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アルコキシシランコーチング
説明

アルコキシシランコーチング

【課題】2種のアルコキシシランの1種と組合せたアルキル多糖類表面活性剤の水性組成物の使用により金属表面上に形成する腐食を減少させる手段を提供する。
【解決手段】アルキル多糖類表面活性剤;γ−アミノプロピルトリエトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランよりなる群から選択されるアルコキシシラン;水;必要に応じ、アルコキシシランの加水分解のみからのアルコール;並びに必要に応じ、殺生物剤、消泡剤および接着促進剤よりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の成分よりなる水性組成物とし、シランコーチングでの金属表面の被覆方法において使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属を被覆する組成物およびの使用方法、特にシラン含有組成物に関するものである。
【0002】
殆んどの金属は腐食を受け易く、種々の錆種類の金属を表面上に形成する。この種の腐食は金属の品質に悪影響を及ぼしうる;すなわち価値の減少、外観の悪化および消費者の満足度減少。錆は除去もしうるが、この種の除去はコスト高であり、金属の強度を減少させる。更に腐食はコーチング(たとえば塗料、接着剤および/またはゴム)の金属に対する接着の損失をもたらす。
【背景技術】
【0003】
腐食を減少させるべく鋼材を被覆する方法は公知である。
【0004】
たとえばチル・T.F.およびオーイジ.W.J.「金属の腐食を防止すると共に塗料付着を改善するためのシラン技術の適用」トランザクション・オブ・ジ・インスチチュート・オブ・メタルフニッシング、マネー・パブリッシング、バーミンガムGB、第77巻、第2部、1999年3月(1999−03)、第64−70頁は金属のシラン処理を記載している。
【0005】
米国特許第4828616号明細書は、(a)アルカリ金属珪酸塩、(b)アミノアルコールおよび(c)水溶性樹脂、(不溶性ナイロン、天然多糖類および水溶性天然蛋白質および/または水溶性シランカップリング剤から選択される)からなる水性表面処理組成物に関するものである。
【0006】
国際公開第01/07680号パンフレットは、亜鉛系保護コーチング(これは水とシランと硼酸と燐酸と微小化シリカと湿潤剤とを含有する水性シラン系溶液である)で予備処理された金属基体の腐食防止処理のための水性組成物に関するものである。
【0007】
米国特許第5108793号明細書は、腐食耐性コーチングで鋼材を被覆する方法に関するものであり、これには高められた温度を有すると共に腐食耐性量のシリケートおよび金属を含むアルカリ性水溶液で鋼材を洗浄し、この鋼材を乾燥して比較的不溶性のシリケートコーチングを形成させ、次いでシリケート被覆されたシートを腐食耐性量のシランを含む他の水溶液にて洗浄することにより行う。米国特許第5108793号明細書によれば、シートは少なくとも1.0容量%のシランを含有するシラン溶液により少なくとも10秒間にわたって洗浄することができる。可能なシランは、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPS)、γ−アミノプロピルトリ(m)エトキシシラン(APS)、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPS)およびN−〔2−ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(BPS)を包含すると言われ、APSおよびBPSが好適である。シランは水溶液中に0.5〜5容量%の濃度、酸性化させることにより溶解すると言われる。
【0008】
米国特許第5292549号明細書は、錆を抑制すべくシロキサンの薄膜で被覆されるスチール鋼材に関するものである。米国特許第5292549号明細書によれば、幾人かの当業者は亜鉛メッキ鋼材を約10重量%までのシランカップリング剤を含有する浴で洗浄した後に塗装することを提案している。提案されたシランはアミノプロピルトリメトキシ、アミノプロピルトリエトキシ、メタクリルオキシプロピルトリメトキシおよびグリシドキシプロピルトリメトキシを包含するといわれる。洗浄された鋼材は高められた温度で焼成して、硬化され或いは天然の厚いシランコーチングを形成させることができると言われ、このコーチングは除去するのが困難である。
【0009】
米国特許第5292549号明細書記載の発明は、メタリック被覆鋼材シートを有機シランおよび架橋剤で洗浄して形成された硬化反応生成物である薄いシロキサン膜を有するメタリック被覆鋼材シートを包含すると言われる。シランを含有する溶液を架橋剤と共におよび架橋剤なしに使用する各実験が記載されている。アミノシランは良好に機能すると言われ、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン(APS)が特に好適である。使用しうる他のシランの例はγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ(GPS)、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ、メルカプトプロピルトリメトキシもしくはN−〔2−ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−アミノプロピルトリメトキシ(SAAPS)シランであると言われる。
【0010】
米国特許出願公開第2005/058843号明細書は、特に亜鉛および亜鉛合金の金属表面を処理して、改良された腐食耐性を有する金属表面を与える方法に関するものである。この方法は、溶液を金属表面に塗布する工程からなり、このシラン溶液は少なくとも1種のビニルシランと少なくとも1種のビス−シリルアミノシランとを有し、これらは少なくとも部分的に加水分解されたものでる。
【0011】
米国特許出願公開第2005/058843号明細書によれば、シラン化合物は溶液(好ましくは水溶液)として供給することができる。米国特許出願公開第2005/058843号明細書によれば、溶液におけるビニルシランおよびアミノシランは少なくとも部分的に加水分解され、好ましくは実質上充分に加水分解されて、金属表面に対するおよび相対的なシランの結合を容易化される。米国特許出願公開第2005/058843号明細書によれば、加水分解に際し、−OR基はヒドロキシル基により置換される。加水分解はたとえば単にシランを水と混合するだけで達成しうると言われ、必要に応じ溶剤(たとえばアルコール)を含んでシラン溶解度および溶液安定性を向上させる。
【0012】
米国特許出願公開第2005/058843号明細書によれば、適するシランの水における溶解度は、処理溶液が必要に応じ1種もしくはそれ以上の溶剤(たとえばアルコール)を含んでシラン溶解度を向上させるよう限定することができる。特に好適な溶剤はメタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールを包含すると言われる。可能であれば有機溶剤の使用を制限し或いは排除さえすることも望ましいので、溶液は一層好ましくは水性の性質であると言われ、これにより各水5部につき5部未満の有機溶剤を有することが望ましい(すなわち溶剤より多量の水)。溶液は実質的に有機溶剤を含まないことさえできると言われ、溶剤を使用する場合はエタノールが好適であると言われる。
【0013】
国際公開第01/06036号パンフレットは金属表面の処理方法に関するものであり、これらは(i)少なくとも1種のアシルオキシ基からなる少なくとも1種のアシルオキシシラン(ここで前記シランは少なくとも部分的に加水分解されている)および(ii)少なくとも1種の塩基性化合物からなる溶液を施すことにより行われ、ここでアシルオキシシランおよび塩基性化合物は約3〜約10の溶液pHを与える濃度にて存在し、更に溶液はアシルオキシシランの加水分解に際して生ずる酸以外の酸を実質的に含まないものとする。処理溶液は必要に応じ1種もしくはそれ以上の適合性溶剤(たとえばエタノール、メタノール、プロパノールもしくはイソプロパノール)を含みうるが、その存在は一般には必要とされないと述べられている。更に、有機溶剤が必要である場合、エタノールが好適であると共に好ましくは溶液は実質的に有機溶剤およびVOCsを含まないとも述べられている。VOCは揮発性有機化合物(ボラタイル・オーガニック・コンパウンド(Volatile Organic Compound))を意味すると理解される。国際公開第01/06036号パンフレットによれば、アシルオキシシランは一般に水中に溶解して容易かつ完全に加水分解して、加水分解に際しアルコールを生成すると言われる同様なアルコキシシランとは異なり有機酸を生成する。
【0014】
溶剤の使用は、これが溶液の火炎性の問題を生ぜしめうるので欠点となる。従って、金属表面を被覆するための代案溶液につきニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って本発明によれば、次の成分:
(i)アルキル多糖類表面活性剤;
(ii)γ−アミノプロピルトリエトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランよりなる群から選択されるアルコキシシラン;
(iii)水;
(iv)必要に応じアルコール(アルコキシシランの加水分解のみから);および
(v)必要に応じ殺生物剤、消泡剤および接着促進剤よりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の成分
よりなる水性組成物が提供される。
【0016】
さらに本発明によれば、シランコーチングにより金属表面を被覆する方法も提供され、この方法は:
(A)金属表面を次の成分:
(i)アルキル多糖類表面活性剤;
(ii)γ−アミノプロピルトリエトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランよりなる群から選択されるアルコキシシラン;
(iii)水;
(iv)必要に応じ、アルコキシシランの加水分解からのみ生ずるアルコール;および
(v)必要に応じ殺生物剤、消泡剤および接着促進剤よりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の成分
よりなる組成物と接触させて金属表面上にアルコキシシランを沈着させ、
(B)この金属表面をそこに沈着されたアルコキシシランと共に乾燥させて、金属表面上に共有シロキサン結合の疎水性相互固定ネットワークからなるコーチングを生成させる
ことを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、2種のアルコキシシランの1種と組合せたアルキル多糖類表面活性剤の水性組成物の使用により、上記技術問題を解決する。
【0018】
本発明は、たとえば米国特許第5108793号明細書に記載されたようなシリケートコーチングで金属表面を被覆することを必要としない。
【0019】
本発明は、たとえば米国特許第5292549号明細書に記載されたような架橋剤の使用を必要としない。
【0020】
本発明の組成物は、アルコキシシランの加水分解により形成されうるようなものに加えアルコールの存在を必要としない。
【0021】
アルキル多糖類はアルキルポリグルコシドとすることができる。アルキル基はC〜C10アルキル基もしくはC10〜C16アルキル基とすることができる。アルキル多糖類はアルキルポリグルコシドとすることができ、ここでアルキル基はC〜C10アルキル基、たとえばベロールAG6212(商標)として市販入手しうるようなものである。好ましくはアルキル多糖類はアルキルポリグルコシドであり、ここでアルキル基はC10〜C16アルキル基であり、たとえばアルカデッド15(商標)として市販入手しうるようなものである。使用しうる他の市販入手しうるアルキルポリグルコシドはアルカデッド20(商標)である。
【0022】
γ−アミノプロピルトリエトキシシランはシルケストA110(商標)として市販入手しうる。γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランはシルケストA187(商標)として市販入手しうる。これらアルコキシシランの両者は溶剤なしの液体として入手しうる。
【0023】
本発明の水性組成物のpHは、使用するアルコキシシランに依存する。γ−アミノプロピルトリエトキシシランは8〜11のpHにて加水分解する傾向を有する。γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは5.5〜6.5のpHにて加水分解する傾向を有する。従って、これら2種のアルコキシシランは一緒に使用されない。
【0024】
本発明の組成物において、アルコキシシランは好適には10重量%まで、好ましくは5重量%までの濃度にて存在する。好ましくはアルコキシシランは本発明の組成物中にて1〜10重量%の濃度、好ましくは2〜4重量%の範囲の濃度にて存在する。
【0025】
本発明の組成物において表面活性剤は、好ましくは10重量%までの濃度、好ましくは5重量%までの濃度、より好ましくは1重量%までの濃度にて存在する。好ましくは表面活性剤は本発明の組成物中にて0.05重量%〜10重量%の範囲の濃度にて存在する。好ましくは脱イオン水を本発明の組成物中に使用する。
【0026】
本発明の組成物は殺生物剤、消泡剤および接着促進剤よりなる群から選択される1種もしくはそれ以上成分を含有することができる。
【0027】
殺生物剤は当業界にて公知である。本発明の組成物は1種もしくはそれ以上の殺生物剤を有効濃度にて含有することができる。1種もしくはそれ以上の殺生物剤は本発明の組成物中に1000重量ppmまでの濃度にて存在することができる。
【0028】
消泡剤も当業界にて公知である。本発明の組成物は1種もしくはそれ以上の消泡剤を有効濃度にて含有することができる。1種もしくはそれ以上の本発明の組成物における消泡剤の濃度は、使用する消泡剤に依存することができる。たとえば或る種の表面活性剤は他のものよりも少ない消泡剤を必要とする。1種もしくはそれ以上の消泡剤は本発明の組成物中にて1重量%までの濃度で存在することができる。
【0029】
1種もしくはそれ以上の接着促進剤は、被覆金属に対する塗料などの接着を促進すべく本発明の組成物に存在させることができる。接着促進剤は塗料技術の技術分野にて公知である。使用する接着促進剤の種類は、被覆される金属に依存することができる。適する接着促進剤はポリエステル系とすることができる。適するポリエステル系接着促進剤はBYK社から入手しうるN20820である。1種もしくはそれ以上の接着促進剤は本発明の組成物に1〜5重量%の濃度にて存在させることができる。
【0030】
本発明の水性組成物は、各成分を任意の順序で混合して作成することができる。好適には各成分を次の順序でミキサ中へ導入する:表面活性剤、アルコキシシラン、水。代案として水を最初にミキサ中に導入し続いてアルコキシシラン次いで表面活性剤とするか、或いは表面活性剤次いでアルコキシシランとする。必要に応じ他の成分(消泡剤、殺生物剤および接着促進剤よりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の成分)を作成における任意の段階で組成物に添加することができ、好適には表面活性剤、アルコキシシランおよび水が一緒に混合された後に添加される。好ましくは水を先ず最初にミキサ中へ導入し続いてアルコキシシラン次いで表面活性剤を添加し、次いで必要に応じ他の成分(消泡剤、殺生物剤および接着促進剤よりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の成分)を添加する。組成物は、各成分を常温で混合して作成することができる。
【0031】
本発明の方法において、金属表面はこの金属表面を組成物含有の浴に通過させることにより或いは組成物を金属表面上に噴霧することにより組成物と接触させることができる。噴霧が工業規模の方法につき好適である。金属表面は組成物と1〜10秒間の接触時間、好ましくは4〜6秒間、たとえば5秒間の接触時間で接触させることができる。好ましくは金属表面を組成物と60℃以下、好ましくは20〜60℃の範囲の最高温度以下の温度で接触させる。好ましくは金属表面を組成物と5秒間の接触時間にわたり55℃の温度にて接触させる。
【0032】
本発明の方法の工程(B)においては、沈着されたアルコキシシランを伴う金属表面を乾燥させて、金属表面上に共有シロキサン結合の疎水性相互固定ネットワークコーチングを生成させる。
【0033】
工程(B)においては、好ましくはアルコキシシランを沈着させた金属表面を1〜120時間の範囲の時間にわたり乾燥させて、金属表面上に共有シロキサン結合の疎水性相互固定ネットワークからなるコーチングを生成させる。
【0034】
工程(B)においては、好ましくはアルコキシシランを沈着させた表面金属を15〜100℃の範囲の温度にて乾燥させる。
【0035】
工程(B)における加熱は必須ではないが、乾燥時間を減少させる。好ましくは工程(B)において、金属表面はそこに沈着されたアルコキシシランと共に80〜90℃の温度にて加熱する。好適には金属表面を80〜90℃の温度で操作する炉内で加熱することができ、金属表面を1〜60分間、好ましくは3〜10分間、たとえば約5分間の滞留時間を与える速度にて通過させる。
【0036】
本発明の方法にて組成物で被覆するのに適する金属表面は炭素鋼および亜鉛メッキ鋼を包含する。好適には、亜鉛メッキ鋼は熱浸漬亜鉛メッキ鋼である。適する亜鉛メッキ鋼の例はジンカニールおよびガルバニールである。アルコキシシランがγ−アミノプロピルトリエトキシシランである本発明による組成物が、炭素鋼と共に使用につき特に好適である。アルコキシシランがγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである本発明による組成物が、亜鉛メッキ鋼と共に使用するのに特に適している。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】試験の10日目における亜鉛メッキ鋼チューブを示す。
【図2】試験の25日目における炭素鋼の表面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明を図1および2を参照する以下の実施例により説明し、ここで図1は試験の10日目における亜鉛メッキ鋼チューブを示し、図2は試験の25日目における炭素鋼の表面を示す。
【0039】
組成物中に存在する表面活性剤なしに、金属表面が適切に濡れないので、アルコキシシランと共にコーチングを塗布することができないと判明した。
【0040】
アルキル多糖類表面活性剤を含む組成物で試験を行った。
【0041】
亜鉛メッキ鋼
不働化されてない電気亜鉛メッキの矩形鋼材チューブを、その「受入れたままの」形で試用した。
【0042】
清浄:
使用に先立ち各金属を清浄した。各実験の大半につき、各亜鉛メッキ鋼チューブを超音波にて1時間にわたり清浄し(ルーズ汚れおよび鋼材粒子を除去する)、乾燥させ、次いでn−ヘプタンに続きアセトンで清浄した。
【0043】
これら金属チューブを次の工程によりアルカリ清浄した:
○ 芳香族炭化水素溶剤に15分間浸漬して、金属表面に存在しうるグリースもしくは油を除去する;
○ 2〜3分間にわたる超音波浴 (脱イオン水およびアルカデッド表面活性剤での清浄)により、全ての微粒子を柔らかくし、次いで水道水の下で水洗して全ての微粒子を除去し;
○ 1%苛性ソーダもしくは3%ナトリウムトリポリ燐酸塩(STPP)に5秒間浸漬し;
○ 水道水で水洗し;かつ
○ 綺麗な紙タオルで乾燥させる。
【0044】
このアルカリ清浄を行って金属の表面におけるヒドロキシ基を活性化させ、これは表面におけるシランの吸着を増大させると共に一層良好なフィルム形成を与えかつ錆保護を増大させる。
【0045】
金属表面と組成物との接触および乾燥
組成物は、次の順序で混合ビーカーに次の成分を導入することにより作成される:0.5重量%のアルカデント15(商標)表面活性剤;3重量%γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シルケストA187、GEシリコーンズ社により供給);および96.5重量%の脱イオン水。これら各成分をビーカー中で混合し、得られた組成物を使用のため保留した。この組成物は6.5〜7.0の範囲のpHを有した。
【0046】
シランフィルムの厚さは接触時間に依存しないことが判明したので、組成物と金属との充分な接触時間として5秒間を選択した。
【0047】
それぞれ綺麗な乾燥チューブを組成物中に半分まで5秒間にわたり浸漬させると共に、室温(約22℃)にて特記しない限り42〜72時間にわたり乾燥させた。亜鉛メッキ鋼チューブの頂部の被覆されてない半分は、錆試験のための比較として用いた。
【0048】
乾燥工程は、共有シロキサン結合の疎水性相互固定ネットワークからなる必要に応じ適宜のコーチングを形成させることであると判明した。室温にて42〜72時間は、充分な乾燥時間であったが、増大した温度は乾燥時間を減少させるであろう。
【0049】
腐食試験
メリカン・スタンダード・テスト・メソッド(ASTM)D1748、ヒューミジティ・キャビネット・テストと同様な試験を用いて腐食試験を行い、シラン被覆された鋼材チューブを密閉高湿度の環境に置いた。試験は湿度キャビネットの代わりに封止プラスチック容器を使用する点、および飽和硫酸銅スラリーの使用にてASTM D1748に特定された浴の代わりに湿度を与える点でASTM法とは異なる。
【0050】
綺麗な被覆された亜鉛メッキ鋼チューブに脱イオン水を噴霧すると共に、4枚の群で一緒に重ね、ゴムバンド固定した(何枚かは積層1×4枚、また或るものは2×2枚で積層した)。積層パネルを飽和硫酸銅スラリーを含有する密封プラスチック容器に入れ、チューブの接触側部を白色錆の出現につき毎日観察した(2×2枚で積層したチューブは2つの接触側部を有した)。錆が観察されなかった毎日、チューブには脱イオン水を再噴霧し、試験を続行した。
【0051】
試験の最初の9日目のそれぞれにはチューブの被覆部分に錆が観察されないと判明した。試験の10日目に白色錆がチューブの被覆部分に観察された。図1は試験片の写真図であってチューブ(比較)の上部(未被覆)および試験の10日目におけるチューブの下部(被覆)部分における白色錆を示す。
【0052】
冷間圧延鋼として作成される冷間圧延鋼
ACTラボラトリーズ・インコーポレイテッド、ヒルスデールからの未研摩の冷間圧延鋼(CRS)を10cm×2cmのパネルに切断し、5mmの穴を各パネルの頂部に吊るすために穿った。
【0053】
清浄:
シラン含有組成物との接触に先立ちCRSパネルをn−ヘプタンで充分に清浄し、乾燥させ、次いで表面が「ウォーター・ブレークフリー(water-break free)」となるまでアセトンで清浄し、これは表面が完全に綺麗になったことを示す(水は汚れおよび/または表面における油の周囲で破壊する)。
【0054】
金属表面と組成物との接触および乾燥:
混合ビーカー中へ次の順序で各成分を導入することにより組成物を作成した:0.5重量%アルカデッド15(商標)表面活性剤;3重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(シルケストA110(GEシリコーンズ社、ダンデノング)および96.5重量%脱イオン水。各成分をビーカー内で混合すると共に、得られた組成物を使用のため保留した。この組成物は8〜11の範囲のpHを有した。
【0055】
シランフィルムの厚さは接触時間に依存しないことが判明したので、5秒間を充分な接触時間として選択した。
【0056】
それぞれ綺麗なCRSパネルを組成物中に半分まで5秒間にわたり浸漬し、室温(約22℃)にて22時間にわたり乾燥させた(特記しない限り)。パネルの頂部の未被覆半部は錆試験につき比較として用いた。
【0057】
乾燥工程は、共有シロキサン結合の疎水性相互結合固定ネットワークからなる適宜のコーチングを生成することが判明した。室温にて22時間は充分な乾燥時間であつたが、増大する温度は乾燥時間を減少させるであろう。
【0058】
腐食試験
アメリカン・スタンダード・テストメソッド(ASTM)D1748、ヒューミディティー・キャビネット・テストと同様な試験を用いて腐食試験を行ないシラン被覆された鋼材チューブを密閉高湿度の環境に置いた。試験は、湿度キャビネットの代わりに密封プラスチック容器を使用する点、および飽和硫酸銅スラリーの使用にてASTM D1748に特定された浴の代わりに湿度を与える点でASTM法とは異なる。
【0059】
各シラン被覆パネルを飽和硫酸銅スラリーを含有する密封プラスチック容器に垂直に懸垂し、赤色錆の出現につき毎日観察した。これらパネルには毎日再噴霧せず、金属と金属との接触はなかった(亜鉛メッキ鋼チューブのための試験であったため)。
【0060】
本発明により被覆された炭素鋼パネルの各部分は、未被覆(比較)鋼材よりもずっと良好かつずっと長く錆なしに残ることが判明した。これを図2に示し、図2は試練の25日目における鋼材パネルの写真図である。パネルの上部未被覆部分は下部被覆部分よりも錆が多かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)次の成分:(i)組成物中にて0.05重量%〜10重量%の範囲の濃度にて存在するアルキル多糖類表面活性剤であって、且つアルキル基がC10〜C16アルキル基もしくはC〜C10アルキル基であるアルキルポリグルコシドであるアルキル多糖類表面活性剤;
(ii)γ−アミノプロピルトリエトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランよりなる群から選択される、1〜10重量%の範囲の濃度にて存在するアルコキシシラン;
(iii)水;
(iv)前記アルコキシシランが加水分解される場合には、前記アルコキシシランの加水分解のみに由来するアルコール;および
(v)必要に応じ殺生物剤、消泡剤およびポリエステル系接着促進剤よりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の成分
のみからなる組成物と表面とを接触させて、前記アルコキシシランを前記上に沈着させ、
(B)この表面をそこに沈着されたアルコキシシランと共に乾燥させて、表面上に共有シロキサン結合の疎水性相互固定ネットワークからなるコーティングを生成させる
ことを特徴とする、鋼表面の腐食を減少させる方法
【請求項2】
表面が炭素鋼からなり、アルコキシシランがγーアミノプロピルトリエトキシシランである請求項に記載の方法。
【請求項3】
組成物中にて表面活性剤がC10〜C16アルキルポリグルコシドであって0.5重量%の濃度にて存在し、アルコキシシランがγ−アミノプロピルトリエトキシシランであって3重量%の濃度にて存在する請求項に記載の方法。
【請求項4】
表面が亜鉛メッキ鋼からなり、アルコキシシランがγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである請求項に記載の方法。
【請求項5】
組成物中にて表面活性剤がC10〜C16アルキルポリグルコシドであって0.5重量%の濃度にて存在し、アルコキシシランがγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであって3.0重量%の濃度にて存在する請求項に記載の方法。
【請求項6】
組成物中にて1種もしくはそれ以上の殺生物剤が1000ppmまでの濃度にて存在する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法
【請求項7】
組成物中にて1種もしくはそれ以上の消泡剤が1重量%までの濃度で存在する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
組成物中にて1種もしくはそれ以上のポリエステル系接着促進剤が1〜5重量%の濃度で存在する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
鋼表面はこの鋼表面を組成物含有の浴に通過させることにより組成物と接触させる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
鋼表面は組成物を鋼表面上に噴霧することにより組成物と接触させる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
鋼表面は1〜10秒間の接触時間で組成物と接触させる請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
鋼表面を組成物と60℃以下の温度で接触させる請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記工程(B)において、表面をそこに沈着付着された沈着アルコキシシランと共に1〜120時間の範囲の時間にわたり乾燥させて、表面上に共有シロキサン結合の疎水性相互固定ネットワークからなるコーティングを生成させる請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記工程(B)において表面をそこに付着されたアルコキシシランと共に15〜100℃の範囲の温度で乾燥させて、表面上に共有シロキサン結合の疎水性相互結合ネットワークからなるコーティングを生成させる請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記工程(B)において表面をそこに付着されたアルコキシシランと共に80〜90℃の範囲の温度で加熱させて、表面上に共有シロキサン結合の疎水性相互結合ネットワークからなるコーティングを生成させる請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記工程(B)において表面を80〜90℃の温度で操作する炉内で加熱させ、表面を1〜60分間の滞留時間を与える速度にて通過させて、表面上に共有シロキサン結合の疎水性相互結合ネットワークからなるコーティングを生成させる請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−91855(P2013−91855A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−12505(P2013−12505)
【出願日】平成25年1月25日(2013.1.25)
【分割の表示】特願2008−528568(P2008−528568)の分割
【原出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(501354624)カストロール リミテッド (8)
【Fターム(参考)】