説明

アルコキシル化植物油ヒドロキシレートを用いて製造されたポリウレタンフォーム又はエラストマー及びその製造方法と用途

【課題】環境に優しい再生可能な成分で製造されたポリウレタンフォーム及びエラストマーを提供する。
【解決手段】少なくとも1種のポリイソシアネート;及びアルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含む少なくとも1種のアルコキシル化植物油ヒドロキシレート、所望により、少なくとも1種の非植物油系ポリオールを、所望により、少なくとも1種の発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒及び充填剤の存在下に反応させた反応生成物を含んでなるポリウレタンフォーム又はエラストマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にポリウレタンに関し、より詳細には、石油から誘導したポリオールの少なくとも一部をアルコキシル化植物油ヒドロキシレートで置き換えたポリウレタンフォーム及びエラストマーに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォーム及びエラストマーは、多くの産業資材及び消費財において、広範な用途を有している。このような汎用性は、広い範囲にわたるポリウレタンの機械的性質および比較的容易に製造できるという特性による。例えば、自動車は、多数のポリウレタン製部品、例えばシート、ダッシュボード、その他の内装部品を含んでいる。ポリウレタンフォームは、軟質(又は半硬質)フォームと硬質フォームとに分類され、軟質フォームは、通常、硬質フォームに比べ、より軟らかで、密度が小さく、よりしなやかで、負荷を加えると構造的に回復(反発)しやすい。
【0003】
ポリウレタンフォームの製造方法は、当業者にはよく知られており、ポリウレタンは、NCO基とヒドロキシル基との反応により生成される。最も一般的なポリウレタンの製造方法は、骨格ウレタン基を形成するポリオールとイソシアネートとの反応による。必要に応じて、ポリウレタン組成物は、架橋剤、発泡剤、触媒及び他の添加剤を含んでいてよい。
【0004】
ポリウレタンの製造に使用されるポリオールは、典型的には石油系原料から得られ、通常、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、及び種々の出発剤、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、スクロース及びソルビトールから調製される。ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールは、ポリウレタンの製造において使用される最も一般的なポリオールである。半硬質フォームの場合、約300から2000の分子量を有するポリエステル又はポリエーテルポリオールが通常使用され、一方、軟質フォームの場合、約1000〜10000の分子量を有するより長鎖のポリオールが通常使用される。ポリエステル及びポリエーテルポリオールは、所望の最終強靱性、耐久性、密度、柔軟性、圧縮永久歪み、並びに弾性及び硬さ特性を有する特有のポリウレタンエラストマー又はフォームが設計できるように、選択される。一般に、より高い分子量のポリオール及びより低い官能価のポリオールからは、より低い分子量のポリオール及びより高い官能価のポリオールよりも、柔軟性が高いフォームが製造される傾向がある。
【0005】
ポリエステル及びポリエーテルポリオールのような石油系成分は、いくつかの欠点を有する。そのようなポリエステル又はポリエーテルポリオールの使用は、再生不可能な資源である石油を枯渇させることにつながる。また、ポリオールの製造には、膨大なエネルギーが必要である。何故なら、ポリオールを製造するための石油を掘削し、抽出し、最終ポリオールを製造するために精製及び加工を行う精油所まで輸送しなければならないからである。一般消費者は、その様な製造工程の環境に対する影響に益々関心を持つようになっており、より「環境にやさしい」製品に対する消費者の要求は増大し続けるであろう。このような消費者の要求を満足させると共に石油の消費を減少するのに役立つために、ポリウレタンエラストマー及びフォームの製造に使用される石油誘導ポリエステル又はポリエーテルポリオールを、汎用で、再生可能であり、より環境に配慮した成分で部分的に又は完全に置き換えることが有利である。
【0006】
このような置き換えを行うために、この技術分野では技術者により種々の試みがなされてきている。大豆誘導体を含む植物材料から誘導された脂肪酸トリグリセリドを用いて生成したプラスチック及びフォームが開発されている。再生可能な、汎用の環境に優しい原料として、大豆は、プラスチック製造用成分として望ましかったし、これからもそうであろう。
【0007】
例えば、米国特許第5,221,433号(Daute et al)は、大豆油をエポキシド化し、次いで、ニッケル触媒を用いて水素化することにより得たアルコキシレート化大豆油の使用を開示している。水酸化カリウム触媒を用いてヒドロキシル官能性油をアルコキシレート化し、生成物は脱インキに使用される。しかしながら、この米国特許は、このような油をポリウレタンフォーム又はエラストマーの製造に使用することは示唆していない。
【0008】
米国特許第5,512,134号(Daute et al)は、脱インキ剤の存在下で印刷された古紙からインキを除去する方法を開示している。この方法では、脱インキ剤として吹込油のアルコキシレートを使用する。アルコキシレートとして、オキシアルキレン成分が20〜95質量%、好ましくは50〜80質量%を占める、魚油、菜種油及び大豆油のような吹込油のアルコキシレートが記載されている。しかし、この米国特許も、このようなアルコキシレートをポリウレタンの製造に用いることは示唆していない。
【0009】
米国特許第5.516,853号(Schneider et al)は、アルコキシレート化大豆油が不飽和ポリエステルの製造に使用できることを記載している。このような物質の用途として、水希釈性バインダー及び水還元性ラッカーでの使用が教示されているが、ポリウレタンでの使用は記載も示唆もされていない。
【0010】
米国特許第6,180,686;6,465,569;及び6,624,244号を含むKurthの多くの特許は、ポリウレタン材料の製造でポリオールとして未変性(酸化)大豆油を使用することを教示している。油に空気を吹き込んで、油を酸化するが、この酸化大豆を石油系ポリオールの代替物として使用する前に別の変性を行うことは、教示されていない。
【0011】
米国特許出願公開2004/0209971 A1(Kurth et al)は、植物油のオキシル化法及びオキシル化油から製造したポリウレタンを記載している。この公開特許では、エステル交換された吹込油がプロポキシル化され、又は、エステル交換にプロポキシル化グリセリン又は他の物質が使用されているようである。更に、この公開特許では、フォームを製造するために、THF又は他のフルフラール誘導体をブレンドし、使用している。
【特許文献1】米国特許第5,221,433号
【特許文献2】米国特許第5,512,134号
【特許文献3】米国特許第5.516,853号
【特許文献4】米国特許第6,180,686号
【特許文献5】米国特許第6,465,569号
【特許文献6】米国特許第6,624,244号
【特許文献7】米国特許出願公開2004/0209971 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、この分野においては、環境に優しい再生可能な成分で製造されたポリウレタンフォーム及びエラストマーに対する要求が、引き続き存在している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明は、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートから製造したポリウレタンフォーム及びエラストマーを提供する。アルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、環境に優しい、「バイオ系」ポリオールであり、ポリウレタンに改良された疎水性能を与える。アルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、ポリウレタン形成組成物中で、石油誘導ポリオールの一部又は全部を代替できる。本発明のフォームは、多くに用途で使用できる。
本発明のこれら及び他の利点及び利益は、以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に記載するが、これは説明のためであって、本発明を限定するものではない。
実施例及び他の指示がある場合を除き、特許請求の範囲及び明細書で使用する量、パーセント、ヒドロキシル価、官能価等を表す全ての数値は、「約」を付けて読むものとする。ダルトンにより示される当量及び分子量は、別の記述がない限り、平均当量及び平均分子量である。
【0015】
本発明は、
少なくとも1種のポリイソシアネート;及び
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含む少なくとも1種のアルコキシル化植物油ヒドロキシレート、
所望により、少なくとも1種の非植物油系ポリオールを、
所望により、少なくとも1種の発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒及び充填剤の存在下に反応させた反応生成物を含んでなるポリウレタンフォーム又はエラストマー
を提供する。
【0016】
また、本発明は、
少なくとも1種のポリイソシアネート;及び
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含む少なくとも1種のアルコキシル化植物油ヒドロキシレート、
所望により、少なくとも1種の非植物油系ポリオールを、
所望により、少なくとも1種の発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒及び充填剤の存在下に反応させること含んでなる、ポリウレタンフォーム又はエラストマーの製造方法
を提供する。
【0017】
更に、本発明は、
少なくとも1種のポリイソシアネート;及び
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含み、複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下にアルコキシレート化された少なくとも1種のアルコキシル化植物油ヒドロキシレート、
所望により、少なくとも1種の非植物油系ポリオールを、
所望により、少なくとも1種の発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒及び充填剤の存在下に反応させた反応生成物を含んでなるポリウレタンフォーム又はエラストマー
を提供する。
【0018】
更にまた、本発明は、
少なくとも1種のポリイソシアネート;及び
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含み、複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下にアルコキシレート化された少なくとも1種のアルコキシル化植物油ヒドロキシレート、
所望により、少なくとも1種の非植物油系ポリオールを、
所望により、少なくとも1種の発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒及び充填剤の存在下に反応させること含んでなる、ポリウレタンフォーム又はエラストマーの製造方法
を提供する。
【0019】
本発明は、
a)連続反応器中で、アルキレンオキシドを連続反応器に導入した後にヒドロキシレート化植物油のポリオキシアルキル化を開始するのに有効な複金属シアン化物(DMC)触媒及びヒドロキシレート化植物油の混合物を形成し、
b)連続反応器に、1種又はそれ以上のアルキレンオキシドを連続的に導入し、
c)連続反応器に、ヒドロキシレート化植物油を連続的に導入し、
d)連続反応器に、新しい複金属シアン化物(DMC)触媒及び/又は更なる複金属シアン化物(DMC)触媒/更なるヒドロキシレート化植物油混合物を連続的に導入して、触媒活性を維持し、
e)少なくとも工程a)〜d)を連続的に繰り返すことによりヒドロキシレート化植物油をポリオキシアルキル化して、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートを製造し、
f)連続反応器からアルコキシル化植物油ヒドロキシレートを連続的に取り出す
工程を含んでなる、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートの連続製造方法
をも提供する。
【0020】
適当なポリイソシアネートは、当業者には知られており、未変性イソシアネート、変性ポリイソシアネート及びイソシアネートプレポリマーを包含する。そのような有機ポリイソシアネートには、例えば、W. Siefken、Justus Liebigs Annalen der Chemie、562、75 - 136頁に記載されているような種類の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、及び複素環式ポリイソシアネートが含まれる。そのようなイソシアネートの例には、下記式で示されるイソシアネートが含まれる:
【化1】

(式中、n は、2〜5、好ましくは2〜3の数であり、Q は、2〜18個、好ましくは6〜10個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基;4〜15個、好ましくは5〜10個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基;8〜15個、好ましくは8〜13個の炭素原子を有する芳香脂肪族炭化水素基;又は6〜15個、好ましくは6-13個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基である。)
【0021】
適当なイソシアネートの例は、以下の化合物である:エチレンジイソシアネート;1,4-テトラメチレンジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;1,12-ドデカンジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-及び-1,4-ジイソシアネート、及びこれら異性体の混合物;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート;例えばドイツ特許出願公開 1,202,785及び米国特許第3,401,190号);2,4-及び2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート及びこれら異性体の混合物;ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート(水素化MDI又はHMDI);1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート;2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート及びこれら異性体(TDI)の混合物;ジフェニルメタン-2,4'-及び/又は-4,4'-ジイソシアネート(MDI);ナフタレン-1,5-ジイソシアネート;トリフェニルメタン-4,4',4''-トリイソシアネート;アニリンとホルムアルデヒドの縮合及びそれに続くホスゲン化により得られる種類(例えばGB 878,430及びGB 848,671に記載)のポリフェニル-ポリメチレンポリイソシアネート(粗MDI);例えば米国特許第3,492,330号に記載されているようなノルボルナンジイソシアネート;米国特許第3,454,606号に記載されているような種類のm-及びp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート;例えば米国特許第3,227,138号に記載されているような種類のパー塩素化アリールポリイソシアネート;米国特許第3,152,162号に記載されているようなカルボジイミド基含有変性ポリイソシアネート;例えば米国特許第3,394,164及び3,644,457号に記載されているような種類のウレタン基含有変性ポリイソシアネート;例えばGB 994,890、BE 761,616、及びNL 7,102,524に記載されているような種類のアロファネート基含有変性ポリイソシアネート;例えば米国特許第3,002,973号、ドイツ特許1,022,789、1,222,067及び1,027,394、並びにドイツ特許公開 1,919,034及び2,004,048に記載されているようなイソシアヌレート基含有変性ポリイソシアネート;ドイツ特許1,230,778に記載されている様な種類の尿素基含有変性ポリイソシアネート;例えばドイツ特許1,101,394、米国特許第3,124,605及び3,201,372号、及びGB 889,050に記載されているような種類のビウレット基含有ポリイソシアネート;例えば米国特許第3,654,106号に記載されているような種類のテロマー化反応により得られるポリイソシアネート;例えばGB 965,474及びGB 1,072,956、米国特許第3,567,763号、及びドイツ特許1,231,688に記載されているような種類のエステル基含有ポリイソシアネート;ドイツ特許1,072,385に記載されているような上記イソシアネートとアセタールとの反応生成物;及び米国特許第3,455,883号に記載されているような種類のポリマー脂肪酸基含有ポリイソシアネート。また、商業規模でのイソシアネートの製造時に蓄積するイソシアネート-含有蒸留残渣も使用することができ、これらは、場合により上記ポリイソシアネートの1種又はそれ以上の中の溶液として得られる。当業者なら、上記ポリイソシアネートの混合物を使用することも可能であることが理解できる。
【0022】
一般に、容易に入手できるポリイソシアネート、例えば、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート及びこれら異性体の混合物(TDI);アニリンとホルムアルデヒドの縮合及びその後のホスゲン化により得られる種類のポリフェニル-ポリメチレンポリイソシアネート(粗MDI);及びカルボジイミド基、ウレタン基、アロファネート基、イソシアヌレート基、尿素基又はビウレット基を含有するポリイソシアネート(変性ポリイソシアネート)を使用するのが好ましい。
【0023】
イソシアネート-末端化プレポリマーも、本発明のポリウレタンフォーム及びエラストマーの製造に使用することができる。プレポリマーは、過剰の有機ポリイソシアネート又はそれらの混合物を、周知のツェレビチノフ試験により決定される活性水素含有化合物の少量と反応させることにより調製することができる(Kohler、"Journal of the American Chemical Society," 49、3181 (1927)参照)。そのような化合物及びそれらの調製方法は、当業者には周知である。ある特定の活性水素含有化合物の使用に限定されることはなく、いずれの活性水素含有化合物も本発明を実施する際に使用できる。
【0024】
本発明のアルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、ポリウレタンの製造に従来使用されてきた石油誘導ポリオールを部分的に又は全体的に代替できる。本発明のアルコキシル化植物油ヒドロキシレートを製造するのに使用される好ましい植物油出発分子は大豆油であるが、それ以外の植物油、例えば、ひまわり油、カノーラ油、亜麻仁油、綿実油、キリ油、ケシ油、トウモロコシ油及びピーナツ油をヒドロキシル化し、本発明で使用することができる。
【0025】
ヒドロキシル化は、本発明においては、分子中へのヒドロキシル基(即ち、OH)の導入又はヒドロキシル基の数の増加を意味する。本発明において、植物油は、技術分野で既知の方法、例えば空気酸化、過酸化物の使用及びヒドロホルミル化のいずれによってもヒドロキシル化できる。
【0026】
このヒドロキシル化の後、植物油ヒドロキシレートは、当業者に既知の任意の方法によりよりアルコキシレート化される。特に好ましい方法は、塩基(例えばKOH)触媒法、及び複金属シアン化物(DMC)触媒法である。
【0027】
本発明でのアルコキシル化に有用なアルキレンオキシドには、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-及び2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、及び高級アルキレンオキシド、例えば C5-C30 α−アルキレンオキシドが含まれるが、これらに限定されない。一般に、エチレンオキシドを単独で使用することは望ましくなく、高エチレンオキシド含有量、例えば、85モル%までのエチレンオキシド含有量であるプロピレンオキシド及びエチレンオキシドの混合物を使用するのが効果的である。プロピレンオキシド、若しくはプロピレンオキシドとエチレンオキシド又は他のアルキレンオキシドとの混合物が、本発明の方法では好ましい。他の重合性モノマー、例えば、ポリカルボン酸無水物(無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、無水クロレンド酸及び無水マレイン酸)、ラクトン、及び米国特許第3,404,109;5,145,883;及び3,538,043号に記載されている他のモノマーも使用できる。本発明のアルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、所望により、この技術分野で既知であり、例えば米国特許第4,355、188;4,721,818;及び5,563,221号に記載されているように、エチレンオキシドで「キャップする」ことができる。
【0028】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートの質量に基づいて、好ましくは15〜90質量%、より好ましくは20〜80質量%のアルコキシレート含有量を有する。本発明のアルコキシル化植物油ヒドロキシレートのアルコキシレート含有量は、記載した両端の量を含め、これら値のいずれの組み合わせの間の範囲にあってもよい。
【0029】
上述のように、植物油ヒドロキシレートのアルコキシル化は、技術分野で既知のアルコキシル化触媒を用いて行うことができるが、本発明では複金属シアン化物(DMC)触媒が特に好ましい。それは、得られるポリオールが、より高い分子量を有し、得られるフォーム及びエラストマーに改良された快適性を与えることができるからである。本発明のアルコキシル化法では、どのような複金属シアン化物(DMC)触媒を用いてもよい。適当な複金属シアン化物(DMC)触媒は、当業者には知られている。複金属シアン化物(DMC)触媒は、低分子量有機錯化剤及び所望により他の錯化剤と複金属シアン化物、例えばヘキサシアノコバルト酸亜鉛との非化学量論的錯体である。
【0030】
本発明の植物油ヒドロキシレートのアルコキシル化に使用される複金属シアン化物(DMC)錯体触媒の例には、米国特許第3,427,256;3,427,334;3,427,335;3,829,505;4,472,560;4,477,589;及び5,158,922号に記載されているような、低不飽和ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールの製造に適している錯体が包含される。本発明の方法においてより好ましい複金属シアン化物(DMC)触媒は、「超低」不飽和ポリエーテルポリオールを製造することができる触媒である。そのような触媒は、米国特許第5,470,813及び5,482,908及び5,545,601号に開示されている。本発明の方法において特に好ましいのは、米国特許第5,482,908号に記載の方法により調製されるヘキサシアノコバルト酸亜鉛触媒である。
【0031】
DMC触媒の濃度は、所定の反応条件下でのポリオキシアルキル化反応をうまく制御できるように選択される。触媒濃度は、製造されるポリオールの量に基づき、好ましくは0.0005〜1質量%の範囲、より好ましくは0.001〜0.1質量%の範囲、最も好ましくは0.001〜0.01質量%の範囲である。DMC触媒は、本発明のアルコキシル化法では、記載した値を含めて、上記の値の任意の組み合わせの間の範囲にある量で存在し得る。
【0032】
当業者には知られているが、有機錯化配位子がDMC触媒に含まれ得る。任意の有機錯化配位子、例えば米国特許第3,404,109、3,829,505、3,941,849、5,158,922及び5,470,813号、並びにEP 0,700,949、EP 0,761,708、EP 0,743,093、WO 97/40086及びJP 4,145,123 に記載されているような有機錯化配位子が、本発明の方法で使用するDMC触媒の一部となり得る。そのような有機錯化配位子には、酸素、窒素、リン又は硫黄のようなヘテロ原子を有する、DMC化合物と錯体を形成できる水溶性有機化合物が包含される。有機錯化配位子 として好ましいのは、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル、アミド、尿素、ニトリル、スルフィド及びそれらの混合物である。より好ましい有機錯化配位子には、水溶性脂肪族アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール及びtert-ブタノールである。tert-ブタノールが最も好ましい。
【0033】
本発明の方法におけるDMC触媒は、所望により、少なくとも1種の官能化ポリマーを含んでいてよい。本明細書で用いる「官能化ポリマー」は、酸素、窒素、硫黄、リン又はハロゲンを含んだ1つ又はそれ以上の官能基を有するポリマー又はその塩である。本発明の方法において好ましい官能化ポリマーの例には、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアルキレングリコールソルビタンエステル、ポリアルキレングリコールグリシジルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリルアミド-コ-アクリル酸)、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸-コ-マレイン酸)、ポリ(N-ビニルピロリドン-コ-アクリル酸)、ポリ(アクリル酸-コ-スチレン)及びその塩、マレイン酸/スチレン/無水マレイン酸コポリマー及びその塩、分岐鎖エトキシル化アルコールを含むブロックコポリマー、アルコキシレート化アルコール、例えばNEODOL(Shell Chemical Companyから販売)、ポリエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アルキル、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリビニルメチルケトン、ポリ(4-ビニルフェノール)、オキサゾリンポリマー、ポリアルキレンイミン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアセタール、グリシジルエーテル、グリコシド、多価アルコールのカルボン酸エステル、胆汁酸及びその塩、エステル又はアミド、シクロデキストリン、リン化合物、不飽和カルボン酸エステル及びイオン性表面-又は界面活性化合物が包含されるが、これらに限定されない。ポリエーテルポリオールが、本発明のアルコキシル化法における官能化ポリマーとして、最も好ましく使用される。
【0034】
使用される場合、官能化ポリマーは、DMC触媒中に、DMC触媒の合計質量に基づき、
2〜80質量%、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%の量で存在していてよい。官能化ポリマーは、記載した値を含めて、上記の値の任意の組み合わせの間の範囲にある量で、DMC触媒中に存在し得る。更に、米国特許第6,699,961号に記載されているような触媒ポリオール懸濁液も使用することができる。
【0035】
本発明による植物油ヒドロキシレートのアルコキシル化は、バッチ式、半バッチ式又は連続的に行ってよい。バッチ又は半バッチ式でポリオールを製造する場合、高分子量出発化合物及び触媒を一度に反応器に投入する。ポリオールを製造するための連続法については、多くの特許又は特許出願がある。
【0036】
米国特許第5,689,012号(Pazos et al)は、ポリオキシアルキル化触媒として複金属シアン化物(DMC)触媒を用い、連続オキシアルキル化反応器への出発化合物及び触媒の連続的添加と共にアルキレンオキシドの連続添加を採用するポリオキシアルキレンポリエーテルの連続製造方法を開示している。ポリエーテル生成物は、ポリマー形成系、特にポリウレタンにおいて使用するのに非常に適していると言われている。この米国特許の方法では、ポリオールの合成は、連続反応器への触媒/出発化合物の導入、オキシアルキル化の開始と共に始まり、オキシアルキレン化中は、触媒、出発化合物及びアルキレンオキシドを連続的に添加し、ポリオール生成物を連続的に取り出す。この米国特許の方法では、「新鮮な」触媒又は予備活性化触媒を添加する。
【0037】
用語「連続(的)」は、本明細書で使用する場合、適切な触媒又は反応体の有効濃度が実質的に連続的に維持されるように、触媒又は反応体を添加することであると規定し得る。例えば、触媒の投入は、まさしく連続的に行っても、比較的狭い間隔で増加させて行ってもよい。同様に、出発化合物の添加も、まさしく連続的に行っても、増加させて行ってもよい。添加する触媒又は反応体の濃度が、次の増加した添加の前にいくらかの時間非常に低い濃度(例えば、5-10 ppm)に低下するような仕方で、触媒又は反応体を増加させながら添加することも、本願発明のポリオールの製造方法を損なうものではない。しかしながら、連続反応期間の大部分において触媒濃度を実質的に一定水準に維持し、低分子量出発化合物が方法の期間の大部分で存在しているのが好ましい。触媒及び/又は反応体の増加的添加が生成物の性質に実質的に影響しないなら、そのような添加も、本明細書で使用する意味で「連続(的)」である。
【0038】
本発明のアルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、好ましくは1.5〜6、より好ましくは2〜4の範囲の公称官能価、及び300〜10000、より好ましくは500〜7000ダルトンの範囲の分子量を有する。本発明のアルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、記載した値を含めて、上記の値の任意の組み合わせの間の範囲にある官能価及び分子量を有する。
【0039】
本発明のポリウレタン生成組成物は、所望により、1種又はそれ以上の非植物性油系(即ち、石油由来の)ポリオール、例えばポリエーテル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステルエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリシロキサン、ポリブタジエン及びポリアセトンを含んでいてよい。任意の非植物油系ポリオールは、好ましくは複金属シアン化物(DMC)触媒を用いて調製される。
【0040】
本発明のポリウレタン生成組成物に任意に含まれる適当な添加剤には、例えば、気泡安定剤、触媒、気泡調節剤、反応禁止剤、難燃剤、可塑剤、顔料、充填剤等が包含される。
【0041】
本発明の方法で使用するのに適当である気泡安定剤には、例えばポリエーテルシロキサン、水不溶性のポリエーテルシロキサンが包含される。このような化合物は、通常、エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーがポリジメチルシロキサン基に結合した構造を有する。このような気泡安定剤は、例えば米国特許第2,834,748、2,917,480及び3,629,308号に記載されている。
【0042】
本発明のフォーム又はエラストマー製造方法に適した触媒には、この技術分野で既知の触媒が含まれる。このような触媒には、例えば、第3級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチル-ジエチレントリアミン及びこれらの高級同族体(例えば、DE-A 2,624,527及び2,624,528に記載の化合物)、1,4-ジアザビシクロ(2.2.2)オクタン、N-メチル-N'-ジメチル-アミノエチルピペラジン、ビス-(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジエチル-ベンジルアミン、ビス-(N,N-ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N-ジメチル-β-フェニルエチルアミン、1,2-ジメチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2,2-ビス-(ジメチルアミノエチル)エーテルのようなビス-(ジアルキルアミノ)アルキルエーテルと一緒になった単環及び二環アミンが包含される。
【0043】
本発明のポリウレタンフォーム及びエラストマーを製造する際に使用できる他の適当な触媒には、例えば、有機金属化合物、特に、有機スズ化合物が包含される。適当であると考えられる有機スズ化合物には、硫黄含有有機スズ化合物が含まれる。そのような触媒には、例えば、ジ-n-オクチルスズメルカプチドがある。他の種類の適当な有機スズ触媒には、好ましくはカルボン酸のスズ(II)塩、例えば、酢酸スズ(II)、オクタン酸スズ(II)、エチルヘキサン酸スズ(II)及び/又はラウリン酸スズ(II)、並びにスズ(IV)化合物、例えば、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート及び/又はジオクチルスズジアセテートが包含される。
【0044】
本発明の軟質ポリウレタンフォームに所望により含まれ得る適当な添加剤の更なる例は、例えば Vieweg及びHochtlen編 Kunststoff-Handbuch、第VII巻、Carl Hanser Verlag(ミュンヘン)1993、第3版、104 〜 127頁に記載されている。これら添加剤の使用および作用機序に関する詳細は、この文献に記載されている。
【実施例】
【0045】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中、「部」及び「%」は、別途記載しない限り、質量部及び質量%である。
【0046】
プロポキシル化吹込大豆油−ポリオール A
ドロキシル化大豆油をアルコキシル化するために、内部熱交換器、3つの供給流口及びコンピュータプロセス制御を備えた2ガロン(約7.6リットル)加圧反応器を用いた。反応器を脱気し、130℃に加熱した。反応器に、吹込(ヒドロキシル化)大豆油及びトルエンの1:1混合物(60g)並びに複金属シアン化物触媒(米国特許第5,482,908号に記載)(最終ポリオールの質量に対し200 ppm)を投入した。吹込大豆油は、高温で油に空気を吹き込む制御された方法でUrethane Soy Systems により製造された。この手順により、脂肪酸基にヒドロキシル基を導入した。吹込大豆油は、267のヒドロキシル価を有していた。
【0047】
トルエン及びヒドロキシル化大豆油の初期投入量に対して約10%のプロピレンオキシドにより触媒を活性化した(即ち、合計75g のプロピレンオキシドによる触媒の活性化)。活性化後、130℃の温度で、1原料流でヒドロキシル化大豆油及びトルエンの1:1混合物(1140 g)を6時間かけて添加し、2つ目の原料流でプロピレンオキシド(1140 g)を8時間かけて添加した
【0048】
反応器を130℃で脱気して、トルエン及び過剰のプロピレンオキシドを除き、内容物を80℃に冷却した。これをポリオール Aとする。
分析:ヒドロキシル価=56。
【0049】
プロポキシル化吹込大豆油−ポリオール B
ポリオール Aの製造に使用した一般的な方法及び装置を少し改良して使用し、ポリオール Bを製造した。反応器への初期投入物は700 MWプロポキシル化グリセリン(100 g)であり、続いて触媒(0.743 g)を加えた。系を脱気し、窒素でパージした後、プロピレンオキシド(50 g)を添加して、触媒を活性化した。ヒドロキシル化大豆油及びトルエンの1:1混合物(1600 g)を2.5時間かけて添加し、それと共に、プロピレンオキシド(1964 g)を3.3時間かけて添加した。添加の終了後、温度を130℃から150℃に上げて、プロピレンオキシドの反応を完了した。次いで、系を脱気して、トルエンを除いた。78のヒドロキシル価を有する生成物が得られた。これをポリオール Bとする。
【0050】
更に、下記の変更点を除いて上記手順を用い、ヒドロキシル化大豆油からポリオール B-1及びB-2 を製造した:変更点は、プロピレンオキシドとの共供給物としてトルエンに溶解した大豆油を添加する前に、触媒を活性化する為に、出発化合物として、少量の700 MW プロポキシル化グリセリンを添加したことである。すべての実験は130℃で行い、最後のトルエンの除去は150℃で行った。
【0051】
【表1】

【0052】
プロポキシル化-エトキシル化吹込大豆油−ポリオール C
トルエン(2,000 g)、ヒドロキシル価179及び官能価3を有するヒドロキシル化大豆油(GC-5NとしてUrethane Soy Systemsから販売)(2,000 g)、及び濃リン酸(1 g)から、溶液を調製した。この溶液を2ガロン容器(Pope Scientific Inc.)に供給し、2ガロン容器に供給するために50 psia(約344.8kPa)の窒素で加圧した。
【0053】
2ガロンステンレス鋼製ポリオール反応器に、20質量%のエチレンオキシド含有量を有し、グリセリンから出発したヒドロキシル価36のポリエーテルトリオール(500 g;0.321 OH 当量)及び複金属シアン化物触媒(米国特許第5,482,908号に記載)1088 g を供給した。混合物を、減圧下、反応器内の圧力を1.0 psiaに保つのに十分なように窒素でゆっくりパージし、撹拌しながら130℃で加熱した。30分間のパージ及びストリッピングの後、窒素パージを停止し、真空バルブを閉じて、反応器を約0.3 psiaに保持した。閉じた反応器に、プロピレンオキシド(50 g)を5分かけてポンプ送りした。この添加の後、反応器内の圧力は23.4 psiaに上昇した。圧力は急速に低下し始め、プロピレンオキシドの添加後6分で3.5 psiaに低下したが、これは、DMC触媒の活性化を示している。プロピレンオキシド(90 g)及びエチレンオキシド(10 g)の混合供給物を、それぞれ9.5及び1 g/min.の供給速度で添加したところ、反応器圧力は上昇しなかった。これは、触媒が活性化されたことを示している。同じ速度でエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの供給を続けながら、先に調製したヒドロキシル化大豆油のトルエン溶液を含む第3供給物流の供給を、11 g/min.の速度で開始した。1時間後、ヒドロキシル化大豆油の供給速度を16.7 g/min.に増し、この速度で、合計で1880 gの溶液(3.0 OH当量)になるまで供給を続けた。合計で1355 gのプロピレンオキシド及び155 gのエチレンオキシドが供給されるまで、オキシドの供給を続けた。エチレンオキシドの供給速度を6.3 g/min.に増し、プロピレンオキシドの供給速度を9.5 g/min.に維持して、更にエチレンオキシド(600 g)及びプロピレンオキシド(900 g)を反応器に供給した。
【0054】
オキシドの供給が終了した時点で、反応器内の圧力を約30 psiaに上昇した。エチレンオキシド及びプロピレンオキシド両方の供給を停止した後、圧力は、3分間で約3 psia低下して27 psiaになり、この圧力において130℃で30分間維持した。続いて、混合物を80℃に冷却し、真空バルブをゆっくり開いて、トルエンの除去を開始した。真空ラインのコールドトラップにトルエンの蒸留が見られなくなった時点で、温度を130℃に上昇し、窒素パージしながら十分に減圧にしてその温度をさらに30分間維持した。反応器から取り出した生成物は、45.7のヒドロキシル価及び1117 cStの動粘度を有するオレンジ色の液体であった。
【0055】
プロポキシル化-エトキシル化 吹込大豆油−ポリオール D
2ガロンステンレス鋼製ポリオール反応器に、ポリオール C(500 g)及び複金属シアン化物触媒(1.088 g)(米国特許第5,482,908号に記載)を供給した。混合物を、減圧下、反応器内の圧力を1.0 psiaに保つのに十分なように窒素でゆっくりパージし、撹拌しながら130℃で加熱した。30分間のパージ及びストリッピングの後、窒素パージを停止し、真空バルブを閉じて、反応器を約0.3 psiaに保持した。閉じた反応器に、プロピレンオキシド(50 g)を5分でポンプ送りした。この添加の後、反応器内の圧力を25.1 psiaに上昇した。圧力は急速に低下し始め、プロピレンオキシドの添加後4分で5.0 psiaに達したが、これは、DMC触媒の活性化を示している。プロピレンオキシド(90 g)及びエチレンオキシド(10 g)の混合供給物を、それぞれ9.5及び1 g/min.の供給速度で添加したところ、反応器圧力は上昇しなかった。これは、触媒が活性化されたことを示している。同じ速度でエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの供給を続けながら、(先のポリオール C)の調製で記載した)ヒドロキシル化大豆油のトルエン溶液を含む第3供給物流の供給を、5 g/min.の速度で開始し、40分かけて直線的に20 g/min.に増した。合計で1880 g の溶液(3.0 OH 当量)に達するまで、この速度で、大豆油の供給を続けた。合計で1355 g のプロピレンオキシド及び155 g のエチレンオキシドが供給されるまで、同じ速度でオキシドを供給した。次いで、エチレンオキシドの供給速度を6.3 g/min.に増し、プロピレンオキシドの供給速度を9.5 g/min.に維持して、更にエチレンオキシド(600 g)及びプロピレンオキシド(900 g)を反応器に供給した。
【0056】
オキシドの供給が終了した時点で、反応器内の圧力を約28 psiaに上昇した。エチレンオキシド及びプロピレンオキシド両方の供給を停止した後、圧力は、5分間で約4 psia低下して、約24 psiaになり、この圧力において130℃で30分間維持した。続いて、混合物を80℃に冷却し、真空バルブをゆっくり開いて、トルエンの除去を開始した。真空ラインのコールドトラップにトルエンの蒸留が見られなくなった時点で、温度を130℃に上昇し、窒素パージしながら十分に減圧にしてその温度をさらに30分間維持した。反応器から取り出した生成物は、42.6のヒドロキシル価及び1353 cStの動粘度を有するオレンジ色の液体であった。
【0057】
下記の成分を用いてフォームを製造した:
ポリオール A:約56 mg KOH/gのヒドロキシル価を有するプロポキシル化大豆油ヒドロキシレート;上記の製法で調製。
ポリオール B:約78 mg KOH/gのヒドロキシル価を有するプロポキシル化大豆油ヒドロキシレート;上記の製法で調製。
ポリオール D:約42.6 mg KOH/gのヒドロキシル価を有するプロポキシル化大豆油ヒドロキシレート;上記の製法で調製。
ポリオール E:約56 mg KOH/gヒドロキシル価を有するトリオール。
MeCl2:塩化メチレン。
界面活性剤A:シリコーン界面活性剤(NIAX L 620、GE Silicones製)。
界面活性剤B:シリコーン界面活性剤(TEGOSTAB B-8715 LF、Goldschmidt AG製)。
界面活性剤C:シリコーン界面活性剤(DABCO 5943、Air Products製)。
DEOA:ジエタノールアミン及び水の85/15 混合物。
触媒A:ジ-(2-エチルヘキシル)フタレート/第1スズアルキルヘキサノエート(50/50 比)触媒(DABCO T-10、Air Products製)。
触媒B:アミン触媒(NIAX A-1、GE Silicones製)。
触媒C:アミン触媒(DABCO 33-LV、Air Products製)。
触媒D:アミン触媒(NIAX A-4、GE Silicones製)。
触媒E:遅延活性アミン触媒(NIAX A-300、GE Silicones製)。
イソシアネートA:トルエンジイソシアネート(MONDUR TD-80、Bayer MaterialScience製)。
イソシアネートB:約32.4のNCO基含有量、約2.3の官能価及び約25 mPa・s(25℃)の粘度を有するポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)。
【0058】
成分を下記表Iに示す量(部)で組み合わせ、110のイソシアネート指数(100 A/B)で反応させた。得られた自由発泡フォームの物理的性質を測定し、表Iに示す。表Iの結果から容易に分かるように、アルコキシレート化大豆油ヒドロキシレートを含む本発明のフォーム製造用組成物は有用なフォームを与える。
【0059】
【表2】

【0060】
成分を下記表IIに示す量(部)で組み合わせ、110のイソシアネート指数(100 A/B)で反応させた。得られた自由発泡フォームの物理的性質を測定し、表IIに示す。
【0061】
【表3】

【0062】
成分を下記表IIIに示す量(部)で組み合わせ、110のイソシアネート指数(100 A/B)で反応させた。得られた自由発泡フォームの物理的性質を測定し、表IIIに示す。
【0063】
【表4】

【0064】
本発明のポリウレタンフォーム及びエラストマーは、環境に対する関心が高く、再生可能な原料の使用が要求され、及び/又は向上した疎水性が有利である多くの分野で使用することができる。そのような分野には、ダッシュボード、シートクッション及びヘッドレストのような自動車内装部品、ポリウレタン構造フォーム、並びに陸上競技トラックがあるが、それだけに限定されない。
以上の本発明の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。当業者なら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更または改変が可能なことを理解できるであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のポリイソシアネート;及び
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含む少なくとも1種のアルコキシル化植物油ヒドロキシレート、
所望により、少なくとも1種の非植物油系ポリオールを、
所望により、少なくとも1種の発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒及び充填剤の存在下に反応させた反応生成物を含んでなるポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項2】
少なくとも1種のポリイソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-及び-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート(水素化MDI又はHMDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4'-及び/又は-4,4'-ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニル-メタン-4,4',4''-トリイソシアネート、ポリフェニル-ポリメチレンポリイソシアネート(粗MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-及びp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、パー塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド-変性ポリイソシアネート、ウレタン-変性ポリイソシアネート、アロファネート-変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート-変性ポリイソシアネート、尿素-変性ポリイソシアネート、ビウレット-含有ポリイソシアネート、イソシアネート-末端化プレポリマー及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項3】
少なくとも1種のポリイソシアネートがトルエンジイソシアネート(TDI)である、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項4】
植物油は、ひまわり油、カノーラ油、亜麻仁油、綿実油、キリ油、ヤシ油、ケシ油、トウモロコシ油、ピーナツ油及び大豆油から選択される、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項5】
植物油は大豆油である、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項6】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約20〜80質量%のアルコキシレートを含む、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項7】
植物油ヒドロキシレートは、複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下にアルコキシレート化される、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項8】
植物油ヒドロキシレートは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C-C30 α−アルキレンオキシド、ポリカルボン酸無水物、ラクトン及びそれらの混合物から選択されるアルキレンオキシドによりアルコキシレート化される、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項9】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートはエチレンオキシドによりキャップされている、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項10】
非植物油系ポリオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステルエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリシロキサン、ポリブタジエン及びポリアセトンから選択される、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項11】
非植物油系ポリオールはポリエーテルポリオールである、請求項1に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項12】
ポリエーテルポリオールは複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下に製造される、請求項11に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のポリウレタンフォーム又はエラストマーを含んでなる、自動車内装部品、ポリウレタン構造フォーム、床被覆又は陸上競技トラック。
【請求項14】
少なくとも1種のポリイソシアネート;及び
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含む少なくとも1種のアルコキシル化植物油ヒドロキシレート、
所望により、少なくとも1種の非植物油系ポリオールを、
所望により、少なくとも1種の発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒及び充填剤の存在下に反応させること含んでなる、ポリウレタンフォーム又はエラストマーの製造方法。
【請求項15】
少なくとも1種のポリイソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-及び-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート(水素化MDI又はHMDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4'-及び/又は-4,4'-ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニル-メタン-4,4',4''-トリイソシアネート、ポリフェニル-ポリメチレンポリイソシアネート(粗MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-及びp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、パー塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド-変性ポリイソシアネート、ウレタン-変性ポリイソシアネート、アロファネート-変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート-変性ポリイソシアネート、尿素-変性ポリイソシアネート、ビウレット-含有ポリイソシアネート、イソシアネート-末端化プレポリマー及びそれらの混合物から選択される、請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
少なくとも1種のポリイソシアネートはトルエンジイソシアネート(TDI)である、請求項14に記載の製造方法。
【請求項17】
植物油は、ひまわり油、カノーラ油、亜麻仁油、綿実油、キリ油、ヤシ油、ケシ油、トウモロコシ油、ピーナツ油及び大豆油から選択される、請求項14に記載の製造方法。
【請求項18】
植物油は大豆油である、請求項14に記載の製造方法。
【請求項19】
植物油ヒドロキシレートは、複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下にアルコキシレート化される、請求項14に記載の製造方法。
【請求項20】
植物油ヒドロキシレートは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α−アルキレンオキシド、ポリカルボン酸無水物、ラクトン及びそれらの混合物から選択されるアルキレンオキシドによりアルコキシレート化される、請求項14に記載の製造方法。
【請求項21】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレーはエチレンオキシドによりキャップされる、請求項14に記載の製造方法。
【請求項22】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約20〜80質量%のアルコキシレートを含む、請求項14に記載の製造方法。
【請求項23】
非植物油系ポリオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステルエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリシロキサン、ポリブタジエン及びポリアセトンから選択される、請求項14に記載の製造方法。
【請求項24】
非植物油系ポリオールはポリエーテルポリオールである、請求項14に記載の製造方法。
【請求項25】
非植物油系ポリオールは、複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下に製造される、請求項14に記載の製造方法。
【請求項26】
複金属シアン化物(DMC)触媒はヘキサシアノコバルト酸亜鉛である、請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
請求項14〜26のいずれかに記載の製造方法により製造されたポリウレタンフォーム又はエラストマーを含んでなる、自動車内装部品、ポリウレタン構造フォーム、床被覆又は陸上競技トラック。
【請求項28】
少なくとも1種のポリイソシアネート;及び
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含み、複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下にアルコキシレート化された少なくとも1種のアルコキシル化植物油ヒドロキシレート、
所望により、少なくとも1種の非植物油系ポリオールを、
所望により、少なくとも1種の発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒及び充填剤の存在下に反応させた反応生成物を含んでなるポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項29】
少なくとも1種のポリイソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-及び-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート(水素化MDI又はHMDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4'-及び/又は-4,4'-ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニル-メタン-4,4',4''-トリイソシアネート、ポリフェニル-ポリメチレンポリイソシアネート(粗MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-及びp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、パー塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド-変性ポリイソシアネート、ウレタン-変性ポリイソシアネート、アロファネート-変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート-変性ポリイソシアネート、尿素-変性ポリイソシアネート、ビウレット-含有ポリイソシアネート、イソシアネート-末端化プレポリマー及びそれらの混合物から選択される、請求項28に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項30】
少なくとも1種のポリイソシアネートがトルエンジイソシアネート(TDI)である、請求項28に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項31】
植物油は、ひまわり油、カノーラ油、亜麻仁油、綿実油、キリ油、ヤシ油、ケシ油、トウモロコシ油、ピーナツ油及び大豆油から選択される、請求項28に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項32】
植物油は大豆油である、請求項28に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項33】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約20〜80質量%のアルコキシレートを含む、請求項28に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項34】
植物油ヒドロキシレートは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α−アルキレンオキシド、ポリカルボン酸無水物、ラクトン及びそれらの混合物から選択されるアルキレンオキシドによりアルコキシレート化される、請求項28に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項35】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートはエチレンオキシドによりキャップされている、請求項28に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項36】
非植物油系ポリオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステルエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリシロキサン、ポリブタジエン及びポリアセトンから選択される、請求項28に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項37】
非植物油系ポリオールはポリエーテルポリオールである、請求項28に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項38】
ポリエーテルポリオールは複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下に製造される、請求項37に記載のポリウレタンフォーム又はエラストマー。
【請求項39】
請求項28〜38のいずれかに記載のポリウレタンフォーム又はエラストマーを含んでなる、自動車内装部品、ポリウレタン構造フォーム、床被覆又は陸上競技トラック。
【請求項40】
少なくとも1種のポリイソシアネート;及び
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含み、複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下にアルコキシレート化された少なくとも1種のアルコキシル化植物油ヒドロキシレート、
所望により、少なくとも1種の非植物油系ポリオールを、
所望により、少なくとも1種の発泡剤、界面活性剤、顔料、難燃剤、触媒及び充填剤の存在下に反応させること含んでなる、ポリウレタンフォーム又はエラストマーの製造方法。
【請求項41】
少なくとも1種のポリイソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-及び-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート(水素化MDI又はHMDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4'-及び/又は-4,4'-ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニル-メタン-4,4',4''-トリイソシアネート、ポリフェニル-ポリメチレンポリイソシアネート(粗MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-及びp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、パー塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド-変性ポリイソシアネート、ウレタン-変性ポリイソシアネート、アロファネート-変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート-変性ポリイソシアネート、尿素-変性ポリイソシアネート、ビウレット-含有ポリイソシアネート、イソシアネート-末端化プレポリマー及びそれらの混合物から選択される、請求項40に記載の製造方法。
【請求項42】
少なくとも1種のポリイソシアネートはトルエンジイソシアネート(TDI)である、請求項40に記載の製造方法。
【請求項43】
植物油は、ひまわり油、カノーラ油、亜麻仁油、綿実油、キリ油、ヤシ油、ケシ油、トウモロコシ油、ピーナツ油及び大豆油から選択される、請求項40に記載の製造方法。
【請求項44】
植物油は大豆油である、請求項40に記載の製造方法。
【請求項45】
植物油ヒドロキシレートは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α−アルキレンオキシド、ポリカルボン酸無水物、ラクトン及びそれらの混合物から選択されるアルキレンオキシドによりアルコキシレート化される、請求項40に記載の製造方法。
【請求項46】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレーはエチレンオキシドによりキャップされる、請求項40に記載の製造方法。
【請求項47】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートは、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約20〜80質量%のアルコキシレートを含む、請求項40に記載の製造方法。
【請求項48】
非植物油系ポリオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステルエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリシロキサン、ポリブタジエン及びポリアセトンから選択される、請求項40に記載の製造方法。
【請求項49】
非植物油系ポリオールはポリエーテルポリオールである、請求項40に記載の製造方法。
【請求項50】
非植物油系ポリオールは、複金属シアン化物(DMC)触媒の存在下に製造される、請求項40に記載の製造方法。
【請求項51】
複金属シアン化物(DMC)触媒はヘキサシアノコバルト酸亜鉛である、請求項50に記載の製造方法。
【請求項52】
請求項40〜51のいずれかに記載の製造方法により製造された、自動車内装部品、ポリウレタン構造フォーム、床被覆又は陸上競技トラック。
【請求項53】
a)連続反応器中で、アルキレンオキシドを連続反応器に導入した後にヒドロキシレート化植物油のポリオキシアルキル化を開始するのに有効な複金属シアン化物(DMC)触媒及びヒドロキシレート化植物油の混合物を形成し、
b)連続反応器に、1種又はそれ以上のアルキレンオキシドを連続的に導入し、
c)連続反応器に、ヒドロキシレート化植物油を連続的に導入し、
d)連続反応器に、新しい複金属シアン化物(DMC)触媒及び/又は更なる複金属シアン化物(DMC)触媒/更なるヒドロキシレート化植物油混合物を連続的に導入して、触媒活性を維持し、
e)少なくとも工程a)〜d)を連続的に繰り返すことによりヒドロキシレート化植物油をポリオキシアルキル化して、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートを製造し、
f)連続反応器からアルコキシル化植物油ヒドロキシレートを連続的に取り出す
工程を含んでなる、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートの連続製造方法。
【請求項54】
植物油は、ひまわり油、カノーラ油、亜麻仁油、綿実油、キリ油、ヤシ油、ケシ油、トウモロコシ油、ピーナツ油及び大豆油から選択される、請求項53に記載の連続製造方法。
【請求項55】
植物油は大豆油である、請求項53に記載の連続製造方法。
【請求項56】
複金属シアン化物(DMC)触媒は、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛である、請求項53に記載の連続製造方法。
【請求項57】
アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α−アルキレンオキシド、ポリカルボン酸無水物、ラクトン及びそれらの混合物から選択される、請求項53に記載の連続製造方法。
【請求項58】
アルキレンオキシドはプロピレンオキシドである、請求項53に記載の連続製造方法。
【請求項59】
更に、アルコキシル化植物油ヒドロキシレートをエチレンオキシドによりキャップする工程を含む、請求項53に記載の連続製造方法。
【請求項60】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約15〜90質量%のアルコキシレートを含む、請求項53に記載の連続製造方法により製造されたポリオール。
【請求項61】
アルコキシル化植物油ヒドロキシレートに基づいて約20〜80質量%のアルコキシレートを含む、請求項53に記載の連続製造方法により製造されたポリオール。

【公開番号】特開2006−291205(P2006−291205A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−105314(P2006−105314)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】