領域や、各種のデータを一時的に展開する領域であるデータ展開部231などが設定されている。データ展開部231に展開されるデータとしては、例えば、ヘッドユニット13の機種ごとにヘッドプレート31の位置に対する吐出ヘッド33の位置が示される機種データや、組立処理等のプログラムデータなどが挙げられる。
駆動制御部205は、モーター制御部241と、撮像制御部243と、昇降制御部245と、原版制御部247と、表示制御部249と、を有している。
【0057】
モーター制御部241は、CPU203からの指令に基づいて、第1モーター211、第2モーター213、第3モーター215、第4モーター217、第5モーター219及び第6モーター221のそれぞれの駆動を個別に制御する。
撮像制御部243は、CPU203からの指令に基づいて、カメラ137での撮像を制御する。
昇降制御部245は、CPU203からの指令に基づいて、昇降装置175の昇降駆動を制御する。
原版制御部247は、CPU203からの指令に基づいて、原版181の表示駆動を制御する。このとき、原版制御部247は、上記の機種データに基づいて、対応する機種に適合する表示パターンを原版181に表示させる。
表示制御部249は、CPU203からの指令に基づいて、表示装置225の駆動を制御する。
【0058】
ここで、ヘッドユニット13の組立て方法について説明する。
ヘッドユニット13の組立て方法は、図12に示すように、ティーチング工程S1と、組立工程S2と、を含む。また、組立工程S2は、アライメント工程S201と、接着工程S202と、を含む。アライメント工程S201は、吐出ヘッド33ごとに実施される。そして、アライメント工程S201及び接着工程S202は、1つのヘッドユニット13に組み込まれる吐出ヘッド33の数量と同等の回数だけ実施される。
【0059】
ティーチング工程S1では、まず、第3テーブル123にセットされた原版181に表示された基準マーク183a及び基準マーク183bのそれぞれを、カメラ137で撮像する。カメラ137で基準マーク183a及び基準マーク183bのそれぞれを捉えるときには、ユニット搬送装置103が駆動される。つまり、第1テーブル113、第2テーブル119及び第3テーブル123のそれぞれを駆動することによって、カメラ137の視野内に基準マーク183a及び基準マーク183bのそれぞれが捉えられる。
【0060】
次いで、原版181に表示された基準マーク185a及び基準マーク185bのそれぞれをカメラ137で撮像する。基準マーク185a及び基準マーク185bの撮像は、ヘッドユニット13として組み込まれる吐出ヘッド33の数量と同等の回数だけ実施される。このとき、カメラ137で基準マーク185a及び基準マーク185bのそれぞれを捉えるときに、ユニット搬送装置103が駆動される。
このようなティーチング工程S1によって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置が把握される。
【0061】
組立工程S2では、原版181に替えて仮固定ユニットを第3テーブル123にセットする。
そして、アライメント工程S201において、まず、ヘッドプレート31の基準マーク41a及び基準マーク41bのそれぞれをカメラ137で撮像する。このとき、カメラ137で基準マーク41a及び基準マーク41bのそれぞれを捉えるときに、ユニット搬送装置103が駆動される。
次いで、吐出ヘッド33の基準ノズル42a及び基準ノズル42bのそれぞれをカメラ137で撮像する。
次いで、基準ノズル42a及び基準ノズル42bを撮像した結果に基づいて、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置のずれ量を演算する。
【0062】
演算した結果に基づいて、ずれ量が許容範囲内であるときには、アライメント工程S201を終了してから接着工程S202に移行する。
他方で、演算した結果に基づいて、ずれ量が許容範囲外であるときには、吐出ヘッド33の位置を補正(アライメント)する。
吐出ヘッド33のアライメントでは、まず、昇降装置175を駆動してピン173a及びピン173bを降下させることによって、ピン173a及びピン173bのそれぞれを係合孔44a及び係合孔44bのそれぞれに係合させる。
次いで、移動装置141を駆動することによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を補正する。このとき、第4テーブル153、第5テーブル159及び第6テーブル163のそれぞれを駆動することによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を変化させる。
【0063】
次いで、位置を補正した後の吐出ヘッド33の基準ノズル42a及び基準ノズル42bのそれぞれをカメラ137で撮像する。
次いで、基準ノズル42a及び基準ノズル42bを撮像した結果に基づいて、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置のずれ量を演算する。
そして、演算した結果に基づいて、ずれ量が許容範囲内であるときには、アライメント工程S201を終了してから接着工程S202に移行する。
接着工程S202では、ヘッドプレート31と吐出ヘッド33のベース部43との間に接着剤を塗布することによって、吐出ヘッド33をヘッドプレート31に接着する。
上記の方法により、ヘッドユニット13が組み立てられる。
【0064】
本実施形態において、組立装置100がアライメント装置に対応し、カメラ137が撮像装置に対応し、吐出ヘッド33が対象物に対応し、基準ノズル42が基準マークに対応し、原版181が液晶装置としての発光装置に対応している。
本実施形態では、液晶パネルが採用された原版181をヘッドユニット13の機種に応じた表示パターンに駆動し、表示パターンを撮像した結果に基づいて、吐出ヘッド33をアライメントすることができる。本実施形態によれば、ヘッドユニット13の種類に応じて原版181の表示パターンを変化させることができる。このため、例えば、ヘッドユニット13ごとに異なるマスクパターンを用意する必要性を解消しやすくすることができる。この結果、ティーチングにかかる原版181の種類を軽減することができるので、コストを低減しやすくすることができる。
【0065】
本実施形態では、ヘッドユニット13が2つの吐出ヘッド33を有する場合が例示されている。しかしながら、吐出ヘッド33の個数は、2つに限定されず、1つ以上の任意の個数が採用され得る。
また、本実施形態では、認識装置133が1つのカメラ137を有する場合が例示されている。しかしながら、カメラ137の個数は、1つに限定されず、2つ以上の任意の個数も採用され得る。例えば、2つのカメラ137を有する認識装置133とすれば、2つのカメラ137の一方で基準ノズル42aを捉え、他方のカメラ137で基準ノズル42bを捉えることができるため、効率的である。
また、本実施形態では、原版181として、液晶パネルが採用されている。しかしながら、原版181は、液晶パネルに限定されず、例えば、有機EL装置や、プラズマ表示パネルなどの種々の表示パネルも採用され得る。
【符号の説明】
【0066】
1…液滴吐出装置、13…ヘッドユニット、31…ヘッドプレート、33…吐出ヘッド、33a,33b…吐出ヘッド、35…ノズル面、37…ノズル、41…基準マーク、41a,41b…基準マーク、42…基準ノズル、42a,42b…基準ノズル、43…ベース部、44…係合孔、44a,44b…係合孔、100…組立装置、103…ユニット搬送装置、105…アライメント装置、133…認識装置、135…補正装置、137…カメラ、141…移動装置、143…補正ユニット、173…ピン、173a,173b…ピン、175…昇降装置、181…原版、182…表示画素、183…基準マーク、183a,183b…基準マーク、185…基準マーク、185a,185b…基準マーク、201…制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アライメント装置及びアライメント方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液状体を液滴として吐出することができる吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置において、複数の吐出ヘッドをサブキャリッジに搭載した構成が知られている。そして、複数の吐出ヘッドをサブキャリッジとして組み立てるサブキャリッジ組立機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、サブキャリッジ組立機において、アライメントマスクを吐出ヘッドの位置の原型(原版)とし、この原型に基づいて吐出ヘッドの位置決め(アライメント)を行うことが記載されている。これにより、サブキャリッジにおける複数の吐出ヘッドのそれぞれの組立精度を高く保つことができる。
しかしながら、アライメントマスクを用いたアライメント方法では、サブキャリッジの機種ごとや、吐出ヘッドの機種ごとにアライメントマスクが必要となる。このため、従来、アライメントにかかるコストを低減することが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0006】
[適用例1]アライメント対象である対象物の基準マークを撮像する撮像装置と、前記撮像装置が前記基準マークを撮像した結果に基づいて、前記対象物の位置を把握する制御部と、を有し、前記制御部は、複数の発光領域を有する発光装置の前記複数の発光領域の少なくとも一部を、前記対象物の種類に応じて発光させたときの発光パターンを、前記撮像装置で撮像した結果に基づいて、前記対象物の位置の補正量を演算する、ことを特徴とするアライメント装置。
【0007】
この適用例のアライメント装置は、撮像装置と、制御部と、を有する。
撮像装置は、アライメント対象である対象物の基準マークを撮像する。
制御部は、撮像装置が基準マークを撮像した結果に基づいて、対象物の位置を把握する。
このアライメント装置では、制御部は、撮像装置で発光パターンを撮像した結果に基づいて、対象物の位置の補正量を演算する。発光パターンは、発光装置の複数の発光領域の少なくとも一部を、対象物の種類に応じて発光させたときのパターンである。発光装置では、対象物の種類に応じて発光パターンを変化させることができる。
このため、このアライメント装置では、例えば、対象物の種類ごとに異なるマスクパターンを用意する必要性を解消しやすくすることができる。
【0008】
[適用例2]上記のアライメント装置であって、前記複数の発光領域は、平面視で、マトリクス状に配列している、ことを特徴とするアライメント装置。
【0009】
この適用例では、複数の発光領域がマトリクス状に配列しているので、種々の発光パターンを形成しやすくすることができる。
【0010】
[適用例3]上記のアライメント装置であって、前記発光装置は、液晶装置で構成されている、ことを特徴とするアライメント装置。
【0011】
この適用例では、発光装置が液晶装置で構成されているので、複数の発光領域を選択的に発光させることができる。
【0012】
[適用例4]複数の発光領域を有する発光装置の前記複数の発光領域の少なくとも一部を、アライメント対象である対象物の種類に応じた発光パターンで選択的に発光させ、前記発光パターンを撮像した結果に基づいて、前記対象物をアライメントする、ことを特徴とするアライメント方法。
【0013】
この適用例のアライメント方法では、発光装置を対象物の種類に応じた発光パターンで発光させ、発光パターンを撮像した結果に基づいて、対象物をアライメントする。このアライメント方法によれば、対象物の種類に応じて発光装置の発光パターンを変化させることができる。このため、例えば、種類ごとに異なるマスクパターンを用意する必要性を解消しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態における液滴吐出装置の概略の構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態におけるキャリッジを図1中のA視方向に見たときの正面図。
【図3】本実施形態におけるヘッドユニットの底面図。
【図4】図2中のB−B線における断面図。
【図5】本実施形態における組立装置の概略の構成を示す斜視図。
【図6】本実施形態におけるユニット搬送装置の概略の構成を示す斜視図。
【図7】本実施形態におけるアライメント装置の概略の構成を示す斜視図。
【図8】本実施形態における移動装置の概略の構成を示す斜視図。
【図9】本実施形態における原版を示す平面図。
【図10】図9中のC部の拡大図。
【図11】本実施形態における組立装置の概略の構成を示すブロック図。
【図12】本実施形態におけるヘッドユニットの組立て方法の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照しながら、記録装置の1つである液滴吐出装置を例に、実施形態について説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
【0016】
実施形態における液滴吐出装置1は、概略の構成を示す斜視図である図1に示すように、ワーク搬送装置3と、キャリッジ7と、キャリッジ搬送装置9と、を有している。
キャリッジ7には、ヘッドユニット13が設けられている。
液滴吐出装置1では、ヘッドユニット13と基板などのワークWとの平面視での相対位置を変化させつつ、ヘッドユニット13から液状体を液滴として吐出させることによって、ワークWに液状体で所望のパターンを描画することができる。なお、図中のY方向はワークWの移動方向を示し、X方向は平面視でY方向とは直交する方向を示している。また、X方向及びY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
【0017】
このような液滴吐出装置1は、例えば、液晶表示パネル等に用いられるカラーフィルターの製造や、有機EL(Electro Luminescence)装置の製造などに適用され得る。
赤、緑及び青の3色のフィルターエレメントを有するカラーフィルターの場合、液滴吐出装置1は、例えば、基板に赤、緑及び青の各着色層を形成する工程で好適に使用され得る。この場合、ヘッドユニット13から各着色層に対応する各液状体を、ワークWに液滴として吐出させることによって、ワークWに赤、緑及び青のそれぞれのフィルターエレメントのパターンが描画される。
また、有機EL装置の製造では、例えば、赤、緑及び青の画素ごとに、各色に対応する機能層(有機層)を形成する工程で好適に使用され得る。この場合、ヘッドユニット13から各色の機能層に対応する各液状体を、ワークWに液滴として吐出させることによって、ワークWに赤、緑及び青のそれぞれの機能層のパターンが描画される。
【0018】
ここで、液滴吐出装置1の各構成について、詳細を説明する。
ワーク搬送装置3は、図1に示すように、定盤21と、ガイドレール23aと、ガイドレール23bと、ワークテーブル25と、を有している。
定盤21は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されており、Y方向に沿って延びるように据えられている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、定盤21の上面21a上に配設されている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、それぞれ、Y方向に沿って延在している。ガイドレール23aとガイドレール23bとは、互いにX方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
【0019】
ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bを挟んで定盤21の上面21aに対向した状態で設けられている。ワークテーブル25は、定盤21から浮いた状態でガイドレール23a及びガイドレール23b上に載置されている。ワークテーブル25は、ワークWが載置される面である載置面25aを有している。載置面25aは、定盤21側とは反対側(上側)に向けられている。ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bによってY方向に沿って案内され、定盤21上をY方向に沿って往復移動可能に構成されている。
ワークテーブル25は、図示しない移動機構及び動力源によって、Y方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、本実施形態では、ワークテーブル25をY方向に沿って移動させるための動力源として、図示しないワーク搬送モーターが採用されている。ワーク搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
ワーク搬送モーターからの動力は、移動機構を介してワークテーブル25に伝達される。これにより、ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bに沿って、すなわちY方向に沿って往復移動することができる。つまり、ワーク搬送装置3は、ワークテーブル25の載置面25aに載置されたワークWを、Y方向に沿って往復移動させることができる。
【0020】
ヘッドユニット13は、キャリッジ7を図1中のA視方向に見たときの正面図である図2に示すように、ヘッドプレート31と、2個の吐出ヘッド33と、を有している。2個の吐出ヘッド33は、X方向に並んでいる。なお、吐出ヘッド33の個数は、2個に限定されず、1個以上の任意の個数が採用され得る。また、以下においては、2つの吐出ヘッド33のそれぞれを識別する場合に、吐出ヘッド33a及び吐出ヘッド33bという表記が用いられる。
吐出ヘッド33は、底面図である図3に示すように、ノズル面35を有している。ノズル面35には、複数のノズル37が形成されている。なお、図3では、ノズル37をわかりやすく示すため、ノズル37が誇張され、且つノズル37の個数が減じられている。
【0021】
各吐出ヘッド33において、複数のノズル37は、Y方向に沿って配列する2本のノズル列39を構成している。2本のノズル列39は、X方向に互いに隙間をあけた状態で並んでいる。各ノズル列39において、複数のノズル37は、Y方向に沿って所定のノズル間隔Pで形成されている。各吐出ヘッド33において、2本のノズル列39は、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。
ヘッドユニット13では、2個の吐出ヘッド33のうちの一方におけるノズル列39と、他方の吐出ヘッド33におけるノズル列39とが、互いにY方向にP/4の距離だけずれている。これにより、本実施形態では、Y方向におけるノズル37の密度が高められている。
【0022】
各吐出ヘッド33は、ヘッドプレート31に接着されている。本実施形態では、ヘッドプレート31に設けられている基準マーク41に対する各吐出ヘッド33の位置が、許容範囲内に補正(アライメント)された上で、各吐出ヘッド33がヘッドプレート31に接着されている。これにより、ヘッドプレート31に対する各吐出ヘッド33の位置精度が、高められている。
本実施形態では、2つの基準マーク41がヘッドプレート31に設けられている。以下において、2つの基準マーク41のそれぞれを識別するときに、2つの基準マーク41は、それぞれ、基準マーク41a及び基準マーク41bと表記される。
【0023】
他方で、各吐出ヘッド33には、複数のノズル37のうちの一部が基準ノズル42として設定されている。そして、本実施形態では、各吐出ヘッド33の位置は、2つの基準マーク41に対する基準ノズル42の位置として規定される。
本実施形態では、各吐出ヘッド33において、2つの基準ノズル42が設定されている。以下において、2つの基準ノズル42のそれぞれを識別するときに、2つの基準ノズル42は、それぞれ、基準ノズル42a及び基準ノズル42bと表記される。
また、各吐出ヘッド33は、ベース部43を有している。各吐出ヘッド33は、ベース部43を介してヘッドプレート31に接着されている。ベース部43には、係合孔44が設けられている。
【0024】
本実施形態では、1つの吐出ヘッド33に2つの係合孔44が設けられている。以下において、2つの係合孔44のそれぞれを識別するときに、2つの係合孔44は、それぞれ、係合孔44a及び係合孔44bと表記される。2つの係合孔44には、それぞれ、後述する位置補正用のピンが係合する。
本実施形態では、2つの係合孔44のそれぞれにピンを係合させた状態でピンを変位させることによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を補正する方法が採用されている。吐出ヘッド33の位置の補正方法については、詳細を後述する。
【0025】
吐出ヘッド33は、図2中のB−B線における断面図である図4に示すように、ノズルプレート46と、キャビティープレート47と、振動板48と、複数の圧電素子49と、を有している。
ノズルプレート46は、ノズル面35を有している。複数のノズル37は、ノズルプレート46に設けられている。
キャビティープレート47は、ノズルプレート46のノズル面35とは反対側の面に設けられている。キャビティープレート47には、複数のキャビティー51が形成されている。各キャビティー51は、各ノズル37に対応して設けられており、対応する各ノズル37に連通している。各キャビティー51には、図示しないタンクから機能液53(液状体)が供給される。
【0026】
振動板48は、キャビティープレート47のノズルプレート46側とは反対側の面に設けられている。振動板48は、Z方向に振動(縦振動)することによって、キャビティー51内の容積を拡大したり、縮小したりする。
複数の圧電素子49は、それぞれ、振動板48のキャビティープレート47側とは反対側の面に設けられている。各圧電素子49は、各キャビティー51に対応して設けられており、振動板48を挟んで各キャビティー51に対向している。各圧電素子49は、駆動信号に基づいて、伸張する。これにより、振動板48がキャビティー51内の容積を縮小する。このとき、キャビティー51内の機能液53に圧力が付与される。その結果、ノズル37から、機能液53が液滴55として吐出される。吐出ヘッド33による液滴55の吐出法は、インクジェット法の1つである。インクジェット法は、塗布法の1つである。
【0027】
上記の構成を有する吐出ヘッド33は、図2に示すように、ノズル面35がヘッドプレート31から突出した状態で、ヘッドプレート31に支持されている。
キャリッジ7は、図2に示すように、ヘッドユニット13を支持している。ここで、ヘッドユニット13は、ノズル面35がZ方向の下方に向けられた状態でキャリッジ7に支持されている。
上記により、ワークWには、吐出ヘッド33から機能液53が塗布され得る。
なお、本実施形態では、縦振動型の圧電素子49が採用されているが、機能液53に圧力を付与するための加圧手段は、これに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子も採用され得る。また、加圧手段としては、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなども採用され得る。さらに、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液に圧力を付与する構成も採用され得る。
【0028】
キャリッジ搬送装置9は、図1に示すように、架台61と、ガイドレール63と、を有している。
架台61は、X方向に延在しており、ワーク搬送装置3をX方向にまたいでいる。架台61は、ワークテーブル25の定盤21側とは反対側で、ワーク搬送装置3に対向している。架台61は、一対の支柱67によって支持されている。一対の支柱67は、定盤21を挟んでX方向に互いに対峙する位置に設けられている。
なお、以下においては、一対の支柱67のそれぞれを識別する場合に、支柱67a及び支柱67bという表記が用いられる。支柱67a及び支柱67bは、それぞれ、ワークテーブル25よりもZ方向の上方に突出している。これにより、架台61とワークテーブル25との間には、隙間が保たれている。
【0029】
ガイドレール63は、架台61の定盤21側に設けられている。ガイドレール63は、X方向に沿って延在しており、架台61のX方向における幅にわたって設けられている。
前述したキャリッジ7は、ガイドレール63に支持されている。キャリッジ7がガイドレール63に支持された状態において、吐出ヘッド33のノズル面35は、Z方向においてワークテーブル25側に向いている。キャリッジ7は、ガイドレール63によってX方向に沿って案内され、X方向に往復動可能な状態でガイドレール63に支持されている。なお、平面視で、キャリッジ7がワークテーブル25に重なっている状態において、ノズル面35とワークテーブル25の載置面25aとは、互いに隙間を保った状態で対向する。
【0030】
キャリッジ7は、図示しない移動機構及び動力源によって、X方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、本実施形態では、キャリッジ7をX方向に沿って移動させるための動力源として、図示しないキャリッジ搬送モーターが採用されている。キャリッジ搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
キャリッジ搬送モーターからの動力は、移動機構を介してキャリッジ7に伝達される。これにより、キャリッジ7は、ガイドレール63に沿って、すなわちX方向に沿って往復移動することができる。つまり、キャリッジ搬送装置9は、キャリッジ7に支持されたヘッドユニット13を、X方向に沿って往復移動させることができる。
上記の構成を有する液滴吐出装置1では、吐出ヘッド33をワークWに対向させた状態で、吐出ヘッド33とワークWとを相対的に往復移動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を吐出させることによって、ワークWへのパターンの描画が行われる。
【0031】
ここで、ヘッドユニット13の組立てについて説明する。
本実施形態では、ヘッドユニット13は、組立装置100によって組立てられる。
組立装置100は、図5に示すように、定盤101と、ユニット搬送装置103と、アライメント装置105と、を有している。
定盤101は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されている。
ユニット搬送装置103は、図6に示すように、ガイドレール111aと、ガイドレール111bと、第1テーブル113と、ガイドレール117aと、ガイドレール117bと、第2テーブル119と、回転リング121と、第3テーブル123と、を有している。また、ユニット搬送装置103は、後述する第1モーター(図示せず)と、第2モーターと、第3モーターと、を有している。
【0032】
ガイドレール111a及びガイドレール111bは、定盤101の上面101a上に配設されている。ガイドレール111a及びガイドレール111bは、それぞれ、T方向に沿って延在している。ガイドレール111aとガイドレール111bとは、互いにU方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
なお、T方向は、ガイドレール111a及びガイドレール111bが延在する方向である。U方向は、平面視でT方向とは直交する方向である。また、T方向及びU方向によって規定されるTU平面と直交する方向は、V方向として規定される。そして、V方向に沿って延びる軸を中心に回転する方向は、θ方向として規定される。
【0033】
第1テーブル113は、ガイドレール111a及びガイドレール111bを挟んで定盤101の上面101aに対向した状態で設けられている。第1テーブル113は、定盤101から浮いた状態でガイドレール111a及びガイドレール111b上に載置されている。第1テーブル113は、ガイドレール111a及びガイドレール111bによってT方向に沿って案内され、定盤101上をT方向に沿って往復移動可能に構成されている。
第1テーブル113は、図示しない移動機構及び第1モーターによって、T方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第1モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第1モーターからの動力は、移動機構を介して第1テーブル113に伝達される。これにより、第1テーブル113は、ガイドレール111a及びガイドレール111bに沿って、すなわちT方向に沿って往復移動することができる。
【0034】
ガイドレール117a及びガイドレール117bは、第1テーブル113の上面113a上に配設されている。ガイドレール117a及びガイドレール117bは、それぞれ、U方向に沿って延在している。ガイドレール117aとガイドレール117bとは、互いにT方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
第2テーブル119は、ガイドレール117a及びガイドレール117bを挟んで第1テーブル113の上面113aに対向した状態で設けられている。第2テーブル119は、第1テーブル113から浮いた状態でガイドレール117a及びガイドレール117b上に載置されている。第2テーブル119は、ガイドレール117a及びガイドレール117bによってU方向に沿って案内され、第1テーブル113上をU方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0035】
第2テーブル119は、図示しない移動機構及び第2モーターによって、U方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第2モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第2モーターからの動力は、移動機構を介して第2テーブル119に伝達される。これにより、第2テーブル119は、ガイドレール117a及びガイドレール117bに沿って、すなわちU方向に沿って往復移動することができる。
【0036】
回転リング121は、第2テーブル119の上面119a上に配設されている。
第3テーブル123は、回転リング121を挟んで第2テーブル119の上面119aに対向した状態で設けられている。第3テーブル123は、第2テーブル119から浮いた状態で回転リング121上に載置されている。第3テーブル123は、回転リング121によってθ方向に沿って案内され、第2テーブル119上をθ方向に沿って往復回動可能に構成されている。
第3テーブル123は、ヘッドプレート31が載置される面である載置面123aを有している。載置面123aは、第2テーブル119側とは反対側(上側)に向けられている。
【0037】
第3テーブル123は、図示しない回動機構及び第3モーターによって、θ方向に往復回動可能に構成されている。回動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第3モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第3モーターからの動力は、回動機構を介して第3テーブル123に伝達される。これにより、第3テーブル123は、回転リング121によって案内され、θ方向に沿って往復回動することができる。
上記の構成により、ユニット搬送装置103は、第3テーブル123に載置されたヘッドプレート31を、T方向及びU方向のそれぞれの方向に往復移動させることができる。また、ユニット搬送装置103は、第3テーブル123に載置されたヘッドプレート31を、θ方向に往復回動させることもできる。
【0038】
アライメント装置105は、図7に示すように、ベースプレート131と、認識装置133と、補正装置135と、を有している。
ベースプレート131は、図5に示すように、ユニット搬送装置103の定盤101側とは反対側に設けられている。定盤101とベースプレート131との間には、隙間が保たれている。ユニット搬送装置103は、定盤101とベースプレート131との間に介在している。ベースプレート131は、平面視で、ユニット搬送装置103に重なる位置に設けられている。
認識装置133と、補正装置135とは、図7に示すように、それぞれ、ベースプレート131上に設けられている。
【0039】
認識装置133は、カメラ137と、支持部139と、を有している。カメラ137は、支持部139を介してベースプレート131に支持されている。カメラ137は、図5に示すように、定盤101側に向けられている。
カメラ137は、第3テーブル123の可動領域に臨んでいる。第3テーブル123の可動領域は、第1テーブル113及び第2テーブル119のそれぞれを往復移動させたときに第3テーブル123によって描かれる軌跡の領域である。
カメラ137が第3テーブル123の可動領域に臨んでいるので、カメラ137は、第3テーブル123に載置されるワークを画像として捉えることができる。
なお、カメラ137としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を利用したカメラが採用され得る。
【0040】
補正装置135は、図7に示すように、移動装置141と、補正ユニット143と、を有している。補正ユニット143は、移動装置141上に設けられている。移動装置141は、補正ユニット143をT方向及びU方向のそれぞれの方向に往復移動させることができる。また、移動装置141は、補正ユニット143を、θ方向に往復回動させることもできる。
移動装置141は、図8に示すように、ガイドレール151aと、ガイドレール151bと、第4テーブル153と、ガイドレール157aと、ガイドレール157bと、第5テーブル159と、回転リング161と、第6テーブル163と、を有している。また、移動装置141は、後述する第4モーター(図示せず)と、第5モーターと、第6モーターと、を有している。
【0041】
ガイドレール151a及びガイドレール151bは、ベースプレート131の上面131a上に配設されている。ガイドレール151a及びガイドレール151bは、それぞれ、T方向に沿って延在している。ガイドレール151aとガイドレール151bとは、互いにU方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
【0042】
第4テーブル153は、ガイドレール151a及びガイドレール151bを挟んでベースプレート131の上面131aに対向した状態で設けられている。第4テーブル153は、ベースプレート131から浮いた状態でガイドレール151a及びガイドレール151b上に載置されている。第4テーブル153は、ガイドレール151a及びガイドレール151bによってT方向に沿って案内され、ベースプレート131上をT方向に沿って往復移動可能に構成されている。
第4テーブル153は、図示しない移動機構及び第4モーターによって、T方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第4モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第4モーターからの動力は、移動機構を介して第4テーブル153に伝達される。これにより、第4テーブル153は、ガイドレール151a及びガイドレール151bに沿って、すなわちT方向に沿って往復移動することができる。
【0043】
ガイドレール157a及びガイドレール157bは、第4テーブル153の上面153a上に配設されている。ガイドレール157a及びガイドレール157bは、それぞれ、U方向に沿って延在している。ガイドレール157aとガイドレール157bとは、互いにT方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
第5テーブル159は、ガイドレール157a及びガイドレール157bを挟んで第4テーブル153の上面153aに対向した状態で設けられている。第5テーブル159は、第4テーブル153から浮いた状態でガイドレール157a及びガイドレール157b上に載置されている。第5テーブル159は、ガイドレール157a及びガイドレール157bによってU方向に沿って案内され、第4テーブル153上をU方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0044】
第5テーブル159は、図示しない移動機構及び第5モーターによって、U方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第5モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第5モーターからの動力は、移動機構を介して第5テーブル159に伝達される。これにより、第5テーブル159は、ガイドレール157a及びガイドレール157bに沿って、すなわちU方向に沿って往復移動することができる。
【0045】
回転リング161は、第5テーブル159の上面159a上に配設されている。
第6テーブル163は、回転リング161を挟んで第5テーブル159の上面159aに対向した状態で設けられている。第6テーブル163は、第5テーブル159から浮いた状態で回転リング161上に載置されている。第6テーブル163は、回転リング161によってθ方向に沿って案内され、第5テーブル159上をθ方向に沿って往復回動可能に構成されている。
第6テーブル163は、補正ユニット143が配設される面である配設面163aを有している。配設面163aは、第5テーブル159側とは反対側(上側)に向けられている。
【0046】
第6テーブル163は、図示しない回動機構及び第6モーターによって、θ方向に往復回動可能に構成されている。回動機構としては、例えば、ボールねじやリニアガイドなどを利用した機構が採用され得る。また、第6モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
第6モーターからの動力は、回動機構を介して第6テーブル163に伝達される。これにより、第6テーブル163は、回転リング161によって案内され、θ方向に沿って往復回動することができる。
上記の構成により、移動装置141は、補正ユニット143を、T方向及びU方向のそれぞれの方向に往復移動させたり、θ方向に往復回動させたりすることができる。
【0047】
補正ユニット143は、支持部171と、ピン173と、昇降装置175と、を有している。
支持部171は、第6テーブル163に固定されている。
ピン173は、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を補正するためのものであり、吐出ヘッド33の係合孔44に係合する。ピン173は、昇降装置175を介して支持部171に支持されている。本実施形態では、2つのピン173が設けられている。以下において、2つのピン173のそれぞれを識別するときに、2つのピン173は、それぞれ、ピン173a及びピン173bと表記される。ピン173a及びピン173bは、平面視で、ベースプレート131の外側に位置している。ピン173a及びピン173bは、それぞれ、先端がユニット搬送装置103側に向けられている。
【0048】
昇降装置175は、支持部171に支持されている。ピン173a及びピン173bは、昇降装置175に保持されている。昇降装置175は、ピン173a及びピン173bを昇降させることができる。昇降装置175としては、例えば、スライダー機構とエアーシリンダーとを組み合わせた装置などが採用され得る。この場合、エアーシリンダーからスライダー機構に伝達される動力によって、ピン173a及びピン173bが昇降する。
なお、ピン173a及びピン173bが昇降装置175によって降下した状態において、ピン173a及びピン173bのそれぞれの先端は、第3テーブル123に当接し得る。このため、第3テーブル123にヘッドプレート31が載置された状態で、ピン173a及びピン173bのそれぞれの先端は、ヘッドプレート31に当接し得る。
【0049】
上記の構成を有する組立装置100では、ヘッドプレート31に吐出ヘッド33を仮固定したユニット(以下、仮固定ユニットと呼ぶ)が第3テーブル123に載置される。第3テーブル123に載置された仮固定ユニットにおいて、カメラ137による画像認識に基づいて、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置が把握される。そして、ピン173を吐出ヘッド33の係合孔44に係合させた状態で、補正ユニット143をT方向及びU方向のそれぞれの方向に移動させたり、θ方向に回動させたりすることによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置が補正(アライメント)され得る。
【0050】
組立装置100では、吐出ヘッド33のアライメントに際して、ティーチングが実施される。ティーチングとは、組立装置100において、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を認識させることである。
本実施形態では、ヘッドユニット13の組立てごとに、ヘッドユニット13を組立てる前にティーチングが実施される。これにより、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置精度において、組立装置100に由来する誤差を軽減することができる。
組立装置100に由来する誤差としては、例えば、組立装置100の種々の構成の熱膨張や、ひずみ、磨耗などの発生が挙げられる。また、組立装置100が置かれている環境の温度や湿度などの変化も誤差の要因となり得る。
ヘッドユニット13を組立てる前にティーチングを実施することによって、組立装置100に由来する誤差を軽減することができる。
【0051】
本実施形態では、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置が示される原版に基づいて、ティーチングが実施される。第3テーブル123に載置された原版を認識装置133で画像として捉えることによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置がティーチングされる。原版181には、図9に示すように、ヘッドプレート31の2つの基準マーク41に対応する2つの基準マーク183と、各吐出ヘッド33の2つの基準ノズル42に対応する基準マーク185と、が示される。
以下において、2つの基準マーク183のそれぞれを識別するときに、2つの基準マーク183は、それぞれ、基準マーク183a及び基準マーク183bと表記される。このとき、基準マーク183aが基準マーク41aに対応し、基準マーク183bが基準マーク41bに対応する。
また、基準ノズル42aに対応する基準マーク185は、基準マーク185aと表記される。同様に、基準ノズル42bに対応する基準マーク185は、基準マーク185bと表記される。
【0052】
原版181としては、一般的に、ガラス基板に各マークを記したガラスマスクなどが採用され得る。本実施形態では、原版181として、液晶パネルが採用されている。液晶パネルが採用された原版181は、図9中のC部の拡大図である図10に示すように、複数の表示画素182を有している。なお、図10では、構成をわかりやすく示すため、表示画素182が誇張されている。
原版181において、複数の表示画素182は、平面視で、マトリクス状に配列している。このため、例えば、異なる機種のヘッドユニット13間で共通の原版181を適用することができる。つまり、ヘッドユニット13の機種に応じて表示させる表示画素182を変化させれば、1つの原版181でティーチングすることができる。この結果、ティーチングにかかる原版181の種類を軽減することができるので、コスト低減に寄与する。
【0053】
なお、異なる機種のヘッドユニット13としては、吐出ヘッド33の数量や位置、種類などが異なったり、ヘッドプレート31の大きさや基準マーク41の位置などが異なったりすることが考えられる。本実施形態における原版181では、ヘッドユニット13の機種に応じて表示させる表示画素182を変化させることによって、基準マーク183や基準マーク185の数量や位置を変化させることができる。これにより、異なる機種のヘッドユニット13間で共通の原版181を適用することができる。
原版181として採用され得る液晶パネルの表示形式は、透過型や、反射型、半透過反射型などの種々の形式が採用され得る。また、表示モードとしては、ノーマリーホワイト及びノーマリーブラックのいずれも採用され得る。
【0054】
組立装置100は、図11に示すように、上記の各構成の動作を制御する制御部201を有している。制御部201は、CPU(Central Processing Unit)203と、駆動制御部205と、メモリー部207と、を有している。駆動制御部205及びメモリー部207は、バス209を介してCPU203に接続されている。
また、組立装置100は、第1モーター211と、第2モーター213と、第3モーター215と、第4モーター217と、第5モーター219と、第6モーター221と、入力装置223と、表示装置225と、を有している。
第1モーター211、第2モーター213及び第3モーター215は、それぞれ、入出力インターフェース227とバス209とを介して制御部201に接続されている。第4モーター217、第5モーター219及び第6モーター221も、それぞれ、入出力インターフェース227とバス209とを介して制御部201に接続されている。また、入力装置223及び表示装置225も、それぞれ、入出力インターフェース227とバス209とを介して制御部201に接続されている。
【0055】
第1モーター211は、第1テーブル113を駆動するための動力を発生させる。第2モーター213は、第2テーブル119を駆動するための動力を発生させる。第3モーター215は、第3テーブル123を駆動するための動力を発生させる。
第4モーター217は、第4テーブル153を駆動するための動力を発生させる。第5モーター219は、第5テーブル159を駆動するための動力を発生させる。第6モーター221は、第6テーブル163を駆動するための動力を発生させる。
入力装置223は、各種の設定条件を入力する装置である。表示装置225は、設定条件や、作業状況を表示する装置である。組立装置100を操作するオペレーターは、表示装置225に表示される情報を確認しながら、入力装置223を介して種々の情報を入力することができる。
なお、カメラ137、昇降装置175及び原版181も、それぞれ、入出力インターフェース227とバス209とを介して制御部201に接続されている。
【0056】
CPU203は、プロセッサーとして各種の演算処理を行う。駆動制御部205は、各構成の駆動を制御する。メモリー部207は、RAM(Random Access Memory)や、ROM(Read Only Memory)などを含んでいる。メモリー部207には、組立装置100における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト229を記憶する領域や、各種のデータを一時的に展開する領域であるデータ展開部231などが設定されている。データ展開部231に展開されるデータとしては、例えば、ヘッドユニット13の機種ごとにヘッドプレート31の位置に対する吐出ヘッド33の位置が示される機種データや、組立処理等のプログラムデータなどが挙げられる。
駆動制御部205は、モーター制御部241と、撮像制御部243と、昇降制御部245と、原版制御部247と、表示制御部249と、を有している。
【0057】
モーター制御部241は、CPU203からの指令に基づいて、第1モーター211、第2モーター213、第3モーター215、第4モーター217、第5モーター219及び第6モーター221のそれぞれの駆動を個別に制御する。
撮像制御部243は、CPU203からの指令に基づいて、カメラ137での撮像を制御する。
昇降制御部245は、CPU203からの指令に基づいて、昇降装置175の昇降駆動を制御する。
原版制御部247は、CPU203からの指令に基づいて、原版181の表示駆動を制御する。このとき、原版制御部247は、上記の機種データに基づいて、対応する機種に適合する表示パターンを原版181に表示させる。
表示制御部249は、CPU203からの指令に基づいて、表示装置225の駆動を制御する。
【0058】
ここで、ヘッドユニット13の組立て方法について説明する。
ヘッドユニット13の組立て方法は、図12に示すように、ティーチング工程S1と、組立工程S2と、を含む。また、組立工程S2は、アライメント工程S201と、接着工程S202と、を含む。アライメント工程S201は、吐出ヘッド33ごとに実施される。そして、アライメント工程S201及び接着工程S202は、1つのヘッドユニット13に組み込まれる吐出ヘッド33の数量と同等の回数だけ実施される。
【0059】
ティーチング工程S1では、まず、第3テーブル123にセットされた原版181に表示された基準マーク183a及び基準マーク183bのそれぞれを、カメラ137で撮像する。カメラ137で基準マーク183a及び基準マーク183bのそれぞれを捉えるときには、ユニット搬送装置103が駆動される。つまり、第1テーブル113、第2テーブル119及び第3テーブル123のそれぞれを駆動することによって、カメラ137の視野内に基準マーク183a及び基準マーク183bのそれぞれが捉えられる。
【0060】
次いで、原版181に表示された基準マーク185a及び基準マーク185bのそれぞれをカメラ137で撮像する。基準マーク185a及び基準マーク185bの撮像は、ヘッドユニット13として組み込まれる吐出ヘッド33の数量と同等の回数だけ実施される。このとき、カメラ137で基準マーク185a及び基準マーク185bのそれぞれを捉えるときに、ユニット搬送装置103が駆動される。
このようなティーチング工程S1によって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置が把握される。
【0061】
組立工程S2では、原版181に替えて仮固定ユニットを第3テーブル123にセットする。
そして、アライメント工程S201において、まず、ヘッドプレート31の基準マーク41a及び基準マーク41bのそれぞれをカメラ137で撮像する。このとき、カメラ137で基準マーク41a及び基準マーク41bのそれぞれを捉えるときに、ユニット搬送装置103が駆動される。
次いで、吐出ヘッド33の基準ノズル42a及び基準ノズル42bのそれぞれをカメラ137で撮像する。
次いで、基準ノズル42a及び基準ノズル42bを撮像した結果に基づいて、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置のずれ量を演算する。
【0062】
演算した結果に基づいて、ずれ量が許容範囲内であるときには、アライメント工程S201を終了してから接着工程S202に移行する。
他方で、演算した結果に基づいて、ずれ量が許容範囲外であるときには、吐出ヘッド33の位置を補正(アライメント)する。
吐出ヘッド33のアライメントでは、まず、昇降装置175を駆動してピン173a及びピン173bを降下させることによって、ピン173a及びピン173bのそれぞれを係合孔44a及び係合孔44bのそれぞれに係合させる。
次いで、移動装置141を駆動することによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を補正する。このとき、第4テーブル153、第5テーブル159及び第6テーブル163のそれぞれを駆動することによって、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置を変化させる。
【0063】
次いで、位置を補正した後の吐出ヘッド33の基準ノズル42a及び基準ノズル42bのそれぞれをカメラ137で撮像する。
次いで、基準ノズル42a及び基準ノズル42bを撮像した結果に基づいて、ヘッドプレート31に対する吐出ヘッド33の位置のずれ量を演算する。
そして、演算した結果に基づいて、ずれ量が許容範囲内であるときには、アライメント工程S201を終了してから接着工程S202に移行する。
接着工程S202では、ヘッドプレート31と吐出ヘッド33のベース部43との間に接着剤を塗布することによって、吐出ヘッド33をヘッドプレート31に接着する。
上記の方法により、ヘッドユニット13が組み立てられる。
【0064】
本実施形態において、組立装置100がアライメント装置に対応し、カメラ137が撮像装置に対応し、吐出ヘッド33が対象物に対応し、基準ノズル42が基準マークに対応し、原版181が液晶装置としての発光装置に対応している。
本実施形態では、液晶パネルが採用された原版181をヘッドユニット13の機種に応じた表示パターンに駆動し、表示パターンを撮像した結果に基づいて、吐出ヘッド33をアライメントすることができる。本実施形態によれば、ヘッドユニット13の種類に応じて原版181の表示パターンを変化させることができる。このため、例えば、ヘッドユニット13ごとに異なるマスクパターンを用意する必要性を解消しやすくすることができる。この結果、ティーチングにかかる原版181の種類を軽減することができるので、コストを低減しやすくすることができる。
【0065】
本実施形態では、ヘッドユニット13が2つの吐出ヘッド33を有する場合が例示されている。しかしながら、吐出ヘッド33の個数は、2つに限定されず、1つ以上の任意の個数が採用され得る。
また、本実施形態では、認識装置133が1つのカメラ137を有する場合が例示されている。しかしながら、カメラ137の個数は、1つに限定されず、2つ以上の任意の個数も採用され得る。例えば、2つのカメラ137を有する認識装置133とすれば、2つのカメラ137の一方で基準ノズル42aを捉え、他方のカメラ137で基準ノズル42bを捉えることができるため、効率的である。
また、本実施形態では、原版181として、液晶パネルが採用されている。しかしながら、原版181は、液晶パネルに限定されず、例えば、有機EL装置や、プラズマ表示パネルなどの種々の表示パネルも採用され得る。
【符号の説明】
【0066】
1…液滴吐出装置、13…ヘッドユニット、31…ヘッドプレート、33…吐出ヘッド、33a,33b…吐出ヘッド、35…ノズル面、37…ノズル、41…基準マーク、41a,41b…基準マーク、42…基準ノズル、42a,42b…基準ノズル、43…ベース部、44…係合孔、44a,44b…係合孔、100…組立装置、103…ユニット搬送装置、105…アライメント装置、133…認識装置、135…補正装置、137…カメラ、141…移動装置、143…補正ユニット、173…ピン、173a,173b…ピン、175…昇降装置、181…原版、182…表示画素、183…基準マーク、183a,183b…基準マーク、185…基準マーク、185a,185b…基準マーク、201…制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アライメント対象である対象物の基準マークを撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が前記基準マークを撮像した結果に基づいて、前記対象物の位置を把握する制御部と、を有し、
前記制御部は、複数の発光領域を有する発光装置の前記複数の発光領域の少なくとも一部を、前記対象物の種類に応じて発光させたときの発光パターンを、前記撮像装置で撮像した結果に基づいて、前記対象物の位置の補正量を演算する、
ことを特徴とするアライメント装置。
【請求項2】
前記複数の発光領域は、平面視で、マトリクス状に配列している、
ことを特徴とする請求項1に記載のアライメント装置。
【請求項3】
前記発光装置は、液晶装置で構成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアライメント装置。
【請求項4】
複数の発光領域を有する発光装置の前記複数の発光領域の少なくとも一部を、アライメント対象である対象物の種類に応じた発光パターンで選択的に発光させ、
前記発光パターンを撮像した結果に基づいて、前記対象物をアライメントする、
ことを特徴とするアライメント方法。
【請求項1】
アライメント対象である対象物の基準マークを撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が前記基準マークを撮像した結果に基づいて、前記対象物の位置を把握する制御部と、を有し、
前記制御部は、複数の発光領域を有する発光装置の前記複数の発光領域の少なくとも一部を、前記対象物の種類に応じて発光させたときの発光パターンを、前記撮像装置で撮像した結果に基づいて、前記対象物の位置の補正量を演算する、
ことを特徴とするアライメント装置。
【請求項2】
前記複数の発光領域は、平面視で、マトリクス状に配列している、
ことを特徴とする請求項1に記載のアライメント装置。
【請求項3】
前記発光装置は、液晶装置で構成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアライメント装置。
【請求項4】
複数の発光領域を有する発光装置の前記複数の発光領域の少なくとも一部を、アライメント対象である対象物の種類に応じた発光パターンで選択的に発光させ、
前記発光パターンを撮像した結果に基づいて、前記対象物をアライメントする、
ことを特徴とするアライメント方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−224523(P2011−224523A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99533(P2010−99533)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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