説明

アルコキシシラン末端ポリマーを含む透明ポリマー混合物

本発明は、Aが‐O‐、‐S‐、‐(R)N‐、‐O‐CO‐N(R)‐、‐N(R)‐CO‐O‐、‐N(R)‐CO‐NH‐、NH‐CO‐N(R)‐、‐N(R)‐CO‐N(R)‐から選択される二価リンカー基であって、Rが1〜10個の炭素原子を有する、任意選択的にハロゲン置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、またはアリール基であって、Rが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基または全部で2〜10個の炭素原子有するω‐オキサアルキル‐アルキル基であって、Rが水素、任意選択的にハロゲン置換された環状、直鎖状、または分枝状のC〜C18のアルキル基またはアルケニル基、あるいはC〜C18のアリール基であって、aが0〜2の整数であって、mが1〜6の整数であることを特徴とする、A)一般式(1)の少なくとも1個の末端基を有するアルコキシシラン末端ポリマー(A)、‐A‐(CH‐SiR(OR3‐a(1)と、B)BET比表面積が少なくとも50 m/gのヒュームドシリカまたは沈降シリカと、C)アミノ化合物の重量が0.05%以下の触媒とを含み、充填剤を含まないポリマー混合物(P)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコキシシラン末端ポリマーおよびBET比表面積が大きなシリカを含む透明ポリマーブレンドと、アミン基を持たない触媒系に関する。
【背景技術】
【0002】
反応性アルコキシリル基を有するポリマー系は十分に確立されている。大気水分存在下で、これらのアルコキシシラン末端ポリマーは室温でも互いに縮合し、アルコキシ基を脱離させることができる。アルコキシシラン基の量とその構造次第で、生成物は主に長鎖ポリマー(熱可塑性)、比較的目の粗い三次元ネットワーク(エラストマー)、あるいはその他の高度な架橋システム(熱硬化樹脂)となる。
【0003】
問題のアルコキシシラン末端ポリマーは、特に特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5に記載されているポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル等、有機主鎖を有するポリマー、あるいは特に特許文献6および特許文献7に記載されている、ポリマーの主鎖の全体または少なくとも1部がオルガノシロキサンから構成されているポリマーと考えられる。
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第A269819号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第A931800号明細書
【特許文献3】国際公開第00/37533号パンフレット
【特許文献4】米国特許第3,971,751号明細書
【特許文献5】独国特許第19849817号明細書
【特許文献6】国際公開第96/34030号明細書
【特許文献7】米国特許第5,254,657号明細書
【0005】
このようなシラン末端ポリマー系の設計に数え切れないほどの可能性があることを踏まえ、非架橋ポリマーまたはポリマー含有混合物の特性(粘性、融点、溶解性等)だけでなく、完全架橋組成物(硬度、弾性、引っ張り強さ、耐熱性等)の特性も実質的に製造し得る。したがって、同様にこのようなシラン末端ポリマー系の使用にも様々な可能性がある。例えば、これを使用してエラストマー、シーラント、接着剤、弾性接着剤系、剛性および柔軟な発泡体、多様なコーティング系、または可塑性化合物として使用し得る。これらの生成物は、配合物の組成物に応じて、例えば展着させる、噴霧する、注入する、加圧する、へら付けする等の方法で、任意の形状で適用し得る。
【0006】
接着剤およびシーラント領域で1つの特に興味深い用途は、硬化後も透明性を保つ配合物である。このような接着剤およびシーラントの適用は、接着剤シームが見えない場合、あるいは結合される組成物の着色により、着色され充填された接着剤を適切に選択できない場合に必要である。透明組成物のさらなる利点は、より広く使用され得ることである。着色組成物の場合、幅広い色を提供して最大限に多様な用途に対応する必要がある。例えば、つや出し領域では、特に接着層に対する光学負荷が高くなる。
【0007】
透明組成物は透明性も保たなければならない。これまで多くの生成物が、貯蔵時および光に曝露されたとき、特にUV曝露下でその後明らかな黄変を呈している。このような黄変の原因は、主に配合物中のアミン化合物である。シリル化ポリマーの一般的な配合物の場合、大半はアミノシランの形態でアミンが添加されている。これらの化合物は定着剤として、また硬化時の共触媒としての役割も果たす。そのような化合物の例は、特許文献8に記載されている。
【0008】
【特許文献8】欧州特許出願公開第1041119A合明細書
【0009】
チョークを充填した組成物では、多くの場合、黄変は配合物によってなくなるか、あるいは生じないだけである。透明組成物では、黄変を隠すのはほぼ不可能である。黄変上に上塗りするための染料―通常青色染料―の添加は一般的な手法である。しかし、より強い黄変が「緑色」になり、茶色にまでなってしまうため、効果は限定される。
【発明の開示】
【0010】
本発明は、
Aが‐O‐、‐S‐、‐(R)N‐、‐O‐CO‐N(R)‐、‐N(R)‐CO‐O‐、‐N(R)‐CO‐NH‐、NH‐CO‐N(R)‐、‐N(R)‐CO‐N(R)‐から選択される二価リンカー基であって、
が1〜10個の炭素原子を有する、任意選択的にハロゲン置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、またはアリール基であって、
が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基または全部で2〜10個の炭素原子有するω‐オキサアルキル‐アルキル基であって、
が水素、すなわち任意選択的にハロゲン置換された環状、直鎖状、または分枝状のC〜C18のアルキル基またはアルケニル基、あるいはC〜C18のアリール基であって、
aが0〜2の整数であって、
mが1〜6の整数である、
A)一般式(1)の少なくとも1個の末端基を有するアルコキシシラン末端ポリマー(A)と、
〔化学式1〕‐A‐(CH‐SiR(OR3‐a
B)BET比表面積が少なくとも50 m/gのヒュームドシリカまたは沈降シリカと、
C)アミノ化合物の重量が0.05%以下の触媒とを含み、
充填剤を含まないポリマーブレンド(P)を提供する。
【0011】
本ポリマーブレンド(P)は透明である。透明ポリマーブレンド(P)では、非常に広範なシリカを使用することが可能であり、すでに極めて透明性の高い系が生成されることが確認されている。対照的に、その他のポリマーの場合、より特異的な、特にコーティングされた、通常BET比表面積が少なくとも300 m/gとさらに大きいシリカを使用する必要がある。
【0012】
さらに、本ポリマーブレンド(P)は貯蔵下および光曝露下で黄変を呈さない。
【0013】
アルコキシシラン末端ポリマー(A)は、特にmが1のときに反応性が極めて高いため、共触媒としてアミンやアミノシランを使用しなくてもよい。
【0014】
本ポリマーブレンド(P)は、一成分または二成分配合物に付与し得る。二成分ポリマーブレンド(P)では、ポリマー(A)を塩基成分としてシリカ(B)と混合し、好ましくは触媒(C)を硬化成分に配合する。特に好ましくは、一成分硬化型を呈するポリマーブレンドに付与することである。
【0015】
本ポリマーブレンド(P)は、好ましくはアミノ化合物が0.01重量%以下の触媒を含み、より好ましくはアミノ化合物を含まない。ここに含まれるアミノ化合物は、第一級、第二級、またはその他の第三級アミンであり、ポリマー(A)の硬化に対して触媒作用を発揮し得る、あるいは共触媒として添加される。一般的にこれらはトリエチルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、1,4‐ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ‐7‐セン、またはその他のアミノシラン(アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、またはN‐アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン等)の強塩基性化合物である。
【0016】
使用され得るアルコキシシラン末端ポリマー(A)の主鎖は、分枝状または枝なしと考え得る。鎖の平均的長さは、非架橋混合物および硬化組成物のどちらでも、特に任意の特性に応じて適宜適合され得る。主鎖は、様々な構成要素から構築され得る。構成要素とは一般的にポリシロキサン、ポリシロキサンウレア/ウレタン共重合体、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルエステル、またはポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリブタジエン、エチレン‐オレフィン共重合体、またはスチレン‐ブタジエン共重合体等)である。もちろん、異なる主鎖を有するポリマーの任意の混合物または化合物を使用することも可能である。
【0017】
一般式(1)のシラン末基を有するポリマー(A)を調製するには、さらに具体的には以下を含む多様な既知の可能性がある。
一般式(1)の基を有する不飽和モノマーが関与する共重合。そのようなモノマーの例はビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルメチルジメトキシシラン、またはその他の対応するエトキシシリル化合物などである。
一般式(1)の基を有する不飽和モノマーの熱可塑性樹脂(ポリエチレン等)へのグラフト添加。そのようなモノマーの例はビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルメチルジメトキシシラン、またはその他の対応するエトキシシリル化合物などである。
不飽和末端二重結合または内部二重結合するジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、またはトリエトキシシラン等、通常白金触媒を用いるH‐シランのヒドロシリル化。
一般式(2)の1個以上のオルガノシラン(A2)を有するプレポリマー(A1)の反応。一般式(2)ではR、R、R、m、およびaは上述の定義を有し、
Bは酸素、窒素、または硫黄原子であり、
C‐B‐はプレポリマー(A)の適切な官能基に反応する官能基を表す。
〔化学式2〕C‐B‐(CH‐SiR(OR3‐a
この場合、プレポリマー(A)はそれ自体2種類以上の構成要素(A11、A12…)から構成され、第1にこれらの構成要素(A11、A12…)からプレポリマー(A)を調製し、次にこれをシラン(A2)と反応させて最終ポリマー(A)を得ることが必須というわけではない。例えば、反応ステップを逆にして、第1に1個以上の構成要素(A11、A12…)をシラン(A2)と反応させ、次に結果生じた化合物を残りの構成要素(A11、A12…)と反応させるだけで完成したポリマー(A)を得ることも可能である。構成要素A11、A12から構成されるプレポリマー(A)の例は、ポリイソシアネート(構成要素A11)および多価アルコール(構成要素A12)から調製され得るOH‐、NH‐、またはNCO‐末端ポリウレタンおよびポリウレアである。
【0018】
一般式(1)のシラン末端を有する好ましいポリマー(A)は、一般式(4)のオルガノシラン(A2)とそのプレポリマー(A1)から調製されるシラン末端ポリエーテルおよびポリウレタン、より好ましくはポリエーテルである。
【0019】
ポリマー(A)の1つの好ましい調製法は、一般式(3)のシランから選択されるシラン(A)を使用することであり、
〔化学式3〕OCN‐(CH‐SiR(OR3‐a
この場合、R、R、R、およびaは上述の定義を有し、
mは1または3である。
【0020】
ポリマー(A)を調製する上で、すべての反応ステップおよび反応条件に関与するすべてのイソシアネート基とすべてのイソシアネート反応性基の濃度は、好ましくはポリマー合成の過程でイソシアネート基が反応によって消費されるように選択される。したがって、完成したポリマー(A)は、好ましくはイソシアネートを含まない。
【0021】
ポリマー(A)の調製に特に適切な多価アルコールは、文献で広く報告されているような芳香族および脂肪族ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールである。しかし、基本的に1個以上のOH基を有するすべての高分子アルコール、オリゴマーアルコール、またはその他の単量体アルコールを使用することができる。
【0022】
好ましくは、Rはフェニル基あるいは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基、より具体的にはメチル基、エチル基、またはビニル基である。
【0023】
好ましくは、Rは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、より具体的にはメチル基またはエチル基である。
【0024】
好ましくは、Rは水素基、フェニル基、またはアルキル基、あるいは1〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、より具体的にはメチル基、エチル基、またはn‐プロピル基である。
【0025】
mは、好ましくは1または3である。
【0026】
BET比表面積が少なくとも50 m/gのシリカ(B)は、補強充填剤と呼ばれる。シリカ(B)は親水性であるか、例えばオルガノシラン、オルガノシラザン、またはオルガノシロキサンによる処理あるいはヒドロキシル基のアルコキシ基へのエーテル化等によって疎水化され得る。
【0027】
特に好ましくは、疎水化シリカ(B)になることである。シリカ(B)のBET比表面積は、好ましくは少なくとも100 m/g、好ましくは500 m/g以下、より具体的には250 m/g以下である。
【0028】
使用される触媒(C)は、好ましくは縮合触媒である。好ましい触媒(C)はスズ化合物(ジブチルスズジラウラート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクタノエート、ジブチルスズアセチルアセトネート、ジブチルスズオキシド、または対応するジオクチルスズ化合物等)または遷移金属(チタネート、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ビスマス等)のその他のルイス酸化合物である。
【0029】
さらに、カルボン酸、リン酸とその部分エステル、亜リン酸とその部分エステル、トルエンスルホン酸、または鉱酸である。様々な触媒は、純粋な形態または混合物のどちらかとして使用し得る。
【0030】
触媒は、好ましくはそれ自体あるいは分解により、発色団を形成し得る残留物がない。
【0031】
本ポリマーブレンド(P)では、アルコキシシラン末端ポリマー(A)部分は、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜70重量%、より具体的には30〜50重量%である。シリカ(B)部分は、好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは2〜20重量%、より具体的には5〜15重量%である。触媒(C)部分は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、より具体的には0.1〜2%重量%である。
【0032】
本ポリマーブレンド(P)は脱水剤およびシラン架橋剤、例えばビニルシラン(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、O‐メチルカルバマトメチルメチルジメトキシシラン、O‐メチルカルバマトメチルトリメトキシシラン、O‐エチルカルバマトメチルメチルジエトキシシラン、O‐エチルカルバマトメチルトリエトキシシラン、一般的にはアルキルアルコキシシラン等)またはその他のさらなる有機官能基性シランを含み得る。
【0033】
脱水剤およびシラン架橋剤は、本ポリマーブレンド(P)の濃度が好ましくは0.1重量%〜10重量%で、より好ましくは0.5重量%〜2重量%で使用される。
【0034】
本ポリマーブレンド(P)は可塑剤、例えばフタル酸エステル(フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジウンデシル等)、アジピン酸エステル(アジピン酸ジオクチル等)、安息香酸エステル、グリコールエステル、リン酸エステル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソブテン、パラフィン系炭化水素、より高度な分枝状の炭化水素基等を含み得る。
【0035】
可塑剤は、好ましくは本ポリマーブレンド(P)の濃度が最大50重量%の濃度で使用される。
【0036】
本ポリマーブレンド(P)は、従来のアルコキシ架橋一成分組成物で使用されるとして知られているような光安定剤(HALS安定剤、殺菌剤、難炎剤、着色剤等)をさらに含み得る。
【0037】
非架橋ポリマーブレンド(P)と硬化組成物のどちらにおいても、特定の任意の特性プロフィールを生じさせるには、上の添加物を使用することが好ましい。
【0038】
ポリマーブレンド(P)として、接着剤、シーラント、目地材、表面コーティングの分野および可塑性化合物および成形物の生成においても、数え切れないほど様々な用途がある。
【0039】
この意味で、本ポリマーブレンド(P)は、例えば無機基質、金属、プラスチック、ガラス、セラミック等、数え切れないほど様々な基質に適切である。
【0040】
上の式のすべての記号は、互いに独立した事例での定義である。すべての式において、シリコン原子は四価である。
【0041】
以下の実施例では、別の方法で示さない限り、全ての量および割合は重量単位である。
【実施例】
【0042】
〔実施例1a〕
一成分配合物の調製
【0043】
Wacker Chemie AG製のGENIOSIL(登録商標) STP‐E10およびGENIOSIL(登録商標) STP‐E15下で得られる各シラン末端ポリエーテル425gを2つのクロスアームミキサーを備えたPC‐Labosystem製の実験用遊星形ミキサーにおいて25°CでGENIOSIL(登録商標) XL10(Wacker Chemie AG)10.0 gと混合し、疎水化シリカHDK(登録商標)H18(Wacker Chemie AG)90 gを均一に分散するまで撹拌する。続いてグリシジロキシプロピルトリメトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) GF80‐Wacker Chemie AG)20 gとTINUVIN(登録商標) 292(Ciba AG)10 gを200 rpmで1分間混合する。最後に、ジブチルスズジラウラート(Merck)20 gを200 rpmで1分間分散させ、その混合物を600 rpmで2分間、そして部分真空(約100 mbar)下では200 rpmで1分間撹拌して均質化する(気泡なし)。配合物をPEカートリッジ310 ml内に入れ、25°Cで1日保管する。
【0044】
対照例1b(発明性なし)
【0045】
調製法は実施例1aのとおりであり、最終ステップでジブチルスズジラウラートとアミノプロピルトリメトキシシラン(GENIOSIL(登録商標) GF96‐Wacker Chemie AG)10 gを投入する。
【0046】
機械的特性の測定
【0047】
サンプルを粉砕したTeflon(登録商標)板(厚さ2 mm)上にコーティングし、23°C、相対湿度50で2週間硬化させる。
【0048】
機械的特性は、DIN 53504(引っ張り試験)およびDIN 53505(ショアA硬度)に従って測定する。
【0049】
UV蓄積
【0050】
UV蓄積下での黄変測定は、UVランプを有する非冷却式照明チャンバー(Osram‐Ultra‐Vitalux(登録商標) 300W)で実施する。チャンバーの温度は50〜60°Cである。
【0051】
測定値を表1に示す。
(表1)

【0052】
〔実施例2〕
二成分配合物の調製
【0053】
配合物は、実施例1に記載したプロセスと同じ方法で調製する。しかし、ここでは塩基成分と硬化成分は、それぞれ別個に調製する。被験標本を生成するため、成分はSpeedMixer(登録商標)(Hauschild製)で混合した。このため、混合物50 gを3000回転で1分間混合し、速やかに処理した。
【0054】
測定値を表2に示す。
(表2)

【0055】
機械的特性の測定
【0056】
サンプルを粉砕したTeflon(登録商標)板(厚さ2 mm)上でコーティングし、23°C、相対湿度50で2週間硬化させる。
【0057】
機械的特性は、DIN 53504(引っ張り試験)およびDIN 53505(ショアA硬度)に従って測定する。
【0058】
UV蓄積
【0059】
UV蓄積下での黄変測定は、UVランプを有する非冷却式照明チャンバー(Osram‐Ultra‐Vitalux(登録商標) 300W)で実施する。チャンバーの温度は50〜60°Cである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Aが‐O‐、‐S‐、‐(R)N‐、‐O‐CO‐N(R)‐、‐N(R)‐CO‐O‐、‐N(R)‐CO‐NH‐、NH‐CO‐N(R)‐、‐N(R)‐CO‐N(R)‐から選択される二価リンカー基であって、
が1〜10個の炭素原子を有する、任意選択的にハロゲン置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、またはアリール基であって、
が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基または全部で2〜10個の炭素原子を有するω‐オキサアルキル‐アルキル基であって、
が水素、任意選択的にハロゲン置換された環状、直鎖状、または分枝状のC〜C18のアルキル基またはアルケニル基、あるいはC〜C18のアリール基であって、
aが0〜2の整数であって、
mが1〜6の整数である、
A)前記一般式(1)の少なくとも1個の末端基を有するアルコキシシラン末端ポリマー(A)と、
〔化学式1〕‐A‐(CH‐SiR(OR3‐a
B)BET比表面積が少なくとも50 m/gのヒュームドシリカまたは沈降シリカと、
C)アミノ化合物の重量が0.05%以下の触媒とを含み、
充填剤を含まない、ポリマーブレンド(P)。
【請求項2】
前記アルコキシシラン末端ポリマー(A)の前記主鎖が、ポリシロキサン、ポリシロキサンウレア/ウレタン共重合体、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルエステル、ポリオレフィン、ポリブタジエン、エチレン‐オレフィン共重合体、またはスチレン‐ブタジエン共重合体、およびポリマーと様々な主鎖との混合物および化合物から選択されるポリマーから構築されることを特徴とする、請求項1に記載のポリマーブレンド(P)。
【請求項3】
ポリマー(A)が前記一般式(3)のシランの反応により得られ、
〔化学式3〕OCN‐(CH‐SiR(OR3‐a
この場合、R、R、R、およびaが請求項1に記載の定義を有し、
mが1または3であって、
ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールを有することを特徴とする、請求項1および請求項2に記載のポリマーブレンド(P)。
【請求項4】
が1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であることを特徴とする、請求項1〜請求項3に記載のポリマーブレンド(P)。
【請求項5】
mが1であることを特徴する、請求項1〜請求項4に記載のポリマーブレンド(P)。
【請求項6】
シリカ(B)がオルガノシラン、オルガノシラザン、またはオルガノシロキサンによる処理あるいはヒドロキシル基のアルコキシ基へのエーテル化により疎水化されることを特徴とする、請求項1〜請求項5に記載のポリマーブレンド(P)。
【請求項7】
触媒(C)が、スズ化合物、遷移金属(チタネート、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ビスマス)のルイス酸化合物、カルボン酸、リン酸とその部分エステル、亜リン酸とその部分エステル、トルエンスルホン酸、および鉱酸から選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項6に記載のポリマーブレンド(P)。

【公表番号】特表2009−536676(P2009−536676A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508371(P2009−508371)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054434
【国際公開番号】WO2007/131912
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(507303435)ウァッカー ケミー アーゲー (17)
【Fターム(参考)】