説明

アルキルアリール化合物の製造法およびアルキルアリールスルホネート

10〜C14−モノオレフィン混合物を芳香族炭化水素とアルキル化触媒の存在で反応させてアルキル芳香族化合物を形成させ、場合によっては次に得られたアルキルアリール化合物をスルホン化し、中和することによってアルキルアリール化合物を製造する方法において、平均でC10〜C14−モノオレフィン中で0%超および100%までのメチル分枝が最も長い炭素鎖中に存在し、最も長い炭素鎖の鎖端部から計算した2位、3位および4位で50%未満のメチル分枝が存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルアリールスルホネートおよびアルキルアリールスルホネートの製造法、この方法によって得ることができるアルキルアリールおよびアルキルアリールスルホネート、特に洗浄剤および清浄剤中での界面活性剤としての該アルキルアリールスルホネートの使用、ならびに該アルキルアリールスルホネートを含有する洗浄剤および清浄剤に関する。
【0002】
アルキルベンゼンスルホネート(ABS)は、久しく界面活性剤として洗浄剤および清浄剤中に使用されている。最初、テトラプロピレンベンゼンスルホネートを基礎とするこの種の界面活性剤が使用されたが、しかし、生物学的分解可能性が劣悪であったので、その後できるだけ線状のアルキルベンゼンスルホネート(LAS)が製造され、使用された。しかし、線状のアルキルベンゼンスルホネートは、全ての使用範囲において十分な性質を有していない。
【0003】
即ち、例えば硬水中での前記の線状のアルキルベンゼンスルホネートの低温洗浄特性(Kaltwascheigenschaften)または前記の線状のアルキルベンゼンスルホネートの性質を改善することは、好ましい。同様に、前記スルホネートの粘度および溶解性によって与えられる簡単な配合可能性は、望ましい。僅かに分枝鎖された化合物または僅かに分枝鎖された化合物と線状化合物との混合物は、前記の改善された性質を示すが、しかし、この場合には、正確な規模の分枝鎖鎖および/または正確な規模の混合が達成されなければならない。強すぎる分枝鎖鎖は、生成物の生物学的分解可能性を不利なものにする。線状すぎる生成物は、前記スルホネートの粘度および溶解性に不利な影響を及ぼす。
【0004】
更に、末端のフェニルアルカン(2−フェニルアルカンおよび3−フェニルアルカン)と内部のフェニルアルカン(4−フェニルアルカン、5−フェニルアルカン、6−フェニルアルカン等)との比は、生成物の性質に1つの役を演じている。約20〜40%の2−フェニル含量および約40〜60%の2−フェニル含量および3−フェニル含量は、生成物の品質(溶解性、粘度、洗浄特性、生物学的分解可能性)に関連して好ましい。
【0005】
簡単に分枝鎖されたアルキルベンゼン(MLAB)を製造するために、例えば簡単に分枝鎖されたオレフィン混合物は、アルキル化触媒の存在でベンゼンと反応される。この場合、フェニル基の状態は、触媒の形状選択性によって定められる。モルデナイトの構造型のゼオライトは、反応して、約85%が有利に2−フェニルアルケンに形成され、約15%が3−フェニルアルカンに形成される。Wang et al. Catal. Letters 2001, 76, 1-2参照。
【0006】
極めて高い2−フェニル含量および3−フェニル含量を有する界面活性剤は、生成物の加工可能性がスルホネートの粘度の著しい上昇によって損なわれるという本質的な欠点を有しうる。
【0007】
更に、最適でない溶解挙動が生じうる。即ち、例えば極めて高いかまたは極めて低い2−フェニル含量および3−フェニル含量を有するLASの溶液のクラフト点は、2−フェニル含量および3−フェニル含量を最適に選択した場合よりも10〜20℃だけ高い。
【0008】
WO 03/029172には、LPG、LNGまたはMTOの流れに由来するC−オレフィン混合物を複分解および二量体化によってC10〜C12−オレフィンに変換し、次にこのオレフィンを芳香族炭化水素のアルキル化のために使用することにより、アルキルアリール化合物を製造する方法が記載されている。前記方法によって、界面活性剤としての使用の際に好ましい性質を有する、部分的に分枝鎖されたアルキルアリール化合物を得ることができる。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10039995号明細書の記載は、C−オレフィンを2工程で複分解することによってC10〜C12−オレフィンに変え、次にこのオレフィンで芳香族化合物をアルキル化し、最終的にスルホン化および中和によって得ることができるアルキルアリールスルホネートの製造方法に関する。C−オレフィンのための源としては、ブタンのクラッキング法、例えばスチームクラッキング法または接触分解法(FCC-Cracking)、または脱水法、またはエテンの二量体化法が記載される。最後の二量体化法において、ジエン、アルキンまたはエニンは、複分解前に常法、例えば抽出または選択的水素化で除去されうる。
【0009】
同様に、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10059398号明細書の記載は、同様にアルキルアリールスルホネートの製造法に関し、この場合には、統計学的平均で主に簡単に分枝鎖されたC10〜C14−オレフィンは、芳香族炭化水素とフォージャサイト型のゼオライトを含有するアルキル化触媒の存在で反応される。C10〜C14−オレフィンは、複分解、抽出、フィッシャー−トロプシュ合成、二量体化または異性体化によって得ることができる。
【0010】
これまでアルキル化に使用されたオレフィンは、部分的に高すぎるかまたは低すぎる枝分かれ度を有するかまたは末端のフェニルアルカンと内部のフェニルアルカンとの最適でない比を生じる。
【0011】
本発明の課題は、少なくとも部分的に分枝鎖され、それによって洗浄剤および清浄剤中への使用のために公知の化合物に対して好ましい性質を有する、アルキルアリール化合物およびアルキルアリールスルホネートの製造法を提供することである。前記のアルキルアリール化合物およびアルキルアリールスルホネートは、製造の際および使用の際に生物学的分解可能性、水の硬度に対する非敏感性、溶解性および粘度からの適当な特性プロフィールを有しているはずである。その上、アルキルアリールスルホネートは、安価に製造できるはずである。
【0012】
この課題は、本発明によれば、C10〜C14−モノオレフィン混合物を芳香族炭化水素とアルキル化触媒の存在で反応させてアルキル芳香族化合物を形成させ、場合によっては次に得られたアルキルアリール化合物をスルホン化し、中和することによりアルキルアリール化合物を製造する方法によって解決され、この場合には、平均でC10〜C14−モノオレフィン中で0%超および100%までのメチル分枝鎖鎖が最も長い炭素鎖中に存在し、最も長い炭素鎖の鎖端部から計算した2位、3位および4位で50%未満のメチル分枝鎖鎖が存在する。
【0013】
本発明による方法は、無類のオレフィン混合物の使用により、芳香族化合物のアルキル化、スルホン化および中和の後に卓越した使用特性(溶解性、粘度、水の硬度に対する安定性、洗浄特性、生物学的分解可能性)の組み合わせを示す界面活性剤が供給されるという本質的な利点を提供する。アルキルアリールスルホネートの生物学的分解可能性に関連して、従来のLASよりもあまり強くなく透明汚泥に吸収される化合物は、特に好ましい。
【0014】
アルキル化工程において、オレフィンの骨格異性体化、例えばアルキル基の移動が生じる。使用されたオレフィン混合物の分枝鎖鎖構造は、生成されたMLAB異性体の側鎖中の分子構造と区別され、即ち分枝鎖鎖の種類および状態は、アルキル化の際に変化されてよい。しかし、枝分かれ度は、十分に維持されたままである。
【0015】
本発明によれば、簡単に分枝鎖されたアルキルベンゼン(MLAB)を製造するために、簡単にメチル分枝鎖されたオレフィンの含量、ひいてはアルキル化における枝分かれ度だけが重要なのではなく、同様にメチル基の状態も重要であることが見出された。出発オレフィンにおいて2−メチル分枝鎖、3−メチル分枝鎖および4−メチル分枝鎖が十分に、特に完全に不在であることは、MLABの生成物品質、ならびにアルキル化触媒の寿命にとって特に有利であることが証明された。
【0016】
この場合、二重結合がオレフィン中に存在することは、些細なことである。それというのも、この二重結合は、アルキル化の条件下で異性体化されるからである。従って、本発明の範囲内で、IUPACの規則からずれて、例えば”2位のメチル分枝鎖”で全てのアルケンは、記載され、この場合このアルケンは、水素化後にアルカンに移行し、この場合このアルカンは、IUPACの規則(例えば”Hellwinkel”による、参照)によれば、2−メチルアルカンに属する。即ち、例えば2−メチルウンデク−2−エンは、10−メチルウンデク−2−エンと同一視されており、しかも例えば10−メチルウンデク−4−エンとも同一視されている。同様のことは、炭素鎖に沿ってかまたは炭素鎖中で3位および4位でのメチル分枝鎖にも当てはまる。メチルアルカンとベンゼンとがアルキル化触媒の存在で反応する場合には、僅かにのみ骨格の転位が生じる。主に第四級化アルキルベンゼン2−メチル−2−フェニルアルカンまたは3−メチル−3−フェニルアルカンが形成される。
【0017】
この種の構造は、生物学的分解を困難にし、したがってこの構造の存在により生成物品質が減少されることは、公知である。WO 99/05244およびWO 02/092737参照。
【0018】
アルキル化での4−メチルアルケン(最も長い炭素鎖の端部から見て4位でのアルキル基を有するアルケン)の使用は、触媒の急速な失活を生じる。場所を取る4−メチル−4−フェニル−アルカンの形成によって、通路の遮断または触媒の活性中心の確保を生じうる。
【0019】
本発明によれば、5−メチルアルケンとベンゼンとの反応ならびに6−メチルアルケン(または最も長い炭素鎖の鎖端から計算した5位または6位でのメチル基を有するアルケン)とベンゼンとの反応の場合に同じアルキル化触媒の存在で主に簡単にメチル分枝鎖された側鎖を有するアルキルベンゼンが形成されることが見出された。メチル基が側鎖の2位、3位または4位に存在する異性体がメチル基の移動によって生じるとしても、触媒の寿命は、長く、第四級MLABの含量は、僅かである。
【0020】
本発明によれば、C10〜C14−モノオレフィン混合物が使用される。この場合には、C10−、C11−、C12−、C13−またはC14−モノオレフィンが重要であるかまたは異なる鎖長を有するモノオレフィンの混合物も重要である。例えば、前記範囲内の鎖長を有するC10〜C12−モノオレフィンが使用されてもよい。通常、全ての鎖長は、それぞれ分枝鎖されたオレフィンと分枝鎖されていないオレフィンとの混合物であり、分枝鎖されたオレフィンは、また種々の分枝鎖されたオレフィンである。
【0021】
本発明によれば、平均でC10〜C14−モノオレフィンにおいて、メチル分枝鎖0%超および100%まで、特に10%〜80%、特に有利に10%〜60%は、最も長い炭素鎖中に存在し、メチル分枝鎖50%未満、特に30%未満、特に有利に10%未満、殊に5%未満は、最も長い炭素鎖の鎖端から計算した2位、3位および4位に存在する。2位、3位および4位は、炭素鎖内での二重結合の位置とは無関係に最も長い炭素鎖に関連する。”平均で”の表現は、例えばメチル分枝鎖100%の場合に統計学的に全てのオレフィン鎖がメチル分枝鎖を有することを意味し、この場合には、実際に混合物中でメチル分枝鎖を有しないかまたは1個、2個または3個のメチル分枝鎖を有するオレフィンが存在しうる。特に、C10〜C14−モノオレフィンは、それぞれ最大2個のメチル分枝鎖、殊に最大1個のメチル分枝鎖を有する。
【0022】
メチ分枝鎖の含量および位置は、ガスクロマトグラフィーによって常法により測定されてよい。
【0023】
オレフィン混合物は、多数の源に由来し、場合によっては適当な工程によって後処理され、本発明による分枝鎖パターンを示す。例えば、線状のオレフィンまたは意図的に分枝鎖されたオレフィンは、混合物に添加されてよいし、混合物からの特定のオレフィンの分離は、実施されてよい。
【0024】
例えば、オレフィンは、
a1)C/C−オレフィン混合物の製造、
b1)こうして得られたC/C−オレフィン混合物と複分解触媒との反応、2−ペンテンおよび/または3−ヘキセンおよび/または3−ヘプテンを含有するオレフィン混合物の製造および場合によっては2−ペンテンおよび/または3−ヘキセンおよび/または3−ヘプテンの分離、
c1)二量体化触媒を用いる、工程b1)で得られた2−ペンテンおよび/または3−ヘキセンおよび/または3−ヘプテンの二量体化によるC10〜C14−オレフィン含有混合物への変換および場合によるC10〜C14−オレフィンの分離によって得ることができる。
【0025】
この場合、工程a1)において、C/C−オレフィン混合物のC−オレフィンは、LPG、LNGまたはMTOの流れのC含量の脱水素および場合によって形成されるジエン、アルキンおよびエニンの除去によって得ることができ、この場合LPG、LNGまたはMTOの流れのC含量は、脱水素前または脱水素後およびLPG、LNGまたはMTOの流れからのジエン、アルキンおよびエニンの除去前または除去後に分離される。LNGの流れは、MTO法によりC−オレフィン混合物に変換されうる。
【0026】
工程c1)において、ヘプテンが混合されてもよい。オレフィン混合物は、
a2)C〜C−アルカンの脱水素および場合による前接続されたかまたは後接続された異性体化によるC〜C−オレフィン混合物の製造、
b2)二量体化触媒を用いる、工程a2)で得られたC〜C−オレフィン混合物の二量体化によるC10〜C14−オレフィン含有混合物への変換および場合によるC10〜C14−オレフィンの分離によって得ることもできる。
【0027】
適当な芳香族化合物は、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレンであり、好ましくは、ベンゼン、トルエンおよびエチルベンゼンであり、特に好ましくは、ベンゼンである。
【0028】
適当な触媒は、構造型EPI、FERのゼオライト、MFIまたはMEL構造を有するペンタシル型のゼオライト、フォージャサイト型、例えばY、LTL、MOR、BEA、GME、MAZのゼオライトである。好ましいのは、LTL、USY型を含むFAU、BEAおよびMORである。特に好ましいのは、MORである。
【0029】
前記ゼオライトは、有利にH形および/またはAl形で使用されるが、しかし、製造に応じてなおNa、K、MgまたはCaの痕跡が存在していてもよい。B、GaまたはFeによる格子アルミニウムの部分的または完全な交換が可能である。
【0030】
触媒は、微細な粉末として懸濁液中で直接に使用されてもよく、ゼオライトの場合には、これは、例えば100nm〜数μmの粒径である。しかし、多くの場合、前記触媒は、結合剤材料と一緒に直径0.1〜5mmの成形体に変形される。流動床中で使用するためには、1〜3mmが有利であり、懸濁液中で使用するためには、0.001〜1mmであり、流動床中で使用するためには、0.1〜3mmである。結合剤としては、特に粘土、酸化アルミニウム、例えばPurale、SiraleおよびVersale、および珪藻土が適当である。更に、不活性充填剤、例えばSiO(例えば、Degussa社のAerosil)は、添加されてよい。
【0031】
成形体としては、ペレット、ストランド、リング、リブストランド(Rippstrange)、星形ホイール押出物(Sternradextrudate)または車輪押出物(Wagenradextrudate)が適当である。
【0032】
触媒は、特に30〜2000m/g、有利に100〜700m/gの比表面積を有する。直径2〜20nmを有する細孔の体積は、典型的には0.05〜0.5ml/g、有利に0.01〜0.1ml/gであり、直径200〜2000nmの細孔の体積は、典型的には0.05〜0.5ml/g、有利に0.05〜0.3ml/gである。
【0033】
失活された触媒は、多くの場合に例えば空気または貧空気中で250〜550℃で再反応されうる。選択的に低い温度で、場合によっては液相中でも、酸化作用する化合物で処理することも可能であり、この場合には、殊にNOx、Hおよびハロゲンを挙げることができる。再生は、直接にアルキル化反応器またはエクスターン(extern)中で行なうことができる。
【0034】
アルキル化は、有利に液相中で、即ちガス相なしに行なわれ、このことは、相応するシステム圧力によって達成されうる。アルキル化温度は、有利に100〜250℃、特に有利に120〜220℃、殊に有利に130〜220℃、特に150℃〜180℃、例えば160℃である。
【0035】
適当な反応器は、例えば攪拌釜特性を有する全てのシステム、即ち攪拌釜、ループ型反応器、外部循環路を備えた反応器、放射ループ型反応器ならびに流動床または移動床である。
【0036】
また、本発明は、本発明による方法により得ることができるアルキルアリール化合物、殊にアルキルベンゼンスルホネートに関する。アルキルベンゼンスルホネートは、特に界面活性剤として、殊に洗剤または清浄剤中で使用されてよい。
【0037】
また、本発明は、本発明によるアルキルベンゼンスルホネートを通常の内容物質と共に含有する洗剤および清浄剤に関する。通常の内容物質および洗剤組成物については、WO 03/029172に指摘されていてよい。そこには、通常の内容物質、例えば漂白剤、漂白活性剤、漂白安定剤、無機ビルダー(骨格物質)、無機界面活性剤、非イオン界面活性剤、有機コビルダー、灰化抑制剤および汚れ剥離ポリマー、色転移抑制剤、酵素等が記載されている。
【0038】
典型的な本発明による粉末状または顆粒状の完全洗剤は、例えば次の組成を有することができる:
少なくとも1つの無機界面活性剤および/または非イオン界面活性剤0.5〜50質量%、特に5〜30質量%、
少なくとも1つの無機ビルダー0.5〜60質量%、特に15〜40質量%、
少なくとも1つの有機コビルダー0〜20質量%、特に0.5〜8質量%、
無機漂白剤2〜35質量%、特に5〜30質量%、
場合によっては他の漂白活性剤との混合物での漂白活性剤0.1〜20質量%、特に0.5〜10質量%、
漂白触媒0〜1質量%、特に最大0.5質量%まで、
高分子量の色転移抑制剤0〜5質量%、特に0〜2.5質量%、
プロテアーゼ0〜1.5質量%、特に0.1〜1.0質量%、
リパーゼ0〜1.5質量%、特に0.1〜1.0質量%、
汚れ剥離ポリマー0〜1.5質量%、特に0.2〜1.0質量%、
通常の助剤および随伴物質、および水100%になるまで。
【0039】
特に洗剤中で使用される無機ビルダーは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ゼオライトAおよびPならびに無定形Na珪酸塩および結晶性Na珪酸塩である。
【0040】
特に、洗剤中で使用される有機コビルダーは、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、アクリル酸/マレイン酸/ビニルエステルターポリマーおよびクエン酸である。
【0041】
特に、洗剤中で使用される無機漂白剤は、過硼酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウム過水和物である。
特に、洗剤中で使用されるアニオン界面活性剤は、本発明による線状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)および簡単に分枝鎖されたアルキルベンゼンスルホネート(LAS)、脂肪アルコールスルフェートおよび石鹸である。
【0042】
特に、洗剤中で使用される非イオン界面活性剤は、3〜13個の酸化エチレン単位を有するC11〜C17−オキソアルコールエトキシレート、3〜13個の酸化エチレン単位を有するC10〜C16−脂肪アルコールエトキシレートならびに付加的に1〜4個の酸化プロピレン単位または酸化ブチレン単位でアルコキシル化されエトキシル化された脂肪アルコールまたはオキソアルコールである。
【0043】
特に、洗剤中で使用される酵素は、プロテアーゼ、リパーゼおよびセルラーゼである。市販の酵素の中から、一般に0.05〜2.0質量%、特に0.2〜1.5質量%の量の調製された酵素が洗剤に添加される。適当なプロテアーゼは、例えばSavinase、DesazymおよびEsperase(製造業者Novo Nordisk)である。適当なリパーゼは、例えばLipolase(製造業者Novo Nordisk)である。適当なセルラーゼは、例えばCelluzym(製造業者Novo Nordisk)である。
【0044】
特に、洗剤中で使用される灰化抑制剤および汚れ剥離ポリマーは、質量比1:1.2〜1:3.0で分子量2500〜8000のポリエチレンオキシド上の酢酸ビニルのグラフトポリマー、テレフタル酸および酸化エチレン、および8:1〜1:1のポリエチレンテレフタレートとポリオキシエチレンテレフタレートのモル比を有する、分子量750〜5000のポリエチレンオキシドからなる分子量3000〜25000のポリエチレンテレフタレート/オキシエチレンテレフタレートならびにドイツ連邦共和国特許出願公開第4403866号明細書に記載のブロック重縮合物である。
【0045】
特に、洗剤中に使用される色転移抑制剤は、25000を上廻る分子量を有する可溶性のビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマーならびにビニルイミダゾールを基礎とする微粒状の架橋されたポリマーである。
【0046】
本発明による粉末状または顆粒状の洗剤は、無機調整剤を60質量%まで含有することができる。このために、通常、硫酸ナトリウムが使用される。しかし、特に、本発明による洗剤は、調整剤含量が少なく、調整剤を20質量%まで、特に有利に8質量%まで含有するにすぎない。
【0047】
本発明による洗剤は、300〜1200g/l、殊に500〜950g/lの範囲内の異なる嵩密度を有することができる。現在のコンパクトな洗剤は、一般に高い嵩密度を有し、顆粒形成を示す。
【0048】
本発明を次の実施例につき詳説する。
実施例
例1:
空気循環炉内に存在する管状反応器を粒度0.7〜1.0mmの砕石状触媒32g(SiO:Al=24.5を有するH−モルデナイト、CondeaのPural SB 40%で変形された)で充填し、500℃で6時間、活性化した。次に、冷却し、ベンゼン:5−メチルウンデセン(4:1モル)からなる流入量を注入し、0.44g/gKat hの時間空間速度で負荷し、10倍高い循環流に調節した。最後に、反応器を160℃(単相で液状、液圧30バール)に加熱し、流出流中のエダクトおよび生成物の含量を時間分解型GCにより検出した。得られたC18−アルキルアリール混合物を蒸留により精製し、ガスクロマトグラフィー−質量分光測定によりカップリングおよびH/13C−NMRを分析した。86時間後、ドデセンの変換率が95%未満に減少することが観察された。
【0049】
例2(比較)
例1からの装置中で、同様の条件下でベンゼン:4−メチルウンデセン(4:1モル)からなる流入量を反応させた。95%未満のドデセン変換率の減少は、既に30時間後に観察された。
例3
オートクレーブ中で次ぎに記載したような種々のメチルウンデセンをベンゼンと1:10のモル比でモルデナイト触媒(5質量%)上で種々の温度で反応させた。結果は、次の表中に記載されている:
2−メチルウンデセンの反応(比較):
反応温度 反応生成物
2-m-2-p 3-m-3-p
100 ℃ 100 % < 1 %
120 ℃ 94.9 % < 1 %
140 ℃ 88.7 % < 1 %
160 ℃ 86.9 % < 1 %
180 ℃ 77.8 % < 1 %
200 ℃ 42.5 % < 1 %
3−メチルウンデセンの反応(比較):
反応温度 反応生成物
2-m-2-p 3-m-2-p 3-m-3-p
100 ℃ 13.6% 47.4% 15.6%
120 ℃ 16.1% 50.4% 12.7%
140 ℃ 14.4% 46.6% 8.9%
160 ℃ 13.8% 44.0% 6.3%
180 ℃ 19.3% 39.8% 8.0%
200 ℃ 21.9% 27.4% 4.7%
5−メチルウンデセンの反応:
反応温度 反応生成物
5/7-m-2-p 2-m-2-p 3-m-3-p
100 ℃ 47.9% 1.6% <1%
120 ℃ 50.0 % 2.2 % <1 %
140 ℃ 47.6 % 3.2 % <1 %
160 ℃ 47.5% 2.1% <1%
180 ℃ 30.3% 2.9% <1%
200 ℃ 23.3 % 2.0 % <1 %
6−メチルウンデセンの反応:
反応温度 反応生成物
6-m-2-p 2-m-2-p 3-m-3-p
160 ℃ 48.0 1.8% <1%
180 ℃ 40.7 3.2% <1%
生成物のための略記において、mはメチルを表わし、pは、フェニルウンデカンを表わす。従って、2m−2−pは、2−メチル−2−フェニルウンデカンを表わす。
【0050】
例4(比較)
WO 01/05733 A1(UOP)において、異性体化/脱水素からのオレフィンの組成は、次のように記載される:
【0051】
【表1】

【0052】
前記オレフィンとベンゼン(ベンゼン93.3%、オレフィン6.7%、ベンゼン:オレフィン約30:1のモル比)との混合物をモルデナイト75ml(53.0g)の存在で2.0h−1のLHSV(オレフィン0.15g/Kat gの時間空間速度)で125℃および35バールで反応させた。
【0053】
生成物中の2−フェニル選択性を82.0%で測定し、2−メチル−2−フェニルウンデカンの含量を6.98%で測定して、高い石英の含量を1.9%で測定した。
【0054】
例5
例4に記載された上記条件下でオレフィン−ヒドロホルミル化−アルド縮合−水素化−脱水素化鎖からなるオレフィンまたはWO 03/029172の実施例3からのオレフィンを使用した。
【0055】
【表2】

【0056】
生成物中の2−フェニル選択性を82.4%で測定し、2−メチル−2−フェニルウンデカンの含量を2.33%で測定して、高い石英の含量を0.8%で測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
10〜C14−モノオレフィン混合物を芳香族炭化水素とアルキル化触媒の存在で反応させてアルキル芳香族化合物を形成させ、場合によっては次に得られたアルキルアリール化合物をスルホン化し、中和することによってアルキルアリール化合物を製造する方法において、平均でC10〜C14−モノオレフィン中で0%超および100%までのメチル分枝鎖が最も長い炭素鎖中に存在し、最も長い炭素鎖の鎖端部から計算した2位、3位および4位で50%未満のメチル分枝鎖が存在することを特徴とする、アルキルアリール化合物を製造する方法。
【請求項2】
平均でC10〜C14−モノオレフィン中にメチル分枝鎖10〜80%が最も長い炭素鎖で存在する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
メチル分枝鎖鎖30%未満が最も長い炭素鎖の鎖端部から計算した2位、3位および4位に存在する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
10〜C14−モノオレフィンがそれぞれ最大2個のメチル分枝鎖を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
10〜C14−モノオレフィンがそれぞれ最大1個のメチル分枝鎖を有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
芳香族炭化水素がベンゼンである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
アルキル化触媒が構造型EPI、FERのゼオライト、MFIまたはMEL構造を有するペンタシル型のゼオライト、フォージャサイト型のゼオライトから選択される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
アルキル化を液相中で100〜250℃の範囲内の温度で実施する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法により得ることができるアルキルアリール化合物。
【請求項10】
界面活性剤として請求項8記載のアルキルアリールスルホネートの使用。
【請求項11】
通常の内容物質と共に請求項9記載のアルキルアリールスルホネートを含有する洗浄剤および清浄剤。

【公表番号】特表2007−533649(P2007−533649A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537213(P2006−537213)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012280
【国際公開番号】WO2005/042448
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】