説明

アルコキシシラン官能性の成分をベースとする耐引掻性が高く、かつ高弾性の被覆剤

(A)(A1)少なくとも1つの式(I)-X-SiR"x(OR')3-x(I)の反応性の基を有するラジカル重合可能なエチレン性不飽和化合物(a1)を含有するポリメタクリレートコポリマーを、成分(A1)と(A2)との合計に対して0〜50質量%、および(A2)ポリイソシアネートとアルコキシシランとからなる付加物を、成分(A1)と(A2)との合計に対して50〜100質量%、その際、(A2)は、少なくとも1つの式(II)-NR-C(0)-N-(X-SiR"x(OR')3-x)n(X'-SiR"y(OR')3-y)m(II)の反応性の基を有する、からなる混合物を、被覆剤中の不揮発性物質の含有率に対して少なくとも50質量%、(B)−Si(OR′)3-x単位を架橋するための触媒および(C)非プロトン性溶剤又は非プロトン性溶剤の混合物を含有する、非プロトン性溶剤をベースとする熱硬化性被覆剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非プロトン性溶剤をベースとし、かつアルコキシシラン官能性成分をベースとする、高い耐引掻性および高いゴム弾性を有する、特にプラスチックコーティングに適切な熱硬化性被覆剤に関する。
【0002】
側方および/または末端のアルコキシシラン基を有するポリ(メタ)アクリレートをベースとする結合剤を含有する被覆剤は、たとえば特許もしくは特許出願US−A−4,043,953、US−A−4,499,150、US−A−4,499,151、EP−A−0549643およびWO−A−92/20643から公知である。ここに記載されているポリ(メタ)アクリレートは、使用されるすべてのコモノマーに対して、アルコキシシラン基を有するコモノマーを70質量%まで含有していてよい。該被覆剤は、ルイス酸の触媒反応下に、かつ場合により少量の水の存在下にSi−O−Si−架橋を形成しながら硬化する。該被覆剤は特にクリアコートとして使用される。このようなクリアコートはすでに高い耐引掻性を有し、かつ比較的良好な耐候性を有しているにもかかわらず、高負荷可能な、特にプラスチック用のクリアコートとしての適用を困難にする、ゴム弾性における欠点を有する。
【0003】
EP−A−0267698には、溶剤含有被覆剤が記載されており、これは結合剤成分として、(1)ポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの(ミヒャエル反応)、およびその後、アミノアルキルアルコキシシランとの連続的な反応により得られるアルコキシシラン基を有する架橋性付加物、および(2)側方および/または末端のアルコキシシラン基を有するポリ(メタ)アクリレートを含有する。ミヒャエル反応の際に形成される、付加物中の良好に利用可能なアミン基は、硬化した被覆の耐水性の低下につながる。さらに、これらのアミン基は硬化過程で−Si(O-アルキル)3基との反応により、Si−N−C−架橋点を形成することができ、これは加水分解に不安定であり、かつ得られる被覆の耐薬品性の低下につながる。このような被覆もまた、ゴム弾性において欠点を有する。
【0004】
US−A−4,598,131は、テトラアルキルオルトシリケートとアミノアルコールとの、およびその後のポリイソシアネートとの連続的な反応により得られる、アルコキシシラン基を有する架橋性付加物を含有する溶剤含有の被覆剤を記載している。このような付加物は合成条件によって不所望のSi−O−CもしくはSi−N−C架橋点を有し、該架橋点は加水分解に不安定であり、かつ得られる被覆の耐薬品性の低下につながる。さらに、このような被覆もまた、ゴム弾性において欠点を有する。
【0005】
DE−A−10237270は、イソシアナトメチルアルコキシシランとポリオールとからなる架橋性付加物を含有する被覆剤を包含する。合成の際に使用されるイソシアナトメチルアルコキシシランは、毒性が高く、従って、通常の製造方法では限定的に使用可能であるにすぎない。
【0006】
EP−A−0571073には、結合剤成分として、(1)1より多くの第三級イソシアネート基を有するポリイソシアネートとアミノアルキルアルコキシシランとからなる架橋性付加物、および(2)側方および/または末端のアルコキシシラン基を有するポリ(メタ)アクリレートを含有する、溶剤含有の被覆剤が記載されている。確かに得られる被覆は比較的高い耐引掻性を有するが、被覆のゴム弾性は、特にプラスチック支持体上での高負荷の透明な適用の場合には、なお不十分である。
【0007】
課題および解決手段
本発明の課題は、特に弾性、特にゴム弾性の意味での従来技術の被覆の欠点を有していない、高負荷可能なクリアコートのため、特にプラスチック支持体のための被覆剤を提供することであった。該被覆は特に高度にゴム弾性であり、かつ耐引掻性であり、ならびに引掻負荷の後に高い透明性を有しているべきである。特に本発明による被覆は、テーバー試験の要求を満足すべきである。さらに該被覆およびコーティングは、透明性および耐候性が高くあるべきである。耐候性に関して、本発明による被覆剤中で、UV吸収剤の良好な混合性が保証されていることが必要であった。さらに新規の被覆剤は簡単かつ極めて良好に再現可能に製造することができ、生態学的な問題を生じず、かつ良好な貯蔵安定性を有しているべきである。
【0008】
これに応じて、非プロトン性溶剤をベースとし、次のものを含有する熱硬化可能な被覆剤が判明した:
(A)次のものからなる混合物を、被覆剤中の不揮発性物質の含有率に対して少なくとも50質量%:
(A1)コポリマー(A1)中のコモノマーの全体に対して50質量%より多くの、少なくとも1つの式I
-X-SiR"x(OR')3-x (I)
[式中、
R′は、水素、アルキルまたはシクロアルキルを表し、その際、炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基又はNRa基により中断されていてもよく、その際、Raは、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、
Xは、2〜20個の炭素原子を有する線状および/または分枝鎖状のアルキレンまたはシクロアルキレン基を表し、
R″は、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、その際、炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基により中断されていてもよく、
xは、0〜2である]の反応性の基を有するラジカル重合性のエチレン性不飽和化合物(a1)を含有するポリメタクリレート−コポリマーを、成分(A1)および(A2)の全体に対して0〜50質量%、
および
(A2)少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種のアルコキシシランとからなる付加物(A2)を、成分(A1)および(A2)の全体に対して50〜100質量%、その際、(A2)は、少なくとも1つのII:
-NR-C(0)-N-(X-SiR"x(OR')3-x)n(X'-SiR"y(OR')3-y)m (II)
[式中、XおよびR″は、式I中に記載した構造単位を表し、かつ
Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、その際、炭素鎖は隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基により中断されていてもよく、X′は、2〜20個の炭素原子を有する線状および/または分枝鎖状のアルキレンまたはシクロアルキレン基を表し、Raは、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、
x=y=0〜2であり、
nは0〜2であり、
mは0〜2であり、
m+nは2である]の反応性の基を有する
(B)−Si(OR′)3−x単位の架橋のための触媒、および
(C)非プロトン性溶剤または非プロトン性溶剤の混合物。
【0009】
従来技術を鑑みると、本発明の根底にあった課題を、本発明による被覆剤により解決することができたことは意想外であり、かつ当業者が予測することができたものではなかった。
【0010】
本発明による成分(A)は、特に簡単に製造することができ、かつ塗料の適用の間に、著しい毒性および生態学的な問題をもたらさない。
【0011】
本発明による被覆剤は、極めて良好に再現可能に製造することができ、かつ液状で使用する場合に40質量%より高い、有利には45質量%より高い、特に50質量%より高い固体含有率に調整することができ、その際、このことによってその極めて良好な輸送性、貯蔵安定性および加工性、特にその適用可能性が損なわれることはない。さらに、本発明による被覆剤は良好な配合性を、特に疎水性のUV吸収剤に関して良好な配合性を有する。
【0012】
本発明による被覆剤は、耐引掻性が高く、かつ高弾性の新規の被覆およびコーティング、特にクリアコーティングを提供する。被覆の透明性、特にヘイズ、特に負荷後の透明性は優れている。本発明による被覆およびコーティング、特にクリアコーティングは、特にプラスチックの被覆のために使用することができる。この場合、本発明による被覆はテーバー試験における特に高い耐引掻性により優れている。
【0013】
本発明の記載
被覆剤の成分(A)
本発明による被覆剤の成分(A)は、成分(A1)および(A2)を少なくとも50質量%含有し、成分(A1)ポリメタクリレート−コポリマーは、成分(A1)および(A2)の全体に対して、0〜50質量%、有利には0〜45質量%、特に有利には0〜40質量%であり、該コポリマーは、ラジカル重合性のエチレン性不飽和化合物(a1)を、コポリマー(A1)中のコモノマーの全体に対して50質量%以上の含有し、かつ成分(A2)ポリイソシアネートおよびアルコキシシランの付加物は、(A1)および(A2)の全体に対して、50〜100質量%、有利には55〜100質量%である。
【0014】
被覆剤の成分(A1)は、コポリマー(A1)中のコモノマーの全体に対して、式I: -X-SiR"x(OR')3-x (I)
[式中、
R′は、水素、アルキルまたはシクロアルキルを表し、その際、炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基により中断されていてもよく、その際、Raは、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、その際、R′は、有利には1〜6個の炭素原子を有するアルキル、特に有利にはメチルおよび/またはエチルを表し、
Xは、2〜20個の炭素原子を有する線状および/または分枝鎖状のアルキレンまたはシクロアルキレン基を表し、その際、Xは、有利には2〜6個の炭素原子を有するアルキレン、特に有利には2〜4個の炭素原子を有するアルキレンを表し、
R″は、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、その際、炭素鎖は隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基により中断されていてもよく、その際、R″は、有利には1〜6個の炭素原子を有するアルキルを表し、特に有利にはメチルおよび/またはエチルを表し、ならびにxは、0〜2であり、有利にはxは0である]の反応性の基を少なくとも1つ有するラジカル重合性のエチレン性不飽和化合物(a1)を50質量%より多く、有利には55質量%より多く、特に有利には60質量%より多く含有するポリメタクリレート−コポリマーである。
【0015】
特に有利な化合物(A1)は、たとえばEP−B1−0549643(第3頁、第47行目〜第4頁、第34行目)に記載されている。化合物(a1)として特に有利であるのは、反応性の基(I)を有するアクリレートおよび/またはメタクリレートであり、たとえばγ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシランまたは特にγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランである。
【0016】
コモノマーの全体に対して、コポリマー(A1)中に50質量%未満、有利には45質量%未満、特に有利には40質量%未満の割合で存在するラジカル重合性のエチレン性不飽和コモノマー成分(a2)は、ラジカル重合性のエチレン性不飽和化合物、有利にはアクリレートおよび/またはメタクリレートであり、場合により式IおよびIIの反応性の基とは異なる別の反応性の官能基(f)を有する、アクリル酸および/またはメタクリル酸のアルキル−、シクロアルキル−、アリールおよび/またはアラルキルエステルである。反応性の官能基(f)は、自体公知の放射線架橋性および/または熱架橋性の基であってもよく、たとえば放射線架橋性の基としてはビニル基、(メタ)アクリロイル基またはアリル基、ならびに熱架橋性の基、たとえばエポキシ−、イソシアネート−カルバメートおよび/または置換されたアミノ基であってよい。有利には反応性の官能基(f)は、被覆剤を硬化させる際に、加水分解に不安定なSi−N−C架橋点および/またはSi−O−C架橋点を形成しないか、またはごくわずかな範囲で形成するにすぎないように選択する。化合物(a2)として特に有利であるは、1〜10個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルおよび/またはシクロアルキルエステルである。
【0017】
化合物(A2)は、式IIの反応性の基を少なくとも1つ有する:
-NR-C(0)-N-(X-SiR"x(OR')3-x)n(X'-SiR"y(OR')3-y)m (II)
[式中、
Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキルを表し、その際、炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基又はNRa基により中断されていてもよく、その際、Raは、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、
R′は、水素、アルキルまたはシクロアルキルを表し、その際、炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基により中断されていてもよく、その際、R′は、有利には1〜6個の炭素原子を有するアルキルを表し、特に有利にはメチルおよび/またはエチルを表し、
X、X′は、2〜20個の炭素原子を有する線状および/または分枝鎖状のアルキレンまたはシクロアルキレン基を表し、その際、X、X′は、有利には2〜6個の炭素原子を有するアルキレン、特に有利には2〜4個の炭素原子を有するアルキレンを表し、
R″は、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、その際、炭素鎖は隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基により中断されていてもよく、その際、R″は、有利には1〜6個の炭素原子を有するアルキルを表し、特に有利にはメチルおよび/またはエチルを表し、
nは、0〜2であり、
mは、0〜2であり、
m+nは2であり、ならびに
x、yは、0〜2であり、有利にはxは0である]。
【0018】
有利には式IIの反応性の基を有する成分(A2)は、少なくとも1種のジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネート(PI)と、少なくとも1種の式IIIのアミノジシランとの反応により製造される:
HN-(X-SiR''x(OR')3-x)n(X'-SiR''y(OR')3-y)m (III)
[式中、置換基および指数は上記で定義したとおりである]。
【0019】
特に有利なアミノジシラン(III)は、ビス(2−エチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(3−プロピル(トリメトキシシリル)アミン、ビス(4−ブチルトリメトキシシリル)アミン、ビス(2−エチルトリエトキシシリル)アミン、ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミンおよび/またはビス(4−ブチルトリエトキシシリル)アミンである。とりわけ有利であるのはビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミンである。このようなアミノジシランはたとえば商標名SILQuest(登録商標)でOSI社から入手可能である。
【0020】
成分(A2)を製造するためのジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートPIとして、自体公知の置換されているか、または置換されていない芳香族、脂肪族、脂環式および/または複素環式のポリイソシアネートが有利である。有利なポリイソシアネートの例は次のものである:2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,3−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,4−ジイソシアネート、ペルヒドロジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、4,4′−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(たとえばBayer AG社のDesmodur(登録商標))、テトラメチルキシリルジイソシアネート(たとえばAmerican Cyanamid社のTMXDI(登録商標))および前記のポリイソシアネートの混合物。さらに有利なポリイソシアネートは、前記のジイソシアネートのビウレット二量体およびイソシアヌレート三量体である。特に有利なポリイソシアネートPIは、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよび4,4′−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、これらのビウレット二量体および/またはイソシアヌレート三量体である。
【0021】
本発明のもう1つの実施態様では、ポリイソシアネートPIは、ウレタン構造単位を有するポリイソシアネートプレポリマーであり、これは、ポリオールと、化学量論的に過剰の前記のポリイソシアネートとの反応により得られる。このようなポリイソシアネートプレポリマーはたとえばUS−A−4,598,131に記載されている。
【0022】
特に有利な成分(A2)は次のものである:ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートおよび/またはこれらのイソシアヌレート三量体と、ビス(3−プロピルトリメトキシシリル)アミンとの反応生成物。
【0023】
ポリイソシアネートとアミノシランとの反応は、有利には不活性ガス雰囲気中、最高で100℃、有利には最高で60℃の温度で行う。
【0024】
得られる成分(2)は、本発明によれば、前記の式(II)の構造単位を少なくとも1つ有し、本発明により有利な製造法によれば、ポリイソシアネートPIのイソシアネート基の有利に少なくとも90モル%、特に有利には少なくとも95モル%をアミノジシラン(III)と反応させて構造単位(II)が得られる。
【0025】
本発明による被覆剤における成分(A1)および(A2)の割合は、被覆剤中の不揮発性物質の含有率に対して、少なくとも50質量%、有利には少なくとも60質量%、特に有利には少なくとも70質量%である。
【0026】
被覆剤の別の成分
−Si(OR′)3−x(y)単位の架橋のための触媒(B)として、自体公知の化合物を使用することができる。その例は、ルイス酸(電子が不足している化合物)、たとえばナフテン酸スズ、安息香酸スズ、オクタン酸スズ、酪酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズ酸化物、オクタン酸鉛である。触媒として有利には、キレートリガンドを有する金属錯体を使用する。キレートリガンドを形成する化合物は、金属原子または金属イオンに配位することができる官能基を少なくとも2つ有する有機化合物である。通常、これらの官能基は、電子受容体としての金属原子または金属イオンに電子を与える電子供与体である。基本的に前記の種類のすべての有機化合物は、本発明による硬化性組成物が本発明による硬化した組成物へと架橋することに否定的な影響を与えないか、または妨げることのない限り、適切である。たとえばアルミニウムおよびジルコニウムのキレート錯体、たとえば米国特許US4,772,672A、第8欄、第1行目〜第9欄、第49行目に記載されているものを、触媒として使用することができる。特に有利であるのは、アルミニウム、ジルコニウム、チタンおよび/またはホウ素のキレート、たとえばアルミニウムエチル−アセトアセテートおよび/またはジルコニウムエチルアセトアセテートである。特に有利であるのはアルミニウムキレートである。
【0027】
さらに特に有利であるのは、アルミニウム、ジルコニウム、チタンおよび/またはホウ素のアルコラートおよび/またはエステルである。
【0028】
さらに成分(B)として特に有利であるのは、ナノ粒子である。このようなナノ粒子は有利には少なくとも部分的に−Si(OR′)3−x(y)−単位の架橋の際に架橋点に一緒に組み込まれる。
【0029】
有利にはナノ粒子は、金属および金属の化合物、有利には金属の化合物からなる群から選択される。
【0030】
有利には金属は元素の周期律表の第3〜第4主族、第3〜第6ならびに第1および第2副族ならびにランタノイドからの金属から、および有利にはホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、亜鉛、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステンおよびセリウムからなる群から選択される。特にアルミニウム、ケイ素、チタンおよび/またはジルコニウムを使用する。有利には金属の化合物は、酸化物、酸化物水和物、硫酸塩、水酸化物またはリン酸塩、特に酸化物、酸化物水和物および水酸化物である。特に有利であるのは、ベーマイトのナノ粒子である。
【0031】
有利には該ナノ粒子は、50nm未満、有利には5〜50nm、特に5〜30nmの一次粒径を有する。触媒成分(B)は、本発明による被覆剤の不揮発性成分に対して、有利には0.01〜30質量%の割合で、特に有利には0.1〜20質量%の割合で使用する。
【0032】
別の成分(C)として、被覆剤中で成分(A)および(B)に対して化学的に不活性であり、かつ被覆剤の硬化の際にも(A)および(B)と反応しない溶剤が適切である。このような溶剤の例は、脂肪族および/または芳香族炭化水素、たとえばトルエン、キシレン、ソルベントナフサ、Solvesso 100またはHydrosol(ARAL社)、ケトン、たとえばアセトン、メチルエチルケトンまたはメチルアミルケトン、エステル、たとえばエチルアセテート、ブチルアセテート、ペンチルアセテートまたはエチルエトキシプロピオネート、エーテルまたは前記の溶剤の混合物である。有利には溶剤または溶剤混合物は、溶剤に対して最大で1質量%、特に有利には最大で0.5質量%の含水率を有する。本発明の有利な1実施態様では、まず、成分(A)および(C)の混合物を製造し、これを別の工程で本発明による被覆剤の残りの成分と混合する。
【0033】
さらに本発明による被覆剤は、通例かつ公知の塗料添加剤少なくとも1種を、有効量で、つまり、そのつど被覆剤の不揮発性成分に対して、有利には30質量%までの量で、特に有利には25質量%まで、およびとりわけ20質量%までの量で含有していてよい。
【0034】
適切な塗料添加剤の例は次のものである:
特にUV吸収剤、
特に光安定剤、たとえばHALS化合物、ベンゾトリアゾールまたはオキサルアニリド、
遊離基捕捉剤、
スリップ剤、
重合防止剤、
消泡剤、
反応性希釈剤、たとえば有利には成分(A)の−Si(OR)3基と反応して−Si−O−C架橋点および/または−Si−N−C架橋点を形成することがない従来技術から一般に公知のもの、
湿潤剤、たとえばシロキサン、フッ素含有化合物、カルボン酸半エステル、リン酸エステル、ポリアクリル酸およびこれらのコポリマーまたはポリウレタン、
カップリング剤、たとえばトリシクロデカンジメタノール、
レベリング剤、
塗膜形成助剤、たとえばセルロース誘導体、
成分(B)とは異なる充填剤、たとえば二酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムをベースとするナノ粒子、補足的にRoempp Lexikon、"Lacke und Druckfarben"、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1998年、第250〜252頁を参照されたい。
【0035】
レオロジー調節剤、たとえば特許文献WO94/22968、EP−A−0276501、EP−A−0249201またはWO97/12945から公知のもの、架橋したポリマーのマイクロ粒子、たとえばEP−A−0008127に開示されているもの、無機の層状ケイ酸塩、たとえばモンモリロナイトタイプのアルミニウム−マグネシウム−ケイ酸塩、ナトリウム−マグネシウム−およびナトリウム−マグネシウム−フッ素−リチウム−層状ケイ酸塩、ケイ酸、たとえばアエロジル、またはイオン性および/または会合作用のある基を有する合成ポリマー、たとえばポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルピロリドン、スチレン−マレイン酸無水物またはエチレン−マレイン酸無水物のコポリマーおよびこれらの誘導体または疎水性に変性されたエトキシ化ウレタンまたはポリアクリレート、
および/または難燃剤。
【0036】
本発明のもう1つの実施態様では、本発明による被覆剤はさらに別の顔料および/または充填剤を含有していてもよく、かつ顔料着色されたトップコートを製造するために使用される。このために使用される顔料および/または充填剤は当業者に公知である。
【0037】
本発明による被覆剤の適用は、すべての通例の適用法、たとえば噴霧、ナイフ塗布、刷毛塗り、流し塗り、浸漬、含浸、散布またはロール塗りにより行うことができる。その際、被覆すべき支持体は、それ自体、静止しており、適用装置が移動してもよい。しかしながら、被覆すべき基材、特にコイルは動かされてもよく、その際、適用装置は基材に対して静止しているか又は適当に動かされてもよい。
【0038】
有利にはたとえば圧縮空気による噴霧、エアレス噴霧、高速回転、静電噴霧塗装(ESTA)を、場合によりホットスプレー法、たとえばホットエアー噴霧法と組み合わせて適用する。適用される本発明による被覆剤の硬化は、一定の静止時間の後に行うことができる。静止時間はたとえば塗料層のレベリングのため、および脱気のために、または揮発性成分、たとえば溶剤の気化のために役立つ。静止時間は、塗料層の損傷または変化、たとえば早すぎる完全な架橋が現れない限り、高めた温度の適用により、かつ/または空気湿分の低下により支援するか、かつ/または短縮することができる。
【0039】
被覆剤の熱硬化は方法的な特徴はなく、常用の及び公知の方法、例えば循環空気炉中での加熱又はIR−ランプを用いた照射により行われる。この場合、熱による硬化は段階的に行うこともできる。もう1つの有利な硬化法は、近赤外線(NIR線)による硬化である。
【0040】
有利には熱による硬化は50〜160℃、特に有利には60〜150℃、および特に80〜140℃の温度で、1分〜5時間、特に有利には2分〜2時間および特に3分〜90分の時間で行う。
【0041】
本発明による被覆剤は、耐引掻性が高く、かつ特に耐薬品性および耐候性である、新規の硬化した被覆、特にコーティング、とりわけクリアコーティング、成形部材、とりわけ光学用の成形部材、および自由支持のシートを提供する。特に本発明による被覆およびコーティングは、特にクリアコーティングは、層厚さ>40μmでも応力亀裂が現れることなく、製造することができる。
【0042】
本発明による被覆剤は、移動手段(特に自動車、たとえばオートバイ、バス、トラックまたは乗用車)の車体、またはこれらの部材、屋内および屋外領域の建築物、家具、窓およびドア、プラスチック成形部材、特にCDおよび窓、工業用の小部品、コイル、コンテナおよび包装材料、白物家電、シート、光学用、電子工学用および機械用の部材ならびにガラス中空体および日用品の装飾用、保護用および/または効果を与える耐引掻性および高弾性の被覆およびコーティングとして好適である。
【0043】
特に本発明による被覆剤およびコーティング、とりわけクリアコーティングは、有利に透明なプラスチックの被覆のために使用される。その際、特に特に高い耐薬品性および耐候性、高い透明性ならびに極めて良好な耐引掻性により優れており、このことは、実地に関連するテーバー試験において証明される。
【0044】
実施例
製造例1 適切な触媒(成分B)の製造
クリアコートの優れた硬化を保証するために、まず適切な触媒を製造する。このために、丸底フラスコ中のアルミニウム-s-ブチレート20.43質量部に、室温でエチルアセトアセテート13.01質量部をゆっくり添加し、その際、攪拌し、かつ冷却する。引き続き、該反応混合物を室温でさらに1時間攪拌する。
【0045】
製造例2−ポリアクリレート(A1a)の製造
還流冷却器および温度計を備えたガラス製の三口フラスコ中に、ソルベントナフサ39.42質量部を装入し、かつ窒素雰囲気下で145℃に加熱する。一定の温度で同時に、n−ブチルメタクリレート14.04質量部および3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン73.54質量部を2時間以内に添加し、かつソルベントナフサ12.72質量部中のt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート10.28質量部からなる開始剤溶液を5時間以内に均一に計量供給する。開始剤溶液の供給を終了した後で、温度を1.5時間、145℃に維持する。引き続き、室温に冷却する。反応の完了は、GCにより、および分子量はGPCにより試験した。合計して0.2質量%(n−ブチルメタクリレート0.1質量%、MEMO 0.1質量%)の残留モノマー含有率および17553ダルトンの質量平均分子量Mwならびに2175ダルトンの数平均分子量が生じた。別の製造例(A1b)〜(A1f)では、モノマー成分であるn−ブチルメタクリレートをエチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレートならびにシクロヘキシルメタクリレートと交換し、その際、製造は前記の通りに行う。
【0046】
製造例3.1 シラン化されたジイソシアネート(IPDI)(成分(A2a))の製造
還流冷却器、温度計および供給部を備えたガラス製の三口フラスコ中に、Desmodur I(IPDI(登録商標)Bayer)20.72質量部およびHydrosol A 170(登録商標)Aral)15.61質量部を装入し、その際、攪拌し、かつ窒素でパージする。5℃で、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン(OSI社からSilquest A1170として市販されているもの)63.66質量部からなる供給流を引き続き1.5時間にわたって、生じる発熱反応により温度が10℃を超えないように計量供給する。
【0047】
このようにして得られた混合物を、滴定によるNCO値の測定により遊離NCO基がそれ以上検出できなくなるまで、さらに12時間室温でおよび引き続き60℃で攪拌した。
【0048】
製造例3.2 シラン化されたジイソシアネート(HDI)(成分(A2b))の製造
還流冷却器、温度計および供給部を備えたガラス製の三口フラスコ中に、Desmodur H(HDI(登録商標)Bayer)17.8質量部およびHydrosol A 170(登録商標)Aral)10.0質量部を装入し、その際、攪拌し、かつ窒素でパージする。0℃で、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン(OSI社からSilquest A1170として市販されているもの)72.2質量部からなる供給流を引き続き1.5時間にわたって、生じる発熱反応により温度が10℃を超えないように計量供給する。
【0049】
このようにして得られた混合物を、滴定によるNCO値の測定により遊離NCO基がそれ以上検出できなくなるまで、さらに12時間室温でおよび引き続き60℃で攪拌した。
【0050】
比較例:一官能性シランアミンを有するシラン化されたジイソシアネート(HDI)の製造
還流冷却器、温度計および供給部を備えたガラス製の三口フラスコ中に、Desmodur H(HDI(登録商標)Bayer)17.8質量部およびHydrosol A 170(登録商標)Aral)10.0質量部を装入し、その際、攪拌し、かつ窒素でパージする。0℃で、(N−フェニルアミノメチル)−トリメトキシシラン(Wacker社からGeniosil XL973として市販されているもの)48.05質量部からなる供給流を滴加し、かつ引き続き1.5時間にわたって、生じる発熱反応により温度が10℃を超えないように計量供給する。
【0051】
このようにして得られた混合物を、滴定によるNCO値の測定により遊離NCO基がそれ以上検出できなくなるまで、さらに12時間室温でおよび引き続き60℃で攪拌した。
【0052】
耐引掻性および耐薬品性の被覆材料の調製
耐引掻性が高く、かつ耐薬品性の被覆剤を調製するために、製造例3.1および3.2に記載されているジイソシアネート付加物(A2a)および(A2b)を、製造例2に記載されているアルコキシシラン官能性のポリアクリレート(A1a)〜(A1f)と、(A1):(A2)の質量比25:75で混合するか、もしくは純粋な成分として使用し、かつ製造例1に記載されている触媒(B)を添加した。得られた被覆を適用し、かつ130℃で30分にわたり焼き付けた。これに属する処方(質量部は被覆剤の組成に対する)および結果は第1表にまとめられている。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
得られた被覆1a〜1hの表面の耐引掻性をテーバー試験により試験した。同様に、比較例に記載されているジイソシアネート付加物(比較例1)を用いて実施した(被覆V)テーバー試験は、DIN52347の耐摩耗性試験(1000回転、CS10F、500g)により実施し、かつ引き続き、損傷された箇所の曇り(ヘイズ)をDIN5036により測定した。その際、負荷後に試験面を柔らかい布を用いてスチールウールの残りを取り除いた。試験面を人工光下で目視により評価し、かつ以下のとおりに評価した:
評点 損傷像
1 存在せず
2 わずかに存在
3 中程度
4 中程度〜平均的
5 著しい
6 極めて顕著
評価は、試験の終了時に直接行った。
【0056】
耐薬品性をBART試験により試験した。BART(BASF ACID RESISTANCE TEST)は、酸、アルカリ液および水滴に対するクリアコーティングの耐性を測定するために使用される。この場合、クリアコーティングを勾配炉中で、焼き付け後に、40℃で30分間の温度負荷に供した。予め、試験物質(硫酸10%、36%、亜硫酸6%、塩酸10%、水酸化ナトリウム5%、VE(脱塩もしくは脱イオン)水1、2、3もしくは4滴)を定義されたとおりに計量ピペットにより施与した。物質を作用させた後、引き続き、該物質を流水で除去し、かつ損傷を24時間℃に、規定の基準に相応して目視により評価した:
評点 外観
0 欠陥なし
1 わずかなマーキング
2 マーキング/艶の消失/軟化なし
3 マーキング/艶の消失/色調の変化/軟化
4 亀裂/腐食の開始
5 クリアコートのはく離
そのつどのマーキング(スポット)を評価し、かつ結果をそれぞれの試験物質に関する評点の形で記録した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)
(A1)少なくとも1つの式I
-X-SiR"x(OR')3-x (I)
[式中、
R′は水素、アルキル又はシクロアルキルを表し、その際、炭素鎖は隣接してない酸素基、硫黄基またはNRa基により中断されていてもよく、その際、Raは、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、
Xは、2〜20個の炭素原子を有する線状および/または分枝鎖状のアルキレンまたはシクロアルキレン基を表し、
R″は、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、その際、炭素鎖は隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基により中断されていてもよく、
xは、0〜2である]の反応性の基を有するラジカル重合可能なエチレン性不飽和化合物(a1)を、コポリマー(A1)中のコモノマーの合計に対して50質量%より多く含有するポリメタクリレートコポリマーを、成分(A1)と(A2)との合計に対して0〜50質量%および
(A2)ポリイソシアネートとアルコキシシランとからなる付加物を、成分(A1)と(A2)との合計に対して50〜100質量%、その際、(A1)は、少なくとも1つの式II
-NR-C(0)-N-(X-SiR"x(OR')3-x)n(X'-SiR"y(OR')3-y)m (II)
[式中、
XおよびR″は式I中に記載した構造単位を表し、かつ
Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、その際、炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基により中断されていてもよく、その際、Raは、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、
X′は、2〜20個の炭素原子を有する線状および/または分枝鎖状のアルキレンまたはシクロアルキレン基を表し、
nは、0〜2であり、
mは、0〜2であり、
m+nは、2である]の反応性の基を有する、
からなる混合物を、被覆剤中の不揮発性物質の含有率に対して少なくとも50質量%、
(B)−Si(OR′)3-x単位を架橋するための触媒および
(C)非プロトン性溶剤又は非プロトン性溶剤の混合物
を含有する、非プロトン性溶剤をベースとする熱硬化性被覆剤。
【請求項2】
化合物(A1)が、コポリマー(A1)中のコモノマーの合計に対して60質量%より多くのラジカル重合可能なエチレン性不飽和化合物(a1)を含有するポリメタクリレートコポリマーを含むことを特徴とする、請求項1記載の被覆剤。
【請求項3】
Xおよび/またはX′が、2〜4個の炭素原子を有するアルキレンを表すことを特徴とする、請求項1または2記載の被覆剤。
【請求項4】
成分(A1)および(A2)の割合が、被覆剤中の不揮発性物質の含有率に対して、少なくとも60質量%であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の被覆剤。
【請求項5】
触媒(B)が、ホウ素、アルミニウム、チタンおよび/またはジルコニウムのキレート、アルコラートおよび/またはエステルの群から、および/または元素のアルミニウム、ケイ素、チタンおよび/またはジルコニウムの化合物からなるナノ粒子の群から選択されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の被覆剤。
【請求項6】
非プロトン性溶剤(C)が、溶剤に対して最大で1質量%の含水率を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の被覆剤。
【請求項7】
被覆剤の固体含有率が、>50質量%であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の被覆剤。
【請求項8】
プラスチックを被覆するための請求項1から7までのいずれか1項記載の被覆剤の使用。
【請求項9】
多工程の被覆法において、場合により前被覆された支持体上に、顔料着色されたベースコート層を施与し、かつその後、請求項1から7までのいずれか1項記載の被覆剤からなる層を施与することを特徴とする、多工程の被覆法。

【公表番号】特表2008−517111(P2008−517111A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537131(P2007−537131)
【出願日】平成17年9月3日(2005.9.3)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009494
【国際公開番号】WO2006/042584
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】